(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のようにシート材を用いて偏平な配線部材を形成する場合、シート材の分だけ配線部材の質量がかさむ。
【0005】
そこで本発明は、シート材によって偏平に保たれた配線部材を軽量化できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る配線部材は、質量低下用空間が形成されたシート材と、前記シート材上に固定された線状伝送部材と、を備え
、前記質量低下用空間は、有底穴又は前記シート材を厚み方向に貫くシート材側貫通孔を含み、前記線状伝送部材が前記有底穴又は前記シート材側貫通孔の開口を跨ぐように配置されている。
【0007】
第2の態様に係る配線部材は、第1の態様に係る配線部材であって、前記質量低下用空間は、有底穴を含む。
【0008】
第3の態様に係る配線部材は、
質量低下用空間が形成されたシート材と、前記シート材上に固定された線状伝送部材と、を備え、前記質量低下用空間は、有底穴を含み、前記シート材は、厚み方向に貫く基材側貫通孔が形成された第1の基材と、前記基材側貫通孔を塞ぐように前記第1の基材に重ねられた第2の基材とを含み、前記第2の基材でその一部が塞がれた前記基材側貫通孔が前記有底穴をなしている。
【0009】
第4の態様に係る配線部材は、第3の態様に係る配線部材であって、前記第1の基材と前記第2の基材とのうち前記第1の基材の方が、単位面積当たりの質量が大きい。
【0010】
第5の態様に係る配線部材は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記質量低下用空間は、前記シート材を厚み方向に貫くシート材側貫通孔を含む。
【0011】
第6の態様に係る配線部材は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記線状伝送部材と前記シート材とが接触部位直接固定されている。
【0012】
第7の態様に係る配線部材は、第6の態様に係る配線部材であって、前記線状伝送部材が、前記シート材のうち前記質量低下用空間の開口が存在する側の主面上に接触部位直接固定されており、前記シート材のうち前記線状伝送部材が固定された主面において前記線状伝送部材が固定された部分がその周囲の部分よりも凹んでいる。
【0013】
第8の態様に係る配線部材は、
質量低下用空間が形成されたシート材と、前記シート材上に固定された線状伝送部材と、を備え、前記線状伝送部材が、前記シート材のうち前記質量低下用空間の開口が存在する側の主面上に接触部位直接固定されており、前記シート材のうち前記線状伝送部材が固定された主面において前記線状伝送部材が固定された部分がその周囲の部分よりも凹んでおり、前記線状伝送部材が前記質量低下用空間の開口を跨ぐ態様で配設され、前記質量低下用空間の開口の周縁が前記線状伝送部材と接触部位直接固定されている。
【0014】
第9の態様に係る配線部材は、第6から第8のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記線状伝送部材が、伝送線本体と、前記伝送線本体を覆う被覆とを備え、前記被覆と前記シート材とが共にポリ塩化ビニルを含む材料によって形成されて接触部位直接固定されており、前記シート材のうちポリ塩化ビニルを含む材料で形成された部分に前記質量低下用空間が形成されている。
第10の態様に係る配線部材は、質量低下用空間が形成されたシート材と、前記シート材上に固定された線状伝送部材と、を備え、前記質量低下用空間は、それぞれが前記シート材の一方主面に開口する複数の有底穴を含み、前記シート材の前記一方主面において前記複数の有底穴の開口の間が平坦につながっており、前記シート材の他方主面は平坦面である。
第11の態様に係る配線部材は、質量低下用空間が形成されたシート材と、前記シート材上に固定された線状伝送部材と、を備え、前記質量低下用空間は、それぞれが前記シート材を厚み方向に貫く複数のシート材側貫通孔を含み、前記シート材の一方主面及び他方主面のそれぞれにおいて、前記複数のシート材側貫通孔の開口の間が平坦につながっている。
【発明の効果】
【0015】
各態様によると、シート材に形成された質量低下用空間の分だけシート材を軽量化できる。これにより、シート材によって偏平に保たれた配線部材を軽量化できる。
【0016】
第2の態様によると、質量低下用空間が貫通孔である部分と比べて保護性能の低下を抑制できる。
【0017】
第3の態様によると、予め基材側貫通孔が形成された第1の基材と、これを塞ぐ第2の基材とを重ね合わせることによって有底穴が形成されたシート材を形成することができる。
【0018】
第4の態様によると、単位面積当たりの質量の小さい基材に基材側貫通孔が形成される場合と比べて、質量を大きく低下させることができる。
【0019】
第5の態様によると、質量低下用空間が有底穴である部分と比べて質量を大きく低下させすることができる。
【0020】
第6の態様によると、溶着などによって線状伝送部材をシート材に固定できる。
【0021】
第7の態様によると、シート材のうち質量低下用空間の開口が存在する側の主面は、接触部位直接固定する際にシート材が凹みやすい。これを利用して、シート材のうち質量低下用空間の開口が存在する側の主面を凹んだ状態にすることによって、配線部材の厚みを小さくできる。
【0022】
