特許第6962728号(P6962728)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962728少なくとも3つの異なる空気放出ノズルの組を含むコーティング製品の回転投射機用スカート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962728
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】少なくとも3つの異なる空気放出ノズルの組を含むコーティング製品の回転投射機用スカート
(51)【国際特許分類】
   B05B 5/03 20060101AFI20211025BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20211025BHJP
   B05B 5/04 20060101ALI20211025BHJP
   B05B 3/10 20060101ALI20211025BHJP
   B05D 1/04 20060101ALI20211025BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   B05B5/03
   B05B12/00 A
   B05B5/04 A
   B05B3/10 B
   B05D1/04 C
   B05D3/00 D
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-134663(P2017-134663)
(22)【出願日】2017年7月10日
(65)【公開番号】特開2018-8267(P2018-8267A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2020年6月10日
(31)【優先権主張番号】1656633
(32)【優先日】2016年7月11日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】シリル メダール
(72)【発明者】
【氏名】シルバン ペリネ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ プロバンス
【審査官】 河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−000996(JP,A)
【文献】 特開平07−256156(JP,A)
【文献】 特表2010−528854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00− 3/18
5/00− 5/16
7/00− 9/08
12/00−12/14
13/00−13/06
B05D 1/00− 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆される表面にコーティング製品のジェットを投射することが意図されたコーティング製品用のスカート(20)であって、スカート(20)が、コーティング製品のジェットを成形するのに適した成形空気を形成する空気のジェットを放出する前記スカート(20)内に配置された複数の空気放出ノズル(40,42,44,46)を有し、
前記空気放出ノズル(40,42,44,46)が、少なくとも3つの別個のノズルの組(41,43,45,47)を含み、各ノズルの組(41,43,45,47)が、前記ノズルの組(41,43,45,47)に固有の共有の供給チャンバ(40A,42A,44A,46A)に流体的に接続された複数の前記空気放出ノズル(40,42,44,46)からなり、
前記空気放出ノズル(40,42,44,46)が、前記ノズルの組(41,43,45,47)のうちの少なくとも第一のノズルの組(41,43)からなる第一のノズルの群(48)と、前記ノズルの組(41,43,45,47)のうちの少なくとも第二のノズルの組(45,47)からなる第二のノズルの群(49)とを含み、
前記第一のノズルの群(48)が、ある又は各第一のノズルの組(41,43)に空気が供給された際、ある又は各第一のノズルの組(41,43)の前記ノズル(40,42)が、狭くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第一の成形空気を共に形成する第一の空気のジェットを放出するものであり、
前記第二のノズルの群(49)が、ある又は各第二のノズルの組(45,47)に空気が供給された際、ある又は各第二のノズルの組(45,47)のノズルが、広くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第二の成形空気を共に形成する第二の空気のジェットを放出するものであり、
ある又は各第一のノズルの組(41,43)が、ある又は各第二のノズルの組(45,47)とは別個であり、
前記第一のノズルの群(48)が、第一の一次ノズルの組(41)と第一の二次ノズルの組(43)とを含み、前記第一の一次ノズルの組(41)は、第一の一次方向に沿って第一の一次空気ジェットを放出するのに各々適した第一の一次ノズル(40)からなり、第一の二次ノズルの組(43)は、第一の一次ノズルの組(41)から離れており、
前記第二のノズルの群(49)が、第二の一次ノズルの組(45)と第二の二次ノズルの組(47)とを含み、前記第二の一次ノズルの組(45)は、第一の一次ノズルの組(41)から、及び、第一の二次ノズルの組(43)から離れており、第一の一次方向とは異なる第二の一次方向に沿って第二の一次空気ジェットを放出するのに各々適した第二の一次ノズル(44)からなり、前記第二の二次ノズルの組(47)は、前記第一の一次ノズルの組(41)から、及び、前記第二の一次ノズルの組(45)から離れている、
スカート(20)。
【請求項2】
前記第一の一次方向が、第一の一次半径方向分岐成分(60B)を有する第一の一次単位ベクトル(60)により規定され、第二の一次方向が、第二の一次半径方向分岐成分(64B)を有する第二の一次単位ベクトル(64)により規定され、前記第二の一次半径方向分岐成分(64B)が、前記第一の一次半径方向分岐成分(60B)より大きい、請求項に記載のスカート(20)。
【請求項3】
前記第一の一次方向が、第一の一次正方方向成分(60C)を有する第一の一次単位ベクトル(60)により規定され、前記第二の一次方向が、第二の一次正方方向成分(64C)を有する第二の一次単位ベクトル(64)により規定され、前記第二の一次正方方向成分(64C)が、前記第一の一次正方方向成分(60C)より大きい、請求項1又は2に記載のスカート(20)。
【請求項4】
前記第一及び第二の一次方向の各々が、ゼロでない一次正方方向成分(60C,64C)を有する一次単位ベクトル(60,64)により規定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスカート(20)。
【請求項5】
前記第一の一次及び二次ノズルの組(41,43)の前記第一のノズル(40,42)が、互いに対して交互に配置されており、及び/又は前記第二の一次及び二次ノズルの組(45,47)の前記第二のノズル(44,46)が、互いに対して交互に配置されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスカート(20)。
【請求項6】
前記第一のノズル(40,42)が、分離外周(54)内に配置されており、前記第二のノズル(44,46)が、分離外周(54)外に配置されており、又は
前記第一のノズル(40,42)が、分離外周(54)外に配置されており、前記第二のノズル(44,46)が、分離外周(54)内に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスカート(20)。
【請求項7】
