(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力手段は、前記第1の読取動作により読み取られた第1のタグデータと、前記第2の読取動作により読み取られた第2のタグデータとが一致する場合に、前記メッセージを出力する請求項1記載の商品データ処理装置。
前記読取制御手段は、前記第2の読取動作によってタグデータが読み取られた場合に、前記メッセージが出力された後に、前記タグリーダに第3の読取動作を実行させる請求項1の商品データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の商品データ処理装置100の外観図である。商品データ処理装置100は、例えば野菜,果物等の食品や雑貨等を商品として取扱う店舗等において使用される。
【0011】
商品データ処理装置100は、顧客が買い上げる商品を登録する登録部としての読取装置1と、顧客の代金支払いを処理する決済部としてのPOS(Point Of Sales)端末2とを含む。読取装置1は、例えばPOS端末2の横の会計カウンタ3の上に取り付けられる。POS端末2は、レジ台4の上に設置される。読取装置1とPOS端末2とは、通信ケーブルによって電気的に接続される。
【0012】
読取装置1は、商品に付された電子タグ、例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグに記憶された商品コード等を含むタグデータを無線通信により読み取る。読取装置1は、例えばUHF帯で動作するRFIDタグを読み取るものとする。また、読取装置1は、読取装置1の外部(外界)からの電波を遮蔽し、例えば買物カゴ6,7に入れられた商品を収納する収納室としての機能を有する。読取装置1は、商品に付されているRFIDタグから読み取ったタグデータを、POS端末2に出力(送信)する。読取装置1は、タグ読取室(収納室)に収容された複数の商品にそれぞれ付された複数のRFIDタグから、一括してそれぞれのタグデータを読み取ることができる。
【0013】
読取装置1は、読取装置1の主たる外装を構成する筐体1aと、筐体1aに設けられた商品(買物カゴなど)の出入り口となる開口部を開閉するための開閉蓋1bとを有する。
図1では、開閉蓋1bが開状態にある読取装置1を示している。筐体1aは、略箱型の形状に構成される。筐体1aは、内部に買物カゴを収納可能な大きさのタグ読取室(収納室)が形成される。
【0014】
筐体1a及び開閉蓋1bの外面側は、例えば、金属板やモールド材等の電波反射部材、又は電波を吸収する電波吸収材で形成されている。筐体1a及び開閉蓋1bの内面側は、例えば、電波反射部材又は電波吸収部材で覆う構成としてもよいし、その他の部材で覆う構成としても良い。
【0015】
開閉蓋1bは、筐体1aに設けたヒンジ機構により、引き上げ/引き下げることができる。また、筐体1aには、開閉蓋1bの開閉を検出する開閉センサ(
図2に示す開閉センサ27)が設けられている。商品データ処理装置100を操作するオペレータ(キャッシャ)は、開閉蓋1bを開状態とすることで、筐体1aの開口部を介して、筐体1aのタグ読取室内に、商品あるいは商品を入れた買物カゴを出し入れすることができる。
【0016】
タグ読取室内には、タグリーダ(
図2に示すタグリーダ26)が設置される。タグリーダは、例えば送受信兼用のRFIDアンテナを有している。
【0017】
POS端末2は、オペレータによる操作に必要なデバイスとしてキーボード21、オペレータ用のタッチパネル22(タッチスクリーン)、カードリーダ23、及びレシートプリンタ24を備える。これらのデバイスのうち、キーボード21、オペレータ用タッチパネル22は、POS端末2の本体を構成する筐体の上面に配置される。レシートプリンタ24は、筐体に内蔵され、印字されたレシートをレシート発行口から発行(排出)する。
【0018】
図2は、本実施形態における商品データ処理装置100(読取装置1、POS端末2)のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、
図2において
図1と同一の部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0019】