第8の態様によると、質量低下用空間の開口の周縁では線状伝送部材との接触面積が小さくなる分、溶着時に接触部分にエネルギーが集中しやすい。
【0023】
第9の態様によると、共にポリ塩化ビニルを含む材料で形成された被覆とシート材とを接触部位直接固定しつつ、配線部材の軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係る配線部材について説明する。
図1は、第1実施形態に係る配線部材10を示す平面図である。
図2は、
図1のII−II線に沿って切断した断面図である。
図3は、
図1のIII−III線に沿って切断した部分拡大断面図である。なお
図1、
図3において、理解容易のため線状伝送部材30は仮想線で示されている。
【0026】
配線部材10は、車両に搭載された部品につながれて、当該部品に及び/又は当該部品から電気及び/又は光を伝送する部材である。配線部材10は、シート材12と、シート材12上に固定された線状伝送部材30と、を備える。配線部材10は、偏平に形成されている。
【0027】
シート材12は、線状伝送部材30を偏平に保つための部材である。シート材12は、基材に質量低下用空間14が形成されたものである。
【0028】
ここで質量低下用空間14とは、シート材12の質量が低下するように形成された空間である。つまりシート材12のうち質量低下用空間14を含む部分と、質量低下用空間14を含まない部分とにおいて、質量低下用空間14の有無以外の構造が同じである場合、質量低下用空間14を含む部分の単位面積当たりの質量は、質量低下用空間14を含まない部分の単位面積当たりの質量よりも小さくなる。従って、質量低下用空間14は、平坦な基材の一部が単に圧縮されて形成された凹部などを含まない。ここで単位面積とは、基材を平面視したとき(主面の法線方向から見たとき)の単位面積である。
【0029】
また質量低下用空間14は、基材に対して所定の位置に意図的に形成されたものである。従って、質量低下用空間14は、発泡成形された発泡体における気泡部分の空隙、不織布における繊維間の空隙等は含まない。
【0030】
基材を構成する材料は特に限定されるものではなく、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)などの樹脂を含むものであってもよいし、アルミニウム又は銅などの金属を含むものであってもよい。また基材の構造は特に限定されるものではなく、織物、編物、不織布など繊維を有する繊維材であってもよいし、押出成形又は射出成形等による部材など繊維を有しない非繊維材であってもよい。基材が、押出成形又は射出成形等による非繊維材である場合、発泡成形された発泡体であってもよいし、発泡成形されずに一様に充実な充実材であってもよい。なお、基材が発泡体、不織布などである場合、気泡による空隙、繊維間の空隙などとは別に質量低下用空間14が形成される。
【0031】
シート材12は1層のみを有するものであってもよいし、複数層を有するものであってもよい。つまりシート材12が、単一の基材によって形成されるものであってもよいし、複数の基材が重ねられて形成されるものであってもよい。シート材12が複数層を有するものである場合、各層における材料、構造等は適宜組み合わせ可能である。例えば、シート材12は、樹脂層と樹脂層が重ねられたものであってもよいし、樹脂層と金属層が重ねられたものであってもよいし、金属層と金属層とが重ねられたものであってもよい。また、シート材12は、非繊維材層と非繊維材層とが重ねられたものであってもよいし、非繊維材層と繊維材層が重ねられたものであってもよいし、繊維材層と繊維材層とが重ねられたものであってもよい。
【0032】
ここでは質量低下用空間14は、有底穴16であり、シート材12を貫通していない。係る有底穴16は、底を一つのみ有している。このため、有底穴16は、シート材12の一方主面側に開口している。もっとも有底穴は底を2つ有している場合もあり得る。この場合、有底穴は、シート材12の主面に現れず、シート材12の内部で中空空間をなす。
【0033】
シート材12は、第1の基材20と第2の基材26とを含む。第1の基材20と第2の基材26とは、厚み方向に重なっている。第1の基材20に、厚み方向に貫く基材側貫通孔22が形成されている。第2の基材26は、基材側貫通孔22を塞ぐように第1の基材20に重ねられている。これにより、シート材12において、基材側貫通孔22が有底穴16の穴部分(空間部分及びその周壁部分)を成し、基材側貫通孔22を塞ぐ第2の基材26が有底穴16の底を成している。また第1の基材20はシート材12の一方主面に現れている。これにより、基材側貫通孔22の一方開口がシート材12の一方主面に現れ、有底穴16の開口を成している。
【0034】
質量低下用空間14は1つのみ形成されていてもよいし、複数形成されていてもよい。
図1に示す例では、複数の質量低下用空間14が形成されている。
【0035】
複数の質量低下用空間14の並びは、ランダムに並んでいてもよいし、周期性を有する配置で並んでいてもよい。前者の場合であって、母材から基材を切り出す場合、例えば、母材において複数の質量低下用空間14がランダムに並んでいてもよいし、母材においては複数の質量低下用空間14が周期性を有する配置で並びつつ母材における複数の質量低下用空間14の周期と同じかそれよりも小さい間隔で基材を切り出すことによって基材において複数の質量低下用空間14がランダムに並んでいることも考えられる。後者の場合、複数の質量低下用空間14がランダムに並ぶ一の集団が少なくとも一の方向に等間隔に並んでいてもよいし、一の質量低下用空間14が少なくとも一の方向に等間隔に並んでいてもよい。
