(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁基材と、前記絶縁基材を貫通する貫通穴と、前記絶縁基材の両面に形成された第1の銅層と、前記第1の銅層の表面と前記貫通穴の壁面とに形成された第2の銅層を有し、前記第1の銅層と前記第2の銅層とからなる所定の配線パターンの回路が形成され、前記貫通穴により所定の製品形状及びビアホールが形成された単位製品部をなす回路基板がマトリックス状に配置されたブロック部と、前記ブロック部の外周を囲むフレーム部とを有する集合回路基板であって、
前記絶縁基材は、25μm以上65μm以下の厚さを有し、
前記所定の製品形状が形成された部位における前記絶縁基材の側面が、前記絶縁基材の両面に形成された前記第1の銅層が11μm以上15μm以下の厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたブラスト加工面を有し、
前記第2の銅層が形成された状態における前記第1の銅層は、4μm以上10μm以下の厚さを有することを特徴とする集合回路基板。
絶縁基材と、前記絶縁基材を貫通する貫通穴と、前記絶縁基材の両面に形成された第1の銅層と、前記第1の銅層の表面と前記貫通穴の壁面とに形成された第2の銅層を有し、前記第1の銅層と前記第2の銅層とからなる所定の配線パターンの回路が形成され、前記複数の貫通穴により所定の製品形状とビアホールが形成された単位製品部をなす回路基板がマトリックス状に配置されたブロック部と、前記ブロック部の外周を囲むフレーム部とを有する集合回路基板の製造方法であって、下記(a)〜(j)の順の工程を含むことを特徴とする集合回路基板の製造方法。
記
(a)厚さが25μm以上65μm以下の絶縁基材の両面に形成された厚さが11μm以上15μm以下の第1の銅層を有する基板材料を準備する工程。
(b)前記基板材料の両面に第1のレジスト層を形成し、前記貫通穴を形成するための第1のレジストマスクを形成する工程。
(c)前記第1のレジストマスクの開口部から露出する前記第1の銅層をエッチング加工により除去し、前記絶縁基材を露出させる工程。
(d)前記第1のレジストマスクの前記開口部に露出した前記絶縁基材に対し一方の面側からブラスト加工により前記絶縁基材の厚さが略半分の厚さとなる凹部を形成し、次に、他方の面側から前記ブラスト加工により前記凹部の底面を貫通して前記貫通穴を形成する工程。
(e)前記第1のレジストマスクを除去する工程。
(f)前記第1の銅層をエッチング加工により4μm以上10μm以下の厚さに薄化する工程。
(g)薄化した前記第1の銅層の表面と前記貫通穴の壁面とに所定厚さの第2の銅層を、めっき加工により形成する工程。
(h)前記第2の銅層が形成された前記基板材料の両面に第2のレジスト層を形成し、前記回路を形成するための第2のレジストマスクを形成する工程。
(i)前記第2のレジストマスクの開口部から露出する前記第1の銅層と前記第2の銅層とで構成された銅層に対しエッチング加工により前記回路を形成する工程。
(j)前記第2のレジストマスクを除去する工程。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドリル加工やレーザ加工は、個々の回路基板の外形形状やビアホールを形成するために貫通穴を1穴ずつ形成し、形成した貫通穴を継ぎ合わせる必要がある上、集合回路基板では、多数の貫通穴をあける必要性がある。
このため、集合回路基板の製造にドリル加工やレーザ加工を用いると、生産性が非常に悪くコスト高となってしまう。
また、ビアホール等の極小径の貫通穴を形成する場合、レーザ加工では炭化した加工面のデスミア処理が難しく、ドリル加工では、ドリルの径を細くしたものを用いる必要が生じ、折れや破損の虞が高くなる問題を抱えている。
【0005】
回路基板材料に開口部やビアホールを設けるその他の加工方法としてはプレス加工があるが、プレス加工に用いる精密金型は高額である上、単位製品部をなす回路基板の外形を形成するための開口形状や、単位製品部をなす回路基板内部のビアホールの大きさや位置が異なるごとに対応した別個の精密金型が必要となる。このため、集合回路板の製造にプレス加工を用いると、莫大な製造コストがかかる。
【0006】
そこで、本件発明者らは、ブラスト加工を用いた集合回路基板の製造について考察、検討を行った。
ブラスト加工は、ドリル加工、レーザ加工、プレス加工等に比べて、加工精度がよく、品質の劣化がなく、コストを抑えて生産効率よく形成できる。
しかし、ブラスト加工により貫通穴を形成すると、砥粒を物理的に回路基板材料に高速衝突させるため、回路基板材料がZ方向に圧縮されXY方向に伸びを生じる。そのため、ブロック部の各単位製品部をなす回路基板の位置精度が低下する。
また、回路基板の製造においては、絶縁基材と、絶縁基材の両面に配線回路となるべき第1の銅層を有する回路基板材料を用いて、貫通孔を形成し、形成した貫通穴の壁面に第2の銅層をめっき形成して表裏の配線回路となるべき第1の銅層との導通をとり、その後、第1の銅層と第2の銅層とが積層された部位に対し、エッチング加工を施すことによって配線回路を形成するが、貫通穴の壁面に第2の銅層をめっき形成すると表裏の配線回路となるべき第1の銅層の上に第2の銅層が積層されることで、積層された部位の銅層の厚さが増える。一方、回路基板を構成する絶縁基材の厚さや配線回路となる銅層の厚さは顧客仕様により厚さが指定されており、自由に変更することができない。このため、回路基板の製造に用いる回路基板材料には、絶縁基材の両面に有する第1の銅層について、表裏の配線回路の導通をとるために積層される第2の銅層の厚さ分を減らしたものを用いる必要がある。
