(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記優先度識別子に応じた表示態様には、前記他の移動体の位置及び前記付加情報を前記表示部に表示しない態様が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示装置。
前記付与部は、前記移動体及び前記他の移動体の各々の進行方向と、前記移動体と前記他の移動体との相対距離の時間変化と、前記移動体の速度と、に基づいて前記優先度識別子を付与することを特徴とする請求項3に記載の情報表示装置。
前記付与部は、前記移動体が高速道路を走行しているかを判定し、前記移動体が高速道路を走行しているかに応じた基準で前記優先度識別子を付与することを特徴とする請求項4に記載の情報表示装置。
前記付与部は、前記移動体が走行している道路に中央分離帯があるかを判定し、前記移動体が走行している道路に中央分離帯があるかに応じた基準で前記優先度識別子を付与することを特徴とする請求項4に記載の情報表示装置。
前記付与部は、前記移動体の進行方向における次の交差点を特定し、前記他の移動体の前記交差点に対する距離の時間変化と、前記移動体及び前記他の移動体の進行方向と、前記移動体の速度と、に応じて前記優先度識別子を付与することを特徴とする請求項3に記載の情報表示装置。
前記付与部は、前記交差点に信号があるかを判定し、前記交差点に信号があるかに応じた基準で前記優先度識別子を付与することを特徴とする請求項7に記載の情報表示装置。
前記付与部は、前記他の移動体の進行方向が前記移動体の進行方向と同じ方向である場合、前記移動体が走行している道路に右折専用レーンがあるかをさらに判定し、前記移動体が走行している道路に右折専用レーンがあるかに応じた基準で前記優先度識別子を付与することを特徴とする請求項7に記載の情報表示装置。
前記他車情報取得部は、無線通信を行う通信装置を含み、無線通信によって前記他車情報を取得することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載の情報表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1に係る情報表示装置10のブロック図である。情報表示装置10は、例えば車両等の移動体(以下、自車と称する)に搭載されるナビゲーション装置であり、他の車両等(以下、他車と称する)に搭載された通信装置等の外部の通信装置との間で近距離無線通信を行う機能を有する。
【0013】
情報表示装置10は、通信部11、表示部12、自車情報取得部13、他車情報取得部14、表示優先度設定部15、処理制御部16及び記憶部17を有する。
【0014】
通信部11は、例えばWi−Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した無線通信装置であり、他車に搭載された通信装置との間で無線通信を行い、各種情報の送受信を行う。
【0015】
表示部12は、液晶ディスプレイ等の表示パネルから構成され、処理制御部16の制御に応じて各種情報を表示する。
【0016】
自車情報取得部13は、自車の位置情報、速度情報及び進行方向の情報(以下、これらを自車の移動情報とも称する)を取得する。自車情報取得部13は、例えば複数のGPS(Global Positioning System)衛星から送信された電波を受信し、受信した電波に基づいて各GPS衛星からの距離を算出することにより、自車の位置情報及び速度情報を取得するGPS装置であっても良い。また、自車情報取得部13は、加速度センサや角速度センサを含み、加速度及び角速度を検出することにより、自車の速度情報や進行方向の情報を取得するものであっても良い。また、自車情報取得部13は、ウインカーの指示方向を示すウインカー情報等、操縦に関する情報を取得しても良い。また、自車情報取得部13は、自車を運転するドライバについての情報(例えば、初心者である等の情報)を取得しても良い。
【0017】
他車情報取得部14は、通信部11を介して他車の位置情報、速度情報、進行方向情報及びウインカー情報(以下、これらを他車の移動情報とも称する)を取得する。また、他車情報取得部14は、他車の移動情報に加えて、他車を運転するドライバについての情報を取得する。なお、他車情報取得部14は、通信部11と一体として構成されていても良い。
【0018】
表示優先度設定部15は、自車情報取得部13により取得された自車の移動情報、他車情報取得部14により取得された他車の移動情報、及び記憶部17に記憶されている地図情報に基づいて、他車の情報を表示するにあたっての優先度を設定する。その際、表示優先度設定部15は、自車と他車との衝突の危険性を判定する判定テーブルを参照して、他車の情報に情報表示の優先度を示す識別子である優先度識別子を付与することにより、他車の情報表示についての優先度を設定する。
【0019】
処理制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含み、通信部11、表示部12、自車情報取得部13、他車情報取得部14、表示優先度判定部15及び記憶部17の各種処理動作を制御する。
【0020】
記憶部17は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)等を含み、地図情報や通信部11を介して取得した他車の位置情報を記憶する。また、記憶部17は、表示優先度設定部15が他車の情報表示についての優先度を設定するにあたって自車と他車との衝突の危険性を判定するための判定テーブルを記憶する。
【0021】
次に、記憶部17が記憶する判定テーブルを
図2〜4を参照して説明し、あわせて表示優先度設定部15が行う優先度の設定処理について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0022】
