特許第6962220号(P6962220)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許69622201,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962220
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 341/00 20060101AFI20211025BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20211025BHJP
【FI】
   C07D341/00
   !C07B61/00 300
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-16119(P2018-16119)
(22)【出願日】2018年2月1日
(65)【公開番号】特開2018-135322(P2018-135322A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2020年12月8日
(31)【優先権主張番号】特願2017-30207(P2017-30207)
(32)【優先日】2017年2月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】棚木 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 良亮
(72)【発明者】
【氏名】堀越 裕
【審査官】 池上 佳菜子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101897419(CN,A)
【文献】 特許第4573148(JP,B2)
【文献】 国際公開第2005/034974(WO,A1)
【文献】 特開2014−198689(JP,A)
【文献】 HANSEN, Holger C.; SENNING, Alexander; HAZELL, Rita G.,Synthesis, structure, and reactions of thiocarbonic acid derivatives new pentathiodipercarbonates, (RSS)2C=S, α,α,α-tris(disulfides), and the first α,α,α-tris(trisulfide) ,Tetrahedron,1985年,vol.41, no.22,pp.5145-5158
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 341/00
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリチオ炭酸塩、硫黄及びジハロゲン化メタンを、水層と有機層の多層系および相間移動触媒の存在下で反応を行う工程を有する、1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【請求項2】
前記有機層がベンゼン、トルエン及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上を含有する請求項1に記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【請求項3】
前記有機層がトルエンを含有する請求項1に記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【請求項4】
前記相間移動触媒が4級アルキルアンモニウム塩を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【請求項5】
前記トリチオ炭酸塩がトリチオ炭酸ジナトリウムである、請求項1〜4のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【請求項6】
前記ジハロゲン化メタンがジブロモメタン又はジヨードメタンを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【請求項7】
前記水層と有機層の多層系が2層である、請求項1〜6のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高純度の1,2,3,5,6−ペンタチエパンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1,2,3,5,6−ペンタチエパン(以下、「レンチオニン」と表現する事もある)は光学材料用途(特許文献1)及び医療用途(特許文献2)に有効であり、幅広い用途が期待される化合物である。
レンチオニンの合成方法としては、例えばジメチルジスルフィドを出発原料とした方法が知られている(非特許文献1)。この方法では、反応後にレンチオニンを含むオイル状の溶液となるため、カラムクロマトグラフィーを用いて精製する必要があり工業的に不利である。また、工業的に入手しにくいジメチルジスルフィドを原料に使用しなければならない。
また、硫化ナトリウムを出発原料に、エタノール溶媒中でジヨードメタン及びジブロモメタンと反応させる方法が知られている(非特許文献2)。この方法でも精製にはカラムクロマトグラフィーが必要であり、工業的に不利である。
【0003】
つまり、従来知られている1,2,3,5,6−ペンタチエパンの合成方法では、いずれも複雑な多段の反応工程や精製工程が必要であり工業化が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4573148
【特許文献2】WO2005/034974
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Tetrahedron.lett_1981_22_1939
【非特許文献2】SPECIALITY PETROCHEMICALS 2005 p22
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、高純度の1,2,3,5,6−ペンタチエパンを容易に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は鋭意検討した結果、トリチオ炭酸塩と硫黄とジハロゲン化メタンとを、特定条件下で反応させることで上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0008】