しかし、表裏の配線回路の導通をとるためのめっきにより積層される第2の銅層の厚さ分を減らした、薄い表裏の第1の銅層を備えた回路基板材料に対してブラスト加工を行うと、回路基板材料がブラスト加工によりZ方向に圧縮されることによって生じるXY方向への伸びが大きくなり、ブロック部の各単位製品の位置精度の低下が大きくなってしまう。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、ブラスト加工によるブロック部内における単位製品部をなす回路基板の伸縮に起因する個々の回路基板の位置精度の低下を小さく抑えることができ、加工精度がよく、品質の劣化がなく、コストを抑えて生産効率よく形成することの可能な集合回路基板とその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明による集合回路基板は、絶縁基材と、前記絶縁基材を貫通する貫通穴と、前記絶縁基材の両面に形成された第1の銅層と、前記第1の銅層の表面と前記貫通穴の壁面とに形成された第2の銅層を有し、前記第1の銅層と前記第2の銅層とからなる所定の配線パターンの回路が形成され、前記貫通穴により所定の製品形状及びビアホールが形成された単位製品部をなす回路基板がマトリックス状に配置されたブロック部と、前記ブロック部の外周を囲むフレーム部とを有する集合回路基板であって、前記絶縁基材は、25μm以上65μm以下の厚さを有し、前記所定の製品形状が形成された部位における前記絶縁基材の側面が、前記絶縁基材の両面に形成された前記第1の銅層が11μm以上15μm以下の厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたブラスト加工面を有し、前記第2の銅層が形成された状態における前記第1の銅層は、4μm以上10μm以下の厚さを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明による集合回路基板の製造方法は、絶縁基材と、前記絶縁基材を貫通する貫通穴と、前記絶縁基材の両面に形成された第1の銅層と、前記第1の銅層の表面と前記貫通穴の壁面とに形成された第2の銅層を有し、前記第1の銅層と前記第2の銅層とからなる所定の配線パターンの回路が形成され、前記複数の貫通穴により所定の製品形状とビアホールが形成された単位製品部をなす回路基板がマトリックス状に配置されたブロック部と、前記ブロック部の外周を囲むフレーム部とを有する集合回路基板の製造方法であって、下記(a)〜(j)の順の工程を含むことを特徴とする。
記
(a)厚さが25μm以上65μm以下の絶縁基材の両面に形成された厚さが11μm以上15μm以下の第1の銅層を有する基板材料を準備する工程。
(b)前記基板材料の両面に第1のレジスト層を形成し、前記貫通穴を形成するための第1のレジストマスクを形成する工程。
(c)前記第1のレジストマスクの開口部から露出する前記第1の銅層をエッチング加工により除去し、前記絶縁基材を露出させる工程。
(d)前記第1のレジストマスクの前記開口部に露出した前記絶縁基材に対し一方の面側からブラスト加工により前記絶縁基材の厚さが略半分の厚さとなる凹部を形成し、次、他方の面側から前記ブラスト加工により前記凹部の底面を貫通して前記貫通穴を形成する工程。
(e)前記第1のレジストマスクを除去する工程。
(f)前記第1の銅層をエッチング加工により4μm以上10μm以下の厚さに薄化する工程。
(g)薄化した前記第1の銅層の表面と前記貫通穴の壁面とに所定厚さの第2の銅層を、めっき加工により形成する工程。
(h)前記第2の銅層が形成された前記基板材料の両面に第2のレジスト層を形成し、前記回路を形成するための第2のレジストマスクを形成する工程。
(i)前記第2のレジストマスクの開口部から露出する前記第1の銅層と前記第2の銅層とで構成された銅層に対しエッチング加工により前記回路を形成する工程。
(j)前記第2のレジストマスクを除去する工程。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブラスト加工による基板材料の伸びを抑制し、ブロック部内の単位製品の位置精度を設計値±20μm以内に保つことができ、加工精度がよく、品質の劣化がなく、コストを抑えて生産効率よく形成することの可能な集合回路基板とその製造方法が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態の説明に先立ち、本発明の集合回路基板とその製造方法の導出過程及びその作用効果について説明する。
上述したように、回路基板材料に製品形状やビアホールを形成するための貫通穴を加工する方法として、ドリル加工、レーザ加工、プレス加工がある。
本件発明者らは、まず、従来一般的に用いられているドリル加工により、回路基板材料に製品形状やビアホールを形成するための貫通穴を加工することの可否について考察及び検討した。
