【実施例】
【0046】
以下、本発明の洗浄剤組成物を用いて、動物由来組織の付着した硬組織から前記動物由来組織を除去するための洗浄方法、洗浄した硬組織から核酸を採取するための核酸採取方法、及び、硬組織から採取した核酸を用いて動物種を判別する方法の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
図1に示すように、動物由来組織の付着した硬組織から前記動物由来組織を除去するための洗浄方法は、(1)前処理工程と(2)洗浄工程を備えており、洗浄した硬組織から核酸を採取するための核酸採取方法は、(3)脱灰工程と(4)核酸採取工程を備えている。
【0048】
(1)前処理工程
本実施形態における前処理工程では、動物由来組織に混入した硬組織を、前処理液に浸漬、摘出等の処理を施して清浄し、硬組織の表面に付着した動物由来組織を除去した。前処理液としては、炭酸ナトリウム水溶液を用いた。
【0049】
具体的には、動物由来組織に混入した硬組織を、75℃に加温した1質量%炭酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬後、ステンレス製ピンセットを用いて硬組織を摘出した。次いで、摘出した硬組織を新たな1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて再度浸漬し、ステンレス製ピンセットを用いて硬組織表面に付着した動物由来組織を除去した。さらに、新たな1質量%炭酸ナトリウム水溶液で硬組織表面のすすぎを行った後、風乾させた。
【0050】
(2)洗浄工程
本実施形態における洗浄工程では、前処理工程において動物由来組織を除去した硬組織を、更に洗浄剤組成物を用いて浸漬洗浄した。これにより、硬組織に残存した動物由来組織を除去した。
【0051】
具体的には、ポリプロピレン製2mLサンプリングチューブに1mLの洗浄剤組成物を投入し、これに前処理工程において動物由来組織を除去した硬組織を浸漬させ、ボルテックスミキサーを用いて攪拌を行った。
【0052】
次いで、硬組織をポリプロピレン製2mLサンプリングチューブに加えた1mLの滅菌水に浸漬させ、ボルテックスミキサーを用いて攪拌を行った。
【0053】
次いで、硬組織をポリプロピレン製2mLサンプリングチューブに加えた1mLのエタノール(質量分率99.5+%)に浸漬させ、ボルテックスミキサーを用いて攪拌を行った後、風乾させた。
【0054】
(3)脱灰工程
実施形態における硬組織の脱灰工程では、EDTA水溶液に浸漬させることで、硬組織に含まれるカルシウム成分を除去した。
【0055】
具体的には、洗浄工程において動物由来組織を除去した硬組織を、ポリプロピレン製2mLサンプリングチューブに加えた1.5mLの50mM EDTA水溶液(pH8.0)に浸漬させ、ボルテックスミキサーを用いて攪拌を行った。次に、上清を除去し、1.5mLの50mM EDTA水溶液(pH8.0)を再度加えてボルテックスミキサーを用いて攪拌を行った。本工程をさらに2回繰り返した後、風乾させた。
【0056】
上記(2)洗浄工程および(3)脱灰工程において、ボルテックスミキサーを用いて攪拌を行う際の温度、強度および時間は、硬組織の容量や形状に応じ、適宜調整することができる。温度としては10〜30℃であると一層好ましく、強度および時間は1,500〜3,000rpmで1分間以上であると一層好ましい。
【0057】
(4)核酸採取工程
実施形態における硬組織からの核酸採取工程では、核酸採取キットを用いて、脱灰した硬組織から核酸を採取した。
【0058】
具体的には、核酸採取キット、例えばHigh Pure PCR Template Preparation Kit(ロッシュ社製;商品名)を用いて、脱灰した硬組織から核酸を採取した。核酸の採取はキット指定の方法に従って行った。
なお、核酸採取キットとしては、ISOHAIR(ニッポンジーン社製;商品名)を用いてもよい。
【0059】
(5)動物種判別工程
実施形態における動物種判別工程では、核酸採取工程で得たDNA抽出液を用いてPCR法または定量PCR法により硬組織の動物種を判別した。
【0060】
<PCR法による動物種判別>
具体的には、松永ら(日本食品科学工学会誌,46(3),187−194,1999)の方法でPCR法による動物種判別を行った。PCR反応液は、AmpliTaq Gold 360 Master Mix(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製;商品名)12.5μL、プライマー、DNA抽出液1μLに滅菌水を加えて合計25μLとした。使用するプライマーおよび反応条件は松永ら(1999)の方法に従い、94℃で5分反応後、94℃・30秒、60℃・30秒、72℃・30秒を1サイクルとして繰り返し、72℃で7分反応させた。PCRはGeneamp PCR System 9700(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製;商品名)を用いて行い、PCR産物5μLを4質量%アガロースゲル電気泳動で分析した。泳動条件は100Vで35分間とし、泳動後アガロースゲルをエチジウムブロマイド溶液で染色し、泳動図をAE−6933FXESプリントグラフ(アトー社製;商品名)で画像化のうえ、CS Analyzer 3(アトー社製;商品名)で増幅産物のバンドを定量した。94℃・30秒、60℃・30秒、72℃・30秒の繰り返しはDNA抽出液の濃度や精製度に応じ、適宜調整することが好ましく、25〜35サイクルであると一層好ましい。
【0061】
<定量PCR法による動物種判別>
