(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記受信部に所定範囲内で繰返し周期を変更しつつ電波を受信させ、受信した電波の雑音レベルが所定の許容値以下である場合に、当該所定の許容値以下の雑音レベルに対応する繰返し周期で前記送信部に電波の送信動作を行わせるとともに、前記受信部に前記送信部に同期した動作を行わせる、請求項1に記載のレーダー装置。
前記制御部は、前記受信部に所定範囲内で繰返し周期を変更しつつ電波を受信させ、受信した電波の雑音レベルが最も低くなる繰返し周期で前記送信部に電波の送信動作を行わせるとともに、前記受信部に前記送信部に同期した動作を行わせる、請求項1に記載のレーダー装置。
前記制御部は、電波を所定範囲内で繰返し周期を変更しつつ前記送信部に送信動作を行わせるとともに、前記受信部に前記送信部に同期した動作を行わせる、請求項1に記載のレーダー装置。
前記送信部は、地中探査用の電波を周期的に送信し、前記受信部は、前記地中探査用の電波に同期させて電波を受信する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のレーダー装置。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、ノイズ源による外乱の影響を低減して信号検出能力を高めたレーダー装置を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成する
ためのレーダー装置は、探査用の電波を周期的に送信する送信部と、探査用の電波に同期させて電波を受信する受信部と、受信した電波に基づいて対象の状態を検出するとともに、送信部から送信する電波の繰返し周期を変更する制御部とを備える。
【0007】
上記レーダー装置では、制御部が送信部から送信する電波の繰返し周期を変更するので、送信する電波の周波数とノイズ源からの特定周波数とが一致又は重畳することを回避することができ、ノイズ源の電波との干渉を抑制して信号検出能力を高めることができる。
【0008】
本発明の具体的な側面では、上記レーダー装置において、制御部は、受信部に所定範囲内で繰返し周期を変更しつつ電波を受信させ、受信した電波の雑音レベルが所定の許容値以下である場合に、当該所定の許容値以下の雑音レベルに対応する繰返し周期で送信部に電波の送信動作を行わせるとともに、受信部に送信部に同期した動作を行わせる。この場合、予備的な計測により雑音レベルが十分低くなるまで繰返し周期を変更しつつ調整することができ、ノイズ源の影響を確実に抑えることができる。
【0009】
本発明の別の側面では、制御部は、受信部に所定範囲内で繰返し周期を変更しつつ電波を受信させ、受信した電波の雑音レベルが最も低くなる繰返し周期で送信部に電波の送信動作を行わせるとともに、受信部に送信部に同期した動作を行わせる。この場合、予備的な計測により繰返し周期を変更しつつ雑音レベルが最も低くなるような繰返し周期を選択することができ、ノイズ源の影響を確実に抑えることができる。
【0010】
本発明のさらに別の側面では、制御部は、電波を所定範囲内で繰返し周期を変更しつつ送信部に送信動作を行わせるとともに、受信部に送信部に同期した動作を行わせる。この場合、適正な繰返し周期を探索する予備的な計測が不要となって計測を迅速に開始することができる。また、ノイズ源の周波数等が変動する場合にも、このような変動に応じて雑音レベルを抑えることができる。
【0011】
本発明のさらに別の側面では、制御部は、雑音レベルが所定の許容値以下の電波又は雑音レベルが最も低い電波を用いて奥行き方向(例えば深さ方向)の情報抽出を行う。
【0012】
本発明のさらに別の側面では、繰返し周期を所定の刻み幅の離散的な値に変更する。この場合、雑音レベルが十分低くなるような繰返し周期を効率的に網羅した計測が可能になり、高精度の計測が可能になる。
【0013】