しかし、ドリル加工では、個々の回路基板の製品形状やビアホールを形成するために貫通穴を1穴ずつ形成し、形成した貫通穴を継ぎ合わせる必要がある上、集合回路基板では、多数の貫通穴をあける必要性があるため、生産性が非常に悪くコスト高となってしまうという結論に至った。
【0013】
そこで、本件発明者らは、次に、レーザ加工、プレス加工により、回路基板材料に製品形状やビアホールを形成するための貫通穴を加工することの可否について、考察及び検討した。
しかるに、レーザ加工方法は、加工端面が炭化し、炭化部分が導電性を有してしまう虞がある。
本件発明者らは、過去に、デスミア処理を施すことにより炭化樹脂を除去する試験を行ったが、デスミア処理では炭化樹脂を完全に除去することができなかった。
また、炭化部分が導電性を有してショートした状態の回路基板から炭化部分を、電子部品搭載時に除去することは困難である。
しかも、レーザ加工は、加工時間が長くかかり、生産性が悪くなる上、レーザ加工のための設備コストも高くなる。
【0014】
また、プレス加工は、単位製品部の製品形状及びビアホールの大きさや位置が異なるごとに対応した別個の精密金型が必要となる。このため、プレス加工を用いて、所定の製品形状及びビアホールが形成された単位製品部をなす回路基板がマトリックス状に配置されたブロック部と、ブロック部の外周を囲むフレーム部とを有する集合回路基板を形成しようとすると、莫大な製造コストがかかる。
【0015】
そこで、本件発明者らは、ブラスト加工により回路基板材料に製品形状やビアホールを形成するための貫通穴を加工することの可否について形成することを着想し、考察及び検討した。
ブラスト加工は、回路基板材料における加工対象部位のみを露出させるようにレジストマスクで覆った状態にして、微細砥粒を圧縮エアで高速噴射して加工対象部位の基板を除去する加工方法である。
また、ブラスト加工は、ドリル加工とは異なり、レジストマスク形成後にブラスト加工装置への手動でのセットが必要となり、一方向に搬送される連続したライン上での製造ができない。このため、連続したライン上での電子部品搭載用基板の製造には、用い難い加工方法である。
本件発明者らが、他の加工方法と比較検討したところ、ブラスト加工は、ドリル加工とは異なり、単位製品部をなす回路基板における所定の製品形状を精度よく加工でき、また、単位製品部をなす回路基板における所定の製品形状とビアホールとを同時形成でき、さらに、レーザ加工とは異なり加工面の炭化がなく、しかも、プレス加工とは異なり設計の自由度も広く、製造コストも低減できることが判明した。
また、本発明者が、さらに検討したところ、回路基板材料に製品形状やビアホールを形成するための貫通穴を加工するためにブラスト加工を用いることには、次のような課題があることも判明した。
【0016】
上述したように、ブラスト加工は、加工対象以外の部位にレジストマスクを形成した回路基板材料に対し、微細砥粒を圧縮エアで高速噴射して加工対象部位の回路基板材料を除去する加工法である。ブラスト加工により貫通穴を形成すると、砥粒を物理的に回路基板材料に高速衝突させるため、回路基板材料がZ方向に圧縮されXY方向に伸びを生じる。そのため、ブロック部の各単位製品の位置精度が低下する。
【0017】
ブラスト加工において、レジストマスクで覆われている部位の基板材料の圧縮を緩和してXY方向への伸びを抑えるための方策としては、加工対象以外の部位に形成するレジストマスクに用いるレジスト膜の膜厚を厚くすることが考えられる。
しかし、レジスト膜の膜厚を厚くすると、露光及び現像を経てレジスト膜に形成されるマスク形状の加工精度が低下し、その結果、ブラスト加工により形成される製品形状の加工精度が低下する。しかも、レジスト膜の膜厚を厚くすると、その分、材料費がかさみ、生産コストが高くなる。
【0018】
また、回路基板の製造においては、絶縁基材と、絶縁基材の両面に配線回路となるべき第1の銅層を有する回路基板材料を用いて、貫通孔を形成し、形成した貫通穴の壁面に第2の銅層をめっき形成して表裏の配線回路となるべき第1の銅層との導通をとり、その後、第1の銅層と第2の銅層とが積層された部位に対し、エッチング加工を施すことによって配線回路を形成するが、貫通穴の壁面に第2の銅層をめっき形成すると表裏の配線回路となるべき第1の銅層の上に第2の銅層が積層されることで、積層された部位の銅層の厚さが増える。一方、回路基板を構成する絶縁基材の厚さや配線回路となる銅層の厚さは顧客仕様により厚さが指定されており、自由に変更することができない。このため、回路基板の製造に用いる回路基板材料には、絶縁基材の両面に有する第1の銅層について、表裏の配線回路の導通をとるために積層される第2の銅層の厚さ分を減らしたものを用いる必要がある。
しかし、表裏の配線回路の導通をとるためのめっきにより積層される第2の銅層の厚さ分を減らした、薄い表裏の第1の銅層を備えた回路基板材料に対してブラスト加工を行うと、回路基板材料がブラスト加工によりZ方向に圧縮されることによって生じるXY方向への伸びが大きくなり、ブロック部の各単位製品の位置精度の低下が大きくなってしまう。
【0019】
しかるに、本件発明者らは、このブラスト加工方法における問題点を検証し、試行錯誤を繰り返す過程において、最終製品における配線回路となる銅層について顧客仕様の厚さを変更することなく、ブラスト加工による回路基板材料のXY方向への伸びを抑えることの可能な方策を着想し、本発明を導出するに至った。
【0020】
