(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態の機械式駐車場の概要を示す図である。
図2は、実施の形態の機械式駐車場の1つのフロアの駐車スペースの配置を示すレイアウト図である。
【0014】
本発明の実施の形態の機械式駐車場1は、複数の駐車室2、3、4と、入庫又は出庫する車両に人が乗降する乗降室5と、乗降室5と駐車室2、3、4との間で車両を移動する昇降装置6とを備える。なお、機械式駐車場1は、複数フロアの駐車室2、3、4を有するが、フロア数は1つでも複数でもよい。以下では、主に、地下第1フロアの駐車室2について説明する。他のフロアの駐車室3、4は、レイアウトが異なる場合があるが、その他の構成は駐車室2と同様である。
【0015】
駐車室2は、
図2に示すように、複数行および複数列に駐車スペース10が並んだ駐車領域を有する。
図2の例では、駐車室2に障害物(例えば敷地の柱)81が通っており、複数の駐車スペース10が障害物81を避けて設けられている。
【0016】
各駐車スペース10は、パレット20を移動する搬送装置12を備え、パレット20を移動可能に配置することができる。パレット20は車両を搭載可能な台であり、車両を搭載したパレット20が1つの駐車スペース10に配置されて駐車が行われることになる。
図2では、煩雑を避けるため、複数の駐車スペース10の一部および複数のパレット20の一部に符号を付していないが、
図2中、障害物81および昇降台6aを除いて破線で仕切られた範囲が各駐車スペース10を示している。また、幾つかを除いて複数の駐車スペース10の各々に配置されている矩形状の構成がパレット20を示している。
【0017】
昇降装置6は、昇降台6a、昇降路6b、および駆動装置6cを備える。昇降台6aは駆動装置6cにより昇降路6bに沿って昇降する。昇降路6bは各フロアの駐車領域に隣接して設けられている。昇降台6aは、各フロアに昇降した際、
図2に示すように、所定の駐車スペース10に隣接する。昇降台6aには、パレット20を移動する搬送装置12が設けられ、パレット20を移動可能に配置できる。
【0018】
ここで、パレット20の移動規則について、
図2を参照しながら説明する。以下では、駐車領域に隣接されたときの昇降台6aのスペースを「接続スペース16」と呼ぶ。また、パレット20を有さない駐車スペース10又は接続スペース16のことを「空スペース」と呼び、車両の有無を問わずにパレット20を有する駐車スペース10又は接続スペース16のことを「非空スペース」と呼ぶ。また、複数の駐車スペース10と接続スペース16とを合わせた領域のことを「パレット移動領域」と呼ぶ。接続スペース16は、駐車領域の外部と駐車領域とを接続するためのスペースであり、本発明に係る接続部の一例に相当する。1つの駐車スペース10或いは1つの接続スペース16は1つのパレット20を収容できる。
【0019】
パレット移動領域は、
図2に示すように、駐車スペース10および接続スペース16の総数よりも所定個少ない複数のパレット20を備える。
図2の具体例では、駐車スペース10および接続スペース16の総数よりもパレット20が3個少なく配置されている。
【0020】
パレット20は、X方向又はY方向に空スペースと非空スペースとが並んでいる場合、非空スペースから空スペースへ移動することができる。言い換えれば、パレット20は、上記の場合に、隣接する一対の駐車スペース10の間、或いは、隣接する駐車スペース10と接続スペース16との間を移動できる。
図2の場合、例えば▲印が付加された1つのパレット20を−Y方向へ移動することができる。このようなパレット20の移動により、元の空スペースは非空スペースとなり、元の非空スペースは空スペースとなる。
【0021】
また、空スペースと複数の非空スペースとがこの順で一列に並んでいる場合、複数の非空スペースの複数のパレット20は、同時に、空スペースの方へ1枠ずつ移動することができる。ここで、「枠」とは、1つの空スペースの枠、又は1つの非空スペースの枠を意味する。