本発明のさらに別の側面では、制御部は、繰返し周期をランダムな変化量で変更する。この場合、ある地点又は奥行き及びその周辺についての計測で雑音を多く拾う傾向が生じることを簡易に抑制でき、対象を効率的に漏れなく計測することが容易になる。
【0014】
本発明のさらに別の側面では、周期的に送信される電波は、搬送波成分を持たないパルス状の波形もしくはチャープ状の波形を有する。この場合、電波の送信タイミングを間欠的に制限することが容易になる。
【0015】
本発明のさらに別の側面では、参照信号を用いたサンプリング方式もしくは相関方式によって対象の状態を検出する。この場合、計測値のS/N比を高めることができる。
【0016】
本発明のさらに別の側面では、送信部は、地中探査用の電波を周期的に送信し、受信部は、地中探査用の電波に同期させて電波を受信する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る第1実施形態のレーダー装置100について説明する。
【0019】
図1に示すように、レーダー装置100は、地中探査用のものであり、レーダー信号発生部10と、送信用増幅器21と、送信アンテナ31と、受信アンテナ32と、受信用増幅器22と、相関処理部40と、雑音評価処理部50と、タイミング制御部70と、主制御部80と、表示部90とを備える。レーダー装置100は、自動車、列車等の移動体に搭載可能になっている。
【0020】
レーダー装置100のうち、レーダー信号発生部10、相関処理部40、雑音評価処理部50、タイミング制御部70、及び主制御部80は、受信した電波である応答波S2に基づいて対象の状態を検出する等の動作を行うための制御部101を構成する。
【0021】
レーダー信号発生部10は、タイミング制御部70の制御下でパルス状の送信波SPを生成する。レーダー信号発生部10は、より具体的には、パルス状又はチャープ状の送信波SPを所定の周期で間欠的に出力する。レーダー信号発生部10は、パルス信号発生器もしくはチャープ信号発生器を備える。
【0022】
送信用増幅器21は、レーダー信号発生部10で形成される送信波SPを増幅し、送信アンテナ31は、送信用増幅器21に駆動されて電波としての送信波S1を地面に向けて放射する。送信アンテナ31から放射される送信波S1は、レーダー信号発生部10で生成される送信波SP又は探査波GSに対応するものとなっている。レーダー信号発生部10、送信用増幅器21及び送信アンテナ31は、地中探査用の電波を周期的に送信する送信部20aとして機能する。
【0023】
図2(A)は、レーダー信号発生部10から出力される送信波SPを概念的に示している。レーダー信号発生部10等から出力される信号は、搬送波成分を持たず、一群の周期的な送信波SPで構成される。一群の周期的な送信波SPは、繰返し周期Tsで所定回数だけ繰り返されるものであり、レーダー装置100が特定地点に存在する状態でレーダー信号発生部10から一組の探査波GSとして出力される。探査波GSに含まれる送信波SPの数は、目的とする探査深度や感度に応じて設定される。
図2(B)及び2(C)は、送信波SPの具体的な波形を例示するものであり、
図2(B)に示す場合、送信波SPは例えば1nS又は3nSのパルスであり、
図2(C)に示す場合、送信波SPは例えば50MHz〜800MHzの高周波成分で形成されたチャープである。なお、以上はレーダー信号発生部10から出力される送信波SPの波形の説明であったが、送信アンテナ31から出力される送信波(電波)S1も同様の波形を有するものとなっている。
【0024】
受信アンテナ32は、送信アンテナ31に隣接して配置され、探査の対象である地中UGに存在する埋設物その他の探査対象物OBで反射されて戻って来た電波である応答波S2を受信し、受信用増幅器22は、受信アンテナ32で受信した応答波S2に対応する信号を増幅し応答波SRとして出力する。受信アンテナ32、受信用増幅器22、及び相関処理部40は、地中探査用の電波に同期させて電波を受信する受信部20bとして機能する。
【0025】