本発明の集合回路基板は、絶縁基材と、絶縁基材を貫通する貫通穴と、絶縁基材の両面に形成された第1の銅層と、第1の銅層の表面と貫通穴の壁面とに形成された第2の銅層を有し、第1の銅層と第2の銅層とからなる所定の配線パターンの回路が形成され、貫通穴により所定の製品形状及びビアホールが形成された単位製品部をなす回路基板がマトリックス状に配置されたブロック部と、前記ブロック部の外周を囲むフレーム部とを有する集合回路基板であって、絶縁基材は、25μm以上65μm以下の厚さを有し、所定の製品形状が形成された部位における絶縁基材の側面が、絶縁基材の両面に形成された第1の銅層が11μm以上15μm以下の厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたブラスト加工面を有し、第2の銅層が形成された状態における第1の銅層は、4μm以上10μm以下の厚さを有する。
【0021】
本発明の集合回路基板のように、絶縁基材が25μm以上65μm以下の厚さを有し、所定の製品形状が形成された部位における絶縁基材の側面が、絶縁基材の両面に形成された第1の銅層が11μm以上15μm以下の厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたブラスト加工面を有する構成にすれば、ブラスト加工によりブラスト加工面が形成されるときに、回路基板材料における25μm以上65μm以下の厚さを有する絶縁基材の両面に形成された11μm以上15μm以下の厚さを有する第1の銅層が、回路基板材料に高速衝突する砥粒の圧力を緩和し、XY方向への伸びを抑える効果が高くなる。その結果、ブラスト加工により形成されるブロック部における単位製品部をなす回路基板の位置精度を設計値±20μm以内に保つことができる。
【0022】
これに対し、所定の製品形状が形成された部位における絶縁基材の側面に形成されたブラスト加工面が、25μm以上65μm以下の厚さを有する絶縁基材の両面に形成された第1の銅層が11μmを下回る厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたものであると、ブラスト加工によりブラスト加工面が形成されるときに、回路基板材料における25μm以上65μm以下の厚さを有する絶縁基材の両面に形成された11μmを下回る厚さを有する第1の銅層が、回路基板材料に高速衝突する砥粒の圧力を緩和しきれず、XY方向への伸びを抑える効果が得られない。その結果、ブラスト加工により形成されるブロック部における単位製品部をなす回路基板の位置精度を設計値±20μm以内に保つことができず、位置精度の低下が大きくなってしまう。
【0023】
また、所定の製品形状が形成された部位における絶縁基材の側面に形成されたブラスト加工面が、25μm以上65μm以下の厚さを有する絶縁基材の両面に形成された第1の銅層が15μmを上回る厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたものであると、ブラスト加工によりブラスト加工面が形成されるときに、回路基板材料における25μm以上65μm以下の厚さを有する絶縁基材の両面に形成された15μmを上回る厚さを有する第1の銅層が、回路基板材料に高速衝突する砥粒の圧力を緩和し、XY方向への伸びを抑える効果が高くなる。しかし、15μmを上回る厚さを有する第1の銅層によって、貫通穴を形成すべき絶縁基材が露出している部位へ衝突する砥粒の圧力が弱められてしまい、所定の製品形状に形成するための貫通穴を形成するまでに時間がかかってしまう。砥粒の噴射時間が長時間に及ぶと、レジストマスクに覆われていた部位の回路基板材料が露出し、砥粒が衝突することで削り取られてしまい、回路基板としての製品の品質が悪くなる虞がある。
ブラスト加工において、レジストマスクで覆われている部位を露出させることなく単位製品部における開口部や外縁部を形成するための方策としては、加工対象以外の部位に形成するレジストマスクに用いるレジスト膜の膜厚を厚くすることが考えられる。
しかし、レジスト膜の膜厚を厚くすると、露光及び現像を経てレジスト膜に形成されるマスク形状の加工精度が低下し、その結果、ブラスト加工により形成される所定の製品形状及びビアホールの加工精度が低下する。しかも、レジスト膜の膜厚を厚くすると、その分、材料費がかさみ、生産コストが高くなる。
また、絶縁基材が薄くなれば、その分ブラスト加工時間が短縮されてブロック部における単位製品部をなす回路基板の位置精度を向上させ易くなるが、絶縁基材の厚さが25μmよりも薄い場合は、剛性が低下して搬送不良等を生じる虞がある。一方、絶縁基材の厚さが65μmよりも厚い場合は、ブラスト加工時間が長くなりすぎてブロック部における単位製品部をなす回路基板の位置精度が低下する虞がある。
【0024】
なお、本件発明者らは、試行錯誤の結果、絶縁基材が25μm以上65μm以下の厚さを有し、所定の製品形状が形成された部位における絶縁基材の側面が、絶縁基材の両面に形成された第1の銅層が11μm以上15μm以下の厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたブラスト加工面を有する構成にすれば、ブラスト加工により形成されるブロック部における単位製品部をなす回路基板の位置精度を設計値±20μm以内に保ちながら、径がφ30μm〜φ50μmの大きさの極小径のビアホールを形成することができることが分かった。