図2の場合、例えば●印が付加された3つのパレット20を+Y方向へ1枠ずつ同時に移動することができる。このような移動により、空スペースの配置が一方向に複数枠分変更される。
【0022】
また、複数の空スペースを利用することで、上記のようなパレット20の移動を複数系統同時に行うことができる。ただし、複数系統のパレット20の移動は、互いに干渉しないものとする。例えば、上述した▲印のパレット20の移動(第1系統の移動)と、●印の3つのパレット20の移動(第2系統の移動)とを同時に行うことができる。3つの空スペースがあれば、3系統のパレット20の移動を同時に行うことができる。
【0023】
なお、図示は省略するが、駐車領域には、駐車スペース10の横に支柱等の障害物が設けられる場合がある。このため、隣接する一対の駐車スペース10の間であっても、障害物が設けられているところでは、パレット20の移動が不可能となる。
【0024】
このような移動規則に従って1個又は複数のパレット20を1枠ずつ移動する動作を繰り返すことで、任意の駐車スペース10のパレット20を接続スペース16へ移動することができる。
図2の複数のパレット20に付された数字は、該当のパレット20を、上記の移動規則に従って最短の時間で接続スペース16へ移動するのにかかる動作回数を示している。「動作回数」とは1つ又は複数の空スペースを利用して1つ又は複数のパレットを一度に移動する動作の回数を意味する。この動作回数は、該当のパレットに搭載された車両を出庫するのにかかる動作回数を意味する。このような動作回数およびその移動パターンは、コンピュータが所定のアルゴリズムに従って演算を行うことで求めることができる。
【0025】
図3は、実施の形態の機械式駐車場の制御系の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0026】
機械式駐車場1には、上記の構成に加えて、
図3の制御部40およびゲート装置5aを備えている。
【0027】
ゲート装置5aは、ユーザが入庫又は出庫の操作を行う操作盤、および、乗降室5のゲートを開閉する装置等を含む。
【0028】
制御部40は、
図3に示すように、入出庫制御部41、領域設定部42、車両配置管理部43、パレット移動演算部44、パレット移動制御部45、車両配置記憶部46、領域記憶部47、およびパレット配置記憶部48を備えている。
【0029】
制御部40は、コンピュータであり、制御プログラムと制御データとを格納する記憶装置、制御プログラムを実行するCPU(中央演算処理装置)、作業用のメモリ、並びに、制御部40と外部の装置との間で信号を入出力するインターフェース等を備えている。制御部40は、上記のソフトウェアとハードウェアとの協働により、
図3の格機能ブロックを実現する。
【0030】
車両配置記憶部46は、各フロアの駐車領域に駐車されている車両の配置を記憶する。
【0031】
パレット配置記憶部48は、各フロアの駐車領域に配置されている複数のパレット20の配置を記憶する。
【0032】
入出庫制御部41は、ゲート装置5aの操作部を介してユーザから入庫又は出庫の指令を受け付ける。さらに、入出庫制御部41は、車両を入庫するフロアの割り振り、並びに、車両を出庫するフロアの特定を行い、昇降装置6を制御して1つのフロアと乗降室5との間で車両を移動する制御を行う。また、入出庫制御部41は、ゲート装置5aを制御して乗降室5と外部との間で車両を出し入れするための制御を行う。
【0033】
領域設定部42は、各フロアの駐車領域に禁止領域を設定する。
【0034】
図4および
図5は、禁止領域の設定例を示すレイアウト図であり、
図4(A)は第1例、
図4(B)は第2例、
図5(A)は第3例、
図5(B)は第4例である。
【0035】
禁止領域はフロア毎に独立して設定される。以下、主に、地下第1フロアの駐車室2の駐車領域に設定される禁止領域E1〜E4について説明するが、他のフロアにおいても同様に禁止領域が設定される。
【0036】