コーティング製品を噴霧する少なくとも1つの部材(12)と、軸(A‐A’)の周りで第一の噴霧部材(12)を回転させる駆動システム(16)と、固定スカート(20)とを含むコーティング製品用の回転投射機(10)であって、
前記スカート(20)が、請求項1〜のいずれか1項に記載のスカートで構成され、供給チャンバ(40A,42A,44A,46A)の各々が、回転投射機(10)内に形成されていることを特徴とする、回転投射機(10)。
【請求項8】
前記噴霧部材(12)が、少なくとも1つの全体的に円形の端部(26)を有し、前記空気放出ノズル(40,42,44,46)の各々が、回転軸(A‐A’)から端部(26)の半直径以上の距離にある、請求項に記載の回転投射機(10)。
【請求項9】
連結アーム(8)と、前記連結アーム(8)の1つの端部に取り付けられた手首(9)と、前記手首(9)に取り付けられた回転投射機(10)とを含む噴霧ロボット(4)であって、前記回転投射機(10)が、請求項7又は8に記載の回転投射機である、噴霧ロボット(4)。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の回転投射機(10)を用いて投射されたコーティング製品により、少なくとも1つの物体の少なくとも一部を被覆する方法であって、前記空気放出ノズル(40,42,44,46)が、前記ノズルの組(41,43,45,47)のうちの少なくとも第一のノズルの組(41,43)からなる第一のノズルの群(48)と、前記ノズルの組(41,43,45,47)のうちの少なくとも第二のノズルの組(45,47)からなる第二のノズルの群(49)とを含み、前記方法が以下の:
‐前記第一のノズルの群(48)の空気放出ノズル(40,42)だけに空気を供給し、前記空気放出ノズル(40,42)が、狭くコーティング製品の第一のジェットを成形する第一の成形空気を共に形成する第一の空気ジェットを放出する、回転投射機(10)を用いてコーティング製品の第一のジェットを投射する工程、及び
‐コーティング製品の第一のジェットを投射する工程の前又は後に、前記第二のノズルの群(49)の空気放出ノズル(44,46)だけに空気を供給し、前記空気放出ノズル(44,46)が、広くコーティング製品の第二のジェットを成形する第二の成形空気を共に形成する第二の空気ジェットを放出する、回転投射機(10)を用いてコーティング製品の第二のジェットを投射する工程
を含む、被覆方法。
【請求項11】
コーティング製品の第一のジェットを投射する工程と、コーティング製品の第二のジェットを投射する工程との間に、前記噴霧部材(12)を別の噴霧部材と交換する工程を含む、請求項10に記載の被覆方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング製品のジェットを成形するのに適した成形空気を形成する空気のジェットを放出するスカート内に配置された、複数の空気放出ノズルを含むタイプのコーティング製品の回転投射機用スカートであって、前記空気放出ノズルが、ノズルの組に固有の共有の供給チャンバに流体的に接続された複数の空気放出ノズルで構成された少なくとも1つのノズルの組を含む、スカートに関する。
【0002】
回転投射機を用いた従来の噴霧は、プライマー、ベース層、及び/又は被コーティング物体、たとえば自動車ボディ等にワニスを適用するのに用いられる。コーティング製品を投射する回転投射機は、回転駆動システム、たとえば圧縮空気タービン等の効果の下で高い速度にて回転する噴霧部材を含む。
【0003】
係る噴霧部材は、略回転対称のボウルの形態をとり、コーティング製品のジェットを形成することができる少なくとも1つの噴霧端を含む。回転投射機は、回転駆動システムを収容する固定された本体、及び噴霧部材にコーティング製品を供給する手段も含む。
【0004】
回転部材の端部により噴霧されたコーティング製品のジェットは、ボウルの回転速度、及びコーティング製品の流量等のパラメータに依存する全体的に円すいの形状を有する。この製品ジェットの形状を制御するために、従来技術の回転投射機は、投射機の本体を備えるスカート内に形成され、ボウルの対称軸を中心とし、かつ、ボウルの外周に位置する円の上に配置された、幾つかの空気放出ノズルを一般的に備えている。空気放出ノズルは、製品ジェットのための成形空気を共に形成する空気のジェットを放出することが意図される。「スカート空気」と呼ばれることもあるこの成形空気により、製品ジェットの成形が可能となり、特に、所望の応用の機能としてこのジェットの幅を調節することが可能となる。
【0005】
係る回転投射機は、欧州特許出願第2328689号明細書による例に関して知られている。
【0006】
知られている回転投射機の1つの欠点は、スカートを変更することなく、製品ジェットの幅を大きい振幅に亘って変化させることを可能にしないことである。ジェット幅の変化は、したがって概して50〜300mm又は300〜500mmの振幅である。50〜500mmの全体の範囲を含むことができることを望む場合、スカートを変更することが必要であり、それは、複雑な動作、特に予め回転投射機を停止することを要求する。
【0007】
更に、幾つかの回転投射機応用において、幅広いジェット、すなわち300〜500mmのジェット幅を有する幅広いジェット、及び狭いジェット、すなわち50〜300mmのジェット幅を有する狭いジェットで同時にコーティング製品を噴霧させることが望ましい。この必要は、ボディ内装を狭いジェットで塗装し、ボディ外装を幅広いジェットで塗装する必要がある自動車産業において特にみられる。知られている回転投射機は、この柔軟性を許容せず、自動車産業で用いられる製品ラインは、概して2つの塗装ブースを組み入れる:狭いジェット幅を製造するのに適した塗料投射機を含む、第一のボディ内装の塗装専用、及び幅広いジェット幅を製造するのに適した塗料投射機を含む、第二のボディ外装の塗装専用。この二重の塗装ブース装置は機械装置及び設置空間、並びに設置の動作に必要なエネルギーの両方の観点で高価である。
【0008】
本発明の1つの目的は、したがって、同じ回転投射機により、回転投射機のスカートを変更することなく、幅広いジェット又は狭いジェットでコーティング製品を投射することを可能にすることである。
【0009】
そのために、本発明は、前述のタイプの回転投射機用スカートであって、空気放出ノズルが、少なくとも3つの別個のノズルの組を含む、スカートに関する。
【0010】
本発明の特定の実施態様によれば、スカートは、単独で、又は任意の技術的に可能な1つ又は複数の組み合わせに従って考慮される以下の特徴の1つ又はそれより多くも有する:
‐空気放出ノズルは、ノズルの組のうちの少なくとも第一のノズルの組で構成された第一のノズルの群と、ノズルの組のうちの少なくとも第二のノズルの組で構成された第二のノズルの群とを含み、第一のノズルの群は、ある又は各第一のノズルの組に空気が供給された際、ある又は各第一のノズルの組のノズルが、狭くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第一の成形空気を共に形成する第一の空気のジェットを放出するようなものであり、第二のノズルの群は、ある又は各第二のノズルの組に空気が供給された際、ある又は各第二のノズルの組のノズルが、広くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第二の成形空気を共に形成する第二の空気のジェットを放出するようなものである、
‐第一のノズルの群が、第一の一次方向に沿って第一の一次空気ジェットを放出するのに各々適した第一の一次ノズルで構成された第一の一次ノズルの組を含み、第二のノズルの群は、第一の一次ノズルの組とは別個の、かつ、第一の一次方向とは異なる第二の一次方向に沿って第二の一次空気ジェットを放出するのに各々適した第二の一次ノズルで構成された、第二の一次ノズルの組を含む、
‐第一の一次方向が、第一の一次半径方向分岐成分を有する第一の一次単位ベクトルにより規定され、第二の一次方向が、第二の一次半径方向分岐成分を有する第二の一次単位ベクトルにより規定され、第二の一次半径方向分岐成分は、第一の一次半径方向分岐成分より大きい、
‐第一の一次方向は、第一の一次正方方向成分を有する第一の一次単位ベクトルにより規定され、第二の一次方向は、第二の一次正方方向成分を有する第二の一次単位ベクトルにより規定され、第二の一次正方方向成分は、第一の一次正方方向成分より大きい、
‐第一及び第二の一次方向の各々は、ゼロでない一次正方方向成分を有する一次単位ベクトルにより規定される、
‐第一のノズルの群は、第一及び第二の一次ノズルの組とは別個の第一の二次ノズルの組を含み、第二のノズルの群は、第一及び第二の一次ノズルの組とは別個の第二の二次ノズルの組を含む、
‐第一及び第二の二次ノズルの組は、互いに別個である、
‐第一の一次及び二次ノズルの組の第一のノズルは、互いに対して交互に配置され、及び/又は第二の一次及び二次ノズルの組の第二のノズルは、互いに対して交互に配置される、
‐第一の二次ノズルの組のノズルの各々は、第一の一次方向とは異なる第一の二次方向、好ましくは第一の交差領域における第一の一次方向に対する実質的な割線に沿って第一の二次空気ジェットを放出するのに適している、
‐第二の二次ノズルの組のノズルの各々は、第二の一次方向とは異なる第二の二次方向、好ましくは第二の交差領域における第二の一次方向に対する実質的な割線に沿って第二の二次空気ジェットを放出するのに適している、
‐第一のノズルが分離外周内に配置され、第二のノズルが分離外周外に配置され、または第一のノズルが分離外周外に配置され、第二のノズルが分離外周内に配置される、
‐各供給チャンバは、スカート内に形成される。
【0011】
本発明は、コーティング製品を噴霧する少なくとも1つの部材と、軸周りで第一の噴霧部材を回転させる駆動システムと、固定スカートとを含み、スカートが、上記のスカートで構成されており、各供給チャンバが、回転投射機内に形成されている、コーティング製品用の回転投射機にも関する。
【0012】
本発明の1つの特定の実施態様によれば、被覆方法は、以下の特徴も有する:
‐噴霧部材は、少なくとも1つの全体的に円形の端部を有し、各空気放出ノズルは、回転軸から端部の半直径以上の距離にある。
【0013】
本発明は、連結アーム、連結アームの1つの端部に取り付けられた手首、及び手首に取り付けられた回転投射機とを含み、回転投射機が上記の回転投射機である、噴霧ロボットにも関する。
【0014】
最後に、本発明は、上記の回転投射機を用いて投射されたコーティング製品により少なくとも1つの物体の少なくとも一部を被覆する方法であって、空気放出ノズルが、ノズルの組のうちの少なくとも第一のノズルの組で構成された第一のノズルの群と、ノズルの組うちの少なくとも第二のノズルの組で構成された第二のノズルの群とを含み、方法が、以下の:
‐第一のノズルの群の空気放出ノズルだけに空気を供給し、前記空気放出ノズルが、狭くコーティング製品の第一のジェットを成形する第一の成形空気を共に形成する第一の空気ジェットを放出する、回転投射機を用いてコーティング製品の第一のジェットを投射する工程、及び
‐コーティング製品の第一のジェットを投射する工程の前又は後に、第二のノズルの群の空気放出ノズルだけに空気を供給し、前記空気放出ノズルが、広くコーティング製品の第二のジェットを成形する第二の成形空気を共に形成する第二の空気ジェットを放出する、回転投射機を用いてコーティング製品の第二のジェットを投射する工程
を含む方法にも関する。
【0015】
本発明の特定の実施態様によれば、被覆方法は、単独で、又は任意の技術的に可能な1つ又は複数の組み合わせに従って考慮される以下の特徴の1つ又はそれより多くも有する:
‐方法は、コーティング製品の第一のジェットを投射する工程と、コーティング製品の第二のジェットを投射する工程との間に、噴霧部材を別の噴霧部材と交換する工程を含む、
‐コーティング製品の第一のジェットは第一の狭い表面に噴霧され、コーティング製品の第二のジェットは第二の広い表面に噴霧される、
‐コーティング製品の第一のジェットは小さい寸法の第一の物体に噴霧され、コーティング製品の第二のジェットは大きい寸法の第二の物体に噴霧される、
‐コーティング製品の第一のジェットが投射される際に、回転投射機は混合噴霧部材を備え、コーティング製品の第二のジェットが投射される際に。回転投射機は同じ混合噴霧部材を備える。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、単に例として与えられ、添付の図面を参照する以下の詳細な説明を読むとより明確に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明によるコーティング設備の斜視図である。
図2図2は、本発明の第一の実施態様による図1のコーティング設備の回転投射機の軸方向断面図である。
図3図3は、図2の回転投射機のスカートの上面図である。図2の切断面が、この図で線で印をつけられたIIにより具体化されている。
図4図4は、第二の実施態様による図1のコーティング設備の回転投射機のスカートの上面図である。
図5図5は、図1のコーティング設備に関する空気供給システムの第一の例示的な実施態様の第一の代替を示す図である。
図6図6は、図5のコーティング設備の空気供給システムの第二の代替を示す図である。
図7図7は、図5のコーティング設備に関する空気供給システムの第三の代替を示す図である。
図8図8は、図1のコーティング設備に関する空気供給システムの第二の例示的な実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示されたコーティング設備2は、被コーティング面にコーティング製品を噴霧することが意図される。知られている方法において、それは、多軸噴霧ロボット4とロボット4を制御する電空制御キャビネット6とを含む。
【0019】
噴霧ロボット4は、連結アーム8と、連結アーム8の1つの端部に取り付けられた手首9と、手首9に取り付けられた回転投射機10とを含む。
【0020】
図2を参照して、回転投射機10は、噴霧部材12と、本体14と、本体14に対して軸A‐A’の周りで噴霧部材12を回転させるシステム16と、噴霧部材12にコーティング製品を供給するシステム18と、本体14の外側に供えられたスカート20とを含む。
【0021】
これ以降、方向に関する用語は以下のとおり理解されるべきである:
「軸方向」は、軸A‐A’に対して平行に配向した要素を指す、
「半径方向」は、軸A‐A’に対して垂直に配向した要素を指す、
「正方方向」は、軸A‐A’に対して直角かつ半径方向に対して垂直に配向した要素を指す。
【0022】
更に、用語「上流」及び「下流」は、回転投射機10を通ってコーティング製品が流れる方向に関して理解されるべきである。
【0023】
噴霧部材12は、回転対称である。すなわちこの回転の角度に関わりなく、前記軸の周りで噴霧部材12を回転させることにより得られる噴霧部材12の任意の図が噴霧部材12と同じであるように、第一の噴霧部材の軸として規定された軸が存在する。
【0024】
噴霧部材12は、本体14に近い噴霧部材12の底24から、本体14から離れた本体14の反対側の噴霧部材12の下流端部を画定する噴霧端部26まで広くなる、第一の噴霧部材の軸に向けて配向した分布面22を有する。
【0025】
端部26は実質的に円形であり、「噴霧部材12の直径」としてこれ以降で記載される直径を有する。
【0026】
噴霧部材12は、第一の噴霧部材の軸に対向して配向した外面28も有する。この外面28も、図示された例では、底部24から端部26まで広くなる。噴霧部材12は、したがって略ボウル形状であり、結果としてこれ以降で「用語」ボウルを用いて言及される。
【0027】