【0036】
ここでは複数の質量低下用空間14は、周期性を有する配置で並んでいる。特にここでは質量低下用空間14が相互に交差する二方向に等間隔に並ぶことによって、シート材12において複数の質量低下用空間14が周期性を有する配置で並んでいる。
【0037】
より詳細には、
図1に示す例では、質量低下用空間14としての複数の有底穴16は、第1の方向D1及び第2の方向D2に沿って等間隔に並んでいる。第1の方向D1及び第2の方向D2は、相互に直交する方向である。第1の方向D1及び第2の方向D2は、それぞれ、方形状のシート材12の縦方向D3及び横方向D4と平行な方向である。従って、複数の有底穴16は、シート材12において格子点状に配置されている。
【0038】
このとき
図1に示す例では、第1の方向D1に並ぶ有底穴16の間隔と第2の方向D2に並ぶ有底穴16の間隔とが同じである。ここでは、第1の方向D1及び第2の方向D2は、それぞれ、方形状のシート材12の縦方向D3及び横方向D4と平行な方向であるため、方形状のシート材12の縦方向D3に並ぶ有底穴16の間隔と、横方向D4に並ぶ有底穴16の間隔とが同じであると読み替えることもできる。もっとも、第1の方向D1に並ぶ有底穴16の間隔と、第2の方向D2に並ぶ有底穴16の間隔とが異なっていてもよい。また方形状のシート材12の縦方向D3に並ぶ有底穴16の間隔と、横方向D4に並ぶ有底穴16の間隔とが異なっていてもよい。
【0039】
質量低下用空間14は、基材の成形時に予め質量低下用空間14を有する形状に成形されて付与されたものであってもよいし、基材の成形後に追加工により付与されたものであってもよい。前者の場合、例えば、凹凸のある金型に流動状の材料が充填されることによって質量低下用空間14を成す部分(金型の凸の部分)に材料が行き渡らないように形成されたり、一の基材上の一部にのみ質量低下用空間14の周縁をなす材料が吐出されて形成されたりすることが考えられる。後者の場合、例えば、パンチングなどの機械加工によって形成されたり、エッチングなどの化学加工によって形成されたりすることが考えられる。なお、両者は、併用されてもよい。
【0040】
ここでは質量低下用空間14は、基材又はシート材12の成形後に追加工により付与されたものとして説明する。特にここでは質量低下用空間14は、平坦な第1の基材20の成形後に追加工により付与されたものとして説明する。より詳細には、平坦な第1の基材20の成形後に、パンチングなどの機械加工による追加工によって基材側貫通孔22が形成されたあと、第1の基材20と第2の基材26とが重ねられて質量低下用空間14としての有底穴16が形成されているものとして説明する。従って第1の基材20に形成された基材側貫通孔22は、パンチング穴である。
【0041】
第1の基材20と第2の基材26とのうち単位面積当たりの質量の大きい第1の基材20に基材側貫通孔22が形成されている。例えば、第1の基材20は、PVCを材料とした充実材である。第2の基材26は、PET又はPPなどを材料とした不織布である。
【0042】
なお第1の基材20の厚み、第2の基材26の厚み、及びシート材12の厚みは適宜設定されていればよい。第1の基材20の厚みは、第2の基材26の厚みと同じであってもよいし、それより厚くてもよいし、薄くてもよい。また、第1の基材20の厚み、第2の基材26の厚み、及びシート材12の厚みは、それぞれ線状伝送部材30の直径と同じ寸法であってもよいし、それより大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0043】
第1の基材20と第2の基材26とは、重ねられた状態で固定されている。その固定態様は、特に限定されるものではないが、例えばラミネート加工などによって直接的に、又は接着剤などによって間接的に貼り合わされて固定されていることが考えられる。もちろん、第1の基材20と第2の基材26とは、接着剤などによって固定されていてもよい。
【0044】
線状伝送部材30は、電気又は光を伝送する線状の部材であればよい。例えば、線状伝送部材30は、芯線と芯線の周囲の絶縁被覆とを有する一般電線であってもよいし、裸導線、エナメル線、ニクロム線、光ファイバ等であってもよい。電気を伝送する線状伝送部材30と光を伝送する線状伝送部材30とは、並設されていてもよいし、どちらか一方のみが配設されていてもよい。
【0045】
電気を伝送する線状伝送部材30としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。電気を伝送する線状伝送部材30は、信号又は電力を空間に対して送る又は受けるアンテナ、コイル等として用いられてもよい。
【0046】
線状伝送部材30は、電気又は光を伝送する伝送線本体32と、伝送線本体32を覆う被覆34とを含むことが考えられる。例えば線状伝送部材30が一般電線である場合、伝送線本体32は芯線に相当し、被覆34は絶縁被覆に相当する。係る芯線は、1本又は複数本の素線を含む。素線は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電材料によって形成される。芯線が複数本の素線で構成される場合、複数本の素線は撚られていることが好ましい。また絶縁被覆は、PVC又はPEなどの樹脂材料が芯線の周囲に押出成形されるなどして形成される。
【0047】
