(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962218
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】フロート式ソーラーシステム
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20200101AFI20211025BHJP
B63B 35/34 20060101ALI20211025BHJP
B63B 21/48 20060101ALI20211025BHJP
B63B 39/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B35/34 Z
B63B21/48
B63B39/00
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-13066(P2018-13066)
(22)【出願日】2018年1月29日
(65)【公開番号】特開2019-130955(P2019-130955A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2020年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小野村 寛
【審査官】
田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】
韓国登録特許第10−1712344(KR,B1)
【文献】
特開2016−113123(JP,A)
【文献】
特開2016−068934(JP,A)
【文献】
特開2003−229593(JP,A)
【文献】
特開2002−255091(JP,A)
【文献】
特開2002−002587(JP,A)
【文献】
特開平10−278873(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/087969(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0051652(US,A1)
【文献】
米国特許第05875729(US,A)
【文献】
米国特許第04766837(US,A)
【文献】
中国特許出願公開第104960636(CN,A)
【文献】
韓国登録特許第10−1687590(KR,B1)
【文献】
韓国登録特許第10−1602487(KR,B1)
【文献】
韓国登録特許第10−1421889(KR,B1)
【文献】
韓国登録特許第10−1339358(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/00
B63B 35/34
B63B 21/48
B63B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネル、および、前記ソーラーパネルが設置されるフロート式ベースを含む発電構造体と、前記発電構造体の浮き上がりを妨げるパラシュートアンカーとを備えるフロート式ソーラーシステムであって、
前記発電構造体と前記パラシュートアンカーとが鉛直方向に交差する所定方向において相対的に移動できるように前記発電構造体と前記パラシュートアンカーとを連結する連結構造を含み、
前記発電構造体または前記連結構造は、前記パラシュートアンカーが取り付けられる取付部材を有し、
前記パラシュートアンカーは、前記パラシュートアンカーの輪または前記取付部材に設けられるスライダーによって、前記取付部材に対する取付位置が移動可能であるように取り付けられる
フロート式ソーラーシステム。
【請求項2】
隣り合う前記フロート式ベース同士を連結する連結部材をさらに備え、
前記連結構造は前記連結部材、および、前記連結部材に取り付けられる前記パラシュートアンカーの輪を含み、
前記連結部材は、前記パラシュートアンカーの前記輪が移動可能に取り付けられる前記取付部材として構成される
請求項1に記載のフロート式ソーラーシステム。
【請求項3】
前記連結部材は直線状のバー、および、前記発電構造体と連結できるように前記バーの両端部のそれぞれに設けられる連結端部を含み、
前記パラシュートアンカーの輪は前記バーに吊される
請求項2に記載のフロート式ソーラーシステム。
【請求項4】
前記パラシュートアンカーは抵抗体を含み、
前記抵抗体の開口部の直径は前記連結部材により規定される前記フロート式ベース同士の最大の間隔よりも広い
請求項2または3に記載のフロート式ソーラーシステム。
【請求項5】
前記パラシュートアンカーは錘を含み、
