【文献】
Qingbin GUO et al.,Extraction, fractionation and physicochemical characterization of water-soluble polysaccharides from Artemisia sphaerocephala Krasch seed,Carbohydrate Polymers,2011年,Vo.l.86, No.2,p.831-836
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
飲食品には様々な成分が含まれ、それらが複雑に組み合わされることでおいしさが形成されていると考えられている。味に関しても、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味が基本要素とされ、これらの味を有する成分に加え、乳成分や蛋白質、油脂含量等も味に影響を与えている。
【0003】
特に、飲食品において重視されるものとしてコク味がある。「コク味」とは、味の基本要素の周辺に広がる厚み、広がり、持続性、まとまり等で表現される味のことを意味し、様々な飲食品で重要な役割を果たしている。
【0004】
飲食品のコク味を増強する方法としては、例えば、酸化処理した動植物油脂の高沸点成分混合物からなる呈味改善剤(特許文献1)、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得た有機酸発酵液(特許文献2)、乳、脱脂乳又はホエイの膜分離透過液を蛋白質分解酵素で処理することを特徴とする風味・呈味改善剤(特許文献3)、クレアチン及びクレアチニンから選択される少なくとも一つの窒素化合物と、オメガ3脂肪酸とを含んでなる混合物を加熱することを含んでなるコク味増強剤の製造方法(特許文献4)、ニコチンアミド若しくはその誘導体又はそれらの塩を有効成分として含有する、コク味増強剤(特許文献5)、特定の低分子ペプチドから選択される1種又は2種以上を有効成分として含むカルシウム受容体活性化作用を有するコク味付与剤(特許文献6)、馬鈴薯由来でDEが2以上5未満であるデキストリンを添加して、低糖や無糖のコーヒー含有飲料や茶飲料にコク味を付与する方法(特許文献7)等が開示されている。
【0005】
近年では、コーヒー含有飲料や茶飲料、カクテルやチューハイといったアルコール飲料に関しては、砂糖のような糖類の添加量を減じた低カロリーの商品が人気を博している。しかし、水分含量が高い飲料において糖類含量を低減することはコク味の低減に直結し、従前の製品に比べて物足りなさを感じる需要者も多い。
【0006】
特許文献8には、サイクロデキストリンを添加して飲料のコク味を増強すると同時に、酸味、苦味、渋味、甘味等のカドを取り、のど越しのマイルドな飲料を製造する技術が開示されている。しかし、サイクロデキストリンは環状構造中に物質を包接する機能を有するため、コーヒーや茶飲料の香味発現を抑制し、香味立ちが極端に悪化するといった問題を抱えていた。
【0007】
特許文献9には、460nm〜520nmにヨード呈色を有する澱粉加水分解物が茶飲料に0.5〜4質量%含まれるように、茶抽出物に添加することを特徴とする茶飲料の製造方法が開示されている。特許文献9に開示された発明は、茶飲料の乳濁(クリームダウン)の防止を目的としており、茶飲料のコク味増強について何ら記載されていないどころか、DE10程度以下のデキストリン溶液は特殊なものを除き老化し易く、水溶液を長期保存すると、それ自体が白濁化することが明示されている。また、特許文献9に開示されたDE9以上のデキストリンを用いても、茶飲料のコク味を十分に増強することはできなかった。
【0008】
特許文献10には、可溶性コーヒー粉末1重量部に対し、5重量部以下の水溶性の難消化性デキストリンを混合した機能性コーヒーが開示されている。難消化性デキストリンは、一種の食物繊維として各種機能を有するが、コーヒーや茶飲料等に添加してコク味を増強するためには、1質量%を超える高い添加量での使用が必要であり、それによって飲料の香味立ちの低下や飲み口の変化を招く。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の飲食品用コク味増強剤は、サバクヨモギシードガムを含有する。サバクヨモギシードガムとは、キク科サバクヨモギ(
Artemisia halodendron TURCZ. ex BESS.,