図2(a)に示すテーブルT11は、自車及び他車の進行方向の向きを判定してフラグを付与するための判定テーブルである。他車の進行方向は、(1)自車と他車とが同じ方向、(2)自車と対向方向、及び(3)その他の方向に分類される。その他の方向は、自車の進行方向に交差する方向である。
【0023】
表示優先度設定部15は、衝突の危険度に関わる自車の進行方向の情報及び他車の進行方向の情報に基づいて判定を行い、表示の優先度の判定のもととなるフラグを他車に付与する(ステップS101)。具体的には、テーブルT11に従い、他車の進行方向の向きが自車と同じ方向である場合にはフラグ00、自車と対向方向である場合にはフラグ01、その他の方向である場合にはフラグ10を付与する。
【0024】
図2(b)に示すテーブルT12は、他車が自車に接近しているか否かを判定してフラグを付与するための判定テーブルである。
【0025】
表示優先度設定部15は、自車及び他車の時刻毎の位置情報に基づいて、自車と他車との間の相対距離の時間変化を算出する。そして、表示優先度設定部15は、算出した相対距離の時間変化に基づいて、衝突する危険度に関わる他車が自車に接近しているか否かの判定を行い、表示の優先度の判定のもととなるフラグを他車に付与する(ステップS102)。具体的には、テーブルT12に従い、接近している場合(すなわち、自車に近づく方向に移動している場合)にはフラグ0、接近していない場合(すなわち、自車から離れる方向に移動している場合)にはフラグ1を付与する。
【0026】
図3に示すテーブルT13は、表示部12の画面上の地図において他車の情報を表示するエリアである表示エリアの分類を示すテーブルである。表示エリアは表示エリアI〜IIIに分類されており、自車の速度に応じて設定される。例えば、自車の速度が0〜30km/hである場合、自車からの距離が0〜50mのエリアが表示エリア「I」、自車からの距離が50〜100mのエリアが表示エリア「II」、自車からの距離が100m以上のエリアが表示エリア「III」となる。自車の速度が30〜60km/hである場合、自車からの距離が0〜100mのエリアが表示エリア「I」、自車からの距離が100〜150mのエリアが表示エリア「II」、自車からの距離が150m以上のエリアが表示エリア「III」となる。また、自車の速度が60〜100km/hである場合、自車からの距離が0〜150mのエリアが表示エリア「I」、自車からの距離が150〜200mのエリアが表示エリア「II」、自車からの距離が200m以上のエリアが表示エリア「III」となる。また、自車の速度が100km/h以上である場合、自車からの距離が0〜200mのエリアが表示エリア「I」、自車からの距離が200〜250mのエリアが表示エリア「II」、自車からの距離が250m以上のエリアが表示エリア「III」となる。
【0027】
表示優先度設定部15は、自車の速度情報に基づいてテーブルT13を参照し、表示エリアを設定する(ステップS103)。
【0028】
図4に示すテーブルT14は、情報表示の優先度を示す識別子である優先度識別子を決定するための判定テーブルである。ここでは、優先度が三段階に分類されている例について示している。図中、優先度識別子「A」は優先度が最も高い(最優先)のものを示し、「B」は優先度が2番目に高いものを示し、「C」は優先度が3番目に高いもの(優先度が最も低いもの)を示している。テーブルT14では、表示エリアI〜IIIとテーブルT11及びT12を参照して他車に付与されたフラグとに対応づけて優先度識別子が分類されている。
【0029】
例えば、進行方向が自車と同じ方向で且つ自車に接近している車両(フラグ00−0)、進行方向が自車と同じ方向で且つ自車に接近していない車両(フラグ00−1)、進行方向が自車と対向方向で且つ自車に接近している車両(フラグ01−0)、及び進行方向がその他の方向で且つ自車に接近している車両(フラグ10−0)の情報には、表示エリア「I」に位置している場合には、優先度識別子「A」が付与され、表示エリア「II」に位置している場合には優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「III」に位置している場合には、優先度「C」が付与される。
【0030】
進行方向が自車と対向方向で且つ自車に接近していない車両(フラグ01−1)及び進行方向がその他の方向で且つ自車に接近していない車両(フラグ10−1)は、表示エリア「I」に位置している場合に優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「II」及び「III」に位置している場合に優先度識別子「C」が付与される。
【0031】
上述の場合、いずれの他車であっても、表示エリア「I」では優先度識別子「A」又は「B」が付与され、表示エリア「II」では優先度識別子「B」又は「C」が付与され、表示エリア「III」では優先度識別子「C」が付与される。
【0032】
表示優先度設定部15は、テーブルT14を参照して、記憶部17から読み出した地図情報、自車情報取得部13が取得した自車の移動情報、及び他車情報取得部14が取得した他車の移動情報、並びに表示エリアに基づいて、他車に優先度識別子を付与し、当該優先度識別子に従って他車の情報表示についての優先度を設定する(ステップS104)。
【0033】
表示部12は、処理制御部16の制御に従い、表示優先度設定部15により設定された優先度に応じて他車の情報を表示する(ステップS105)。例えば、表示部12は優先度識別子が「A」の車両について、その位置を地図上に注意喚起を示す色である黄色で表示し、その他に表示すべき情報(例えば、ドライバが初心者である等の情報)がある場合にはこれを併せて表示する。また、優先度識別子が「B」の車両については、その位置を地図上に緑色で表示し、位置以外の他の情報については表示しない。また、優先度識別子が「C」の車両については、表示そのものを行わない。
【0034】