前記錘の重量は水中に沈められた前記パラシュートアンカーの前記輪が撓んだ状態となるように設定される
請求項2〜4のいずれか一項に記載のフロート式ソーラーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水面上に設置されるフロート式ソーラーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
水面上において太陽光を用いて発電するフロート式ソーラーシステムが知られている。例えば特許文献1には、太陽電池パネル(15)を備える発電フロート(11a)が記載されている。この発電フロート(11a)には、揺動抵抗体(81)が取り付けられる。揺動抵抗体(81)は水中に沈められる袋体(82)、および、袋体(82)を発電フロート(11a)に繋げる吊り下げワイヤ(84)により構成される。水面から吹き上がる強風が太陽電池パネル(15)に当たる場合、袋体(82)が受ける水圧により発電フロート(11a)に荷重がかかり、発電フロート(11a)の水面からの浮き上がりが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−113123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロート式ソーラーシステムが強風を繰り返し受ける環境に設置される場合がある。強風がフロート式ソーラーシステムに当たる毎に揺動抵抗体(81)の作用にともない発電フロート(11a)に大きな荷重がかかる。発電フロート(11a)に繰り返し荷重がかかることにより発電フロート(11a)を構成する部材に疲労が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関するフロート式ソーラーシステムはソーラーパネル、および、前記ソーラーパネルが設置されるフロート式ベースを含む発電構造体と、前記発電構造体の浮き上がりを妨げるパラシュートアンカーとを備えるフロート式ソーラーシステムであって、前記発電構造体と前記パラシュートアンカーとが鉛直方向に交差する所定方向において相対的に移動できるように前記発電構造体と前記パラシュートアンカーとを連結する連結構造を含む。
上記フロート式ソーラーシステムによれば、水面から吹き上がる強風がソーラーパネルに当たる場合、パラシュートアンカーが受ける水圧により発電構造体に大きな荷重がかかり、発電構造体の浮き上がりが妨げられる。発電構造体に強い横風が当たる場合、発電構造体とパラシュートアンカーとが所定方向において相対的に移動し、パラシュートアンカーが受ける水圧は大きく上昇しない。このため、水面から吹き上がる強風がソーラーパネルに当たる場合とは異なり、発電構造体にかかる荷重が大きく増加しない。パラシュートアンカーが発電構造体に固定される構造では、水面から吹き上がる強風がソーラーパネルに当たる場合、および、強い横風が発電構造体に当たる場合のいずれにおいても、パラシュートアンカーの作用により発電構造体に同じように大きな荷重がかかる。この構造と比較した場合、本発明に関するフロート式ソーラーシステムでは、発電構造体に大きな荷重が繰り返しかかる回数が少なくなり、発電構造体を構成する部材に疲労が生じにくい。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載のフロート式ソーラーシステムにおいて、隣り合う前記フロート式ベース同士を連結する連結部材をさらに備え、前記連結構造は前記連結部材、および、前記連結部材に取り付けられる前記パラシュートアンカーの輪を含む。
上記フロート式ソーラーシステムによれば、連結部材を利用して連結構造が構成されるため、連結構造に関連するコストを低減できる。なお、パラシュートアンカーの輪は繋がった輪だけではなく、半輪等のように不完全な輪を含む。
【0007】
(3)好ましい例では(2)に記載のフロート式ソーラーシステムにおいて、前記連結部材は直線状のバー、および、前記発電構造体と連結できるように前記バーの両端部のそれぞれに設けられる連結端部を含み、前記パラシュートアンカーの輪は前記バーに吊される。
上記フロート式ソーラーシステムによれば、発電構造体に強い横風が当たる場合、バーに沿う方向においてバーとパラシュートアンカーの輪とが相対的に移動する。パラシュートアンカーの輪が引っ掛かりにくい部分に吊されているため、風の影響により発電構造体の姿勢が頻繁に変化するような状況でも発電構造体とパラシュートアンカーとの相対的な移動が適切に生じる。
【0008】