Artemisia ordosicaKRASCHEN.,
Artemisias sphaerocephala KRASCH)の種子の外皮を、脱脂、乾燥して得られたものである。サバクヨモギシードガムの主成分は、中性多糖類及び酸性多糖類である。
【0014】
本発明における飲食品の中の飲料としては、コーヒー含有飲料、紅茶や緑茶、烏龍茶等の茶飲料、ココア飲料等の嗜好飲料類;果汁、果肉、野菜等を含む果汁飲料類;カクテル、チューハイ、ビール類、ビアテイスト飲料、梅酒、リキュール類等のアルコール飲料;カフェオレ、抹茶オーレといった乳類入り清涼飲料等の乳飲料類が挙げられる。さらには、炭酸を含む清涼飲料;機能性清涼飲料、薬系ドリンク、スポーツドリンク、機能性飲料、健康飲料ビネガードリンク等の健康飲料が挙げられる。
【0015】
上記の種々の飲料について検討を重ねたところ、飲料の種類と飲食品用コク味増強剤の添加量との関係から、飲料を以下のように分類できることがわかった。
(1)乳成分を含まない飲料
(2)乳成分を含む中性の飲料
以下、上記の分類について説明する。
【0016】
(1)乳成分を含まない飲料
本発明が対象とする乳成分を含まない飲料とは、飲料中に製造原料として乳及び乳に由来する成分を含まない飲料をいう。
【0017】
乳成分としては、牛乳等の乳及びその加工品である脱脂粉乳や全脂粉乳、濃縮乳、生クリーム、練乳、バター、脱脂乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等が挙げられる。
【0018】
乳成分を含まない飲料とは、上記乳成分を含まない飲料を指し、具体的には果汁飲料、果肉飲料、トマト飲料、野菜飲料、野菜入り混合果汁飲料、リキッドコーヒー、茶飲料(紅茶、ウーロン茶、緑茶、黒茶、抹茶、ほうじ茶の他、ブレンド茶(はと麦、大麦、玄米、大豆、とうもろこし等の穀物、柿の葉、びわの葉、クマ笹、アマチャヅル、アシタバ、ドクダミ等の葉、昆布、ベニバナ、しいたけ、レイシ等))、ゼリー飲料、ココア飲料、チョコドリンク、甘酒、しるこ、スープ飲料、粉末スープ飲料、炭酸飲料、アルコール含有飲料(チューハイ、カクテル、ビール、発泡酒、新ジャンルビール風味アルコール飲料、ビアテイスト飲料、ワイン、梅酒、リキュール類、マッコリ等)、健康飲料(薬系ドリンク、健康サポート飲料、機能性清涼飲料、スポーツドリンク、ビネガードリンク、麦芽ドリンク等)、植物性飲料(米、豆乳、アーモンドを主原料とする穀物飲料類等)等が挙げられる。
【0019】
乳成分を含まない飲料への飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、飲食品に対して、好ましくは0.01〜0.15質量%であり、さらに好ましくは0.03〜0.1質量%である。サバクヨモギシードガムの添加量が0.01質量%以上であれば、十分なコク味増強効果が得られる。サバクヨモギシードガムの添加量が0.15質量%以下であれば、飲料の香味立ちやのど越しの低下を防ぐことができる。
【0020】
乳成分を含まない飲料のpHは特に制限されないが、好ましくは2.0〜7.5であり、さらに好ましくは3.0〜6.8である。
【0021】
乳成分を含まない飲料の具体例としては、コーヒー含有飲料の場合、コーヒー豆を原料とした飲料及びこれに糖類、乳化された食用油脂その他の可食物等を加えた飲料であり、コーヒー、コーヒー飲料及びコーヒー入り清涼飲料水等であって乳成分を含まないものが挙げられる。
【0022】
茶飲料としては、紅茶、ウーロン茶、緑茶、黒茶、抹茶、ほうじ茶の他、ブレンド茶(はと麦、大麦、玄米、大豆、とうもろこし等の穀物、柿の葉、びわの葉、クマ笹、アマチャヅル、アシタバ、ドクダミ等の葉、昆布、ベニバナ、しいたけ、レイシ等)等、茶葉の発酵の程度に関わらず各種茶葉等からの抽出物を原料とした飲料であって、乳成分を含まないものをいう。
【0023】
なお、コーヒー含有飲料、茶飲料に乳成分を添加したものについては、次の「(2)乳成分を含む中性の飲料」にて説明する。
【0024】
コーヒー含有飲料、茶飲料に対する飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、好ましくは0.01〜0.05質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.03質量%である。サバクヨモギシードガムの添加量が0.01質量%以上であれば、十分なコク味増強効果が得られる。サバクヨモギシードガムの添加量が0.05質量%以下であれば、飲料の香味立ちやのど越しの低下を防ぐことができる。