【0025】
このような本発明の集合回路基板は、下記(a)〜(i)の順の工程を含むことにより、製造できる。
記
(a)厚さが25μm以上65μm以下の絶縁基材の両面に形成された厚さが11μm以上15μm以下の第1の銅層を有する基板材料を準備する工程。
(b)基板材料の両面に第1のレジスト層を形成し、貫通穴を形成するための第1のレジストマスクを形成する工程。
(c)第1のレジストマスクの開口部から露出する第1の銅層をエッチング加工により除去し、絶縁基材を露出させる工程。
(d)第1のレジストマスクの開口部に露出した絶縁基材に対し一方の面側からブラスト加工により絶縁基材の厚さが略半分の厚さとなる凹部を形成し、次、他方の面側からブラスト加工により凹部の底面を貫通して貫通穴を形成する工程。
(e)第1のレジストマスクを除去する工程。
(f)第1の銅層をエッチング加工により4μm以上10μm以下の厚さに薄化する工程。
(g)薄化した第1の銅層の表面と貫通穴の壁面とに所定厚さの第2の銅層を、めっき加工により形成する工程。
(h)第2の銅層が形成された基板材料の両面に第2のレジスト層を形成し、回路を形成するための第2のレジストマスクを形成する工程。
(i)第2のレジストマスクの開口部から露出する第1の銅層と第2の銅層とで構成された銅層に対しエッチング加工により回路を形成する工程。
(j)第2のレジストマスクを除去する工程。
【0026】
上記(f)の工程における第1の銅層の薄化は、その後の工程(g)で行う両面の回路の導通をとるためのめっき加工により第2の銅層が第1の銅層の上に積層された際に、積層された銅層が製品に必要な配線の厚さとなるようにするために行う。
このように、本発明では、最初に第1の銅層として薄い銅層を備えた基板材料を準備するのではなく、ブラスト加工前は、11μm以上の厚さの第1の銅層を備えた基板材料を準備し、ブラスト加工後に製品として必要な厚さの銅層を形成することで、ブラスト加工によりブラスト加工面が形成されるときに、11μm以上の厚さの第1の銅層が、回路基板材料に高速衝突する砥粒の圧力を緩和し、XY方向への伸びを抑える効果が高くなる。その結果、ブラスト加工により形成されるブロック部における単位製品部をなす回路基板の位置精度の低下を±20μm以内に抑えることができ、その後に、製品として必要な厚さの銅層を形成することで、製品品質が向上する。
【0027】
従って、本発明によれば、ブラスト加工による基板材料の伸びを抑制し、ブロック部内の単位製品の位置精度を±20μm以内に抑えることができ、加工精度がよく、品質の劣化がなく、コストを抑えて生産効率よく形成することの可能な集合回路基板とその製造方法が得られる。
【0028】
次に、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる集合回路基板の概略構成を示す説明図で、(a)は集合回路基板における単位製品部をなす回路基板の配置を概念的に示す平面図、(b)は単位製品部をなす一つの回路基板における絶縁基材上の銅層の積層状態、絶縁基材の側面の加工状態を示す断面図である。
図2は本発明の一実施形態にかかる集合回路基板の製造工程、及び、製造工程における第1の銅層の厚さの変化を示す説明図である。
図3は本発明の実施例と比較例にかかる集合回路基板の製造方法により製造した夫々の集合回路基板の位置精度を示すグラフである。
【0029】
本発明の一実施形態の集合回路基板1は、
図1(a)に示すように、単位製品部をなす回路基板としての単位製品部1nがマトリックス状に配置されたブロック部1mと、ブロック部1mの外周を囲むフレーム部1kとを有している。
単位製品部1nは、
図1(b)に示すように、絶縁基材10と、絶縁基材10を貫通する貫通穴10a、10a’と、絶縁基材10の両面に形成された第1の銅層11と、第1の銅層11の表面と貫通穴10a、10a’の壁面とに形成された第2の銅層12を有する。また、第1の銅層11と第2の銅層12とからなる所定の配線パターンの回路が形成され、貫通穴10a、10a’により所定の製品形状及びビアホールが形成されている。
絶縁基材10は、25μm以上65μm以下の厚さを有している。また、所定の製品形状が形成された部位における絶縁基材10の側面が、ブラスト加工面10a−1を有している。
ブラスト加工面10a−1、10a’−1は、絶縁基材10の両面に形成された第1の銅層11が11μm以上15μm以下の厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されている。
なお、絶縁基材1aの材料としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等を、単体または複数樹脂を混合したものを用いることができる。また、各種添加剤や柔軟剤をさらに調合したものや、補強材としてガラス等の無機繊維、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、各種天然繊維等の有機繊維を使用したものを用いることもできる。
第2の銅層12が形成された状態における第1の銅層11は、4μm以上10μm以下の厚さを有している。
ビアホールを形成する貫通穴10a’は、φ30μm〜φ50μmに形成されている。
