特許第6962601号(P6962601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962601水田のリアルタイム管理システム、薬剤散布用水上エアクッション艇、操縦端末、リアルタイム管理方法、プログラム、および記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962601
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】水田のリアルタイム管理システム、薬剤散布用水上エアクッション艇、操縦端末、リアルタイム管理方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20211025BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20211025BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301B
   B63B35/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-562748(P2019-562748)
(86)(22)【出願日】2018年9月18日
(86)【国際出願番号】JP2018034464
(87)【国際公開番号】WO2019130679
(87)【国際公開日】20190704
【審査請求日】2020年3月12日
(31)【優先権主張番号】特願2017-254592(P2017-254592)
(32)【優先日】2017年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100194515
【弁理士】
【氏名又は名称】南野 研人
(72)【発明者】
【氏名】関 徳男
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−240242(JP,A)
【文献】 特開2016−154501(JP,A)
【文献】 特開2016−101145(JP,A)
【文献】 特開2004−213364(JP,A)
【文献】 特開2004−199332(JP,A)
【文献】 特開2019−41729(JP,A)
【文献】 特開2007−151481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
B63B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤散布用水上エアクッション艇と、前記エアクッション艇を操縦する操縦端末とを含み、
前記エアクッション艇と前記操縦端末とは、通信回線網を介して接続可能であり;
前記エアクッション艇は、
送受信部、撮像部、センサ部、航行部、薬剤散布部、および操縦制御部を有し、
前記撮像部は、前記エアクッション艇の周囲を撮像し、
前記センサ部は、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングし、
前記航行部は、前記エアクッション艇を航行させ、
前記薬剤散布部は、前記エアクッションに搭載された薬剤を散布し、
前記送受信部は、前記操縦端末から、操縦制御データを受信し、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信し、
前記操縦制御部は、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御し;
前記操縦端末は、
送受信部、分析部、記憶部、および表示部を有し、
前記送受信部は、前記エアクッション艇から、前記撮像データ、および前記センシングデータを受信し、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信し、
前記分析部は、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけし、
前記記憶部は、前記水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信した受信データ、および前記分析部により分析した分析データを、記憶し、
前記表示部は、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する
ことを特徴とする水田のリアルタイム管理システム。
【請求項2】
前記撮像部が、画像解析用途の高解像度カメラである、請求項1に記載の水田のリアルタイム管理システム。
【請求項3】
前記センサ部が、水位センサ、温度センサ、pHセンサ、窒素濃度センサ、リン濃度センサ、および尿素濃度センサからなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1または2に記載の水田のリアルタイム管理システム。
【請求項4】
前記操縦端末が、スマートフォンまたはタブレットである、請求項1から3のいずれか一項に記載の水田のリアルタイム管理システム。
【請求項5】
送受信部、分析部、記憶部、および表示部を有し、
前記送受信部は、エアクッション艇から、撮像データ、およびセンシングデータを受信し、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信し、
前記分析部は、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけし、
前記記憶部は、水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信した受信データ、および前記分析部により分析した分析データを記憶し、
前記表示部は、前記マップデータと前記分析データとを紐づけて表示し、
前記エアクッション艇と、通信回線網を介して接続可能であることを特徴とする
薬剤散布用水上エアクッション艇用の操縦端末。
【請求項6】
送受信部、撮像部、センサ部、航行部、薬剤散布部、および操縦制御部を有し、
前記撮像部は、エアクッション艇の周囲を撮像し、
前記センサ部は、水位センサ、温度センサ、pHセンサ、窒素濃度センサ、リン濃度センサ、および尿素濃度センサからなる群から選択された少なくとも一つを含み、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングし、
