(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、本実施形態と称する。)について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0010】
以下、
図1から
図4を参照しながら本実施形態に係る姿勢矯正用眼鏡1の構成について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る姿勢矯正用眼鏡1を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る姿勢矯正用眼鏡1を示す平面図である。
図3は、
図2における部分Aを示す拡大断面概略図である。
図4は、右側の脚部4aを示す構成概略図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る姿勢矯正用眼鏡1は、ユーザの姿勢(例えば、座り姿勢)が正しくない場合、このような姿勢をパラメータ解析によって判定し、姿勢の矯正を促す警告を報知するスマート眼鏡である。姿勢矯正用眼鏡1は、レンズ2、レンズ保持枠3及び二つの脚部4を備える。
【0013】
レンズ2は、ユーザの視力を矯正するためのものである。レンズ2は、必要に応じて、ガラス材によって構成されてもよく、樹脂材によって構成されてもよい。なお、レンズ2は、ユーザの視力を矯正しないものであってもよい。
【0014】
レンズ保持枠3は、レンズ2を保持するための枠である。また、レンズ保持枠3は、例えば、ポリアミドやポリカボネート等の樹脂材によって構成される。
図3に示すように、レンズ保持枠3の両側には、脚部4とヒンジ接続するための一対の取付座5が設けられる。また、レンズ保持枠3の両側縁には、上下方向に沿って延在する一対の旋回規制壁面31が形成される。各旋回規制壁面31は、脚部4の過度旋回を規制し、姿勢矯正用眼鏡1の使用状態(展開状態)において脚部4の位置決めをするための壁面である。
【0015】
各取付座5は、レンズ保持枠3と二つの脚部4とをヒンジ接続するための座部である。取付座5は、例えば、チタン合金等の金属材によって構成される。これにより、ヒンジ接続の必要強度を確保することができる。また、取付座5は、レンズ保持枠3の両側に埋設される埋設部51(
図3参照)と、レンズ保持枠3の両側から露出する取付座本体52と、を有する。各取付座本体52には、上下方向に沿って貫通する軸孔521が形成される。
【0016】
本実施形態では、レンズ保持枠3は、樹脂材によって構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、チタン合金等の金属材によって構成されてもよい。この場合、取付座5は、取付座本体52のみによって構成される。なお、レンズ保持枠3と一対の取付座5とは、一体形成されてもよい。
【0017】
二つの脚部4は、レンズ保持枠3の両側とヒンジ接続されるものである。二つの脚部4は、例えば、ポリアミドやポリカボネート等の樹脂材によって構成される。二つの脚部4の前端側には、レンズ保持枠3の両端に設けられる一対の取付座5とヒンジ接続するための一対の接続座6が設けられる。また、二つの脚部4は、一方の脚部としての右側の脚部4aと、他方の脚部としての左側の脚部4bと、から構成される。なお、右側の脚部4aと左側の脚部4bとは、同一の外形を有する。
【0018】
左側の脚部4bは、樹脂材によって中実に成形される。
【0019】
図4に示すように、右側の脚部4aは、中空の収容部41aと、収容部41aの一端としての後端に接続される中実の耳掛け部42aと、を備える。
【0020】
図1及び
図4に示すように、収容部41a内には、検出部としての距離検出センサ7、光検出センサ8、回路基板9、報知手段としてのスピーカ10及び電池11が収容される。
【0021】
距離検出センサ7は、ユーザ(姿勢矯正用眼鏡1)から目標物(例えば、書籍、スマートフォン、テレビ、モニタ等)までの距離を検出するためのセンサである。また、本実施形態では、距離検出センサ7は、レーザ光の発信からレーザ光の受信までの時間を距離に換算するレーザ距離検出センサ超音波距離検出センサによって構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、超音波距離検出センサによって構成されてもよい。距離検出センサ7は、収容部41aの他端としての前端に設けられる。
【0022】
光検出センサ8は、外部環境の光強度を検出するためのセンサである。光検出センサ8は、収容部41aの頂壁4113a側に設けられる。
【0023】
