【実施例】
【0016】
実施例に係る漏洩防止装置につき、
図1から
図8を参照して説明する。以下、
図1(a)の紙面手前側を漏洩防止装置の前方側(正面側)として説明する。
【0017】
図1(a)(b)に示されるように、符号1A,1Bは流体を上流側から下流側に輸送する既設の流体管であって、流体管1A,1Bには、夫々を接続するためのフランジ3,3(
図4参照)が設けられ、密封性を備えたボルト・ナット7,7,…により接続されることでフランジ継手3Aを構成している。このフランジ継手3Aには、漏洩防止装置2が該フランジ継手3Aの外周に亘って密封して取付けられることで、フランジ継手3Aにおける漏洩を防止するようになっている。尚、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
【0018】
図1に示されるように、流体管1A,1Bは、ダクタイル鋳鉄製であって、断面視略円形状に形成され、内周面がエポキシ樹脂層1aで被覆されている。尚、本発明に係る流体管は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいはコンクリート製、塩化ビニール製、ポリエチレン製若しくはポリオレフィン製等であってもよい。さらに尚、流体管の内周面はエポキシ樹脂層に限らず、例えばモルタル等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。
【0019】
次に、漏洩防止装置2の構造について
図1〜
図3を用いて説明する。
図1に示されるように、漏洩防止装置2は、フランジ継手3Aの周方向に本実施例では3分割される分割体2A,2A,…がボルト・ナット6,6,…(締結部材)により接続されることにより環状に構成されており、夫々の分割体2Aは、パッキン4(漏洩防止部材)と取付部材5とを備えている。尚、漏洩防止装置2は、3分割に限らず、2または4以上の所定数に分割されてもよい。
【0020】
図2に示されるように、取付部材5は、ダクタイル鋳鉄製であり、正面視において周方向に延びる円弧状を成す本体部5Aと、本体部5Aの両端部に設けられる接続部51,52と、を備えている。この接続部51,52は、後述するように、隣接する取付部材5と接続する際に用いられる。
【0021】
一方の接続部51は、本体部5Aの一方側の端部において外径方向に立ち上がる立上片53を有し、立上片53には、ボルト・ナット6,6を挿通する貫通孔54,54と、該立上片53の外径端縁中央部から隣接する取付部材5側に突出する突出片55と、が設けられている。また、他方の接続部52は、本体部5Aの他方側の端部において外径方向に立ち上がる立上片56を有し、立上片56には、ボルト・ナット6,6を挿通する貫通孔54,54と、隣接する取付部材5の突出片55を挿通可能な凹溝57と、を備えている。
【0022】
また、本体部5Aの内径側には、周方向に亘って溝部58が内径方向に開口するように形成されており、断面視凹形状を成す。具体的には、特に
図2(c)に示されるように、本体部5Aは、管軸方向(前後方向)に延びる外径壁部5aと、外径壁部5aの管軸方向両端から内径方向に延びる側壁部5b,5bと、から構成されており、外径壁部5a及び側壁部5b,5bに囲まれた部分が溝部58となっている。
【0023】
取付部材5の長手方向端部には、溝部58が外径方向に拡大する段部51a,52aが形成されている。また、取付部材5には、側壁部5b,5bの管軸方向外側に内径方向に突出する突出壁部59,59が該取付部材5の周方向に2カ所ずつ設けられている。
【0024】
図3に示されるように、パッキン4は、本実施例ではスチレンブタジエンゴムから成る弾性部材から構成されており、正面視において周方向に延設され円弧状を成す本体部4Aと、本体部4Aの周方向の両端の外径部に設けられる接続部41,42と、を備えている。この接続部41,42は、後述するように、隣接するパッキン4と接続する際に用いられる。なお、パッキンは、弾性を有する部材であればよく、例えばニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム等であっても構わない。
【0025】