前記航行部は、前記エアクッション艇を航行させ、
前記薬剤散布部は、前記エアクッションに搭載された薬剤を散布し、
前記送受信部は、請求項5に記載の操縦端末から、操縦制御データを受信し、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信し、
前記操縦制御部は、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御し、
前記操縦端末と、通信回線網を介して接続可能であることを特徴とす
剤散布用水上エアクッション艇。
【請求項7】
前記撮像部が、画像解析用途の高解像度カメラである、請求項に記載の薬剤散布用水上エアクッション艇。
【請求項8】
請求項6または7に記載の薬剤散布用水上エアクッション艇と、請求項に記載の操縦端末を使用し、
前記エアクッション艇と前記操縦端末とを、通信回線網を介して接続し;
前記操縦端末の送受信部により、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信する送信工程、
前記エアクッション艇の送受信部により、前記操縦端末からの前記操縦制御データを受信する受信工程、
前記エアクッション艇の前記撮像部により、前記エアクッション艇の周囲を撮像する撮像工程、
前記エアクッション艇の前記センサ部により、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングするセンシング工程、
前記エアクッション艇の航行部により、前記エアクッション艇を航行させる航行工程、
前記エアクッション艇の薬剤散布部により、前記エアクッション艇に搭載された薬剤を散布する工程、
前記エアクッション艇の送受信部により、前記操縦端末からの操縦制御データを受信する工程、
前記エアクッション艇の操縦制御部により、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御する工程、
前記エアクッションの送受信部により、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信する工程、
前記操縦端末の送受信部により、前記エアクッションからの前記撮像データ、および前記センシングデータを受信する工程、
前記操縦端末の分析部により、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけする工程、
前記操縦端末の前記記憶部により、前記水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信したデータ、および前記分析部により分析した分析データを、記憶する工程、
前記操縦端末の表示部により、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する工程
を含むことを特徴とする水田のリアルタイム管理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の水田のリアルタイム管理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録していることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水田のリアルタイム管理システム、薬剤散布用水上エアクッション艇、操縦端末、リアルタイム管理方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
水田への薬剤散布において、遠隔操作が可能なドローンが利用されている。しかしながら、日本のように、1つ1つの農地面積が狭い国の場合、ドローンからの空中散布では、薬剤が風で流れてしまい、隣接する農地にまで薬剤が散布されてしまうというリスクがある。例えば、健康志向が広まる昨今、農家によっては、使用する薬剤の種類の選択、使用量の制限等を徹底することで、農作物の商品価値を高めることを重要視するという契約農家もある。しかし、前述のように、薬剤が流れてしまうと、自らの農地については管理ができていても、近隣の薬剤散布による影響をうける可能性がある。
【0003】
また、薬剤は、必ずしも水田の全体に散布する必要はなく、ピンポイントの散布で足りる場合もある。しかし、航空飛行するドローンにより、水田において上空から薬剤散布が必要な箇所を見つけ出し、ピンポイントで散布することは、非常に困難である。
【0004】
また、コントローラで操縦する薬剤散布用ボートも報告されているが、操縦者が視認できる範囲で操縦できるにとどまり、必要な箇所にピンポイントで散布することは、同様に困難である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−149570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、空中飛行のドローンではなく、遠隔操作で操縦する無人機を用いて、水田をリアルタイムに管理し、必要に応じた薬剤散布を可能とする新たなシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のシステムは、水田のリアルタイム管理システムであり、
薬剤散布用水上エアクッション艇と、前記エアクッション艇を操縦する操縦端末とを含み、
前記エアクッション艇と前記操縦端末とは、通信回線網を介して接続可能であり;
前記エアクッション艇は、
送受信部、撮像部、センサ部、航行部、薬剤散布部、および操縦制御部を有し、
前記撮像部は、前記エアクッション艇の周囲を撮像し、
前記センサ部は、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングし、
前記航行部は、前記エアクッション艇を航行させ、
前記薬剤散布部は、前記エアクッションに搭載された薬剤を散布し、
前記送受信部は、前記操縦端末から、操縦制御データを受信し、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信し、
