(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モータを有して該モータの駆動力によって車両シートの状態を変更するシート状態変更部と、前記モータに供給する駆動電力をPWM制御により調整するPWM制御部と、を有し、
前記シート状態変更部は、駆動を指示する制御信号に基づくモータの駆動力によって車両シートの状態を変更するものであって、
前記PWM制御部は、前記制御信号が入力された場合、前記シート状態変更部による前記車両シートの状態変更に際し、前記PWM制御における制御周波数に可聴域の周波数を含ませて前記モータから可聴域の音を生じさせる発音動作を行わせるとともに、該発音動作のときには前記モータに供給する駆動電力をPWM制御により調整し前記モータが回転駆動しない状態とし、前記発音動作を実施した後に、前記モータをPWM制御により回転駆動させ前記車両シートの状態を変更することを特徴とする車両シート制御装置。
前記PWM制御部は、前記シート状態変更部による前記車両シートの状態の変更開始時に前記発音動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の車両シート制御装置。
前記PWM制御部は、前記シート状態変更部による前記車両シートの状態の変更終了時に前記発音動作を行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両シート制御装置。
前記PWM制御部は、前記モータに対して異常な負荷が作用した場合に前記発音動作を行わせることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両シート制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような車両シート制御装置では、車両シートを後方に移動させる際、ブザーによって周囲に移動の旨を報知するようになっている。しかしながら、ブザーを設ける必要があり、部品点数の増加が懸念される。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数の増加を抑えつつユーザに車両シートの状態変更を報知する車両シート制御装置及び車両シート制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する車両シート制御装置は、モータを有して該モータの駆動力によって車両シートの状態を変更するシート状態変更部と、前記モータに供給する駆動電力をPWM制御により調整するPWM制御部と、を有し、
前記シート状態変更部は、駆動を指示する制御信号に基づくモータの駆動力によって車両シートの状態を変更するものであって、前記PWM制御部は、
前記制御信号が入力された場合、前記シート状態変更部による前記車両シートの状態変更に際し、前記PWM制御における制御周波数に可聴域の周波数を含ませて前記モータから可聴域の音を生じさせる発音動作を行わせる
とともに、該発音動作のときには前記モータに供給する駆動電力をPWM制御により調整し前記モータが回転駆動しない状態とし、前記発音動作を実施した後に、前記モータをPWM制御により回転駆動させ前記車両シートの状態を変更する。
【0007】
上記態様によれば、シート状態変更部による車両シートの状態変更に際し、PWM制御における制御周波数に可聴域の周波数を含ませてモータから可聴域の音を生じさせる発音動作を行わせることでユーザに車両シートの状態変更を報知する。そのため、例えばブザー等の他の部材を用いることなく、車両シートの状態を変更するに際し必要となる駆動源であるモータ自身を以て発音動作することで部品点数の増加が抑えられる。
【0008】
上記車両シート制御装置において、前記PWM制御部は、前記シート状態変更部による前記車両シートの状態の変更開始時に前記発音動作を行わせることが好ましい。
上記態様によれば、シート状態変更部による車両シートの状態の変更開始時に発音動作が実施されることで、ユーザに対して事前に車両シートの状態変更が行われる旨を報知できる。このように、ユーザに対して事前に車両シートの状態変更が行われる旨を報知することで、ユーザにとって車両シートの状態変更が急なものであることが抑えられ、車両シートの状態変更に伴う各種準備(車両シートからの退避行動など)ができ、利便性を向上できる。
【0009】
上記車両シート制御装置において、前記PWM制御部は、前記シート状態変更部による前記車両シートの状態の変更終了時に前記発音動作を行わせることが好ましい。
上記態様によれば、ユーザに対して車両シートの状態変更が終了した旨を報知することができる。このように、ユーザに対して車両シートの状態変更が完了した旨を報知することで、それ以上車両シートが状態変更することがない旨をユーザが認識でき、利便性を向上できる。
【0010】
