(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6962651
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】警報吹鳴器
(51)【国際特許分類】
G08B 21/08 20060101AFI20211025BHJP
G08B 3/06 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
G08B21/08
G08B3/06
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-31298(P2021-31298)
(22)【出願日】2021年2月28日
【審査請求日】2021年2月28日
(31)【優先権主張番号】特願2020-140530(P2020-140530)
(32)【優先日】2020年8月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2021-23802(P2021-23802)
(32)【優先日】2021年2月17日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391039612
【氏名又は名称】片上 義基
(72)【発明者】
【氏名】片上 義基
【審査官】
山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭51−156777(JP,U)
【文献】
実開昭55−014603(JP,U)
【文献】
実開昭49−101685(JP,U)
【文献】
特開平11−009711(JP,A)
【文献】
特開平09−276431(JP,A)
【文献】
米国特許第08305212(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 1/00− 9/20
19/00−31/00
G10K 1/00− 7/06
15/00−15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害時の当事者が、警報音を吹鳴させる警報器であって、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、単体や、2分割や、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)と、例えばバネ(4a)やゴムキャップ(4b)や輪ゴム(4c)のような、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておく、常態押圧具(4)、を備え、警報器を構成し、更に、前記スライド圧合を阻止する為の、ストッパー(7)と、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備え、常態押圧具(4)は、例えば、バネ(4a)の場合、2分割して係合させたケース(3)の、両側の筒口を封じ、片側の内部にバネ(4a)を配置するようにしたり、ゴムキャップ(4b)の場合、2分割して係合させたケース(3)の、片側の筒口を封じ、もう片側の筒口からはみ出た吹鳴部(2)を、ゴムキャップ(4b)で押さえ込むようにしたり、輪ゴム(4c)の場合、単体や、2分割や、2分割して係合させたケース(3)の、両外側の、筒口や封じた筒口に溝を施し、輪ゴム(4c)をかけるようにしたりして、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておくようにし、更に、ケース(3)が単体や、2分割して係合させたものについては、例えば、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の押圧弁(1a)と吹鳴部(2)の隙間や、常態押圧具(4)と格納物の間に位置する、ケース(3)壁部を一部開口し、外部からストッパー(7)を差し込んでおくようにしたり、ケース(3)を2分割したものについては、例えば、ケース(3)とケース(3)の間に、ストッパー(7)をハメ込んでおくようにしたりして、ストッパー(7)で、格納物のスライド圧合を阻止するようにし、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)から、警報器自体を引き抜いて、スライド圧合の阻止を解除するようにしておき、すなわち、警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を引き抜くことにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにし、更に、警報器が水面に浮くように、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、ケース(3)と、常態押圧具(4)で構成される警報器が、包括的に浮力を有するようにし、吹鳴部(2)の吹出口(2a)が水面上に露出するように、吹出口(2a)の反対側や、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の底側に、警報器の重心を寄せておき、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)を、入水者自身や周辺物に装着しておいて、溺水時の入水者が、装着部(8)から警報器自体を抜き放すことにより、警報器を吹鳴起動させると共に、有した浮力により、警報器を水面に浮上させて、水面上に露出させた吹出口(2a)から鳴音させることを特徴とする警報吹鳴器。
【請求項2】
警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)を、例えばゴーグルや水中マスクや水泳帽のような、入水者の装着用具の、着用部と一体化させておいて、溺水時の入水者が、装着用具から警報器自体を抜き放すことにより、警報器を吹鳴起動させて、水面に浮上させることを特徴とする請求項1に記載の警報吹鳴器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時の当事者が警報音を吹鳴させる機器技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