具体的には、Tanabe et al.(Biosci. Biotechnol. Biochem.,71(12),3131−3135,2007)の方法に従い、定量PCR法による動物種判別を行った。定量PCR反応液は、AmpliTaq Gold 360 Master Mix(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製;商品名)12.5μL、プライマー、プローブ、DNA抽出液2.5μLに滅菌水を加えて合計25μLとした。使用するプライマー、プローブおよび反応条件はTanabe et al.(2007)の方法に従い、50℃で2分保持後、95℃・10秒、95℃・15秒、60℃・1分を1サイクルとして繰り返した。なお、DNA抽出液は、QuantiFluor One dsDNA system(プロメガ社製;商品名)を用いて濃度測定を行い、脱イオン蒸留水にて1ng/μLに調製したものを用いた。また、定量PCRは、Takara thermal cycler dice(タカラバイオ社製;商品名)を用いて行った。
【0062】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0063】
[実施例1]未加熱食品の洗浄工程に各種洗浄剤を用いた硬組織の動物種判別(PCR法)
表1−1に示す試験区の各種洗浄剤組成物について、硬組織の洗浄試験を行った。なお、各洗浄剤組成物において、表に示す成分1、2以外の残部は、精製水である。また、表中の「%」は「質量%」を示す(以下同様。)。被験試料には、硬組織として0.2〜8.0mgに細切したブタ肋骨を、該ブタ肋骨の1,000倍重量のニワトリむね挽肉に混入したものを使用した。
洗浄試験では、上記実施態様に従って硬組織の洗浄および核酸の採取を行い、得られたDNA抽出液について、ブタ及びニワトリプライマーを使用して、PCR法による硬組織の動物種の判別を行った。
【0064】
各試験区におけるブタおよびニワトリDNA由来の増幅産物のバンドの定量値を、「(2)洗浄工程」を実施しない試験区1におけるブタおよびニワトリDNA由来の増幅産物のバンドの定量値でそれぞれ除した値が、0.5以上のものを「A;バンドを検出」、0.1以上0.5未満のものを「B;バンドを僅かに検出」、0.1未満のものを「C;バンドを不検出」とし、結果を表1−1に示した。
【0065】
【表1-1】
【0066】
上記表1−1から明らかなとおり、洗浄剤を使用しない試験区1では、ブタDNA由来の増幅産物と、ニワトリDNA由来の増幅産物がともに検出された。また、特許文献1に記載の洗浄剤を使用した試験区2、次亜塩素酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを洗浄剤として使用した試験区3〜5においても同様に、ブタDNA由来の増幅産物と、ニワトリDNA由来の増幅産物がともに検出された。一方で、0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区6では、ブタDNA由来の増幅産物は検出されたが、ニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは前記試験区と比較して薄く、僅かに検出されるのみであり、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、水酸化ナトリウム水溶液を使用する方法が好ましいことが確認された。
【0067】
次いで、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、水酸化ナトリウム水溶液を使用する方法が好ましいことが確認されたことから、各濃度の水酸化ナトリウムを洗浄工程に用いて、実施形態に従ってPCR法による硬組織の動物種判別の検討を行った。
【0068】
[実施例2]未加熱食品の洗浄工程に各濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いた硬組織の動物種判別(PCR法)
表1−2に示す試験区の各種洗浄剤組成物について、硬組織の洗浄試験を行った。被験試料として、3.5〜24.4mgに細切したブタ肋骨を、該ブタ肋骨の1,000倍重量のニワトリむね挽肉に混入したものを使用した以外は、実施例1と同様に評価した。
【0069】
【表1-2】
【0070】
上記表1−2から明らかなとおり、洗浄剤を使用しない試験区1では、ブタDNA由来の増幅産物と、ニワトリDNA由来の増幅産物がともに検出された。また、0.001質量%および1質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区2および6においても同様に、ブタDNA由来の増幅産物と、ニワトリDNA由来の増幅産物がともに検出された。一方で、0.01質量%、0.03質量%および0.1質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区3〜5では、ブタDNA由来の増幅産物は検出されたが、ニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは前記試験区と比較して薄く、僅かに検出されるのみであり、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、0.01〜0.1質量%の水酸化ナトリウムを使用する方法が好ましいことが確認された。
【0071】
次いで、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、0.01〜0.1質量%の水酸化ナトリウムを使用する方法が好ましいことが確認されたことから、0.01〜0.1質量%の水酸化ナトリウムに各種試薬を添加した洗浄剤を洗浄工程に用いて、実施形態に従ってPCR法による硬組織の動物種判別の検討を行った。
【0072】
[実施例3]未加熱食品の洗浄工程に水酸化ナトリウム水溶液に各種試薬を添加した洗浄剤を用いた硬組織の動物種判別(PCR法)