前記操縦制御部は、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御し;
前記操縦端末は、
送受信、分析部、記憶部、および表示部を有し、
前記送受信部は、前記エアクッション艇から、前記撮像データ、および前記センシングデータを受信し、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信し、
前記分析部は、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけし、
前記記憶部は、前記水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信した受信データ、および前記分析部により分析した分析データを、記憶し、
前記表示部は、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の薬剤散布用水上エアクッション艇は、
送受信部、撮像部、センサ部、航行部、薬剤散布部、および操縦制御部を有し、
前記撮像部は、前記エアクッション艇の周囲を撮像し、
前記センサ部は、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングし、
前記航行部は、前記エアクッション艇を航行させ、
前記薬剤散布部は、前記エアクッションに搭載された薬剤を散布し、
前記送受信部は、操縦端末から、操縦制御データを受信し、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信し、
前記操縦制御部は、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御し、
前記操縦端末と、通信回線網を介して接続可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明の操縦端末は、薬剤散布用水上エアクッション艇用の操縦端末であり、
送受信部、分析部、記憶部、および表示部を有し、
前記受信部は、前記エアクッション艇から、撮像データ、およびセンシングデータを受信し、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信し、
前記分析部は、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけし、
前記記憶部は、水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信した受信データ、および前記分析部により分析した分析データを記憶し、
前記表示部は、前記マップデータと前記分析データとを紐づけて表示し、
前記エアクッション艇と、通信回線網を介して接続可能であることを特徴とする。
【0010】
本発明の方法は、水田のリアルタイム管理方法であり、
前記本発明の薬剤散布用水上エアクッション艇と、前記本発明の操縦端末を使用し、
前記エアクッション艇と前記操縦端末とを、通信回線網を介して接続し;
前記操縦端末の送受信部により、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信する送信工程、
前記エアクッション艇の送受信部により、前記操縦端末からの前記操縦制御データを受信する受信工程、
前記エアクッション艇の前記撮像部により、前記エアクッション艇の周囲を撮像する撮像工程、
前記エアクッション艇の前記センサ部により、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングするセンシング工程、
前記エアクッション艇の航行部により、前記エアクッション艇を航行させる航行工程、
前記エアクッション艇の薬剤散布部により、前記エアクッション艇に搭載された薬剤を散布する工程、
前記エアクッション艇の送受信部により、前記操縦端末からの操縦制御データを受信する工程、
前記エアクッション艇の操縦制御部により、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御する工程、
前記エアクッションの送受信部により、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信する工程、
前記操縦端末の送受信部により、前記エアクッションからの前記撮像データ、および前記センシングデータを受信する工程、
前記操縦端末の分析部により、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけする工程、
前記操縦端末の前記記憶部により、前記水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信したデータ、および前記分析部により分析した分析データを、記憶する工程、
前記操縦端末の表示部により、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する工程を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、前記本発明の水田のリアルタイム管理方法をコンピュータ上で実行可能なことを特徴とする。
【0012】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば、水田において薬剤散布用水上エアクッション艇を航行させながら、水田の情報を取得できるため、リアルタイムでも水田の管理を行うことができる。そして、リアルタイムでの水田の情報に基づいて、例えば、薬剤の散布の要否、薬剤散布が必要な領域の判断等も行える。このため、簡便に、水田の管理と薬剤散布の調節等も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態1における水田のリアルタイム管理システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態1におけるリアルタイム管理システムのその他の例を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態1におけるリアルタイム管理方法の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態2におけるリアルタイム管理システムの一例を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の実施形態1のリアルタイム管理システムにおける操縦端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本発明の実施形態1のリアルタイム管理システムにおける薬剤散布エアクッション艇のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、図を用いて説明する。本発明は、下記の実施形態によって何ら限定および制限されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0016】
