特許第6962352号(P6962352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962352情報処理装置、記録システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962352
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】情報処理装置、記録システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20211025BHJP
   H04N 1/393 20060101ALI20211025BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20211025BHJP
   G06T 11/80 20060101ALI20211025BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20211025BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20211025BHJP
【FI】
   H04N1/387 110
   H04N1/393
   G06T11/60 100D
   G06T11/80 D
   G06F3/0488
   G06F3/0484 150
   G06F3/0484 120
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-171466(P2019-171466)
(22)【出願日】2019年9月20日
(62)【分割の表示】特願2018-84857(P2018-84857)の分割
【原出願日】2014年5月29日
(65)【公開番号】特開2020-74507(P2020-74507A)
(43)【公開日】2020年5月14日
【審査請求日】2019年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】山田 純
【審査官】 橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−016054(JP,A)
【文献】 特開2002−218217(JP,A)
【文献】 特開2007−140896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
H04N 1/393
G06T 11/60
G06T 11/80
G06F 3/0488
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部及び操作部を備える情報処理装置のコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
複数のテンプレート画像の中からいずれかのテンプレート画像を選択する操作を、前記操作部を介して受け付けたことに応じて、選択されたテンプレート画像を示すテンプレート画像データを取得する第1取得処理を前記コンピュータに実行させ、前記複数のテンプレート画像は、第1種類の部品画像を合成可能な第1領域を示す第1領域指示画像を有する第1テンプレート画像、及び、前記第1領域指示画像を有していない第2テンプレート画像を含んでおり、
前記第1取得処理で取得されたテンプレート画像データに基づいて、前記テンプレート画像を前記表示部に表示させる第1表示処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第1取得処理で取得された前記テンプレート画像データが前記第1テンプレート画像を示す場合、前記第1表示処理では、前記第1領域指示画像が示す前記第1領域に、前記第1種類を示す文字列を含んでいる前記第1テンプレート画像を前記表示部に表示させ、
前記第1表示処理で表示され前記第1種類を示す文字列を含んだ前記第1領域指示画像が前記操作部で指定されたことに応じて、前記第1領域指示画像に含まれる文字列が示す前記第1種類に対応する第1データ取得元から、前記第1種類の部品画像を示す第1部品データを取得する第2取得処理と、
前記操作部を介した操作によって指定された前記第1領域指示画像が示す前記第1領域に、前記第2取得処理で取得した前記第1部品データが示す前記第1種類の部品画像を合成した第1合成画像を前記表示部に表示させる第2表示処理と、
前記第1合成画像を示す第1合成画像データを出力する出力処理と、を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記第2テンプレート画像は、第2種類の部品画像を合成可能な第2領域を示す第2領域指示画像を有しており、
前記複数のテンプレート画像から、前記第2テンプレート画像を選択する操作を、前記操作部を介して受け付けたことに応じて、前記第1表示処理では、選択された前記第2テンプレート画像を前記表示部に表示させ、
前記第1表示処理では、前記第2領域指示画像が示す前記第2領域に、前記第2種類を示す文字列を含まない前記第2テンプレート画像を前記表示部に表示させ、
前記第1表示処理で表示した前記第2領域指示画像を指定する操作を、前記操作部を介して受け付けたことに応じて、前記第2取得処理では、前記第2領域に対応する第2データ取得元から、前記第2種類の部品画像を示す第2部品データを取得し、
前記第2表示処理では、前記操作部を介した操作によって指定された前記第2領域指示画像が示す前記第2領域に、前記第2取得処理で取得した前記第2部品データが示す前記第2種類の部品画像を合成した第2合成画像を前記表示部に表示させ、
前記出力処理では、前記第2合成画像を示す第2合成画像データを出力する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2表示処理では、前記第2領域指示画像において前記操作部で指定された位置を基点として前記第2種類の部品画像を合成した前記第2合成画像を前記表示部に表示させる請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2表示処理では、前記第1領域指示画像において予め定められている位置を基点として前記第1種類の部品画像を合成した前記第1合成画像を前記表示部に表示させる請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1表示処理で表示した前記第1領域指示画像が前記操作部で指定されたことに応じて、前記第1データ取得元から取得可能な前記第1部品データに対応する第1部品アイコンを前記表示部に表示させる第3表示処理を前記コンピュータに実行させ、
前記第3表示処理で表示した前記第1部品アイコンを指定する操作を、前記操作部を介して受け付けたことに応じて、前記第2取得処理では、指定された前記第1部品アイコンに対応する前記第1部品データを前記第1データ取得元から取得する請求項1から4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2表示処理において、前記第2取得処理で取得された前記第1部品データが示す前記第1種類の部品画像を編集し、編集した前記第1種類の部品画像を、前記操作部を介した操作によって指定された前記第1領域指示画像が示す前記第1領域に合成した前記テンプレート画像を表示させる請求項1から5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1表示処理で表示した前記第1テンプレート画像において前記第1領域指示画像と異なる位置を指定する操作を、前記操作部を介して受け付けたことに応じて、前記第1テンプレート画像において前記第1領域指示画像の背景領域を編集し、編集された前記第1テンプレート画像を前記表示部に表示させる第4表示処理を前記コンピュータに実行させる請求項1から6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記文字列が差出人を示す場合、前記第2表示処理において、前記操作部を介した操作によって指定された前記第1領域指示画像が示す前記第1領域に、前記第2取得処理で取得した前記第1部品データが示す前記第1種類の部品画像を前記第1テンプレート画像よりも前景側に合成した前記第1合成画像を前記表示部に表示させる請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1種類が写真を示す場合、前記第2表示処理において、前記操作部を介した操作によって指定された前記第1領域指示画像が示す前記第1領域に、前記第2取得処理で取得した前記第1部品データが示す前記第1種類の部品画像を前記第1テンプレート画像よりも背景側に合成した前記第1合成画像を前記表示部に表示させる請求項1から7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1表示処理において、複数の前記第1種類を示す文字列を含む前記第1領域指示画像を含む前記第1テンプレート画像、又は、前記第1種類を示す文字列をそれぞれが含む複数の前記第1領域指示画像を含む前記第1テンプレート画像を表示させる請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1表示処理において、複数の前記第1領域指示画像を含む前記第1テンプレート画像を表示させ、前記複数の第1領域指示画像の少なくとも一つは、前記第1種類を示す文字列を含む請求項1から9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