図6は、表示部12による他車の情報表示の例について示す図である。ここでは、自車Xの周辺に他車P1〜P5が存在している場合について示している。他車P1は表示エリア「I」に位置しており、進行方向がその他の方向で且つ自車Xに接近している車両(フラグ10−0)であるため情報表示の優先度を示す優先度識別子は「A」となり、車両の位置が地図上に黄色で表示される。また、他車P1のドライバは初心者であるため、初心運転者標識を示すマーク(所謂初心者マーク)が併せて表示される。また、他車P2は表示エリア「I」に位置しており、進行方向が自車と同じ方向で且つ自車に接近していない車両(フラグ00−1)であるため情報表示の優先度を示す優先度識別子は「A」となり、車両の位置が地図上に黄色で表示される。
【0035】
一方、他車P3は表示エリア「I」に位置しているものの、進行方向が自車と対向方向で且つ自車に接近していない車両(フラグ01−1)であるため情報表示の優先度を示す優先度識別子は「B」となり、車両の位置が地図上に緑色で表示される。他車P4は表示エリア「II」に位置しており、進行方向が自車と対向方向で且つ自車に接近している車両(フラグ01−0)であるため情報表示の優先度を示す優先度識別子は「B」となり、車両の位置が地図上に緑色で表示される。他車P5は表示エリア「II」に位置しており、進行方向が自車と同じ方向で且つ自車に接近している車両(フラグ00−0)であるため情報表示の優先度を示す優先度識別子は「B」となり、車両の位置が地図上に緑色で表示される。
【0036】
以上のように、表示優先度設定部15は優先度の設定を行い、設定された優先度に応じて表示部12が他車の情報を表示する。これにより、自車及び他車の進行方向、自車と他車とが接近しているか否か、及び自車の速度に応じて表示態様を切り替えつつ、他車の情報表示が行われる。従って、自車のドライバにとって必要な情報のみを表示することが可能となる。これにより、ドライバは情報の取捨選択をする必要が無く、効果的かつ効率的に自車に対する危険に関する情報を取得可能である。
【0037】
また、本実施例の情報表示装置10は、オプション表示を行うことが可能に構成されている。例えば、表示優先度設定部15は、優先度識別子「A」が付与された他車について他車情報取得部14が取得したウインカー情報に基づいて、他車に関する警告表示を行うか否かを判定する。表示部12は、処理制御部16の制御に応じて警告を表示する。
【0038】
図7は、ウインカー情報に基づいて警告表示を行うか否かを判定するための判定テーブルであるテーブルT15を示す図である。例えば、進行方向が自車と同じ方向で且つ自車に接近しており優先度識別子が「A」である車両(フラグ00−0−A)については、ウインカーの指示が「右折」、「左折」、及び「ハザード」の場合において、警告表示を行う。同様に、進行方向が自車と同じ方向で且つ自車に接近しておらず優先度識別子が「A」である車両(フラグ00−1−A)についても、「右折」、「左折」、及び「ハザード」の場合において、警告表示を行う。一方、進行方向が自車と対向方向で且つ自車に接近しており優先度識別子が「A」である車両(フラグ01−0−A)については、「右折」の場合にのみ警告表示を行う。また、進行方向がその他の方向で且つ自車に接近しており優先度識別子が「A」である車両(フラグ10−0−A)については、ウインカー指示が「無」、「右折」、及び「左折」の場合において、警告表示を行う。
【0039】
図8は、表示部12による警告表示の例について示す図である。例えば、進行方向が自車と対向方向で且つ自車に接近しており優先度識別子が「A」である他車P6(フラグ01−0−A)が右折のウインカー指示を出した場合、表示部12は、「CAUTION!前方車両が右折します」という警告文を画面上に表示する。
【0040】
また、表示優先度設定部15は、情報表示の優先度を設定するための判定のオプションとして、地図情報に基づいて、自車が走行している道路が高速道路等の自動車専用道路であるか否か及び中央分離帯があるか否かの情報を取得し、テーブルT11〜T14を参照して付与した優先度識別子に対して変更を加えることが可能に構成されている。
【0041】
図9は、自車が高速道路を走行しているか否かに応じて優先度識別子に変更を加える場合の判定テーブルであるテーブルT16及びT17を示す図である。
【0042】
表示優先度設定部15は、
図9(a)に示すテーブルT16を参照して、自車が高速道路を走行している場合はフラグ0、高速道路を走行していない場合はフラグ1を付与する。
【0043】
図9(b)に示すテーブルT17は、自車が高速道路を走行している場合に、情報表示の優先度識別子を変更するためのテーブルである。高速道路を走行しているときは、対向車は表示する必要がないため、進行方向が対向方向である車両(フラグ01−0、01−1)については、いずれの表示エリアにいる場合であっても優先度識別子を「C」に変更する。一方、進行方向が自車と同じ方向で且つ自車に接近している車両(フラグ00−0)については、合流または車線変更の可能性を考慮して表示エリア「II」及び「III」における表示の優先度を上げるべく、優先度識別子を「C」の場合には「B」に、「B」の場合には「A」に変更する。また、同様の理由から、進行方向がその他の方向で且つ自車に接近していない車両(フラグ10−1)についても表示エリア「II」における表示の優先度を上げるべく、優先度識別子を「C」から「B」に変更する。
【0044】
図10は、自車が走行している道路に中央分離帯があるか否かに応じて優先度に変更を加える場合の判定テーブルであるテーブルT18及びT19を示す図である。
【0045】
表示優先度設定部15は、
図10(a)に示すテーブルT18を参照して、自車が走行している道路に中央分離帯がある場合はフラグ0、中央分離帯がない場合はフラグ1を付与する。
【0046】
