【文献】
吉野 學 他,柔軟かつ迅速なサービス提供を実現する新アクセスシステムアーキテクチャ(FASA)の取り組み,NTT技術ジャーナル,日本,日本電信電話株式会社 [オンライン],2016年08月,Vol.28, No.8,第15-18頁,[検索日2018.10.29], インターネット<URL:http://www.ntt.co.jp/journal/1608/files/jn20160815.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3の光伝送装置は、前記第1の光ファイバを介して前記海底分岐装置から受け取った前記第1の光信号から、所定の波長の光信号を前記光送受信部に出力し、他の波長の光信号を前記第2の光ファイバを介して前記海底分岐装置に折り返す第2の折り返し部を備える、
請求項4に記載の海底光通信システム。
前記第3の光伝送装置は、前記第1及び第2の光ファイバを介して前記海底分岐装置から受け取った前記監視信号を折り返して、折り返した前記監視信号を前記第3及び第4の光ファイバの一方に出力する第4の折り返し部を備え、
前記検出部は、前記第4の折り返し部で折り返されて前記第3及び第4の光ファイバの他方を伝送されて前記第3の光伝送装置が受け取る前記監視信号により前記第2の経路の障害を検出する、
請求項7に記載の海底光通信システム。
前記第3の光伝送装置は、前記光送受信部から出力される前記監視信号を分岐し、分岐された一方の監視信号を前記第1の折り返し部へ出力し、分岐された他方の監視信号を前記第3の折り返し部へ出力する分岐部をさらに備え、
前記検出部は、前記第1の折り返し部で折り返された前記監視信号により前記第1の経路の障害を検出し、前記第3の折り返し部で折り返された前記監視信号により前記第2の経路の障害を検出する、
請求項6に記載の海底光通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
実施の形態1
実施の形態1にかかる海底光通信システム100について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる海底光通信システム100の基本構成を示す図である。海底光通信システム100は、光伝送装置1〜3及び海底分岐装置4を有する。なお、ここでは、光伝送装置1〜3をそれぞれ第1〜第3の光伝送装置とも称する。
【0015】
光伝送装置1及び2は、それぞれトランク局内に設けられる。光伝送装置1と海底分岐装置4との間は、海底ケーブルに組み込まれた光ファイバFT1によって接続される。光伝送装置2と海底分岐装置4との間は、海底ケーブルに組み込まれた光ファイバFT2によって接続される。これにより、光伝送装置1、光伝送装置2、海底分岐装置4、光ファイバFT1及びFT2によって、光信号である主信号が伝送されるトランク経路TLが構成される。
【0016】
光伝送装置3は、ブランチ局内に設けられる。光伝送装置3と海底分岐装置4との間は、海底ケーブルに組み込まれた下り通信用の光ファイバFB1(第1の光ファイバとも称する)及び上り通信用の光ファイバFB2(第2の光ファイバとも称する)によって接続される。これにより、光伝送装置3、海底分岐装置4、光ファイバFB1及びFB2によって、ブランチ経路が構成される。
【0017】
次いで、海底光通信システム100の構成をより詳細に説明する。
図2は、実施の形態1にかかる海底光通信システム100の構成をより詳細に示す図である。
【0018】
光伝送装置1及び2は、それぞれトランク局T1及びT2の内部に設置される。光伝送装置3は、ブランチ局B1の内部に設置される。
【0019】
トランク局T1に設置される光伝送装置1は、光送受信部11、通知信号受信部12及び指示部13を有する。
【0020】
光送受信部11は、主信号(第1の光信号とも称する)を海底分岐装置4へ出力するとともに、指示部13の要求に応じて、主信号の伝送経路の切り替えを指示する指示信号INSを海底分岐装置4へ出力する。また、光送受信部11は、受け取った光信号を受信することができる。
【0021】
ここでは、偏波多重四値位相変調(DP−QPSK:Dual Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)などの変調方式によって変調された波長多重信号が、主信号として用いられる。
【0022】
通知信号受信部12は、光伝送装置3から通知信号ALMを受け取り、通知結果を指示部13へ通知する。通知信号受信部12は、光伝送装置1に設けられる機器監視装置(EMS:Element Management System)として構成されてもよい。