上記車両シート制御装置において、前記車両シートの後方にユーザが存在するか否かを検出するユーザ存在検出部を有し、前記PWM制御部は、前記シート状態変更部による前記車両シートを後方への移動に際し、前記ユーザ存在検出部によって前記車両シートの後方に前記ユーザが存在する場合に前記発音動作を行わせることが好ましい。
【0011】
上記態様によれば、車両シートを後方への移動に際し、車両シートの後方に存在するユーザに対して車両シートが移動する旨を報知できる。このように、後方に存在するユーザに対して車両シートが移動する旨を報知することでユーザにとって車両シートの移動が急なものであることが抑えられ、車両シートの移動に伴う各種準備(車両シートからの退避行動など)ができ、利便性を向上できる。
【0012】
上記車両シート制御装置において、前記ユーザ存在検出部は、前記車両シートに搭載された接触検出センサであり、前記PWM制御部は、前記シート状態変更部による前記車両シートを後方への移動に際し、前記接触検出センサによって前記ユーザが接触したと検出した場合に前記ユーザが存在するとして前記発音動作を行わせることが好ましい。
【0013】
上記態様によれば、接触検出センサによってユーザとの接触が検出された場合に発音動作を行わせることで、ユーザに車両シートが移動する旨を報知できる。これにより、車両シートの接触した旨を報知することで、ユーザはその旨を認識することが可能となり、その後の待避動作が可能となり、利便性の面で向上できる。
【0014】
上記車両シート制御装置において、前記PWM制御部は、前記モータに対して異常な負荷が作用した場合に前記発音動作を行わせることが好ましい。
上記態様によれば、モータに対して異常な負荷が作用した場合に発音動作を行わせることで、その旨をユーザに報知することができる。このように、モータに対して異常な負荷が作用した場合に発音動作を行わせることで、ユーザに対して異常がある旨を報知でき、ユーザは修理の必要がある旨を認識することが可能となり、利便性の面で向上できる。
【0015】
上記車両シート制御装置において、前記モータは、前記車両シート内に複数設けられ、前記PWM制御部は、前記車両シート内に設けられる複数の前記モータから可聴域の音を生じさせる発音動作を行わせることが好ましい。
【0016】
上記態様によれば、複数のモータから発音動作を行わせることができる。すなわち、複数のモータを用いることで、1つの車両シート内に複数の音源を備えて音のバリエーションを増やすことが可能となる。このように、複数の音源を備えて音のバリエーションを増やすことで、そのバリエーションの違いからユーザに対して車両シートがどのような状態変更をするのか報知することが可能となり、利便性を向上できる。
【0017】
また、上記課題を解決する車両シート制御システムは、上記何れかに記載の車両シート制御装置を車両に設けられる複数の前記車両シートのそれぞれに設ける。
上記態様によれば、部品点数の増加を抑えつつユーザに車両シートの状態変更を報知することができる。また、車両シート毎に車両シート制御装置を設けることで、各車両シートに設けられたモータから発音動作させることで、どの車両シートの状態が変更されるのかをユーザに報知でき、利便性向上に寄与できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の車両シート制御装置及び車両シート制御システムによれば、部品点数の増加を抑えつつユーザに車両シートの状態変更を報知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、車両シート制御装置を有する車両シートの一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両シート10は、乗員が着座可能なシートクッション11と、乗員の背中を支持可能なシートバック12と、乗員の頭部を支持可能なヘッドレスト13とを有する。本例の車両シート10は、シートクッション11、シートバック12及びヘッドレスト13の内部に図示しないフレームが設けられ、これらのフレームによって例えば車両シート10の形状維持がなされている。
【0021】
また、車両シート10は、車両シート制御装置20を備える。
車両シート制御装置20は、駆動部21,22と、PWM制御部としてのECU23,24とを有する。
【0022】
駆動部21,22は、ECU23,24からの制御信号に応じてモータ21a,22aが駆動されることにより車両シート10の状態(姿勢や位置)を変更するものである。また、駆動部21,22は、図示しない機構部を有する。車両シート10の姿勢や位置の変更例としては、本例では車両シート10の前後位置、シートバック12の傾動角度(リクライニング角度)などが挙げられる。なお、これらは一例であって、その他の位置を変更するものであってもよい。
