特許第6962622号(P6962622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962622付加製造装置のためのガスフローシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962622
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】付加製造装置のためのガスフローシステム
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/70 20210101AFI20211025BHJP
   B22F 12/20 20210101ALI20211025BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20211025BHJP
   B22F 10/322 20210101ALI20211025BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20211025BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20211025BHJP
   B29C 64/371 20170101ALI20211025BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20211025BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20211025BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20211025BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20211025BHJP
【FI】
   B22F12/70
   B22F12/20
   B22F10/28
   B22F10/322
   B29C64/153
   B29C64/268
   B29C64/371
   B29C64/393
   B33Y30/00
   B33Y40/00
   B33Y50/02
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-525885(P2020-525885)
(86)(22)【出願日】2018年11月2日
(65)【公表番号】特表2021-502485(P2021-502485A)
(43)【公表日】2021年1月28日
(86)【国際出願番号】US2018058880
(87)【国際公開番号】WO2019094283
(87)【国際公開日】20190516
【審査請求日】2020年5月27日
(31)【優先権主張番号】62/584,149
(32)【優先日】2017年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】マムラーク、ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】レディング、マッケンジー ライアン
【審査官】 ▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−125643(JP,A)
【文献】 特開2017−061745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F3/105,3/16
B29C64/153,64/286,64/371,64/393
B33Y10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造装置(900)であって、
ビルドプラットフォーム(902)と、
ビルドユニット(904)と、
前記ビルドプラットフォーム(902)の上方に配置され、ビルド領域(918)で前記ビルドユニット(904)を移動可能に支持するガントリ(916)と、
凝縮ループ(942)と、前記ビルド領域(918)を通して第1のガス(946)を循環させるために前記凝縮ループ(942)に動作可能に結合された第1のガス循環装置(944)と、を備える凝縮物排出サブシステム(940)と、
パージエアループ(966)と、前記付加製造装置(900)の少なくとも1つの高感度構成要素(964)を覆って第2のガス(962)を循環させるために前記パージエアループ(966)に動作可能に結合された第2のガス循環装置(968)と、を備える閉ループサブシステム(960)と、を含む付加製造装置(900)。
【請求項2】
電子部品(982)を収容する電子機器区画(980)と、
前記電子機器区画(980)と流体連通する冷却ループ(986)と、前記電子機器区画(980)を通して第3のガス(990)を循環させて電子部品(982)を冷却するために、前記冷却ループ(986)と動作可能に連結された第3のガス循環装置(988)とを含む電子機器冷却サブシステム(984)と、をさらに備える、請求項1記載の付加製造装置(900)。
【請求項3】
前記凝縮ループ(942)は、排出ポート(950)及び吸入ポート(952)を画定し、前記排出ポート(950)及び前記吸入ポート(952)は、前記第1のガス(946)を作業面(902)の上を循環させるために、前記作業面(902)に近接して配置される、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項4】
前記第1のガス(946)と前記第2のガス(962)とは異なるガスである、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項5】
前記第1のガス(946)及び前記第2のガス(962)は、アルゴンガスまたは窒素ガスである、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項6】
前記第1のガス(946)及び前記第2のガス(962)は、大気圧よりも大きい異なる圧力を有する、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項7】
前記第1のガス(946)は、前記第2のガス(962)よりも低い圧力かつ高い流量で循環される、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項8】
前記凝縮物排出サブシステム(940)および前記閉ループサブシステム(960)のうちの少なくとも1つは、フィルタ(992)を備える、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項9】
前記第1のガス循環装置(944)及び前記第2のガス循環装置(968)が、圧縮ポンプまたは送風機である、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記高感度構成要素(964)が前記ガントリ(916)であり、前記パージエアループ(966)が前記第2のガス(962)を前記ガントリ(916)の上を循環させるように位置決めされ方向付けられている、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項11】
少なくとも1つの前記高感度構成要素(964)が前記ビルドユニット(904)のスキャナ(908)であり、前記パージエアループ(966)が前記スキャナ(908)のレンズ(914)上で前記第2のガス(962)を循環させるように配置され方向付けられている、請求項1に記載の付加製造装置(900)。
【請求項12】
前記凝縮物排出サブシステム(940)は、粉体層に近接して平行に前記第1のガス(946)の実質的な層流を生成する、請求項1に記載の付加製造装置(900)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願人は、2017年11月10日に出願された米国仮特許出願第62/584,149号「付加製造装置のためのガスフローシステム」に優先権を主張し、その開示は本明細書に引用として組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、例えば、より大きなスケールのフォーマットで直接溶融レーザ製造(DMLM)によって、付加製造(AM)プロセスを実行するように適合された方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