【0023】
指示部13は、通知信号受信部12から受け取った通知結果を参照し、ブランチ経路に障害が発生している場合には、光送受信部11に、主信号の伝送経路をブランチ経路からトランク経路に切り替えさせるための指示信号INSを出力させる。
【0024】
指示信号INSは、主信号と重畳して海底分岐装置4へ出力してもよい。指示信号INSは、主信号で用いられる波長以外の波長の信号を用いてもよい。また、主信号を全波変調(例えば、振幅変調など)することで、指示信号INSを主信号に重畳してもよい。
【0025】
ここで、光伝送装置1の構成例について説明する。
図3に、実施の形態にかかる光伝送装置1の構成例を示す。
図3に示すように、光送受信部11は、複数の光送受信器(トランスポンダ)14を接続可能に構成されてもよい。光送受信器14は、様々なベンダで製造され、様々な規格に応じて構成された任意のトランスポンダを適用することができる。また、光送受信部11は、OCI(Open Cable Interface)として構成されてもよい。
【0026】
例えば、複数の光送受信器14から出力される光信号は、光送受信部11のマルチプレクサ11Aで合波されて主信号となり、マルチプレクサ11Cへ出力される。指示部13が光送受信部11の信号生成部11Bを制御することで、信号生成部11Bから指示信号INSがマルチプレクサ11Cへ出力される。主信号と指示信号INSとはマルチプレクサ11Cで合波され、光ファイバFT1へ出力される。
【0027】
トランク局T2に設置される光伝送装置2は、光伝送装置1から出力され、トランク経路又はブランチ経路を経て伝送された主信号を受信可能に構成される。例えば、光伝送装置2は、光伝送装置1の光送受信部11と同様の構成の光送受信部を有していてもよいし、光伝送装置1と同様の構成を有していてもよい。
【0028】
海底分岐装置4は、海底に設置された海底ケーブルを伝送される光信号を分岐するため、海底に設置される装置である。海底分岐装置4は、折り返し部41、光スイッチ42、光スイッチ43及び制御部44を有する。
【0029】
折り返し部41(第1の折り返し部とも称する)は、光伝送装置3から出力される監視信号MONを選択的に光伝送装置3へ折り返すことが可能に構成される。例えば、折り返し部41は、フィルタ41A及びカプラ41Bを有する。フィルタ41Aは波長フィルタであり、監視信号MONの波長の光のみを選択的に分離する。よって、光伝送装置3から光ファイバFB2に出力された監視信号MONはフィルタ41Aによって選択的に分離され、分離された監視信号MONはカプラ41Bによって光ファイバFB1を通じて光伝送装置3へ出力される。
【0030】
光スイッチ42(第1の光スイッチとも称する)は、制御部44から与えられる制御信号CON1に応じて、光伝送装置1からの主信号の出力経路(出力先)を、ブランチ経路(すなわち、主信号を光ファイバFB1へ出力する経路)又はトランク経路(すなわち、主信号を光スイッチ43へ出力する経路)へ切り替え可能に構成される。
【0031】
光スイッチ43(第2の光スイッチとも称する)は、制御部44から与えられる制御信号CON2に応じて、受け取る光信号の入力経路(入力先)を、ブランチ経路(すなわち、光ファイバFB2を介して主信号を受け取る経路)又はトランク経路(すなわち、主信号を光スイッチ42から受け取る経路)へ切り替え可能に構成される。
【0032】
制御部44は、光伝送装置1から入力する指示信号INSを受信可能に構成され、指示信号に応じて、光スイッチ42及び43の切り替えを制御する。
【0033】
ブランチ局B1に設けられた光伝送装置3は、光送受信部31、検出部32及び通知部33を有する。
【0034】
光送受信部31は、光ファイバFB1及び検出部32を介して光伝送装置1から出力された主信号を受信可能であり、かつ、光ファイバFB2を介して所定の波長の光信号を海底分岐装置4へ出力することができる。また、光送受信部31は、所定の波長の監視信号MONを、光ファイバFB2を介して海底分岐装置4へ出力することができる。
【0035】
監視信号MONは、主信号と重畳して海底分岐装置4に出力してもよい。監視信号MONは、主信号で用いられる波長以外の波長の信号を用いてもよい。例えば、光伝送装置3の受信対象の主信号がCバンド(1530nm〜1565nm)の信号である場合、監視信号MONとしてLバンド(1565nm〜1625nm)の信号を用いてもよい。
【0036】
検出部32は、光送受信部31から海底分岐装置4へ出力され、海底分岐装置4の折り返し部41で光伝送装置3へ向けて折り返された監視信号MONを検出し、検出結果を示す検出信号DETを出力する。例えば、検出部32は、監視信号MONの光強度を検出し、光強度を示す信号を検出信号DETとして出力する。