図10(b)に示すテーブルT19は、自車が走行している道路に中央分離帯がある場合に、情報表示の優先度を変更するためのテーブルである。道路に中央分離帯がある場合には、対向車は表示する必要がないため、進行方向が対向方向である車両(フラグ01−0、01−1)については優先度を下げる。
【0047】
図11は、中央分離帯がある場合の他車の情報表示の例について示す図である。斜線部は自車Xが走行している道路R1を示し、太線部は中央分離帯MSを示している。自車Xに対して対向方向に進行しており且つ自車に接近していない車両(フラグ01−1)である他車P7は、中央分離帯MSがあるため、自車Xに衝突する危険性が低い。従って、情報表示の優先度を示す優先度識別子は「C」となる。なお、上記の通り優先度識別子が「C」の場合には表示部12は車両の表示を行わないが、説明の便宜上、
図11では他車P7の位置を破線で表示している。
【0048】
以上のように、判定オプションを用いた判定及び優先度の設定により、本実施例の情報表示装置10は、地図情報から道路の構造等の情報を取得し、自車の移動情報及び他車の移動情報に基づいて、自車と他車との衝突の危険性を判定するための判定テーブルを参照して情報表示の優先度を設定し、他車の情報表示を行う。従って、本実施例の情報表示装置10によれば、地図情報から得られた道路の構造等の情報を追加的に利用することで、衝突の危険性の低い車の情報を除外し、周辺車両の情報を自車との衝突の危険性に応じて真に必要な情報のみ表示することが可能となる。
【実施例2】
【0049】
本実施例の情報表示装置は、
図1に示す実施例1の情報表示装置10と実質的に同じ構成を有し、自車の進行方向における次の交差点を基準として他車の情報表示の優先度を設定する点で、実施例1の情報表示装置と異なる。
【0050】
表示優先度設定部15は、記憶部17に記憶されている地図情報を読み出し、自車情報取得部13が取得した自車の移動情報に基づいて、自車が走行する道路の進行方向に位置する次の交差点を特定する。そして、表示優先度設定部15は、当該交差点を基準とし、他車情報取得部15が取得した他車の移動情報に基づいて、記憶部17に記憶されている判定テーブルを参照して、情報表示の優先度を設定する。
【0051】
次に、記憶部17が記憶する判定テーブル及び表示優先度設定部15が行う優先度の設定処理について、
図12〜
図14を参照して説明する。
【0052】
図12(a)に示すテーブルT21は、自車及び他車の進行方向の向きを判定してフラグを付与するための判定テーブルである。表示優先度設定部15は、自車の進行方向の情報及び他車の進行方向の情報に基づいて判定を行い、他車の進行方向の向きが自車と同じ方向である場合にはフラグ00、自車と対向方向である場合にはフラグ01、その他の方向である場合にはフラグ10を付与する。
【0053】
図12(b)に示すテーブルT22は、自車の進行方向に位置する次の交差点に他車が接近しているか否かを判定してフラグを付与するための判定テーブルである。表示優先度設定部15は、地図情報と自車の位置情報、速度情報及び進行方向の情報とに基づいて対象となる交差点(自車の進行方向に位置する次の交差点)を設定し、他車の位置情報、速度情報及び進行方向の情報に基づいて相対距離の時間変化を算出して、その交差点に他車が接近しているか否かを判定する。表示優先度設定部15は、他車が交差点に接近している場合にはフラグ0、接近していない場合にはフラグ1を付与する。
【0054】
図12(c)に示すテーブルT23は、自車の進行方向に位置する次の交差点に信号があるか否かを判定してフラグを付与するための判定テーブルである。地図情報に基づいて判定を行い、交差点に信号がある場合にはフラグ0、信号がない場合にはフラグ1を付与する。表示優先度設定部15は、テーブルT22を用いた判定によって他車が交差点に接近していると判定された場合(すなわち、フラグ0が付与された場合)にのみ、テーブルT23を用いて判定を行う。
【0055】
図13に示すテーブルT24は、自車の速度に応じて表示エリアを設定するための表示エリアの分類を示すテーブルである。例えば、自車が交差点の手前で信号待ちをしている等の状態で自車の速度が0km/hである場合、交差点からの距離が0〜50mのエリアが表示エリア「I」、交差点からの距離が50〜100mのエリアが表示エリア「II」、交差点からの距離が100m以上のエリアが表示エリア「III」となる。自車の速度が0〜30km/hである場合、交差点からの距離が0〜100mのエリアが表示エリア「I」、交差点からの距離が100〜150mのエリアが表示エリア「II」、交差点からの距離が150m以上のエリアが表示エリア「III」となる。自車の速度が30〜60km/hである場合、交差点からの距離が0〜150mのエリアが表示エリア「I」、交差点からの距離が150〜200mのエリアが表示エリア「II」、交差点からの距離が200m以上のエリアが表示エリア「III」となる。また、自車の速度が60〜100km/hである場合、交差点からの距離が0〜200mのエリアが表示エリア「I」、交差点からの距離が200〜250mのエリアが表示エリア「II」、交差点からの距離が250m以上のエリアが表示エリア「III」となる。表示優先度設定部15は、自車の速度情報に基づいてテーブルT24を参照し、表示エリアを設定する。
【0056】
図14に示すテーブルT25は、情報表示の優先度を決定するための判定テーブルである。進行方向が自車と同じ方向で且つ交差点に接近している車両は、交差点に信号がある場合とない場合のいずれにおいても(フラグ00−0−0、00−0−1)、表示エリア「I」に位置する場合には優先度識別子「A」が付与され、表示エリア「II」に位置する場合には優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「III」に位置する場合には、優先度識別子「C」が付与される。進行方向が自車と同じ方向で且つ交差点に接近していない車両(フラグ00−1)は、表示エリア「I」に位置する場合には、優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「II」及び「III」に位置する場合には、優先度識別子「C」が付与される。