[1] トリチオ炭酸塩、硫黄及びジハロゲン化メタンを、水層と有機層の多層系および相間移動触媒の存在下で反応を行う工程を有する、1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
[2] 前記有機層がベンゼン、トルエン及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1以上を含有する[1]に記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
[3] 前記有機層がトルエンを含有する[1]に記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
[4] 前記相間移動触媒が4級アルキルアンモニウム塩を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
[5] 前記トリチオ炭酸塩がトリチオ炭酸ジナトリウムである、[1]〜[4]のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
[6] 前記ジハロゲン化メタンがジブロモメタン又はジヨードメタンを含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
[7] 前記水層と有機層の多層系が2層である、[1]〜[6]のいずれかに記載の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トリチオ炭酸塩からワンポットでレンチオニンが合成でき、また反応終了後の精製が簡便であり、良好な収率で容易に高純度のレンチオニンを製造することができる。この高純度のレンチオニンを用いることで光学材料の性能を向上させる等、種々の用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のレンチオニンの製造方法において、レンチオニンは水層と有機層の二層系において、まずトリチオ炭酸塩を合成し、系内に生成したトリチオ炭酸塩に硫黄を反応させてテトラチオ炭酸塩を合成する。そして、更にジハロゲン化メタンを加えて反応させることでレンチオニンが合成される。以下、レンチオニンの製造方法について詳細に説明する。
【0011】
[トリチオ炭酸塩]
本発明で使用されるトリチオ炭酸塩は、MCS(Mはカチオン種)で表される化合物である。具体例として、トリチオ炭酸ジナトリウム、トリチオ炭酸ジカリウム及びトリチオ炭酸ジリチウムが挙げられ、入手が容易であるため下記構造式で表されるトリチオ炭酸ジナトリウムが好ましい。
【化1】
【0012】
トリチオ炭酸塩は、硫化塩及び二硫化炭素を相関移動触媒を用いて、溶媒中で反応させることで容易に得られる。
硫化塩の具体例としては硫化ナトリウム、硫化カリウム及び硫化リチウムが挙げられる。
【0013】
二硫化炭素の使用量は硫化塩に対して0.5〜1.5モル当量の範囲であり、副反応の進行を抑えることができるため0.8〜1.2モル当量の範囲にあると好ましい。
【0014】
[相間移動触媒]
本発明で使用される相間移動触媒とは、水にも有機溶媒にも可溶な触媒であり、一般的に知られているものから限定されず使用できる。
具体例として、4級ホスホニウム塩類、4級アンモニウム塩類が挙げられる。
4級ホスホニウム塩類としては、塩化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラエチルホスホニウム、ヨウ化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化トリフェニルベンジルホスホニウム、臭化テトラフェニルホスホニウムが挙げられる。
4級アンモニウム塩類としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、塩化N−ベンジルピコリニウム、塩化N−ラウリル4−ピコリニウム、塩化N−ラウリルピコリニウム、トリカプリルメチルアンモニウムクロライド、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、及びテトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェートが挙げられる。
【0015】
相間移動触媒の使用量に特に制限はないが、硫化塩に対して好ましくは0.01〜10質量%であり、反応収率の観点からより好ましくは0.05〜5質量%である。
【0016】
[溶媒]
本発明で用いられる溶媒は水と有機溶媒を含有し、反応は層分離により多層に分かれている状態で実施される。作業性から好ましくは2層である。
【0017】
有機溶媒は水と分層し、ジハロゲン化メタンを溶解する溶媒であればいずれも使用可能である。例えば炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステル溶媒が使用可能である。これらのうち、レンチオニンの反応収率が高く、かつ反応終了後の水層除去が容易であるため、炭化水素、芳香族炭化水素及びエーテル溶媒が好ましく、環状化合物が更に好ましく、ベンゼン、トルエン及びテトラヒドロフランが特に好ましく、収率の観点からトルエンが最も好ましい。これらは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水と有機溶媒の比率は質量比で10:90〜90:10の範囲であり、反応収率の観点から30:70〜50:50の範囲が好ましい。
水及び有機溶媒を合わせた溶媒の使用量は、硫化塩に対して1〜40質量倍の範囲であり、生産効率と反応性の観点から2〜20質量倍の範囲が好ましい。
【0018】
反応温度は−10〜60℃の範囲であり、反応時間と反応収率の観点から20〜40℃の範囲にあると好ましい。
【0019】
本発明の1,2,3,5,6−ペンタチエパンの製造方法は、トリチオ炭酸塩、硫黄及びジハロゲン化メタンを、水層と有機層の多層系および相間移動触媒の存在下で反応を行う工程を有する。具体的には、前記反応で得られたトリチオ炭酸塩を含有する反応液(水層と有機層の多層系および相間移動触媒を含む)に硫黄を加えて反応させることでテトラチオ炭酸塩が得られる。
硫黄の使用量は硫化塩に対して0.5〜1.5モル当量の範囲が好ましく、副反応の進行を抑えることができるため0.8〜1.2モル当量の範囲にあるとより好ましい。
【0020】
[ジハロゲン化メタン]