相関処理部40は、受信アンテナ32で受信され受信用増幅器22で増幅された応答波SRについて、レーダー信号発生部10で形成された送信波SPに対応するデジタル又はアナログの参照信号S3を用いて、参照信号S3のタイミングをずらしながら相関処理を行って、応答波SRから送信波SPとの相関性の高い信号成分をサンプリング又は抽出する。相関処理部40は、結果的に送信波SPと応答波SRとの相互相関を取っていることになる。相関処理部40で得られる信号成分は、参照信号S3とのタイミング差(以下遅延時間ともいう)に対応する奥行き方向(具体的には深さ方向)の距離に関連付けられて出力される。つまり、相関処理部40の信号出力S5は、深さ方向の距離ごとに応答波SRから得た信号成分の振幅を算出した計測データとなっている。相関処理部40は、応答波SRと参照信号S3とについて相関処理を行う相関器の他に、A/D変換器、重み付けフィルター等を備える。重み付けフィルターは、応答波SRに対して遅延時間に応じた重み付けを行うものであり、例えばSTC(sensitivity time control)を用いることができる。STCを用いることで、地表での反射や深さ方向の減衰の影響を補正することができる。
【0026】
雑音評価処理部50は、相関処理部40で相関処理を行って得た信号出力S5や、かかる相関処理前の応答波SRに基づいて雑音のレベルを評価する。具体的には、信号出力S5又は応答波SRのエネルギー強度等を算出し、このエネルギー強度が所定の閾値を超えた場合、雑音レベルが許容値を超え、信号出力S5又は応答波SRが雑音に埋もれる可能性が高いと判定する。なお、雑音の評価には、上記のように信号のエネルギー強度を用いる手法に限らず、包絡線パターン等を利用した様々な手法を用いることができる。
【0027】
タイミング制御部70は、主制御部80の制御下で動作し、レーダー信号発生部10から送信波SPを出力させるタイミングを調整している。タイミング制御部70は、具体的には、レーダー信号発生部10に出力するトリガー信号S7により、送信波SP又は探査波GSの出力開始のタイミングや送信波SPの繰り返し周期を設定している。なお、トリガー信号S7は、時系列的に並ぶ一群の信号部分からなり、レーダー信号発生部10から一群の周期的な送信波SPを発生させ、送信アンテナ31から送信波S1を放射させる。地中UGに異常点として探査対象物OBが存在する場合、一群の周期的な送信波S1,SPに同期する一群の周期的な振幅波形としての応答波S2,SRが発生し、探査対象物OBまでの距離の計測を可能にする。
【0028】
タイミング制御部70は、図示を省略しているが、GPS受信機、速度計、加速度計等を備えており、送信アンテナ31等の位置を監視しつつトリガー信号S7の制御を行っている。これにより、レーダー装置100の移動経路を把握することができ、レーダー装置100が所定距離移動するごとにタイミング制御部70から一群の信号部分からなるトリガー信号S7を出力してレーダー信号発生部10から一組の探査波GSを出力させ、その測定点において地中UGに存在する探査対象物OBまでの距離の計測を可能にする。
【0029】
主制御部80は、雑音評価処理部50、タイミング制御部70等の動作を管理している。さらに、主制御部80は、相関処理部40から出力された信号出力を加工して可視化に適する探査情報を作成する。すなわち、主制御部80は、相関処理部40から出力された信号出力と、レーダー装置100の位置情報とに基づいて探査情報を作成し、この探査情報を表示部90に表示させる。主制御部80によって作成される探査情報は、例えば縦軸を深さとし、横軸をレーダー装置100の移動経路に沿った位置又は移動距離とし、縦軸及び横軸で規定される各座標点に対して相関処理部40の信号出力S5の振幅の絶対値を関連づけたものとなっている。
【0030】
表示部90は、主制御部80の制御下で動作し、主制御部80によって作成された情報を表示する。具体的には、表示部90は、主制御部80が相関処理部40から出力された信号成分等に基づいて加工した探査情報を受け取って対応する表示を行う。表示部90によって表示される探査情報は、地中の状態を深さ方向及び移動経路に沿った2次元の分布で示す断層図となっている。