表示部及び操作部を備える情報処理装置であって、
複数のテンプレート画像の中からいずれかのテンプレート画像を選択する操作を、前記操作部を介して受け付けたことに応じて、選択されたテンプレート画像を示すテンプレート画像データを取得する第1取得処理を実行し、前記複数のテンプレート画像は、第1種類の部品画像を合成可能な第1領域を示す第1領域指示画像を有する第1テンプレート画像、及び、前記第1領域指示画像を有していない第2テンプレート画像を含んでおり、
前記第1取得処理で取得されたテンプレート画像データに基づいて、前記テンプレート画像を前記表示部に表示させる第1表示処理を実行し、
前記第1取得処理で取得された前記テンプレート画像データが前記第1テンプレート画像を示す場合、前記第1表示処理では、前記第1領域指示画像が示す前記第1領域に、前記第1種類を示す文字列を含んでいる前記第1テンプレート画像を前記表示部に表示させ、
前記第1表示処理で表示され前記第1種類を示す文字列を含んだ前記第1領域指示画像が前記操作部で指定されたことに応じて、前記第1領域指示画像に含まれる文字列が示す前記第1種類に対応する第1データ取得元から、前記第1種類の部品画像を示す第1部品データを取得する第2取得処理と、
前記操作部を介した操作によって指定された前記第1領域指示画像が示す前記第1領域に、前記第2取得処理で取得した前記第1部品データが示す前記第1種類の部品画像を合成した第1合成画像を前記表示部に表示させる第2表示処理と、
前記第1合成画像を示す第1合成画像データを出力する出力処理と、を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録用紙に記録されるプレビュー画像を編集及び表示する情報処理装置に搭載されるプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、写真やメッセージを所定の位置に配置するユーザ操作を受け付け、当該操作によって生成された画像を記録用紙に記録するシステムが知られている。例えば特許文献1には、葉書の宛名面に記録される宛先及び通信面に記録される写真やメッセージ等を入力するユーザ操作を受け付け、入力された各種情報が記録された葉書のプレビュー画像を表示し、入力された各種情報を葉書に記録する処理をサーバ装置に実行させるシステムが開示されている。
【0003】
また、予め用意されたテンプレート画像をユーザに選択させ、且つユーザによって入力された写真、差出人、及びメッセージ等を示す画像(以下、これらを総称して「部品画像」と表記する。)を当該テンプレート画像の任意の位置に合成することによって、葉書の通信面に記録される画像を編集可能な情報処理装置が知られている。なお、テンプレート画像上における部品画像の位置を決定する方法としては、例えば、対話形式のインタフェース、或いは部品画像の位置をマウスによってユーザに直接指定させる方法等が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−44355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、対話形式のインタフェースでは、テンプレート画像上における部品画像の位置が直感的に分かりにくいという課題がある。また、部品画像の位置をマウスによって指定させる方法では、特に表示画面の小さい情報処理装置において位置の調整が難しいという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、直感的で且つ簡単な操作でテンプレート画像上に部品画像を配置することができるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載のプログラムは、画像を表示する表示画面を有する表示部及び前記表示画面をタッチするユーザ操作を受け付ける操作部を備えるコンピュータによって実行可能である。該プログラムは、記録用紙に記録されるテンプレート画像を示すテンプレート画像データ、及び部品画像を合成可能な前記テンプレート画像上の部品領域を示す領域情報と、前記部品画像の種類を示す複数の属性のうちの当該部品領域に合成可能な前記部品画像の属性を示す属性情報とを含む部品情報を取得する第1取得処理と、前記テンプレート画像が記録用紙に記録された状態を示す第1プレビュー画像を前記表示部に表示させる第1表示処理と、前記第1プレビュー画像に含まれる前記部品領域の位置をタッチするユーザ操作を前記操作部が受け付けたことに応じて、前記コンピュータに設定された複数のデータ取得元のうちの前記属性情報に対応づけられた前記データ取得元から前記部品画像を示す部品データを取得する第2取得処理と、前記第1プレビュー画像の前記部品領域に前記部品画像を合成した第2プレビュー画像を前記表示部に表示させる第2表示処理と、を前記コンピュータに実行させる。そして、前記部品情報は、第1部品領域を示す第1領域情報と、第1部品領域と異なる第2部品領域を示す第2領域情報と、前記第1部品領域に合成可能な前記部品画像の第1属性を示す第1属性情報と、前記第2部品領域に合成可能な前記部品画像の属性であって、前記第1属性と異なる第2属性を示す第2属性情報とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本明細書に記載のプログラムによれば、テンプレート画像上の予め定められた部品領域をタッチすることによって、予め定められた属性の部品画像が当該部品領域に合成されるので、直感的で且つ簡単な操作でテンプレート画像に部品画像を合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る記録システム100のブロック図である。
図2図2は、テンプレート定義ファイルに定義された情報の一例である。
図3図3は、通信面記録処理のフローチャートである。
図4図4は、タップ位置判定処理のフローチャートである。
図5図5は、表示部53の表示例であって、(A)はメニュー画面を、(B)は年賀状作成画面を示す。
図6図6は、表示部53の表示例であって、(A)はテンプレート画像一覧表示画面を、(B)はプレビュー画面を示す。
図7図7は、表示部53の表示例であって、(A)は写真一覧表示画面を、(B)は写真画像編集画面を示す。
図8図8は、表示部53の表示例であって、(A)はアドレス一覧表示画面を、(B)はプレビュー画面を示す。
図9図9は、変形例1に係る表示部53の表示例であって、(A)はプレビュー画面を、(B)はスタンプ一覧表示画面を示す。
図10図10は、変形例1に係る表示部53の表示例であって、(A)はテキスト入力画面を、(B)はプレビュー画面を示す。
図11図11は、(A)が変形例2に係る差出人情報入力入力画面の一例を、(B)が変形例3に係る全画面プレビュー画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0011】
図1は、本実施形態における記録システム100の概略図である。図1に示される記録システム100は、複合機10と、携帯端末50と、サーバ装置70とで構成されている。複合機10、携帯端末50、及びサーバ装置70は、通信ネットワーク102を介して相互に通信可能とされている。通信ネットワーク102の具体例は特に限定されないが、例えば、インターネット、移動体通信網、有線LAN(Local Area Networkの略)、無線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
【0012】
[複合機10]
複合機10は、図1に示されるように、プリンタ部11と、スキャナ部12と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、CPU31と、記憶部32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を介して相互に接続されている。複合機10は、画像記録装置の一例である。