【0037】
検出部32は、例えば、フィルタ32A及び受光部32Bを有する。フィルタ32Aは波長フィルタであり、監視信号MONの波長の光のみを選択的に分離し、それ以外の波長の光を通過させる。よって、海底分岐装置4の折り返し部41で折り返された監視信号MON信号はフィルタ32Aによって選択的に分離され、分離された監視信号MONは受光部32Bによって検出される。受光部32Bは、例えばフォトダイオードを用いて構成され、監視信号MONを電気信号に変換することで検出信号DETを生成することができる。
【0038】
通知部33は、検出信号DETに応じて、監視信号MONの検出の有無を示す通知信号ALMを光伝送装置1の通知信号受信部12へ出力する。通知部33は、監視信号MONの光強度が所定の閾値よりも小さい場合、光ファイバFB1及びFB2で構成されるブランチ経路に障害が発生したことを、通知信号ALMによって通知信号受信部12に通知する。通知部33は、光伝送装置3に設けられる機器監視装置(EMS:Element Management System)として構成されてもよい。
【0039】
通知信号ALMは、通知部33から光伝送装置1の通知信号受信部12へ無線通信及び有線通信のいずれを用いて伝送してもよいし、例えばネットワーク監視装置(UMS:Unified Management System)によって制御されるネットワークを介して送信してもよい。
【0040】
以上、本構成によれば、光伝送装置3から出力されて海底分岐装置4の折り返し部41で折り返された監視信号MONを監視し、監視信号MONの変化を検出することでブランチ経路での障害発生を検出することができる。そして、光伝送装置3から光伝送装置1の通知信号受信部12へ障害発生を通知することで、光伝送装置1が海底分岐装置4に対して、光信号の伝送経路をブランチ経路からトランク経路に切り替えるように指示することが可能となる。
図4に、実施の形態1にかかる海底光通信システム100におけるトランク経路へ切り替え後の主信号の伝送経路を示す。
【0041】
以上より、ブランチ経路に接続される光伝送装置及びブランチ局によってブランチ経路の障害発生を検出し、海底分岐装置4に指示を与えることで、主信号の伝送が途絶しないように伝送経路を好適に切り替えることができる。
【0042】
また、本構成によれば、ブランチ経路の光伝送装置から海底分岐装置に給電されない構成においても、上述したようにブランチ経路の障害発生を検出することができる。
【0043】
次いで、海底光通信システム100の変形例について検討する。
図5は、実施の形態1にかかる海底光通信システムの変形例を示す図である。
図5に示す海底光通信システム101は、光伝送装置1と光伝送装置2と間に3つの海底分岐装置が挿入され、3つのブランチ経路が構成されている。
【0044】
図5に示すように、光伝送装置1から上述の海底分岐装置4が2つと、他の海底分岐装置101Bとがトランク経路上に挿入されている。海底分岐装置4のそれぞれは、ブランチ経路を介して光伝送装置3と接続される。光伝送装置3のそれぞれは、光伝送装置1へ通知信号ALMを出力することができる。海底分岐装置101Bは、ブランチ経路を介して光伝送装置101Aと接続される。光伝送装置101Aと海底分岐装置101Bとの間のブランチ経路には、主信号を増幅する中継器101Cが挿入されている。なお、海底分岐装置101B及び中継器101Cには、光伝送装置101Aから給電線SUPを介して給電される。なお、
図5のように、光伝送装置から給電される海底分岐装置が有る場合には、海底分岐装置が給電の停止を検出することで、既述したようにブランチ経路の障害を検出できることは言うまでもない。
【0045】
以上、
図5に示すように、実施の形態1にかかる光伝送装置3と海底分岐装置4は、一般的な他の光伝送装置及び海底分岐装置とともに、海底光通信システムを構成することが可能である。つまり、ブランチ経路に光伝送装置から給電される中継器が挿入されない場合でも、ブランチ経路の障害を検出することができる。さらに、ブランチ経路に中継器が挿入されない場合、監視信号の波長として、ブランチ経路を伝送される主信号をラマン増幅可能な波長を選択することで、ブランチ経路の光ファイバの長さを延伸することが可能である。
【0046】
次いで、海底光通信システム100の他の構成例について説明する。
図6は、実施の形態1にかかる海底光通信システムの変形例を示す図である。上記では、通知信号受信部12及び通知部33などがEMSとして構成し得るものとして説明した。ここでは、光伝送装置に設けられたEMSがクラウドネットワークを介して通信を行う例について説明する。