禁止領域E1〜E4は、パレット20が移動可能な駐車領域のうち、パレット20の移動を禁止するように設定された領域である。禁止領域は本発明に係る第2領域の一例に相当し、パレット移動領域から禁止領域を除いた領域が、パレット20の移動を許可された領域となり、本発明の第1領域の一例に相当する。
【0037】
領域設定部42は、駐車領域の駐車台数に応じて禁止領域E1〜E4を設定する。具体的には、領域設定部42は、駐車室2に駐車する車両の数が段階的に増加するごとに、領域が段階的に縮小するように禁止領域E1〜E4を設定する。また、領域設定部42は、駐車室2に駐車する車両の数が段階的に減少するごとに、領域が段階的に拡大するように禁止領域E1〜E4を設定する。より具体的には、駐車室2の駐車台数が36台〜44台(満車)のとき、領域設定部42は禁止領域を設定しない。また、領域設定部42は、駐車台数が27台〜35台のとき禁止領域E1を設定し(
図4(A))、駐車台数が17台〜26台のとき禁止領域E1、E2を設定する(
図4(B))。また、領域設定部42は、駐車台数が12台〜16台のとき禁止領域E1、E2、E3を設定し(
図5(A))、駐車台数が11台以下のとき禁止領域E1、E2、E3、E4を設定する(
図5(B))。禁止領域が拡大するときは、元の禁止領域に別の禁止領域が加えられるように禁止領域が拡大される。また、禁止領域が縮小するときは、元の禁止領域の一部の領域が禁止領域から除かれるように禁止領域が縮小される。
【0038】
図4(A)の禁止領域E1は、接続スペース16から最も遠い駐車スペース(最遠駐車スペース:
図2に■印で示す駐車スペース)10と、この駐車スペース10に連続して並ぶ複数の駐車スペース10とを含んだ領域である。ここでは、遠近の定義を、パレット20の移動可能な経路に沿って間に挟まれる駐車スペース10が多い方を遠方とし、少ない方を近い方としている。パレット20が移動可能な経路とは、途中に障害物81又は図示略の支柱等の障害物を挟まず、周囲が全て空スペースのときにパレット20を移動できる最短の経路を意味する。
【0039】
図4(B)の禁止領域E2は、拡大前の禁止領域E1を除いたパレット移動領域において、接続スペース16から最も遠い駐車スペース10(
図4(A)に■印で示す。)と、これに連続する複数の駐車スペース10とを含んだ領域である。同様に、
図5(A)の禁止領域E3は、拡大前の禁止領域E1、E2を除いたパレット移動領域において、接続スペース16から最も遠い駐車スペース10(
図4(B)に■印で示す。)と、これに連続する複数の駐車スペース10とを含んだ領域である。また、
図5(B)の禁止領域E4は、拡大前の禁止領域E1、E2、E3を除いたパレット移動領域において、接続スペース16から最も遠い駐車スペース10(
図5(A)に■印で示す。)と、これに連続する複数の駐車スペース10とを含んだ領域である。
【0040】
図4(A)、
図4(B)、
図5(A)、
図5(B)において、各パレット20に記された数字は、禁止領域E1〜E4が設定されたときに、該当のパレット20を最短時間で接続スペース16へ移動するのにかかる動作回数を示している。この動作回数は、該当のパレットに搭載された車両を出庫するのにかかる動作回数を意味する。上記のように禁止領域E1〜E4を設定することで、出庫にかかる動作回数が大きくなる駐車スペース10を禁止領域E1〜E4に含めることができる。
【0041】
なお、上記の例では、接続スペース16から最も遠い駐車スペース10が禁止領域或いは禁止領域の拡大部分に含まれるように禁止領域或いは禁止領域の拡大部分が設計されている。しかしながら、上記のように演算された出庫にかかる動作回数に基づいて、動作回数が最も多い方から複数の駐車スペースが禁止領域或いは禁止領域の拡大部分に含まれるように禁止領域および禁止領域の拡大部分が設計されてもよい。
【0042】
図3に戻って、制御部40の機能ブロックの説明を続ける。
【0043】
領域記憶部47は、領域設定部42により設定された各フロアの禁止領域を記憶する。
【0044】