シート材12と線状伝送部材30とは固定されている。シート材12と線状伝送部材30との固定態様として、接触部位固定であってもよいし、非接触部位固定であってもよいし、両者が併用されていてもよい。ここで接触部位固定とは、シート材12と線状伝送部材30とが接触する部分がくっついて固定されているものである。また、非接触部位固定とは、接触部位固定でない固定態様であり、例えば、縫糸、別のシート材12、粘着テープなどが、線状伝送部材30をシート材12に向けて押え込んだり、シート材12と線状伝送部材30とを挟み込んだりして、その状態に維持するものである。以下では、シート材12と線状伝送部材30とが、接触部位固定の状態にあるものとして説明する。
【0048】
係る接触部位固定の態様として、接触部位間接固定であってもよいし、接触部位直接固定であってもよいし、異なる領域で両者が併用されていてもよい。ここで接触部位間接固定とは、シート材12と線状伝送部材30とが、その間に設けられた接着剤、粘着剤、両面粘着テープなどを介して間接的にくっついて固定されているものである。また接触部位直接固定とは、シート材12と線状伝送部材30とが別に設けられた接着剤等を介さずに直接くっついて固定されているものである。接触部位直接固定では、例えばシート材12と線状伝送部材30とのうち少なくとも一方に含まれる樹脂が溶かされることによってくっついて固定されることが考えられる。以下では、シート材12と線状伝送部材30とが、接触部位直接固定の状態にあるものとして説明する。
【0049】
係る接触部位直接固定の状態が形成されるに当たり、樹脂は、例えば、熱によって溶かされることも考えられるし、溶剤によって溶かされることも考えられる。つまり、接触部位直接固定の状態としては、熱による接触部位直接固定の状態であってもよいし、溶剤による接触部位直接固定の状態であってもよい。好ましくは、熱による接触部位直接固定の状態であるとよい。
【0050】
このとき接触部位直接固定の状態を形成する手段は特に限定されるものではなく、溶着、融着、溶接等の公知の手段を用いることができる。例えば、溶着によって熱による接触部位直接固定の状態を形成する場合、超音波溶着、加熱加圧溶着、熱風溶着、高周波溶着など種々の溶着手段を採用することができる。またこれらの手段によって接触部位直接固定の状態が形成されると、シート材12と線状伝送部材30とは、その手段による接触部位直接固定の状態とされる。具体的には、例えば、超音波溶着によって接触部位直接固定の状態が形成されると、シート材12と線状伝送部材30とは、超音波溶着による接触部位直接固定の状態とされる。
【0051】
接触部位直接固定の場合、シート材12に含まれる樹脂と、線状伝送部材30の被覆34に含まれる樹脂とのうちいずれか一方のみが溶けていてもよいし、両方が共に溶けていてもよい。前者の事例の場合、溶けた方の樹脂が溶けない方の樹脂の外面にくっついた状態となり、比較的はっきりした界面が形成されることがある。後者の事例の場合、両方の樹脂が混ざり合ってはっきりした界面が形成されないことがある。特に、線状伝送部材30の被覆34とシート材12とが、同じ樹脂材料など相溶しやすい樹脂を含む場合などに、両方の樹脂が混ざり合ってはっきりした界面が形成されないことがある。
【0052】
シート材12と線状伝送部材30との固定領域に関し、シート材12と線状伝送部材30とが、線状伝送部材30の延在方向に沿った接触部分の一部が部分的に固定されていてもよいし、線状伝送部材30の延在方向に沿って接触部分の全部が連続的に固定されていてもよい。シート材12と線状伝送部材30とが、線状伝送部材30の延在方向に沿って部分的に固定されている場合、隣り合う固定箇所間の間隔、一か所の固定箇所の大きさ等は適宜設定されていればよい。
【0053】
ここでは線状伝送部材30が、シート材12のうち質量低下用空間14の開口が存在する側の主面上に配設されている。このとき線状伝送部材30は、質量低下用空間14の開口を跨ぐ態様で配設されている。より詳細には、
図1に示す例では、質量低下用空間14の開口を跨ぐ線状伝送部材30aのほかに、第2の方向に沿って隣り合う質量低下用空間14の間を通って第1方向に延びる線状伝送部材30bが配設されている。そして、シート材12と線状伝送部材30とが接触部位直接固定されている。
【0054】
このとき質量低下用空間14の開口の周縁が線状伝送部材30と接触部位直接固定されている。またシート材12のうち線状伝送部材30が固定された主面において線状伝送部材30が固定された部分がその周囲の部分よりも凹んでいる。より詳細には、線状伝送部材30aにおいては、シート材12のうち第1方向D1に沿って隣り合う質量低下用空間14の間の部分が線状伝送部材30と接触部位直接固定されている。また線状伝送部材30bにおいては、シート材12のうち第2方向D2に沿って隣り合う質量低下用空間14の間の部分が線状伝送部材30と接触部位直接固定されている。
【0055】
例えば、シート材12と線状伝送部材30とが熱及び圧力により樹脂が溶かされることによって接触部位直接固定の状態とされる場合について考える。このような場合として、シート材12と線状伝送部材30とが超音波溶着による接触部位直接固定の状態とされる場合について考える。この場合、