【0031】
以下、
図1に示す第1実施形態のレーダー装置100の動作原理について説明する。
【0032】
図3(A)は、レーダー信号発生部10から出力される単発の送信波SPの周波数スペクトルを示している。チャート中の点線は、
図2(B)に示すような1nSのパルスの周波数スペクトルを示しており、1nSのパルス幅を有することに起因して0〜1000MHzの広い周波数帯に広がっている。チャート中の一点鎖線は、
図2(C)に示すようなチャープの周波数スペクトルを示しており、50MHz〜800MHzで変化することに対応して50MHz〜800MHzの広い周波数帯に広がっている。送信波SPがパルスであってもチャープであっても、送信波SPは広い周波数帯に広がっており、この広い周波数帯に存在する27MHzのCB無線、140MHz〜160MHzのアマチュア簡易無線、207MHz〜220MHzのマルチメディア放送、430MHzのアマチュア無線等のノイズ源NSからの電波と干渉する可能性がある。
【0033】
図3(B)は、
図3(A)に示す周波数スペクトルを周波数方向に拡大した図であり、送信波SPは、周波数方向に等間隔配列された多数の離散的なスペクトルピークDPで構成されている。ここで、周波数間隔Δfは、
図2(A)に示すような送信波SPの繰返し周期Tsの逆数に対応しており、Ts=1μSの場合、Δf=1/Ts=1MHzになるので、送信波SPが例えば1nSのパルスである場合、送信波SPは、…、100MHz、101MHz、102MHz、…、400MHz、401MHz、402MHz、…といった具合に飛び飛びで離散的なスペクトルピークDPからなるスペクトルパターンを有する。なお、上記の例において、Ts=0.5μSの場合、Δf=2MHzになるので、送信波SPは、…、100MHz、102MHz、104MHz、…、400MHz、402MHz、404MHz、…といったスペクトルピークDPからなるスペクトルパターンを有する。なお、送信波SPがチャープである場合、等間隔配列された離散的なスペクトルピークDPは、チャープの周波数帯域(例えば50MHz〜800MHz)内のみに現れる。
【0034】
図4(A)及び4(B)は、送信波SPの繰返し周期Tsを増減調整することによってノイズ源NSとの干渉を回避する手法を説明する概念図である。
図4(A)は、繰返し周期Tsが1μSの場合を示し、
図4(B)は、繰返し周期Tsが1.025μSの場合を示す。
図4(A)の場合、送信波SPのスペクトルピークDPと、ノイズ源NSからのノイズ信号NZとが重畳した状態となっており、アマチュア無線等のノイズ源NSからの電波によって応答波SRの検出が邪魔される。一方、
図4(B)の場合、送信波SPのスペクトルピークDPと、ノイズ源NSからのノイズ信号NZとがずれた状態となっており、アマチュア無線等のノイズ源NSからの電波によって応答波SRの検出が邪魔されない。ここで、送信波SPの繰返し周期Tsが1.025μSの場合、周波数間隔Δfが0.975MHzとなって、スペクトルピークDPは、(1/1.025)MHz×307=299.5MHz、(1/1.025)MHz×308=300.5MHzとなっており、ノイズ信号NZは、一対の隣接するスペクトルピークDPの中間あたりに位置する。このように、送信波SPの繰返し周期Tsを僅かに増減させることで、ノイズ信号NZが狭帯域のものであれば、送信波SPと干渉することを簡易に回避することができる。
【0035】
以下、
図5を参照して、レーダー装置100の一動作例について説明する。まず、主制御部80は、受信機能のみを動作させる(ステップS11)。つまり、タイミング制御部70によってレーダー信号発生部10を動作させるが、送信波S1が送信アンテナ31から出力されないようにする。この際、レーダー信号発生部10は、初期設定の繰返し周期で送信波SPを生成し、この送信波SPは、相関処理部40用の参照信号S3として利用される。
【0036】