[実施形態1]
実施形態1は、本発明のリアルタイム管理システム、薬剤散布用水上エアクッション艇、操縦端末およびリアルタイム管理方法に関する。
【0017】
図1に、本実施形態におけるリアルタイム管理システムのブロック図を示す。図1に示すように、本実施形態のリアルタイム管理システム1は、操縦端末10と、薬剤散布用水上エアクッション艇20(以下、ACV(Air cushion vehicle)またはホバークラフトという)とを含む。そして、図2に示すように、操縦端末10とACV20とが、通信回線網30を介して接続可能である。
【0018】
通信回線網30は、特に制限されず、公知のコンピュータネットワークを使用でき、例えば、無線が好ましい。前記ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)、WiFi等があげられる
【0019】
ACV20は、通信回線網30を介して、操縦端末10と接続され、操縦端末10により操縦でき、水田を航行できればよい。ACV10の浮上方式は、特に制限されず、例えば、制圧式空気浮上、動圧式空気浮上、加圧式空気浮上、負圧式空気浮上等があげられる。
【0020】
ACV20は、送受信部(受信部201、送信部202)、撮像部203、センサ部204、航行部205、薬剤散布部206、操縦制御部207を有する。ACV20は、例えば、CPU(中央演算装置)を有する。前記CPUは、例えば、操縦制御部207を含む。ACV20において、受信部201、送信部202、および操縦制御部207は、例えば、ハードウェアであるデータ処理部(データ処理装置)に組み込まれてもよく、ソフトウェアまたは前記ソフトウェアが組み込まれたハードウェアでもよい。前記データ処理部は、CPU等を備えてもよい。ACV20における各部は、例えば、電気的に接続されている。
【0021】
ACV20の受信部201は、操縦端末10から、操縦制御データを受信する。前記操縦制御データは、例えば、ACV20の操縦の制御シグナルである。前記操縦制御シグナルは、例えば、ACV20の制御シグナル、撮像部203の制御シグナル、センサ部204の制御シグナル、航行部205の制御シグナル、薬剤散布部206の制御シグナル等を含む。ACV20の制御シグナルは、例えば、ACV20の起動のON−OFF等を制御するシグナルである。撮像部203の制御シグナルは、例えば、撮像のON−OFF、撮像条件等を制御するシグナルである。センサ部204の制御シグナルは、例えば、センシングのON−OFF、センシング条件等を制御するシグナルである。航行部205の制御シグナルは、例えば、前進、後進、左右への方向転換、停止、スピード等を制御するシグナルである。薬剤散布部206の制御シグナルは、例えば、薬剤散布の開始と停止、散布量等を制御するシグナルである。
【0022】
ACV20の撮像部203は、ACV20の周囲を撮像する。撮像部203としては、例えば、カメラがあげられる。前記カメラの種類は、特に制限されず、例えば、画像解析用途の高解像度カメラ等が使用できる。ACV20に搭載する撮像部203の数は、特に制限されない。本実施形態のリアルタイム管理システム1では、作物の生育状況、水田の水中状況等の撮像データを得ることが好ましく、撮像部203は、例えば、水田における表面、水中等を撮像できるように、撮像部203を備えることが好ましい。
【0023】
ACV20のセンサ部204は、ACV20の周囲の環境要因をセンシングする。センサ部204の種類は、特に制限されず、水田の作物の種類、季節等に応じて、適宜選択できる。センサ部204としては、例えば、水位センサ、温度センサ、pHセンサ、窒素濃度センサ、リン濃度センサ、および尿素濃度センサ等があげられる。ACV20に搭載するセンサ部204の種類と数は、特に制限されず、例えば、1種類でもよいし2種類以上でもよく、また、1つでもよいし2つ以上でもよい。
【0024】
ACV20の航行部205は、ACV20を航行させる。航行部205は、例えば、前述した浮上方式により水上に浮上させる浮上部、プロペラまたはスクリューまたはフロントロータ等の推進部等を含む。前記フロントロータは、例えば、右ロータと左ロータを有し、それぞれ別個に、変速ギアにより回転数を制御できることが好ましい。このように、前記右ロータと前記左ロータとを、それぞれ別個に制御することで、ACV20を旋回することもできる。
【0025】
ACV20の薬剤散布部206は、ACV20に搭載された薬剤を散布する。薬剤散布部206は、例えば、滴下ノズル、噴射ノズル等があげられる。
【0026】
ACV20の操縦制御部207は、受信部201が受信した前記操縦制御データに基づいて、各部、例えば、撮像部203、センサ部204、航行部205、薬剤散布部206の操縦を制御する。
【0027】
ACV20の送信部202は、操縦端末10へ、撮像部203による撮像データ、およびセンサ部204によるセンシングデータを送信する。
【0028】
ACV20は、例えば、さらにGPS(Global Positioning System)を備えてもよい。ACV20は、例えば、GPSにより、ACV20周辺のマップデータを、通信回線網30を介して取得することができる。ACV20のGPSにより取得したマップデータは、例えば、通信回線網30を介して、送信部202から操縦端末10に送信してもよい。前記マップデータは、例えば、地図におけるACV20の位置座標である。
【0029】