【0013】
[プリンタ部11、スキャナ部12]
プリンタ部11は、画像データで示される画像を記録用紙に記録する記録処理を実行する。プリンタ部11の記録方式は特に限定されないが、例えば、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ部12は、記録用紙に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン処理を実行する。複合機10は、FAXの送受信を行うFAX機能、記録用紙に記録された画像を読み取って他の記録用紙に記録するコピー機能等をさらに有してもよい。
【0014】
[表示部23]
表示部23は、各種情報を表示する表示画面を備える。表示部23の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
【0015】
[操作部24]
操作部24は、表示部23の表示画面に表示されたオブジェクトを選択するユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作部24は、例えば押ボタンを有しており、押下された押ボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されてもよい。タッチセンサには、静電容量方式、抵抗膜方式等の周知の方式を採用することができる。
【0016】
なお、「オブジェクト」とは、ユーザが操作部24を操作することによって選択可能な画像を指す。一例として、オブジェクトは表示部23に表示された文字列であって、操作部24の方向キーを押下することによってオブジェクトの1つがハイライト表示され、操作部24の決定ボタンを押下することによってハイライト表示されたオブジェクトが選択されてもよい。他の例として、操作部24がタッチパネルである場合のオブジェクトは表示部23に表示されたアイコン、ボタン、リンク等であって、タッチ位置に表示されたオブジェクトが選択されてもよい。
【0017】
[通信部25]
通信部25は、通信ネットワーク102を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機10は、通信部25を通じて携帯端末50或いはサーバ装置70に各種情報を出力し、通信部25を通じて携帯端末50或いはサーバ装置70から各種データ又は各種情報を受信する。通信部25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(Wi−Fi Allianceの登録商標)を採用することができる。
【0018】
[CPU31]
CPU(Central Processing Unitの略)31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、操作部24から出力される各種情報、及び通信部25を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムを記憶部32から取得して実行する。すなわち、CPU31及び記憶部32は、制御部の一例を構成する。
【0019】
[記憶部32]
記憶部32は、プログラム記憶領域32Aと、データ記憶領域32Bとを有する。プログラム記憶領域32Aには、OS(Operating Systemの略)34と、制御プログラム35とが格納される。なお、制御プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。データ記憶領域32Bには、制御プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。
【0020】
なお、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
【0021】
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32”というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10”というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
【0022】
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
【0023】
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memoryの略)、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。なお、記憶部32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0024】
プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、CPU31によって実行される。しかしながら、本明細書では、CPU31を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムAが処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「CPU31がプログラムAに記述された処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
【0025】
OS34は、複合機10を構成するハードウェアであるプリンタ部11、スキャナ部12、表示部23、操作部24、及び通信部25等を制御するためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供する基本プログラムである。すなわち、上記の各プログラムは、OS34が提供するAPIを呼び出すことによって、各ハードウェアを制御する。しかしながら、本明細書では、OS34を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記述は、「プログラムBがOS34のAPIを通じてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
【0026】
[携帯端末50]
携帯端末50は、図1に示されるように、表示部53と、操作部54と、通信部55と、CPU61と、記憶部62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれる表示部53、操作部54、通信部55、CPU61、記憶部62、及び通信バス63は、複合機10に含まれる表示部23、操作部24、通信部25、CPU31、記憶部32、及び通信バス33と共通するので、再度の説明は省略する。携帯端末50は情報処理装置の一例であり、CPU61及び記憶部62は制御部の一例である。情報処理装置の具体例は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の携帯端末50に限定されず、PC(Personal Computerの略)等であってもよい。
【0027】
携帯端末50の操作部54は、表示部53の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを含む。そして、操作部54は、表示部53の表示画面をタッチするユーザ操作を受け付ける。また、操作部54は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、表示画面の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとしたx−y平面上の座標(x,y)として表現できる。
【0028】
なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。すなわち、タッチした入力媒体を所定時間内に表示画面から離間させるタップ操作、タッチした入力媒体を表示画面上で静止させるロングタッチ操作、タッチした入力媒体を表示画面上でスライドさせるスライド操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに近づける向きにスライドさせるピンチイン操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに離れる向きにスライドさせるピンチアウト操作等は、タッチの一例である。また、入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。
【0029】