一方の接続部41は、本体部4Aの一方側の端部から外径方向に向けて傾斜するように該本体部4Aの延設方向に沿って凸状に形成される傾斜面41aと、傾斜面41aよりも該本体部4Aの延設方向に離間した位置において外径方向に立ち上がる立上片43と、を有する。また、他方の接続部42は、本体部4Aの他方側の端部から外径方向に立ち上がる立上片44と、立上片44の略中央部から内径方向に向けて傾斜するように該本体部4Aの延設方向に沿って凹状に形成される傾斜面42aと、を有する。
【0026】
立上片43,44の端面には、周方向に凹設される略矩形状の凹部43a,44aが形成されている。また、接続部41,42の各端面には、周方向に凹設される凹部45,46が形成される。
【0027】
特に
図3(c)に示されるように、本体部4Aは、その周方向に沿って略同じ断面形状を有しており、後述するように取付部材5の溝部58に嵌合される基部47と、基部47の中央部から内径方向に周方向に亘って膨出する第1膨出部48と、基部47から第1膨出部48を管軸方向に挟むように内径方向に周方向に亘って膨出する第2膨出部49,49と、を備えている。基部47の管軸方向の両側には、凹部47a,47aが周方向に亘って形成されている。尚、第1膨出部48及び第2膨出部49,49は、後述するようにフランジ3,3の外周に亘って密封する密封部として機能する。
【0028】
また、第1膨出部48と第2膨出部49,49との間には、溝部401,401が周方向に沿って形成されており、第1膨出部48の径方向の寸法L1(本体部4Aの外周端と第1膨出部48の内周端との寸法)は、第2膨出部49,49の径方向の寸法L2(本体部4Aの外周端と第2膨出部49,49の内周端との寸法)よりも大きくなっている。言い換えれば、第2膨出部49,49は、第1膨出部48よりも外径側にて膨出している。また、第2膨出部49,49の頭部(内径側の先端部)は、周方向に延びる溝部402,402により二又状に分かれている。
【0029】
分割体2Aは、パッキン4が取付部材5の溝部58に嵌合されることで構成される。詳しくは、
図6(a)及び
図7(a)に示されるように、取付部材5の溝部58に対し、内径側の開口を介してパッキン4の基部47側から挿入することで、外径壁部5a及び側壁部5b,5bにパッキン4の基部47が圧入設置され、第1膨出部48及び第2膨出部49,49は、取付部材5の内径側に配置される。また、側壁部5b,5bと後述する弾性変形前の自然状態での第2膨出部49,49との間には、凹部47a,47aにより空隙部S,Sが形成されている。
【0030】
次に、フランジ継手3Aに漏洩防止装置2を取付ける手順を
図4〜
図8に基づいて説明する。尚、ここでは、地中に埋設された既設の流体管1A,1Bに対して漏洩防止装置2を取付ける形態を例示する。
【0031】
フランジ継手3Aに漏洩防止装置2を取付ける際には、先ず、
図4に示すように、流体管1A,1Bのフランジ3,3同士を接続する既存のボルト・ナット7’,7’,…を取外し、高い密封性を備えたボルト・ナット7,7,…に、1本ずつ又は数本ずつ交換する。ボルト・ナット7は、ボルト7aと袋ナット7bとから構成されており、ボルト7aの頭部7cと流体管1Aのフランジ3との間、及び袋ナット7bと流体管1Bのフランジ3との間には、シールリング7d,7dが配設されている。これにより、フランジ3,3のボルト孔3a,3a,…から漏洩することを防止できる。
【0032】
尚、本実施例では、頭部7cを有するボルト7aを用いる形態を説明したが、これに限られず、例えば、ボルト7aとナットを用い、シールワッシャを介在させてもよいし、両ネジまたは全ネジあるいは一部ネジのボルトを用い、その両端にシールワッシャを介してナットを取付ける形態としてもよい。
【0033】
次に、前述のように、各取付部材5の溝部58にパッキン4を嵌合させて分割体2A,2A,…を構成する。そして、
図5に示されるように、分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に配置する(仮設置)。このとき、
図5の紙面右側に示されるように、一の取付部材5の突出片55を隣接する他の取付部材5の凹溝57に位置合わせした状態で分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に配置する。尚、
図7に示されるように、取付部材5の突出壁部59,59がフランジ継手3Aの管軸方向の両側を挟むように配置することで、分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に仮設置する作業が容易である。