付加製造(AM)プロセスは、除法製造法とは対照的に、ネットまたはニアネットシェイプ(NNS)オブジェクトを作るために、一般に1つ以上の材料の構築を含む。「付加製造」は業界標準用語(ISO/ASTM52900)であるが、AMは、フリーフォーム製造、3D印刷、ラピッドプロトタイピング/ツーリングなど、様々な名称で知られる様々な製造およびプロトタイピング技術を包含する。AM技術は、様々な材料から複雑な部品を製造することができる。一般に、自立物体は計算機援用設計(CAD)モデルから作製できる。
【0004】
特定のタイプのAMプロセスは、エネルギビーム、例えば、電子ビーム又はレーザビームを方向付ける照射放射指向装置のようなエネルギ源を用いて粉末材料を焼結又は溶融させ、粉末材料の粒子が互いに結合された固体三次元物体を生成する。AMプロセスは、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性エラストマ、金属、及びセラミックのような異なる材料システム又は添加剤粉末を使用することができる。レーザ焼結または融解は、機能的プロトタイプおよびツールの迅速な製造のための注目すべきAMプロセスである。用途としては、複雑な被削材の直接製造、インベストメント鋳造用のパターン、射出成形やダイカスト用の金型、砂鋳造用の金型やコアなどがある。設計サイクル中のコンセプトの通信とテストを強化するためのプロトタイプオブジェクトの製作は、AMプロセスの他の共通の使用法である。
【0005】
選択的レーザ焼結、直接レーザ焼結、選択的レーザ溶融、および直接レーザ溶融は、微粉末を焼結または溶融するためにレーザビームを用いることによって三次元(3D)物体を製造することを指すために使用される一般的な工業用語である。より正確には、焼結は、粉末材料の融点以下の温度で粉末の粒子を融合(凝集)させることを伴い、一方、融解は、固体均質塊を形成するために粉末の粒子を完全に融解させることを伴う。レーザ焼結またはレーザ溶融に関連する物理的プロセスは、粉末材料への熱伝達を含み、次いで、粉末材料を焼結または溶融することのいずれかを含む。レーザ焼結及び溶融プロセスは広範囲の粉末材料に適用できるが、例えば焼結又は溶融速度及び層製造プロセス中のミクロ組織変化に及ぼす加工パラメータの影響のような製造ルートの科学的及び技術的側面は十分に理解されていない。この製造方法は、熱、質量および運動量移動、およびプロセスを非常に複雑にする化学反応の複数のモードを伴う。
【0006】
直接金属レーザ焼結(DMLS)または直接金属レーザ溶融(DMLM)の間、装置はエネルギビームを用いて粉末材料を焼結または溶融することにより層毎に物体を構築する。エネルギビームによって溶融されるべき粉体はビルドプラットフォーム上の粉体層上に均等に広げられ、エネルギビームは照射放射指向装置の制御の下に構築される物体の断面層を焼結又は溶融させる。ビルドプラットフォームを下げ、もう一つの粉体層を粉体ベッドと構築中の物体の上に広げ、続いて粉体を連続的に溶融/焼結する。このプロセスは、部品が溶融/焼結粉末材料から完全に構成されるまで繰り返される。
【0007】
部品の製造が完了した後、種々の後処理手順を部品に適用することができる。後処理手順には、例えば、ブローまたは真空引きによる余分な粉体の除去が含まれる。他の後処理手順には、応力解放プロセスが含まれる。加えて、熱的および化学的後処理手順を使用して、部品を仕上げることができる。
【0008】
従来のAM装置は、装置内で幾つかの機能を実行するために構成された単一ガスループシステムを含む。このガスループシステムは、ガス又は他の流体と、そのガスループ内でそのガスを循環させるための循環ポンプとを含む閉鎖系又は実質的に閉鎖系であってもよい。一例として、従来のAM装置用のガスループシステムは、添加剤粉末の照射によって発生するヒューム、凝縮物、及び他の副産物を排出するために使用することができる。さらに、同じガスループシステムを使用して、1つまたは複数のノズルを通してパージエアをAM装置の高感度構成要素に供給して、それらの構成要素を洗浄し、高感度構成要素の動作に影響を及ぼす可能性のある汚染物質の蓄積を除去または低減することができる。さらに、電子部品の動作を所望の温度以下に保つために、同じガスループシステムを使用して電子機器区画を冷却してもよい。
【0009】
特に、循環ガスが、そのサブシステムに特有の流れ特性を有する特定のタイプのガスである場合には、上述のサブシステムの各々が最良に機能し得る。例えば、電子機器を冷却したり、ビルドエリアからの凝縮物の排出を提供したりするために、低圧、高流量で第1のガスを流すことが望ましい場合がある。対照的に、AM装置の特定の構成要素を清浄にするためにパージエアを供給するために、第2のガスを高圧および低流量で流すことが望ましい場合がある。さらに、1つの機能のためにガスの流れを使用することは、より多くの微粒子を抽出することができ、異なるタイプのフィルタを必要とする場合や、フィルタをまったく必要としない場合がある他のものよりも多くの空気のフィルタリングを必要とする場合がある。
【0010】
従って、様々な機能を実行するためのより汎用性の高いガスフローループを備えたAM装置が有用であろう。より詳細には、エレクトロニクス冷却、凝縮物排出、及びパージエアによる部品洗浄のような機能を全く改善された効率及び有効性で実行する付加製造機のためのガスフローシステムは、特に有益であろう。
【発明の概要】
【0011】
側面及び利点は、以下の説明において部分的に記載されるか、又は明細書から自明であるか、又は発明の実践を通じて学ぶことができる。
【0012】
本主題の一実施形態によれば、付加製造機が提供される。付加製造装置は、ビルドプラットフォーム、ビルドユニット、およびビルドプラットフォームの上に配置され、ビルドエリア内でビルドユニットを移動可能に支持するガントリを含む。凝縮物排出サブシステムは、凝縮ループと、第1のガスを、ビルド領域を通して循環させるために、凝縮ループに動作可能に連結された第1のガス循環装置とを含む。閉ループサブシステムは、パージエアループと、第2のガスを付加製造装置の少なくとも1つの高感度構成要素を覆って循環させるために、パージエアループに動作可能に結合された第2のガス循環装置とを含む。
【0013】
別の例示的な実施形態によれば、付加製造装置を操作する方法が提供される。この方法は、第1のガスを、凝縮ループを通して、かつ付加製造装置のビルド領域を通して循環させ、第2のガスを、パージエアループを通して、かつ粒子を除去するための付加製造装置の高感度構成要素を通過させることを含む。
【0014】
さらに別の例示的な実施形態によれば、付加製造装置が提供される。付加製造装置は、複数のサブシステム及び複数のガス循環ループを含み、ガス循環ループの各々は、複数のサブシステムのうちの1つのみに関連している。
【0015】
これらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および従属請求項を参照して、より良く理解されるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものであり、本発明の実施形態を図示し、明細書とともに、本発明のある原理を説明する役割を果たす。
【0016】
当業者に向けられた、その最良のモードを含む、本発明の完全かつ可能な開示は、添付の図を参照するようにした明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による大規模な付加製造装置を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるビルドユニットの側面図を示す。
図3】本発明の一実施形態による、粉体を分配するビルドユニットの側面図を示す。
図4】本発明の一実施形態によるビルドユニットの上面図を示す。
図5】本発明の一実施形態によるリコータの上面図を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による、2つのビルドユニットを備えた大規模な付加製造装置を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による付加製造装置の複数のガスフローシステムの概略図を示す図である。
図8】本発明の一実施形態による付加製造装置およびガスフローシステムとともに使用するための例示的な制御システムを示す。