【0057】
進行方向が対向方向で且つ交差点に接近している車両は、交差点に信号がある場合とない場合のいずれにおいても(フラグ01−0−0、01−0−1)、表示エリア「I」に位置している場合には優先度識別子「A」が付与され、表示エリア「II」に位置している場合には、優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「III」に位置している場合には優先度識別子「C」が付与される。進行方向が対向方向で且つ交差点に接近していない車両(フラグ01−1)は、表示エリア「I」に位置している場合には優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「II」及び「III」に位置している場合には優先度識別子「C」が付与される。
【0058】
進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近している車両は、交差点に信号がある場合(フラグ10−0−0)には、表示エリア「I」に位置している場合には優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「II」及び「III」に位置している場合には優先度識別子「C」が付与される。進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近している車両は、交差点に信号がない場合(フラグ10−0−1)には、表示エリア「I」に位置している場合には優先度識別子「A」が付与され、表示エリア「II」に位置している場合には優先度識別子「B」が付与され、表示エリア「III」に位置している場合には優先度「C」が付与される。進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近していない車両(フラグ10−1)は、表示エリア「I」、「II」及び「III」のいずれに位置する場合に優先度識別子「C」が付与される。
【0059】
表示優先度設定部15は、テーブルT25を参照して、記憶部17から読み出した地図情報、自車情報取得部13が取得した自車の移動情報、及び他車情報取得部14が取得した他車の移動情報に基づいて、他車の情報表示についての優先度を設定する。
【0060】
表示部12は、処理制御部16の制御に従い、表示優先度設定部15により設定された優先度に応じて他車の情報を表示する。例えば実施例1と同様、表示部12は優先度識別子「A」が付与されている車両についてその位置を地図上に黄色で表示し、その他に表示すべき情報(例えば、ドライバが初心者である等の情報)がある場合にはこれを併せて表示する。また、優先度識別子「B」が付与されている車両については、その位置を地図上に緑色で表示し、位置以外の他の情報については表示しない。また、優先度識別子「C」が付与されている車両については、表示そのものを行わない。
【0061】
また、表示優先度設定部15は、情報表示の優先度を設定するための判定のオプションとして、地図情報に基づいて自車が走行している道路に右折専用レーンがあるか否かの情報を取得し、テーブルT21〜T25を参照して付与した優先度識別子に対して変更を加えることが可能に構成されている。
【0062】
図15(a)及び(b)は、右折専用レーンがあるか否かに応じて優先度識別子に変更を加える場合の判定テーブルであるテーブルT26及びT27を示す図である。
【0063】
表示優先度設定部15は、進行方向が自車と同じ方向である車両(テーブル21でフラグ00が付与された車両)について、
図15(a)に示すテーブルT26を参照して、自車が走行している道路に右折専用レーンがある場合はフラグ0、右折専用レーンがない場合はフラグ1を付与する。
【0064】
図15(b)に示すテーブルT27は、右折専用レーンがない場合において、情報表示の優先度識別子を変更するためのテーブルである。自車と同方向を走行する前方の車両が右折する際、右折専用レーンがない場合には後方にいる車両にとって衝突の危険が高いため、表示エリアを拡大する。具体的には、進行方向が自車と同じ方向で且つ交差点に接近している車両であって右折専用レーンがない場合(フラグ00−0−1)については、表示エリア「II」及び「III」における表示の優先度を上げるべく、優先度識別子を変更する。
【0065】
また、本実施例の情報表示装置10は、実施例1と同様、優先度識別子「A」が付与された他車から取得したウインカー情報に基づいて、他車に関する警告表示を行う。
【0066】
図16は、ウインカー情報に基づいて警告表示を行うか否かを判定するための判定テーブルであるテーブルT28を示す図である。例えば、進行方向が自車と同じ方向で且つ交差点に接近している車両については、交差点に信号がある場合(フラグ00−0−0)とない場合(フラグ00−0−1)のいずれについても、ウインカーの指示が「右折」、「左折」、及び「ハザード」の場合において、警告表示を行う。進行方向が自車と対向方向で且つ交差点に接近している車両については、交差点に信号がある場合(フラグ01−0−0)とない場合(フラグ01−0−1)のいずれについても、ウインカーの指示が「右折」の場合に警告表示を行う。また、進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近している車両については、交差点に信号がない場合(フラグ10−0−1)に限り、ウインカーの指示が「無」、「右折」、及び「左折」の場合において、警告表示を行う。
【0067】