【0034】
図6(a)及び
図7(a)に示されるように、分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に仮設置した状態においては、パッキン4の第1膨出部48及び第2膨出部49,49は、フランジ継手3Aの外周面に接触していない。
【0035】
次いで、分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に配置した状態で、ボルト・ナット6,6,…により接続し、該ボルト・ナット6,6,…を緊締し、漏洩防止装置2をフランジ継手3Aに固定する(
図1参照)。
【0036】
図6(b)及び
図7(b)に示されるように、分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に仮設置した状態からボルト・ナット6,6,…を緊締していくと、取付部材5が内径方向に移動(縮径)し、先ず、最も内径方向に膨出した第1膨出部48がフランジ3,3の対向面3b,3bの間隙に挿入される。詳しくは、第1膨出部48の管軸方向の幅は、フランジ3,3の離間幅よりも大きくなっているため、フランジ3,3の対向面3b,3bと外周面3c,3cとで形成されるエッジ部分に第1膨出部48が圧接されながらフランジ3,3の対向面3b,3bの間隙に挿入される。そのため、第1膨出部48における前記エッジ部分よりも外径側の部分(対向面3b,3bの間隙に挿入されていない部分)は、管軸方向に弾性変形しながら(管軸方向の反力を得ながら)フランジ3,3の対向面3b,3bの間隙に挿入されることとなり、これに伴い両側の第2膨出部49,49は管軸方向に位置決めされる。またこの際、
図5、6に示されるように、周方向の端部側の第1膨出部48が先導して、フランジ3,3の対向面3b,3bの間隙に挿入されることで、ボルト・ナット6,6,の緊締力を低減しながら位置決めされるのが好ましい。
【0037】
尚、このとき、第2膨出部49,49は、第1膨出部48とは溝部401を介して独立して構成され、またフランジ3,3の外周面3c,3cに未だ接触しないため、第1膨出部48のみを弾性変形させながらフランジ3,3の対向面3b,3b間により深く没入させることができる。
【0038】
また、
図8(a)に示されるように、分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に仮設置した状態からボルト・ナット6,6,…を緊締していくと、隣接するパッキン4,4の接続部41,42(周方向の端部)が互いに近づくが、一のパッキン4の周方向の端部は凸形状となっており、隣接する他のパッキン4の周方向の端部は凹形状となっているため、これらが凹凸嵌合されて位置決めされ、更に、一のパッキン4の傾斜面41aと隣接する他のパッキン4の傾斜面42aとが摺動するようになる。パッキン4,4の外径側には、取付部材5,5が存在することにより、パッキン4,4が外径側に移動することが規制されているため、一のパッキン4の傾斜面41aと隣接する他のパッキン4の傾斜面42aとが摺動すると、一のパッキン4が隣接する他のパッキン4の傾斜面42aに案内されて内径方向に押圧されることとなる。
【0039】
次いで、
図6(c)及び
図7(c)に示されるように、ボルト・ナット6,6,…をさらに緊締すると、第1膨出部48がフランジ3,3の対向面3b,3bの間隙にさらに挿入されるとともに、第2膨出部49,49がフランジ3,3の外周面3c,3cに圧接されて、漏洩防止装置2のフランジ継手3Aへの固定が完了する。このとき、第1膨出部48及び第2膨出部49,49間の溝部401,401と第2膨出部49,49の溝部402,402とは、第1膨出部48及び第2膨出部49,49の弾性変形の逃げ代として機能することで平坦となる。
【0040】
また、
図8(b)に示されるように、一のパッキン4の接続部41と他のパッキン4の接続部42とが圧接され、パッキン4,4,…が周方向に密封状に連続する。また、前述のように、立上片43,44には、凹部43a,44aが設けられ、本体部4Aの両端部には、凹部45,46が設けられており、一のパッキン4の接続部41と他のパッキン4の接続部42とが圧接された際には、凹部43a,44a及び凹部45,46がパッキン4,4の逃げ代として弾性変形するため、ボルト・ナット6,6,…を緊締するときに必要なトルクを軽減することができる。