次に、雑音評価処理部50を利用して雑音評価を行う(ステップS12)。具体的には、雑音評価処理部50が相関処理部40の信号出力S5から評価値としての雑音レベルを算出し、主制御部80は、雑音評価処理部50が出力した雑音レベルの値を取り込む。
【0037】
次に、主制御部80は、ステップS12で得た雑音レベルが所定の許容値以下であるか否かを判断する(ステップS13)。通常ならば、送信波S1が存在しない場合、ステップS12で得た雑音レベルの値は受信部20bのノイズフロアとなる。しかしながら、付近にノイズ源NSが存在し強いノイズ信号NZを出力している場合、ステップS12で得た雑音レベルの値が許容値を超える。
【0038】
ステップS13で雑音レベルが所定の許容値を超えると判断された場合、主制御部80は、全ての繰返し周期Tsでの評価が終わっていなければ(ステップS14でN)、タイミング制御部70によって送信波SPの繰返し周期Tsを例えば既定の刻み幅で段階的に増減させ或いは既定の刻み幅であるがランダムに増減させる(ステップS15)。
【0039】
繰返し周期Tsの変更を既定の刻み幅で行う場合、既定の刻み幅は、最小単位ともいえる刻み幅であり、例えばスペクトルピークDPの最大周波数、1つ以上の着目する周波数、或いは最小周波数において、隣接するスペクトルピークDPの周波数間隔Δfをk(自然数)の区間に分割し、k−1個の段階的に増減する周波数位置にスペクトルピークDPが現れるようなものとする。ただし、最小の刻み幅が対象とするスペクトルピークDPの半値半幅以下とすると、スペクトルピークDPを実質的にシフトさせることができず、繰返し周期Tsの変更の意味がなくなる。繰返し周期Tsを既定の刻み幅で変化させる場合、繰返し周期Tsを変化させる上限や下限の範囲も問題となる。変化量を多くとると計測や演算処理の負担が増す一方で、変化量を小さくとるとノイズを除去できない可能性が高まる。
【0040】
一方、ステップS13で雑音レベルが所定の許容値以下であると判断された場合、ステップS13で許容値以下と判断された繰返し周期Tsで送信動作及び受信動作を行う。つまり、主制御部80の制御下で通常の探索動作を行う(ステップS16)。具体的には、主制御部80は、ノイズを所定以下に抑えることができる繰返し周期Tsでレーダー信号発生部10を動作させて送信アンテナ31から送信波S1が出力された状態として、相関処理部40の信号出力S5を計測データとして取り込む。相関処理部40の信号出力S5は、その測定点での、深さ方向の距離(遅延時間)と応答の強度とを関連づけたものであり、これをレーダー装置100の移動経路に沿って蓄積すれば、地中の状態を深さ方向及び移動経路に沿った2次元の分布で示す断層図を得ることができる。
【0041】
なお、全ての繰返し周期Tsでの評価が終わっている場合(ステップS14でY)、雑音レベルが所定の許容値以下となる場合がないので、主制御部80は、表示部90にエラー表示を行わせて処理の終了もしくは継続の判断をユーザーに求める(ステップS17)。
【0042】
以下、
図6を参照して、レーダー装置100の別の動作例について説明する。まず、主制御部80は、受信機能のみを動作させる(ステップS21)。つまり、タイミング制御部70によってレーダー信号発生部10を動作させるが、送信波S1が送信アンテナ31から出力されないようにする。この際、雑音評価処理部50は動作している。
【0043】
次に、主制御部80は、送信波SPの繰返し周期Tsが所定種類の範囲内で変更されて周期の変更が完了している否かを判断する(ステップS22)。
【0044】
繰返し周期Tsについて所定種類の範囲内で変更が完了していない場合、タイミング制御部70によって送信波SPの繰返し周期Tsを次の繰返し周期Tsに変更する(ステップS23)。ここで、所定種類の範囲とは、予め定めた複数組の繰返し周期Tsを意味し、送信波SPの基本的な繰返し周期である基本周期Ts0に対して適宜の差分を増減したものとなっている。具体的には、例えば基本周期Ts0=1μSとして、0.925μS、0.95μS、0.975μS、1.025μS、1.05μS、1.075μSといった程度の小さな刻み幅かつ狭い範囲内で繰返し周期Tsを変化させる。