また、ウインカー情報を取得することにより、優先度設定部15は、道路脇の駐車場や路肩に停車中の車両が交差点に進入しようとしているか否かを判定して優先度を設定することが可能である。ウインカー情報により交差点に進入しようとしていると判定された車両は、進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近している車両(フラグ10−0−0、10−0−1)に分類され、テーブルT25を参照して優先度識別子が付与される。
【0068】
図17は、本実施例における他車の情報表示の例について示す図である。斜線部は自車Xが走行している道路R1を示し、網掛け部分は自車Xの進行方向における次の交差点CRを示している。道路R1には右折専用レーンがなく、交差点CRには信号が設置されている。交差点CR周辺の表示エリア「I」には、自車Xのほか、他車P1〜P6が存在している。
【0069】
他車P1は、進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近している車両(フラグ10−0−0)であるため、優先度識別子「B」が付与され、車両の位置が地図上に緑色で表示される。他車P2は、進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近していない車両(フラグ10−1)であるため、優先度識別子「C」が付与され、車両の位置が地図上に表示されない。なお、
図17では説明の便宜上、車両の位置を破線で示している。
【0070】
他車P3は、進行方向が自車と対向方向で且つ交差点に接近している車両(フラグ01−0−0)であるため、優先度識別子「A」が付与され、車両の位置が地図上に黄色で表示される。他車P4は、進行方向が自車と対向方向で且つ交差点に接近していない車両(フラグ01−1)であるため、優先度識別子「B」が付与され、車両の位置が地図上に緑色で表示される。他車P5は、進行方向が自車と同じ方向で且つ交差点に接近している車両(フラグ00−0−0)であるため、優先度識別子「A」が付与され、車両の位置が地図上に黄色で表示される。
【0071】
他車P6は、道路R1沿いの駐車場に位置しており、右折して道路R1に出ようとしている車両である。他車P6は、ウインカー情報により進行方向がその他の方向で且つ交差点に接近している車両(フラグ10−0−0)と判定されるため、優先度識別子「B」が付与され、車両の位置が地図上に緑色で表示される。
【0072】
以上のように、本実施例の情報表示装置10は、地図情報、自車の移動情報及び他車の移動情報に基づいて、交差点を基準とした自車と他車との衝突の危険性を判定するための判定テーブルを参照して情報表示の優先度を設定し、他車の情報表示を行う。従って、本実施例の情報表示装置10によれば、交差点を基準とした衝突の危険性に応じて真に必要な情報のみを表示することが可能となる。
【実施例3】
【0073】
本実施例の情報表示装置は、
図1の情報表示装置10と実質的に同じ構成を有し交差点を基準として優先度を設定する点において実施例2の情報表示装置と同様であり、車両情報の表示に加えてルート情報に基づいて他車に関する警告を表示する点において実施例2の情報表示装置と異なる。
【0074】
他車情報取得部15は、他車がルート設定を行っている場合には、当該他車のルート情報を当該他車の移動情報の一つとして通信部11を介して取得する。また、自車情報取得部14は、自車がルート設定を行っている場合には、自車のルート情報を自車の移動情報の一つとして取得する。
【0075】
表示優先度設定部15は、記憶部17から読み出した地図情報と自車及び他車のルート情報とに基づいて、記憶部17に記憶されている判定テーブルを参照して、情報表示の優先度を設定する。
【0076】
記憶部17が記憶する警告表示のための判定テーブル及び警告表示を行うか否かを判定する判定処理について、
図18及び
図19を参照して説明する。
【0077】
図18(a)に示すテーブルT29は、自車及び他車の進行方向の向きを判定してフラグを付与するための判定テーブルである。表示優先度設定部15は、自車の進行方向の情報及び他車の進行方向の情報に基づいて判定を行い、他車の進行方向の向きが自車と同じ方向である場合にはフラグ00、自車と対向方向である場合にはフラグ01、その他の方向である場合にはフラグ10を付与する。
【0078】
図18(b)に示すテーブルT30は、他車からルート情報を取得できたかどうかを判定してフラグを付与するための判定テーブルである。表示優先度設定部15は、他車情報取得部14が取得した他車の移動情報に基づいて判定を行い、他車のルート情報が取得できた場合にはフラグ0、取得できなかった場合にはフラグ1を付与する。
【0079】
図19は、警告表示を行うか否かを判定する判定処理のためのフローチャートである。表示優先度設定部は、他車情報取得部14が他車からルート情報を取得したことを前提として、判定処理を行う。
【0080】
まず、表示優先度設定部15は、自車の設定したルート情報があるか否かを判定する(ステップS201)。
【0081】
自車の設定したルート情報があると判定すると(ステップS201:Yes)、表示優先度設定部15は他車のルート情報に基づいて、自車の設定したルートと他車の設定したルートとが交わる交差点があるか否かを判定する(ステップS202)。他車の設定したルートと交わる交差点があると判定すると(ステップS202:Yes)、その交差点を「交差点A」に設定し(ステップS203)、ステップS207に進む。交わる交差点がないと判定すると(ステップS202:No)、処理を終了する。
【0082】
一方、自車の設定したルート情報がないと判定すると(ステップS201:No)、表示優先度設定部15は、記憶部17から読み出した地図情報に基づいて、自車の走行している道路が次の交差点で他車のルートと交わるか否かを判定する(ステップS204)。交わると判定すると(ステップS204:Yes)、その交差点を「交差点A」に設定し(ステップS205)、ステップS207に進む。交わらないと判定すると(ステップS204:No)、次の交差点を通り過ぎて(ステップS206)、処理を終了する。