【0023】
駆動部21は、車両シート10を前後方向の位置を変更するためのものである。駆動部22は、車両シート10のシートバック12の傾き姿勢(リクライニング角度)を調整するためのものである。
【0024】
ECU23,24は、モータ21a,22aを制御するものであり、例えば1つの機能として各モータ21a,22aに供給する駆動電力をPWM制御により調整を行う。また、ECU23,24は、モータ21a,22aによって車両シート10の姿勢や位置の変更を行う通常動作時にはPWM制御における制御周波数を非可聴域(例えば20kHzなど)で動作させる。ECU23,24は、モータ21a,22a自身を以て発音してユーザに報知を行う発音動作時にはPWM制御における制御周波数を可聴域(例えば1kHzや500Hzなど)で動作させる。なお、PWM制御における制御周波数は一定でなくてもよく、エンベロープ制御を実施して可変させるようにしてもよい。
【0025】
ECU23,24は、マスターECU30と電気的に接続されている。マスターECU30には、ユーザによるスイッチ操作に伴う操作信号が入力されるようになっている。操作信号の一例としては、シートバック12を傾動動作(リクライニング動作)させる旨の信号や、車両シート10を前後方向にスライド動作させる旨の信号などが挙げられる。
【0026】
次に、本実施形態の車両シート制御装置20による制御例(作用)を説明する。
例えば、シートバック12を後方に傾動させる動作と車両シート10を後方にスライド移動させる動作との少なくとも一方の移動を指示する前記操作信号が外部からマスターECU30に対して入力されると、マスターECU30は、対象となるECU23,24に対して動作を指示する制御信号を出力する。
【0027】
ECU23,24は、マスターECU30から出力された制御信号が入力されると、その制御信号に基づいて駆動部21,22(モータ21a,22a)を制御して車両シート10の状態を変更する。この際、本例では車両シート10の状態の変更開始時と状態の変更終了時とで前述した発音動作を実施するようになっている。
【0028】
ここで、例えばECU23に対して車両シート10を後方にスライド動作させる旨の制御信号が入力された場合の動作について
図2を用いて説明する。
図2に示すように、ECU23は、車両シート10を後方にスライド動作させる旨の制御信号が入力された場合、先ず、モータ音制御を実施する(ステップS101)。具体的には、ECU23によってモータ21aのPWM制御における制御周波数を可聴域で動作(発音動作)させる。このとき、ECU23は、PWM制御によってモータ21aに供給される駆動電力(印加電圧)を調整し、モータ21aが回転動作しない状態、すなわち車両シート10が後方にスライド動作しないようにする。
【0029】
ECU23は、前述のモータ音制御開始から所定時間T1経過したか否かを判定する(ステップS102)。ECU23は、所定時間T1経過するまで(ステップS102:NO)、ステップS101のモータ音制御、すなわち発音動作を実施する。
【0030】
ECU23は、所定時間T1経過したと判定すると(ステップS102:YES)、モータ21aを制御して車両シート10を後方に動作させる(ステップS103)。このとき、ECU23は、PWM制御によってモータ21aに供給される駆動電力(印加電圧)を例えばバッテリ電圧(約12V)として、モータ21aを回転駆動させる。
【0031】
ECU23は、車両シート10の後方への動作(状態の変更)が終了時、モータ音制御を実施する(ステップS104)。具体的には、ECU23によってモータ21aのPWM制御における制御周波数を可聴域で動作(発音動作)させる。このとき、ECU23は、PWM制御によってモータ21aに供給される駆動電力(印加電圧)を調整し、モータ21aが回転動作しない状態、すなわち車両シート10が後方にスライド動作しないようにする。なお、本ステップS104によるモータ21aによる発音動作時と、前述したステップS102におけるモータ21aによる発音動作時とで、周波数を変更してもよい。
【0032】
ECU23は、前述のモータ音制御開始から所定時間T2経過したか否かを判定する(ステップS105)。ECU23は、所定時間T2経過するまで(ステップS105:NO)、ステップS104のモータ音制御、すなわち発音動作を実施する。
【0033】
そして、ECU23は、所定時間T2経過したと判定すると(ステップS105:YES)、モータ21aによる発音動作を終了する。
本実施形態の効果を記載する。
【0034】