POS端末2は、コンピュータの機能を有する。すなわち、POS端末2は、CPU(central processing unit)10、ROM(read-only memory)11、RAM(random-access memory)12、補助記憶ユニット13、時計ユニット14、キーボードコントローラ15、タッチパネルコントローラ16、カードリーダコントローラ17、プリンタコントローラ18、釣銭機コントローラ19、キーボード21、タッチパネル22、カードリーダ23、プリンタ24、自動釣銭機5、通信デバイス20を含む。読取装置1は、タグリーダ26、開閉センサ27を含む。
【0020】
CPU10、ROM11、RAM12、補助記憶ユニット13、時計ユニット14、タッチパネルコントローラ16、カードリーダコントローラ17、プリンタコントローラ18、釣銭機コントローラ19、及び通信デバイス20は、バスラインにそれぞれ接続されている。読取装置1のタグリーダ26及び開閉センサ27は、通信ケーブル、バスラインを介して、CPU10と接続される。なお、図示していないが、警告音や音声メッセージなどの音声を出力することができるスピーカが設けられる。
【0021】
CPU10は、ROM11及び補助記憶ユニット13に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムなどを含む制御プログラムに基づいて、POS端末2としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。CPU10は、制御プログラムを実行することにより、読取装置1(タグリーダ26)を通じて商品に付されたRFIDタグから読み取られたタグデータ(商品コード等)をRAM12(タグリストエリア12a)に記憶させるスキャン処理、タグデータ(商品コード等)に基づいて決済処理に用いられる取引情報を生成する登録処理、取引情報をもとにした決済処理などを実行する。さらに、CPU10は、制御プログラムを実行することにより、タグリーダ26により第1の読取動作を実行させ、第1の読取動作により読み取られたタグデータに基づく決済処理が実行された後、タグリーダ26に第2の読取動作を実行させる読取制御機能、第2の読取動作によってタグデータが読み取られた場合に、メッセージを出力する出力制御機能、読取装置1からの商品の取り出し作業が完了したことを判別する判別機能が実現される。
【0022】
ROM11は、オペレーティングシステムなどを記憶する。ROM11は、ミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11は、CPU10が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0023】
RAM12は、CPU10が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM12は、CPU10が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM12の記憶領域の一部は、例えばタグリストエリア12a、商品リストエリアとして利用される。タグリストエリア12aには、読取装置1のタグリーダ26によって、商品に付されたRFIDタグから読み取られたタグデータが記憶される。
【0024】
補助記憶ユニット13は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU10が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU10での処理によって生成されたデータを保存する。また補助記憶ユニット13は、ミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
時計ユニット14は、定常的に計時動作を行い、日付及び時刻を表す日時情報を生成する。
【0025】
タッチパネルコントローラ16は、CPU10の制御の下にタッチパネル22での画像表示のための動作を制御する。またタッチパネルコントローラ16は、タッチパネル22でのユーザ操作に応じてタッチパネル22が出力する情報を、例えばRAM12を介してCPU10に与える。
【0026】
カードリーダ23は、カード挿入口から挿入されたカードに記録されたカード情報を読み取る。なお、カードとは、クレジットカード、デビットカード及びプリペイドカードなどのような決済カード、あるいはポイントカードなどが含まれ得る。またカードリーダ23は、カードに情報を書き込む機能を有していても良い。
カードリーダコントローラ17は、CPU10の制御の下にカードリーダ23の動作を制御するとともに、カードリーダ23から出力されたカード情報を、RAM12を介してCPU10に与える。
【0027】