通信部55は、移動体通信網或いは無線LANを通じて複合機10或いはサーバ装置70と通信する。また、記憶部62のプログラム記憶領域62Aには、OS64と、制御プログラム65とが格納されている。記憶部62のデータ記憶領域62Bには、例えば、写真データを記憶する写真データフォルダ、アドレス情報を記憶するアドレスフォルダ、及びスタンプ画像データを記憶するスタンプフォルダ等が含まれていてもよい。アドレス情報には、例えば、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等が含まれている。
【0030】
[サーバ装置70]
サーバ装置70は、複数のテンプレート画像データと、複数のテンプレート画像データそれぞれに対応づけられた複数の部品情報とを記憶している。また、サーバ装置70は、携帯端末50からの要求に応じて、テンプレート画像データ及び部品情報を携帯端末50に送信する。テンプレート画像データは、記録用紙の一例である葉書に記録されるテンプレート画像を示すものである。部品情報は、テンプレート画像に合成可能な部品画像に関する情報である。なお、本明細書中の「に応じて」は、当該文字列の前に記載された条件が満たされた場合に、当該文字列の後に記載された処理が実行されることを示す。なお、処理が実行されるタイミングは、条件が満たされた後であればよく、当該条件が満たされた直後である必要は必ずしもない。
【0031】
より詳細には、サーバ装置70は、携帯端末50からの要求に応じて、図2に示されるテンプレート定義ファイルを携帯端末50に送信する。テンプレート定義ファイルは、複数のテンプレート画像情報と、複数のテンプレート画像情報それぞれに対応づけられた複数の部品情報とを含む。テンプレート画像情報は、テンプレート画像データのファイル名、テンプレート画像データの取得先URL、及びテンプレート画像のサイズを示すサイズ情報を含む。そして、サーバ装置70は、取得先URLで特定されるテンプレート画像データの送信を携帯端末50から要求されたことに応じて、当該テンプレート画像データを携帯端末50に送信する。
【0032】
部品情報は、例えば図2に示されるように、領域情報と、属性情報と、重なり情報と、形式情報とを含む。本実施形態において、各テンプレート画像情報に対応づけられた部品情報は、複数の領域情報と、複数の属性情報とを含む。また、複数の領域情報は、互いに異なる部品領域を示す。但し、複数の部品領域の一部が互いに重なり合っていてもよい。さらに、複数の属性情報は、互いに異なる属性を示す。但し、複数の属性情報の一部が同一の属性を示していてもよい。テンプレート定義ファイルのデータ構造の具体例は特に限定されないが、例えば、XML(eXtensible Markup Languageの略)、或いはJSON(JavaScript(登録商標) Object Notationの略)等の形式を採用してもよい。
【0033】
領域情報は、部品画像を合成可能なテンプレート画像上の部品領域を示す情報である。一例として、図2に示されるテンプレート1の部品1の領域情報は、中心位置”center”及び半径”radius”で特定される円形状の領域を指す。他の例として、テンプレート1の部品2の領域情報は、左端位置”left”、上端位置”top”、右端位置”right”、及び下端位置”bottom”で特定される矩形状の領域を指す。上記の各位置は、例えば、テンプレート画像の左上端位置を基準として特定される。なお、部品領域の形状及び特定方法は上記の例に限定されない。例えば、3つの頂点の位置によって三角形の部品領域を特定してもよい。
【0034】
また、領域情報の”position=fixed”は、当該領域情報で示される部品領域の予め定められた位置を基点として、プレビュー画像に部品画像が合成されることを示す。このような領域情報を含む部品情報は、固定位置部品情報の一例である。一方、領域情報の”positon=free”は、操作部54が受け付けたタップ位置を基点として、プレビュー画像に部品画像が合成されることを示す。このような領域情報を含む部品情報は、自由位置部品情報の一例である。
【0035】
属性情報は、当該部品領域に合成可能な部品画像の属性を示す情報である。属性とは、部品画像の種類を示すものである。より具体的には、属性とは、部品画像の元データの種類を示す。一例として、属性情報が”写真”を示す場合の部品画像は、写真データから生成される。他の例として、属性情報が”差出人”を示す場合の部品画像は、アドレス情報から取得される氏名、郵便番号、住所の少なくとも一部を示すテキストデータから生成される。さらに他の例として、属性情報が”文字列”を示す場合の部品画像は、テキストデータから生成される。さらに他の例として、属性情報が”スタンプ”を示す場合の部品画像は、予め用意されたスタンプ画像である。なお、属性情報の具体例は上記の例に限定されない。また、1つの部品領域に合成可能な部品画像の属性は1つに限定されない。
【0036】
形式情報は、部品領域に合成可能な部品画像の形式を示す情報である。一例として、属性情報が”写真”である部品画像に設定可能な形式情報としては、当該部品画像の色調が挙げられる。色調の具体例としては、例えば、オリジナル、セピア、モノクロ等が挙げられる。他の例として、属性情報が”文字列”である部品画像に設定可能な形式情報としては、配列方向、書体、フォントサイズ等が挙げられる。配列方向の具体例としては、例えば、縦配列、横配列等が挙げられる。書体の具体例としては、例えば、明朝体、ゴシック体、毛筆体、ポップ体等が挙げられる。さらに他の例として、属性情報が”差出人”である部品画像に設定可能な形式情報としては、アドレス情報から抽出すべき情報の種類と各情報のレイアウト等が挙げられる。本実施形態では、アドレス情報から抽出された住所及び氏名が、横配列で2段表記される。
【0037】
なお、後述する通信面記録処理において選択された部品画像の形式と、形式情報で示される形式とが相違する場合、当該部品画像が形式情報で示される形式に変換される。また、形式情報に複数の選択肢が設定されている場合、当該選択肢のうちの1つをユーザに選択させることができる。さらに、図2のテンプレート1の部品2のように、1つの部品画像に設定可能な形式情報は1つに限定されない。
【0038】
重なり情報は、テンプレート画像及び当該テンプレート画像に合成される1以上の部品画像の奥行き方向における論理的な位置関係を示す情報である。奥行き方向とは、表示部53の表示画面と交差する方向を指す。本実施形態における重なり情報には、数値が設定される。対応する部品領域に合成される部品画像は、重なり情報で示される数値が小さいほど奥側に位置し、重なり情報で示される数値が大きいほど手前側に位置する。図2の例では、テンプレート画像の重なり情報が省略されているが、本実施形態ではテンプレート画像の重なり情報を0とする。すなわち、図2のテンプレート1において、手前側から奥側に向かって、部品2に基づいて取得された部品画像、テンプレート画像、部品1に基づいて取得された部品画像の順に重ね合わされる。
【0039】
なお、本実施形態の表示部53は、2次元画像を表示するものであって、各画像の重なりが立体的に表現されるわけではない。すなわち、「奥行き方向における論理的な位置関係」とは、例えば、手前側に位置する第1画像と奥側に位置する第2画像とが重なり合う場合において、第1画像と重なる第2画像の領域が表示部53に表示されなくなる関係を指す。但し、第2画像と重なる第1画像の領域が透過画像である場合、当該透過画像に重なる第2画像の領域は、表示部53に表示される。
【0040】
[記録システム100の動作]
図2図8を参照して、記録システム100の動作を説明する。本実施形態に係る記録システム100は、サーバ装置70から取得したテンプレート画像及びデータ取得元から取得した部品画像を携帯端末50が合成し、合成された画像を複合機10が葉書に記録する処理を実行する。以下、年賀状の通信面に記録する画像を合成する処理を説明する。しかしながら、合成した画像の用途はこれに限定されず、例えば、暑中見舞い、クリスマスカード、チラシ等にも応用することができる。
【0041】
まず、携帯端末50の制御プログラム65が起動されたことに応じて、例えば図5(A)に示されるメニュー画面が携帯端末50の表示部53に表示される。図5(A)に示されるメニュー画面は、年賀状作成画面を表示させる年賀状作成アイコン81と、年賀状アルバムを表示させる年賀状アルバムアイコン82と、保存データを表示させる保存データアイコン83とを含む。次に、制御プログラム65は、年賀状作成アイコン81をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、例えば図5(B)に示される年賀状作成画面を表示部53に表示させる。図5(B)に示される年賀状作成画面は、通信面に記録する画像を生成する処理を実行させる通信面編集アイコン84と、宛名面に記録する画像を生成する処理を実行させる宛名面編集アイコン85とを含む。
【0042】