車両配置管理部43は、領域設定部42を介して入出庫制御部41から入力した指定のフロアの入庫要求又は出庫要求に基づき、指定のフロアの車両の配置を管理し、パレット移動演算部44へパレット移動要求を出力する。パレット移動要求とは、指定のパレット20を指定の駐車スペース10(或いは接続スペース16)まで移動する要求である。車両配置管理部43は、車両配置記憶部46に記憶された車両配置と、パレット配置記憶部48に記憶されたパレット20の配置と、領域記憶部47に記憶された禁止領域とに基づいて、出庫する車両の配置を管理する。車両配置管理部43の具体的な処理の手順については後述する。
【0045】
パレット移動演算部44は、車両配置管理部43のパレット移動要求を受けて、このパレット20の移動を最短時間で実現するパレット20の移動手順を演算する。パレット移動演算部44は、パレット配置記憶部48に記憶されたパレット20の配置と、領域記憶部47に記憶された禁止領域とに基づいて初期条件を設定し、移動手順を演算する。演算結果はパレット移動制御部45へ出力される。パレット移動演算部44の具体的な処理の手順については後述する。
【0046】
パレット移動制御部45は、演算された移動手順に従って、各駐車スペース10および接続スペース16の搬送装置12の駆動を制御して、実際にパレット20を移動する制御を行う。搬送装置12を駆動してパレット20の移動を確認するごとに、パレット移動制御部45は、車両配置記憶部46に記憶されている車両配置と、パレット配置記憶部48に記憶されているパレット20の配置とを更新する。
【0047】
続いて、制御部40の機能ブロックにより実行される処理について詳細に説明する。
【0048】
図6は、領域設定部により実行される領域設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
領域設定処理は、入出庫制御部41から指定のフロアの入庫又は出庫の要求が出力された場合に開始される。
【0050】
この処理が開始されると、先ず、領域設定部42は入庫要求か出庫要求かを判別する(ステップS11)。その結果、入庫要求の場合、領域設定部42は車両配置記憶部46の情報から指定フロアの入庫後の車両の数が禁止領域を縮小する台数になるか判別する(ステップS12)。
【0051】
判別の結果、縮小する台数であれば、領域設定部42は、禁止領域を1段階縮小するように設定変更し、変更後の禁止領域を領域記憶部47へ記憶する(ステップS13)。なお、ステップS13において、変更前の禁止領域が最も小さい禁止領域E1(
図4(A))である場合は、領域設定部42は、禁止領域無しに変更し、この結果を領域記憶部47へ記憶する。その後、領域設定部42は、処理を次のステップS14へ移行する。
【0052】
ステップS12の判別の結果、縮小する台数でなければ、領域設定部42は、ステップS13を飛ばして次のステップS14へ処理を移行する。
【0053】
ステップS14では、領域設定部42は、入出庫制御部41の入庫要求を車両配置管理部43へ出力する(ステップS14)。そして、1回の領域設定処理が終了する。
【0054】
これらステップS12〜S14の処理により、車両の入庫に応じた禁止領域の管理が実現される。
【0055】
一方、ステップS11の判別処理の結果、出庫要求であれば、領域設定部42は、入出庫制御部41の出庫要求を車両配置管理部43へ出力する(ステップS15)。この出力により、車両配置管理部43、パレット移動演算部44、パレット移動制御部45が機能して、出庫要求のあった車両を載せたパレット20を接続スペース16へ移動する制御がスタートする。
【0056】
次に、領域設定部42は、車両配置記憶部46の情報から指定フロアの出庫後の車両の数が禁止領域を拡大する台数になるか判別する(ステップS16)。その結果、否であれば、このまま1回の領域設定処理が終了する。
【0057】
一方、拡大する台数であれば、領域設定部42は、車両配置記憶部46の更新情報等に基づき出庫が完了したか否か確認する(ステップS17)。そして、領域設定部42は、出庫が完了するまで確認を行い、出庫が完了したら、処理を次のステップS18へ移行する。