【0045】
次に、主制御部80は、主制御部80は、雑音評価処理部50に蓄積された一群の雑音レベルの値を取り込むことで雑音評価を行う(ステップS24)。ここで、雑音評価としての雑音レベルの値は、元の繰返し周期である基本周期Ts0と所定種類の範囲内で変更した繰返し周期Tsとを含む回数だけ蓄積されている。
【0046】
次に、主制御部80は、ステップS24で取り込んだ雑音レベルのうち最良の周期を選択する(ステップS25)。つまり、主制御部80は、雑音レベルが最も低くなった繰返し周期Tsを最良の周期とする。
【0047】
次に、主制御部80は、ステップS25で最良とされた繰返し周期Tsで送信動作及び受信動作を行う。つまり、主制御部80の制御下で通常の探索動作を行う(ステップS26)。
【0048】
以上のように、第1実施形態のレーダー装置100では、主制御部80が送信部20aから送信する電波としての送信波S1の繰返し周期Tsを変更するので、送信する送信波S1電波の周波数とノイズ源NSからの特定周波数とが一致又は重畳することを回避することができ、ノイズ源NSの電波との干渉を抑制して信号検出能力を高めることができる。
【0049】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態のレーダー装置について説明する。第2実施形態のレーダー装置は、
図1等に示す第1実施形態のレーダー装置100を変形したものであり、同一部分については重複説明を省略する。なお、第2実施形態のレーダー装置は、同一の測定点を探査する際に、繰り返し周期を一定範囲内で疑似雑音分布のように変化させることでノイズ信号との衝突回避を図る。
【0050】
図7(A)は、レーダー信号発生部10から出力される複数の探査波GS1,GS2,GS3,…を示しており、個々の探査波GS1,GS2,GS3,…は、一箇所の計測に用いられる。探査波GS1は、3つの以上の領域R1,R2,R3,…からなる(
図7(B)〜7(D)参照)。各領域R1,R2,R3,…の繰返し周期は、離散的であり、送信波SPの基本的な繰返し周期に対して適宜の差分を増減したものとなっている。具体的には、例えば基本的な繰返し周期に相当する基本周期Ts0=1μSとした場合、領域R1は、繰返し周期Ts=T1が0.925μSで、領域R2は、繰返し周期Ts=T2が1μSで、領域R3は、繰返し周期Ts=T3が1.075μSとなっている。つまり、各領域R1,R2,R3,…の繰返し周期Tsは、0.075μSの一定の刻み幅で異なるものとなっている。次の探査波GS2も、3つの以上の領域R1,R2,R3,…からなるが、これらの領域R1,R2,R3,…の繰返し周期Tsは、前の探査波GS1とは異なるものとなっている。つまり、0.925μS、1μS、1.075μSといった周期がランダムに入れ替わったものとなっている。次の探査波GS3も同様である。この結果、ノイズ信号NZによる外乱があった場合、探査波GS1では、領域R2のみがノイズと干渉し、探査波GS2では、領域R1のみがノイズと干渉するといった非連続的な現象が生じる。
【0051】
図8(A)は、応答波SRのパターンの一例を示し、
図8(B)は、ノイズ信号NZによって乱された応答波SRの一例を示している。
図8(A)のパターンは、表面反射部分P1と、複数の反射波形P2とを有する。表面反射部分P1については、STCその他のフィルター処理によって除去される。反射波形P2は、フィルター処理を行っても残り、地中の空洞や配管の存在を示している。
【0052】
図8(C)は、探査波GS1によって得られる応答波SRを示している。この場合、
図7(A)及び7(D)に示す領域R3のみがノイズと干渉しており、応答波SRの一領域A3にノイズが現れているが、他の領域A1,A2にはノイズが現れていない。
図8(D)は、次の測定点に対応する探査波GS2によって得られる応答波SRを示している。この場合、