なお、図5(A)に示される年賀状作成アイコン81には、通信面に画像が記録された2枚の葉書と、宛名面に画像が記録された1枚の葉書とを組み合わせた画像が用いられている。また、図5(B)に示される通信面編集アイコン84には、年賀状作成アイコン81に含まれる3枚の葉書のうち、通信面に画像が記録された2枚の葉書を組み合わせた画像が用いられている。さらに、図5(B)に示される宛名面編集アイコン85には、年賀状作成アイコン81に含まれる3枚の葉書のうち、宛名面に画像が記録された1枚の葉書の画像が用いられている。
【0043】
すなわち、年賀状作成アイコン81は、通信面に記録する画像を生成する処理と、宛名面に記録する画像を生成する処理とが実行可能であることを示す。また、通信面編集アイコン84は、通信面に記録する画像を生成する複数の処理が実行可能であることを示す。さらに、宛名面編集アイコン85は、宛名面に記録する画像を生成する処理が実行可能であることを示す。以下、通信面編集アイコン84がタップされた後の処理を詳細に説明し、宛名面編集アイコン85がタップされた後の処理の詳細な説明は省略する。また、通信面編集アイコン84によって示される複数の処理のうち、テンプレート画像に部品画像を合成する処理を詳細に説明する。
【0044】
次に、制御プログラム65は、通信面編集アイコン84をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、通信部55を通じてサーバ装置70からテンプレート定義ファイルを受信する。また、制御プログラム65は、受信したテンプレート定義ファイルに含まれる取得先URLで特定される各テンプレート画像データを、通信部55を通じてサーバ装置70から受信する。本実施形態では、図2に示されるテンプレート定義ファイルと、当該テンプレート定義ファイルの取得先URLで特定される4つのテンプレート画像データとが取得されたものとする。なお、図2において、”テンプレート3”及び”テンプレート4”に含まれる各種情報の具体例の図示は省略されている。なお、テンプレート定義ファイル及びテンプレート画像データの取得先は、サーバ装置70に限定されず、データ記憶領域62Bであってもよい。この処理は、第1取得処理の一例である。
【0045】
そして、制御プログラム65は、テンプレート画像一覧表示画面を表示部53に表示させ、図2に示される通信面記録処理を実行する。図6(A)は、テンプレート画像一覧表示画面の一例である。図6(A)に示されるテンプレート画像一覧表示画面は、サーバ装置70から受信した複数のテンプレート画像データそれぞれで示される複数のテンプレート画像を含む。なお、テンプレート画像一覧表示画面において、左上のテンプレート画像は図2の”テンプレート1”に対応し、右上のテンプレート画像は図2の”テンプレート2”に対応し、左下のテンプレート画像は図2の”テンプレート3”に対応し、右下のテンプレート画像は図2の”テンプレート4”に対応する。また、テンプレート画像一覧表示画面に含まれる各テンプレート画像は、プレビュー画面を表示させるアイコンとして機能する。
【0046】
次に、制御プログラム65は、テンプレート画像一覧表示画面に含まれるテンプレート画像の1つをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S11)、プレビュー画面を表示部53に表示させる(S12)。図6(B)は、図6(A)の左上に表示されたテンプレート画像がタップされた場合のプレビュー画面の一例である。図6(B)に示されるプレビュー画面は、第1プレビュー画像86と、部品画像を合成可能なテンプレート画像上の部品領域を示す領域指示画像87、88と、プリントアイコン89と、保存アイコン90とを含む。ステップS12の処理は、第1表示処理の一例である。また、プリントアイコン89は記録指示アイコンの一例であり、保存アイコン90は保存指示アイコンの一例である。
【0047】
第1プレビュー画像86は、テンプレート画像一覧表示画面においてタップされた左上のテンプレート画像が葉書に記録された状態を示す画像である。すなわち、第1プレビュー画像86は、図2の”テンプレート1”で定義されるテンプレート画像を含む。また、領域指示画像87の位置は図2の”テンプレート1”の”部品1”に対応し、領域指示画像88の位置は図2の”テンプレート1”の”部品2”に対応する。さらに、図6(B)の第1プレビュー画像86に含まれるテンプレート画像のうち、領域指示画像87で示される領域は、透過画像である。
【0048】
領域指示画像87は、図2び”テンプレート1”の”部品1”の領域情報で示される部品領域を示す画像である。より詳細には、領域指示画像87は、当該部品領域の形状に対応するハッチングされた円の画像である。領域指示画像88は、”テンプレート1”の”部品2”の領域情報で示される部品領域を示す画像である。より詳細には、領域指示画像88は、当該部品領域の形状に対応する破線の枠と、当該枠の内部に属性情報である”差出人”の文字とを組み合わせた画像である。但し、領域指示画像の具体例はこれらに限定されない。
【0049】
次に、制御プログラム65は、表示部53の表示画面をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S13:Yes)、タップ位置判定処理を実行する(S14)。タップ位置判定処理は、プレビュー画面のどの位置をタップしたかを判定する処理である。本実施形態に係るタップ位置判定処理では、図6(B)に示されるプレビュー画面のうち、領域指示画像87、88で示される部品領域、第1プレビュー画像86上の部品領域と異なる領域(以下、「背景領域」と表記する。)、プリントアイコン89の位置、及び保存アイコン90の位置のどこがタップされたかを判定する。図4を参照して、タップ位置判定処理を詳細に説明する。
【0050】
まず、制御プログラム65は、ユーザがタップした表示画面上の位置を示す位置情報を操作部54から取得する。そして、制御プログラム65は、位置情報が第1プレビュー画像86内であるか否かを判断する(S31)。制御プログラム65は、ステップS31において、操作部54から取得した位置情報と、テンプレート定義ファイルに含まれるテンプレート画像のサイズ情報とを比較すればよい。次に、制御プログラム65は、位置情報が第1プレビュー画像86内であることに応じて(S31:Yes)、位置情報が領域指示画像87、88内であるか否かを判断する(S32)。制御プログラム65は、ステップS32において、操作部54から取得した位置情報と、テンプレート定義ファイルに含まれる各領域情報とを比較すればよい。
【0051】
そして、制御プログラム65は、位置情報が領域指示画像87、88内であることに応じて(S32:Yes)、部品領域がタップされたと判定する(S35)。一方、制御プログラム65は、位置情報が領域指示画像87、88から外れた位置であることに応じて(S32:No)、背景領域がタップされたと判定する(S36)。なお、ステップS33、S34の処理は、後述する変形例1において説明する。
【0052】
一方、制御プログラム65は、位置情報が第1プレビュー画像86から外れた位置であることに応じて(S31:No)、位置情報がどのアイコンに含まれるかを判断する(S37)。制御プログラム65は、ステップS37において、操作部54から取得した位置情報と、予め定められた各アイコンの位置情報とを比較すればよい。そして、制御プログラム65は、位置情報がプリントアイコン89内であることに応じて(S37:プリントアイコン)、プリントアイコン89がタップされたと判断する(S38)。また、制御プログラム65は、位置情報が保存アイコン90内であることに応じて(S37:保存アイコン)、保存アイコン90がタップされたと判断する(S39)。
【0053】
図3に戻って、制御プログラム65は、部品領域がタップされたことに応じて(S15:部品領域)、当該部品領域に合成する部品画像を示す部品データを取得する(S16)。次に、制御プログラム65は、ステップS16で取得した部品データで示される部品画像の形式を変更する必要があると判断したことに応じて(S17:Yes)、当該部品画像の形式を変換する(S18)。一方、制御プログラム65は、当該部品画像の形式を変更する必要が無いと判断したことに応じて(S17:No)、ステップS18をスキップする。ステップS16の処理は第2取得処理の一例であり、ステップS18の処理は変換処理の一例である。なお、ステップS19の処理は、後述する変形例1において説明する。
【0054】
なお、携帯端末50には、部品データを取得可能な複数のデータ取得元が予め設定されている。データ取得元は、データが記憶された記憶部に限定されない、ユーザからデータを取得するユーザインタフェース、外部装置からデータを取得する通信インタフェース等であってもよい。また、各データ取得元は、属性情報に対応づけられている。さらに、データ取得元と属性情報との対応関係は、例えば、OS64に保持されていてもよいし、制御プログラム65にプログラムされていてもよいし、制御プログラム65が読み込む定義ファイルに定義されていてもよい。
