特許第6962382号(P6962382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962382
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】積層帯域通過フィルタ
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/01 20060101AFI20211025BHJP
   H03H 7/09 20060101ALI20211025BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20211025BHJP
   H01F 27/36 20060101ALI20211025BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   H03H7/01 B
   H03H7/09 Z
   H01F27/00 S
   H01F27/36 101
   H01F17/00 D
【請求項の数】6
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-550998(P2019-550998)
(86)(22)【出願日】2018年10月12日
(86)【国際出願番号】JP2018038117
(87)【国際公開番号】WO2019087739
(87)【国際公開日】20190509
【審査請求日】2020年3月13日
(31)【優先権主張番号】特願2017-209280(P2017-209280)
(32)【優先日】2017年10月30日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 光利
【審査官】 ▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−017242(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/066873(WO,A1)
【文献】 特開2013−128232(JP,A)
【文献】 特開平06−006104(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/156719(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/152211(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/00
H01F 27/36
H01F 17/00
H03H1/00−H03H3/00
H03H5/00−H03H7/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2誘電体層を含む複数の誘電体層が積層方向に積層された積層体として形成された積層帯域通過フィルタであって、
第1キャパシタおよび第1インダクタを含む第1LC並列共振器と、
第2キャパシタおよび第2インダクタを含む第2LC並列共振器と、
互いに異なる誘電体層に形成された第1接地導体パターンおよび第2接地導体パターンとを備え、
前記第1キャパシタは、前記第1接地導体パターンとキャパシタを形成する第1キャパシタ導体パターンを含み、
前記第2キャパシタは、前記第1接地導体パターンとキャパシタを形成する第2キャパシタ導体パターンを含み、
前記第1インダクタは、前記第1誘電体層において第1方向に延在する第1線路導体パターンと、前記第1線路導体パターンから前記第2誘電体層に向かって伸びる第1および第2ビア導体パターンとを含み、
前記第1ビア導体パターンの一端は前記第1キャパシタ導体パターンに接続され、前記第2ビア導体パターンの一端は前記第1接地導体パターンに接続され、
前記第2インダクタは、前記積層方向に延在する第3ビア導体パターンから形成されており、
前記第3ビア導体パターンの一端は前記第2キャパシタ導体パターンに接続され、前記第3ビア導体パターンの他端は前記第2接地導体パターンに接続され、 前記第2キャパシタ導体パターンは、前記第3ビア導体パターンのみと直接接続されている、積層帯域通過フィルタ。
【請求項2】
前記第1誘電体層において前記第1方向に直交する第2方向から平面視したとき、前記第3ビア導体パターンは、前記第1および第2ビア導体パターンの間に配置されている、請求項1に記載の積層帯域通過フィルタ。
【請求項3】
第1および第2端子と、
第3インダクタを含む第3LC並列共振器とをさらに備え、
前記第1端子に入力された信号は、前記第1LC並列共振器、前記第2LC並列共振器、および前記第3LC並列共振器の順に電磁界結合によって伝達された後、前記第2端子から出力され、
前記第3インダクタは、前記第1誘電体層において前記第1方向に延在する第2線路導体パターンと、前記第2線路導体パターンから前記第2誘電体層に向かって伸びる第4および第5ビア導体パターンとから形成されている、請求項1または2に記載の積層帯域通過フィルタ。
【請求項4】
前記積層帯域通過フィルタは、前記積層体の外部に配置されたシールド電極をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層帯域通過フィルタ。
【請求項5】
前記シールド電極は、前記積層体の前記積層方向に沿う側面の少なくとも一部を覆っている、請求項4に記載の積層帯域通過フィルタ。
【請求項6】
第4インダクタを含む第4LC並列共振器をさらに備え、
前記第1端子に入力された信号は、前記第1LC並列共振器、前記第2LC並列共振器、前記第4LC並列共振器、および前記第3LC並列共振器の順に電磁界結合によって伝達された後、前記第2端子から出力され、
前記第4インダクタは、前記積層方向に延在する第6ビア導体パターンから形成されている、請求項3に記載の積層帯域通過フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層帯域通過フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の誘電体層が積層方向に積層された積層体として形成された積層帯域通過フィルタが知られている。たとえば、国際公開第2007/119356号(特許文献1)には、隣接するLC並列共振器同士が結合している積層帯域通過フィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/119356号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている積層帯域通過フィルタに含まれるLC並列共振器は、或る誘電体層に形成された線路電極と、当該線路電極の両端部から積層体の底面(基板に実装される積層体の面)へ向かって伸びる2つのビア電極とにより形成されたループ状のインダクタ(ループビアインダクタ)を含む。
【0005】
線路電極および2つのビア電極によって囲まれた空芯部の面積が大きいほど、ループビアインダクタのインダクタンスは大きくなる。限られた設計空間を効率的に活用するため、ループビアインダクタの線路電極は積層体の上面(底面に対向している積層体の面)に寄せて配置されるとともに、ループビアインダクタのビア電極は側面(積層方向に平行な面)に寄せて配置されることが多い。
【0006】