警報音を吹鳴させるものとして、押圧弁式小型高圧ガス容器を用いた、携帯用のエアーホーン等がある。電池式のブザー等は、スイッチで起動させて、自己継続鳴音するが、エアーホーン等は、噴射作動部を手動で押圧させて、その間だけの鳴音となる(特許文献1参照)。災害時の当事者が、噴射作動部を手動で押圧し続けることは、困難である。噴射作動部を器械的に、押圧維持できるものとして、容器残留ガス排出用の器具がある。容器のキャップや噴射作動部に、ガス排出用の機構を持たせたものも、多数存在する(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3108817号
【特許文献2】特開2007−099348
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
噴射作動部を器械的に押圧維持させることも、当然必要であるが、災害時の警報用として、最優先課題は、起動時の操作性である。容器残留ガス排出用のものは、その操作箇所が、容器のキャップや噴射作動部の、一部分に限定されており、緊急時の操作性には難がある。災害時の想定として、例えば暗闇の場合は、限定された操作箇所を手探りで把握する必要がある。自然災害に巻き込まれている最中や、加害者に襲われている間や、溺れかけているとき等、切迫した状況にある当事者は、パニック状態であったり、意識が朦朧とした状態であることも想定されるので、起動時の操作は、できるだけ単純明快なものが望ましい。なお、容器残留ガス排出用のものには、途中の作動停止が難しいものもあるが、使用者が必要に応じて、単純な操作で作動停止できるようにしておくことも望ましい。
【0005】
本発明の警報吹鳴器は、災害時の当事者が、単純な操作で起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させて、周囲に発見・救護を求めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を引き抜いたり、ねじったり、90度回転させたり、押したり、引いたり、圧迫したりすることにより、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにする。また、これらの起動操作と、逆の操作等をすることにより、作動を停止できるようにする。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と吹鳴部(2)は、押圧弁(1a)の細い吐出菅を介してつながるので、後述の各押圧手段の際に、押圧作用線がぶれないように、単体や、2分割や、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)に格納しておき、内部で円滑にスライド圧合させるようにする。
【0007】
押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、単体や、2分割や、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)と、例えばバネ(4a)やゴムキャップ(4b)や輪ゴム(4c)のような、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておく、常態押圧具(4)、あるいは、例えばネジキャップ(5a)やカムシャフト(5b)やカムリング(5c)のような、ケース(3)の格納物を、起動時に押圧させる、起動押圧具(5)、あるいは、例えば爪フック(6a)のような、直接押圧させた、ケース(3)の状態を維持する、押圧維持具(6)、を備え、警報器を構成し、更に、後述においては、前記スライド圧合を阻止する為の、ストッパー(7)や、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備え、常態押圧具(4)を用いる際は、例えば、バネ(4a)の場合、2分割して係合させたケース(3)の、両側の筒口を封じ、片側の内部にバネ(4a)を配置するようにしたり、ゴムキャップ(4b)の場合、2分割して係合させたケース(3)の、片側の筒口を封じ、もう片側の筒口からはみ出た吹鳴部(2)を、ゴムキャップ(4b)で押さえ込むようにしたり、輪ゴム(4c)の場合、単体や、2分割や、2分割して係合させたケース(3)の、両外側の、筒口や封じた筒口に溝を施し、輪ゴム(4c)をかけるようにしたりして、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておくようにし、更に、ケース(3)が単体や、2分割して係合させたものについては、例えば、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の押圧弁(1a)と吹鳴部(2)の隙間や、常態押圧具(4)と格納物の間に位置する、ケース(3)壁部を一部開口し、外部からストッパー(7)を差し込んでおくようにしたり、ケース(3)を2分割したものについては、例えば、ケース(3)とケース(3)の間に、ストッパー(7)をハメ込んでおくようにしたりして、ストッパー(7)で、格納物のスライド圧合を阻止するようにし、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)から、警報器自体を引き抜いて、スライド圧合の阻止を解除するようにしておき、起動押圧具(5)を用いる際は、例えば、ネジキャップ(5a)の場合、2分割してネジで係合させたケース(3)の、両側の筒口を封じ、ケース(3)を係合させたネジを増し締めするように、警報器自体をねじって、格納物を押圧させるようにしたり、カムシャフト(5b)の場合、2分割して係合させたケース(3)の、片側の筒口を封じ、もう片側の筒口にカムを配置するように、カムシャフト(5b)をケース(3)端部にヒンジ付けし、カムシャフト(5b)を装着部(8)にアームで固定しておき、警報器自体を90度回転させて、カムを作用させるようにしたり、カムリング(5c)の場合、2分割したケース(3)の、両外側の筒口を封じ、両内側の筒口付近に突起部を設け、両突起部を装着部(8)と一体化したカムリング(5c)内側にハメ込み、警報器自体を90度回転させたり、押したり、引いたりして、カムを作用させるようにしたり、単体のケース(3)の、両側の筒口からはみ出た、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と吹鳴部(2)を、カムリング(5c)内側の溝にハメ込み、警報器自体を90度回転させて、カムを作用させるようにしたりして、ケース(3)の格納物を、起動時に押圧させるようにし、押圧維持具(6)を用いる際は、例えば、爪フック(6a)の場合、2分割したケース(3)の、両外側の筒口を封じ、片内側の筒口付近に爪フック(6a)を配置し、もう片内側の筒口付近に爪掛かりの溝や突起を設け、警報器自体を圧迫し、ケース(3)同士が爪フック(6a)で係合するようにしたり、単体のケース(3)の、片側の筒口を封じ、もう片側の筒口付近に爪フック(6a)を配置し、筒口からはみ出た、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)に爪掛かりの突起を設け、警報器自体を圧迫し、ケース(3)と押圧弁式小型高圧ガス容器(1)が、爪フック(6a)で係合するようにしたりして、直接押圧させた、ケース(3)の状態を維持するようにし、いずれも、警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を引き抜いたり、ねじったり、90度回転させたり、押したり、引いたり、圧迫したりすることにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにする。
【0008】
前段落に加えて、警報器が水面に浮くように、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、ケース(3)と、常態押圧具(4)で構成される警報器が、包括的に浮力を有するようにし、吹鳴部(2)の吹出口(2a)が水面上に露出するように、吹出口(2a)の反対側や、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の底側に、警報器の重心を寄せておくようにし、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)を、入水者自身や周辺物に装着しておいて、溺水時の入水者が、装着部(8)から警報器自体を抜き放すことにより、警報器を吹鳴起動させると共に、有した浮力により、警報器を水面に浮上させて、水面上に露出させた吹出口(2a)から鳴音させるようにする。
【0009】
前段落に加えて、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)を、例えばゴーグルや水中マスクや水泳帽のような、入水者の装着用具の、着用部と一体化させておいて、溺水時の入水者が、装着用具から警報器自体を抜き放すことにより、警報器を吹鳴起動させて、水面に浮上させるようにする。
【0010】
段落0007に記載の、押圧維持具(6)を用いる際の、爪フック(6a)の場合において、吹鳴部(2)の吹込口側に爪フック(6a)を配置し、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の押圧弁(1a)側に爪掛かりの突起を設け、もしくは、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の押圧弁(1a)側に爪フック(6a)を配置し、吹鳴部(2)の吹込口側に爪掛かりの突起を設け、警報器自体を圧迫し、吹鳴部(2)と押圧弁式小型高圧ガス容器(1)が、爪フック(6a)で係合するようにし、警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を圧迫することにより、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにし、起動後、警報器自体を90度ねじることにより、爪フック(6a)の爪先を、爪掛かりの突起縁から外し、押圧維持を解いて、警報器を作動停止できるようにし、また、警報器自体を更に90度ねじるか、もしくは、90度ねじり戻すことにより、爪フック(6a)の爪先を再び、爪掛かりの突起縁の寸前に位置させるようにし、警報器を、起動待機状態に戻すことができるようにする。
【発明の効果】
【0011】
起動操作が単純なので、切迫した状況にある当事者でも扱い易く、電池式のブザー等のように、自己継続鳴音させることができる。電池式のブザー等と比較した場合、吹鳴器は、電池切れの心配が無く、鳴音量が大きく、耐水性があるので、より多くの災害被害者が、発見・救護されることが期待される。簡素な物で構成されており、安価である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例1)
【
図2】
図1におけるA−A線断面図である。(実施例1)
【
図3】警報吹鳴器の実施例を示す右側面図である。(実施例1)
【
図4】警報吹鳴器の実施例を示す右側面図である。(実施例1)
【
図5】警報吹鳴器の実施例を示す斜視図である。(実施例1)
【
図6】警報吹鳴器の実施例を示す正面図である。(実施例1)
【
図7】警報吹鳴器の実施例を示す右側面図である。(実施例1)
【
図8】警報吹鳴器の実施例を示す左側面図である。(実施例1)
【
図9】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例2)
【
図10】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例3)
【
図11】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例4)
【
図12】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例5)
【
図13】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例6)
【
図14】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例7)
【