【0041】
また、一のパッキン4の接続部41と他のパッキン4の接続部42とが圧接された状態において、凹部43a,44a及び凹部45,46の部分には僅かに空隙が形成されるため、接続部41と接続部42との間に内部流体が進入しても前記空隙に収納されるようになり、内部流体が外部に漏洩することを防止できる。
【0042】
以上のように、第1膨出部48によりフランジ3,3の対向面3b,3b間とエッジ部分とに亘って密封することができるとともに、第2膨出部49,49によりフランジ3,3の外周面3c,3cを密封することができる。つまり、フランジ3,3の対向面3b,3bから外周面3c,3cに亘って面状に密封領域が形成されるため、フランジ継手3Aの内部の流体圧力に対抗して漏洩を防止するための十分な密封力を得ることができ、また取付部材5がパッキン4を収容してフランジ3,3に外嵌するだけで容易に施工することができる。換言すれば、第1膨出部48は、フランジ3,3の対向面3b,3b間とエッジ部分とに亘って面状に密封するため、従来のようにフランジ3,3のエッジ部分のみを密封する形態に比べて高い密封性を発揮できる。
【0043】
また、第1膨出部48は、フランジ3,3の対向面3b,3b間に対して管軸方向に圧接し、第2膨出部49,49は、フランジ3,3の外周面3c,3cに対して径方向に圧接する。すなわち、第1膨出部48と第2膨出部49,49とがそれぞれ独立しているため、種々の方向からの内部流体の圧力に対抗することができる。
【0044】
また、上記のように第1膨出部48及び第2膨出部49,49は、溝部401,401により第1膨出部48と第2膨出部49,49とがそれぞれ独立しているため、例えば、
図9に示されるように、径方向に位置ズレが生じた状態や径方向に寸法差があった状態で互いに接続されたフランジ31,32であっても、取付部材5を管軸方向に傾倒させることなく、第1膨出部48をフランジ31,32の対向面31b,32b間に圧接させることができるとともに、第2膨出部49,49をフランジ31,32の外周面31c,32cに圧接させることができる。
【0045】
さらに、外径方向に位置ズレしたフランジ32に圧接する第2膨出部49の弾性変形代は、内径方向に位置ズレしたフランジ31に圧接する第2膨出部49の弾性変形代よりも大きくなるが、フランジ32に圧接する第2膨出部49側の凹部47aだけでなく、フランジ31に圧接する第2膨出部49側の凹部47aにも逃がすことができるため、フランジ31,32の外周面31c,32cに対する第2膨出部49,49の圧接力を略均等にすることができる。
【0046】
また、第1膨出部48がフランジ3,3の対向面3b,3b間に管軸方向の反力を得ながら挿入されることで、両側の第2膨出部49,49が管軸方向に位置決めされるため、フランジ3,3の外周面3c,3cに対して第2膨出部49,49を好適に圧接(密封)させることができる。
【0047】
また、第2膨出部49,49がフランジ3,3の外周面3c,3cに圧接された状態にあっては、第2膨出部49,49が空隙部S,Sを逃げ代として弾性変形する。これによれば、第2膨出部49,49がフランジ3,3の外周面3c,3cに圧接されたときに、第2膨出部49,49が弾性変形して取付部材5の溝部58の外側に飛び出ることを防止できるため、第2膨出部49,49の外周面3c,3cへの圧接力が低下することを防止して密封性を向上させることができる。
【0048】
また、空隙部S,Sは、ゴム製のパッキン4の管軸方向の外側面に形成された凹部47a,47aであるため、空隙部S,Sを容易に形成できるばかりか、パッキン4を減量化することができまたパッキン4の変形自由度が増すため、施工性を向上させながらも弾性反発力を発生させて様々な径や形状のフランジ3,3に対応して漏洩防止力を発揮することができる。
【0049】
また、パッキン4,4,…及び取付部材5,5,…は、周方向に分割された分割構造を有する。これによれば、周方向に分割されたパッキン4,4,…及び取付部材5,5,…(分割体2A,2A,…)を用いて、フランジ継手3Aの外径側から外周に亘って容易に密封できる。
【0050】