積層体の上面または側面に導体が配置されると、ループビアインダクタと当該導体との間に不要な電磁界結合が生じる。また、積層帯域通過フィルタの実装位置によっては、上面または側面の近くに導体が近接する場合が想定され、このような場合にもループビアインダクタと当該導体との間に不要な電磁界結合が生じる。設計上想定されていない不要な電磁界結合は、積層帯域通過フィルタの周波数特性を所望の周波数特性から乖離させ得る。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、積層帯域通過フィルタの周波数特性が所望の周波数特性から乖離することを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る積層帯域通過フィルタの一態様は、複数の誘電体層が積層方向に積層された積層体として形成されている。複数の誘電体層は、第1および第2誘電体層を含む。積層帯域通過フィルタは、第1および第2LC並列共振器を備える。第1および第2LC並列共振器は、第1および第2インダクタをそれぞれ含む。第1インダクタは、第1線路導体パターンと、第1および第2ビア導体パターンとを含む。第1線路導体パターンは、第1誘電体層において第1方向に延在している。第1および第2ビア導体パターンは、第1線路導体パターンから第2誘電体層に向かって延在している。第2インダクタは、積層方向に延在する第3ビア導体パターンから形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る積層帯域通過フィルタによれば、第1線路導体パターン、第1ビア導体パターン、および第2ビア導体パターンから形成された第1インダクタと、第3ビア導体パターンから形成された第2インダクタとにより、周波数特性が所望の周波数特性から乖離することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る積層帯域通過フィルタの等価回路図である。
図2図1の積層帯域通過フィルタの外観斜視図である。
図3図2の積層帯域通過フィルタの積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図4】比較例に係る積層帯域通過フィルタの積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図5図2の積層帯域通過フィルタをY軸方向から平面視した図である。
図6】実施の形態1に係る積層帯域通過フィルタの挿入損失と比較例に係る積層帯域通過フィルタの挿入損失とを併せて示す図である。
図7】実施の形態1の変形例1に係る積層帯域通過フィルタをY軸方向から平面視した図である。
図8】実施の形態1の変形例2に係る積層帯域通過フィルタをY軸方向から平面視した図である。
図9】実施の形態2に係る積層帯域通過フィルタの等価回路図である。
図10図9の積層帯域通過フィルタの積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図11】実施の形態3に係る積層帯域通過フィルタの等価回路図である。
図12図11の積層帯域通過フィルタの積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図13】実施の形態4に係る積層帯域通過フィルタの等価回路図である。
図14図13の積層帯域通過フィルタの積層構造の一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
【0012】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る積層帯域通過フィルタ1の等価回路図である。図1は、後に図4を用いて説明する比較例に係る積層帯域通過フィルタ9の等価回路図でもある。図1に示されるように、積層帯域通過フィルタ1は、端子P10,P100と、LC並列共振器11〜14と、キャパシタ103,108,111とを備える。
【0013】
LC並列共振器11〜14は、端子P10とP100との間に、この順に配置されている。LC並列共振器11および12が隣接し、LC並列共振器12および13が隣接し、LC並列共振器13および14が隣接している。
【0014】
端子P10に入力された信号は、LC並列共振器11,12,13,14の順に伝達されて、端子P100から出力される。端子P100に入力された信号は、LC並列共振器14,13,12,11の順に伝達されて、端子P10から出力される。
【0015】
LC並列共振器11は、インダクタ101とキャパシタ102とを含む。LC並列共振器12は、インダクタ104とキャパシタ105とを含む。LC並列共振器13は、インダクタ106とキャパシタ107とを含む。LC並列共振器14は、インダクタ109とキャパシタ110とを含む。
【0016】
インダクタ101の一方端は端子P10に接続されている。インダクタ101の他方端は、接地点GNDに接続されている。キャパシタ103は、インダクタ101の一方端とインダクタ104の一方端との間に接続されている。インダクタ104の他方端は接地点GNDに接続されている。インダクタ101と104との間には、磁気結合M15が生じる。
【0017】
キャパシタ108は、インダクタ106の一方端とインダクタ109の一方端との間に接続されている。インダクタ109の一方端は、端子P100に接続されている。インダクタ106の他方端およびインダクタ109の他方端の各々は、接地点GNDに接続されている。インダクタ104と106との間には、磁気結合M16が生じる。インダクタ106と109との間には、磁気結合M17が生じる。キャパシタ111は、インダクタ101の一方端とインダクタ109の一方端との間に接続されている。
【0018】
図2は、図1の積層帯域通過フィルタ1の外観斜視図である。積層帯域通過フィルタ1は、複数の誘電体層121〜131をZ軸方向(積層方向)に積層した積層体である。座標軸に関して、X軸およびY軸は直交し、Z軸はX軸およびY軸に直交している。図2図5図7図8図10図12図14に示される座標軸についても同様である。
【0019】
図2に示されるように、積層帯域通過フィルタ1は、たとえば直方体状である。積層方向に垂直な積層帯域通過フィルタ1の最外層の面を上面UFおよび底面BFとする。積層方向に平行な面のうちZX平面と平行な面を側面SAおよびSCとする。積層方向に平行な面のうちYZ平面と平行な面を側面SBおよびSDとする。
【0020】
上面UFには、方向識別パターンDMが配置されている。底面BFには、端子P10,P100、および接地端子G101が形成されている。接地端子G101は、接地点GNDを形成している。端子P10,P100、および接地端子G101は、たとえば底面BFに平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。底面BFは、不図示の基板に接続される。
【0021】
側面SA〜SDには、シールド電極SHが配置されている。シールド電極SHは、最下層の誘電体層121と最上層の誘電体層131との間の誘電体層の側面を覆っている。シールド電極SHは、誘電体層121〜誘電体層131の側面を覆っても構わない。側面SA〜SDの各部分に形成されているシールド電極SHの部分をそれぞれシールド電極SHA〜SHDとする。
【0022】
図3は、図2の積層帯域通過フィルタ1の積層構造の一例を示す分解斜視図である。誘電体層121には、線路導体パターン132〜135が形成されている。線路導体パターン132〜135は、それぞれビア導体パターン169〜172によって接地端子G101に接続されている。
【0023】
誘電体層122には、線路導体パターン136、キャパシタ導体パターン137、および線路導体パターン138が形成されている。線路導体パターン136は、ビア導体パターン168によって端子P10に接続されている。線路導体パターン138は、ビア導体パターン173によって端子P100に接続されている。
【0024】
誘電体層123には、キャパシタ導体パターン139,140が形成されている。キャパシタ導体パターン139は、ビア導体パターン178によって線路導体パターン136に接続されている。キャパシタ導体パターン140は、ビア導体パターン179によって線路導体パターン138に接続されている。キャパシタ導体パターン137,139,140は、キャパシタ111を形成している。
【0025】