プリンタ24は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシートを印刷する。プリンタ24は、レシートをレシート発行口5から排出する。
プリンタコントローラ18は、CPU10の制御の下にプリンタ24の動作を制御する。
【0028】
自動釣銭機5は、硬貨投入口及び紙幣投入口から投入される硬貨及び紙幣を収受し、必要に応じて釣銭としての硬貨及び紙幣を硬貨排出口及び紙幣排出口から排出する。
釣銭機コントローラ19は、CPU10の制御の下に自動釣銭機5の動作を制御する。
【0029】
タグリーダ26は、アンテナ、送信回路及び受信回路を含んだ周知の構成のものであって良い。タグリーダ26は、タグ読取室(収納室)空間を読取範囲とし、この空間の中に存在するRFIDタグからタグデータを読み取る。
開閉センサ27は、読取装置1の開閉蓋1bの開閉状態を検出して、CPU10に通知する。
通信デバイス20は、LAN(local area network)やインターネットなどの通信ネットワーク200を介して、図示しないサーバなどの他の装置と通信する。
【0030】
次に、本実施形態における商品データ処理装置(POS端末2)の動作について説明する。
図3及び
図4は、本実施形態におけるPOS端末2(CPU10)による制御処理のフローチャートである。CPU10は、ROM11または補助記憶ユニット13に記憶された制御プログラムに従って、
図3及び
図4に示す制御処理を実行する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0031】
POS端末2は、オペレータ等により図示しない電源スイッチがオンされたことに応じて起動されると、CPU10は、制御プログラムの実行を開始して、
図3,4に示す制御処理を開始する。
【0032】
CPU10は、商品データ処理装置100を構成する各部を初期化するための初期化処理を実行する(Act1)。例えば、初期化処理では、タグリストエリア12aや、RAM12に設定される商品リストエリアをクリアする処理を含む。また初期化は、チェックアウト処理のための入力操作を受け付ける画面(操作画面)をタッチパネル22に表示させる処理を含む。
【0033】
初期化が完了した後、CPU10は、例えば操作画面に設けたスキャンボタンをタッチするなど、予め定めた操作により、チェックアウトの手続きの開始が要求されたか否かを確認する。CPU10は、手続きの開始が要求されていない場合(Act2、No)、手続きの開始が要求されるのを待ち受ける。
【0034】
オペレータは、通常、手続きの開始を要求する操作に前に、顧客による買上の対象とする商品を読取装置1のタグ読取室内に収容する。すなわち、オペレータは、読取装置1の開閉蓋1bを開けて、開口を通じてタグ読取室内に収容した後、開閉蓋1bを閉じる。この場合、
図1に示すように、商品を買物カゴ6,7に入れた状態で買物カゴ6,7をタグ読取室に収容しても良いし、商品のみをタグ読取室に収容しても良い。一般に、顧客は、購入しようとする商品の数が多い場合には、買物カゴ6に商品を入れて会計カウンタ3に持参する。この場合、買物カゴ6に商品を入れたままでタグ読取室に収容すれば良い。一方、顧客は、購入しようとする商品の数が少なく、手で持てる場合には、商品のみを会計カウンタ3に持参することがある。こうした場合、オペレータは、別に用意した買物カゴに商品を入れてタグ読取室に収容しても良いし、買物カゴを用意する手間を省いて商品のみをタグ読取室に収容しても良い。
【0035】
CPU10は、手続きの開始を要求するための予め定めた操作がされたことを検出した場合(Act2、Yes)、タグリーダ26による読取動作を起動する(Act3)。タグリーダ26は、タグ読取室空間に電波を出力して、タグ読取室空間に存在するRFIDタグに対するタグデータの読み取りを実行する。ここで、タグリーダ26は、RFIDタグからタグデータが読み取れた場合(Act4、Yes)、CPU10に通知する。なお、タグリーダ26は、タグ読取室に複数のRFIDタグ(商品)が存在する場合、例えば周知の手順により、1つずつRFIDタグからタグデータを読み取り、逐次、CPU10に通知する。
【0036】
CPU10は、タグリーダ26により読み取られたタグデータ(以下、受信タグデータと称する)が、POS端末2を設置している店舗で販売している商品に取り付けられたRFIDタグ(以下、商品タグと称する)のものであるか否かを確認する。CPU10は、受信タグデータが商品タグのものでないことを確認した場合(Act5、No)、販売の対象としていない商品に付されたRFIDタグから読み取られたタグデータとして、受信タグデータに対して後続する処理を実行せず、別のRFIDタグについての読み取りに戻る(Act4)。