図7(A)及び7(C)に示す領域R2のみがノイズと干渉しており、応答波SRの一領域A2にノイズが現れているが、他の領域A1,A3にはノイズが現れていない。このように、ノイズ信号NZの受信によって外乱が生じていても、測定点が順次移動するごとに応答波SRにおいてノイズの発生する領域が、領域A1,A2,A3,…間を移動するようにランダムに変化する。この結果、特定の深さ又は奥行きに偏って正常な相関処理部40の信号出力S5又は計測データが得られなくなることを回避でき、全体としての探査情報(2次元の断層図等)においてノイズの影響を分散させることができる。
【0053】
以上の例では、各探査波GS1,GS2,GS3,…を複数の領域R1,R2,R3,…に区分して、これらの領域R1,R2,R3,…に所定の刻み幅で増減する数値群内でランダムに変化する繰返し周期Tsを割り振ったが、探査波単位で繰返し周期Tsを割り振ること、具体的には、所定の刻み幅で増減する数値群内でランダムに変化する繰返し周期Tsを各探査波GS1,GS2,GS3,…に割り振ることもできる。この場合、測定点単位でノイズ信号NZと干渉することになり、一連の測定点内でノイズの影響で正常な計測データが得られなくなる箇所が生じるが、計測データが得られなくなる箇所は、ランダムに散在することになり、全体としての探査情報(2次元の断層図等)においてノイズの影響を分散させることができる。
【0054】
以下、
図9を参照して、第2実施形態のレーダー装置100の一動作例について説明する。まず、主制御部80の制御下で探索動作を行う(ステップS31)。具体的には、主制御部80は、レーダー信号発生部10を動作させて送信アンテナ31から送信波S1が出力された状態として、相関処理部40の信号出力S5を計測データとして取り込む。この際、特定の測定点での探査波GS1において、これを構成する各領域R1,R2,R3,…に対して所定の刻み幅で変化する数値群内でランダムに変化する繰返し周期Tsを割り振っており、ノイズが現れる領域を制限することができる(
図8(C)等参照)。
【0055】
その後、主制御部80は、雑音評価処理部50を利用して雑音評価を行う(ステップS32)。雑音評価は、第1実施形態と同様の手法を用いることができ、応答波SRにおいて領域A1,A2,A3,…ごとに雑音レベルが検出される。
【0056】
次に、主制御部80は、ステップS32で各領域A1,A2,A3,…ごとに得た雑音レベルに基づいて、計測データの修正を行う(ステップS33)。具体的には、雑音レベルが許容値以下の電波又は雑音レベルが最も低い電波に対応する領域A1,A2,A3,…を選択し、選択した領域の信号から遅延時間と応答の強度とを関連づけた特定測定点での計測データを得ることができる。この場合、ノイズが現れた領域に対応する計測データを部分的に除去することになるが、部分的に欠落した計測データをそのまま表示用の探査情報として用いることができる。ただし、探査情報は、計測データからノイズが現れた領域を除去したものに限らず、前後の測定点の対応領域の計測データから補間等の処理を行うこと、ノイズの存在を示す着色等の表示を行うこと等の各種処理を行ったものとすることができる。
【0057】
以上の実施形態で説明された構造、形状、大きさ及び配置関係については、本発明を理解及び実施できる程度に概略的に示したものに過ぎない。したがたって、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0058】
例えば、上記実施形態では、繰返し周期Tsを変化させる際の刻み幅を一定としているが、刻み幅を正確に位置させる必要はなく、若干変動する刻み幅で繰返し周期Tsを変化させることもできる。
【0059】
レーダー装置100は、移動体に載置して移動させることができるが、かかる移動体は、自動車や電車のように原動機によって移動するものに限らず、ユーザーが手動で移動させるものであってもよい。
【0060】
実施形態のレーダー装置100は、地中探査に限らず、空間を含む各種対象の探査に用いることができる。