図3に示すように、超音波溶着機のホーン80とアンビル82とによって、シート材12における質量低下用空間14の開口周縁部分と線状伝送部材30とを挟んだ状態で、この挟持部分に圧力がかけられつつ超音波振動が付与されることによって、質量低下用空間14の開口の周縁に、超音波溶着による接触部位直接固定の状態が形成される。このとき、シート材12に質量低下用空間14が形成されていることによって、その開口の周縁は、ホーン80とアンビル82とによって圧力がかけられた際に、潰れて開口側に広がりやすい。開口の周縁が潰れて広がったこの状態で超音波溶着が進行してシート材12と線状伝送部材30とがくっつくと、くっついた後もこの状態に維持されやすい。これにより、シート材12のうち線状伝送部材30が固定された主面において線状伝送部材30が固定された部分がその周囲の部分よりも凹んだ状態とされる。
【0056】
またホーン80とアンビル82とが質量低下用空間14の開口の周縁を挟持する場合、
図3に示すように、質量低下用空間14の開口の部分、つまりシート材12と線状伝送部材30とが接触していない部分も併せて挟持することがあり得る。この場合、ホーン80の面積に対してシート材12と線状伝送部材30とが接触している部分の面積が小さくなり、シート材12と線状伝送部材30とが接触している質量低下用空間14の開口の周縁部分に、超音波溶着に係るエネルギーが集中しやすくなる。この結果、この部分が溶着されやすくなる。
【0057】
なお、質量低下用空間14は、ホーン80、アンビル82よりも小さく形成されていることが好ましい。これにより、ホーン80、アンビル82によって、シート材12のうち質量低下用空間14が形成されている部分のみを挟持する事態が生じにくい。この場合、線状伝送部材30bにおいては、接触部位直接固定されている部分が、質量低下用空間14の大きさよりも大きくなることが考えられる。
【0058】
ここで一の質量低下用空間14の大きさ、線状伝送部材30の直径について説明する。質量低下用空間14の大きさ、線状伝送部材の直径は、特に限定されるものではなく、質量低下用空間14の大きさは、線状伝送部材30の直径と同じでもよいし、それよりも大きくてもよいし、それよりも小さくてもよい。
図1に示す例では、質量低下用空間14の大きさは、線状伝送部材30の直径よりも大きい。これにより、質量低下用空間14を跨ぐように線状伝送部材30が配設されていても、質量低下用空間14が線状伝送部材30によって完全に隠れることはない。
【0059】
また
図1に示す例では、複数の質量低下用空間14の大きさが同じに形成されているが、大きさが異なるものが存在していてもよい。この際、一のサイズの線状伝送部材30の直径に対してそれより大きい質量低下用空間14と、同じ大きさの質量低下用空間14と、それより小さい質量低下用空間14とのうち少なくとも2つが存在していてもよい。
【0060】
また
図1に示す例では、複数の線状伝送部材30として直径が同じサイズのものが採用されているが、直径のサイズが異なるものが存在していてもよい。この際、一のサイズの質量低下用空間14に対して、それより大きい直径の線状伝送部材30と、同じ大きさの直径の線状伝送部材30と、それより小さい直径の線状伝送部材30とのうち少なくとも2つが存在していてもよい。
【0061】
次にシート材12において質量低下用空間14による質量減少の割合について説明する。なおここでは第2の基材26に質量低下用空間14が形成されていないため、質量低下用空間14が形成された第1の基材20において基材側貫通孔22による質量減少の割合について説明する。
【0062】
例えば、
図1に示す例の場合、一辺の長さを100とした正方形状の第1の基材20に直径を8とした円形状の基材側貫通孔22が100個形成されている。この場合、基材側貫通孔22の形成されていない場合の第1の基材20の面積が10000、基材側貫通孔22の総面積が5026であるため、基材側貫通孔22の形成されていない場合の第1の基材20の面積を100としたときに、質量低下用空間14の総面積は、50.3となる。
【0063】
ここで基材側貫通孔22が第1の基材20の厚み方向に一様な大きさで貫通する貫通孔であるため、基材側貫通孔22の形成されていない場合の第1の基材20の体積を100とした場合に、第1の基材20の両主面の間の基材側貫通孔22の総体積は、上記面積比の場合と同様に、50.3となる。
【0064】
そして第1の基材20が、一様な充実材でありかつ平坦に形成されている場合、基材側貫通孔22の形成されていない場合の第1の基材20の質量を100とした場合に、基材側貫通孔22が形成されることによって減少した質量は、上記面積比の場合及び上記体積比の場合と同様に、50.3となる。
【0065】
以上のように構成された配線部材10によると、シート材12に形成された質量低下用空間14の分だけシート材12を軽量化できる。これにより、シート材12によって偏平に保たれた配線部材10を軽量化できる。
【0066】
また線状伝送部材30とシート材12とが接触部位直接固定されている。例えば溶着などによって線状伝送部材30をシート材12に固定できる。線状伝送部材30の被覆34とシート材12とを接触部位直接固定するに当たり、同じ樹脂材料を含む部分同士を接触部位直接固定することが考えられる。ここでは被覆34とシート材12とが共にPVCを含む材料によって形成されて接触部位直接固定されている。このときシート材12のうちPVCを含む材料で形成された部分に質量低下用空間14が形成されている。
【0067】