底部24は、供給システム18に流体的に接続されたコーティング製品を導入するためのオリフィス30を有する。分配器31は、分布面22にコーティング製品を導き、分配するように、オリフィス30を横切ってボウル12に固定される。
【0028】
図示された例において、ボウル12は、軸が、回転軸A‐A’の軸に対して実質的に共軸であり、かつ、駆動システム16が、軸A‐A’の周りでボウル12を回転させることができるように駆動システム16に接続されるように、本体14に取り付けられる。代替的に、ボウル12は、仏国特許出願公開第2868342号明細書(その内容は、本件の一部であると考えなければならない)に記載されたものと同じ可逆接続部材(図示せず)を用いて駆動システム16に接続される。
【0029】
図示された例において、ボウル12は、混合噴霧部材、すなわち幅広いジェット及び狭いジェットの両方においてコーティング製品を投射するのに適している。そのため、ボウル12の直径は、好ましくは30〜90mm、有利には50〜65mmである。
【0030】
代替的に(図示せず)、ボウル12は、狭いジェットにおいてコーティング製品を投射することだけに適している。回転投射機10は、したがって本体14とは別個の、直径を除いてボウル12と同じ第二の噴霧部材も含み、第二の噴霧部材は、ボウル12の直径より大きい。
【0031】
本体14は、噴霧ロボット4の手首9に固定される。
【0032】
駆動システム16は、典型的には圧縮空気タービンにより形成される。代替的に、駆動システム16は、電気モーターにより形成される。
【0033】
供給システム18は、典型的には塗料で構成されたコーティング製品のソース(図示せず)に流体的に接続され、ボウル12の導入オリフィス30にこのコーティング製品を導入するのに適している。
【0034】
スカート20は、本体14に対して固定されており、本体14の外面を少なくとも部分的に被覆する。更に、図示された例において、スカート20は、ボウル12がスカート20に部分的に挿入されるように、ボウル12の底部24を半径方向で取り囲む。
【0035】
スカート20は、前記スカート20内に配置された複数の空気放出ノズル40,42,44,46を有する。
【0036】
各ノズル40,42,44,46は、前記スカート20の平面半径方向面32内に配置される。この半径方向面32は、図示された例において、全てのノズル40,42,44,46により共有され、スカート20の下流端部を形成する。代替的に(図示せず)、ノズル40,42,44,46のうちの少なくとも1つは、他のノズル40,42,44,46のうちの少なくとも1つが配置される別の半径方向面に対してオフセットされた軸の半径方向面内に配置される。
【0037】
代替的に、ノズル40,42,44,46のうちの少なくとも1つは、回転周りA‐A’の任意の三次元表面に配置される。
【0038】
空気放出ノズル40,42,44,46は、回転投射機10内に各々形成された前記空気放出ノズル40,42,44,46に空気を供給するチャンバ40A,42A,44A,46Aと流体連通している。特に、これらの供給チャンバ40A,42A,44A,46Aの各々は、図示された例においてスカート20内に形成される。代替的に、これらの供給チャンバ40A,42A,44A,46Aのうちの少なくとも1つは、スカート20及び本体14の界面に形成される。また、代替的に、これらの供給チャンバ40A,42A,44A,46Aのうちの少なくとも1つは、本体14内に形成される。
【0039】
各空気放出ノズル40,42,44,46は、好ましくはスカート20内に配置された貫通したオリフィスで構成される。図示された例において、この貫通したオリフィスは、半径方向面32において第一の端部により現れ、前記空気放出ノズル40,42,44,46に空気を供給するチャンバ40A,42A,44A,46Aにおいて第二の端部により現れる。代替的に、各空気放出ノズル40,42,44,46は、好ましくはスカート20に取り付けられた要素で構成される。
【0040】
簡易化のために、これらの空気ノズル40,42,44,46のうちの幾つかだけが、図3及び4で特に図示される。
【0041】
空気放出ノズル40,42,44,46は、4つの別個のノズルの組41,43,45,47を含み、ノズルの各組41,43,45,47は、前記ノズルの組41,43,45,47に固有の、共有の供給チャンバ40A,42A,44A,46Aにそれぞれ流体的に接続された、複数のノズル40,42,44,46でそれぞれ構成される。ノズルの組41,43,45,17は、したがって第一の一次チャンバ40Aに流体的に接続された第一の一次ノズル40で構成された第一の一次ノズルの組1と、第一の二次チャンバ42Aに流体的に接続された第一の二次ノズル42で構成された第一の二次ノズルの組3と、別の第二の一次チャンバ44Aに流体的に接続された第二の一次ノズル44で構成された第二の一次ノズルの組5と、第二の二次チャンバ46Aに流体的に接続された第二の二次ノズル46で構成された第二の二次ノズルの組7とを含む。
【0042】
図3及び4に関して、第一の一次及び二次ノズル40,42は、図示された例において内部クラウン50上に配置されており、第二の一次及び二次ノズル44,46は、外部クラウン52上に配置されている。第一の一次及び二次ノズル40,42は、したがって実質的に「内部空気放出ノズル」としても記載され、第二の一次及び二次ノズル44,46は、「外部空気放出ノズル」としても記載される。
【0043】
内部及び外部クラウン50,52は、実質的に同心円状であり、両方は、中心として回転軸A‐A’を実質的に有する。外部クラウン52が、内部クラウン50を容易に取り囲むように、内部クラウン50は分離外周54内に配置され、外部クラウン50は分離外周54外に配置される。
【0044】
分離外周54は凸状であり、すなわち外周54に属する任意の一対の点に関して、軸A‐A’と前記2つの点をつなぐコードセグメント間に挿入される外周54の点はない。特に、分離外周54は、図示されるように実質的に円形である。更に、分離外周54は、実質的に軸A‐A’上に中心がある。
【0045】
内部及び外部クラウン50,52の各々は、内部外周により軸A‐A’の側、及び外部外周により軸A‐A’の反対側で画定される。分離外周54は、内部クラウン50の外部外周と、外部クラウン52の内部外周とを構成する。内部クラウン50の内部外周56は、内部空気放出ノズル40,42の少なくとも一部と同一面の凸状外周で構成され、それは好ましくは円形である。外部クラウン52の外部外周58は、外部空気放出ノズル44,46の少なくとも一部と同一面の凸状外周で構成され、それはまた好ましくは円形である。
【0046】
空気放出ノズル40,42,44,46の各々は、回転軸A‐A’から離れたところにあり、ノズル40,42,44,46の中心から回転軸A‐A’までの距離は、端部26の半直径以上であると考えられる。特に、内部クラウン50は、内部外周56からボウル12の端部26の半直径以上の回転軸A‐A’までの最小半径方向距離で構成される、回転軸A‐A’からの最小半径方向距離dを有する。
【0047】
第一の一次ノズル40の各々は、第一の一次軸方向成分60Aを有する第一の一次単位ベクトル60、第一の一次半径方向分岐成分60B、及び第一の一次正方方向成分60Cにより規定された第一の一次方向に沿って第一の一次空気ジェットを放出するのに適している。
【0048】
「単位ベクトル」は、ベクトル60が、軸方向60A、半径方向分岐60B、及び正方方向60C成分の平方の合計の平方根に等しいノルム(それは実質的に1に等しく、成分60A,60B,60Cの幾つかはゼロであることができる)を有することを意味する。半径方向分岐成分60Bは、ベクトル60が回転軸A‐A’の反対側に配向される際に正と考えられ、ベクトル60が回転軸A‐A’に向けて配向される際に負と考えられる相対値である。これらの定義は、これ以降単位として示される他のベクトルにも当てはまる。