誘電体層124には、接地導体パターン150が形成されている。接地導体パターン150は、シールド電極SHA〜SHDに接続されている。接地導体パターン150は、ビア導体パターン174〜177によって、線路導体パターン132〜135にそれぞれ接続されている。キャパシタ導体パターン139および接地導体パターン150は、キャパシタ102を形成している。キャパシタ導体パターン140および接地導体パターン150は、キャパシタ110を形成している。
【0026】
誘電体層125には、キャパシタ導体パターン151,152が形成されている。接地導体パターン150およびキャパシタ導体パターン151は、キャパシタ105を形成している。接地導体パターン150およびキャパシタ導体パターン152は、キャパシタ107を形成している。
【0027】
誘電体層126には、キャパシタ導体パターン153,154が形成されている。キャパシタ導体パターン153は、ビア導体パターン178によってキャパシタ導体パターン139に接続されている。キャパシタ導体パターン154は、ビア導体パターン179によってキャパシタ導体パターン140に接続されている。キャパシタ導体パターン151,153は、キャパシタ103を形成している。キャパシタ導体パターン152,154は、キャパシタ108を形成している。
【0028】
誘電体層127には、線路導体パターン155〜158が形成されている。線路導体パターン155,157は、シールド電極SHDに接続している。線路導体パターン156,158は、シールド電極SHBに接続している。
【0029】
誘電体層128には、線路導体パターン159、接地導体パターン160、および線路導体パターン161が形成されている。線路導体パターン159,161は、X軸方向に延在している。
【0030】
線路導体パターン159は、ビア導体パターン180によって接地導体パターン150に接続されている。線路導体パターン159は、ビア導体パターン178によってキャパシタ導体パターン153に接続されている。
【0031】
接地導体パターン160は、ビア導体パターン182によってキャパシタ導体パターン151に接続されている。接地導体パターン160は、ビア導体パターン183によってキャパシタ導体パターン152に接続されている。接地導体パターン160は、ビア導体パターン184〜187によって線路導体パターン155〜158にそれぞれ接続されている。
【0032】
線路導体パターン161は、ビア導体パターン179によってキャパシタ導体パターン154に接続されている。線路導体パターン161は、ビア導体パターン181によって接地導体パターン150に接続されている。
【0033】
誘電体層129には、線路導体パターン162、接地導体パターン163、および線路導体パターン164が形成されている。線路導体パターン162は、ビア導体パターン178,180によって線路導体パターン159に接続されている。接地導体パターン163は、ビア導体パターン182〜187によって接地導体パターン160に接続されている。線路導体パターン164は、ビア導体パターン179,181によって線路導体パターン161に接続されている。
【0034】
誘電体層130には、線路導体パターン165、接地導体パターン166、および線路導体パターン167が形成されている。線路導体パターン165は、ビア導体パターン178,180によって線路導体パターン162に接続されている。接地導体パターン166は、ビア導体パターン182〜187によって接地導体パターン163に接続されている。線路導体パターン167は、ビア導体パターン179,181によって線路導体パターン164に接続されている。
【0035】
線路導体パターン159,162,165、およびビア導体パターン178,180は、インダクタ101を形成している。インダクタ101は、ループビアインダクタである。ビア導体パターン182,183は、それぞれインダクタ104,106を形成している。インダクタ104,106の各々は、Z軸方向に延在する1つのビア導体パターンから形成されたストレートインダクタである。線路導体パターン161,164,167、およびビア導体パターン179,181は、インダクタ109を形成している。インダクタ109は、ループビアインダクタである。
【0036】
図4は、比較例に係る積層帯域通過フィルタ9の積層構造の一例を示す分解斜視図である。積層帯域通過フィルタ9の等価回路図は、図1に示される積層帯域通過フィルタ1の等価回路図の端子P10,P100が端子P90,P900にそれぞれ置き換えられた等価回路図である。図4に示されるように、積層帯域通過フィルタ9は、複数の誘電体層901〜909がZ軸方向に積層された積層体である。
【0037】
底面BFには、端子P90,P900、および接地端子G910が形成されている。接地端子G910は、接地点GNDを形成している。端子P90,P900、および接地端子G910は、たとえば底面BFに平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。
【0038】
誘電体層901には、線路導体パターン911〜916、およびキャパシタ導体パターン917が形成されている。線路導体パターン911は、ビア導体パターン941によって端子P90に接続されている。線路導体パターン912〜915は、それぞれビア導体パターン942〜945によって接地端子G910に接続されている。線路導体パターン916は、ビア導体パターン946によって端子P900に接続されている。
【0039】
誘電体層902には、キャパシタ導体パターン918,919が形成されている。キャパシタ導体パターン918は、ビア導体パターン947によって線路導体パターン911に接続されている。キャパシタ導体パターン919は、ビア導体パターン952によって線路導体パターン916に接続されている。キャパシタ導体パターン917,918,919は、キャパシタ111を形成している。
【0040】
誘電体層903には、接地導体パターン920が形成されている。接地導体パターン920は、ビア導体パターン948〜951によって、線路導体パターン912〜915にそれぞれ接続されている。キャパシタ導体パターン918および接地導体パターン920は、キャパシタ102を形成している。キャパシタ導体パターン919および接地導体パターン920は、キャパシタ110を形成している。
【0041】
誘電体層904には、キャパシタ導体パターン921,922が形成されている。接地導体パターン920およびキャパシタ導体パターン921は、キャパシタ105を形成している。接地導体パターン920およびキャパシタ導体パターン922は、キャパシタ107を形成している。
【0042】
誘電体層905には、キャパシタ導体パターン923,924が形成されている。キャパシタ導体パターン923は、ビア導体パターン947によってキャパシタ導体パターン918に接続されている。キャパシタ導体パターン924は、ビア導体パターン952によってキャパシタ導体パターン919に接続されている。キャパシタ導体パターン921,923は、キャパシタ103を形成している。キャパシタ導体パターン922,924は、キャパシタ108を形成している。
【0043】
誘電体層906には、線路導体パターン926〜930が形成されている。線路導体パターン926〜929は、X軸方向に延在している。線路導体パターン930は、線路導体パターン927と928とを接続している。線路導体パターン930は、ビア導体パターン954によって、接地導体パターン920に接続されている。
【0044】
線路導体パターン926は、ビア導体パターン953によって接地導体パターン920に接続されている。線路導体パターン926は、ビア導体パターン947によってキャパシタ導体パターン923に接続されている。
【0045】
線路導体パターン927は、ビア導体パターン956によってキャパシタ導体パターン921に接続されている。線路導体パターン928は、ビア導体パターン957によってキャパシタ導体パターン922に接続されている。