【0055】
一例として、写真データが記憶されたデータ記憶領域62B或いは携帯端末50に搭載された不図示のカメラ等は、”写真”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元である。他の例として、アドレス帳が記憶されたデータ記憶領域62Bは、”差出人”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元である。さらに他の例として、表示部53に表示可能なソフトウェアキーボードは、”文字列”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元である。さらに他の例として、スタンプ画像データが記憶されたデータ記憶領域62Bは、”スタンプ”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元である。また、データ取得元は携帯端末50に内蔵されている必要は必ずしもなく、携帯端末50に接続されたデータ記憶装置であってもよいし、通信ネットワーク102に接続された外部装置あってもよい。
【0056】
図7及び図8を参照して、図6(B)の領域指示画像87、88で示される部品領域に部品画像を合成する処理を詳細に説明する。すなわち、図3のステップS12〜S19の処理が2回繰り返されることになる。以下、領域指示画像87がタップされたことに応じて実行される処理、及び領域指示画像88がタップされたことに応じて実行される処理の順に説明するが、領域指示画像87、88のタップ順序がこれに限定されないことは言うまでもない。
【0057】
まず、制御プログラム65は、図6(B)の領域指示画像87の位置をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S15:部品領域)、写真一覧表示画面を表示部53に表示させる。図7(A)は、写真一覧表示画面の一例である。図7(A)に示される写真一覧表示画面には、複数のサムネイル画像が一覧表示されている。サムネイル画像は、データ記憶領域62Bに記憶された写真データで示される画像を縮小した縮小画像の一例である。また、写真一覧表示画面に表示された各サムネイル画像は、部品データの一例である写真データの選択を受け付けるアイコンとして機能する。すなわち、写真一覧表示画面に含まれるサムネイル画像は、部品データを識別する部品識別子の一例である。
【0058】
次に、制御プログラム65は、図7(A)のサムネイル画像の1つをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、当該サムネイル画像で識別される写真データをデータ記憶領域62Bから取得し、写真画像編集画面を表示部53に表示させる。図7(B)は、写真画像編集画面の一例である。図7(B)に示される写真画像編集画面は、データ記憶領域62Bから取得した写真データで示される写真画像91と、トリミング枠92と、オリジナルアイコン93と、セピアアイコン94と、モノクロアイコン95とを含む。
【0059】
トリミング枠92は、写真画像91のうちの部品画像として取得する領域をユーザに指定させるための画像である。換言すれば、トリミング枠92は、写真画像91のうちの部品領域に合成する領域をユーザに指定させるための画像である。トリミング枠92は、対応する領域情報で示される部品領域と相似形状である。トリミング枠92は、例えば、スライド操作によって写真画像91上を移動させることができ、ピンチイン操作によって縮小することができ、ピンチアウト操作によって拡大することができてもよい。
【0060】
オリジナルアイコン93は、写真画像91のうちのトリミング枠92によって指定された領域の画像を、写真画像91の色調のままで部品画像として取得するためのアイコンである。セピアアイコン94は、写真画像91のうちのトリミング枠92によって指定された領域の画像を、セピア調に変換して部品画像として取得するためのアイコンである。モノクロアイコン95は、写真画像91のうちのトリミング枠92によって指定された領域の画像を、モノクロ調に変換して部品画像として取得するためのアイコンである。各アイコン93、94、95は、領域指示画像87で示される部品領域に合成可能な部品画像の複数の形式それぞれを識別する形式識別子の一例である。
【0061】
そして、制御プログラム65は、アイコン93〜95の1つをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、写真画像91のうちのトリミング枠92の内側の画像を示すデータを、部品データとして取得する(S16)。さらに、制御プログラム65は、セピアアイコン94或いはモノクロアイコン95をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S17:Yes)、取得した部品データで示される部品画像を、タップしたアイコン94、95で識別される色調に変換する(S18)。色調を変換する具体的な処理は周知であるので、詳しい説明は省略する。
【0062】
次に、制御プログラム65は、第1プレビュー画像86の領域指示画像87で示される部品領域に、写真画像91から取得した部品画像を合成した第2プレビュー画像を含むプレビュー画面を表示部53に表示させる(S12)。なお、ステップS16〜S19を実行した後のステップS12において表示されるプレビュー画面は、タップされた部品領域に部品画像が合成されている点において図6(B)に示されるプレビュー画面と相違し、その他の点は図6(B)に示されるプレビュー画面と共通する。上記の処理は、第2表示処理の一例である。第2表示処理の詳細は、後述する。
【0063】
次に、制御プログラム65は、図6(B)の領域指示画像88の位置をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S15:部品領域)、アドレス一覧表示画面を表示部53に表示させる。図8(A)は、アドレス一覧表示画面の一例である。図8(A)に示されるアドレス一覧表示画面には、複数の氏名アイコンが一覧表示されている。氏名アイコンは、データ記憶領域62Bに記憶されている各アドレス情報に含まれる氏名が記述されたアイコンである。氏名アイコンは、部品データの他の例であるアドレス情報の選択を受け付けるアイコンである。すなわち、氏名アイコンは、部品データを識別する部品識別子の他の例である。但し、アドレス一覧表示画面に表示されるアイコンに記述される情報は氏名に限定されず、さらに住所等が記述されてもよい。
【0064】
次に、制御プログラム65は、アドレス一覧表示画面に表示された氏名アイコンの1つをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、当該氏名アイコンに記述された氏名を含むアドレス情報をデータ記憶領域62Bから取得する(S16)。また、制御プログラム65は、取得したアドレス情報から住所及び氏名を抽出し、これらを横配列で2段表記した部品画像に変換する(S17:Yes→S18)。図8(A)のアドレス一覧表示画面の上から2番目の氏名アイコンがタップされたものとして、後述の処理を説明する。
【0065】
次に、制御プログラム65は、図8(B)に示されるように、図6(B)の第1プレビュー画像86の領域指示画像87、88で示される部品領域に、写真画像91から取得した部品画像96と、アドレス情報から生成された部品画像97とを合成した第2プレビュー画像98を表示部53に表示させる(S12)。なお、制御プログラム65は、テンプレート画像及び2つの部品画像96、97のうち、重なり情報で示される位置が奥の画像から順に表示部53のグラフィックメモリに描画することによって、第2プレビュー画像98を表示部53に表示させる。すなわち、制御プログラム65は、部品画像96、テンプレート画像、及び部品画像97の順に表示部53のグラフィックメモリに描画する。
【0066】
なお、図2に示される定義ファイルにおいて、”テンプレート1”の”部品1”及び”部品2”の領域情報には”position=fixed”が設定されている。そのため、各部品画像96、97は、対応する部品領域の予め定められた位置を基点として第1プレビュー画像86に合成される。一例として、部品画像96は、円形状の部品領域の中心位置と当該部品画像96の中心位置とが一致するように配置され、且つ当該部品領域の大きさに合わせて拡大或いは縮小されてもよい。また、部品画像97は、長方形の部品領域の左上端位置と当該部品画像97の左上端位置とが一致するように配置され、且つ当該部品領域の大きさに合わせて拡大或いは縮小されてもよい。