【0058】
ステップS18では、領域設定部42は、禁止領域を拡大する領域を非車載のパレット20で満たすパレット20の移動の手順を演算する(ステップS18)。拡大する禁止領域には、車両を搭載したパレット20が配置された駐車スペース、或いは、パレット20の無い駐車スペースが存在している場合がある。よって、このような場合に、ステップS18で、拡大する禁止領域から車載のパレット20を移動して、拡大する禁止領域を非車載のパレット20が占めるような手順が演算される。また、このとき、該当のフロアでは出庫が完了しているので、駐車領域には拡大する禁止領域を満たす数の非車載のパレット20が存在する。よって、上記の手順が演算可能となる。
【0059】
続いて、領域設定部42は、パレット移動制御部45へ演算した手順を出力する(ステップS19)。これにより、パレット移動制御部45が機能してパレット20が実際に移動し、非車載のパレット20が拡大する禁止領域を占めることになる。
【0060】
手順を出力したら、領域設定部42は、パレット配置記憶部48の情報からパレット20の移動が完了したか否か確認する(ステップS20)。そして、領域設定部42は、移動が完了するまで確認を行う。
【0061】
その結果、移動の完了が確認されたら、領域設定部42は、領域記憶部47に拡大した禁止領域を記憶して(ステップS21)、1回の領域設定処理を終了する。
【0062】
上記のステップS17〜S21の処理により、車両の出庫に応じた禁止領域の管理が実現される。さらに、領域設定部42が禁止領域を拡大する際には、拡大される領域が非車載のパレット20で満たされた状態で禁止領域が拡大されるようになっている。このような制御によって、禁止領域に車両を搭載したパレット20が配置されることを回避することができる。
【0063】
図7は、車両配置管理部により実行される車両配置管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
車両配置管理処理は、領域設定部42を介して入出庫制御部41から指定フロアの入庫要求或いは出庫要求が車両配置管理部43に入力された場合に開始される。
【0065】
この処理が開始されると、先ず、車両配置管理部43は入庫要求か出庫要求か判別する(ステップS31)。その結果、入庫要求であれば、車両配置管理部43は、車両配置記憶部46とパレット配置記憶部48と領域記憶部47とから、車両の配置とパレット20の配置と禁止領域とを読み出す(ステップS32〜S34)。
【0066】
続いて、車両配置管理部43は、読み出した情報に基づいて、禁止領域を避けて車両を新たに配置する駐車スペースを割り当てる(ステップS35)。この駐車スペースの割り当ては、特に制限されないが、例えば、禁止領域以外で非車載のパレット20が配置された駐車スペースを指定することで行われる。
【0067】
次いで、車両配置管理部43は、車両の入庫が実現されるパレットの移動要求をパレット移動演算部44へ出力する(ステップS36)。この移動要求は、特に制限されないが、例えば、ステップS35で指定した非車載のパレット20を接続スペース16へ移動する要求により実現できる。接続スペース16に入庫する車両を載せたパレット20が来た後、上記の移動要求により、指定された非車載のパレット20が接続スペース16へ移動するように複数のパレット20の移動制御が行われる。これにより、接続スペース16が車両有りから車両無しの状態に変わる分、禁止領域を除いた何れかの駐車スペースに新規に車両が入庫されることとなる。
【0068】
車両配置管理部43がパレットの移動要求を発したら、1回の車両配置管理処理が終了する。
【0069】
一方、ステップS31の判別の結果、出庫要求であれば、車両配置管理部43は、車両配置記憶部46から車両の配置を読み出す(ステップS37)。
【0070】
続いて、車両配置管理部43は、読み出した情報に基づいて、出庫要求の車両を載せたパレット20を探索し、このパレット20を接続スペース16へ移動する要求を、パレット移動演算部44を出力する(ステップS38)。そして、1回の車両配置管理処理が終了する。