【0049】
好ましくは、第一の一次軸方向及び正方方向成分60A,60Cは、各々ゼロではない。
【0050】
第一の一次ノズル40を構成するオリフィスの直径は、0.5〜1.2mmである。
【0051】
第一の二次ノズル42の各々は、第一の一次軸方向成分62A、第一の一次半径方向分岐成分62B、及び第一の一次正方方向成分62Cを有する第一の二次単位ベクトル62により規定された第一の二次方向に沿って第一の二次空気ジェットを放出するのに適している。第一の二次方向は、第一の一次方向とは異なる。すなわち、第一の二次単位ベクトル62の前記成分62A,62B,62Cのうちの少なくとも1つは、対応する第一の一次単位ベクトル60の成分60A,60B,60Cとは異なる。
【0052】
特に、第一の二次正方方向成分62Cは、第一の一次正方方向成分60Cより小さい。好ましくは、第一の二次正方方向成分62Cは、第一の二次単位ベクトル66と第一の二次ノズル42を貫通する軸方向との間で正方方向面において形成される角度が、30°未満であるように選択される。
【0053】
代替的に、第一の一次ノズル40及び第一の二次ノズル42の位置、並びに第一の一次単位ベクトル60の成分60A,60B,60C及び第一の二次単位ベクトル62の成分62A,62B,62Cは、第一の一次及び二次方向が、端部26から上流に配置された第一の交差領域(図示せず)において互いに実質的に割線であるように選択される。
【0054】
第一の二次ノズル42を構成するオリフィスの直径は、0.5〜1.2mmである。
【0055】
第一の一次及び二次ノズル40,42は、互いに対して交互に配置される。すなわち、隣接する一次ノズル40の各対に関して、前記ノズル40間に角度的に挿入された第一の二次ノズル42があり、その逆もそうである。第一の一次及び二次ノズル40,42は、したがって数が等しい。
【0056】
第一の実施態様において、図2及び3に示されるように、第一の一次及び二次ノズル40,42は、異なる曲線61,63上に配置され、曲線61,63は、実質的に軸A‐A’上に中心があり、互いに相似であり、第一の一次ノズル40は、第一の二次ノズル42に対して軸A‐A’に対して半径方向にオフセットされている。代替的に、第一の一次及び二次ノズル40,42は、第二の実施態様のように実質的に軸A‐A’上に中心がある同じ曲線68上に配置される。
【0057】
第二の一次ノズル44の各々は、第二の一次軸方向成分64A、第二の一次半径方向分岐成分64B、及び第二の一次正方方向成分64Cを有する第二の一次単位ベクトル64により規定された第二の一次方向に沿って第二の一次空気ジェットを放出するのに適している。
【0058】
好ましくは、第二の一次軸方向及び正方方向成分64A,64Cは、各々ゼロでない。
【0059】
第二の一次ノズル44を構成するオリフィスの直径は、0.5〜1.2mmである。
【0060】
第二の二次ノズル46の各々は、第二の二次軸方向成分66A、第二の二次半径方向分岐成分66B、及び第二の二次正方方向成分66Cを有する第二の二次単位ベクトル66により規定された第二の二次方向に沿って第二の二次空気ジェットを放出するのに適している。第二の二次方向は、第二の一次方向とは異なる。すなわち、第二の二次単位ベクトル66の前記成分66A,66B,66Cのうちの少なくとも1つは、対応する第二の一次単位ベクトル64の成分64A,64B,64Cとは異なる。
【0061】
特に、第二の二次正方方向成分66Cは、第二の一次正方方向成分64Cより小さい。好ましくは、第二の二次正方方向成分66Cは、第二の二次単位ベクトル66と第二の二次ノズル46を貫通する軸方向との間で正方方向面において形成される角度が、30°未満であるように選択される。
【0062】
有利には、第二の一次ノズル44及び第二の二次ノズル46の位置、並びに第二の一次単位ベクトル64の成分64A,64B,64C、第二の二次単位ベクトル66の成分66A,66B,66Cは、第二の一次及び二次方向が、端部26から上流に配置された第二の交差領域(図示せず)において互いに対して実質的に割線であるように選択される。
【0063】
第二の一次及び二次ノズル44,46は、互いに対して交互に配置される。すなわち、隣接する第二のノズル44の各対に関して、前記ノズル44間で角度的に挿入された第二の二次ノズル46があり、その逆もそうである。第二の一次及び二次ノズル44,46は、したがって数が同じである。
【0064】
外部空気放出ノズル44,46の数は、内部空気放出ノズル40,42の数以上である。
【0065】
第二の二次ノズル66を構成するオリフィスの直径は、0.5〜1.2mmである。
【0066】
第一の実施態様において、第二の一次及び二次ノズル44,46は、異なる曲線65,67上に配置され、前記曲線65,67は、実質的に軸A‐A’上に中心があり、互いに相似であり、第二の一次ノズル44は、第二の二次ノズル46に対して軸A‐A’に対して半径方向にオフセットされている。代替的に、第二の一次及び二次ノズル44,46は、第二の実施態様のように、実質的に軸A‐A’上に中心がある同じ曲線69上に配置される。
【0067】
第一の一次ノズルの組1及び第一の二次ノズルの組3は、共に、前記組41,43に同時に空気が供給された際、これらの組41,43を構成するノズル40,42により放出された第一の空気ジェットが、狭くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第一の成形空気を共に形成するのに適した第一の一対の組48を構成する。第二の一次ノズルの組5及び第二の二次ノズルの組7は、共に、前記組45,4に同時に空気が供給された際、これらの組45,47を構成するノズル44,46により放出された第二の空気ジェットが、広くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第二の成形空気を共に形成するのに適した第二の一対の組49を構成する。
【0068】
そのために、第一及び第二の一次方向は異なる。すなわち、第二の一次単位ベクトル64の前記成分64A,64B,64Cのうちの少なくとも1つは、対応する第一の一次単位ベクトル60の成分60A,60B,60Cとは異なる。特に、第二の二次正方方向成分64Cは、第一の一次正方方向成分60Cより大きく、第二の一次半径方向分岐成分64Bは、第一の一次半径方向分岐成分60Bより大きい。
【0069】
したがって、第一の一次正方方向成分60Cは、第一の一次単位ベクトル60と第一の一次ノズル40を貫通する軸方向との間で正方方向面において形成された角度が、20°〜50°、好ましくは35°〜45°であるように選択され、第一の一次半径方向分岐成分60Bが、第一の一次単位ベクトル60と第一の一次ノズル40を貫通する半径方向との間で半径方向面において形成される角度が、実質的に90°に等しいように選択される一方、第二の一次正方方向成分64Cは、第二の一次単位ベクトル64と第二の一次ノズル44を貫通する軸方向との間で正方方向面において形成される角度が、40°〜80°、好ましくは50°〜60°であるように選択され、第二の一次半径方向分岐成分64Bは、第二の一次単位ベクトル64と第二の一次ノズル44を貫通する半径方向との間で半径方向面において形成される角度が、85°未満、好ましくは75°〜85°であるように選択される。
【0070】
ロボット4及びキャビネット6の他に、コーティング設備2は、図5〜8に示されるように、ノズル40,42,44,46に空気を供給するシステム70を含む。
【0071】
この供給システム70は、図5〜8に示された第一の例示的な実施態様に従って、空気源72と、一次空気ノズル40,44に固有の一次空気ノズル40,44に空気を供給する一次チャンネル74と、二次空気ノズル42,26に固有の二次空気ノズル42,46に空気を供給する二次チャンネル76と、第一の一次ノズル40への空気の供給を調節する第一の一次バルブ80と、第一の二次ノズル42への空気の供給を調節する第一の二次バルブ82と、第二の一次ノズル44への空気の供給を調節する第二の一次バルブ84と、第二の二次ノズル46への空気の供給を調節する第二の二次バルブ86とを含む。