なお、製品形状及びビアホールを形成する貫通穴10a、10a’のブラスト加工面10a−1、10a’−1は、所定の深さ位置での開口径が集合回路基板1の面位置での開口径に比べて狭く形成されている。なお、ここでは、便宜上、狭く形成された部位の図示はしていない。
そして、製品形状及びビアホールを形成する貫通穴10a、10aのブラスト加工面10a−1、10a’−1における、開口径の最も狭い部位は、略中間の深さ位置に形成されている。
【0030】
このように構成される本実施形態の集合回路基板1は、例えば、次のようにして製造できる(
図2参照)。なお、製造の各工程において実施される、薬液洗浄や水洗浄等を含む前処理・後処理等は、便宜上説明を省略する。
【0031】
まず、厚さが25μm以上65μm以下の絶縁基材10の両面に形成された厚さが11μm以上15μm以下の第1の銅層11を有する基板材料1’を準備する(
図2(a)参照)。なお、
図2では、便宜上、絶縁基材10、第1の銅層11は、実際とは異なる相対的な厚みで示してある。
【0032】
次に、基板材料1’の両面に、第1のレジスト層として所定厚さの第1のドライフィルムレジストをラミネートする。第1のドライフィルムレジストの厚さは、加工する絶縁基材10の厚さ及び最小の開口径により定まる。
第1のドライフィルムレジストの種類は特に限定されないが、通常感光部が硬化するネガタイプのものを用いる。この他にポジタイプのドライフィルムレジストでも良い。また液状のフォトレジストを塗布することでも良い。なお、
図2では、便宜上、第1のドライフィルムレジストは、実際とは異なる相対的な厚みで示してある。
【0033】
次に、第1のドライフィルムレジストにおける所定部位に、貫通穴10a、10a’を形成するためのパターンを露光する。
【0034】
次に、現像し、基板材料1’の両面に夫々の形状の貫通穴10a、10a’が形成された第1のレジストマスク30を形成する(
図2(b)参照)。
【0035】
次に、両面の第1のレジストマスク30の開口部から露出する第1の銅層11にエッチング加工を施して、第1の銅層11を除去し、除去した部位において絶縁基材10を露出させる(
図2(c)参照)。
【0036】
次に、加工する絶縁基材10の厚さ及び最小の開口径により定まる所定の砥粒径のブラスト加工用砥粒を用いて、所定の圧力、所定の噴射量で、スリットノズルを適宜移動させながらブラスト加工用砥粒を噴射して、第1のレジストマスク30の開口部から露出する絶縁基材10に対し一方の面側(例えば、
図2に示す絶縁基材10の上面側)からブラスト加工を行い、絶縁基材10を略半分の厚さに掘り込み、開口形状が所定の製品形状の凹部(不図示)と、開口形状が円形の凹部(不図示)を形成する。
次に、第1のレジストマスク30の開口部から露出する絶縁基材10に対しの他方の面側(例えば、
図2に示す絶縁基材10の下面側)から、一方の面側と同様にブラスト加工を行い、絶縁基材10を掘り込み、開口形状が所定の製品形状の凹部(不図示)の底面と、開口形状が円形の凹部(不図示)の底面を夫々貫通させる。これにより、貫通穴10a、10a’が形成される(
図2(d)参照)。
【0037】
次に、第1のレジストマスク30を剥離する(
図2(e)参照)。
次に、第1の銅層11にエッチング加工を施して4μm以上10μm以下の厚さに薄化する(
図2(f)参照)。
次に、薄化した第1の銅層11の表面と貫通穴10a、10a’の壁面とに所定厚さの第2の銅層12を、めっき加工により形成する(
図2(g)参照)。
【0038】
次に、第2の銅層12が形成された基板材料1’の両面に、第2のレジスト層として、第2のドライフィルムレジストをラミネートし、第1のレジストマスク30と同様の形成方法を用いて、第1の銅層11と第2の銅層12とが積層された銅層による回路を形成するための第2のレジストマスク31を形成する(
図2(h)参照)。
次に、第2のレジストマスク31の開口部から露出する第1の銅層11と第2の銅層12とで構成された銅層に対しエッチング加工を施し、回路を形成する(
図2(i)参照)。
その後、第2のレジストマスク31を除去する(
図2(j)参照)。
これにより、集合回路基板1が得られる。
【0039】
本実施形態の集合回路基板1によれば、絶縁基材10が25μm以上65μm以下の厚さを有し、所定の製品形状が形成された部位における絶縁基材10の側面が、絶縁基材10の両面に形成された第1の銅層11が11μm以上15μm以下の厚さを有する状態においてブラスト加工されることによって形成されたブラスト加工面10a−1、10a’−1を有する構成にしたので、ブラスト加工によりブラスト加工面が形成されるときに、回路基板材料1’における25μm以上65μm以下の厚さを有する絶縁基材10の両面に形成された11μm以上15μm以下の厚さを有する第1の銅層11が、回路基板材料1’に高速衝突する砥粒の圧力を緩和し、XY方向への伸びを抑える効果が高くなる。その結果、ブラスト加工により形成されるブロック部1mにおける単位製品部1nをなす回路基板の位置精度を設計値±20μm以内に保つことができる。
【0040】
また、本実施形態の集合回路基板1によれば、ブラスト加工により形成されるブロック部における単位製品部をなす回路基板の位置精度を設計値±20μm以内に保ちながら、径がφ30μm〜φ50μmの大きさの極小径のビアホールを形成することができる。