(1)シート状態変更部としての駆動部21,22による車両シート10の状態変更に際し、PWM制御における制御周波数に可聴域の周波数を含ませてモータ21a,22aから可聴域の音を生じさせる発音動作を行わせることでユーザに車両シート10の状態変更を報知する。そのため、例えばブザー等の他の部材を用いることなく、車両シート10の状態を変更するに際し必要となる駆動源であるモータ21a,22a自身を以て発音動作することで部品点数の増加が抑えられる。また、スピーカやブザー等を用いること無く発音動作が実施できるため、省配線化やコスト低減に寄与できる。
【0035】
(2)駆動部21,22による車両シート10の状態の変更開始時に発音動作が実施されることで、ユーザに対して事前に車両シート10の状態変更が行われる旨を報知できる。このように、ユーザに対して事前に車両シート10の状態変更が行われる旨を報知することで、ユーザにとって車両シート10の状態変更が急なものであることが抑えられ、車両シート10の状態変更に伴う各種準備(車両シート10からの退避行動など)ができ、利便性を向上できる。
【0036】
(3)駆動部21,22による車両シート10の状態の変更終了時に発音動作が実施されることで、ユーザに対して車両シート10の状態変更が完了した旨を報知することができる。このように、ユーザに対して車両シート10の状態変更が完了した旨を報知することで、それ以上車両シート10が状態変更することがない旨をユーザが認識でき、利便性を向上できる。
【0037】
(4)車両シート10を後方への移動に際し、車両シート10の後方に存在するユーザに対して車両シート10が移動する旨を報知できる。このように、後方に存在するユーザに対して車両シート10が移動する旨を報知することでユーザにとって車両シート10の移動が急なものであることが抑えられ、車両シート10の移動に伴う各種準備(車両シート10からの退避行動など)ができ、利便性を向上できる。
【0038】
(5)複数のモータ21a,22aから発音動作を行わせることができる。すなわち、複数のモータ21a,22aを用いることで、1つの車両シート10内に複数の音源を備えて音のバリエーションを増やすことが可能となる。このように、複数の音源を備えて音のバリエーションを増やすことで、そのバリエーションの違いからユーザに対して車両シート10がどのような状態変更をするのか報知することが可能となり、利便性を向上できる。
【0039】
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、車両シート10の状態の変更開始時と車両シート10の状態の変更終了時との両方で駆動部21,22(モータ21a,22a)による発音動作を実施する構成としたが、これに限らない。例えば、車両シート10の状態の変更開始時のみ駆動部21,22(モータ21a,22a)による発音動作を実施する構成や、車両シート10の状態の変更終了時のみ駆動部21,22(モータ21a,22a)による発音動作を実施する構成を採用してもよい。
【0040】
・上記実施形態では特に言及していないが、可聴域での動作と非可聴域での動作(モータ21a非回転動作)とを組み合わせて発音する期間と発音しない期間とを設け、間欠的に発音させるようにしてもよい。一例として、車両シート10の状態の変更開始時に連続的に可聴域で発音動作させ、車両シート10の状態の変更終了時に間欠的に可聴域で発音動作させるようにしてもよい。なお、これらは一例であって、適宜変更可能である。
【0041】
・
図3に示すように、車両シート10のシートバック12の後方にユーザが存在するか否かを検出するユーザ存在検出部40を備える構成を採用してもよい。ユーザ存在検出部40は、一例として、車両シート10のシートバック12の後面側に設けられる接触検出センサや、車両シート10の後方に位置する後部の車両シート10に設けられる接触検出センサや、車両シート10の後方を撮像するカメラなどが挙げられる。
【0042】
ユーザ存在検出部40は、マスターECU30と電気的に接続される。このため、ユーザ存在検出部40によるユーザの存在検出に関する情報は、マスターECU30を介して各ECU23,24に入力されるようになっている。なお、ユーザ存在検出部40を各ECU23,24に直接電気的に接続することでマスターECU30を介さずとも前記ユーザの存在検出に関する情報を入力することが可能である。
【0043】
上記変形例について
図4を用いて車両シート10を後方にスライド動作させる旨の制御信号がECU23に入力された場合の動作を説明する。
図4に示すように、ECU23は、車両シート10を後方にスライド動作させる旨の制御信号が入力された場合、先ず、マスターECU30を介して得られるユーザ存在検出部40で検出されるユーザの存在検出に関する情報から車両シート10の後方にユーザが存在するか否かを判定する(ステップS106)。
【0044】
車両シート10の後方にユーザが存在しないと判定した場合(ステップS106:NO)、ECU23は、モータ21aを制御して車両シート10を後方に動作させる(ステップS103)。このとき、ECU23は、PWM制御によってモータ21aに供給される駆動電力(印加電圧)を例えばバッテリ電圧(約12V)として、モータ21aを回転駆動させる。