【0037】
一方、CPU10は、受信タグデータが商品タグのものであることを確認した場合(Act5、Yes)、受信タグデータに含まれるタグコードをキーとしてタグリストエリア12aを検索する(Act6)。
【0038】
CPU10は、受信タグデータに含まれるタグコードと同一のタグコードがタグリストエリア12aから見つからなかった場合(Act7、No)、受信タグデータをタグリストエリア12aに追加して書き込む(Act8)。CPU10は、受信タグデータに含まれた商品コードに基づいて商品情報(商品名、価格など)を取得する(Act9)。例えば、CPU10は、補助記憶ユニット13に記憶されている商品コードに対応する商品情報を読み出しても良いし、通信ネットワーク200を介してストアサーバなどから商品情報の配信を受けても良い。CPU10は、受信タグデータに基づいて取得した商品情報を、RAM12の商品リストエリアに記憶された商品リストに追加(更新)する(Act10)。
【0039】
商品リストを更新した後、CPU10は、更新した商品リストの内容を表すように、タッチパネル22に表示させている小計画面を更新する(Act11)。なお、小計画面は、読取済みのタグデータに基づいて識別した商品の商品名、価格を一覧表示すると共に小計金額を表示するための画面である。小計画面には、決済の開始を要求するための決済ボタンも設けられる。
【0040】
以下、前述したように、タグリーダ26により読み取られた受信タグデータに応じた処理を繰り返して実行する(Act4〜11)。
【0041】
CPU10は、タグリーダ26により読み取られる受信タグデータに含まれるタグコードが、タグリストエリア12aに記憶された既に読み取り済みのタグコードと同一コードのみとなった場合、読取装置1のタグ読取室に存在するRFIDタグの全てからタグデータの読み取りが完了しているため、小計画面の表示の更新を行わない。
【0042】
オペレータは、小計画面の表示が更新(商品の追加)されなくなったことによりタグデータの読み取りが完了したことを確認することができる。ここで、オペレータは、小計画面に表示された決済ボタンにタッチすることで決済処理の実行を指示することができる。CPU10は、決済ボタンへのタッチを検出して、読取装置1の読取動作を終了させる。
【0043】
CPU10は、決済ボタンに対するタッチ操作がタッチパネル22で検出されると(Act12、Yes)、商品リストに記憶された商品情報に基づいて決済処理を実行する。決済処理では、例えば、支払い方法の選択(現金、クレジットカード)、支払い方法に応じた支払い操作(自動釣銭機5への現金投入、カードリーダ23によるクレジットカードの読み取り)に応じて、買上対象とする商品について決済が実行される。
【0044】
CPU10は、決済処理が完了する決済終了画面をタッチパネル22に表示させる(Act14)。また、CPU10は、決済処理が終了してから(あるいは決済終了画面を表示してから)の経過時間の計測を開始する。
【0045】
CPU10は、決済処理の結果を表したレシートをプリンタ24により発行させる(Act15)。すなわちCPU10は、決済処理の対象となった商品名や金額などを表した明細や、決済した合計金額、預かり金額、釣銭額などを表したレシート画像を生成し、これをプリンタ24によりレシート用紙に印刷させる。レシート用紙のレシート画像が印刷された領域は、その他の領域から切り離された後、レシート発行口5から排出される。なおCPU10は、クレジット決済が行われた場合には、その証書となるレシートも発行するようプリンタ24を制御する。これにより、レシート紙を用いたレシートが顧客に対して発行されることになる。あるいはCPU10は、レシートに記載する情報を含んだレシートデータを生成し、レシートデータを通信ネットワーク200を介して例えばセンタサーバ(図示せず)に送る。顧客は、適宜の情報通信端末を利用してセンタサーバにアクセスし、レシートデータの内容を閲覧することができる。
【0046】
また、CPU10は、決済処理の結果として釣銭が発生しているか否かを確認する。そして釣銭が発生している場合(Act16、Yes)、CPU10は、自動釣銭機5により釣銭を払い出させる(Act17)。
【0047】