【0072】
空気源72は、典型的にはエアコンプレッサーで形成される。
【0073】
一次チャンネル74は、第一の一次ノズル40に固有の第一の一次ブランチ90と、第二の一次ノズル44に固有の第二の一次ブランチ94とを含む。第一の一次ブランチ90は、バルブ80が、第一の一次ブランチ90内の気流循環を調節するように、第一の一次バルブ80を備える。第二の一次ブランチ94は、バルブ84が、第二の一次ブランチ94内の気流循環を調節するように、第二の一次バルブ84を備える。
【0074】
図5の第一の代替において、一次ブランチ74は、前記固有のブランチ90、94で構成される。バルブ80,84の各々は、次いで可変バルブで構成される。
【0075】
図6及び7の第二及び第三の代替において、一次バルブ74は、全ての一次空気ノズル40,44により共有されるブランチ91を含み、それは、ソース72と固有のブランチ90,94の各々との間に延在する。この共有のブランチ91は、共有の一次バルブ93を備え、それは、好ましくは共有のブランチ91内の気流循環を調節するのに適した可変バルブで構成される。バルブ80,84は、次いで全か無かのバルブで構成される。これにより、第一の代替と比較して、自動化した空気供給の簡易な操作が可能となり、回転投射機10に入るパイプの数が低減し、材料及び統合コストが低減する。
【0076】
二次チャンネル76は、第一の二次ノズル42に固有の第一の二次ブランチ92と、第二の二次ノズル46に固有の第二の二次ブランチ96とを含む。第一の二次ブランチ92は、バルブ82が第一の二次ブランチ92内の気流循環を調節するように、第一の二次バルブ82を備える。第二の二次ブランチ96は、バルブ86が第二の二次ブランチ96内の気流循環を調節するように、第二の二次バルブ86を備える。
【0077】
図5の第一の代替において、二次ブランチ76は、前記固有のブランチ92,96で構成される。バルブ82,86の各々は、次いで可変バルブで構成される。
【0078】
図6及び7の第二及び第三の代替において、二次バルブ76は、全ての二次空気ノズル42,46により共有されるブランチ95を含み、それは、ソース72と固有のブランチ92,96の各々との間に延在する。この共有のブランチ95は、共有の一次バルブ97を備え、それは、好ましくは共有されたブランチ95内の気流循環を調節するのに適した可変バルブで構成される。バルブ82,86は、次いで全か無かのバルブで構成される。これにより、第一の代替と比較して、自動化した空気供給の簡易な操作が可能となり、回転投射機10に入るパイプの数が低減し、材料及び統合コストが低減する。
【0079】
バルブ80,82,84,86は、好ましくは回転投射機10、特にスカート20に統合される。代替的に、バルブ80,82,84,86は、連結アーム8、又は電空制御キャビネット6に統合される。
【0080】
コーティング設備2は、供給システム70を制御するシステム100も含む。この制御システム100は、バルブ80,82,84,86の各々を制御するのに適している。
【0081】
制御システム100は、好ましくは2つの別個の制御モジュール102,104(図7に示された第三の代替のように、第一の空気ノズル40,42の供給を制御する第一の制御モジュール102、及び第二の空気ノズル44,46の供給を制御する第二の制御モジュール104)を含む。第一の制御モジュール102は、したがってバルブ84及び86ではなくバルブ80及び82を同時に命令するのに適しており、第二の制御モジュール104は、バルブ80及び82ではなく、バルブ84及び86を同時に命令するのに適している。
【0082】
制御モジュール102,104の各々は、制御部材に関する接続部(図示せず)を有し、バルブ80,82,84,86を動作させるのに適しており、制御部材が接続部に接続された際に命令する。例えば、制御部材は空気圧アクチュエータであり、制御モジュール102,104はしたがって前記モジュール102,104の接続部を前記モジュール102,104により制御されるバルブ80,82,84,86に接続する空気回路を含み、前記バルブ80,82,84,86はしたがって空気圧制御バルブにより形成されている。代替的に、制御部材は、水圧アクチュエータであり、制御モジュール102,104はしたがって前記モジュール102,104により制御されるバルブ80,82,84,86に前記モジュール102,104の接続部を接続する水圧回路を含み、前記バルブ80,82,84,86はしたがって水圧制御バルブにより形成されている。また、代替的に、制御部材は電気アクチュエータであり、制御モジュール102,104はしたがって前記モジュール102,104により制御されるバルブ80,82,84,86に前記モジュール102,104の接続部を接続する電気回路接続部を含み、前記バルブ80,82,84,86は、したがって電気制御バルブにより形成されている。
【0083】
幾つかのバルブ80,82,84,86に関して制御モジュール102,104が共有された場合、制御接続部の数を低減することが可能となり、一方で第一のバルブ80,82の制御の完全な同期、及び他方で第二のバルブ84,86の完全な同期が可能となるようになる。
【0084】
代替的に、制御システム100は、図6に示された第二の代替のように、バルブ80,82,84,86の各々に関して固有の制御モジュール110,112,114,116を含む。これらの制御モジュール110,112,114,116の各々はそれぞれ、したがってバルブ80,82,84,86の1つだけをそれぞれ制御するのに適している。
【0085】
制御モジュール110,112,114,116の各々は、制御部材に関する接続部(図示せず)を有し、バルブ80,82,84,86を動作させるのに適しており、制御部材が前記接続部に接続された際に命令する。例えば、制御部材は空気圧アクチュエータであり、制御モジュール110,112,114,116は、したがって前記モジュール110,112,114,116により制御されたバルブ80,82,84,86に前記モジュール110,112,114,116の接続部を接続する空気圧回路を含み、前記バルブ80,82,84,86は、したがって空気圧制御バルブにより形成される。代替的に、制御部材は水圧アクチュエータであり、制御モジュール110,112,114,116は、したがって前記モジュール110,112,114,116により制御されたバルブ80,82,84,86に前記モジュール110,112,114,116の接続部を接続する水圧回路を含み、前記バルブ80,82,84,86は、したがって水圧制御バルブにより形成される。また、代替的に、制御部材は電気アクチュエータであり、制御モジュール110,112,114,116は、したがって前記モジュール110,112,114,116により制御されるバルブ80,82,84,86に前記モジュール110,112,114,116の接続部を接続する電気回路を含み、前記バルブ80,82,84,86は、従って電気制御バルブにより形成される。
【0086】
この代替により、バルブ80,82,84,86の制御において、従って空気ノズル40,42,44,46の使用においてより大きな柔軟性が可能になり、特に一次内部ノズル40と一次外部ノズル44、及び/又は二次内部ノズル42と二次外部ノズル46、及び/又は一次内部ノズル40と二次外部ノズル46、及び/又は二次内部ノズル42と一次外部ノズル44、及び/又は一次内部ノズル40と二次内部ノズル42、及び/又は一次外部ノズル44と二次外部ノズル46の同時の使用を可能にする。
【0087】