【0045】
一方、車両シート10の後方にユーザが存在すると判定した場合(ステップS106:YES)、ECU23は、モータ音制御を実施する(ステップS101)。具体的には、ECU23によってモータ21aのPWM制御における制御周波数を可聴域で動作(発音動作)させる。このとき、ECU23は、PWM制御によってモータ21aに供給される駆動電力(印加電圧)を調整し、モータ21aが回転動作しない状態、すなわち車両シート10が後方にスライド動作しないようにする。
【0046】
ECU23は、前述のモータ音制御開始から所定時間T1経過したか否かを判定する(ステップS102)。ECU23は、所定時間T1経過するまで(ステップS102:NO)、ステップS101のモータ音制御、すなわち発音動作を実施する。
【0047】
ECU23は、所定時間T1経過したと判定すると(ステップS102:YES)、モータ21aを制御して車両シート10を後方に動作させる(ステップS103)。
上述したように、車両シート10を後方への移動に際し、車両シート10の後方に存在するユーザに対して車両シート10が移動する旨を報知できる。また、車両シート10の後方にユーザが存在しない場合には、発音動作を実施しないため、モータ21a(22a)からの音の発生が抑えられることとなる。
【0048】
また、前記ユーザ存在検出部40として、例えばシートバック12の後面側に設けた接触検出センサで構成した場合、接触検出センサによってユーザとの接触が検出するまで車両シート10を後方にスライド移動させ、ユーザとの接触が検出された場合に車両シート10の後方へのスライド移動を停止させるとともにモータ21a(22a)によって発音動作させるようにしてもよい。これによって、車両シート10の移動を操作したユーザに接触由来の車両シート10の停止である旨を報知することができる。このように、接触由来の車両シート10の停止である旨を報知することで、ユーザはその旨を認識することが可能となり、利便性の面で向上できる。
【0049】
・上記実施形態では、シートクッション11とシートバック12との両方に駆動部21,22を設ける構成としたが、これに限らない。例えばシートクッション11のみに駆動部21を設ける構成やシートバック12のみに駆動部22を設ける構成を採用してもよい。
【0050】
・上記実施形態では、例えば車両シート10を前後方向にスライド動作させる駆動部21のモータ21aによって、車両シート10を後方に移動させる際に発音動作を実施する構成としたが、シートバック12の傾動動作や車両シート10の前方への移動時に発音動作を実施する構成を採用してもよい。
【0051】
・上記実施形態では特に言及していないが、モータ21a,22aに対して異常な負荷が作用した場合に発音動作を行わせる構成を採用してもよい。このような構成とすることで、その旨をユーザに報知することができる。モータ21a,22aに対して異常な負荷が作用する一例としては、駆動部21,22を構成する機構部等が破損した場合に、モータ21a,22aに対して車両シート10の状態を変更するための駆動電力を供給しているにも関わらずモータ21a,22aが回転しない場合などが挙げられる。このように、モータ21a,22aに対して異常な負荷が作用した場合に発音動作を行わせることで、ユーザに対して異常がある旨を報知でき、ユーザは修理の必要がある旨を認識することが可能となり、利便性の面で向上できる。
【0052】
・上記実施形態では特に言及していないが、
図5に示すように例えば車両Cに複数搭載される車両シート10毎に車両シート制御装置20を設けて車両シート制御システムを構成してもよい。このような構成とすることで、各車両シート10に設けられたモータから発音動作させることで、どの車両シート10の状態が変更されるのかをユーザに報知でき、利便性向上に寄与できる。
【0053】
・上記実施形態では特に言及していないが、車両シート10にユーザの脚部を支持するオットマンやユーザの腕を支持するアームレストを設ける構成を採用してもよい。さらに、オットマンやアームレストを、モータを有する駆動部によって状態を変更(駆動)させる構成を採用してもよい。そして、オットマンやアームレストの状態を変更させるに際してモータによって発音動作を実施するようにしてもよい。
【0054】
・上記実施形態では特に言及していないが、例えばモータ21a,22aから可聴域の音を生じさせる発音動作を停止(オフ)させる機能を有してもよい。この場合、例えばユーザがスイッチ等を操作することで発音動作のオン・オフを切り替えられるようにすることで、利便性向上に寄与できる。
【0055】
・上記実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。