【0046】
線路導体パターン929は、ビア導体パターン952によってキャパシタ導体パターン924に接続されている。線路導体パターン929は、ビア導体パターン955によって接地導体パターン920に接続されている。
【0047】
誘電体層907には、線路導体パターン931〜935が形成されている。線路導体パターン931〜934は、X軸方向に延在している。線路導体パターン935は、線路導体パターン932と933とを接続している。線路導体パターン935は、ビア導体パターン954によって線路導体パターン930に接続されている。
【0048】
線路導体パターン931は、ビア導体パターン947,953によって線路導体パターン926に接続されている。線路導体パターン932は、ビア導体パターン956,958によって線路導体パターン927に接続されている。線路導体パターン933は、ビア導体パターン957,959によって線路導体パターン928に接続されている。線路導体パターン934は、ビア導体パターン952,955によって線路導体パターン929に接続されている。
【0049】
誘電体層908には、線路導体パターン936〜940が形成されている。線路導体パターン936〜939は、X軸方向に延在している。線路導体パターン940は、線路導体パターン937と938とを接続している。線路導体パターン940は、ビア導体パターン954によって線路導体パターン935に接続されている。
【0050】
線路導体パターン936は、ビア導体パターン947,953によって線路導体パターン931に接続されている。線路導体パターン937は、ビア導体パターン956,958によって線路導体パターン932に接続されている。線路導体パターン938は、ビア導体パターン957,959によって線路導体パターン933に接続されている。線路導体パターン939は、ビア導体パターン952,955によって線路導体パターン934に接続されている。
【0051】
線路導体パターン926,931,936、およびビア導体パターン947,953は、インダクタ101を形成している。線路導体パターン927,932,937、およびビア導体パターン956,958は、インダクタ104を形成している。線路導体パターン928,933,938、およびビア導体パターン957,959は、インダクタ106を形成している。線路導体パターン929,934,939、およびビア導体パターン952,955は、インダクタ109を形成している。インダクタ101,104,106,109は、ループビアインダクタである。
【0052】
線路導体パターンおよび2つのビア導体パターンによって囲まれた空芯部の面積が大きいほど、ループビアインダクタのインダクタンスは大きくなる。限られた設計空間を効率的に活用するため、ループビアインダクタの線路導体パターンは上面UFに寄せて配置されるとともに、ループビアインダクタのビア導体パターンは側面に寄せて配置されることが多い。
【0053】
積層帯域通過フィルタ9の上面または側面に導体(たとえばシールド電極)が配置されると、ループビアインダクタと当該導体との間に不要な電磁界結合が生じる。また、積層帯域通過フィルタ9の実装位置によっては、上面UFまたは側面の近くに導体(たとえば筐体)が近接する場合が想定され、このような場合にもループビアインダクタと当該導体との間に不要な電磁界結合が生じる。設計上想定されていない不要な電磁界結合は、積層帯域通過フィルタ9の周波数特性を所望の周波数特性から乖離させ得る。
【0054】
そこで、実施の形態1においては、積層帯域通過フィルタに含まれるインダクタの一部をストレートインダクタとして、ループビアインダクタとストレートインダクタとを混在させる。限られた設計空間の中で、空芯部を形成可能なループビアインダクタによってインダクタンスを確保するとともに、積層体の外部から離間して配置することが可能なストレートインダクタによって不要な電磁界結合の発生を抑制する。実施の形態1に係る積層帯域通過フィルタによれば、通過帯域の形成に必要なインダクタンスの確保および不要な電磁界結合の抑制が両立することができ、積層帯域通過フィルタの周波数特性が所望の周波数特性から乖離することを抑制することができる。
【0055】
図5は、図2の積層帯域通過フィルタ1をY軸方向から平面視した図である。図5においては、積層体の内部に形成された導体パターンに関して、実施の形態1の特徴を強調するため、ループビアインダクタであるインダクタ101に含まれる導体パターン165,178,180、およびストレートインダクタであるインダクタ104を形成するビア導体パターン182を示し、これら以外の導体パターンを示していない。
【0056】
図5に示されるように、ビア導体パターン182は、ビア導体パターン180と178との間に配置されている。そのため、ビア導体パターン182とシールド電極SHBとの距離DstXは、ビア導体パターン178とシールド電極SHBとの距離DstZよりも大きい。また、ビア導体パターン182とシールド電極SHDとの距離DstYは、ビア導体パターン180とシールド電極SHDとの距離DstWより大きい。すなわち、インダクタ104は、インダクタ101よりもシールド電極SHから離間して配置されることができる。したがって、インダクタ104とシールド電極SHとの間に生じる電磁界結合を、インダクタ101とシールド電極SHとの間に生じる電磁界結合よりも抑制することができる。
【0057】
図6は、実施の形態1に係る積層帯域通過フィルタ1の挿入損失IL50と比較例に係る積層帯域通過フィルタ9の挿入損失IL90とを併せて示す図である。挿入損失IL90は、積層帯域通過フィルタ9を金属製の筐体で覆った場合の挿入損失を示している。積層帯域通過フィルタ1および9の通過帯域は、周波数帯f52〜f53であるとする。
【0058】
図6において縦軸の減衰量(dB)はマイナスの値である。減衰量の絶対値が大きいほど挿入損失は大きい。挿入損失とは、電子部品の或る端子に入力された信号のうち、電子部品の他の端子に伝達された信号の割合を示す指標である。挿入損失が大きい程、電子部品に入力された信号のうち当該電子部品の内部で失われた信号の割合が大きいことを意味する。
【0059】
図6に示されるように、挿入損失IL90においては周波数f41で生じていた減衰極が、挿入損失IL50においては周波数f41よりも高い周波数f51(<f52)で生じている。その結果、周波数帯f51〜f52の減衰量の変化の態様に関して、挿入損失IL90よりも挿入損失IL50の方が急峻となっている。また、挿入損失IL90においては周波数f44で生じていた減衰極が、挿入損失IL50においては周波数f44よりも低い周波数f54(>f53)で生じている。その結果、周波数帯f53〜f54の減衰量の変化の態様に関して、挿入損失IL90よりも挿入損失IL50の方が急峻になっている。さらに、通過帯域f52〜f53における挿入損失IL50は、ほぼ一定であり、挿入損失IL90よりも平坦化されている。
【0060】
積層帯域通過フィルタ1においては、通過帯域f52〜f53の挿入損失と通過帯域以外の挿入損失とに大きな隔たりが形成されるため、通過可能な信号の周波数を或る周波数帯に限定するという積層帯域通過フィルタの機能が積層帯域通過フィルタ9よりも改善されている。
【0061】
再び図1を参照して、端子P10から信号が入力された場合に、複数のLC並列共振器11〜14のうち、LC並列共振器11に当該信号が最初に伝達される。また、端子P100から信号が入力された場合に、複数のLC並列共振器11〜14のうち、LC並列共振器14に当該信号が最初に伝達される。そのため、LC並列共振器11および14のインピーダンスは、積層帯域通過フィルタ1の通過帯域の形成に支配的な影響を与える。そこで積層帯域通過フィルタ1においては、LC並列共振器11に含まれるインダクタ101、およびLC並列共振器14に含まれるインダクタ104をループビアインダクタとして通過帯域の形成に必要なインダクタンスを確保している。