図15】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例8)
【
図16】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例9)
【
図17】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例10)
【
図18】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例11)
【
図19】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例12)
【
図20】警報吹鳴器の実施例を示す組み付け図である。(実施例13)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
図1・2・3・4・5・6・7・8は本発明実施の一例を示している。
図1・3に示すように、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておく、常態押圧具(4)の、バネ(4a)を備えている。更に、前記スライド圧合を阻止する為の、ストッパー(7)や、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。2分割してネジで係合させたケース(3)の、両側の筒口を封じ、片側の内部にバネ(4a)を配置するようにしている。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の押圧弁(1a)と吹鳴部(2)の隙間に位置する、ケース(3)壁部を一部開口し、外部からストッパー(7)を差し込んでおくようにしている。
図2に示す例では、常態押圧具(4)と格納物の間に位置する、ケース(3)壁部を一部開口し、外部からストッパー(7)を差し込んでおくようにしている。
図4・5・8に示すように、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)から、警報器自体を引き抜いて、スライド圧合の阻止を解除するようにしている。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を引き抜くことにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、引き抜いた警報器自体を、ストッパー(7)に差し戻せば、作動停止するようになる。加えて、
図6に示すように、警報器が水面に浮くように、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、ケース(3)と、常態押圧具(4)で構成される警報器が、包括的に浮力を有するようにし、吹鳴部(2)の吹出口(2a)が水面上に露出するように、吹出口(2a)の反対側や、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の底側に、警報器の重心を寄せておくようにし、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)を、入水者自身や周辺物に装着しておいて、溺水時の入水者が、装着部(8)から警報器自体を抜き放すことにより、警報器を吹鳴起動させると共に、有した浮力により、警報器を水面に浮上させて、水面上に露出させた吹出口(2a)から鳴音させるようにしている。加えて、
図7に示すように、警報器を伴う、ストッパー(7)と一体化した装着部(8)を、例えばゴーグルや水中マスクや水泳帽のような、入水者の装着用具の、着用部と一体化させておいて、溺水時の入水者が、装着用具から警報器自体を抜き放すことにより、警報器を吹鳴起動させて、水面に浮上させるようにしている。
【実施例2】
【0014】
図9は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておく、常態押圧具(4)の、ゴムキャップ(4b)を備えている。更に、前記スライド圧合を阻止する為の、ストッパー(7)や、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。2分割してネジで係合させたケース(3)の、片側の筒口を封じ、もう片側の筒口からはみ出た吹鳴部(2)を、ゴムキャップ(4b)で押さえ込むようにしている。以上の特記外は、実施例1と同様であり、省略する。
【実施例3】
【0015】
図10は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておく、常態押圧具(4)の、輪ゴム(4c)を備えている。更に、前記スライド圧合を阻止する為の、ストッパー(7)や、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。2分割してすき間バメで係合させたケース(3)の、両外側の、封じた筒口に溝を施し、輪ゴム(4c)をかけるようにしている。以上の特記外は、実施例1と同様であり、省略する。
【実施例4】
【0016】
図11は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、単体の、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておく、常態押圧具(4)の、輪ゴム(4c)を備えている。更に、前記スライド圧合を阻止する為の、ストッパー(7)や、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。単体のケース(3)の、両外側の、筒口に溝を施し、輪ゴム(4c)をかけるようにしている。以上の特記外は、実施例1と同様であり、省略する。
【実施例5】
【0017】
図12は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割した、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、常時押圧させておく、常態押圧具(4)の、輪ゴム(4c)を備えている。更に、前記スライド圧合を阻止する為の、ストッパー(7)や、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。2分割したケース(3)の、両外側の、封じた筒口に溝を施し、輪ゴム(4c)をかけるようにしている。ケース(3)とケース(3)の間に、ストッパー(7)をハメ込んでおくようにしている。なお、起動後は、引き抜いた警報器自体を、ストッパー(7)にハメ戻せば、作動停止するようになる。以上の特記外は、実施例1と同様であり、省略する。