図8を参照して、第二の実施態様による供給システム70は、一次空気ノズル40,44に固有の一次空気ノズル40,44に空気を共有する一次チャンネル、又は二次空気ノズル42,26に固有の二次空気ノズル42,46に空気を供給する二次チャンネル、又はノズルの組41,43,45,47の各々に固有のバルブを含まないという点で第一の例示的な実施態様とは異なる。代わりに、供給システム70は、第一の一対の組48に固有の第一の供給チャンネル120と、第二の一対の組49に固有の第二の供給チャンネル122と、第一の一対の組48の空気供給を調節する第一のバルブ124と、第二の一対の組49の空気供給を調節する第二のバルブ126とを含む。
【0088】
第一の一次チャンネル120は、第一の一次ノズル40に固有の第一の一次ブランチ130と、第一の二次ノズル42に固有の第一の二次ブランチ132とを含む。第一の一次ブランチ130は、第一の一次流れ低減器140を備え、好ましくは流れ低減器140から下流のブランチ130内の流れを低減するように調節可能でないものを備える。第一の二次ブランチ132は、第一の二次流れ低減器142を備え、好ましくは流れ低減器142から下流のブランチ132内の流れを低減するように調節可能でないものを備える。
【0089】
第一のチャンネル120は、全ての第一の空気ノズル40,42により共有される第一の共有ブランチ131も含み、それは、ソース72と、固有のブランチ130,132の各々との間に延在する。この共有ブランチ131は、第一のバルブ124を備える。
【0090】
第二の一次チャンネル122は、次いで第二の一次ノズル44に固有の第二の一次ブランチ134と、第二の二次ノズル46に固有の第二の二次ブランチ134とを含む。第二の一次ブランチ134は、第二の一次流れ低減器144を備え、好ましくは流れ低減器144から下流のブランチ134内の流れを低減するように調節可能でないものを備える。第二の二次ブランチ136は、第二の二次流れ低減器146を備え、好ましくは流れ低減器146から下流のブランチ136内の流れを低減するように調節可能でないものを備える。
【0091】
第二のチャンネル122は、全ての第二の空気ノズル40,42により共有される第二の共有ブランチ135も含み、それは、ソース72と固有のブランチ134,136の各々との間に延在する。この共有ブランチ135は、第二のバルブ126を備える。
【0092】
第一及び第二のバルブ124,126の各々は、有利には、全か無かのバルブにより形成される。
【0093】
更に、この第二の例示的な実施態様において、制御システム100は、第一のバルブ124を制御する第一の制御モジュール154と、第二のバルブ126を制御する第二の制御モジュール156とを含む。
【0094】
制御モジュール154,156の各々は、制御部材に関する接続部(図示せず)を有し、バルブ124,126を動作させるのに適しており、制御部材が前記接続部に接続された際に命令する。例えば、制御部材は空気圧アクチュエータであり、制御モジュール154,156は、したがって前記モジュール154,156により制御されるバルブ124,126に前記モジュール154,156の接続部を接続する空気回路を含み、前記バルブ124,126は、したがって空気圧制御バルブにより形成される。代替的に、制御部材は水圧アクチュエータであり、制御モジュール154,156は、したがって前記モジュール154,156により制御されるバルブ124,126に前記モジュール154,156の接続部を接続する水圧回路を含み、前記バルブ124,126はしたがって水圧制御バルブにより形成される。また、代替的に、制御モジュールは電気アクチュエータであり、制御モジュール154,156は、したがって前記モジュール154,156により制御されるバルブ124,126に前記モジュール154,156の接続部を接続する電気回路を含み、前記バルブ124,126は、したがって電気制御バルブにより形成される。
【0095】
コーティング設備2を用いて物体(図示せず)、典型的には自動車ボディをコーティング製品により被覆する方法が記載される。
【0096】
コーティング設備2は、ボディ14に取り付けられたボウル12を第一に備える。第一の狭い表面、例えばボディの屋根の端部を形成する狭い表面は、次いで回転投射機10から横切って配置され、制御モジュール102(又は第二の例示的な実施態様の場合には154)は、空気の内部空気ノズル40,42への供給を開くように動作する。
【0097】
回転投射機10を次にアクティブにする、すなわち、供給システム18が開始され、可変バルブ93,97は、空気の空気ノズル40,42への供給を可能にするように開く。回転投射機10は、次いでコーティング製品のジェットの投射を開始し、それは、内部ノズル40,42により放出される空気のために狭く成形される。したがって、狭い表面をコーティング製品を無駄にすることなく被覆することができる。
【0098】
狭い表面が被覆されたら、回転投射機10は非アクティブにされ、第二の物体の広い表面、例えばボディの屋根の中央が回転投射機の前に配置される。制御モジュール102(又は第二の例示的な実施態様の状況である場合には154)は、次いで空気の内部エアノズル40,42への供給を閉じるように非アクティブにされ、制御モジュール104(又は第二の例示的な実施態様の状況である場合には156)は、空気の外部エアノズル44、46への供給を開くようにアクティブにされ、ボウル12は本体14に取り付けられたままである。代替的に、ボウル12が狭いジェットにおいてコーティング製品を投射することに関してのみ適合される場合、ボウル12は、本体14から分解され、ボウル12より直径の大きい第二の噴霧部材と交換される。
【0099】
これらの変更がなされたら、回転投射機10は再度アクティブにされる。回転投射機10により投射されるコーティング製品のジェットは、次いで外部ノズル44,46により放出される空気のために幅広に成形される。したがって、広い表面を迅速に高い被覆品質で被覆することができる。
【0100】
コーティング製品の狭いジェットに戻すことを望む場合、回転投射機10は非アクティブにされ、制御モジュール104(又は第二の例示的な実施態様の状況である場合には156)は空気の外部エアノズル44,46の供給を閉じるように非アクティブにされ、制御モジュール102(又は第二の例示的な実施態様の状況である場合には154)は、空気の内部エアノズル40,42の供給を開くようにアクティブにされ、回転投射機10は次に再度アクティブにされる。
【0101】
上記の方法を用いて異なる物体、大きいものや小さいものをコーティングすることも可能であり、ジェットの幅の調節は、小さい物体から大きい物体へ移る場合になされるかその反対であることに留意されたい。
【0102】
上記の発明のために、したがって同じ回転投射機によりコーティング製品の幅広い及び狭いジェットを製造することが可能であり、それは、この回転投射機の使用にかなりの柔軟性を与える。
【0103】
上記の記載は、4つのノズルの組41,43,45,47がある場合にたとえられているものの、本発明はこの実施態様のみに制限されるのではなく、少なくとも3つのノズルの組41,43,45,47(共有する対の組48,49)がある場合、3つのノズルの組41、43、45、47(共有のノズルの組)がある場合の、全ての場合にも拡張されることに留意されたい。
【0104】
上記のように対により共にグループ化されるのではなく、ノズルの組41,43,45,47は、3つ又はそれより多くの組41,43,45,47の群により共にグループ化されて成形空気を形成することができ、及び/又は組41,43,45,47の幾つかは、他から隔離されて成形空気を形成することができることにも留意されたい。
【0105】