【0062】
実施の形態1においては、側面にシールド電極が配置されている場合について説明した。シールド電極は、積層体の上面に形成されてもよい。図7は、実施の形態1の変形例1に係る積層帯域通過フィルタ1AをY軸方向から平面視した図である。実施の形態1と変形例1との違いは、変形例1においては側面SA〜SDにシールド電極が形成されておらず、上面UFにシールド電極SHUが形成されている点である。シールド電極SHUは、積層帯域通過フィルタ1Aの側面SA〜SDに形成された導体パターンまたは積層体の内部に形成された導体パターンを介して、接地端子G101に電気的に接続される。それ以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
【0063】
図7に示されるように、ビア導体パターン182とシールド電極SHUとの距離および線路導体パターン165とシールド電極SHUとの距離は、いずれも距離DstUである。しかし、シールド電極SHUと対向するビア導体パターン182の部分の幅DstWは、シールド電極SHUと対向する線路導体パターン165の部分の幅DstVよりも小さい。そのため、インダクタ104とシールド電極SHUの間に生じる電磁界結合を、インダクタ101とシールド電極SHUの間に生じる電磁界結合よりも抑制することができる。
【0064】
シールド電極は、積層体の側面および上面のいずれにも形成されていなくてもよい。図8は、実施の形態1の変形例2に係る積層帯域通過フィルタ1BをY軸方向から平面視した図である。図8においては、積層帯域通過フィルタが筐体HSに覆われている様子が示されている。実施の形態1と変形例2との違いは、変形例2においては側面SA〜SDにシールド電極が形成されていない点である。それ以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
【0065】
図8に示されるように、インダクタ104は、インダクタ101よりも筐体HSから離間して配置されることができる。また、Z軸方向から平面視したとき、筐体HSと重なるインダクタ104の部分を、筐体HSと重なるインダクタ101の部分よりも小さくすることができる。したがって、インダクタ104と筐体HSとの間に生じる電磁界結合を、インダクタ101と筐体HSとの間に生じる電磁界結合よりも抑制することができる。
【0066】
以上、実施の形態1および変形例1,2に係る積層帯域通過フィルタによれば、周波数特性が所望の周波数特性から乖離することを抑制することができる。
【0067】
実施の形態1においては、LC並列共振器を4つ備える積層帯域通過フィルタについて説明した。実施の形態に係る積層帯域通過フィルタが含むLC並列共振器の数は、3以下であってもよいし、5以上であってもよい。以下では、実施の形態2において5つのLC並列共振器を備える積層帯域通過フィルタについて説明し、実施の形態3において3つのLC並列共振器を備える積層帯域通過フィルタについて説明する。
【0068】
[実施の形態2]
図9は、実施の形態2に係る積層帯域通過フィルタ2の等価回路図である。図9に示されるように、積層帯域通過フィルタ2は、端子P20,P200と、LC並列共振器21〜25と、キャパシタ203,210,213〜215とを備える。
【0069】
LC並列共振器21〜25は、端子P20とP200との間に、この順に配置されている。LC並列共振器21および22が隣接し、LC並列共振器22および23が隣接し、LC並列共振器23および24が隣接し、LC並列共振器24および25が隣接している。
【0070】
端子P20に入力された信号は、LC並列共振器21,22,23,24,25の順に伝達されて、端子P200から出力される。端子P200に入力された信号は、LC並列共振器25,24,23,22,21の順に伝達されて、端子P20から出力される。
【0071】
LC並列共振器21は、インダクタ201とキャパシタ202とを含む。LC並列共振器22は、インダクタ204とキャパシタ205とを含む。LC並列共振器23は、インダクタ206とキャパシタ207とを含む。LC並列共振器24は、インダクタ208とキャパシタ209とを含む。LC並列共振器25は、インダクタ211とキャパシタ212とを含む。
【0072】
インダクタ201の一方端は端子P20に接続されている。インダクタ201の他方端は、接地点GNDに接続されている。キャパシタ203は、インダクタ201の一方端とインダクタ204の一方端との間に接続されている。インダクタ204の他方端は、接地点GNDに接続されている。インダクタ201と204との間には、磁気結合M26が生じる。
【0073】
キャパシタ214は、インダクタ201の一方端とインダクタ206の一方端との間に接続されている。インダクタ206の他方端は、接地点GNDに接続されている。インダクタ204と206との間には、磁気結合M27が生じる。
【0074】
キャパシタ215は、インダクタ206の一方端とインダクタ211の一方端との間に接続されている。インダクタ211の一方端は、端子P200に接続されている。インダクタ211の他方端は、接地点GNDに接続されている。
【0075】
キャパシタ210は、インダクタ208の一方端とインダクタ211の一方端との間に接続されている。インダクタ208に他方端は、接地点GNDに接続されている。インダクタ206と208との間には、磁気結合M28が生じる。インダクタ208と211との間には、磁気結合M29が生じる。キャパシタ213は、インダクタ201の一方端とインダクタ211の一方端との間に接続されている。
【0076】
図10は、図9の積層帯域通過フィルタ2の積層構造の一例を示す分解斜視図である。積層帯域通過フィルタ2の外観斜視図は、図2に示される積層帯域通過フィルタ1の外観斜視図と同様である。図10に示されるように、積層帯域通過フィルタ2は、複数の誘電体層221〜231がZ軸方向に積層された積層体である。
【0077】
底面BFには、端子P20,P200、および接地端子G201が形成されている。接地端子G201は、接地点GNDを形成している。端子P20,P200、および接地端子G201は、たとえば底面BFに平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。
【0078】
誘電体層221には、線路導体パターン232〜235が形成されている。線路導体パターン232〜235は、それぞれビア導体パターン270〜273によって接地端子G201に接続されている。
【0079】
誘電体層222には、線路導体パターン236、キャパシタ導体パターン237、および線路導体パターン238が形成されている。線路導体パターン236は、ビア導体パターン269によって端子P20に接続されている。線路導体パターン238は、ビア導体パターン274によって端子P200に接続されている。
【0080】
誘電体層223には、キャパシタ導体パターン239,240が形成されている。キャパシタ導体パターン239は、ビア導体パターン279によって線路導体パターン236に接続されている。キャパシタ導体パターン240は、ビア導体パターン280によって線路導体パターン238に接続されている。キャパシタ導体パターン237,239,240は、キャパシタ213を形成している。
【0081】
誘電体層224には、接地導体パターン250が形成されている。接地導体パターン250は、シールド電極SHA〜SHDに接続している。接地導体パターン250は、ビア導体パターン275〜278によって、線路導体パターン232〜235にそれぞれ接続されている。キャパシタ導体パターン239および接地導体パターン250は、キャパシタ202を形成している。キャパシタ導体パターン240および接地導体パターン250は、キャパシタ212を形成している。
【0082】