ここで線状伝送部材30として自動車用電線が採用される場合、自動車用電線の被覆34として一般的に用いられているPVCは、同じく自動車用電線の被覆34として一般的に用いられているPEなどと比べて、通常、その密度が大きい。このため、被覆34に合わせてPVCを含む材料によってシート材12を形成すると、シート材12が重くなりすぎる恐れがある。この場合でも、シート材12のうちPVCを含む材料で形成された部分に質量低下用空間14が形成されていることによって、被覆34とシート材12とを接触部位直接固定しつつ、配線部材10の軽量化を図ることが可能である。
【0068】
また質量低下用空間14が有底穴16であるため、質量低下用空間14が貫通孔である部分と比べて保護性能の低下を抑制できる。また質量低下用空間14が貫通孔であるシート材と比べて、シート材12が主面の広がる方向に伸びにくくなる。
【0069】
またシート材12が厚み方向に貫く基材側貫通孔22が形成された第1の基材20と、基材側貫通孔22を塞ぐように第1の基材20に重ねられた第2の基材26とを含むことによって有底穴16が形成されている。これによりシート材12に追加工によって有底穴16を直接形成する場合に比べて、比較的容易に有底穴16を形成することができる。より詳細には、シート材12に追加工によって有底穴16を直接形成する場合、例えば座ぐり加工などによって形成することが考えられる。しかしながら、シート材12が薄かったり、柔らかかったりする場合、シート材12に座ぐり加工を施すことが困難である。これに対して、第1の基材20が薄かったり、柔らかかったりする場合でも、パンチング加工によって基材側貫通孔22を形成することは容易である。
【0070】
なお、第1の基材20に対して第2の基材26とは反対側に、第3の基材が重ねられていてもよい。このとき第3の基材が、第1の基材20の基材側貫通孔22を塞ぐことによって、質量低下用空間14として、両側が塞がった有底穴16、つまり中空空間がシート材12に形成される。
【0071】
また複数の基材のうち単位面積当たりの質量の大きい基材に基材側貫通孔22が形成されているため、単位面積当たりの質量の小さい基材に基材側貫通孔22が形成される場合と比べて、その質量を大きく低下させることができる。
【0072】
また線状伝送部材30が、シート材12のうち質量低下用空間14の開口が存在する側の主面上に接触部位直接固定されており、シート材12のうち線状伝送部材30が固定された主面において線状伝送部材30が固定された部分がその周囲の部分よりも凹んでいるため、配線部材10の厚みを小さくできる。
【0073】
また質量低下用空間14の開口の周縁が線状伝送部材30と接触部位直接固定されている。ここで質量低下用空間14の開口の周縁では線状伝送部材30との接触面積が小さくなる分、溶着時に接触部分にエネルギーが集中しやすい。
【0074】
{第2実施形態}
第2実施形態に係る配線部材について説明する。
図4は、第2実施形態に係る配線部材110を示す平面図である。
図5は、
図4のV−V線に沿って切断した断面図である。なお、本実施形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。以下の実施形態の説明についても同様である。
【0075】
配線部材110においてシート材112の形状が、第1実施形態に係る配線部材10におけるシート材12の形状とは異なる。より詳細にはシート材112において質量低下用空間114の形状、大きさ及び配置が、シート材12における質量低下用空間14の形状、大きさ及び配置とは異なる。
【0076】
質量低下用空間114の形状に関し、質量低下用空間114はシート材112を貫くシート材側貫通孔18とされている。係るシート材側貫通孔18は、例えば充実に成形された第1の基材20及び第2の基材26が重ねられたのち、重なった2つの基材20、26を貫通するようにパンチング加工が施されることによって、形成される。
【0077】
質量低下用空間114の大きさに関し、質量低下用空間114が線状伝送部材30の直径以下に(ここでは直径よりも小さく)形成されている。従って、質量低下用空間114を跨ぐように線状伝送部材30が配設されると、線状伝送部材30によって質量低下用空間114が完全に隠れる。
【0078】
質量低下用空間114の配置に関し、複数の質量低下用空間114が千鳥状に配置されている。つまり、一の質量低下用空間114とこの質量低下用空間114に対して最も近い位置にある質量低下用空間114とを結ぶ方向が、方形状のシート材112の縁部の延びる方向と交差している。より詳細には、質量低下用空間114は、第1の方向D1及び第2の方向D2に沿って等間隔に並んでいる。第1の方向D1及び第2の方向D2は、相互に直交する方向である。第1の方向D1及び第2の方向D2は、それぞれ、方形状のシート材112の縦方向D3及び横方向D4と交差する方向(
図4に示す例では45度に交差する方向)である。
【0079】
次にシート材112において質量低下用空間114による質量減少の割合について説明する。
【0080】
より詳細には、
図4に示す例の場合、一辺の長さを100とした正方形状のシート材112に直径を4とした円形状の質量低下用空間114が200個形成されている。この場合、質量低下用空間114の形成されていない場合のシート材112の面積が10000、質量低下用空間114の総面積が2513であるため、質量低下用空間114の形成されていない場合のシート材の面積を100としたときに、質量低下用空間114の総面積は、25.1となる。
【0081】