(4)好ましい例では(2)または(3)に記載のフロート式ソーラーシステムにおいて、前記パラシュートアンカーは抵抗体を含み、前記抵抗体の開口部の直径は前記連結部材により規定される前記フロート式ベース同士の最大の間隔よりも広い。
上記フロート式ソーラーシステムによれば、水面付近に位置するパラシュートアンカーを水面上に引き上げるような力が作用した場合に、抵抗体の開口部がフロート式ベースに引っ掛かる。このため、パラシュートアンカーが水中から飛び出しにくい。
【0009】
(5)好ましい例では(2)〜(4)のいずれか一項に記載のフロート式ソーラーシステムにおいて、前記パラシュートアンカーは錘を含み、前記錘の重量は水中に沈められた前記パラシュートアンカーの前記輪が撓んだ状態となるように設定される。
上記フロート式ソーラーシステムによれば、連結部材に疲労が生じにくい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に関するフロート式ソーラーシステムによれば、発電構造体を構成する部材に疲労が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態のフロート式ソーラーシステムの設置例を示す平面図。
【
図3】発電構造体同士を連結する連結構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
図1は水面上に設置されたフロート式ソーラーシステム10の一例を示す。フロート式ソーラーシステム10が設置される場所の代表例は湖、貯水池、工業用水池、および、遊水池である。図示されるように、フロート式ソーラーシステム10に併せて複数のワイヤー11が設置される場合もある。複数のワイヤー11はフロート式ソーラーシステム10を岸壁G、湖の底、または、池の底に繋げる。複数のワイヤー11が設置されることにより水面上におけるフロート式ソーラーシステム10の位置が安定する。フロート式ソーラーシステム10は複数の発電構造体100を備える。複数の発電構造体100は規則的に並べられる。
【0013】
図2は発電構造体100の一例である。発電構造体100は水面上で太陽光を用いて発電する太陽光発電装置である。発電構造体100を構成する主な要素はフロート式ベース110およびソーラーパネル170である。一例では、フロート式ベース110上に複数のソーラーパネル170が設置される。ソーラーパネル170に強風が当たる場合でもソーラーパネル170がフロート式ベース110から分離しないようにフロート式ベース110とソーラーパネル170とは強く結合される。
【0014】
フロート式ベース110はソーラーパネル170を支持した状態で水面上に浮くように構成される。フロート式ベース110を構成する主な要素はフレーム120、フロート150、および、架台160である。フレーム120はフロート式ベース110の外郭を構成する。フレーム120は枠130および梁140により構成される。枠130を構成する材料の一例はステンレス鋼またはアルミニウムである。枠130の形状は任意に設定される。一例では、枠130の形状は矩形である。枠130は第1方向において対向する第1辺131および第2辺132、ならびに、第2方向において対向する第3辺133および第4辺134により構成される。フロート式ベース110の平面視において第1方向と第2方向とは互いに直交する。
【0015】
梁140を構成する材料の一例は高耐候メッキ鋼板である。梁140の具体的な形態および数は任意に選択できる。図示される例では、梁140はグレーチングである。フレーム120は4本の梁140を含む。4本の梁140である第1梁141〜第4梁144は第1方向に平行に配置される。第1梁141は第1辺131の隣に配置される。第1梁141は第1辺131、第3辺133、および、第4辺134のそれぞれに固定される。第2梁142は第2辺132の隣に配置される。第2梁142は第2辺132、第3辺133、および、第4辺134のそれぞれに固定される。第3梁143および第4梁144は第1梁141と第2梁142との間に設置される。第2方向において、第1梁141と第3梁143との間、第3梁143と第4梁144との間、および、第4梁144と第2梁142との間には一定の間隔が設けられる。第3梁143および第4梁144はそれぞれ第3辺133および第4辺134に固定される。
【0016】
複数のソーラーパネル170は第1方向および第2方向に沿って並べられる。第1方向に沿うソーラーパネル170の列では、隣り合うソーラーパネル170の間に隙間が形成されないように各ソーラーパネル170が並べられる。第2方向に沿うソーラーパネル170の列では、発電構造体100の平面視において各梁141〜144の間にソーラーパネル170が位置するように各ソーラーパネル170が並べられる。フロート式ベース110上で作業する作業者等はフロート式ベース110上を移動するための通路、および、作業のための足場として各梁141〜144を利用できる。