図6は、実施の形態1にかかる海底光通信システムの変形例を示す図である。
図6に示す海底光通信システム102は、光伝送装置1〜3には、それぞれ、EMS1A、2A及び3Aが設けられている。EMS1A、2A及び3Aのそれぞれは、UMS102Aによって統制されるクラウドネットワークを介して相互に通信が可能である。例えば、光伝送装置3は、クラウドネットワークを介して、光伝送装置1に通知信号ALMを送信することができる。
【0047】
また、UMSに代えて、SDN(Software Defined Network)コントローラを用いてもよく、SDNコントローラはクラウド上に設定されていてもよい。SDNコントローラは、ネットワークの状態やオペレータからの指示に応じて、海底光通信システムの光信号の伝送経路や波長などを制御できる。また、SDNコントローラは、海底光通信システムの物理ネットワークトポロジやリソースを仮想的に管理し、複数のユーザやオペレータによるシステムの共有を実現できる。
【0048】
以上、本構成によれば、専用回線だけでなく、専用又はオープンなクラウドネットワークを用いて、海底光通信システムを構築することが理解できる。
【0049】
実施の形態2
実施の形態2にかかる海底光通信システム200について説明する。
図7は、実施の形態2にかかる海底光通信システム200の構成を示す図である。海底光通信システム200は、海底光通信システム100の光伝送装置3を光伝送装置5に置換した構成を有する。
【0050】
光伝送装置5は、光伝送装置3に折り返し部51(第2の折り返し部とも称する)を追加した構成を有する。海底分岐装置4からブランチ経路の光ファイバFB1を介して入射する光信号(
図7のL+LT)のうち、光伝送装置5の受信対象の波長の光信号(
図7のLT)は折り返し部51を通過して光送受信部31に入射し、受信対象以外の波長の光信号は折り返し部51で折り返され、ブランチ経路の光ファイバFB2を介して海底分岐装置4の光スイッチ43へ出力される。
【0051】
これにより、光伝送装置5は、受信対象となる波長の光信号(
図7のLT)のみを受信し、それ以外の波長の光信号(
図7のL)を、トランク経路を介して海底分岐装置4へ戻すことで、光伝送装置2へ伝送することが可能となる。換言すれば、ブランチ局では受信対象の波長の光信号(
図7のLT)のみが受信され、他の波長の光信号(
図7のL)は実質的に分岐されることなくトランク経路を伝送されることとなる。
【0052】
上述の通り、本構成では、ブランチ局での受信対象以外の波長の光信号も一旦ブランチ経路を伝送される。ブランチ経路に障害が生じると、ブランチ局での受信対象以外の波長の光信号を海底分岐装置4へ折り返すことができなくなるので、これらの光信号をトランク経路へ出力することができなくなる。
【0053】
しかし、本構成では、ブランチ経路の障害を検出した場合、光信号の伝送経路をトランク経路に切り替えることができるので、ブランチ局での受信対象以外の波長の光信号を、継続的にトランク経路を通じて伝送することが可能となる。
【0054】
実施の形態3
実施の形態3にかかる海底光通信システム300について説明する。
図8は、実施の形態3にかかる海底光通信システム300の構成を示す図である。海底光通信システム300は、海底光通信システム100の光伝送装置3及び海底分岐装置4を、それぞれ光伝送装置6及び海底分岐装置7に置換した構成を有する。海底光通信システム300は、光伝送装置2から光伝送装置1へ向けて、主信号(第2の光信号とも称する)をさらに伝送できるように構成される。
【0055】
海底分岐装置7は、海底分岐装置4に折り返し部71、光スイッチ72及び73を追加した構成を有する。
【0056】
制御部44は、制御信号CON1〜CON4により、それぞれ光スイッチ42、43、72及び73を制御する。
【0057】
折り返し部71(第3の折り返し部とも称する)は、光伝送装置6から出力される監視信号MONを選択的に光伝送装置6へ折り返すことが可能に構成される。
【0058】
光伝送装置2と光スイッチ72との間は、トランク経路の光ファイバFT3により接続される。光スイッチ72(第3の光スイッチとも称する)は、制御信号CON3に応じて、光伝送装置2から光ファイバFT3を介して受け取った主信号の出力経路(出力先)を、ブランチ経路(すなわち、主信号を光ファイバFB3へ出力する経路)又はトランク経路(すなわち、主信号を光スイッチ73へ出力する経路)へ切り替え可能に構成される。
【0059】