【0083】
ステップS203又はステップS205で交差点Aが設定されると、表示優先度設定部15は、自車の位置情報及び地図情報に基づいて、自車と交差点Aとの距離が100m以内であるか否かを判定する(ステップS207)。100m以内ではないと判定すると(ステップS207:No)、20m進み(ステップS208)、ステップS207に戻って同じ処理を繰り返す。
【0084】
自車と交差点Aとの距離が100m以内であると判定すると(ステップS207:Yes)、ルートの距離と速度情報とに基づいて、自車が交差点Aに到達するまでの予測到達時間T1と、他車が交差点Aに到達するまでの予測到達時間T2とを算出する(ステップS209)。
【0085】
表示優先度設定部15は、T1−T2=Tが10秒以内であるか否かを判定する(ステップS210)。10秒以内であると判定すると(ステップS210:Yes)、表示部12は、他車に関する注意を促す警告を画面上に表示する(ステップS211)。一方、10秒以内ではないと判定すると(ステップS210:No)、処理を終了する。
【0086】
以上のように、本実施例の情報表示装置10は、交差点を基準とした他車の情報表示に加えて、ルート情報に基づいて他車に関する警告を表示する。従って、衝突の危険性に応じて警告の表示を行うことが可能となる。
【実施例4】
【0087】
図20は、本実施例に係る情報表示システムのブロック図である。本実施例の情報表示システムは、中継装置20及び情報表示装置30
1〜30
nから構成される。中継装置20は、例えば交差点の脇等、交差点を通過する車両からの無線信号を受信可能な位置に設置されている。情報表示装置30
1〜30
nは、夫々異なる車両に搭載されている。本実施例の情報表示システムは、中継装置20が各車両の情報を収集して優先度を設定する点で、実施例1〜3と異なる。
【0088】
中継装置20は、通信部21、車両情報取得部22、優先度設定部23、処理制御部24、及び記憶部25を有する。
【0089】
通信部21は、例えばWi−Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した無線通信装置であり、情報表示装置30
1〜30
nや他の中継装置との間で無線通信を行う。例えば、通信部21は、情報表示装置30
1〜30
nのうちの少なくとも1つ(例えば、情報表示装置30
k)から、当該情報表示装置を搭載する車両の移動情報(位置情報、速度情報及び進行方向情報等)や当該車両が緊急車両か一般車両かを示す情報を含む車両情報を受信する。また、通信部21は、優先度設定部23により設定された優先度に応じて、各車両の位置等を含む車両情報を情報表示装置30
1〜30
nに送信する。
【0090】
車両情報取得部22は、通信部21を介して受信した情報に基づいて、1又は複数の車両についての移動情報を取得する。
【0091】
表示優先度設定部23は、車両情報取得部22が複数の車両についての移動情報を取得した場合に、当該移動情報に基づいて、各車両についての情報送信の優先度を設定する。
【0092】
処理制御部24は、例えばCPUを含み、通信部21、車両情報取得部22、優先度設定部23、記憶部25の各種処理動作を制御する。
【0093】
記憶部25は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD、RAM等を含み、地図情報や通信部21を介して取得した各車両の情報を記憶する。また、記憶部25は、各車両の情報についての情報送信の優先度を設定するための判定テーブルを記憶する。また、記憶部25は、統計データにより得られた飛び出しやすい道路や事故発生件数が多い道路についての情報(以下、事故多発道路情報と称する)を、地図情報と結び付けて記憶する。
【0094】
情報表示装置30
1〜30
nは、通信部31、表示部32、自車情報取得部33及び処理制御部34を含む。以下、情報表示装置30
1〜30
nのうちの1つのことを単に情報表示装置30とも称する。
【0095】
通信部31は、例えばWi−Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に準拠した無線通信装置であり、中継装置20との間で無線通信を行う。例えば、通信部31は、情報表示装置30を搭載する車両の位置情報、速度情報及び進行方向情報等を含む移動情報を中継装置20に送信する。また、通信部31は、各車両の位置等を含む車両情報を中継装置20から受信する。
【0096】
表示部32は、液晶ディスプレイ等の表示パネルから構成され、処理制御部34の制御に応じて各種情報を表示する。
【0097】
自車情報取得部33は、情報表示装置30を搭載する車両の位置情報、速度情報及び進行方向の情報(以下、これらを自車の移動情報とも称する)を取得する。移動報取得部33は、例えば複数のGPS衛星から送信された電波を受信し、受信した電波に基づいて各GPS衛星からの距離を算出することにより、自車の位置情報を取得する。また、自車情報取得部33は、加速度センサや角速度センサを含み、加速度及び角速度を検出することにより、自車の速度情報や進行方向の情報を取得する。
【0098】
処理制御部34は、例えばCPUを含み、通信部31、表示部32、自車情報取得部33の各種処理動作を制御する。
【0099】
次に、中継装置20の記憶部25が記憶する判定テーブル及び優先度設定部23が行う優先度設定処理について、
図21及び
図22を参照して説明する。以下の説明では、中継装置20が車両P1〜P5に搭載された情報表示装置30(例えば、情報表示装置30
1〜30
5)から各車両の移動情報及び車両情報を受信した場合を例として説明する。なお、車両P1についての情報を情報1、車両P2についての情報を情報2、車両P3についての情報を情報3、車両P4についての情報を情報4、車両P5についての情報を情報5とする。