操縦端末10は、送信部101、受信部102、分析部103、記憶部104、および表示部105を有する。送信部101、受信部102、分析部103は、例えば、ハードウェアであるデータ処理部(データ処理装置)に組み込まれてもよく、ソフトウェアまたは前記ソフトウェアが組み込まれたハードウェアでもよい。前記データ処理部は、中央演算装置(CPU)等を備えてもよい。操縦端末10の各部は、例えば、電気的に接続されている。
【0030】
操縦端末10は、特に制限されず、例えば、プロポ、スマートフォン、タブレット等があげられる。リアルタイム管理システム1によれば、操縦端末10としてスマートフォンまたはタブレット等を使用できるため、例えば、表示部105の表示内容を見ながら、容易にACV20を操縦できる。
【0031】
操縦端末10の送信部101は、ACV20へ、操縦制御データを送信する。前記操縦制御データは、例えば、前述の通りである。
【0032】
操縦端末10の受信部102は、ACV20から、撮像部203の前記撮像データ、およびセンサ部204の前記センシングデータを受信する。前記撮像データおよび前記センシングデータは、例えば、前述の通りである。
【0033】
操縦端末10の分析部103は、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけする。前記水田のマップデータは、例えば、前述のように、ACV20のGPSにより取得することができる。前記撮像データおよび前記センシングデータの紐づけとは、例えば、前記水田のマップデータに、水田の各領域に該当する前記撮像データと前記センシングデータを関連づけることを意味する。前記撮像データは、例えば、分析部103により画像解析を行うことによって、水田における生育対象物(例えば、稲苗、稲葉鞘等)と除去対象物(例えば、雑草等)との分類、前記除去対象物が多い箇所か否かの分類等を行うことができる。
【0034】
操縦端末10の記憶部104は、前記水田のマップデータ、ACV20から受信したデータ(前記撮像データおよび前記センシングデータを含む)、および分析部103により分析した分析データを記憶する。記憶部104は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリー、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。記憶部104は、例えば、操縦端末10に内蔵されてもいし、操縦端末10に外付けされてもよい。
【0035】
操縦端末10の表示部105は、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する。表示部105は、例えば、ディスプレイである。表示部105において、例えば、水田のマップを表示し、さらに、水田の各領域と紐づけして、前記各領域の実際の撮像データと前記各領域の状態を示すセンシングデータを表示できる。
【0036】
また、図5および図6に、リアルタイム管理システム1における操縦端末10およびACV20のハードウェア構成のブロック図を、それぞれ例示する。
【0037】
図5に示すように、操縦端末10は、例えば、CPU(中央処理装置)11、メモリ12、バス13、入力装置14、ディスプレイ15、通信デバイス16、記憶装置17等を有する。前記ハードウェア構成において各部は、例えば、それぞれのインターフェイス(I/F)により、バス13を介して、相互に接続されている。
【0038】
CPU11は、操縦端末10の全体の制御を担う。操縦端末10において、CPU11により、例えば、本発明のプログラム18やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、操縦端末10は、例えば、CPU11が、分析部103として機能する。
【0039】
操縦端末10は、例えば、バス13に接続された通信デバイス16により、通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、ACV20等の外部機器も接続できる。操縦端末10と前記外部機器との接続方式は、特に制限されず、例えば、前述のように無線による接続が好ましい。前記無線による接続は、例えば、通信回線網を利用した接続でもよいし、無線通信を利用した接続でもよい。前記通信回線網は、特に制限されず、例えば、公知の通信回線網を使用でき、前述と同様である。
【0040】
メモリ12は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU11が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の動作プログラムを含むプログラム18を、メモリ12が読み込み、CPU11は、メモリ12からデータを受け取って、前記プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ12は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0041】
記憶装置17は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置17は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置17は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等も例示できる。記憶装置17は、例えば、本発明のプログラム等のプログラム18が格納される。記憶装置17は、記憶部104であり、例えば、前述のような、前記水田のマップデータ191、ACV20から受信した受信データ192、分析部103で分析した分析データ193等が格納される。
【0042】
操縦端末10は、表示部105として、ディスプレイ15を有し、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。操縦端末10は、例えば、さらに、入力装置14を有してもよく、例えば、タッチパネル、キーボード等があげられる。
【0043】
図6に示すように、ACV20は、例えば、CPU21、メモリ22、バス23、入力装置24、カメラ25、センサ26、航行部205、薬剤散布部206、通信デバイス27、記憶装置28等を有する。前記ハードウェア構成において各部は、例えば、それぞれのインターフェイス(I/F)により、バス23を介して、相互に接続されている。