図9】本発明の一実施形態の例示的な方法の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書及び図面における参照文字の繰り返し使用は、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【0019】
ここで、本発明の実施例を詳細に参照する。その1つ以上の実施例が図面に示されている。それぞれの実施例は、本発明の限定ではなく、本発明の説明として提供される。実際、本発明の範囲または意図から逸脱することなく、本発明において種々の修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示され又は説明された特徴は、さらに別の実施形態と共に使用され、更なる実施形態をもたらすことができる。従って、本発明は、特許請求範囲及びその同等物の範囲内にあるような修正及び変形を包含することが意図されている。
【0020】
本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、および「第3」は、1つの構成要素を互いに区別するために交換可能に使用されてもよく、個々の構成要素の位置または重要性を意味するものではなく、さらに、「上流」および「下流」という用語は、流体経路における流体の流れに対する相対的方向を指し、例えば、「上流」は、流体がそこから流れる方向を指し、「下流」は、流体がそこへ流れる方向を指し、さらに、本明細書で使用されるように、「ほぼ」、「実質的に」、または「約」などの近似する用語は、誤差の10パーセント以内であるよう参照されたい。
【0021】
付加製造装置は、一般に、粉体層の近くの付加製造製品の副産物を除去するための凝縮物排出サブシステム、高感度機械構成要素から汚染物質を洗浄するための閉ループサブシステム、および/または電子機器区画を冷却するための電子機器冷却サブシステムなどの複数のサブシステムを含む、提供される。各サブシステムは、ガスの清浄な流れをサブシステムの各々に促して特定の機能を果たすために、ガス循環装置に動作可能に連結された専用のガス循環ループを含むことができる
【0022】
図1は、本発明に係る大型付加製造装置300の一実施形態の一例を示す。装置300は、位置決めシステム301と、照射放射指向装置303を備えるビルドユニット302と、層流ガスフローゾーン307と、構築中の物体309の下のビルドプレート(本図では図示せず)とを備える。最大ビルド領域は、従来のシステムと同様に粉体ベッドによってではなく、位置決めシステム301によって規定され、特定のビルドのためのビルド領域は、オブジェクトと共に動的に構築され得るビルドエンベロープ308に閉じ込めることができる。ガントリ301は、ビルドユニット302をX方向に移動させるXクロスビーム304を有する。ビルドユニット302およびXクロスビーム304をZ方向に移動させる2つのZクロスビーム305Aおよび305Bがある。Xクロスビーム304およびビルドユニット302は、ビルドユニット302をY方向に移動させる機構306によって取り付けられる。本発明の一実施形態のこの図では、位置決めシステム301は、ガントリであるが、本発明は、ガントリを使用することに限定されない。一般に、本発明で使用される位置決めシステムは、デルタロボット、ケーブルロボット、ロボットアームなどの任意の多次元位置決めシステムであってもよい。照射発光指向装置303は、第2位置決めシステム(図示せず)によってビルドユニット302の内部を独立して移動させることができる。ビルドユニット廻りの雰囲気環境、すなわち「ビルド環境」、すなわち「封じ込めゾーン」は、典型的には、酸素含有量が典型的な周囲空気に対して減少するように、そして環境が減圧されるように制御される。
【0023】
また、レーザ光源の場合には、レーザ光照射を含む光子が照射発光指向装置によって指向される照射源があってもよい。照射源がレーザ源である場合、照射発光指向装置は、例えばガルボスキャナであってもよく、レーザ源はビルド環境の外側に配置されてもよい。これらの状況下では、レーザ照射は、任意の適切な手段、例えば、光ファイバケーブルによって照射放射指向装置に運ぶことができる。例示的な実施形態によれば、照射放射指向装置は、レーザビームを指向させるための光学制御ユニットを使用する。光学制御ユニットは、例えば、光学レンズ、偏向器、ミラー、および/またはビームスプリッタを含んでもよい。有利には、テレセントリックレンズを使用することができる。本発明の一実施形態による大規模な付加製造装置が作動中の場合、照射発光誘導装置がレーザビームを誘導するならば、一般に、図1、307および図2、404に例示されているように、実質的に層流のガスフローをガスフローゾーンに提供するガスフロー装置を含むことが有利である。
【0024】
照射源が電子源である場合、電子源は、照射放射指向装置によって指向されるe−ビームを構成する電子を発生させる。e−ビームはよく知られた照射源である。線源が電子源の場合、電子ビームが通過する空間に十分な真空を維持することが重要である。したがって、e−ビームの場合、ガスフローゾーンを横切るガスフローは存在しない(例えば、図1、307に示される)。照射源が電子源である場合、照射放射指向装置は、例えば、偏向コイル、集束コイル、または同様の要素を含み得る電子制御ユニットであってもよい。
【0025】
図1に図示されているように)ビルドユニット302を新しい位置に移動させて、形成されている物体309の新しい部分を構築することができるので、ビームの最大角を比較的小さな角度θとし、装置300が大きな部分を構築することを可能にする。ビルドユニットが静止している場合、θが0のときにエネルギビームが接触する粉体上の点がXY平面内の円の中心を画定し(θがほぼ0のときのビームの方向がZ方向を画定する)、エネルギビームが粉体に接触する円の中心から最も離れた点が円の外周上の点を画定する。この円はビームの走査領域を定義し、これは形成されている物体の最小断面積(ビームの走査領域と同じ平面内)より小さくてもよい。ビームの走査領域に対する物体の大きさに特に上限はない。
【0026】
いくつかの実施形態では、使用されるリコータは、選択的リコータである。一実施形態を図2から図5に示す。
【0027】
図2は、照射放射指向装置401と、加圧出口部分403Aを有するガスフロー装置403と、ガスフローゾーン404にガスフローを供給する真空入口部分403Bと、リコータ405とを備えるビルドユニット400を示す。ガスフローゾーン404の上方には、不活性環境419を収容する容器418がある。リコータ405は、背面プレート407と前面プレート408とを備えるホッパ406を有する。また、リコータ405は、少なくとも1つの作動要素409と、少なくとも1つのゲートプレート410と、リコータブレード411と、アクチュエータ412と、リコータアーム413とを有する。リコータは、取り付けプレート420に取り付けられる。図2はまた、例えば、付加製造またはMig/Tig溶接によって構築することができるビルドエンベロープ414と、形成されている物体415と、物体415を形成するために使用されるホッパ406に含まれる粉末416とを示す。この特定の実施形態では、アクチュエータ412は、作動要素409を作動させて、ゲートプレート410を前面プレート408から引き離す。一実施形態によると、アクチュエータ412は、例えば、空気圧アクチュエータであってもよく、作動要素409は、双方向弁であってもよい。一実施形態によると、アクチュエータ412は、例えば、ボイスコイルであってもよく、作動要素409は、バネであってもよい。また、前面プレート408と背面プレート407との間にはホッパ間隙417があり、対応するゲートプレートが作動要素によって粉体ゲートから引き離されたときに粉体を流すことができるようになっている。粉末416、背面プレート407、前面プレート408、およびゲートプレート410は、すべて同じ材料であってもよい。あるいは、背面プレート407、前面プレート408、およびゲートプレート410は、すべて同じ材料であってもよく、その材料は、コバルト−クロムなどの粉末材料と適合するものであってもよい。この特定の実施形態では、ガスフローゾーン404内のガスフローはY方向に流れるが、それを必要としない。リコータブレード411は、X方向の幅を有する。θがほぼ0のときの照射放射光の方向は、この図においてZ方向を規定する。ガスフローゾーン404内のガスフローは、実質的に層流であってもよい。照射放射指向装置401は、第2位置決めシステム(図示せず)によって独立して移動可能であってもよい。図2は、閉鎖位置にあるゲートプレート410を示す。