一方、CPU10は、決済処理が終了してから(あるいは決済終了画面を表示してから)の経過時間が予め設定された時間(例えば8秒)となった場合、タグリーダ26による読取動作を起動して、読取装置1のタグ読取室に取り忘れた商品を検出するための再度の読取動作を実行させる(Act18)。予め設定された時間は、例えば、決済処理が完了した後、オペレータが通常の作業により読取装置1から商品を取り出すことができる時間であって、決済処理が済んだ顧客がPOS端末2から遠く離れていかない程度の適切な時間が設定される。
【0048】
CPU10は、タグリーダ26による再度の読取動作によりタグデータが読み取られなかった場合(Act19、No)、読取装置1から全ての商品が取り出されたものとして、次の顧客に対する処理をするために初期化処理を実行する(Act1)。
【0049】
一方、CPU10は、タグリーダ26による再度の読取動作により受信タグデータが読み取られた場合(Act19、Yes)、受信タグデータに含まれるタグコードをキーとして、決済処理済みのタグデータが記録されたタグリストエリア12aを検索する(Act7)。
【0050】
CPU10は、タグリストエリア12aの検索により、受信タグデータに含まれるタグコードと同一のタグコードがタグリストエリア12aから見つからなかった場合(Act21、No)、読取装置1から全ての商品が取り出されたものとして、次の顧客に対する処理をするために初期化処理を実行する(Act1)。すなわち、前述した再度の読取動作は、決済処理が終了してから(あるいは決済終了画面を表示してから)の経過時間が予め設定された時間となった場合に実行している。このため、読取装置1から商品が取り出された後、開閉蓋1bが閉められていない状態で再度の読取動作(Act18)が実行される可能性がある。この場合、タグリーダ26が読取装置1の周囲にある決済処理が完了していない、例えば顧客により買上の対象としていない商品(次の顧客の買上対象とする商品など)に付されたRFIDタグからタグデータを読み取ることがある。従って、タグデータが読み取られたとしても商品の取り忘れではないため初期化処理に移行する。
【0051】
これに対して、CPU10は、タグリストエリア12aの検索により、受信タグデータに含まれるタグコードと同一のタグコードがタグリストエリア12aから見つかった場合(Act21、Yes)、タッチパネル22において商品の取り忘れを警告するメッセージを表示させる(Act22)。また、図示しないスピーカから警告を表すエラー音を出力させても良い。
【0052】
例えば、決済処理が終了した後、予め設定された時間が経過しても、読取装置1から商品を取り出す作業がされていない場合には、全ての商品が読取装置1のタグ読取室に残ったままである。従って、受信タグデータと同一のタグコードがタグリストエリア12aに記憶されていると判別される。
【0053】
また、決済処理が終了した後、予め設定された時間内に読取装置1から商品を取り出す作業がされた場合であっても、例えば商品が山積みにされた商品カゴを読取装置1から取り出す際に、商品が商品カゴからが落下してタグ読取室に残される可能性がある。こうした場合、タグ読取室に残された商品に付されたRFIDタグから読み取られた受信タグデータが、決済処理済みのタグデータと一致するためメッセージが出力される。同様にして、商品カゴを使用しないで商品のみを読取装置1に収容した場合に、決済処理の後に全ての商品を取り出していない場合には、メッセージが表示される。
【0054】
図5は、本実施形態におけるメッセージ表示画面SCの一例を示す図である。
図5に示すメッセージ表示画面SCでは、例えば「取り忘れている商品が無いか確認して下さい。」のメッセージ50が表示されている。また、メッセージ表示画面SCには、メッセージ消去を指示するためのクリアボタン52が設けられている。
【0055】
オペレータは、タッチパネル22にメッセージ表示画面が表示されることで、読取装置1のタグ読取室に商品が残されていないか確認することが促される。CPU10は、メッセージ表示画面SCのクリアボタン52に対するタッチ操作が検出された場合(Act23、Yes)、メッセージ表示画面SCを消去して(Act24)、次の顧客に対する処理をするために初期化処理を実行する(Act1)。すなわち、オペレータは、メッセージ表示画面SCを確認して、クリアボタン52に対して操作をしなければ次の顧客に対する処理に移れない。このため、オペレータに対して、商品の取り忘れを確実に確認させることができる。
【0056】
このようにして、本実施形態における商品データ処理装置100(POS端末2)では、決済処理が完了した商品を読取装置1のタグ読取室から取り忘れたとしても、タグリーダ26による決済処理後の再度の読取動作によりタグデータを読み取ってメッセージを出力させることができる。これにより、オペレータに対して読取装置1のタグ読取室に商品の取り忘れが無いか確認させることができ、商品の取り忘れを確実に防止することができる。