ここでシート材側貫通孔18がシート材112の厚み方向に一様な大きさで貫通する貫通孔であり、シート材112が、平坦に形成されている場合、シート材側貫通孔18の形成されていない場合のシート材112の質量を100とした場合に、シート材側貫通孔18が形成されることによって減少した質量は、上記面積比の場合と同様に、25.1となる。
【0082】
このような配線部材110によると、質量低下用空間114がシート材側貫通孔118であるため、質量低下用空間114が有底穴16である部分と比べてその質量を大きく低下させることができる。より詳細には、上述の質量減少分には、第2の基材26の減少分も含まれる。これに対して、質量低下用空間114が上記有底穴16の場合、第2の基材26において質量が減少せず、その分、シート材112の質量の減少効果は小さくなる。
【0083】
{第3実施形態}
第3実施形態に係る配線部材について説明する。
図6は、第3実施形態に係る配線部材210を示す平面図である。
【0084】
配線部材210において、シート材212の形状及び線状伝送部材30の配置の仕方が、上記配線部材10におけるシート材12の形状及び線状伝送部材30の形状とは異なる。
【0085】
シート材212の形状に関し、より詳細には、質量低下用空間214の配列が、シート材12における質量低下用空間14の配列とは異なる。シート材212において、質量低下用空間214が第1の方向D1及び第2の方向D2に沿って並んでいる。このとき第2の方向D2に沿って隣り合う質量低下用空間214の間隔が、第1の方向D1に沿って隣り合う質量低下用空間214の間隔よりも大きい。
図6に示す例では、第2の方向D2に沿って隣り合う質量低下用空間214の間隔が、第1の方向D1に沿って隣り合う質量低下用空間214の間隔の2倍に設定されているが、このことは、必須ではない。2倍より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0086】
次にシート材212において質量低下用空間214による質量減少の割合について説明する。特にここでは、質量低下用空間214が第1実施形態における有底穴16と同様に形成された有底穴16であるものとして、第1の基材20において基材側貫通孔22による質量減少の割合について説明する。
【0087】
図6に示す例の場合、一辺の長さを100とした正方形状の第1の基材20に直径を8とした円形状の質量低下用空間214(基材側貫通孔22)が50個形成されている。この場合でも、
図4の場合と同様に、質量低下用空間214の形成されていない場合の基材の面積が10000、質量低下用空間214の総面積が2513であるため、質量低下用空間214の形成されていない場合の第1の基材20の面積を100としたときに、質量低下用空間214の総面積は、25.1となる。
【0088】
そして第1の基材20が、一様な充実材でありかつ平坦に形成されている場合、質量低下用空間214の形成されていない場合の第1の基材20の質量を100とした場合に、質量低下用空間214が形成されることによって減少した質量は、上記面積比の場合と同様に、25.1となる。
【0089】
線状伝送部材30の配置の仕方に関し、これまで質量低下用空間を跨ぐように線状伝送部材30が配設されていたが、このことは必須の構成ではない。
図6に示すように、質量低下用空間214を避けて線状伝送部材30が配設されていてもよい。ここでは、第2の方向D2に沿って隣り合う質量低下用空間214の間に、第1の方向D1に沿って延びるように線状伝送部材30が配設されている。これにより質量低下用空間を跨ぐように線状伝送部材30が配設されている場合と比べて、シート材212と線状伝送部材30との接触面積を増やすことができ、もって接触部位直接固定が可能な領域を増やすことができる。
【0090】
もちろん
図6に示すシート材212に対して、第2の方向D2に沿って延びるように線状伝送部材30が配設されて、線状伝送部材30が質量低下用空間214を跨いでいてもよい。この場合でも、第1実施形態に係るシート材12に対して質量低下用空間14を跨ぐように線状伝送部材30が第1の方向D1に沿って延びる場合と比べると、シート材212と線状伝送部材30との接触面積を増やすことができ、もって接触部位直接固定が可能な領域を増やすことができる。また
図6に示すシート材212に対して、線状伝送部材30が質量低下用空間214を跨ぎつつ、第1の方向D1に沿って延びるように配設されていてもよい。
【0091】
{変形例}
これまで質量低下用空間14、114、214が複数形成されるものとして説明してきたが、このことは必須の構成ではない。質量低下用空間14、114、214は、1つでもよい。この場合、例えば、
図1に示す例において第1の基材20における質量低下用空間14とそれ以外の部分とが逆転したような形状に形成されていてもよい。この場合、第2の基材上に、第1の基材として残る部分が島状に点在する。そして、島状部分の間の部分が質量低下用空間とされる。
【0092】
またこれまでシート材12、112、212が正方形状であるものとして説明してきたが、このことは必須の構成ではない。シート材12、112、212は、長方形状、平行四辺形状、台形状などの形状に形成されていてもよいし、曲がった形状に形成されていてもよい。またシート材12、112、212は、一の方向に長い帯状に形成されていてもよい。この場合、帯状のシート材に対してその長尺方向に線状伝送部材30が延びるように配設されているとよい。
【0093】
またこれまで線状伝送部材30がシート材12、112、212上に直線状に配設されるものとして説明してきたが、このことは必須の構成ではない。線状伝送部材30がシート材12、112、212上で曲がって配設されていてもよい。