【0044】
CPU21は、ACV20の全体の制御を担う。ACV20において、CPU21により、例えば、本発明のプログラム18やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的に、ACV20は、例えば、CPU21が、操縦制御部207として機能する。
【0045】
ACV20は、例えば、バス23に接続された通信デバイス27により、通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、操縦端末10と接続できる。ACV20と操縦端末10との接続方式は、特に制限されず、前述の通りである。
【0046】
メモリ22は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU21が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の動作プログラムを含むプログラム18を、メモリ22が読み込み、CPU21は、メモリ22からデータを受け取って、前記プログラムを実行する。前記メインメモリの例示は、例えば、操縦端末10における例示と同様である。
【0047】
ACV20は、例えば、撮像部203としてカメラ25を有し、センサ部204として各種センサ26を有する。航行部205および薬剤散布部206は、例えば、前述と同様である。カメラ25、センサ26、航行部205および薬剤散布部206は、CPU21が操縦制御部と207として機能することにより、それぞれ制御される。
【0048】
記憶装置28は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前記メインメモリの例示は、例えば、操縦端末10における例示と同様である。記憶装置28は、記憶部であり、例えば、カメラ25で撮像した撮像データ291、センサ26で取得したセンシングデータ292等が格納される。
【0049】
ACV20は、例えば、さらに、入力装置24、表示部としてディスプレイ等を有してもよい。入力装置24は、例えば、タッチパネル、キーボード等があげられ、前記ディスプレイは、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。
【0050】
つぎに、図3に、本実施形態における水田のリアルタイム管理方法のフローチャートを示す。本実施形態のリアルタイム管理方法は、例えば、図1および図2のリアルタイム管理システム1を用いて、つぎのように実施する。
【0051】
図3に示すように、本実施形態のリアルタイム管理方法は、操縦端末10による、操縦制御データ送信工程(S100)、取得データ受信工程(S104)、分析工程(S105)、表示工程(S106)およびデータ記憶工程(S107)を有し、ACV20による、操縦制御データ受信工程(S101)、撮像工程(S102−1)、センシング工程(S102−2)、航行工程(S102−3)、薬剤散布工程(S102−4)、取得データ送信工程(S103)を含む。図3において、太枠の工程は、操縦端末10による工程であり、細枠の工程は、ACV20による工程である。本実施形態において、操縦端末10による各工程と、ACV20による各工程は、それぞれ、順次行われてもよいし、並行して行われてもよい。
【0052】
まず、操縦端末10が、ACV20に、前記操縦制御データを送信する(S100)。前記操縦制御データには、例えば、ACV20の航行、ACV20による撮像、センシング、および薬剤散布を制御するデータが含まれる。
【0053】
そして、ACV20は、操縦端末10から、前記操縦制御データを受信(S101)し、受信した前記操縦制御データに基づいて、ACV20の操縦制御部207は、撮像部203、センサ部204、航行部205、および薬剤散布部206の操縦を制御して、各工程を実行する。
【0054】
すなわち、ACV20の撮像部203により、ACV20の周囲を撮像し(S102−1)し、ACV20のセンサ部204により、ACV20の周囲の環境要因をセンシングし(S102−2)、ACV20の航行部205により、ACV20を航行させ(S102−3)、ACV20の薬剤散布部206により、ACV20に搭載した薬剤を、水田に散布する(S102−4)。
【0055】
つぎに、ACV20は、操縦端末10に、取得データ(前記撮像データおよび前記センシングデータ)を送信し(S103)、操縦端末10は、ACV20から、前記取得データ(前記撮像データおよび前記センシングデータ)を受信する(S104)。
【0056】
そして、操縦端末10の分析部103により、前記取得データ(前記撮像データおよび前記センシングデータ)を分析して、分析データを、水田のマップデータに紐づけする(S105)。前記水田のマップデータは、例えば、予め、操縦端末10に記憶させてもよい。水田のマップデータへの前記分析データの紐づけは、例えば、ACV20にGPSを搭載し、GPSマッピングにより行うこともできる。
【0057】
そして、前記水田のマップデータ、ACV20から受信したデータ、および分析部103により分析した分析データを記憶する(S107)。
【0058】
また、操縦端末10の表示部105により、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する(S106)。このように、表示部105に、前記水田のマップデータと紐づけて、前記水田の各領域の実際の撮像データと、前記各領域の状態を示すセンシングデータとが表示されることで、操縦者は、リアルタイムで水田の状態を把握できる。このため、操縦者は、表示部105の表示を見ながら、リアルタイムの情報に基づいて、水田の各領域について、例えば、薬剤の散布の要否、散布量等を決定できる。
【0059】
具体的に、本実施形態によれば、操縦者は、操縦端末10の表示部105の表示内容、例えば、ACV20の周囲の画像に基づいて、さらに、ACV20の航行方向、航行スピード等を決定できる。具体的には、例えば、前記画像において進行方向に障害物がある場合は、前記障害物を迂回するような方向にACV20を航行させたり、前記画像において周囲に雑草がある場合は、薬剤処理を効果的に行うために、ACV20の航行スピードを減速する等である。そして、決定した航行条件を操縦制御データとして、操縦端末10からACV20に、送信する(S100)。他方、ACV20は、前記操縦制御データを受信し(S101)、前記操縦制御データに基づいて、航行する(S102−03)。