光スイッチ73(第4の光スイッチとも称する)は、制御信号CON4に応じて、受け取る光信号の入力経路(入力先)を、ブランチ経路(すなわち、光ファイバFB4を介して主信号を受け取る経路)又はトランク経路(すなわち、主信号を光スイッチ72から受け取り、光ファイバFT4を介して光伝送装置1へ出力する経路)に切り替え可能に構成される。
【0060】
光伝送装置6は、光伝送装置3に折り返し部61を追加し、検出部32を同様の構成を有する検出部62に置換した構成を有する。
【0061】
折り返し部61(第4の折り返し部とも称する)は、折り返し部41側のブランチ経路(第1のブランチ経路)の光ファイバFB1と光送受信部31との間、及び、折り返し部71側のブランチ経路(第2のブランチ経路)の光ファイバFB4と光送受信部31との間に挿入され、光ファイバFB1から入射する監視信号MONのみを選択的に光ファイバFB4へ折り返す。例えば、折り返し部61は、フィルタ61A及びカプラ61Bを有する。フィルタ61Aは波長フィルタであり、監視信号MONの波長の光のみを選択的に分離する。分離された監視信号MONはカプラ61Bによって光ファイバFB4へ出力される。
【0062】
検出部62は、光ファイバFB3(第3の光ファイバとも称する)から入射する監視信号MONを検出し、検出結果を示す検出信号DETを、通知部33へ出力する。
【0063】
次いで、監視信号MONの伝送経路について説明する。光伝送装置6から出力された監視信号MONは、ブランチ経路の上りの光ファイバFB2を伝送されて折り返し部41に到達し、折り返されてブランチ経路の下りの光ファイバFB1を伝送され、折り返し部61に到達する。そして、監視信号MONは、折り返し部61で折り返されて隣のブランチ経路の上りの光ファイバFB4(第4の光ファイバとも称する)に出力される。その後、監視信号MONは、ブランチ経路の上りの光ファイバFB4を伝送されて折り返し部71に到達し、折り返されてブランチ経路の下りの光ファイバFB3を伝送されて、検出部62に到達する。
【0064】
上述の通り、本構成によれば、ブランチ局の光伝送装置に監視信号の折り返し部を設けることで、2本のブランチ経路に生じ得る障害を包括的に検出することができる。また、ブランチ経路毎に検出部を設けることなく、2本のブランチ経路に生じ得る障害を検出できるので、光伝送装置の小型化を実現することが可能となる。
【0065】
次に、海底光通信システム300の変形例について説明する。
図9に、実施の形態3にかかる海底光通信システムの変形例を示す。
図9に示す海底光通信システム301は、光伝送装置6を光伝送装置6Aに置換した構成を有する。光伝送装置6Aは、光伝送装置6の折り返し部61を除去し、光送受信部31の内部で監視信号MONを折り返す構成を有する。
【0066】
光送受信部31は、例えば、波長多重信号の各波長を分離、合成するための波長選択スイッチ(Wavelength Selectable Switch:以下、WSS)を有する。この例では、第1のブランチ経路の側にはWSS31Aが設けられ、第2のブランチ経路の側には、WSS31Bが設けられる。以下説明するように、WSS31A及びWSS31Bは、折り返し部63として機能する。監視信号MONは、外部の信号生成部(不図示)からWSS31Aに入力される。WSS31Aは、監視信号MONを選択的に光ファイバFB2へ出力し、折り返し部41で折り返され光ファイバFB1を介して入射する監視信号MONをWSS31Bへ選択的に出力する。WSS31Bは、WSS31Aから入射する監視信号MONを選択的に光ファイバFB4へ出力する。WSS31Bから出力された監視信号MONは折り返し部71で折り返され、検出部62によって検出される。
【0067】
以上、本構成にかかる海底光通信システム301は、海底光通信システム300と同様に、ブランチ局の光伝送装置に監視信号の折り返し部を設けることで、2本のブランチ経路に生じ得る障害を包括的に検出することができる。また、ブランチ経路毎に検出部を設けることなく、2本のブランチ経路に生じ得る障害を検出できるので、光伝送装置の小型化を実現することが可能となる。
【0068】
さらに、本構成によれば、光送受信部31に設けられるWSSを利用して監視信号用の折り返し部を構成できるので、光送受信部31の外部に追加の光部品を用いて折り返し部を設ける海底光通信システム300などと比べて、光伝送装置の小型化の点でより有利であるといえる。
【0069】
実施の形態4
実施の形態4にかかる海底光通信システム400について説明する。
図10は、実施の形態4にかかる海底光通信システム400の構成を示す図である。海底光通信システム400は、海底光通信システム300の光伝送装置6を光伝送装置8に置換した構成を有する。