【0057】
なお、前述した説明では、決済処理後に取り忘れ商品を検出するための再度の読取動作を1回のみ実行しているが(Act18)、複数回実行しても良い。例えば、再度の読取動作(2回目)により決済処理済みの商品に付されたRFIDタグからタグデータが読み取られた場合に、前述したようにメッセージを表示させる(Act22)。そして、メッセージを表示させてから予め設定された時間(例えば5秒)が経過した後、タグリーダ26により再度の読取動作(3回目)を実行させる。これにより、商品の取り忘れを確実にチェックすることが可能となる。なお、再度の読取動作によりタグデータが読み取られた場合に、その都度、異なる内容のメッセージを出力させるようにしても良い。
【0058】
また、前述した説明では、決済処理が終了してから(あるいは決済終了画面を表示してから)の経過時間が予め設定された時間となった場合、タグリーダ26による再度の読取動作を実行させているが、決済処理後に読取装置1から商品の取り出し作業がされたことを検出してから再度の読取動作を実行させるようにしても良い。すなわち、CPU10は、商品がタグリーダ26による読取対象外の状態にされたことが判別された後に、タグリーダ26による再度の読取動作を実行させる。
【0059】
例えば、CPU10は、決済処理が終了した後、読取装置1の開閉センサ27から開閉蓋1bが開状態されたことが通知された後、再度、開閉センサ27から開閉蓋1bが閉状態にされたことが通知された場合に、商品の取り出し作業がされたものと判別する。
【0060】
あるいは、CPU10は、決済処理が終了した後、読取装置1から商品の取り出しが完了したことをオペレータが入力するための確認ボタンをタッチパネル22に表示させる。オペレータは、読取装置1から商品を取り出した後、確認ボタンに対してタッチ操作をする。CPU10は、確認ボタンに対するタッチ操作を検出した場合に、商品の取り出し作業がされたものと判別する。
【0061】
なお、読取装置1から商品の取り出し作業がされたこと(商品がタグリーダ26による読取対象外の状態にされたこと)を検出するための方法は、前述した方法以外であっても良い。CPU10は、前述したように、商品がタグリーダ26による読取対象外の状態にされたことを判別すると、前述したように、タグリーダ26による再度の読取動作を実行させる。
【0062】
また、前述した説明では、店員(キャッシャ)により操作される商品データ処理装置100(POS端末2)を設けたチェックアウトシステムを例にしているが、決済処理のための操作を主に顧客が行うセルフタイプ、あるいはセミセルフタイプのチェックシステムに適用することも可能である。セルフタイプとセミセルフタイプの何れのチェックアウトシステムに設けられた商品データ処理装置においても、前述した、
図3及び
図4のフローチャートに示す処理と基本的に同じ処理を実行することで同様の作用効果を得ることができる。例えば、決済処理が完了した後、決済完了を顧客に通知するメッセージ(例えば「ご利用ありがとうございました」)を表示させた後、一定時間(例えば数秒)が経過した後に、タグリーダ26による再読み取りを実行させる。ここで、タグ読取室に取り忘れている商品に付されたRFIDタグからタグデータが読み取られた場合に、メッセージ(表示あるいは音声)を出力させて、顧客に対して商品の取り忘れを通知する。
【0063】
また、前述した説明では、読取装置1とPOS端末2とが別筐体により構成されているが、読取装置1とPOS端末2とを一体化した商品データ処理装置100として構成することも可能である。また、読取装置1のタグ読取室の形状は、
図1に示すような箱形に限るものではなく、店舗において扱う商品に応じて任意の形状、サイズにより構成することが可能である。また、タグリーダ26により読み取られたタグデータを、顧客による買上対象とする商品に付されたRFIDタグから読み取られたタグデータのみに特定できる場合には、読取装置1のタグ読取室に収納した状態でタグリーダ26による読取動作を実行しなくても良い。例えば、タグリーダ26から発信される電波が、顧客による買上対象とする商品以外に到達しないように調整することで、タグ読取室に商品を収納する必要が無い。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0065】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。