表1−3に示す試験区の各種洗浄剤組成物について、硬組織の洗浄試験を行った。被験試料として、0.5〜7.4mgに細切したブタ肋骨を、該ブタ肋骨の1,000倍重量のニワトリむね挽肉に混入したものを使用した以外は、実施例1と同様に評価した。
【0073】
【表1-3】
【0074】
上記表1−3から明らかなとおり、洗浄剤を使用しない試験区1では、ブタDNA由来の増幅産物と、ニワトリDNA由来の増幅産物がともに検出された。次いで、0.03質量%の水酸化ナトリウム水溶液を洗浄剤として使用した試験区2では、N=2で実施したいずれの試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出され、N=2で実施した一方ではニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは薄く、僅かに検出されるのみであり、もう一方ではニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは検出されなかった。次いで、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物を添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区3では、N=2で実施したいずれの試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出され、N=2で実施した一方ではニワトリDNA由来の増幅産物が検出されたが、もう一方ではニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは検出されなかった。次いで、次亜塩素酸ナトリウムを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区4では、N=2で実施したいずれの試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出され、N=2で実施した一方ではニワトリDNA由来の増幅産物が検出されたが、もう一方ではニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは薄く、僅かに検出されるのみであった。次いで、0.1質量%のラウリル硫酸ナトリウムを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区5では、N=2で実施したいずれの試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出されたが、ニワトリDNA由来の増幅産物は検出されなかった。次いで、0.1質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区6では、N=2で実施したいずれの試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出されたが、N=2で実施した一方ではニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは薄く、僅かに検出されるのみであり、もう一方ではニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは検出されなかった。よって、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、水酸化ナトリウム水溶液を使用する方法が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液に加えて0.1質量%のラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した水溶液を使用する方法が一層好ましいことが確認された。
【0075】
次いで、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、水酸化ナトリウム水溶液を使用する方法が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液に加えて0.1質量%のラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した水溶液を使用する方法が一層好ましいことが確認されたことから、水酸化ナトリウム水溶液に各濃度のラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを加えた洗浄剤を洗浄工程に用いて、実施形態に従ってPCR法による硬組織の動物種判別の検討を行った。
【0076】
[実施例4]未加熱食品の洗浄工程に各濃度のラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを加えた水酸化ナトリウム水溶液を用いた硬組織の動物種判別(PCR法)
表1−4に示す試験区の各種洗浄剤組成物について、硬組織の洗浄試験を行った。被験試料として、8.9〜30.6mgに細切したブタ肋骨を、ブタ肋骨の1,000倍重量のニワトリむね挽肉に混入したものを使用した以外は、実施例1と同様に評価した。
【0077】
【表1-4】
【0078】