誘電体層225には、キャパシタ導体パターン251〜253が形成されている。接地導体パターン250およびキャパシタ導体パターン251は、キャパシタ205を形成している。接地導体パターン250およびキャパシタ導体パターン252は、キャパシタ207を形成している。接地導体パターン250およびキャパシタ導体パターン253は、キャパシタ209を形成している。
【0083】
誘電体層226には、キャパシタ導体パターン254,255が形成されている。キャパシタ導体パターン254は、ビア導体パターン279によってキャパシタ導体パターン239に接続されている。キャパシタ導体パターン255は、ビア導体パターン280によってキャパシタ導体パターン240に接続されている。キャパシタ導体パターン251,254は、キャパシタ203を形成している。キャパシタ導体パターン252,254は、キャパシタ214を形成している。キャパシタ導体パターン252,255は、キャパシタ215を形成している。キャパシタ導体パターン253,255は、キャパシタ210を形成している。
【0084】
誘電体層227には、線路導体パターン256〜259が形成されている。線路導体パターン256,258は、シールド電極SHDに接続されている。線路導体パターン257,259は、シールド電極SHBに接続されている。
【0085】
誘電体層228には、線路導体パターン260、接地導体パターン261、および線路導体パターン262が形成されている。線路導体パターン260,262は、X軸方向に延在している。
【0086】
線路導体パターン260は、ビア導体パターン281によって接地導体パターン250に接続されている。線路導体パターン260は、ビア導体パターン279によってキャパシタ導体パターン254に接続されている。
【0087】
接地導体パターン261は、ビア導体パターン283によってキャパシタ導体パターン251に接続されている。接地導体パターン261は、ビア導体パターン284によってキャパシタ導体パターン252に接続されている。接地導体パターン261は、ビア導体パターン285によってキャパシタ導体パターン253に接続されている。接地導体パターン261は、ビア導体パターン286〜289によって線路導体パターン256〜259にそれぞれ接続されている。
【0088】
線路導体パターン262は、ビア導体パターン280によってキャパシタ導体パターン255に接続されている。線路導体パターン262は、ビア導体パターン282によって接地導体パターン250に接続されている。
【0089】
誘電体層229には、線路導体パターン263、接地導体パターン264、および線路導体パターン265が形成されている。線路導体パターン263は、ビア導体パターン279,281によって線路導体パターン260に接続されている。接地導体パターン264は、ビア導体パターン283〜289によって接地導体パターン261に接続されている。線路導体パターン265は、ビア導体パターン280,282によって線路導体パターン262に接続されている。
【0090】
誘電体層230には、線路導体パターン266、接地導体パターン267、および線路導体パターン268が形成されている。線路導体パターン266は、ビア導体パターン279,281によって線路導体パターン263に接続されている。接地導体パターン267は、ビア導体パターン283〜289によって接地導体パターン264に接続されている。線路導体パターン268は、ビア導体パターン280,282によって線路導体パターン265に接続されている。
【0091】
線路導体パターン260,263,266、およびビア導体パターン279,281は、インダクタ201を形成している。インダクタ201は、ループビアインダクタである。ビア導体パターン283〜285は、それぞれインダクタ204,206,208を形成している。インダクタ204,206,208の各々は、ストレートインダクタである。線路導体パターン262,265,268、およびビア導体パターン280,282は、インダクタ211を形成している。インダクタ211は、ループビアインダクタである。
【0092】
以上、実施の形態2に係る積層帯域通過フィルタによれば、周波数特性が所望の周波数特性から乖離することを抑制することができる。
【0093】
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3に係る積層帯域通過フィルタ3の等価回路図である。図11に示されるように、積層帯域通過フィルタ3は、端子P30,P300と、LC並列共振器31〜33と、キャパシタ303,306,309とを備える。
【0094】
LC並列共振器31〜33は、端子P30とP300との間に、この順に配置されている。LC並列共振器31および32が隣接し、LC並列共振器32および33が隣接している。
【0095】
端子P30に入力された信号は、LC並列共振器31,32,33の順に伝達されて、端子P300から出力される。端子P300に入力された信号は、LC並列共振器33,32,31の順に伝達されて、端子P30から出力される。
【0096】
LC並列共振器31は、インダクタ301とキャパシタ302とを含む。LC並列共振器32は、インダクタ304とキャパシタ305とを含む。LC並列共振器33は、インダクタ307とキャパシタ308とを含む。
【0097】
インダクタ301の一方端は、端子P30に接続されている。インダクタ301の他方端は、接地点GNDに接続されている。キャパシタ303は、インダクタ301の一方端とインダクタ304の一方端との間に接続されている。インダクタ304の他方端は、接地点GNDに接続されている。インダクタ301と304との間には、磁気結合M34が生じる。
【0098】
キャパシタ306は、インダクタ304の一方端とインダクタ307の一方端との間に接続されている。インダクタ307の一方端は、端子P300に接続されている。インダクタ307の他方端は、接地点GNDに接続されている。インダクタ304と307との間には、磁気結合M35が生じる。キャパシタ309の一方端は、インダクタ301の一方端とインダクタ307の一方端との間に接続されている。
【0099】
図12は、図11の積層帯域通過フィルタ3の積層構造の一例を示す分解斜視図である。積層帯域通過フィルタ3の外観斜視図は、図2に示される積層帯域通過フィルタ1の外観斜視図と同様である。図12に示されるように、積層帯域通過フィルタ3は、複数の誘電体層311〜321がZ軸方向に積層された積層体である。
【0100】
底面BFには、端子P30,P300、および接地端子G301が形成されている。接地端子G301は、接地点GNDを形成している。端子P30,P300、および接地端子G301は、たとえば底面BFに平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。
【0101】
誘電体層311には、線路導体パターン332〜335が形成されている。線路導体パターン332〜335は、それぞれビア導体パターン367〜370によって接地端子G301に接続されている。
【0102】
誘電体層312には、線路導体パターン336、キャパシタ導体パターン337、および線路導体パターン338が形成されている。線路導体パターン336は、ビア導体パターン385によって端子P30に接続されている。線路導体パターン338は、ビア導体パターン371によって端子P300に接続されている。
【0103】
誘電体層313には、キャパシタ導体パターン339,340が形成されている。キャパシタ導体パターン339は、ビア導体パターン378によって線路導体パターン336に接続されている。キャパシタ導体パターン340は、ビア導体パターン377によって線路導体パターン338に接続されている。キャパシタ導体パターン337,339,340は、キャパシタ309を形成している。
【0104】