【0028】
図3は、図2のビルドユニットを示しており、ゲートプレート410は、(要素510によって示されるように)開位置にあり、作動要素509を有する。ホッパ内の粉末は、新鮮な粉末層521を作るために堆積され、これは、実質的に均等な粉末層522を作るために、リコータブレード511によって平滑化される。いくつかの実施形態では、実質的に均等な粉体層は、ビルドユニットが移動しているのと同時に照射されてもよく、それによって、ビルドユニットの連続動作が可能になり、したがって、物体のより速い生産が可能になる。
【0029】
図4は、図2のビルドユニットの上面図を示す。簡略化のために、物体と壁はここには示されていない。ビルドユニット600は、照射放射指向装置601と、ガスフロー装置603に取り付けられた取り付けプレート602と、ホッパ606と、リコータアーム611とを有する。ガスフロー装置は、ガス出口部分603Aおよびガス入口部分603Bを有する。ガスフロー装置603内には、ガスフローゾーン604が存在する。ガスフロー装置603は、ガスフローゾーン604内の層流ガスフローを提供する。リコータアーム611、作動要素612A、612B、および612C、ならびにゲートプレート610A、610B、および610Cを備えたリコータ605も存在する。また、リコータ605は、背面プレート607および前面プレート608を備えたホッパ606を有する。本発明の一実施形態のこの特定の図では、ホッパは、3つの異なる材料609A、609B、および609Cを含む3つの別個の区画に分割される。また、ガスフロー装置603からガスを供給し、その中にガスを供給するガス管613Aおよび613Bがある。
【0030】
図5は、一実施形態によるリコータの上面図を示し、ここで、リコータは、粉末材料701を収容する単一の区画のみを有するホッパ700を有する。3つのゲート板702A、702B、および702Cがあり、これらは、3つの作動要素703A、703B、および703Cによって制御される。リコータアーム704および壁705もある。リコータが、707によって示されるような壁内にある領域の上を通過するとき、対応するゲートプレート702Cは、その領域707内に粉末を堆積させるために開いた状態に保持されてもよい。リコータが、708として示された領域のような壁の外側にある領域の上を通過するとき、対応するゲートプレート702Cは、潜在的に粉体を浪費し得る壁の外側に粉体を堆積させることを回避するために、その対応する作動要素703Cによって閉鎖される。壁705内で、リコータは、706によって示されるような、粉体の離散ラインを堆積することができる。リコーターブレード(この図には示されていない)は、堆積した粉体を滑らかにする。
【0031】
有利には、本明細書に記載される装置および方法の実施形態による選択的リコータは、例えば、図4、606、610A、610B、および610C、ならびに図5、702A、702B、および702Cに図示されるように、独立して制御可能な粉末ゲートを備えた粉末堆積装置(例えば、ホッパ)を使用する粉末堆積の正確な制御を可能にする。粉末ゲートは、例えば、双方向弁またはスプリングであり得る少なくとも1つの作動要素(例えば、図2、409に図示されるように)によって制御され、各粉末ゲートは、粉末堆積の位置および量を微細に制御するために、特定の期間、特にパターンで開閉され得る(例えば、図4を参照)。ホッパは、複数のチャンバ、粉末ゲートに対応する各チャンバ、および特定の粉末材料を収容する各チャンバを備えるように、分割壁を含んでもよい(例えば、図4、および609A、609B、および609Cを参照)。別個のチャンバ内の粉末材料は同じであってもよいし、異なるものであってもよい。有利には、各粉末ゲートは、粉末堆積に対する制御ができるだけ微細になるように、比較的小さく作ることができる。各粉末ゲートは、例えば約2インチ以下、またはより好ましくは約1/4インチ以下の幅を有する。一般に、粉末ゲートが小さいほど、粉末堆積分解能は大きくなり、粉末ゲートの幅に特に下限はない。すべての粉体ゲートの幅の合計は、物体の最大幅よりも小さくてもよく、パワーゲートの幅の合計に対する物体の幅の特定の上限はない。有利には、一実施形態による単純なオン/オフ粉末ゲート機構は、より単純であり、したがって、誤動作を起こしにくい。また、有利には、粉体がより少ない部品に接触することを可能にし、これは汚染の可能性を減少させる。有利には、本発明の一実施形態によるリコータを使用して、はるかに大きな物体を構築することができる。例えば、リコータの最大XY断面積は、物体の最小断面積よりも小さくてもよく、リコータに対する物体の大きさに特に上限はない。同様に、リコータブレードの幅は、物体の最小幅よりも小さくすることができ、リコータブレードに対する物体の幅に特に上限はない。粉末が堆積された後、リコータブレードを粉末の上に通過させて、特定の厚さ、例えば約50ミクロン、好ましくは約30ミクロン、さらに好ましくは約20ミクロンの粉末の実質的に均等な層を作ることができる。本発明のいくつかの実施形態の別の特徴は、力フィードバックループである。選択的リコータ上に、リコータブレード上の力を検出するセンサが存在し得る。製造プロセスの間、ブレード上の期待される力が検出された力と実質的に一致しない時間がある場合、粉体粉体ゲートに対する制御を修正して、その差を補償することができる。例えば、粉体の厚い層を設けるべきであるが、ブレードが比較的低い力を受ける場合、このシナリオは、粉体ゲートが詰まっていることを示し、従って、通常よりも低い速度で粉体を分配する可能性がある。このような状況下では、十分な粉末を堆積させるために、粉末ゲートをより長時間開けることができる。一方、ブレードが比較的高い力を受けるが、提供される粉体の層が比較的薄い場合、これは、アクチュエータがそれらを閉じることが想定される場合であっても、粉体ゲートが適切に閉じられていないことを示す可能性がある。このような状況下では、システムを診断して修理できるようにビルドサイクルを一時停止すると、パーツ品質を構成せずにビルドを継続できるという利点があるかもしれない。本発明のいくつかの実施形態の別の特徴は、粉末層厚さを監視するためのカメラである。粉末層厚さに基づいて、粉末ゲートを制御して、多少の粉末を添加することができる。
【0032】
加えて、本発明の一実施形態による装置は、低酸素環境を容易にするために、2つ以上のガスゾーンを有する制御された低酸素ビルド環境を有してもよい。最初のガスゾーンは、作業面のすぐ上に配置される。第2のガスゾーンは、第1のガスゾーンの上方に配置されてもよく、同封物によって、より大きなビルド環境から隔離されてもよい。例えば、図2において、要素404は、第1のガスゾーンを構成し、要素419は、容器418によって収容される第2のガスゾーンを構成し、装置全体の周囲の環境は、制御された低酸素ビルド環境である。図2に図示される実施形態では、第1のガスフローゾーン404は、本質的に、ガスフロー装置403の内容積、すなわち、入口部分および出口部分(403Aおよび403B)の垂直(XZ平面)表面によって、入口部分のそれぞれの上端および下端からXY平面内の出口部分の上端および下端まで仮想表面を延在することによって、画定される容積である。照射放射指向装置がレーザビームを指向するとき、ガスフロー装置は、好ましくは、第1のガスゾーンを横切る実質的に層流のガスフローを提供する。これにより、レーザ溶融によって引き起こされる流出プルームの除去が容易になる。したがって、粉体層を照射すると、煙、凝縮物、その他の不純物が第1のガスフローゾーンに流入し、層流ガスフローによって粉体や被形成物から遠ざかるように移動する。煙、凝縮物、および他の不純物は、低圧ガス出口部分に流れ、最終的にはHEPAフィルタなどのフィルタに集められる。層流を維持することにより、前述の煙、凝縮物および他の不純物を効率的に除去することができ、同時に、レーザによって作り出された溶融池も、粉末層を乱すことなく、急速に冷却することができ、その結果、冶金学的特性が改善された、より高品質の部品が得られる。一態様では、ガスフロー体積内のガスフローは、毎秒約3メートルである。ガスは、X方向またはY方向のいずれかに流れることができる。
【0033】