【0025】
果汁飲料としては、果実、野菜等から得られた搾汁を使用して調製したものが挙げられる。果実としては、柑橘類(みかん、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、熱帯果実(パイナップル、バナナ、グァバ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ等)、その他、イチゴ、リンゴ、桃、ぶどう、ウメ、梨、杏、スモモ、キウイフルーツ、メロン等が挙げられる。野菜としては、トマト、ニンジン等が挙げられる。
【0026】
果汁飲料は、果汁飲料の原料から、種子、果皮、パルプ類等を取り除いて搾汁(ストレート果汁)とし、必要に応じて褐変防止のための酸化防止剤の添加、酵素失活のための加熱処理、ろ過処理等を行ったものでもよい。得られた搾汁を必要に応じて濃縮して濃縮果汁を得る工程、濃縮果汁を希釈して還元果汁を得る工程の他、各種糖類や香料、酸味料等を添加する工程、殺菌工程等慣用されている工程・処理を経て、果汁飲料が調製される。本発明の飲食品用コク味増強剤は、上記のいずれの段階の果汁に対しても、また透明果汁飲料、混濁果汁飲料の区別なく、その効果を発揮することができる。
【0027】
炭酸飲料としては、コーラ飲料、サイダー等、炭酸ガスを含む飲料であって、乳成分を含まないものが挙げられる。炭酸飲料に対する飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、さらに好ましくは0.03〜0.1質量%である。また、健康素材、機能性素材を含有した健康ドリンクやスポーツドリンクについても、飲食品用コク味増強剤を添加することで、コク味を増強することが可能である。これらの飲料に対する飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、さらに好ましくは0.03〜0.1質量%である。
【0028】
アルコール飲料としては、アルコール分1容量%(1V/V%)以上、好ましくは3〜40容量%である飲料(酒類)であり、ビール、発泡酒等のビールテイスト飲料、果実酒、日本酒等の醸造酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒、蒸留酒に糖類等の副原料を混合するリキュール等の混成酒、さらにこれら酒類に果汁やフレーバー、炭酸ガス等を加えたカクテル、フィズ、チューハイ等であって、乳成分を含まないものが挙げられる。さらにはアルコール分を含まない、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルも、飲食品用コク味増強剤の対象とすることができる。
【0029】
アルコール飲料に対する飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、さらに好ましくは0.03〜0.1質量%である。サバクヨモギシードガムの添加量が0.01質量%以上であれば、十分なコク味増強効果が得られる。サバクヨモギシードガムの添加量が0.2質量%以下であれば、アルコール飲料の粘度の上昇を抑えることができる。
【0030】
本発明におけるアルコール飲料への味付けとして、アルコール飲料に、甘味料(しょ糖、ぶどう糖、果糖等の糖類、ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール類)、高甘味度甘味料(スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、ソーマチン、グリチルリチン、ステビア抽出物、ラカンカ抽出物、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム等)等を添加してもよい。
【0031】
さらに、カクテルやチューハイでは、レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘類やアップル、ピーチ、マンゴー等の果汁やフレーバーを添加してもよい。その他、アルコール飲料に従来使用されている香料や着色料等を、本発明の効果を妨げない範囲で用いることができる。
【0032】
(2)乳成分を含む中性の飲料