【0067】
次に、制御プログラム65は、例えば図8(B)に示されるプレビュー画面の背景領域をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S15:背景領域)、プレビュー画面に含まれるテンプレート画像を編集(S20)し、編集されたテンプレート画像を含むプレビュー画面を表示部53に表示させる(S12)。ステップS20を実行した後のステップS12の処理は、第3表示処理の一例である。なお、図6(B)に示されるプレビュー画面の背景領域がタップされた場合も同様の処理が実行される。また、テンプレート画像の編集の具体例は、例えば、テンプレート画像の色調を変更する、テンプレート画像の背景色を変更する、或いはテンプレート画像を構成する背景画像を変更すること等が挙げられる。テンプレート画像毎に編集可能な項目は、例えば、テンプレート定義ファイルに定義されていてもよい。
【0068】
一例として、テンプレート画像の色調としてオリジナル、セピア、モノクロが採用可能である場合、テンプレート画像の背景領域がタップされる度に、当該テンプレート画像の色調がオリジナル、セピア、モノクロの順に変更されてもよい。また、背景領域がロングタッチされたことに応じて変更可能な色調を示す色調識別子の一覧が表示され、色調識別子の1つがタップされたことに応じて当該色調識別子で識別される色調にテンプレート画像が変更されてもよい。テンプレート画像の背景色を変更する場合も同様である。
【0069】
他の例として、サーバ装置70から受信したテンプレート画像データに複数の背景画像と、背景画像より奥行き方向の手前に位置する前景画像とが含まれていた場合、最初のプレビュー画面において前景画像及び第1背景画像で構成されるテンプレート画像を含む第1プレビュー画像を表示部53に表示させる。そして、この第1プレビュー画像の背景領域がタップされたことに応じて、前景画像及び第1背景画像で構成されるテンプレート画像を含む第3プレビュー画像を表示部53に表示させてもよい。
【0070】
次に、制御プログラム65は、例えば図8(B)のプレビュー画面に含まれるプリントアイコン89をタップする操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S15:アイコン&S21:プリントアイコン)、記録制御処理を実行する(S22)。記録制御処理は、プレビュー画面に含まれる第2プレビュー画像98を葉書に記録する記録処理をプリンタ部11に実行させる処理である。具体的には、制御プログラム65は、第2プレビュー画像98を示す画像データを含む記録指示情報を、通信部55を通じて複合機10に送信する。そして、複合機10は、通信部25を通じて携帯端末50から記録指示情報を取得したことに応じて、当該記録指示情報に含まれる画像データに対する記録処理をプリンタ部11に実行させる。
【0071】
また、制御プログラム65は、図8(B)のプレビュー画面に含まれる保存アイコン9
0をタップする操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S15:アイコン&S21
:保存アイコン)、保存制御処理を実行する(S23)。保存制御処理は、プレビュー画
面に含まれる第2プレビュー画像98に関するデータをデータ記憶領域62Bに記憶させ
る処理である。
【0072】
なお、当該画像データの保存先はデータ記憶領域62Bに限定されず、インターネット上のストレージサーバ等であってもよい。また、ステップS23においてデータ記憶領域62Bに記憶されるデータは、テンプレート画像と部品画像とが合成された画像を示す1つの画像データであってもよいし、テンプレート画像データ、部品データ、及びテンプレート画像上における部品画像のレイアウトを示すレイアウト情報等であってもよい。さらに、制御プログラム65は、例えば図5(A)に示される保存データアイコン83をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、第2プレビュー画像98を示す画像データをデータ記憶領域62Bから取得し、図8(B)に示されるプレビュー画面を再び表示部53に表示させてもよい。
【0073】
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、テンプレート画像上の予め定められた部品領域をタップすることによって、予め定められた属性の部品画像が当該部品領域に合成される。その結果、直感的で且つ簡単な操作でテンプレート画像に部品画像を合成することができる。また、上記の実施形態によれば、領域指示画像87、88によって部品領域の位置をユーザに容易に認識させることができる。なお、上記の実施形態では、領域指示画像87、88及び各種アイコン等をタップすることによって次の処理が実行される例を説明したが、次の処理を実行させる操作はタップ操作に限定されず、タッチ操作、ロングタッチ操作、スライド操作等であってもよい。
【0074】
なお、上記の実施形態において、プレビュー画面に含まれるプレビュー画像を、第1プレビュー画像、第2プレビュー画像、及び第3プレビュー画像と区別しているが、これらの区別は、テンプレート画像に部品画像が合成されているか否か、或いはテンプレート画像が編集されているか否かに応じた便宜的なものであって、本質的には同じものである。すなわち、第1プレビュー画像に対して実行可能な処理は、原則として第2プレビュー画像及び第3プレビュー画像にも実行可能である。第2プレビュー画像及び第3プレビュー画像に対して実行可能な処理についても同様である。
【0075】
また、上記の実施形態では、図7(A)の写真一覧表示画面或いは図8(A)のアドレス一覧表示画面を通じて、部品画像96、97の元になる部品データをユーザに選択させる例を説明した。これにより、ユーザが所望する部品画像96、97をテンプレート画像に合成することができる。但し、部品画像を示す部品データの取得方法はこれに限定されない。例えば、制御プログラム65は、年賀状の差出人の住所及び氏名の入力を操作部54を通じて事前に受け付けておいてもよい。そして、制御プログラム65は、”差出人”を示す属性情報に対応する部品領域をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、事前に取得した差出人の住所及び氏名から部品画像を生成してもよい。
【0076】
また、上記の実施形態では、図7(B)の写真画像91から抽出する部品画像96の形式を、アイコン93〜95によってユーザに選択させる例を説明した。これにより、ユーザが所望する形式の部品画像96をテンプレート画像に合成することができる。一方、図8(A)のアドレス一覧表示画面を通じて選択したアドレス情報から生成される部品画像97の形式を、テンプレート定義ファイルに従って自動的に変換する例を説明した。これにより、部品画像の形式をユーザに意識させることなく、適切な形式の部品画像97をテンプレート画像に合成することができる。すなわち、部品画像の形式を変換する変換処理は、ユーザの指示に応じて実行されてもよいし、制御プログラム65の判断によって実行されてもよい。
【0077】
[変形例1]
次に、図9及び図10を参照して、変形例1に係る通信面記録処理を説明する。なお、上記の実施形態に係る通信面記録処理との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。変形例1に係る制御プログラム65は、図6(A)のテンプレート画像一覧表示画面において右上のテンプレート画像をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S11)、図9(A)に示されるプレビュー画像を表示部53に表示させる(S12)。図9(A)に示されるプレビュー画面は、第1プレビュー画像111と、領域指示画像112、113と、プリントアイコン89と、保存アイコン90とを含む。
【0078】
次に、制御プログラム65は、図9(A)のプレビュー画面において、領域指示画像112、113の互いに重なる位置、すなわち入力媒体114で示される位置をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて(S33)、各部品領域に合成される部品画像を示す部品データの取得順を決定する(S34)。制御プログラム65は、例えば、重なり情報で示される位置が手前の部品領域に合成される部品画像を示す部品データから順に取得する。より詳細には、制御プログラム65は、未だ部品画像が合成されていない部品領域のうち、重なり情報で示される位置が手前の部品領域に合成される部品画像を示す部品データから順に取得してもよい。すなわち、変形例1に係る図3のステップS16〜ステップS19において、領域指示画像113の位置に合成される部品画像を示す部品データが先に取得され、領域指示画像112の位置に合成される部品画像を示す部品データが後で取得される。