第2の制御された雰囲気環境の酸素含有量は、それである必要はないが、第1の制御された雰囲気環境の酸素含有量に概ね等しい。両制御雰囲気環境の酸素含有量は比較的低いことが好ましい。例えば、1%以下であってもよいし、より好ましくは0.5%以下であってもよいし、さらに好ましくは0.1%以下であってもよい。非酸素ガスは、プロセスに適した任意のガスであってよい。例えば、周囲空気を分離することによって得られる窒素は、用途によっては便利な選択肢であり得る。用途によっては、ヘリウム、ネオン、またはアルゴンなどの他のガスを使用する場合がある。本発明の利点は、第1および第2の制御された雰囲気環境の比較的少量の容積内で低酸素環境を維持することがはるかに容易であることである。従来技術のシステム及び方法では、装置及び対象物全体の周囲のより大きな環境は、比較的低い酸素含有量、例えば1%以下を有するように厳密に制御されなければならない。これは、時間がかかり、高価であり、技術的に難しい場合がある。従って、比較的小さな体積のみが、このような比較的厳しい雰囲気制御を必要とすることが好ましい。したがって、本発明では、第1および第2の制御された雰囲気環境は、例えば、ビルド環境よりも量の点で100倍小さくてもよい。第1のガスゾーン、及び同様にガスフロー装置は、対象物の最小断面積よりも小さい最大XY断面積を有することができる。第1のガスゾーンおよび/またはガスフロー装置に対する物体のサイズには特に上限はない。有利には、照射放射ビーム(例えば、402および502として図示される)は、比較的低い酸素ゾーンである第1および第2のガスゾーンを通って発射する。そして、第1のガスゾーンが、実質的に層流のガスフローを有する層流のガスフローゾーンである場合、照射放射ビームは、前述の効率的な煙、凝縮物、及び他の汚染物又は不純物の除去のために、物体に対するより明瞭な視線を有するレーザビームである。
【0034】
本発明の1つの利点は、一部の実施形態では、ビルドプレートは垂直に静止していてもよい(すなわち、Z方向)。これにより、ビルドプレートは、ビルドプレートを上昇および下降させる何らかの機構を必要とする従来技術の方法およびシステムとは異なり、必要な限り多くの材料を支持することが可能となり、したがって、使用できる材料の量が制限される。従って、本発明の装置は、大きな(例えば、1mより大きい)ビルドエンベロープ内の物体を製造するのに特に適している。例えば、ビルドエンベロープは、500 mmより大きいか、または好ましくは750 mmより大きいか、またはより好ましくは1mより大きい最小のXY断面積を有することができる。ビルドエンベロープのサイズは特に制限されない。たとえば、100mの最小の断面積を持つことができる。同様に、形成された物体は、約500mm以上、好ましくは約750mm以上、またはさらに好ましくは約1m以上である最大のXY断面積を有することができる。物体の大きさに特に上限はない。例えば、物体の最小のXY断面積は、100mの大きさにすることができる。ビルドエンベロープは対象物の周囲に未融着の粉体を保持するため、特定のビルド内で未融着の粉体(潜在的に無駄な粉体となり得る)を最小限に抑える方法で作ることができ、これは特に大きなビルドに有利である。動的に成長させたビルドエンベロープ内に大きなオブジェクトを構築する場合、オブジェクトに使用されるものとは異なるビルドユニットを使用してエンベロープを構築したり、別のビルド方法を使用してエンベロープを構築したりすると、利点がある場合がある。例えば、e−ビームを指向する1つのビルドユニットと、レーザビームを指向する別のビルドユニットとを有することが有利である場合がある。ビルドエンベロープに関しては、エンベロープの精度および品質は、比較的重要でなく、その結果、迅速なビルド技術が有利に使用される。一般に、ビルドエンベロープは、任意の適切な手段、例えば、MigまたはTig溶接によって、またはレーザ粉末蒸着によって構築されてもよい。壁が付加製造によって構築される場合、物体を構築するために使用される壁とは異なる照射放射指向装置を使用して構築することができる。これは、特定の照射放射指向装置および方法によって壁をより迅速に構築することができるので有利であるが、物体を構築するためには、より低速でより正確な指向装置および方法が望まれる場合がある。例えば、壁は、物体とは異なる材料を使用して迅速に構築されたものから構築されてもよく、これは、異なる構築方法を必要とする場合がある。ビルドの精度対速度をチューニングする方法は、当該技術分野でよく知られており、ここでは説明しない。
【0035】
例えば、図6に示すように、本発明のシステムおよび方法は、1つまたは複数のオブジェクトを構築するために2つまたは複数のビルドユニットを使用することができる。ビルドユニット、オブジェクトの数、およびそれらのそれぞれのサイズは、装置の物理的空間構成によってのみ制限される。図6は、本発明の一実施形態による大規模付加製造装置800の上面図を示す。位置決めシステム801に取り付けられた2つのビルドユニット802Aおよび802Bがある。ビルドユニットをZ方向に移動させるためのZクロスビーム803Aおよび803Bがある。ビルドユニットをX方向に移動させるためのXクロスビーム804Aおよび804Bがある。ビルドユニット802Aおよび802Bは、ユニットをY方向に移動させる機構805Aおよび805Bによって、Xクロスビーム804Aおよび804Bに取り付けられる。形成されている加工対象物は、この図には示されていない。ビルドエンベロープ(この図には示されていない)は、レーザ粉体堆積によるものを含め、ビルドユニットの一方または両方を使用して構築することができる。ビルドエンベロープは、例えば溶接によって構築することもできる。一般に、本発明の方法およびシステムを用いて、任意の数のオブジェクトおよびビルドエンベロープを同時に構築することができる。
【0036】
次に図7を参照すると、付加製造装置900は、一般に、Z方向に垂直に画定される垂直方向またはZ方向、および水平面を画定する(また、図1のX方向およびY方向によって画定されるように)。ビルドプラットフォーム902は、本明細書に記載されるように、添加粉末(図7には示されていない)の層を堆積するための表面を提供するために、水平面内に延在する。一般に、付加製造装置900は、一般に、添加剤粉末の層を堆積させ、添加剤粉末の層の一部を融着させて、構成要素(図7には図示せず)の単一の層を形成するために使用されるビルドユニット904を含む。上述したように、ビルドユニット904は、ビルドユニット904が垂直方向に沿って上昇するにつれて、添加粉末の層を印刷または融着することによって、構成要素を層毎に形成する。
【0037】
ビルドユニット904は、一般に、添加粉体の層を排出するための粉体ディスペンサ906と、添加粉体の層の部分を融合するために添加粉体の層の方へエネルギを選択的に誘導するためのエネルギ源908とを含む。例えば、粉体ディスペンサ906は、粉体ホッパ910、ゲートのシステム(例えば、図4、610A〜Cおよび図5、702A〜C参照)、リコータアーム912、ならびにビルドプラットフォーム902またはサブ層上への添加粉体の平滑な層の堆積を容易にする任意の他の構成要素を含んでもよい。加えて、「エネルギ源」は、添加粉末のその層の一部を融合するために添加粉末の層にエネルギビームを向けるように構成された装置の任意の装置またはシステムを指すために使用されてもよい。例えば、例示的実施形態によれば、エネルギ源は、照射発光指向装置であってもよく、多くは、エネルギビームを指向させるためのレンズ914を有するスキャナを含む。
【0038】
上述のように、ビルドユニット904は、粉末の層の部分を選択的に焼結または融解するために、エネルギ源を使用する直接金属レーザ焼結(DMLS)または直接金属レーザ融解(DMLM)プロセスを利用するものとして説明される。しかしながら、別の実施例によれば、付加製造装置900およびビルドユニット904は、付加製造の「バインダ噴射」プロセスを使用するように構成されてもよいことが理解されるべきである。この点に関し、バインダ噴射は、上述の同様の方法で添加粉末の層を連続的に堆積させることを含む。しかしながら、添加粉末を選択的に溶融または融着させるためにエネルギビームを生成するためにエネルギ源を使用する代わりに、バインダ噴射は、液体バインダを粉末の各層上に選択的に堆積させることを含む。例えば、液体バインダは、光硬化性ポリマーまたは別の液体バインダであり得る。他の適切な付加製造方法及び変形例は、本主題の範囲内にあることが意図されている。
【0039】