【0071】
上記の車両配置管理処理により、車両配置管理部43は、入庫の際、禁止領域に車両の駐車が行われないように、駐車スペースの割り当てを行うことができる。また、出庫の際、車両配置管理部43は、出庫する車両の移動要求を出力して、出庫の車両の配置管理を行うことができる。
【0072】
図8は、パレット移動演算部により実行されるパレット移動演算処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
パレット移動演算処理は、車両配置管理部43からパレットの移動要求がパレット移動演算部44に入力された場合に開始される。
【0074】
この処理が開始されると、先ず、パレット移動演算部44は、車両配置記憶部46、パレット配置記憶部48、および領域記憶部47から車両の配置とパレット20の配置と禁止領域とを読み出す(ステップS41〜S43)。
【0075】
次に、パレット移動演算部44は、読み出された禁止領域をパレット20が移動できない領域とする条件の設定と、読み出されたパレット配置を初期条件とする設定を行う。その上で、パレット移動演算部44は、要求されたパレット20の移動を最短時間で達成できるパレット20の移動手順を演算する(ステップS44)。この演算は、所定のアルゴリズムに従って行うことができる。
【0076】
続いて、パレット移動演算部44は、演算結果の手順をパレット移動制御部45へ出力する(ステップS45)。そして、1回のパレット移動演算処理が終了する。
【0077】
このようなパレット移動演算処理により、車両の入庫又は出庫の際、禁止領域においてパレットの移動が行われないように入庫や出庫に必要なパレット20の移動が行われることとなる。
【0078】
以上のように、本実施の形態の機械式駐車場1によれば、入庫或いは出庫の要求に従って車両を各フロアの駐車領域に入庫或いはそこから出庫することができる。また、このような入庫或いは出庫に際して、領域設定部42が駐車領域に禁止領域E1〜E4を設定することができる。
【0079】
ここで、禁止領域の設定が行われない従来の機械式駐車場において、長期の駐車をしている車両(以下、「長期駐車車両」と呼ぶ)があるとする。このような場合、この長期の駐車期間に他の車両の入庫又は出庫が繰り返されて複数のパレット20が移動することで、長期駐車車両を搭載したパレット20は接続スペース16から遠い駐車スペース10に追いやられてしまう。この結果、長期駐車車両の出庫の際、駐車領域に駐車している車両が少なくなっていても、長期駐車車両を搭載したパレット20は接続スペース16から遠くに配置されることになる。このため、長期駐車車両の出庫のためにパレット20を移動する動作回数が多くなり、長期駐車車両の出庫に多大な時間が費やされることになる。
【0080】
しかしながら、本実施の形態の機械式駐車場1によれば、上記のように禁止領域E1〜E4が設定されるので、駐車領域に駐車される車両の数が少ないときに、禁止領域E1〜E4を除いた駐車領域に車両を集めておくことができる。これにより、駐車領域の何れかの車両を出庫する際、出庫する車両を搭載したパレット20は、接続スペースに近い配置となり、出庫時間の短縮化を図ることができる。また、パレット20を移動する総合的な動作回数が減ることにより、電力の削減により機械式駐車場1のランニングコストの低下を図ることができる。
【0081】
また、領域設定部42は、駐車領域に駐車された車両の数に基づいて禁止領域E1〜E4を設定し、且つ、禁止領域E1〜E4は、接続スペース16から遠い駐車スペース10が含まれるように設定される。さらに、領域設定部42は、駐車される車両の数が段階的に増えるごとに、禁止領域を段階的に縮小し、駐車される車両の数が段階的に減るごとに、禁止領域を段階的に拡大する。よって、このような禁止領域の設定により、各車両の出庫時間をより短縮化することができる。
【0082】