上記表1−4から明らかなとおり、洗浄剤を使用しない試験区1では、ブタDNA由来の増幅産物と、ニワトリDNA由来の増幅産物がともに検出された。一方で、0.1質量%もしくは1質量%のラウリル硫酸ナトリウムを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区2、3では、ブタDNA由来の増幅産物は検出されたが、ニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは薄く、僅かに検出されるのみであった。また、0.01質量%もしくは0.1質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区4、5では、ブタDNA由来の増幅産物は検出されたが、ニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは薄く、僅かに検出されるのみであった。よって、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、0.1質量%もしくは1質量%のラウリル硫酸ナトリウムを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウム、0.01質量%もしくは0.1質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを使用する方法が好ましいことが確認された。
【0079】
[実施例5]加熱食品の洗浄工程に各種洗浄剤を用いた硬組織の動物種判別(PCR法)
次に、加熱処理した被験試料について検討した。被験試料には、硬組織として1.3〜12.7mgに細切したブタ肋骨を、該ブタ肋骨の1,000倍重量のニワトリむね挽肉に混入させ、冷蔵条件にて一晩静置後、加熱処理したものを使用した。加熱処理条件としては、真空状態で沸騰水中にて30分もしくはステンレス製容器に入れた状態でオートクレーブを用いて121℃にて15分の加熱処理を施した。これらの加熱処理した被験試料について、表2に示す試験区の各種洗浄剤組成物を用いて洗浄試験を行い、実施例1と同様に評価した。
【0080】
【表2】
【0081】
上記表2から明らかなとおり、洗浄剤を使用しない試験区1、特許文献1に記載の洗浄剤を使用した試験区2では、いずれの加熱条件で作製した試料でもブタDNA由来の増幅産物と、ニワトリDNA由来の増幅産物がともに検出された。一方で、0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区3では、いずれの加熱条件で作製した試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出され、沸騰水中にて30分間の加熱処理を施したものではニワトリDNA由来の増幅産物が検出されたが、オートクレーブを用いて121℃にて15分の加熱処理を施したものではニワトリDNA由来の増幅産物は検出されなかった。また、0.1質量%のラウリル硫酸ナトリウムを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区4では、いずれの加熱条件で作製した試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出されたが、ニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは薄く、僅かに検出されるのみであった。さらに、0.1質量%のポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区5では、いずれの加熱条件で作製した試料でもブタDNA由来の増幅産物が検出され、沸騰水中にて30分間の加熱処理を施したものではニワトリDNA由来の増幅産物が検出されず、オートクレーブを用いて121℃にて15分の加熱処理を施したものではニワトリDNA由来の増幅産物のバンドは薄く、僅かに検出されるのみであった。よって、加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、水酸化ナトリウム水溶液を使用する方法が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液に加えて0.1質量%のラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した水溶液を使用する方法が一層好ましいことが確認された。
【0082】
[実施例6]未加熱食品の洗浄工程に各種洗浄剤を用いて硬組織より採取した核酸の定量(定量PCR法)
実施例1および実施例3で採取したDNA抽出液を用いて、ブタおよびニワトリプライマー、ブタおよびニワトリプローブを使用して、実施形態に従って定量PCR法による硬組織の動物種判別の検討を行った。DNAの定量には、実施形態における核酸採取方法によりブタもも肉及びニワトリむね肉から採取したDNA抽出液を、それぞれブタ由来及びニワトリ由来の標準品DNAとして作成した検量線を用いた。これらの検量線から算出したブタDNAの定量値及びニワトリDNAの定量値を表3に示す。また、ブタDNAおよびニワトリDNAの定量値から算出したDNA定量値比(ニワトリDNA/ブタDNA)を表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】
上記表3から明らかなとおり、洗浄剤を使用しない試験区1、特許文献1に記載の洗浄剤を使用した試験区2と比較し、0.03質量%の水酸化ナトリウムを洗浄剤として使用した試験区3、0.03質量%の水酸化ナトリウムに加えて0.1質量%のラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した試験区4、5では、ニワトリDNAの定量値が小さく、未加熱食品に混入した骨異物の動物種判別における硬組織の洗浄処理として、水酸化ナトリウム水溶液を使用する方法が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液に加えて0.1質量%のラウリル硫酸ナトリウムもしくはポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを添加した水溶液を使用する方法が一層好ましいことが定量PCRでも確認された。