特に、本主題の態様によれば、ビルドユニット904は、ビルドプラットフォーム902の上方に配置され、ビルド領域918を少なくとも部分的に画定するガントリ916によって支持される。特に、本明細書で使用されるように、「ガントリ」916は、水平方向に延在する支持梁を指すことが意図されてもよく、ビルドプラットフォーム902の上方でガントリ916を支持する垂直支持脚(図示せず)を指すことはない。ここでは、ビルドユニット904の支持体を記述するためにガントリ916が使用されるが、別の実施例に従って、任意の適切な垂直支持手段を使用できることが理解されるべきである。例えば、ビルドユニット904は、デルタロボット、ケーブルロボット、ロボットアーム、ベルト駆動などの位置決めシステムに取り付けられてもよい。加えて、ビルドプラットフォーム902は、静止しているものとして本明細書に図示されているが、ビルドプラットフォーム902は、別の実施例に従って動いてもよいことが理解されるべきである。この点に関し、例えば、ビルドプラットフォーム902は、X−Y−Z方向に沿って平行移動するように構成されてもよく、または、これらの軸のうちの1つの周りを回転してもよい。
【0040】
図示の実施形態によれば、ガントリ916は、最大ビルド幅(例えば、X方向に沿って測定される)、ビルド深度(例えば、Y方向に沿って測定される)、およびビルド高さ(垂直方向またはZ方向に沿って測定される)を有するビルド領域918を画定する。ガントリ916は、一般に、ビルド領域918でビルドユニット904を移動可能に支持するように構成され、例えば、ビルドユニット904がビルド領域918の任意の位置(例えば、X−Y−Z軸に沿って)に配置され得るように構成される。さらに、例示的実施形態によれば、ガントリ916は、ビルドユニットをX、Y、およびZ軸の周りに回転させるようにさらに構成されてもよい。したがって、ビルドユニット904は、付加製造プロセスを実行するために、ビルド領域918の任意の適切な方法で配置および方向付けされてもよい。
【0041】
さらに図7を参照すると、本主題の例示的実施形態に従って、付加製造装置900のガスフローシステム930の概略図が提供される。図示のように、付加製造装置900は、ガスまたは他の流体の流れを必要とし、そのサブシステム内で何らかの機能を達成し得る様々なサブシステムを含む。従って、本明細書で使用されるように、「サブシステム」は、特定の機能のためにガスの流れを必要とする付加製造装置900内のこれらの別個のシステムのいずれかを指すために使用されてもよい。加えて、ガスフローシステム930は、一般に、これらのサブシステムの各々に関連する複数のガス循環ループを指すために使用されてもよく、その例を以下に説明する。
【0042】
本主題の態様を説明する目的で、3つの特定のサブシステムを本明細書に記載する。しかしながら、これら3つのサブシステムは、例示的な目的のためにのみ使用され、現在の主題の範囲を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。さらに、これらのサブシステムは、概略的な形でのみ図示され、本主題によるガスフローループの構成および動作を説明するために一般的に説明される。本主題は、記載された特定のサブシステム、ガスループ、又は特定の構成に限定されることを意図していない。
【0043】
付加製造装置900は、概して、粉体床に近接する付加製造プロセスによって生成される凝縮物、排出物、および他の副産物を除去するように構成される凝縮物排出サブシステム940を含んでもよい。例えば、簡単に上述したように、添加粉末が溶融または焼結されると、ガス、ダスト、微粒子、または他の副産物のプルームが発生し得る。顕著には、改良された印刷のために、これらの副産物を溶融または焼結領域から除去または排出することが望ましい。上述したように、付加製造装置900は、従って、そのような副産物を除去するために、粉体床の上および平行なガスの流れを促すためのガスフローシステムを含んでもよい。図7の図示された実施形態によれば、このガスフローシステムは、凝縮物排出サブシステム940である。
【0044】
凝縮物排出サブシステム940は、凝縮ループ942と、第1のガス946をビルドプラットフォーム902または添加剤粉末のサブレイヤに近接するビルド領域918を通して循環させるために、凝縮ループ942に動作可能に連結された第1のガス循環装置944とを含む。この点に関し、例えば、凝縮ループ942は、第1のガス946が循環され得る導管、パイプ、又は管の実質的に閉じたループである。凝縮ループ942は、凝縮物および他の副産物を引き込むためのビルド領域918の粉体床に近接する開口部分または排出領域948を画定することができる。
【0045】
より具体的には、図示の実施形態によれば、凝縮ループ942は、水平方向に沿ってビルドユニット904および排出領域948の両側に配置された排出ポート950および吸入ポート952を画定する。このようにして、第1のガス循環装置944が凝縮ループ942を通って第1のガス946を循環すると、第1のガス946の流れは排出ポート950から出て、粉体層の表面に近接して実質的に平行に進み、凝縮液、煙、ヒュームなどを収集する。次いで、第1のガス946の流れは、吸入ポート952を通って引き込まれ、そこで凝縮ループ942を通って再循環される。例示的な実施形態によれば、第1のガス946の流れは、実質的に層流であるが、第1のガス循環装置944は、必要に応じて、乱流を生成することもできる。
【0046】
排出ポート950および吸入ポート952はビルドユニット904および排出領域948の反対側に配置されているように図示されているが、別の実施形態によれば、凝縮ループ942の他の位置および向きが使用されてもよいことが理解されるべきである。例えば、別の実施形態によれば、排出ポート950は、作業面、例えば、近接したエネルギ源908の上方に配置されてもよい。排出ポート950は、第1のガス946の流れを排出領域948内に流下させることができる。このような実施形態では、吸引ポート952は、第1のガス946の流れを引き入れ、循環させるために、排出領域948の側部の周囲に画定されてもよい。実際、排出領域948を通る第1のガス946の流れを生成する、排出ポート950および吸引ポート952の任意の適切な数、サイズ、および位置決めが可能であり、本主題の範囲内であり得る。
【0047】
付加製造装置900は、さらに、付加製造装置900の1つまたは複数の高感度構成要素964を覆ってパージエア962の流れを促すように一般に構成された閉ループサブシステム960を含んでもよい。本明細書で使用されるように、「高感度構成要素」は、付加製造装置900の効率的かつ連続的な動作を保証するために汚染物質除去プロセスのための頻繁な洗浄を必要とする付加製造装置900内の1つ以上の構成要素を指すために使用される。閉ループサブシステム960は、一般に、付加製造装置900の連続動作を悪化させるであろう、ほこり、汚れ、破片、または他の汚染物質を連続的または間欠的に吹き飛ばすか、または除去するように、そのような高感度構成要素964を覆ってパージエア962の流れを促すように構成される。
【0048】
図示するように、閉ループサブシステム960は、一般に、第2のガス(またはパージエア962の流れ)を付加製造装置900の少なくとも1つの高感度構成要素964を覆って循環させるために、パージエアループ966と、パージエアループ966に動作可能に連結された第2のガス循環装置968とを含む。凝縮物排出サブシステム940の凝縮ループ942と同様に、パージエアループ966は、概して、第2のガス962の流れを高感度構成要素964に循環させる実質的に閉じたループであり、パージエアパージエア排出ポート970とパージエア吸入ポート972とを含んでもよい。この点に関し、パージエア排出ポート970は、高感度構成要素964をクリーニングするために、高感度構成要素964を覆って、及びその上に、第2のガス962の流れを噴出するためのノズルであり得る。実質的に密閉されかつ閉鎖されたシステムを維持するために、高感度構成要素964の下流にあるパージエア吸込口972によって負圧を発生させて、高感度構成要素964から吹き飛ばされるか、または取り除かれるすべての汚染物質とともに第2のガス962の流れの一部または全部を引き込むことができる。第2のガス循環装置968は、例えば、付加製造装置900の適切な作動のために清浄なままであることを保証するために、このような高感度構成要素964を覆って第2のガス962の流れを継続的に促すことができる。