また、領域設定部42は、禁止領域を設定する際、車両を搭載していないパレットが禁止領域を占めるように制御を行うので、このような禁止領域の設定により、全ての駐車車両において出庫時間の短縮化を図ることができる。また、空スペースが禁止領域に含まれてしまうことが防止されるので、その後のパレットの移動にも支障が生じない。
【0083】
また、本実施の形態の機械式駐車場1は、制御部40の内部で禁止領域E1〜E4を設定するだけで、出庫時間の短縮化を図ることができる。よって、出庫時間の短縮化のために、敷地面積に対する最大駐車台数の割合が減少しない。また、従前の同様の機械式駐車場に対して、ハードウェアの変更なしでソフトウェアの変更のみで、禁止領域の設定機能を付加することができる。よって従前の機械式駐車場に禁止領域の設定機能を追加する場合に、機械式駐車場の改修期間を短くすることができる。
【0084】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではない。例えば、上記実施の形態では、駐車する車両の数に基づいて自動で禁止領域が設定される構成としたが、管理者が手動により禁止領域を設定できる構成を採用してもよい。また、自動的な設定と手動による設定とを切り替え可能に構成してもよい。
【0085】
また、上記実施の形態では、パレット20を少ない移動規則に従って自由に移動させる所謂パズル動作の機械式駐車場を前提構成としているが、本発明はその他の移動方式を採用した機械式駐車場にも採用できる。例えば、パレット移動領域において、全ての駐車スペース10の複数のパレット20が一通りの経路に沿って循環的に移動するように、パレット20の移動パターンが定められた水平循環方式の機械式駐車場においても本発明を同様に適用できる。このような場合、複数のパレット20が循環的に移動する領域を、禁止領域の設定により小さくすることで、車両の数が少ないときに、車両の出庫に必要なパレットの移動時間を短くすることができる。
【0086】
また、上記実施の形態では、駐車領域に1つの接続部(接続スペース16)が隣接される構成を示したが、複数の接続部が隣接される構成としてもよい。入庫用の接続部と出庫用の接続部とが別であってもよい。また、禁止領域は図示した4つに限られず、段階的に拡大縮小する禁止領域の段数は適宜増減してもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0087】
以下、本明細書に示された幾つかの発明について記す。
<発明1>
複数行および複数列に並べられた複数の駐車スペースを有する駐車室と、
車両が搭載可能であり、前記複数の駐車スペースのうち隣接する一対の駐車スペースの間を移動可能な複数のパレットと、
前記複数の駐車スペースの何れかに隣接し、前記駐車室の外部と前記駐車室とを接続する接続部と、
前記複数のパレットの移動を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記パレットの移動を許可する第1領域と、前記パレットの移動を禁止する第2領域とを設定する領域設定部を有する機械式駐車場。
<発明2>
前記領域設定部は、前記駐車室に駐車している車両の数に基づいて前記第1領域と前記第2領域とを設定する、
発明1記載の機械式駐車場。
<発明3>
前記領域設定部は、前記駐車室に駐車する車両の数の増加に基づいて前記第1領域を拡大し且つ前記第2領域を縮小する、
発明2記載の機械式駐車場。
<発明4>
前記パレットが移動可能な経路に沿って多くの前記駐車スペースが間に挟まれる方を遠方として、
前記領域設定部は、前記複数の駐車スペースのうち前記接続部から最も遠い最遠駐車スペースを前記第2領域に含める発明1〜発明3の何れか一項に記載の機械式駐車場。
<発明5>
前記領域設定部は、前記最遠駐車スペースと、前記最遠駐車スペースに連続して並ぶ1つ以上の前記駐車スペースとを、前記第2領域に設定する発明4に記載の機械式駐車場。
<発明6>
前記制御部は、
前記領域設定部が前記第2領域を設定する際、設定される前記第2領域の駐車スペースを、車両を搭載していない前記パレットが占めるように前記複数のパレットを移動する発明1〜発明5の何れか一項に記載の機械式駐車場。