【0094】
またこれまで複数の線状伝送部材30がシート材12、112、212上で平行に配設されるものとして説明してきたが、このことは必須の構成ではない。複数の線状伝送部材30がシート材12、112、212上で相互に異なる方向に延びるように配設されていてもよい。このとき、シート材12、112、212上で複数の線状伝送部材30が分岐するように、つまり分岐部が形成されるように配設されていてもよい。また複数の線状伝送部材30がシート材12、112、212上で交差するように、つまり交差部が形成されるように配設されていてもよい。
【0095】
またこれまで質量低下用空間14、114、214が平面視円形状に形成されるものとして説明してきたが、このことは必須の構成ではない。質量低下用空間14、114、214は、平面視円形状以外の形状に形成されていてもよい。質量低下用空間14、114、214は、例えば三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の角形状であってもよい。
図7に示す第1変形例に係るシート材312では、質量低下用空間314が平面視三角形状に形成されている。また
図8に示す第2変形例に係るシート材412では、質量低下用空間414が平面視四角形状に形成されている。また
図9に示す第3変形例に係るシート材512では、質量低下用空間514が平面視六角形状に形成されている。
【0096】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0097】
本明細書及び図面には下記の各態様が開示される。
第1の態様に係る配線部材は、質量低下用空間が形成されたシート材と、前記シート材上に固定された線状伝送部材と、を備える。
第2の態様に係る配線部材は、第1の態様に係る配線部材であって、前記質量低下用空間は、有底穴を含む。
第3の態様に係る配線部材は、第2の態様に係る配線部材であって、前記シート材は、厚み方向に貫く基材側貫通孔が形成された第1の基材と、前記基材側貫通孔を塞ぐように前記第1の基材に重ねられた第2の基材とを含み、前記第2の基材でその一部が塞がれた前記基材側貫通孔が前記有底穴をなしている。
第4の態様に係る配線部材は、第3の態様に係る配線部材であって、前記第1の基材と前記第2の基材とのうち前記第1の基材の方が、単位面積当たりの質量が大きい。
第5の態様に係る配線部材は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記質量低下用空間は、前記シート材を厚み方向に貫くシート材側貫通孔を含む。
第6の態様に係る配線部材は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記線状伝送部材と前記シート材とが接触部位直接固定されている。
第7の態様に係る配線部材は、第6の態様に係る配線部材であって、前記線状伝送部材が、前記シート材のうち前記質量低下用空間の開口が存在する側の主面上に接触部位直接固定されており、前記シート材のうち前記線状伝送部材が固定された主面において前記線状伝送部材が固定された部分がその周囲の部分よりも凹んでいる。
第8の態様に係る配線部材は、第7の態様に係る配線部材であって、前記線状伝送部材が前記質量低下用空間の開口を跨ぐ態様で配設され、前記質量低下用空間の開口の周縁が前記線状伝送部材と接触部位直接固定されている。
第9の態様に係る配線部材は、第6から第8のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記線状伝送部材が、伝送線本体と、前記伝送線本体を覆う被覆とを備え、前記被覆と前記シート材とが共にポリ塩化ビニルを含む材料によって形成されて接触部位直接固定されており、前記シート材のうちポリ塩化ビニルを含む材料で形成された部分に前記質量低下用空間が形成されている。
各態様によると、シート材に形成された質量低下用空間の分だけシート材を軽量化できる。これにより、シート材によって偏平に保たれた配線部材を軽量化できる。
第2の態様によると、質量低下用空間が貫通孔である部分と比べて保護性能の低下を抑制できる。
第3の態様によると、予め基材側貫通孔が形成された第1の基材と、これを塞ぐ第2の基材とを重ね合わせることによって有底穴が形成されたシート材を形成することができる。
第4の態様によると、単位面積当たりの質量の小さい基材に基材側貫通孔が形成される場合と比べて、質量を大きく低下させることができる。
第5の態様によると、質量低下用空間が有底穴である部分と比べて質量を大きく低下させすることができる。
第6の態様によると、溶着などによって線状伝送部材をシート材に固定できる。
第7の態様によると、シート材のうち質量低下用空間の開口が存在する側の主面は、接触部位直接固定する際にシート材が凹みやすい。これを利用して、シート材のうち質量低下用空間の開口が存在する側の主面を凹んだ状態にすることによって、配線部材の厚みを小さくできる。
第8の態様によると、質量低下用空間の開口の周縁では線状伝送部材との接触面積が小さくなる分、溶着時に接触部分にエネルギーが集中しやすい。
第9の態様によると、共にポリ塩化ビニルを含む材料で形成された被覆とシート材とを接触部位直接固定しつつ、配線部材の軽量化を図ることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。