【0049】
本主題の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの高感度構成要素964は、付加製造装置900のガントリ916のビーム、滑り界面、またはベアリングアセンブリである。この点に関し、ガントリ916は、ビルドユニット904の正確で反復可能な位置決めを確実にするための多くの構成要素を含む。例えば、ガントリ916は、ベアリングによって接続された複数の摺動構成要素又は回転構成要素を含んでもよい。ほこりや破片がベアリング内に入ると、ガントリ916(したがって、ビルドユニット904)の運動に影響が及ぶ可能性があり、それによって、付加製造プロセスに不正確さがもたらされる。したがって、パージエアループ966は、第2のガス962の流れを、ガントリ916のベアリングまたは他の嵌合構成要素の上に排出するとともに、汚染ガスの流れを引き込み、その流れを再循環させて、ダストおよびデブリを継続的に除去するために、位置決めされ、方向付けされる。
【0050】
さらに別の実施形態によれば、少なくとも1つの高感度構成要素964は、ビルドユニット904のスキャナまたはエネルギ源908であり、パージエアループ966は、エネルギ源908のレンズ914上で第2のガス962の流れを循環させるために位置決めされ、方向付けされる。この点に関し、例えば、ビルドユニット904のレーザまたは電子ビームは、粉体上にエネルギビームを集束させるために使用される一連のミラーおよびレンズまたは他の構成要素を含んでもよい。ダスト、破片、およびその他の汚染物質は、プロセス中に、自然にそのような構成要素上に落下し、エネルギの不正確なビーム(したがって、粉体の融着を不正確にする)をもたらすことがある。したがって、閉ループサブシステム960は、性能劣化の前に、そのような汚染物質を除去するように構成されてもよい。
【0051】
図7は、パージエアループ966を、汚染物質を除去するためのレンズ914上の第2のガス962の流れを導くものとして示すが、閉ループサブシステム960は、付加製造装置900の任意の構成要素をパージするための任意の適切な数のパージエアループを含んでもよいことを理解されたい。例えば、閉ループサブシステム960は、レンズ914を洗浄するための第1のパージエアループ、ガントリビームを洗浄するための第2のパージエアループ、およびガントリベアリングを洗浄するための第3のパージエアループを含んでもよい。これらのパージエアループの各々は、同時に又は独立して作動させることができる。加えて、一実施形態に従って、単一のポンプ、フィルタ、および分配マニホルドを使用して、これらの3つのパージエアループのうちの1つ以上を通して第2のガス962の流れを分配してもよい。
【0052】
図7に図示されるように、閉ループサブシステム960は、専用のパージエアループ966および第2のガス循環装置968を含む。この点に関し、閉ループサブシステム960は、高感度構成要素964を洗浄するための再循環する閉じたパージエアループを画定する。しかしながら、別の実施例によれば、閉ループサブシステム960は、凝縮物排出サブシステム940などの別のサブシステムとマージされ得るか、または構成要素を共有し得ることが理解されるべきである。この点に関し、例えば、第2のガス循環装置968を取り外し、パージエアループ966を、パージエア962の流れを受け入れるために、第1のガス循環装置944と動作可能に連結することができる。さらに他の実施形態によれば、閉ループサブシステム960は、例えば、パージエア962の流れが、吸気を通して引き込まれる空気に対して高い圧力を有するように、比較的低い圧力で空気を引き込み、かつ空気を加圧するための、新鮮な空気供給または吸気(後述する吸気991と同様の)を含む、正圧サブシステムとすることができる。
【0053】
さらに図7を参照すると、付加製造装置900は、付加製造装置900の電子部品982の一部または全部を含む電子機器区画980をさらに含んでもよい。特に、電子部品982の過熱を防止するため、および/または電子部品982の埃の蓄積からの洗浄のために、電子機器区画980内にガスまたは空気の流れを提供することがしばしば望ましい場合がある。したがって、一実施形態によると、付加製造装置900は、電子機器冷却サブシステム984をさらに含む。
【0054】
電子機器冷却サブシステム984は、電子機器区画980と流体連通する冷却ループ986と、電子機器区画980を通る第3のガス990の流れを促すために、冷却ループ986と動作可能に連結される第3のガス循環装置988とを含む。電子機器区画980を通る第3のガス990の流れを促すことによって、余分な熱、ほこり、および/または破片が、電子機器区画980から除去され、それによって、付加製造装置900の電子部品982の寿命を延ばす。
【0055】
図示の実施形態によれば、第3のガス循環装置988は、比較的低い圧力で空気を吸引し、第3のガス990の流れが吸気口991を通して吸引される空気に対して高い圧力を有するように空気を加圧するために、装置の筐体内又は周囲環境内に配置される吸気口991を含む。このようにして、電子機器区画980内で生成されるほぼ正の圧力は、粉末および汚染物質が電子機器区画980に入るのを防止し、電子部品982の冷却を容易にする。
【0056】
特に、本明細書中に記載されるサブシステム940、960、984の各々において、様々な凝縮物、粉塵、破片、添加剤粉末、および他の副産物または粒子が、その様々な機能を実行するガス946、962、990の流れによって収集される。ガスは連続的に循環されるので、そのような汚染物質をそれぞれのガスの流れから除去することが望ましい場合がある。この点に関し、例えば、各サブシステムは、ガスの流れから汚染物質を抽出するための任意の適切な種類又は数のフィルタ又は機構を含み得る。例えば、凝縮物排出サブシステム940は、さらに、第1のガス946の流れを、ビルド領域918を通って戻す前に、付加製造プロセスの収集された副産物を捕捉するためのHEPAフィルタのようなフィルタ992を含んでもよい。閉ループサブシステム960および電子機器冷却サブシステム984は、同様に、フィルタ992または汚染物質を抽出するための他の手段を含んでもよい。
【0057】
さらに、別の実施例によれば、各サブシステム940、960、984は、ガス946、962、990の流れから熱を除去するように構成された開放または閉鎖冷却システムを含むことができる。熱交換器(図示せず)をガスフローループ942、966、986と共に利用して、そこを流れるガスの温度を制御することができる。種々の導管、ポンプ、バルブ、および/またはタンクが、必要に応じて、または所望に応じてサブシステム内に含まれてもよい。
【0058】
特に、3つの異なるサブシステムを有することによって、システム内の流動ガス、およびそれらのそれぞれの特性は、各サブシステムのニーズに応じて異なるかまたはカスタマイズ可能であり得る。例えば、例示的実施形態によれば、第1のガス946、第2のガス962、及び第3のガス990は、全て異なるガスである。例えば、例示的な実施形態によれば、第1、第2、および第3のガスの各々は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴンなど)、空気、水、および/または他の適切な有機化学物質(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、またはプロピレングリコール)から選択される。あるいは、電子機器区画980は、単に周囲の空気を使用することによって冷却され得る。
【0059】
加えて、各サブシステムに対して別個の閉鎖システムおよび循環装置を使用することによって、各サブシステム内のガスの流れの流量および圧力は、特定の用途のニーズに応じて変化させ、カスタマイズされてもよい。可変流量および圧力を達成するために、各サブシステムは、専用のガス循環装置を含んでもよい。特に、循環装置は、圧縮ポンプ、送風機、または任意の他の適当な強制ガス供給源のようなガスの流れを促すように構成された任意の機械または装置であってもよい。したがって、例えば、第1のガス946、第2のガス962、および第3のガス990は、すべて異なる圧力を有してもよく、すべて、付加製造装置900が配置されている環境の大気圧よりも大きくてもよい。
【0060】