また、製品形状及びビアホールを形成する貫通穴10a、10aのブラスト加工面10a−1、10a’−1における、開口径の最も狭い部位は、略中間の深さ位置に形成される。このため、集合回路基板1の単位製品部1nにおけるビアホールに対しビアフィルめっきを実施する場合には、ビアホールにおける略中間の深さ位置の内壁面で留まり易くなり、めっきを充填し易くなる。
【0041】
また、本実施形態の集合回路基板1の製造方法によれば、夫々のブラスト加工面10a−1、10a’−1における、略中間の深さ位置に、開口径の最も狭い部位を形成するようにしたので、集合回路基板1の両側からの夫々のブラスト加工時間を略同じに、半減させることができる。このため、レジスト膜の膜厚を基板材料1’の両側で同じ厚さにすることができ、ブラスト加工に用いるレジスト膜の種類が1種類で済み、また、基板材料1’の両側の夫々のブラスト加工時間を略同じにすることで、加工時間も最小限に短縮できるため、生産効率が向上する。
【0042】
なお、
図2の製造工程では、製品形状及びビアホールを形成する貫通穴10a、10a’を形成する工程において、基板材料1’の一方の面側からブラスト加工を行った後に、基板材料1’の他方の側からブラスト加工を行うことによって、貫通穴10a、10a’を形成したが、本発明の実施形態の集合回路基板の製造方法は、その他、基板材料1’の両側から同時にブラスト加工を行うことによって、製品形状及びビアホールを形成する貫通穴10a、10a’を形成するようにしてもよい。
このようにすれば、ブラスト加工時間を大幅に短縮できる。
【0043】
また、本実施形態の集合回路基板1の製造方法によれば、製品形状及びビアホールを形成する貫通穴10a、10a’の形成にブラスト加工を用いるようにしたので、ドリル加工とは異なり、単位製品部1nをなす回路基板における所定の製品形状を精度よく加工でき、また、単位製品部1nをなす回路基板における所定の製品形状とビアホールとを同時形成でき、さらに、レーザ加工とは異なり加工面の炭化がなく、しかも、プレス加工とは異なり設計の自由度も広く、製造コストも低減できる。
【0044】
従って、本実施形態によれば、ブラスト加工による基板材料の伸びを抑制し、ブロック部内の単位製品の位置精度を設計値±20μm以内に保つことができ、加工精度がよく、品質の劣化がなく、コストを抑えて生産効率よく形成することの可能な集合回路基板とその製造方法が得られる。
【実施例】
【0045】
実施例1
まず、厚さが60μmの絶縁基材10の両面に形成された厚さが12μmの第1の銅層11を有する基板材料1’を準備した(
図2(a)参照)。
次に、各工程で使用する位置決めの基準となるガイド穴を基板材料1’の4箇所にドリル加工によって形成した(不図示)。
次に、基板材料1’の両面に、第1のレジスト層として所定厚さの第1のドライフィルムレジストをラミネートし、貫通穴10a、10a’を形成するための所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて露光、現像を行い、第1のレジストマスク30を形成した(
図2(b)参照)。
次に、第1のレジストマスク30をエッチング用のレジストマスクとして用いて、両面の第1のレジストマスク30の開口部から露出する第1の銅層11にエッチング加工を施して、第1の銅層11を除去し、除去した部位において絶縁基材10を露出させた(
図2(c)参照)。
次に、第1のレジストマスク30をブラスト用マスクとして用いて、一方の面側からブラスト加工を行い、絶縁基材10を略半分の厚さに掘り込み、開口形状が所定の製品形状の凹部(不図示)と、開口形状が円形の凹部(不図示)を形成した。
次に、第1のレジストマスク30の開口部から露出する絶縁基材10に対しの他方の面側から、一方の面側と同様にブラスト加工を行い、絶縁基材10を掘り込み、開口形状が所定の製品形状の凹部(不図示)の底面と、開口形状が円形の凹部(不図示)の底面を夫々貫通させて、回路基板の外形形状と、開口径がφ30〜φ50μm程度のビアホールを形成する貫通穴10a、10a’を形成した(
図2(d)参照)。
次に、第1のレジストマスク30を除去した(
図2(e)参照)。
次に、ブラスト加工により貫通穴10a、10a’が形成された基盤材料1’における第1の銅層11の厚さを12μmから5μmに薄化するエッチング加工を行った(
図2(f)参照)。
次に、表裏の銅層の導通をとるために、基板材料1’に対し、銅めっき加工を行い、薄化した第1の銅層11の表面と貫通穴10a、10a’の壁面とに所定厚さの第2の銅層12を設けて、薄化した第1の銅層11と第2の銅層とを積層してなる銅層の厚さが12μmとなるように形成した(
図2(g)参照)。
次に、基板材料1’の両面に、第2のレジスト層として所定厚さの第2のドライフィルムレジストをラミネートし、所定の回路のパターンが描画されたガラスマスクを用いて、露光、現像を行い、第2のレジストマスク31を形成した(
図2(h)参照)。
次に、第2のレジストマスク31の開口部から露出する第1の銅層11と第2の銅層12とで構成された銅層に対しエッチング加工を施し、厚さが12μmの配線回路を形成した(
図2(i)参照)
最後に、第2のレジストマスク31を除去して(
図2(j)参照)、実施例1の集合回路基板1を得た。
【0046】