【0017】
フロート150の構成は任意に選択できる。一例では、フロート150は発泡スチロールにより構成される。図示される例では、1台のフロート式ベース110に3つのフロート150が設けられる。3つのフロート150である第1フロート151〜第3フロート153は第2方向に並べられる。第1フロート151は第1梁141と第3梁143との間に配置される。第2フロート152は第3梁143と第4梁144との間に配置される。第3フロート153は第4梁144と第2梁142との間に配置される。各フロート151〜153はそれぞれフレーム120に固定される。
【0018】
架台160はソーラーパネル170を支持できるようにフレーム120上に設置される。架台160の構成は任意に選択できる。一例では、架台160は複数の脚構造体161を含む。複数の脚構造体161は第1方向に並べられる。隣り合う脚構造体161の間には一定の間隔が設けられる。図示される例では、架台160は6つの脚構造体161を含む。
【0019】
脚構造体161は台162および複数の脚163により構成される。台162は第1梁141〜第4梁144のそれぞれに固定される。台162を固定する手段の一例はボルトBXである。1つの台162に複数の脚163が固定される。図示される例では、脚構造体161は6つの脚163を含む。脚163を固定する手段の一例はボルトBYである。複数の脚163は台162の長手方向に並べられる。隣り合う脚163の間には一定の間隔が設けられる。台162および脚163の一例はアングルである。アングルである台162は第1フラットバー162Aおよび第2フラットバー162Bにより構成される。第1フラットバー162AはボルトBXにより各梁141〜144に固定される。
【0020】
第1方向において隣り合う2つの脚構造体161は1つの組を構成する。1組の脚構造体161は複数のソーラーパネル170を支持する。図示される例では、3枚のソーラーパネル170が1組の脚構造体161に支持される。各ソーラーパネル170はそれぞれ対応する脚163に固定される。図示される例では、1枚のソーラーパネル170の四隅に4本の脚163のそれぞれが固定される。
【0021】
図3に示されるように、フロート式ソーラーシステム10はパラシュートアンカー200および連結構造20をさらに備える。パラシュートアンカー200は水面からの発電構造体100の浮き上がりを妨げるために設置される。連結構造20は鉛直方向に交差する所定方向において相対的に移動できるように発電構造体100とパラシュートアンカー200とを連結する。一例では、所定方向は第1方向および第2方向により規定される平面に平行な方向である。この平面は安定した水面と平行である。水面が安定している場合、所定方向は鉛直方向に直交する水平方向と実質的に同じ方向である。
【0022】
連結構造20は連結部材300を含む。連結部材300は隣り合う発電構造体100同士を連結する。連結部材300を構成する材料は強度および耐候性等に優れることが好ましい。その一例は亜鉛めっきが施された鉄である。
図1では連結部材300が省略されている。
図1に示される各発電構造体100について、隣り合う発電構造体100は連結部材300により連結される。フロート式ソーラーシステム10に含まれる全ての発電構造体100は連結部材300で連結されることにより1つの集合体を構成する。
【0023】
図3に示されるように、隣り合う2つの発電構造体100において、一方の発電構造体100の各辺131〜134のいずれか1つと、他方の発電構造体100の各辺131〜134のいずれか1つとが隙間SAを介して対向する。一例では、隙間SAに複数の連結部材300が設置される。以下の説明では、隙間SAを介して対向する各辺を「対向辺」と称する。
【0024】
連結部材300は隣り合う発電構造体100のそれぞれに含まれる高強度の部材に連結される。高強度の部材の一例は架台160である。図示される例では、連結部材300は架台160の台162に連結される。連結部材300はコネクターバー310および2つのシャックル320により構成される。コネクターバー310は直線状のバー311、および、バー311の両端部のそれぞれに設けられる丸環312を含む。丸環312にはシャックル320が通される。シャックル320は台162の第2フラットバー162Bに固定される。シャックル320に対するコネクターバー310の姿勢は発電構造体100にかかる力に応じて任意に変化する。対向辺の間隔は連結部材300の姿勢に応じて変化する。連結部材300は対向辺の間隔を規定する。連結部材300のコネクターバー310が第2方向と平行する場合、対向辺の間隔が最も広くなる。これは、連結部材300により規定されるフロート式ベース110同士の最大の間隔に相当する。