前記反応で得られたテトラチオ炭酸塩にジハロゲン化メタンを反応させることでレンチオニンが合成される。この系においても、上記で使用した水層と有機層の多層系および相間移動触媒の存在下で反応が行われる。
本発明で使用されるジハロゲン化メタンとは、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジヨードメタン、クロロブロモメタン、クロロヨードメタン及びブロモヨードメタンであり、反応性の観点からジブロモメタン及びジヨードメタンが好ましく、ジブロモメタンが特に好ましい。
ジハロゲン化メタンの使用量は、硫化塩に対して0.5〜1.5モル当量の範囲が好ましく、副反応の進行を抑えることができるため0.8〜1.2モル当量の範囲にあるとより好ましい。
【0021】
テトラチオ炭酸塩とジハロゲン化メタンとの反応温度は、−10〜60℃の範囲が好ましく、10〜40℃の範囲がより好ましい。温度が低いと反応が遅く、また温度が高いと副反応が進行しやすくなる。
【0022】
テトラチオ炭酸塩とジハロゲン化メタンとの反応では、反応終了時に酸水溶液を添加してクエンチする。酸水溶液は、酸性水溶液であればいずれも使用可能であるが、工業的には安価な硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸が好適に使用可能である。クエンチは反応溶媒である水溶媒を除去してから行うことが可能で、またクエンチ後に酸水溶液と水溶媒を共に除去しても良い。
【0023】
クエンチ後は分液、カラムクロマトグラフィー及び晶析操作等の公知の手法によって精製が可能である。水層を廃棄し有機溶媒を濃縮し、晶析操作により容易に高純度のレンチオニンを取得することができる。晶析操作は、一般的な手法で実施可能である。例として、レンチオニンの濃度が5〜40%の範囲で、−10〜10℃で晶析を行うことで回収率良くかつ高純度でレンチオニンが取得できる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の効果を奏する限りにおいて適宜実施形態を変更することが出来る。
【0025】
[レンチオニンの分析方法]
分析は液体クロマトグラフを使用し、ODSカラム(カラム:一般財団法人科学物質評価研究機構VP−ODS、カラムサイズ4.6φ×150mm)を使用した。
RI検出器を用いて原料のジブロモメタンのモル比を基準としたレンチオニンの生成収率を算出した。
[液体クロマトグラフ条件]
オーブン温度:40℃
溶離液:アセトニトリル/蒸留水(容積比)=50/50
溶液調製:サンプル5mgを、0.1%ギ酸溶液(アセトニトリル溶媒)10mlで希釈し分析試料とした。
【0026】
[実施例1]
硫化ナトリウム5.9g(76mmol)を水30gに溶解し、水溶液を調製した。そこにトルエン83g、相間移動触媒として臭化テトラブチルアンモニウム0.245g(0.76mmol,1mol%)を添加した後、二硫化炭素5.8g(76mmol)を滴下して20℃で1時間反応を行ってトリチオ炭酸ジナトリウム反応液を調製した。
得られた反応液に硫黄2.4g(76mmol)を添加し、更に20℃で1時間反応を行った後、ジブロモメタン13.2g(76mmol)を滴下した。20℃で反応を行った結果、レンチオニンの生成は3時間経過後で28mol%、20時間経過後で36mol%であった。20時間経過後、1N硫酸水溶液100gを添加しクエンチを行い、水層を廃棄した後、100mlのイオン交換水で3回洗浄を行った。トルエン溶液の質量が12gとなるまで濃縮し、−2℃に冷却して晶析を行うことで純度98%のレンチオニン2.0g(単離収率:28%)を回収した。
【0027】
[実施例2]
相間移動触媒を臭化テトラブチルアンモニウムから塩化テトラブチルアンモニウムに変更した以外は実施例1と同様に行った結果、レンチオニンの生成は3時間経過後で25mol%、20時間経過後で31mol%であった。
【0028】
[比較例1]
中国文献(中国調味品(CHINA CONDIMENT)2005年9月、No9、p25)に従い、レンチオニンの合成を行った。
硫化ナトリウム5.9g(76mmol)をエタノール67gに溶解し、二硫化炭素5.8g(76mmol)を添加し、35℃で20分反応を行った。得られた反応液に硫黄2.4g(76mmol)を添加し、更に35℃で1時間反応を行うことで、テトラチオ炭酸ナトリウムのエタノール溶液を調製した。
ジブロモメタン13.2g(76mmol)にエタノール18gを添加し希釈した。先に調製したテトラチオ炭酸ナトリウムのエタノール溶液にジブロモメタンのエタノール溶液を滴下し、35℃で反応を行った結果、レンチオニンの収率は20時間経過後で4mol%であった。20時間経過後、1N硫酸水溶液100gを添加しクエンチを行い、トルエン100mlで抽出した後、100mlのイオン交換水で3回洗浄を行った。溶媒を留去した後の残差物は黄色のオイル状化合物であり、トルエン100gを添加した結果、不溶性の成分が多量に発生し、晶析による精製は困難であった。
【0029】
[比較例2]
硫化ナトリウム5.9g(76mmol)をエタノール120gに溶解し、二硫化炭素5.8g(76mmol)を添加し、35℃で20分反応を行った。得られた反応液に硫黄2.4g(76mmol)を添加し、更に35℃で1時間反応を行うことで、テトラチオ炭酸ナトリウムのエタノール溶液を調製した。
ジブロモメタン13.2g(76mmol)にエタノール302gを添加し希釈した。先に調製したテトラチオ炭酸ナトリウムのエタノール溶液をジブロモメタンのエタノール溶液に滴下し、35℃で反応を行った結果、レンチオニンの収率は20時間経過後で23mol%であった。20時間経過後、1N硫酸水溶液100gを添加しクエンチを行い、トルエン100gを添加して抽出し、100mlのイオン交換水で3回洗浄を行った。
トルエン溶液を12gまで濃縮後、晶析操作を実施したが、レンチオニンの純度は86%となり、不純物が多量に含まれていたため晶析により高純度品を得ることはできなかった。
【0030】
[比較例3]
硫化ナトリウム5.9g(76mmol)を水30gに溶解した後、トルエン83gを添加した。二硫化炭素5.8g(76mmol)を滴下し、35℃で1時間撹拌し、硫黄2.4g(76mmol)を加えてさらに35℃で1時間撹拌した。
ジブロモメタン13.2g(76mmol)を滴下し、35℃で反応を行った結果、レンチオニンの生成は3時間経過後で3mol%、20時間経過後で9mol%であった。収率が低いため、晶析による精製を行うことはできなかった。