実施例2
厚さが25μmの絶縁基材10の両面に形成された厚さ12μmの第1の銅層11を有する基板材料1’を準備し、実施例1と同様の加工を行った。但し、ブラスト加工は、ラインスピードを調整して略半分の深さの凹部が形成するスピードとし表裏にブラスト加工をすることで貫通穴を形成した。
【0047】
比較例1
まず、実施例1と同じく厚さが60μmの絶縁基材10の両面に形成された厚さが12μmの第1の銅層11を有する基板材料1’を準備し、位置決め用ガイド穴をドリル加工によって形成し、次にエッチング加工を行って、厚さが60μmの絶縁基材10の両面に形成された厚さが5μmの第1の銅層11を有する比較例1の基板材料1’として準備した。
以後、実施例1と同様に、第1のレジストマスク30の形成(
図2(b)参照)、エッチング加工による絶縁基材10の露出(
図2(c)参照)、ブラスト加工による回路基板の外形形状とビアホールの形成(
図2(d)参照)、第1のレジストマスク30の除去(
図2(e)参照)までを行った。
第1のレジストマスク30の除去後、第1の銅層11を薄化するためのエッチング加工は行わなかった。
以後、実施例1と同様に、第2の銅層12の形成(
図2(g)参照)、第2のレジストマスク31の形成(
図2(h)参照)、エッチング加工による厚さが12μmの配線回路の形成(
図2(i)参照)、第2のレジストマスク31の除去(
図2(j)参照)を行い、比較例1の集合回路基板1を得た。
【0048】
比較例2
まず、実施例1と同じく厚さが60μmの絶縁基材10の両面に形成された厚さが12μmの第1の銅層11を有する基板材料1’を準備し、位置決め用ガイド穴をドリル加工によって形成し、次にエッチング加工を行って、厚さが60μmの絶縁基材10の両面に形成された厚さが8μmの第1の銅層11を有する比較例1の基板材料1’として準備した。
以後、実施例1と同様に、第1のレジストマスク30の形成(
図2(b)参照)、エッチング加工による絶縁基材10の露出(
図2(c)参照)、ブラスト加工による回路基板の外形形状とビアホールの形成(
図2(d)参照)、第1のレジストマスク30の除去(
図2(e)参照)、第2の銅層12の形成(
図2(g)参照)、第2のレジストマスク31の形成(
図2(h)参照)、エッチング加工による厚さが12μmの配線回路の形成(
図2(i)参照)、第2のレジストマスク31の除去(
図2(j)参照)を行い、比較例2の集合回路基板1を得た。
【0049】
実施例1、比較例1、2の集合回路基板の単位製品の位置精度の評価
実施例1、比較例1、2の集合回路基板の夫々における、単位製品部1nをなす個々の回路基板の位置精度を測定し、評価した。
位置精度の測定は、1つのブロック部の中心位置を基準原点として、単位製品部をなす各回路基板の設計上の中心位置に対し、ブラスト加工によって形成した各回路基板の中心位置を測定し、設計上の中心値との差の大小を位置精度として表し、評価した。
実施例1と比較例1、2の夫々にかかる集合回路基板の製造方法により製造した夫々の集合回路基板の位置精度を
図3にグラフで示す。
図3中、上段が比較例1、中段が比較例2、下段が実施例1の集合回路基板の位置精度を示している。また、
図3中、左側のグラフは、
図1(a)に示す集合回路基板における各ブロック部の設計上の位置に対するブラスト加工によって形成した集合回路基板における各ブロック部の位置を示している。また、中央のグラフは、ブラスト加工によって形成した集合回路基板における各単位製品部の位置を示している。また、右側のグラフは、ブラスト加工によって形成した集合回路基板における各単位製品部の設計上の位置からのズレ量の分布を標準偏差で示している。
【0050】
図3に示すように、第1の銅層11が5μmの厚さでブラスト加工を行った比較例1の基板材料1’の個々の回路基板の位置精度は、X方向が−12〜+18μm、Y方向が−28〜+19μmで、標準偏差はX方向が5.2μm、Y方向が9.4μmであった。
第1の銅層11が8μmの厚さでブラスト加工を行った比較例2の基板材料1’の個々の回路基板の位置精度は、X方向が−10〜+7μm、Y方向が−20〜+15μmで、標準偏差はX方向が3.3μm、Y方向が7.0μmであった。
第1の銅層11が12μmの厚さでブラスト加工を行った実施例1の基板材料1’の個々の回路基板の位置精度は、X方向が−8〜+6μm、Y方向が−14〜+10μmで、標準偏差はX方向が2.9μm、Y方向が4.8μmであった。
この結果より、数μmの厚さの違いではあるが基板材料の銅層の厚さが厚い方が、ブラスト加工による伸びを抑制していることが確認できた。
そして、実施例1の基板材料1’は、厚さが11μm以上の銅層にブラスト加工を行うことによりブロック部の単位製品部1nをなす回路基板の位置精度を設計値±20μm以内に保つ集合回路基板が得られることを確認した。
また、実施例1の基板材料1’は、回路基板の位置精度を設計値±20μm以内に保ちながら、ビアホールの径をφ30〜φ50μmに形成できることも確認した。
実施例2の集合回路基板における、単位製品部1nをなす個々の回路基板の位置精度は、X方向、Y方向共に、設計値±20μm以内であった(不図示)。なお、Y方向の標準偏差が5.0μmより大きく、各単位製品部の設計上の位置からのズレ量の分布のばらつきは実施例1の集合回路基板に比べて大きくなった。