誘電体層314には、接地導体パターン350が形成されている。接地導体パターン350は、シールド電極SHA〜SHDに接続している。接地導体パターン350は、ビア導体パターン372〜375によって、線路導体パターン332〜335にそれぞれ接続されている。
【0105】
接地導体パターン350およびキャパシタ導体パターン339は、キャパシタ302を形成している。接地導体パターン350およびキャパシタ導体パターン340は、キャパシタ308を形成している。
【0106】
誘電体層315には、キャパシタ導体パターン351が形成されている。キャパシタ導体パターン351および接地導体パターン350は、キャパシタ305を形成している。
【0107】
誘電体層316には、キャパシタ導体パターン352,353が形成されている。キャパシタ導体パターン351,352は、キャパシタ303を形成している。キャパシタ導体パターン351,353は、キャパシタ306を形成している。
【0108】
誘電体層317には、線路導体パターン354〜357が形成されている。線路導体パターン354,356は、シールド電極SHDに接続している。線路導体パターン355,357の各々は、シールド電極SHBに接続している。
【0109】
誘電体層318には、線路導体パターン358、接地導体パターン359、および線路導体パターン360が形成されている。線路導体パターン358,360は、X軸方向に延在している。
【0110】
線路導体パターン358は、ビア導体パターン376によって接地導体パターン350に接続されている。線路導体パターン358は、ビア導体パターン378によってキャパシタ導体パターン339に接続されている。
【0111】
接地導体パターン359は、ビア導体パターン380によってキャパシタ導体パターン351に接続されている。接地導体パターン359は、ビア導体パターン381〜384によって線路導体パターン354〜357にそれぞれ接続されている。
【0112】
線路導体パターン360は、ビア導体パターン377によってキャパシタ導体パターン340に接続されている。線路導体パターン360は、ビア導体パターン379によって接地導体パターン350に接続されている。
【0113】
誘電体層319には、線路導体パターン361、接地導体パターン362、および線路導体パターン363が形成されている。線路導体パターン361,363は、X軸方向に延在している。
【0114】
線路導体パターン361は、ビア導体パターン376および378によって線路導体パターン358に接続されている。接地導体パターン362は、ビア導体パターン380〜384によって接地導体パターン359に接続されている。線路導体パターン363は、ビア導体パターン377および379によって線路導体パターン360に接続されている。
【0115】
誘電体層320には、線路導体パターン364、接地導体パターン365、および線路導体パターン366が形成されている。線路導体パターン364,366は、X軸方向に延在している。
【0116】
線路導体パターン364は、ビア導体パターン376および378によって線路導体パターン361に接続されている。接地導体パターン365は、ビア導体パターン380〜384によって接地導体パターン362に接続されている。線路導体パターン366は、ビア導体パターン377および379によって線路導体パターン363に接続されている。
【0117】
線路導体パターン358,361,364、およびビア導体パターン376,378は、インダクタ301を形成している。インダクタ301は、ループビアインダクタである。ビア導体パターン380は、インダクタ304を形成している。インダクタ304は、ストレートインダクタである。線路導体パターン360,363,366、およびビア導体パターン377,379は、インダクタ307を形成している。インダクタ307は、ループビアインダクタである。
【0118】
以上、実施の形態3に係る積層帯域通過フィルタによれば、周波数特性が所望の周波数特性から乖離することを抑制することができる。
【0119】
[実施の形態4]
実施の形態1〜3においては、積層帯域通過フィルタが、1つのストレートインダクタを含むLC並列共振器を備える場合について説明した。実施の形態に係る積層帯域通過フィルタは、複数のストレートインダクタを含むLC並列共振器を備えてもよい。実施の形態4においては、積層帯域通過フィルタが2つのストレートインダクタを含むLC並列共振器を備える場合について説明する。
【0120】
図13は、実施の形態4に係る積層帯域通過フィルタ4の等価回路図である。図13に示されるように、積層帯域通過フィルタ4は、端子P40,P400と、LC並列共振器41〜44と、キャパシタ403,408,411とを備える。
【0121】
LC並列共振器41〜44は、端子P40とP400との間に、この順に配置されている。LC並列共振器41および42が隣接し、LC並列共振器42および43が隣接し、LC並列共振器43および44が隣接している。
【0122】
端子P40に入力された信号は、LC並列共振器41,42,43,44の順に伝達されて、端子P400から出力される。端子P400に入力された信号は、LC並列共振器44,43,42,41の順に伝達されて、端子P40から出力される。
【0123】
LC並列共振器41は、インダクタ401とキャパシタ402とを含む。LC並列共振器42は、インダクタ404,414とキャパシタ405とを含む。インダクタ404および414は、キャパシタ405の一方電極と他方電極との間において並列に接続されている。インダクタ404,414は、同電位である。
【0124】
LC並列共振器43は、インダクタ406,416とキャパシタ407とを含む。インダクタ406および416は、キャパシタ407の一方電極と他方電極との間において並列に接続されている。インダクタ406,416は、同電位である。LC並列共振器44は、インダクタ409とキャパシタ410とを含む。
【0125】
インダクタ401の一方端は端子P40に接続されている。インダクタ401の他方端は、接地点GNDに接続されている。キャパシタ403は、インダクタ401の一方端とインダクタ404の一方端との間に接続されている。インダクタ404の他方端は接地点GNDに接続されている。インダクタ401、404、および414の間には、磁気結合M45が生じる。
【0126】
キャパシタ408は、インダクタ406の一方端とインダクタ409の一方端との間に接続されている。インダクタ409の一方端は、端子P400に接続されている。インダクタ406の他方端およびインダクタ409の他方端の各々は、接地点GNDに接続されている。インダクタ404、414、406、および416の間には、磁気結合M46が生じる。インダクタ406、416、および409の間には、磁気結合M47が生じる。キャパシタ411は、インダクタ401の一方端とインダクタ409の一方端との間に接続されている。
【0127】
図14は、図13の積層帯域通過フィルタ4の積層構造の一例を示す分解斜視図である。積層帯域通過フィルタ4の外観斜視図は、図2に示される積層帯域通過フィルタ1の外観斜視図と同様である。図14に示されるように、積層帯域通過フィルタ4は、複数の誘電体層421〜431がZ軸方向に積層された積層体である。
【0128】
底面BFには、端子P40,P400、および接地端子G401が形成されている。接地端子G401は、接地点GNDを形成している。端子P40,P400、および接地端子G401は、たとえば底面BFに平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。
【0129】
誘電体層421には、線路導体パターン432〜435が形成されている。線路導体パターン432〜435は、それぞれビア導体パターン469〜472によって接地端子G401に接続されている。
【0130】