【実施例6】
【0018】
図13は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、起動時に押圧させる、起動押圧具(5)の、ネジキャップ(5a)を備えている。2分割してネジで係合させたケース(3)の、両側の筒口を封じ、ケース(3)を係合させたネジを増し締めするように、警報器自体をねじって、格納物を押圧させるようにしている。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体をねじることにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、増し締めした警報器自体を、ねじり戻せば、作動停止するようになる。
【実施例7】
【0019】
図14は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割して係合させた、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、起動時に押圧させる、起動押圧具(5)の、カムシャフト(5b)を備えている。更に、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。2分割してネジで係合させたケース(3)の、片側の筒口を封じ、もう片側の筒口にカムを配置するように、カムシャフト(5b)をケース(3)端部にヒンジ付けし、カムシャフト(5b)を装着部(8)にアームで固定しておき、警報器自体を90度回転させて、カムを作用させるようにしている。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を90度回転させることにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、90度回転させた警報器自体を、回し戻せば、作動停止するようになる。
【実施例8】
【0020】
図15は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割した、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、起動時に押圧させる、起動押圧具(5)の、カムリング(5c)を備えている。更に、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。2分割したケース(3)の、両外側の筒口を封じ、両内側の筒口付近に突起部を設け、両突起部を装着部(8)と一体化したカムリング(5c)内側にハメ込み、警報器自体を90度回転させて、カムを作用させるようにしている。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を90度回転させることにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、90度回転させた警報器自体を、回し戻せば、作動停止するようになる。
【実施例9】
【0021】
図16は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割した、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、起動時に押圧させる、起動押圧具(5)の、カムリング(5c)を備えている。更に、警報器を使用者自身や周辺物に装着しておく為の、装着部(8)を備えている。2分割したケース(3)の、両外側の筒口を封じ、両内側の筒口付近に突起部を設け、両突起部を装着部(8)と一体化したカムリング(5c)内側にハメ込み、警報器自体を押して、カムを作用させるようにしている。あるいは、警報器自体を引いて、カムを作用させるようにしている。両突起部とカムリング(5c)は、警報器の筒壁を対面して挟むように、2カ所配置している。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を押すことにより、あるいは、引くことにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、押した警報器自体を、引き戻せば、あるいは、引いた警報器自体を、押し戻せば、作動停止するようになる。
【実施例10】
【0022】
図17は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、単体の、中空円筒状のケース(3)と、ケース(3)の格納物を、起動時に押圧させる、起動押圧具(5)の、カムリング(5c)を備えている。単体のケース(3)の、両側の筒口からはみ出た、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と吹鳴部(2)を、カムリング(5c)内側の溝にハメ込み、警報器自体を90度回転させて、カムを作用させるようにしている。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を90度回転させることにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、90度回転させた警報器自体を、回し戻せば、作動停止するようになる。
【実施例11】
【0023】