乳成分を含む中性の飲料としては、飲用牛乳、乳飲料、乳成分入りコーヒー飲料、乳成分入り茶飲料、乳成分入りココア飲料、ミルクセーキ、フルーツオレ、乳成分入りアルコール飲料等が挙げられる。
【0033】
乳成分入りコーヒー飲料とは、上記の(a)乳成分を含まない飲料において説明したコーヒー含有飲料に乳成分を添加したものであり、詳細にはコーヒー豆を原料とした飲料に、糖類、乳成分、乳化された食用油脂その他の可食物等を加えた飲料である。乳成分入りコーヒー飲料に対する飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、好ましくは0.01〜0.05質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.03質量%である。
【0034】
乳成分入り茶飲料とは、上記(1)にて例示した茶飲料と乳成分とを配合して得られた飲料が挙げられる。乳成分入り茶飲料に対する飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、好ましくは0.01〜0.05質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.03質量%である。
【0035】
乳成分入りココア飲料、ミルクセーキ等は、一般に入手可能な飲料であり、その原料や製造方法については従来慣用されているものが利用できる。これらの飲料に対する飲食品用コク味増強剤の添加量は、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算で、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、さらに好ましくは0.05〜0.15質量%である。サバクヨモギシードガムの添加量が0.01質量%以上であれば、十分なコク味増強効果が得られる。サバクヨモギシードガムの添加量が0.2質量%以下であれば、飲料の香味立ちやのど越しの低下を防ぐことができる。
【0036】
乳成分を含む中性の飲料のpHは、好ましくは5.5〜7.5であり、さらに好ましくは6.0〜7.0である。
【0037】
上記の乳成分を含む中性の飲料に含まれる乳成分の割合としては、無脂乳固形分に換算して好ましくは0.5〜10重量%であり、さらに好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは2〜4重量%である。
【0038】
本発明が対象とする飲料の製造は、通常の製造方法を利用すればよい。例えば、飲食品用コク味増強剤を他の原料とともに水に溶解し、これに他の成分を加え、次いで別途抽出したコーヒーエキス、紅茶エキス又は果汁成分等、飲料の種類に応じた原料を添加し、必要に応じてpHを調整した後に混合や均質化処理を行い、容器に充填することによって調製することができる。また通常、容器に充填後、殺菌処理が施される。殺菌処理については特に制限されず、通常のレトルト殺菌、プレート殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。
【0039】
本発明の飲食品用コク味増強剤には、コク味増強活性を有する既知の化合物(グルタチオン、アリイン等)をはじめ、各種添加物や食品原料、例えば香料、甘味料、酸味料、着色料、苦味料、乳化剤、安定剤、増粘剤、ビタミン類、ミネラル類、機能性素材、果肉、植物の種実、根茎、木皮、葉、花及びこれらからの抽出物、動物性油脂、植物性油脂、動物性タンパク質、植物性タンパク質、デンプン、デンプン分解物(デキストリン)、水溶性食物繊維、難溶性食物繊維、ポリフェノール類、ペプチド、アミノ酸、アルコール等を添加することも可能である。
【0040】
本発明の飲食品用コク味増強剤の性状に特に制限はなく、液状、粉末状、顆粒状、タブレット状、カプセル剤状等の形状にすることが可能である。これらの性状のうち、飲食品に溶解し易いという観点から好ましいのは、液状である。また、飲食品用コク味増強剤を液状にする場合、飲食品の呈味に与える影響が少ないという観点から、サバクヨモギシードガム水溶液にすることが好ましい。サバクヨモギシードガム水溶液中のサバクヨモギシードガムの濃度は、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、より好ましくは0.03〜0.15質量%である。サバクヨモギシードガムの濃度が0.01質量%以上であれば、飲食品にコク味増強効果を発現することが可能となり、0.2質量%以下であれば、サバクヨモギシードガム水溶液の取り扱いが容易になるため好ましい。