回路基板9は、距離検出センサ7と隣接するように距離検出センサ7の後方に設けられる。回路基板9には、姿勢矯正用眼鏡1を制御する制御部(CPU/図示しない)が搭載される。制御部は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。また、制御部は、距離検出センサ7及び光検出センサ8から出力される検出値に基づいて、ユーザの姿勢が正しいかどうかを判定し、ユーザの姿勢が正しくないと判定した場合、報知指令を生成してスピーカ10に出力する制御部である。
【0024】
スピーカ10は、制御部から出力される報知指令に基づいて警告音を発することによって、ユーザに姿勢の矯正を促す。スピーカ10は、収容部41aの後端側に設けられる。また、本実施形態では、報知手段は、スピーカ10によって構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、振動器によって構成されてもよい。
【0025】
電池11は、距離検出センサ7、光検出センサ8、回路基板9、スピーカ10に電気を供給するための電源である。電池11は、回路基板9とスピーカ10との間に設けられる。
【0026】
このように、距離検出センサ7、光検出センサ8、回路基板9、スピーカ10及び電池11を右側の脚部4aの収容部41aに集約するので、距離検出センサ7、光検出センサ8、回路基板9、スピーカ10及び電池11を各パーツ(具体的には、レンズ保持枠3や二つの脚部4)に分散させる眼鏡に比べ、電気配線がしやすくなるとともに製造コストを大幅に低下させることができる。また、各部品が壊れた場合であって、壊れた部品のみを取り換えれば足りるので、ユーザの使用コストを低下させることもできる。
【0027】
本実施形態では、収容部41aには、距離検出センサ7、光検出センサ8、回路基板9、スピーカ10及び電池11が収容されているが、これに限定されるものではなく、例えばこれらの部品に加え、温湿度を検出するための温湿度検出センサや他の電子機器と通信するための通信ユニットが収容されてもよい。この場合、制御部は、より正確な判定を行うことができる。
【0028】
収容部41aは、収容ケース411a及び蓋部412aを有する。
【0029】
本実施形態では、収容ケース411aは、耳掛け部42aと一体成形されているが、これに限定されるものではなく、例えば、耳掛け部42aとは別体形成されてもよい。
【0030】
収容ケース411aは、底壁4111aに開口413aが形成されるボトムオープンボックスタイプのケースである。収容ケース411aの前壁4112aには、距離検出センサ7を露出させるための窓部414aが形成される。
【0031】
収容ケース411aの頂壁4113aには、取付部としての取付台12が固定される。具体的には、蓋部412aと対向する頂壁4113aの内側面には、取付台12が固定される。回路基板9は、取付台12を介して頂壁4113aに固定される。なお、頂壁4113aは、姿勢矯正用眼鏡1の使用状態(展開状態)及び姿勢矯正用眼鏡1の非使用状態(折り畳み状態)のいずれにおいて、レンズ保持枠3から離間する。
【0032】
蓋部412aは、板状に形成される。蓋部412aは、例えば、ねじ締めによって収容ケース411aの開口413aを閉止する。蓋部412aは、姿勢矯正用眼鏡1の使用状態(展開状態)及び姿勢矯正用眼鏡1の非使用状態(折り畳み状態)のいずれにおいて、レンズ保持枠3と対向する。
【0033】
頂壁4113aと背向する蓋部412aの外側面は、姿勢矯正用眼鏡1の使用状態(展開状態/
図3参照)において旋回規制壁面31と当接することによって、右側の脚部4aは、その旋回が規制されて位置決めされる。
【0034】
このように、姿勢矯正用眼鏡1の使用状態における脚部4aの位置決めは、レンズ保持枠3の側縁に位置する旋回規制壁面31と脚部4aの蓋部412aの外側面との当接によって実現されるので、脚部4aの収容部41aの前端(具体的には、収容ケース411aの前壁4112a)を、レンズ保持枠3によって遮られることなく、露出させることができる。この結果、距離検出センサ7をレンズ保持枠3ではなく、脚部4aの収容部41aの前端に設けることができ、距離検出センサ7と回路基板9とを電気的に接続するための電気配線がしやくなる。
【0035】
蓋部412aには、接続座6が設けられる。接続座6は、例えば、チタン合金等の金属材によって構成される。これにより、ヒンジ接続の必要強度を確保することができる。また、接続座6は、蓋部412aの前端側に埋設される一部としてのアンカー部61と、蓋部412aから露出する接続座本体62と、を有する。接続座本体62は、上下方向から取付座本体52を挟持するための一対の挟持片621を有する。一対の挟持片621の間には、取付座本体52を挿入させるための間隙が形成される。また、一対の挟持片621には、上下方向に沿って貫通する軸孔622が形成される。