【0100】
図21(a)に示すテーブルT41は、衝突の危険度に関わる車両が交差点に接近しているか否かを判定して優先度の判定のもととなるフラグを付与するための判定テーブルである。優先度設定部23は、車両情報取得部22が取得した車両の位置情報、速度情報及び進行方向の情報に基づいて相対距離の時間変化を算出し、車両が交差点に接近しているか否かを判定する。優先度設定部20は、接近していると判定した場合にはフラグ0、接近していないと判定した場合にはフラグ1を付与する。
【0101】
図21(b)に示すテーブルT42は、車両が緊急車両か否かを判定して優先度の判定のもととなるフラグを付与するための判定テーブルである。優先度設定部23は、車両情報取得部22が取得した車両情報に基づいて判定を行い、緊急車両である場合にはフラグ0、緊急車両でない場合にはフラグ1を付与する。
【0102】
図21(c)に示すテーブルT43は、車両情報取得部22が取得した車両情報が車両に搭載された情報表示装置30から直接受信した情報であるか、他の中継装置を経由して受信した情報であるかを判定して優先度の判定のもととなるフラグを付与するための判定テーブルである。優先度設定部23は、通信部21の通信相手が情報表示装置30であるか他の中継装置であるかに基づいて判定を行い、情報表示装置から直接受信した情報である場合にはフラグ0、直接受信した情報でない場合にはフラグ1を付与する。
【0103】
図21(d)に示すテーブルT44は、飛び出しやすい道路や事故発生件数が多い道路等の特定の方向からの車両であるか否かを判定して優先度の判定のもととなるフラグを付与するための判定テーブルである。優先度設定部23は、記憶部25に記憶されている事故多発道路情報及び地図情報と、車両情報取得部22が取得した車両の移動情報とに基づいて判定を行い、特定の方向からの車両である場合にはフラグ0、特定の方向からの車両ではない場合にはフラグ1を付与する。
【0104】
優先度設定部23は、各車両の位置情報に基づいて中継装置20から各車両までの距離の情報を取得し、テーブルT41〜44に基づいて付与されたフラグとともに記憶部25に格納する。
【0105】
図22(a)は、各車両について付与されたフラグ及び中継装置20から距離を、当該車両の情報と対応付けて格納するテーブルT45の例を示す図である。例えば、車両P1の情報である情報1について、付与されたフラグ1−1−0−1及び距離20mが対応付けて格納されている。
【0106】
優先度設定部23は、各車両(車両P1〜P5)についての情報(情報1〜5)を、付与されたフラグの合計値が低いものから順に並び替える。その際、合計値が同じものについては、中継装置20からの距離が短いものを優先順位の上位とする。
【0107】
図22(b)は、テーブルT45における情報1〜5を並べ替えたテーブルT46を示す図である。情報2はフラグの合計値が1であり、情報1〜5の中で最小であるため、最も高い優先順位となる。情報5及び情報3については、いずれもフラグの合計値が2であるため、中継装置20からの距離が短い情報5(50m)が2番目の優先順位となり、距離の長い情報3(89m)が3番目の優先順位となる。以下、フラグの合計値が3である情報1が4番目、フラグの合計値が4である情報4が5番目の優先順位となる。
【0108】
通信部21は、優先度設定部23が設定した優先順位に応じた順番で、情報1〜5を車両P1〜P5の情報表示装置30
1〜30
5に送信する。例えば、テーブルT46の例では、通信部21は、情報2→情報5→情報3→情報1→情報4の順番で各車両についての移動情報(位置情報、速度情報等)を送信する。
【0109】
情報表示装置30の通信部31は、各車両についての移動情報を受信する。表示部32は、通信部31が受信した順番に応じて、搭載車両以外の他の車両についての情報を画面に表示する。
【0110】
以上のように、本実施例の情報表示システムは、中継装置20が各車両の情報を収集して優先度を設定し、優先度順に各車両の情報を送信する。従って、交差点の角等、建物の陰になるために通信が途切れやすい場所においても、衝突の危険性の低い車の情報を除外し、周辺車両の情報を自車との衝突の危険性に応じて真に必要な情報のみを表示することが可能となる。
【0111】
なお、本発明の実施形態は、上記実施例で示したものに限られない。例えば、上記各実施例における判定テーブルの内容は例示にすぎない。実施例1における判定テーブルは、自車及び他車の進行方向、自車及び他車の相対距離の時間変化、及び自車の速度に基づいて、衝突の危険度に応じた他車の情報表示の優先度を設定可能なものであれば良い。実施例2における判定テーブルは、自車の進行方向における次の交差点に対する他車の距離の時間変化、自車及び他車の進行方向、及び自車速度に基づいて、衝突の危険度に応じた他車の情報表示の優先度を設定可能なものであれば良い。
【0112】
また、自車が道路上にいることを前提として他車の情報を表示する場合を例として説明したが、自車が駐車場等の道路以外の場所に位置している場合にも適用することが可能である。例えば、実施例2において、道路に面した駐車場の出口から自車が出ようとしている場合、当該出口付近の道路部分を交差点と捉えることにより、テーブルT21〜25に基づいて、当該道路を走行している他車の情報を優先的に表示することができる。
【0113】
また、上記実施例4では、中継装置が、通信部、車両情報取得部、優先度設定部、処理制御部、及び記憶部を有する例について説明した。しかし、中継装置は通信部のみを有する構成であっても良い。例えば、中継装置が各車両の情報を外部のサーバ装置等に送信し、当該サーバ装置等において優先度を設定することにより、実施例4と同様の処理を実現することができる。
【0114】
また、上記各実施例で説明した一連の処理は、例えばROMなどの記録媒体に格納されたプログラムに従ったコンピュータ処理により行うことができる。