【0025】
図4はパラシュートアンカー200の一例である。パラシュートアンカー200を構成する主な要素は抵抗体210および輪220である。抵抗体210は袋である。輪220はおおよそ半輪である。輪220は抵抗体210に連結される。輪220は発電構造体100(
図3参照)に取り付けられる。抵抗体210は水中に設置された状態で水面上に引き上げられる力が加えられた場合に、水圧を強く受けることができるように構成される。抵抗体210が受ける水圧は輪220を介して発電構造体100に作用する。
【0026】
抵抗体210を構成する材料の一例は紫外線吸収材を含むポリエチレンである。抵抗体210は筒211および底212により構成される。筒211は容易に折り畳むことができる。底212は筒211の下側の開口を閉じる。筒211は上側の開口を構成する開口部213を含む。開口部213には、開口部213の形状を保持するワイヤー214が設けられる。開口部213の直径は連結部材300(
図3参照)により規定される対向辺の最大の間隔よりも広い。
【0027】
パラシュートアンカー200は補強ベルト230をさらに備える。補強ベルト230を構成する材料の一例はポリプロピレンである。補強ベルト230は抵抗体210に固定される。補強ベルト230を固定する手段の一例は縫製である。補強ベルト230は抵抗体210にかかる水圧を受ける。このため、抵抗体210に強い水圧がかかる場合でも抵抗体210が損傷しにくい。補強ベルト230の数は任意に選択できる。図示される例では、2本の補強ベルト230が抵抗体210に固定される。各補強ベルト230は抵抗体210の筒211における異なる部分に固定される第1固定部231および第2固定部232、ならびに、抵抗体210の底212に固定される第3固定部233に区分される。第1固定部231および第2固定部232の端部には輪220を通すためのループ234が形成される。
【0028】
図示される例では、筒211の周方向における第1固定部231と第2固定部232との間隔は180°である。一方の補強ベルト230の第1固定部231と第2固定部232との間に、他方の補強ベルト230の第1固定部231および第2固定部232が設けられる。図示される例では、筒211の周方向において隣り合う各固定部231、232の間隔は90°である。
図5に示されるように、一方の補強ベルト230の第3固定部233と他方の補強ベルト230の第3固定部233とは、抵抗体210の底212において直交する。各第3固定部233が重なり合う重複部235は底212の中心に設けられる。
【0029】
抵抗体210はポケット215および錘240をさらに備える。ポケット215は抵抗体210の底212の内面に設けられる。ポケット215を構成する材料の一例は紫外線吸収材を含むポリエチレンである。ポケット215は底212に固定される。ポケット215を固定する手段の一例は縫製である。ポケット215は重複部235と重なるように設けられる。錘240はポケット215内に配置される。作業者は錘240をポケット215の開口215Aから任意に出し入れできる。錘240の重量は水中に沈められたパラシュートアンカー200の輪220が撓んだ状態となるように設定される。このため、連結部材300に疲労が生じにくい。
【0030】
一例では、輪220はロープにより構成される。輪220の数は任意に選択できる。図示される例では、パラシュートアンカー200は2つの輪220を含む。一方の輪220は一方の補強ベルト230の第1固定部231のループ234、および、他方の補強ベルト230の第1固定部231のループ234に連結される。他方の輪220は一方の補強ベルト230の第2固定部232のループ234、および、他方の補強ベルト230の第2固定部232のループ234に連結される。補強ベルト230の各ループ234に輪220が連結されるため、抵抗体210に強い水圧がかかる場合でも抵抗体210が損傷しにくい。
【0031】
一例では、連結構造20は連結部材300、および、連結部材300に取り付けられるパラシュートアンカー200の輪220を含む。
図3に示されるように、連結部材300のバー311は輪220に通される。輪220はバー311に吊される。輪220とバー311とはバー311の長手方向に相対的に移動する。
【0032】