【0041】
本発明の飲食品用コク味増強剤の製造方法に特に制限はなく、任意の方法で製造することができる。飲食品用コク味増強剤がサバクヨモギシードガム水溶液である場合の製造方法の一例として、撹拌下の水にサバクヨモギシードガムを少量ずつ投入して、サバクヨモギシードガム水溶液を調整した後、必要に応じて撹拌下に上記の添加剤を加える方法が挙げられる。
【0042】
本発明における飲食品の中の食品としては、おかき、センベイ、おこし、まんじゅう、飴等の和菓子;クッキー、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ドーナッツ、ワッフル、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメルキャンディー、チューインガム、ゼリー、ホットケーキ、パンその他種々の洋菓子;ポテトチップス、その他種々のスナック菓子;アイスクリーム、アイスキャンディー、シャーベット、その他種々の氷菓;フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、その他種々のペースト類;漬物等;みそ、醤油、もろみ、魚醤、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、固形ブイヨン、焼き肉のタレ、シチューの素、スープの素、浅漬けの素等の調味料類;ヨーグルト、プリン、ババロア等の乳製品等が挙げられる。
【0043】
次に、本発明の飲食品のコク味増強方法について、以下に説明する。本発明の飲食品のコク味増強方法は、サバクヨモギシードガムを飲食品に添加することを特徴とする。
【0044】
サバクヨモギシードガムを添加する飲食品としては、上記の飲食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0045】
本発明の飲食品のコク味増強方法における、サバクヨモギシードガムの飲食品への添加量は、上記に例示した、飲食品に対する飲食品用コク味増強剤の添加量と同様の範囲であればよい。つまり、飲食品用コク味増強剤中のサバクヨモギシードガム換算の数値範囲を、そのまま、サバクヨモギシードガムの飲食品への添加量とすればよい。
【0046】
サバクヨモギシードガムの性状に特に制限はなく、液状、粉末状、顆粒状、タブレット状、カプセル剤状等の形状にすることが可能である。これらの性状のうち、飲食品に溶解し易いという観点から好ましいのは、液状である。飲食品用コク味増強剤の性状を液状にする場合、飲食品の呈味に与える影響が少ないという観点から、サバクヨモギシードガム水溶液にすることが好ましい。サバクヨモギシードガム水溶液中のサバクヨモギシードガムの濃度は、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、より好ましくは0.03〜0.15質量%である。サバクヨモギシードガムの濃度が0.01質量%以上であれば、飲食品にコク味増強効果を発現することが可能となり、0.2質量%以下であれば、サバクヨモギシードガム水溶液の取り扱いが容易になるため好ましい。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、文中の「*」は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製であることを、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
【0048】
(1)乳成分を含む中性の飲料の調製
<調製例1>乳成分入りコーヒー飲料
表1の処方に基づき、以下の方法により乳成分入り缶コーヒーを調製した。乳成分入りコーヒー飲料のコク味の評価結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
牛乳:普通牛乳(森永乳業社製)
乳化剤:ホモゲン※No.1733*
【0050】
<乳成分入りコーヒー飲料の調製方法>
1)焙煎したコーヒー豆(コロンビアSP:L値20)を粗挽きし、10倍量の熱湯にてドリップ抽出を行い8倍量回収後、常温まで冷却し、コーヒードリップ液を得た。
2)イオン交換水に、砂糖、乳化剤及びコク味増強剤をあらかじめ粉体混合したものを加え、80℃に昇温後同温度で10分間撹拌溶解し、常温まで冷却した。