誘電体層422には、線路導体パターン436、キャパシタ導体パターン437、および線路導体パターン438が形成されている。線路導体パターン436は、ビア導体パターン468によって端子P40に接続されている。線路導体パターン438は、ビア導体パターン473によって端子P400に接続されている。
【0131】
誘電体層423には、キャパシタ導体パターン439,440が形成されている。キャパシタ導体パターン439は、ビア導体パターン478によって線路導体パターン436に接続されている。キャパシタ導体パターン440は、ビア導体パターン479によって線路導体パターン438に接続されている。キャパシタ導体パターン437,439,440は、キャパシタ411を形成している。
【0132】
誘電体層424には、接地導体パターン450が形成されている。接地導体パターン450は、シールド電極SHA〜SHDに接続されている。接地導体パターン450は、ビア導体パターン474〜477によって、線路導体パターン432〜435にそれぞれ接続されている。キャパシタ導体パターン439および接地導体パターン450は、キャパシタ402を形成している。キャパシタ導体パターン440および接地導体パターン450は、キャパシタ410を形成している。
【0133】
誘電体層425には、キャパシタ導体パターン451,452が形成されている。接地導体パターン450およびキャパシタ導体パターン451は、キャパシタ405を形成している。接地導体パターン450およびキャパシタ導体パターン452は、キャパシタ407を形成している。
【0134】
誘電体層426には、キャパシタ導体パターン453,454が形成されている。キャパシタ導体パターン453は、ビア導体パターン478によってキャパシタ導体パターン439に接続されている。キャパシタ導体パターン454は、ビア導体パターン479によってキャパシタ導体パターン440に接続されている。キャパシタ導体パターン451,453は、キャパシタ403を形成している。キャパシタ導体パターン452,454は、キャパシタ408を形成している。
【0135】
誘電体層427には、線路導体パターン455〜458が形成されている。線路導体パターン455,457は、シールド電極SHDに接続している。線路導体パターン456,458は、シールド電極SHBに接続している。
【0136】
誘電体層428には、線路導体パターン459、接地導体パターン460、および線路導体パターン461が形成されている。線路導体パターン459,461は、X軸方向に延在している部分を有する。
【0137】
線路導体パターン459は、ビア導体パターン480によって接地導体パターン450に接続されている。線路導体パターン459は、ビア導体パターン478によってキャパシタ導体パターン453に接続されている。
【0138】
接地導体パターン460は、ビア導体パターン482,488によってキャパシタ導体パターン451に接続されている。接地導体パターン460は、ビア導体パターン483,489によってキャパシタ導体パターン452に接続されている。接地導体パターン460は、ビア導体パターン484〜487によって線路導体パターン455〜458にそれぞれ接続されている。
【0139】
線路導体パターン461は、ビア導体パターン479によってキャパシタ導体パターン454に接続されている。線路導体パターン461は、ビア導体パターン481によって接地導体パターン450に接続されている。
【0140】
誘電体層429には、線路導体パターン462、接地導体パターン463、および線路導体パターン464が形成されている。線路導体パターン462は、ビア導体パターン478,480によって線路導体パターン459に接続されている。接地導体パターン463は、ビア導体パターン482〜489によって接地導体パターン460に接続されている。線路導体パターン464は、ビア導体パターン479,481によって線路導体パターン461に接続されている。
【0141】
誘電体層430には、線路導体パターン465、接地導体パターン466、および線路導体パターン467が形成されている。線路導体パターン465は、ビア導体パターン478,480によって線路導体パターン462に接続されている。接地導体パターン466は、ビア導体パターン482〜489によって接地導体パターン463に接続されている。線路導体パターン467は、ビア導体パターン479,481によって線路導体パターン464に接続されている。
【0142】
線路導体パターン459,462,465、およびビア導体パターン478,480は、インダクタ401を形成している。インダクタ401は、ループビアインダクタである。ビア導体パターン482,488,483,489は、それぞれインダクタ404,414,406,416を形成している。インダクタ404,414,406,416の各々は、Z軸方向に延在する1つのビア導体パターンから形成されたストレートインダクタである。線路導体パターン461,464,467、およびビア導体パターン479,481は、インダクタ409を形成している。インダクタ409は、ループビアインダクタである。
【0143】
ストレートインダクタの数を増やすことにより、複数のストレートインダクタの各々に電流が分散されるため、積層帯域通過フィルタの挿入損失が改善される。積層帯域通過フィルタのサイズおよび所望の特性に応じて、ストレートインダクタの数を適宜選択することができる。
【0144】
以上、実施の形態4に係る積層帯域通過フィルタによれば、周波数特性が所望の周波数特性から乖離することを抑制することができる。
【0145】
今回開示された各実施の形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わされて実施されることも予定されている。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0146】
1〜3,1A,1B,9 積層帯域通過フィルタ、10,20,30,P10,P20,P30,P40,P90,P100,P200,P300,P400,P900 端子、11〜14,21〜25,31〜33,41〜44 LC並列共振器、101,104,106,109,201,204,206,208,211,301,304,307,401,404,406,409,414,416 インダクタ、102,103,105,107,108,110,111,202,203,205,207,209,210,212〜214,215,302,303,305,306,308,309,402,403,405,407,408 キャパシタ、121〜131,221〜231,311〜321,421〜431,901〜909 誘電体層、132,135,136,138,155〜159,161,162,164,165,167,232,235,236,238,256〜259,260〜263,265,266,268,332,335,336,338,354〜358,360,361,363,364,366,432,435,436,438,455〜459,461,462,464,465,467,911,912,915,916,926〜940 線路導体パターン、137,139,140,151〜154,237,239,240,251〜255,337,339,340,351〜353,437,439,440,451〜454,917〜919,921〜924 キャパシタ導体パターン、150,160,163,166,250,261,264,267,350,359,362,365,450,460,463,466,920 接地導体パターン、168〜187,269〜289,367〜385,468〜489,941〜959 ビア導体パターン、DM 方向識別パターン、G101,G201,G301,G401,G910 接地端子、HS 筐体、SH,SHA,SHB,SHD,SHU シールド電極。
図1
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