したがって、作動中、一実施形態に従って、適切な凝縮物排出を達成するために、凝縮物排出サブシステム940は、層流を達成するために、第1のガス946の流れを比較的低圧で中程度の流量で促す。対照的に、高感度構成要素964から汚れおよび破片を除去するために、閉ループサブシステム960は、比較的低い流量であるが高い圧力でパージエア962の流れを促してもよい。また、電子機器冷却サブシステム984は、電子機器区画980から過剰な熱を迅速に除去するために、第3のガス990の流れを高流速で促してもよい。これらの流量は単なる例示であり、ガスの流れを制御するために3つの独立したサブシステムを使用することの汎用性を示すことを意図していることが理解されるべきである。本明細書で使用される例は、現在の主題の範囲を限定することを意図していない。
【0061】
図8は、本開示の例示的な実施形態による方法およびシステム、特に付加製造装置900およびガスフローシステム930の動作を実施するために使用され得る、例示的な制御システム150のブロック図を示す。この点に関し、例えば、制御システム150は、ガス循環装置944、968、及び/又は988の動作を調整するように構成することができる。制御システム150は、ガスフローシステム930の専用コントローラであってもよく、または付加製造装置900の一次コントローラであってもよい。制御システム150は、付加製造装置900全体にわたって種々の位置に配置されてもよい。
【0062】
図示のように、制御システム150は、1つまたは複数の演算装置152を含むことができる。1つまたは複数の演算装置152は、1つまたは複数のプロセッサ154および1つまたは複数のメモリ156を含むことができる。1つまたは複数のプロセッサ154は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、または他の適切な処理デバイスなど、任意の適切な処理デバイスを含むことができる。1つ以上のメモリ156は、非一時的コンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ、または他のメモリ装置を含むが、これらに限定されない、1つ以上のコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0063】
1つ以上のメモリ156は、1つ以上のプロセッサ154によって実行可能なコンピュータ読取り可能な指示158を含む、1つ以上のプロセッサ154によってアクセス可能な情報を記憶することができる。指示158は、1つまたは複数のプロセッサ154によって実行されるときに、1つまたは複数のプロセッサ154に動作を行わせる任意の命令セットとすることができる。指示158は、任意の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアであってもよいし、ハードウェアで実現されてもよい。いくつかの実施形態では、指示158は、1つまたは複数のプロセッサ154によって実行され、1つまたは複数のプロセッサ154に、ガスフローシステム930を制御するための動作、またはその他の方法で付加製造装置900を動作させるための動作などの動作を行わせることができる。
【0064】
メモリ156は、さらに、1つ以上のプロセッサ154によってアクセス可能なデータ160を記憶することができる。例えば、データ160は、本明細書に記載されるように、ガスフローシステム930および/または付加製造装置900を動作させるために使用される任意のデータを含むことができる。データ160は、本開示の例示的実施形態に従った、ガスフローシステム930及び/又は付加製造装置900を動作させるための1つ以上のテーブル、機能、アルゴリズム、モデル、方程式等を含むことができる。
【0065】
1つ以上の演算装置152は、例えば、システムの他の構成要素と通信するために使用される通信インタフェース162を含むこともできる。通信インタフェース162は、例えば、送信機、受信機、ポート、コントローラ、アンテナ、または他の適切な構成要素を含む、1つ以上のネットワークとインタフェースするための任意の適切な構成要素を含むことができる。
【0066】
さて、本主題の例示的な実施形態による付加製造装置900およびガスフローシステム930の構成および構成が提示されたので、本主題の例示的な実施形態による付加製造装置を動作させるための例示的な方法1000が提供される。方法1000は、付加製造装置900、または任意の他の適切な付加製造装置またはアセンブリを操作するために、製造者または顧客によって使用され得る。本明細書では、例示的な方法1000は、本主題の例示的な態様を記述するためにのみ議論され、限定的なものではないことを理解されたい。
【0067】
次に、図9を参照すると、方法1000は、ステップ1010において、凝縮ループを通して、付加製造装置のビルド領域を通して第1のガスを循環させるステップを含む。ステップ1020は、パージエアループを通して第2のガスを循環させ、付加製造装置の高感度構成要素を通過させることを含んでもよい。加えて、ステップ1030は、冷却ループを通して、および電子部品からのダスト、デブリ、および熱を移動させるための電子回路区画を通して、第3のガスを循環させることを含んでもよい。
【0068】
本明細書では、3つの別個のサブシステムおよび作動サブシステムの方法が説明されているが、付加製造装置内の任意の他の機能からのガスの流れを提供するために、任意の他のサブシステムを使用してもよいことが理解されるべきである。さらに、1つ以上のサブシステムが他のシステムと同時に機能してもよい。加えて、各サブシステムは、単一の、実質的に閉ループおよび専用の循環装置を有するものとして本明細書に図示されているが、各サブシステムは、複数のループを含んでもよく、複数のポンプを含んでもよく、またはポンプを別のサブシステムと共有してもよいことが理解されるべきである。他の構成も可能であり、本主題の範囲内である。
【0069】
図9は、説明および考察の目的で特定の順序で実行されるステップを示す。本明細書に提供される開示を用いて、本明細書に記載される方法のいずれかのステップを、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の方法で適応、再配置、拡張、省略、または修正することができることを、当業者は理解するであろう。さらに、方法1000の態様は、一例として、付加製造装置900を使用して説明されるが、これらの方法は、任意の適切な付加製造装置を操作するために適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0070】
本明細書に記載されるガスフローシステムは、付加製造装置内の1つ以上のサブシステムにガスを循環させるための複数のガスループを含む。特に、各ガスループは、任意の適当な圧力又は流量で、異なるガス又は流体を含んでいてもよく、付加製造装置の任意の適当な部品又は部品に供給され又は循環されていてもよい。このようにして、ガスフローシステムは、改善された性能及び作動のための全てのパージ空気ニーズを満たすために、カスタマイズ可能で専用のガスフローループを含む。サブシステムの各々に対して専用のガスフローループを有することによって、全ての機能を実行する単一のガスループシステムと比較して、全てのサブシステム内で必要とされる新鮮なガスの量を減少させることができる。加えて、ポンプの種類および容量、ならびに各ガスフローループに必要なフィルタまたはフィルタシステムは、その特定のループに合わせて調整およびカスタマイズされ、したがって、それらの寿命を延ばし、それらの動作を改善することができる。従って、付加製造装置の性能を改善し、その運転コストを低減することができる。
【0071】
この記述は、例示的な実施形態を用いて、最良のモードを含む本発明を開示し、また、任意の装置またはシステムを製造および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含む、本発明を実施することを当業者に可能にする。本発明の特許の範囲は、クレームにより規定され、当業者が想起する他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらがクレームの文字どおりの言語と異なることのない構造要素を含む場合、又はそれらがクレームの文字どおりの言語とは異なることのない同等の構造要素を含む場合には、クレームの範囲内にあることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9