【0079】
制御プログラム65は、1回目のステップS16において、”スタンプ”を示す属性情報に対応するデータ取得元の一例であるスタンプ一覧表示画面を表示部53に表示させる。図9(B)は、スタンプ一覧表示画面の一例である。図9(B)に示されるスタンプ一覧表示画面には、例えばデータ記憶領域62Bに記憶されたスタンプ画像データで示されるスタンプ画像が一覧表示されている。スタンプ一覧表示画面に含まれるスタンプ画像は、スタンプ画像データの選択を受け付けるアイコンとして機能する。すなわち、スタンプ一覧表示画面に含まれるスタンプ画像は、部品データを識別する部品識別子の他の例である。制御プログラム65は、スタンプ一覧表示画面に表示されたスタンプ画像の1つをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、当該スタンプ画像で識別されるスタンプ画像データをデータ記憶領域62Bから取得する。図9(B)のスタンプ一覧表示画面の右下のスタンプ画像がタップされたものとして、後述の処理を説明する。
【0080】
また、制御プログラム65は、2回目のステップS16において、”文字列”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元の一例であるテキスト入力画面を表示部53に表示させる。図10(A)は、テキスト入力画面の一例である。図10(A)に示されるテキスト入力画面は、テキストボックスと、ソフトウェアキーボードとを含む。そして、制御プログラム65は、ソフトウェアキーボードを通じてユーザが入力した文字列をテキストボックスに表示させ、確定キーをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、テキストボックスに表示されている文字列から部品データを生成する(S16)。また、制御プログラム65は、”縦配列”を示す属性情報に従って、テキストボックスに表示された横配列の文字列を縦配列に変換する(S17:Yes→S18)。なお、文字列を横配列から縦配列に変換するのに合わせて、当該文字列を縦配列に適した字体に変更してもよいし、半角英数字を全角英数字に変更してもよいし、アラビア数字を漢数字に変更してもよい。
【0081】
次に、制御プログラム65は、図10(B)に示されるように、図9(A)の第1プレビュー画像111の領域指示画像112、113で示される部品領域に、テキスト入力画面を通じて入力された文字列から生成された部品画像115と、スタンプ一覧表示画面を通じて選択されたスタンプ画像データで示される部品画像116とを合成した第2プレビュー画像117を、表示部53に表示させる(S12)。
【0082】
なお、図2に示される定義ファイルにおいて、”テンプレート2”の”部品2”の領域情報には”position=free”が設定されているので、部品画像116は、図9(A)のプレビュー画面において操作部54が受け付けたタップ位置を基点として、第1プレビュー画像111に合成される。例えば、予め定められた大きさの部品画像116は、当該部品画像116の中心位置がタップ位置に一致するように配置される。
【0083】
上記の変形例1のように、複数の部品領域が重なり合うことを許容することにより、レイアウトの自由度が向上する。また、位置が固定された部品画像115及び位置を自由に設定可能な部品画像116をテンプレート画像に合成可能とすることにより、操作の容易性とレイアウトの自由度とを両立させることができる。
【0084】
[変形例2]
次に、図11(A)を参照して、変形例2に係る部品データの取得方法を説明する。まず、変形例2に係る制御プログラム65は、図6(B)の領域指示画像88の位置をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、差出人情報入力画面を表示部53に表示させる。図9(A)は、差出人情報入力画面の一例である。図9(A)に示される差出人入力画面は、”郵便番号”、”住所”、”姓”、”名”等の差出人情報が入力される複数のテキストボックスと、任意のコメントを入力されるテキストボックスと、アドレス帳アイコンと、完了アイコンとを含む。
【0085】
差出人情報入力画面に含まれる各テキストボックスには、当該テキストボックスの位置をタップすることによって表示されるソフトウェアキーボードを通じて文字列を入力することができる。すなわち、図9(A)に示される差出人情報入力画面は、”差出人”及び”文字列”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元の一例である。より詳細には、差出人情報が入力されるテキストボックスは、”差出人”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元である。一方、任意のコメントが入力されるテキストボックスは、”文字列”を示す属性情報に対応づけられたデータ取得元である。
【0086】
また、制御プログラム65は、アドレス帳アイコンをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、例えば図8(A)に示されるアドレス一覧表示画面を表示部53に表示させてもよい。そして、制御プログラム65は、アドレス一覧表示画面に表示された氏名アイコンの1つをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、当該氏名アイコンに記述された氏名を含むアドレス情報を、差出人情報入力画面の対応するテキストボックスに表示させてもよい。さらに、制御プログラム65は、完了アイコンをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、差出人情報入力画面の各テキストボックスに表示された差出人情報及び文字列から部品画像を生成してもよい。これにより、複数の属性情報それぞれに対応づけられた部品データを、1つの画面を通じて取得することができる。
【0087】
[変形例3]
次に、図11(B)を参照して、変形例3に係る背景領域のタップ操作に対応づけられた処理を説明する。変形例3に係る制御プログラム65は、例えば図8(B)に示されるプレビュー画面の背景領域をタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、全画面プレビュー画面を表示部53に表示させる。図11(B)は、全画面プレビュー画面の一例である。図11(B)に示される全画面プレビュー画面は、図8(B)の第2プレビュー画像98を拡大した拡大プレビュー画像と、閉じるアイコンとを含む。
【0088】
制御プログラム65は、閉じるアイコンをタップするユーザ操作を操作部54が受け付けたことに応じて、図8(B)に示されるプレビュー画面を再び表示部53に表示させる。また、制御プログラム65は、拡大プレビュー画像の位置におけるピンチアウト操作を操作部54が受け付けたことに応じて、タッチ位置を中心としてさらに拡大された拡大プレビュー画像を表示部53に表示させてもよい。これにより、第2プレビュー画像98の細部をユーザに確認させることができる。このように、背景領域をタップする操作に対応づけられた処理は、テンプレート画像の編集に限定されない。
【0089】
なお、各実施形態の複合機10及び携帯端末50において、記憶部32、62のプログラム記憶領域32A、62Aに記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路(IC(Integrated Circuitの略)とも言う。)等のハードウェアで実現してもよい。
【0090】
さらに、本発明は、複合機10或いは携帯端末50として実現できるだけでなく、複合機10或いは携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク102を介して複合機10或いは携帯端末50に接続可能なサーバ装置に搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバ装置の記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク102を介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10・・・複合機
11・・・プリンタ部
50・・・携帯端末
53・・・表示部
54・・・操作部
55・・・通信部
61・・・CPU
62・・・記憶部
65・・・制御プログラム
70・・・サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11