【0036】
取付座本体52が一対の挟持片621によって挟持された状態において、図示しない接続軸を取付座本体52の軸孔521及び挟持片621の軸孔622に挿入させることによって、取付座5と接続座6とのヒンジ接続を容易に実現することができる。
【0037】
蓋部412aには、収容ケース411aの頂壁4113aと対向する突出部としての突出台4121aが設けられる。突出台4121aには、接続座6のアンカー部61が埋設される。これにより、アンカー部61が突出台4121aに埋設されていないものに比べ、脚部4aの収容部41aの蓋部412aへの接続座6の取付安定性を確保することができる。
【0038】
突出台4121aは、蓋部412aと樹脂材によって一体成形される。これにより、接続座のアンカー部61を確実に突出台4121a内に封止することができる。また、突出台4121aは、収容ケース411aの頂壁4113aから離間する。すなわち、突出台4121aと頂壁4113aとの間には、間隙が形成される。
【0039】
蓋部412aの突出台4121aと回路基板9との間には、スペーサ13が挟持される。すなわち、スペーサ13は、その一側面及び他側面がそれぞれ突出台4121aの頂面及び回路基板9の片面と当接するように設けられる。これにより、アンカー部61が埋設される突出台4121aは、スペーサ13、回路基板9及び取付台12によって収容ケース411aの頂壁4113aに支持されるので、脚部4aの収容部41aへの接続座6の取付安定性をより確保することができる。
【0040】
距離検出センサ7と回路基板9とを電気的に接続するための電気配線(図示しない)は、突出台4121aと頂壁4113aとの間隙を通過する。これにより、突出台4121aと頂壁4113aとの間に間隙が形成されない場合において電気配線を突出台4121aを迂回するようなことなく、容易に突出台4121aと頂壁4113aとの間隙に設けることができるので、電気配線がよりしやすくなる。
【0041】
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
【0042】
本実施形態に係る姿勢矯正用眼鏡1は、レンズ2と、レンズ2が保持されるレンズ保持枠3と、レンズ保持枠3の両側とヒンジ接続される二つの脚部4と、を備え、右側の脚部4aは、回路基板9が収容される中空の収容部41aであって、底壁4111aに開口413aが形成されるボトムオープンボックスタイプの収容ケース411aと、開口413aを閉止する蓋部412aと、を有する収容部41aを備え、蓋部412aの内側面には、収容ケース411aの頂壁4113aと対向する突出台4121aが設けられ、突出台4121aには、レンズ保持枠3の右側とヒンジ接続するための接続座6のアンカー部61が埋設される。
【0043】
この構成によれば、蓋部412aの突出台4121aには、接続座6のアンカー部61が埋設されるので、アンカー部61が突出台4121aに埋設されていないものに比べ、脚部4aの収容部41aの蓋部412aへの接続座6の取付安定性を確保することができる。
【0044】
また、本実施形態では、回路基板9は、取付台12を介して頂壁4113aに固定され、突出台4121aと回路基板9との間には、スペーサ13が挟持される。
【0045】
この構成によれば、アンカー部61が埋設される突出台4121aは、スペーサ13、回路基板9及び取付台12によって収容ケース411aの頂壁4113aに支持されるので、脚部4aの収容部41aへの接続座6の取付安定性をより確保することができる。
【0046】
また、本実施形態では、右側の脚部4aは、収容部41aの一端に接続される中実の耳掛け部42aをさらに有し、収容部41aの他端には、ユーザ(姿勢矯正用眼鏡1)から目標物までの距離を検出するための距離検出センサ7が設けられ、距離検出センサ7と回路基板9とを電気的に接続するための電気配線は、突出台4121aと頂壁4113aとの間隙を通過する。
【0047】
この構成によれば、突出台4121aと頂壁4113aとの間に間隙が形成されない場合において電気配線を突出台4121aを迂回するようなことなく、容易に突出台4121aと頂壁4113aとの間隙に設けることができるので、電気配線がよりしやすくなる。
【0048】
また、本実施形態では、蓋部412aと突出台4121aとは、樹脂材によって一体成形される。
【0049】
この構成によれば、接続座のアンカー部61を確実に突出台4121a内に封止することができる。
【0050】
以上、本実施形態及び各変形例について説明したが、上記実施形態及び各変形例は、本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。