【0060】
また、操縦者は、同様に、操縦端末10の表示部105の表示内容、例えば、ACV20の周囲の画像に基づいて、さらに、ACV20からの薬剤散布の有無、薬剤散布量等を決定できる。具体的には、例えば、前記画像において周囲に雑草がない場合は、薬剤散布をOFFにする、前記画像において周囲に雑草がある場合は、薬剤散布をONにする、前記雑草の量に応じて、薬剤散布量を変化させる等である。そして、決定した散布条件を操縦制御データとして、操縦端末10からACV20に、送信する(S100)。他方、ACV20は、前記操縦制御データを受信し(S101)、前記操縦制御データに基づいて、薬剤散布する(S102−4)。
【0061】
また、操縦者は、ACV20を航行させながら、各種データをセンシングする(S102−2)。このセンシングデータは、水田の状態を示すリアルタイムの情報である。このため、分析を行い、水田のマップデータに紐づけし(S105)、その分析結果を、例えば、画像と共に表示することで(S106)、水田の状態をリアルタイムで管理することができる。
【0062】
このように、本発明によれば、水田においてACVを航行させながら、水田の各領域の撮像データと、前記各領域の状態を示すセンシングデータを取得できる。そして、前記撮像データと前記センシングデータとを、水田のマップデータと紐づけすることにより、操縦者は、リアルタイムで、水田の状態を把握できることから、適切な薬剤散布が可能となる。
【0063】
具体的には、例えば、前記撮像データにおいて、除去対象物(例えば、雑草等)が確認されなければ、薬剤散布を行わず、前記除去対象物が確認された場合のみ、薬剤散布を行うことができ、前述のようなピンポイントの薬剤散布が可能となる。また、前記撮像データに基づいて、前記除去対象物の量に応じて、散布する薬剤量を調節することが可能となる。また、例えば、前記撮像データにおいて生育対象物(例えば、稲苗、稲葉鞘等)が確認された場合は、前記撮像データに基づいて、前記生育対象物にあたらないように、前記ACVの航行を調節することも可能である。また、飛行ドローンではなく、前記ACVを使用するため、空中における薬剤の不要な拡散も防止できる。
【0064】
また、前記センシングデータの取得により、水田の状態を把握することができる。このような水田の状態のデータを蓄積することによって、例えば、今後の前記生育対象物の育成計画等に反映することも可能となる。具体例としては、例えば、薬剤の選択、肥料の選択、消毒の要否等の計画である。
【0065】
本発明によれば、前述のような効果から、例えば、農業者の水田圃場管理のための精細な圃場管理データ収集および分析と同時に、除草剤散布作業を効率化し、減農薬農法への一助にもなり、農薬コストを低減させ、農薬の除草効率の向上にも期待できると考えられる。
【0066】
[実施形態2]
実施形態2は、実施形態1における端末10とACV20について、さらに具体的な実装機能と、プロセスの関連とを、例示する。
【0067】
下記表1に、端末10が備える機能およびACV20が備える機能を例示する。
【0068】
【表1】
【0069】
また、これらの機能を備える端末10とACV20とのプロセスの関係性を、図4に示す。
【0070】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、前述のリアルタイム管理方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0071】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0072】
この出願は、2017年12月28日に出願された日本出願特願2017―254592を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【0073】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
【0074】
[付記1]
薬剤散布用水上エアクッション艇と、前記エアクッション艇を操縦する操縦端末とを含み、
前記エアクッション艇と前記操縦端末とは、通信回線網を介して接続可能であり;
前記エアクッション艇は、
送受信部、撮像部、センサ部、航行部、薬剤散布部、および操縦制御部を有し、
前記撮像部は、前記エアクッション艇の周囲を撮像し、
前記センサ部は、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングし、
前記航行部は、前記エアクッション艇を航行させ、
前記薬剤散布部は、前記エアクッションに搭載された薬剤を散布し、
前記送受信部は、前記操縦端末から、操縦制御データを受信し、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信し、
前記操縦制御部は、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御し;
前記操縦端末は、
送受信部、分析部、記憶部、および表示部を有し、
前記送受信部は、前記エアクッション艇から、前記撮像データ、および前記センシングデータを受信し、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信し、
前記分析部は、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけし、
前記記憶部は、前記水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信した受信データ、および前記分析部により分析した分析データを、記憶し、
前記表示部は、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する
ことを特徴とする水田のリアルタイム管理システム。
[付記2]