図18は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、2分割した、中空円筒状のケース(3)と、直接押圧させた、ケース(3)の状態を維持する、押圧維持具(6)の、爪フック(6a)を備えている。2分割したケース(3)の、両外側の筒口を封じ、片内側の筒口付近に爪フック(6a)を配置し、もう片内側の筒口付近に爪掛かりの溝を施し、警報器自体を圧迫し、ケース(3)同士が爪フック(6a)で係合するようにしている。爪フック(6a)と爪掛かりの溝は、警報器の筒壁を対面して挟むように、2カ所配置している。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を圧迫することにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、起動後、警報器自体を90度ねじることにより、爪フック(6a)の爪先を、爪掛かりの溝の端部で押し上げて外し、押圧維持を解いて、警報器を作動停止できるようにしている。爪掛かりの溝を、突起で代用する場合も同様に、警報器自体を90度ねじることにより、爪フック(6a)の爪先を、爪掛かりの突起縁から外し、押圧維持を解いて、警報器を作動停止できるようにしておく。また、押圧維持を解くと同時に、押圧弁(1a)の復元により、爪フック(6a)が押し戻されるので、警報器自体を更に90度ねじるか、もしくは、90度ねじり戻すことにより、爪フック(6a)の爪先を再び、爪掛かりの溝の寸前に位置させるようにし、警報器を、起動待機状態に戻すことができるようにしている。爪掛かりの溝を、突起で代用する場合も同様に、警報器自体を更に90度ねじるか、もしくは、90度ねじり戻すことにより、爪フック(6a)の爪先を再び、爪掛かりの突起縁の寸前に位置させるようにし、警報器を、起動待機状態に戻すことができるようにしておく。
【実施例12】
【0024】
図19は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、これらを格納し、内部で円滑にスライド圧合させる為の、単体の、中空円筒状のケース(3)と、直接押圧させた、ケース(3)の状態を維持する、押圧維持具(6)の、爪フック(6a)を備えている。単体のケース(3)の、片側の筒口を封じ、もう片側の筒口付近に爪フック(6a)を配置し、筒口からはみ出た、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)に爪掛かりの突起を設け、警報器自体を圧迫し、ケース(3)と押圧弁式小型高圧ガス容器(1)が、爪フック(6a)で係合するようにしている。爪フック(6a)と爪掛かりの突起は、警報器の筒壁を対面して挟むように、2カ所配置している。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を圧迫することにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、起動後、警報器自体を90度ねじることにより、爪フック(6a)の爪先を、爪掛かりの突起縁から外し、押圧維持を解いて、警報器を作動停止できるようにしている。また、押圧維持を解くと同時に、押圧弁(1a)の復元により、爪フック(6a)が押し戻されるので、警報器自体を更に90度ねじるか、もしくは、90度ねじり戻すことにより、爪フック(6a)の爪先を再び、爪掛かりの突起縁の寸前に位置させるようにし、警報器を、起動待機状態に戻すことができるようにしている。
【実施例13】
【0025】
図20は本発明実施の一例を示している。押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と、吹鳴部(2)と、直接押圧させた、警報器の状態を維持する、押圧維持具(6)の、爪フック(6a)を備えている。吹鳴部(2)の吹込口側に爪フック(6a)を配置し、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の押圧弁(1a)側に爪掛かりの突起を設け、警報器自体を圧迫し、吹鳴部(2)と押圧弁式小型高圧ガス容器(1)が、爪フック(6a)で係合するようにしている。逆配置として、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)の押圧弁(1a)側に爪フック(6a)を配置し、吹鳴部(2)の吹込口側に爪掛かりの突起を設けてもよい。爪フック(6a)と爪掛かりの突起は、警報器の筒壁を対面して挟むように、2カ所配置している。警報器自体を起動部として、災害時の当事者が、警報器自体を圧迫することにより、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させるようにしている。なお、起動後、警報器自体を90度ねじることにより、爪フック(6a)の爪先を、爪掛かりの突起縁から外し、押圧維持を解いて、警報器を作動停止できるようにしている。また、押圧維持を解くと同時に、押圧弁(1a)の復元により、爪フック(6a)が押し戻されるので、もしくは、逆配置の場合、爪掛かりの突起が押し戻されるので、警報器自体を更に90度ねじるか、もしくは、90度ねじり戻すことにより、爪フック(6a)の爪先を再び、爪掛かりの突起縁の寸前に位置させるようにし、警報器を、起動待機状態に戻すことができるようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0026】
現況として、小型の警報鳴音器は、電池式のブザー等のような、電気式のものが主流であるが、単純な起動操作で、自己継続鳴音する吹鳴器であれば、高圧ガス式のものも、利便性が高まり、新たな需要も期待される。
【符号の説明】
【0027】
1 押圧弁式小型高圧ガス容器
1a 押圧弁
2 吹鳴部
2a 吹出口
3 ケース
4 常態押圧具
4a バネ
4b ゴムキャップ
4c 輪ゴム
5 起動押圧具
5a ネジキャップ
5b カムシャフト
5c カムリング
6 押圧維持具
6a 爪フック
7 ストッパー
8 装着部
【要約】 (修正有)
【課題】災害時の当事者が、単純な操作で起動でき、起動後も自己継続吹鳴する警報吹鳴器を提供する。
【解決手段】中空円筒状のケース(3)に格納した、押圧弁式小型高圧ガス容器(1)と吹鳴部(2)を、常態押圧具や起動押圧具や押圧維持具を用いて、起動押圧及び押圧維持できるようにして、警報器を構成し、災害時の当事者が、警報器自体を引き抜いたり、ねじったり、90度回転させたり、押したり、引いたり、圧迫したりすることにより、ケース(3)に格納した押圧弁式小型高圧ガス容器(1)や吹鳴部(2)を、ケース(3)の内壁に沿ってスライド圧合させて、警報器を吹鳴起動させ、起動後も、警報器を自己継続吹鳴させる。
【選択図】
図1