パラシュートアンカー200の設置箇所は任意に選択できる。一例では、複数の連結部材300のそれぞれにパラシュートアンカー200が取り付けられる。この場合、複数の発電構造体100により構成される1つの集合体において、集合体の外周部分に位置する発電構造体100だけではなく、外周部分の内側に位置する多数の発電構造体100にもパラシュートアンカー200が設置される。集合体の全体にわたってパラシュートアンカー200が設置されるため、発電構造体100の浮き上がりが一層生じにくくなる。
【0033】
パラシュートアンカー200は例えば次のように設置される。
図6に示されるように、作業者は水面上に設置された複数の発電構造体100のうち、作業対象となる隣り合う発電構造体100の梁140を足場として利用する。最初に、折り畳まれた抵抗体210が対向辺の隙間SAを介して水中に沈められる。水中に沈められた抵抗体210は錘240(
図4参照)の重力により広がる。次に、連結部材300を構成する一方のシャックル320が脚構造体161の台162から取り外される。次に、
図7に示されるように、輪220がバー311に吊される。次に、
図8に示されるように、台162から取り外された一方のシャックル320が再び台162に連結される。
【0034】
フロート式ソーラーシステム10によれば、次のような作用および効果が得られる。水面から吹き上がる強風がソーラーパネル170に当たる場合、パラシュートアンカー200の作用にともない発電構造体100に大きな荷重がかかり、発電構造体100の浮き上がりが妨げられる。発電構造体100に強い横風が当たる場合、発電構造体100とパラシュートアンカー200とが所定方向において相対的に移動し、パラシュートアンカー200が受ける水圧は大きく上昇しない。このため、水面から吹き上がる強風がソーラーパネル170に当たる場合とは異なり、発電構造体100にかかる荷重が大きく増加しない。これにより、発電構造体100に大きな荷重が繰り返しかかる回数が少なくなり、発電構造体100においてパラシュートアンカー200の作用にともなう荷重を受ける部分に疲労が生じにくい。
【0035】
フロート式ソーラーシステム10によれば、さらに次のような効果が得られる。パラシュートアンカー200は連結部材300に取り付けられる。連結部材300は架台160に連結される。架台160はフレーム120に固定される。このため、パラシュートアンカー200が受ける水圧によるフロート式ベース110にかかる荷重が高強度の部材で受けられ、水面から吹き上がる強風が繰り返し発電構造体100に当たるような環境においてもフロート式ベース110が損傷しにくい。
【0036】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関するフロート式ソーラーシステムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関するフロート式ソーラーシステムは実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。
【0037】
・連結構造20の構成は任意に変更可能である。第1例では、連結構造20を構成する連結部材300はスライド構造を含む。スライド構造はレールおよびスライダーを含む。スライダーはレールに対して所定方向に移動する。パラシュートアンカー200の輪220はスライダーに取り付けられる。第2例では、連結構造20は連結部材300に代えて、フレーム120を含む。フレーム120は第1例に示されるスライド構造と同様のスライド構造を含む。第3例では、連結構造20は連結部材300に代えて、フレーム120を含む。この連結構造20では、所定方向に相対的に移動できるようにフレーム120とパラシュートアンカー200の輪220とが連結される。具体的には、フレーム120の枠130または梁140は輪220を取り付けるための取付部材を含む。取付部材は棒またはこれに類する部材である。取付部材と輪220とは取付部材の長手方向に沿って相対的に移動する。
【0038】
・パラシュートアンカー200の構成は任意に変更可能である。一例では、パラシュートアンカー200は半輪である輪220に代えて、繋がった輪を備える。この輪は例えば抵抗体210に連結されたワイヤーの先端に設けられる。
【符号の説明】
【0039】
10 :フロート式ソーラーシステム
20 :連結構造
100:発電構造体
110:フロート式ベース
170:ソーラーパネル
200:パラシュートアンカー
210:抵抗体
220:輪
240:錘
300:連結部材
310:コネクターバー
311:バー
320:シャックル(連結端部)