上記の記載は、第一のノズル40,42が分離外周内に配置され、第二のノズル44,46がこの分離外周54外に配置される場合にたとえられるものの、本発明は、この実施態様のみに制限されず、ノズル40,42,44,46の全ての可能な相対位置、特に第二のノズル44,46が分離外周内に配置され、第一のノズル40,42がこの分離外周外に配置される配置、並びに第一及び第二のノズル40,42,44,46が共有の曲線上に配置される配置に拡張されることにも留意されたい。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
被覆される表面にコーティング製品のジェットを投射することが意図されたコーティング製品用のスカート(10)であって、スカート(20)が、コーティング製品のジェットを成形するのに適した成形空気を形成する空気のジェットを放出する前記スカート(20)内に配置された複数の空気放出ノズル(40,42,44,46)を有し、
前記空気放出ノズル(40,42,44,46)が、少なくとも3つの別個のノズル(41,43,45,47)の組を含み、各ノズル(41,43,45,47)の組が、前記ノズル(41,43,45,47)の組に固有の共有の供給チャンバ(40A,42A,44A,46A)に流体的に接続された複数の空気放出ノズル(40,42,44,46)からなることを特徴とする、スカート(10)。
(付記2)
前記空気放出ノズル(40,42,44,46)が、前記ノズル(41,43,45,47)の組のうちの少なくとも第一のノズル(41,43)の組からなる第一のノズルの群(48)と、前記ノズル(41,43,45,47)の組のうちの少なくとも第二のノズル(45,47)の組からなる第二のノズルの群(49)とを含み、
前記第一のノズルの群(48)が、ある又は各第一のノズル(41,43)の組に空気が供給された際、ある又は各第一のノズル(41,43)の組の前記ノズル(40,42)が、狭くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第一の成形空気を共に形成する第一の空気のジェットを放出するようなものであり、
前記第二のノズルの群(49)が、ある又は各第二のノズル(45,47)の組に空気が供給された際、ある又は各第二のノズル(45,47)の組のノズルが、広くコーティング製品のジェットを成形するのに適した第二の成形空気を共に形成する第二の空気のジェットを放出するようなものである、付記2に記載のスカート(20)。
(付記3)
ある又は各第一のノズル(41,43)の組が、ある又は各第二のノズル(45,47)の組とは別個である、付記2に記載のスカート(20)。
(付記4)
前記第一のノズルの群(48)が、第一の一次方向に沿って第一の一次空気ジェットを放出するのに各々適した第一の一次ノズル(40)からなる第一の一次ノズル(41)の組を含み、前記第二のノズルの群(49)が、第一の一次ノズル(41)の組とは別個の、かつ、第一の一次方向とは異なる第二の一次方向に沿って第二の一次空気ジェットを放出するのに各々適した第二の一次ノズル(44)からなる第二の一次ノズル(45)の組を含む、付記2又は3に記載のスカート(20)。
(付記5)
前記第一の一次方向が、第一の一次半径方向分岐成分(60B)を有する第一の一次単位ベクトル(60)により規定され、第二の一次方向が、第二の一次半径方向分岐成分(64B)を有する第二の一次単位ベクトル(64)により規定され、前記第二の一次半径方向分岐成分(64B)が、前記第一の一次半径方向分岐成分(60B)より大きい、付記4に記載のスカート(20)。
(付記6)
前記第一の一次方向が、第一の一次正方方向成分(60C)を有する第一の一次単位ベクトル(60)により規定され、前記第二の一次方向が、第二の一次正方方向成分(64C)を有する第二の一次単位ベクトル(64)により規定され、前記第二の一次正方方向成分(64C)が、前記第一の一次正方方向成分(60C)より大きい、付記4又は5に記載のスカート(20)。
(付記7)
前記第一及び第二の一次方向の各々が、ゼロでない一次正方方向成分(60C,64C)を有する一次単位ベクトル(60,64)により規定される、付記4〜6のいずれか1つに記載のスカート(20)。
(付記8)
前記第一のノズルの群(48)が、前記第一及び第二の一次ノズル(41,45)の組とは別個の第一の二次ノズル(43)の組を含み、前記第二のノズルの群(49)が、前記第一及び第二の一次ノズル(41,45)の組とは別個の第二の二次ノズル(47)の組を含む、付記4〜7のいずれか1つに記載のスカート(20)。
(付記9)
前記第一の一次及び二次ノズル(41,43)の組の前記第一のノズル(40,42)が、互いに対して交互に配置されており、及び/又は前記第二の一次及び二次ノズル(45,47)の組の前記第二のノズル(44,46)が、互いに対して交互に配置されている、付記8に記載のスカート(20)。
(付記10)
前記第一のノズル(40,42)が、分離外周(54)内に配置されており、前記第二のノズル(44,46)が、分離外周(54)外に配置されており、又は
前記第一のノズル(40,42)が、分離外周(54)外に配置されており、前記第二のノズル(44,46)が、分離外周(54)内に配置されている、付記4〜9のいずれか1つに記載のスカート(20)。
(付記11)
コーティング製品を噴霧する少なくとも1つの部材(12)と、軸(A‐A’)の周りで第一の噴霧部材(12)を回転させる駆動システム(16)と、固定スカート(20)とを含むコーティング製品用の回転投射機(10)であって、
前記スカート(20)が、付記1〜10のいずれか1つに記載のスカートで構成され、供給チャンバ(40A,42A,44A,46A)の各々が、回転投射機(10)内に形成されていることを特徴とする、回転投射機(10)。
(付記12)
前記噴霧部材(12)が、少なくとも1つの全体的に円形の端部(26)を有し、前記空気放出ノズル(40,42,44,46)の各々が、回転軸(A‐A’)から端部(26)の半直径以上の距離にある、付記11に記載の回転投射機(10)。
(付記13)
連結アーム(8)と、前記連結アーム(8)の1つの端部に取り付けられた手首(9)と、前記手首(9)に取り付けられた回転投射機(10)とを含む噴霧ロボット(4)であって、前記回転投射機(10)が、付記11又は12に記載の回転投射機である、噴霧ロボット(4)。
(付記14)
付記11又は12に記載の回転投射機(10)を用いて投射されたコーティング製品により、少なくとも1つの物体の少なくとも一部を被覆する方法であって、前記空気放出ノズル(40,42,44,46)が、前記ノズル(41,43,45,47)の組のうちの少なくとも第一のノズル(41,43)の組からなる第一のノズルの群(48)と、前記ノズル(41,43,45,47)の組のうちの少なくとも第二のノズル(45,47)の組からなる第二のノズルの群(49)とを含み、前記方法が以下の:
‐前記第一のノズルの群(48)の空気放出ノズル(40,42)だけに空気を供給し、前記空気放出ノズル(40,42)が、狭くコーティング製品の第一のジェットを成形する第一の成形空気を共に形成する第一の空気ジェットを放出する、回転投射機(10)を用いてコーティング製品の第一のジェットを投射する工程、及び
‐コーティング製品の第一のジェットを投射する工程の前又は後に、前記第二のノズルの群(49)の空気放出ノズル(44,46)だけに空気を供給し、前記空気放出ノズル(44,46)が、広くコーティング製品の第二のジェットを成形する第二の成形空気を共に形成する第二の空気ジェットを放出する、回転投射機(10)を用いてコーティング製品の第二のジェットを投射する工程
を含む、被覆方法。
(付記15)
コーティング製品の第一のジェットを投射する工程と、コーティング製品の第二のジェットを投射する工程との間に、前記噴霧部材(12)を別の噴霧部材と交換する工程を含む、付記14に記載の被覆方法。
図1
図2
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図8