【0070】
光伝送装置8は、光伝送装置6の折り返し部61を除去し、分岐部81及び検出部32を追加した構成を有する。分岐部81は、光送受信部31が出力する監視信号MONを2つに分岐する。分岐された一方の監視信号MONは、第1のブランチ経路の上りの光ファイバFB2に入力され、分岐された他方の監視信号MONは、第2のブランチ経路の上りの光ファイバFB4に入力される。
【0071】
光ファイバFB2に入力された監視信号MONは、折り返し部41で折り返され、第1のブランチ経路の下りの光ファイバFB1を介して検出部32に入射する。検出部32は、監視信号MONの検出結果を示す検出信号DET1を通知部33に出力する。
【0072】
光ファイバFB4に入力された監視信号MONは、折り返し71で折り返され、第2のブランチの下りの光ファイバFB3を介して検出部62に入射する。検出部62は、監視信号MONの検出結果を示す検出信号DET2を通知部33に出力する。
【0073】
以上、本構成によれば、実施の形態3にかかる海底光通信システム300と同様に、2本のブランチ経路に生じ得る障害を包括的に検出することができる。また、監視信号をブランチ経路毎に生成することなく、2本のブランチ経路に生じ得る障害を検出できるので、光伝送装置の小型化を実現することも可能となる。
【0074】
さらに、本構成によれば、それぞれのブランチ経路に対して専用の検出部を設けるので、2本のブランチ経路のいずれで障害が発生しているかを検出することが可能である。
【0075】
次いで、上述の海底光通信システム400の変形例について説明する。
図11に、実施の形態4にかかる海底光通信システムの変形例を示す。
図11に示す海底光通信システム401は、海底光通信システム400光伝送装置8を光伝送装置9に置換した構成を有する。
【0076】
光伝送装置9は、光伝送装置8の検出部32を除去し、分岐部91を追加した構成を有する。
【0077】
光伝送装置8の場合と同様に、分岐部81は、光送受信部31が出力する監視信号MONを2つに分岐する。分岐された一方の監視信号MONは、第1のブランチ経路の上りの光ファイバFB2に入力され、分岐された他方の監視信号MONは、第2のブランチ経路の上りの光ファイバFB4に入力される。
【0078】
光ファイバFB2に入力された監視信号MONは、折り返し部41で折り返され、第1のブランチ経路の下りの光ファイバFB1を介して分岐部91に入射する。分岐部91は、監視信号MONの波長の光を選択的に分岐し、それ以外の波長の光を光送受信部31へ向けて通過させる。よって、監視信号MONは、分岐部91で分岐され、検出部62へ出力される。
【0079】
光ファイバFB4に入力された監視信号MONは、折り返し71で折り返され、第2のブランチの下りの光ファイバFB3を介して検出部62に入射する。
【0080】
検出部62は、監視信号MONの検出結果を示す検出信号DETを通知部33に出力する。
【0081】
本構成では、第1及び第2のブランチ経路を1つの検出部を用いて監視するため、いずれか一方のブランチ経路に障害が生じた場合、検出部62で検出する監視信号MONの光強度が低下する。よって、本構成では、検出部62が監視信号MONの光強度を所定の閾値と比較することで、第1及び第2のブランチ経路の少なくとも一方で障害が発生したことを検出することができる。
【0082】
以上、海底光通信システム401は、海底光通信システム400と比較して、ブランチ局の光伝送装置に設ける検出部を削減することができる。よって、光伝送装置の小型化を実現する点で、より有利である。
【0083】
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の実施の形態では、ブランチ経路の上り光ファイバに監視信号を出力し、下り光ファイバを介して受け取った監視信号を検出したが、これは例示に過ぎない。すなわち、ブランチ経路の下り光ファイバに監視信号を出力し、上り光ファイバを介して受け取った監視信号を検出する構成としてもよい。
【0084】
上述の実施の形態においては、受信器は、DP−QPSK光信号を受信するものとして説明したが、これは例示に過ぎない。例えば、他の変調方式の光信号を伝送可能に構成されてもよい。
【0085】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0086】
この出願は、2017年10月30日に出願された日本出願特願2017−208874を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。