また、隣接するパッキン4,4の互いに接続される周方向の端部(接続部41,42)は、互いに嵌合可能な一対の凹凸形状を有する。これによれば、周方向に分割されたパッキン4,4の一対の凹凸形状を有する端部(接続部41,42)同士を嵌合させることで、端部(接続部41,42)同士を互いに位置決めさせることができる。
【0051】
また、漏洩防止装置2をフランジ継手3Aに固定した状態にあっては、一の取付部材5の突出片55が隣接する他の取付部材5の凹溝57に挿入されるため、分割体2A,2A,…同士が管軸方向に相対的に移動することが防止される(
図1(b)参照)。
【0052】
また、隣接するパッキン4,4の互いに接合される周方向の端部(接続部41,42)は、径方向に対し傾斜した一対の傾斜面41a,42aを有する。このようにすることで、分割体2A,2A,…をフランジ継手3Aの外周に配置した状態でボルト・ナット6,6,…を緊締していくと、一のパッキン4の傾斜面41aが他のパッキン4の傾斜面42aに案内されて摺動し、内径方向の押圧力を生じさせるとともに、傾斜面41a,42aの接触面積を広く取ることができるため、当該端部同士の密封性を高めることができる。
【0053】
また、取付部材5,5は、パッキン4,4の前記周方向の端部の外径側で該取付部材5,5を締結する締結部材ボルト・ナット6,6を備える。このようにすることで、ボルト・ナット6,6により、パッキン4,4の周方向の端部の外径側で取付部材5,5を締結することで、この締結力をパッキン4,4の周方向の端部に与え密封性を向上させることができる。
【0054】
また、取付部材の変形例として次のようなものもある。
図10(a)に示されるように、突出壁部590,590には、管軸方向に貫通するネジ孔590a,590aが設けられており、該ネジ孔590a,590aにボルト8,8を外側から螺挿可能となっている。これによれば、漏洩防止装置2をフランジ継手3Aに固定した際に、ボルト8,8を螺挿することによりフランジ3,3を管軸方向に挟み込んで、漏洩防止装置2が管軸方向に移動することを規制できるため、漏洩防止装置2が管軸方向に移動することで密封性が低下する虞を防止できる。
【0055】
また、
図10(b)に示されるように、片側の突出壁部591にのみネジ孔590aを設けてもよい。これによれば、ネジ孔590aが設けられていない突出壁部591’をガイドとして片側のフランジ3に当接させながら漏洩防止装置2をフランジ継手3Aに仮設置できるとともに、漏洩防止装置2をフランジ継手3Aに固定した際に、ボルト8をネジ孔590aに螺挿することで、該ボルト8と突出壁部591’とによりフランジ3,3を管軸方向に挟み込んで、漏洩防止装置2が管軸方向に移動することを規制できる。
【0056】
また、前記実施例では、パッキン4の管軸方向の側面に凹部47a,47aが設けられる形態を例示したが、取付部材5の側壁部5b,5bとの間に弾性変形するパッキン4の逃げ代となる空隙部Sが設けられればよく、例えば、
図10(c)に示されるように、取付部材500の側壁部500b,500bに凹部500c,500cを設けてもよい。
【0057】
また、前記実施例では、パッキン4は、第2膨出部49,49の頭部(内径側の先端部)が周方向に延びる溝部402,402により二又状に分かれている形態を例示したが、例えば、
図11(a)に示されるように、溝部402,402を設けない(頭部が分割されない)第2膨出部491,491を有するパッキン410としてもよいし、
図11(b)に示されるように、溝部402を複数本ずつ設けた(頭部が複数に分割された)第2膨出部492,492を有するパッキン420としてもよい。
【0058】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0059】
前記実施例では、取付部材5の溝部58に対しパッキン4の基部47が圧入設置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、取付部材5の溝部58に対しパッキン4の基部47を接着剤などにより接着してもよい。
【0060】
また前記実施例では、フランジ3,3は正面視略円形状であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、多角形状のフランジや弁蓋と弁箱との接合部の様な略菱形のフランジに適用してもよい。