3)牛乳、重曹、コーヒードリップ液の順番で加え、撹拌混合後、イオン交換水にて全量補正して乳成分入りコーヒー飲料を得た。
4)3)の乳成分入りコーヒー飲料を、撹拌しながら75℃まで昇温し、ホモゲナイザーにて均質化(第一段10MPa、第二段5MPa)し、缶に充填した。
5)缶に充填した乳成分入りコーヒー飲料を、121℃で20分間レトルト殺菌した。
【0051】
【表2】
粘度測定条件:B型粘度計を用いて、5℃に温調したコーヒー飲料の粘度を測定した(回転数:60rpm、測定時間:1分間)。
カラギナン:カラギナンCS−470(F)*
ネイティブジェランガム:ケルコゲル HM *
【0052】
<調製例2>乳成分入りココア飲料
表3の処方に基づき、以下の方法により乳成分入りココア飲料を調製した。乳成分入りココア飲料のコク味の評価結果を表4に示す。
【0053】
【表3】
牛乳:「普通牛乳」(森永乳業(株)製)
乳化剤:ホモゲン※No.870*
【0054】
<乳成分入りココア飲料の調製方法>
1)イオン交換水に、砂糖、乳化剤及びコク味増強剤をあらかじめ粉体混合したものを加え、80℃に昇温後同温度で10分間撹拌溶解し、常温まで冷却した。
2)牛乳、ココア粉末を加え、撹拌混合後、イオン交換水にて全量補正し、乳成分入りココア飲料を得た。
3)2)の乳成分入りココア飲料を撹拌しながら75℃まで昇温し、ホモゲナイザーにて均質化(第一段10MPa、第二段5MPa)した。
4)3)の乳成分入りココア飲料を、UHT殺菌機にて140℃で30秒間殺菌し、PETボトル容器に無菌充填した。
【0055】
【表4】
粘度測定条件:B型粘度計を用いて、5℃に温調したココア飲料の粘度を測定した(回転数:60rpm、測定時間:1分間)。
微結晶セルロース:セオラスSC−900 旭化成ケミカルズ(株)製
【0056】
(2)乳成分を含まない飲料の調製
<調製例3>果汁飲料
表5の処方に基づき、以下の方法により果汁飲料を調製した。果汁飲料のコク味の評価結果を表6に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
<果汁飲料の調製方法>
1)イオン交換水に、果糖ぶどう糖液糖、砂糖及びコク味増強剤をあらかじめ粉体混合したものを加え、80℃に昇温後同温度で10分間撹拌溶解した。
2)柑橘混合濃縮果汁53R、無水クエン酸を加え撹拌混合後、イオン交換水にて全量補正して果汁飲料を得た。
3)2)の果汁飲料を、撹拌しながら93℃まで昇温し、ホットパック充填した。
【0059】
【表6】
粘度測定条件:B型粘度計を用いて、5℃に温調した果汁飲料の粘度を測定した(回転数:60rpm、測定時間:1分間)。
ネイティブジェランガム:ケルコゲル※LT 100*
キサンタンガム:サンエース*
【0060】
<調製例4>炭酸飲料
表7の処方に基づき、以下の方法により炭酸飲料を調製した。炭酸飲料のコク味の評価結果を表8に示す。
【0061】
【表7】
【0062】
<炭酸飲料の調製方法>
1)イオン交換水に、砂糖、甘味料、コク味増強剤をあらかじめ粉体混合したものを加え、80℃に昇温後同温度で10分間撹拌溶解した。
2)クエン酸三ナトリウム、無水クエン酸、香料を加え撹拌混合後、イオン交換水にて40質量部まで補正した。
3)炭酸水を加え、缶に充填して75℃で20分間加熱殺菌した。
【0063】
【表8】
粘度測定条件:B型粘度計を用いて、5℃に温調した炭酸飲料の粘度を測定した(回転数:60rpm、測定時間:1分間)。
HMペクチン:SM−666*
キサンタンガム:サンエース*
【0064】
<調製例4>アルコール飲料
表9の処方に基づき、以下の方法によりアルコール飲料を調製した。炭酸飲料のコク味の評価結果を表10に示す。
【0065】
【表9】
【0066】
<調製方法>
1)イオン交換水に、果糖ぶどう糖液糖、甘味料及びコク味増強剤をあらかじめ粉体混合したものを加え、80℃に昇温後同温度で10分間撹拌溶解した。
2)クエン酸三ナトリウム、無水クエン酸、ウォッカ、香料を加え撹拌混合後、イオン交換水にて40質量部まで補正した。
3)炭酸水を加え、75℃で20分間加熱殺菌した。
【0067】
【表10】
粘度測定条件:B型粘度計を用いて、5℃に温調したアルコール飲料の粘度を測定した(回転数:60rpm、測定時間:1分間)。
HMペクチン:SM−666*
キサンタンガム:サンエース*