前記撮像部が、画像解析用途の高解像度カメラである、付記1に記載の水田のリアルタイム管理システム。
[付記3]
前記センサ部が、水位センサ、温度センサ、pHセンサ、窒素濃度センサ、リン濃度センサ、および尿素濃度センサからなる群から選択された少なくとも一つである、付記1または2に記載の水田のリアルタイム管理システム。
[付記4]
前記操縦端末が、スマートフォンまたはタブレットである、付記1から3のいずれかに記載の水田のリアルタイム管理システム。
[付記5]
送受信部、撮像部、センサ部、航行部、薬剤散布部、および操縦制御部を有し、
前記撮像部は、エアクッション艇の周囲を撮像し、
前記センサ部は、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングし、
前記航行部は、前記エアクッション艇を航行させ、
前記薬剤散布部は、前記エアクッションに搭載された薬剤を散布し、
前記送受信部は、操縦端末から、操縦制御データを受信し、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信し、
前記操縦制御部は、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御し、
前記操縦端末と、通信回線網を介して接続可能であることを特徴とする
薬剤散布用水上エアクッション艇。
[付記6]
前記撮像部が、画像解析用途の高解像度カメラである、付記5に記載の薬剤散布用水上エアクッション艇。
[付記7]
前記センサ部が、水位センサ、温度センサ、pHセンサ、窒素濃度センサ、リン濃度センサ、および尿素濃度センサからなる群から選択された少なくとも一つである、付記5または6に記載の薬剤散布用水上エアクッション艇。
[付記8]
送受信部、分析部、記憶部、および表示部を有し、
前記受信部は、エアクッション艇から、撮像データ、およびセンシングデータを受信し、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信し、
前記分析部は、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけし、
前記記憶部は、水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信した受信データ、および前記分析部により分析した分析データを記憶し、
前記表示部は、前記マップデータと前記分析データとを紐づけて表示し、
前記エアクッション艇と、通信回線網を介して接続可能であることを特徴とする
薬剤散布用水上エアクッション艇用の操縦端末。
[付記9]
前記操縦端末が、スマートフォンまたはタブレットである、付記8に記載の薬剤散布用水上エアクッション艇用の操縦端末。
[付記10]
付記5から7のいずれかに記載の薬剤散布用水上エアクッション艇と、付記8または9に記載の操縦端末を使用し、
前記エアクッション艇と前記操縦端末とを、通信回線網を介して接続し;
前記操縦端末の送受信部により、前記エアクッション艇へ、操縦制御データを送信する送信工程、
前記エアクッション艇の送受信部により、前記操縦端末からの前記操縦制御データを受信する受信工程、
前記エアクッション艇の前記撮像部により、前記エアクッション艇の周囲を撮像する撮像工程、
前記エアクッション艇の前記センサ部により、前記エアクッション艇の周囲の環境要因をセンシングするセンシング工程、
前記エアクッション艇の航行部により、前記エアクッション艇を航行させる航行工程、
前記エアクッション艇の薬剤散布部により、前記エアクッション艇に搭載された薬剤を散布する工程、
前記エアクッション艇の送受信部により、前記操縦端末からの操縦制御データを受信する工程、
前記エアクッション艇の操縦制御部により、前記操縦制御データに基づいて、各部の操縦を制御する工程、
前記エアクッションの送受信部により、前記操縦端末へ、前記撮像部による撮像データ、および前記センサ部によるセンシングデータを送信する工程、
前記操縦端末の送受信部により、前記エアクッションからの前記撮像データ、および前記センシングデータを受信する工程、
前記操縦端末の分析部により、前記撮像データおよび前記センシングデータを分析して、水田のマップデータに紐づけする工程、
前記操縦端末の前記記憶部により、前記水田のマップデータ、前記エアクッション艇から受信したデータ、および前記分析部により分析した分析データを、記憶する工程、
前記操縦端末の表示部により、前記水田のマップデータと前記分析データとを紐づけて表示する工程
を含むことを特徴とする水田のリアルタイム管理方法。
[付記11]
前記撮像データが、画像解析用途の高解像度カメラの画像データである、付記10に記載のリアルタイム管理方法。
[付記12]
前記センシングデータが、水位データ、温度データ、pHデータ、窒素濃度データ、リン濃度データ、および尿素濃度データからなる群から選択された少なくとも一つである、付記10または11に記載のリアルタイム管理方法。
[付記13]
前記操縦端末が、スマートフォンまたはタブレットである、付記10から12のいずれかに記載のリアルタイム管理方法。
[付記14]
付記10から13のいずれかに記載の水田のリアルタイム管理方法をコンピュータ上で実行可能なことを特徴とする、プログラム。
[付記15]
付記14に記載のプログラムを記録していることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、例えば、水田において薬剤散布用水上エアクッション艇を航行させながら、水田の情報を取得できるため、リアルタイムでも水田の管理を行うことができる。そして、リアルタイムでの水田の情報に基づいて、例えば、薬剤の散布の要否、薬剤散布が必要な領域の判断等も行える。このため、簡便に、水田の管理と薬剤散布の調節とが可能となる。
【符号の説明】
【0076】
1 リアルタイム管理システム
10 操縦端末
20 薬剤散布用水上エアクッション艇
101 送信部
102 受信部
103 分析部
104 記憶部
105 表示部
201 受信部
202 送信部
203 撮像部
204 センサ部
205 航行部
206 薬剤散布部
207 操縦制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6