(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記旋回禁止範囲設定部及び前記出力緩衝範囲設定部は、前記座標検出部で検出した前記作業車両の実空間座標に基づき前記作業車両が予め設定した距離閾値以上の距離を移動したと判定すると、移動先の前記実空間座標と、前記地図データ記憶部に記憶された前記地図データとに基づき前記旋回禁止範囲及び前記出力緩衝範囲を再設定する請求項5に記載の作業車両用旋回制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
(全体構成)
本発明の実施形態に係る作業車両用旋回制御システムを搭載した油圧式のバックホウ1は、
図1に示すように、機体2と、機体2上部の右前方側に設けられた作業機3とを備える。機体2は、上部旋回体4と、この上部旋回体4の下部に設けられた走行装置6とを備える。
上部旋回体4は、その後方側に機関室4EGと、作業機3の左側方に設けられた運転室5とを備える。
図2に示すように、この運転室5の内部5iには、後述する作業車両用旋回制御システム7を構成するコントロールボックス70が配置されている。具体的に、コントロールボックス70は、内部5iに設けられた運転席に着座したオペレータが視認可能な位置である正面窓の右枠部に取り付けられている。
また、機関室4EGの内部には、
図3に示すように、例えばディーゼルエンジンや電動モータ等から構成される動力源40と、この動力源40を駆動源とした油圧ポンプ41と、この油圧ポンプ41で発生した圧油を各種油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータに供給する圧油供給装置42とが収容されている。
【0010】
具体的に、圧油供給装置42は、油圧ポンプ41からの圧油を、各種シリンダ33,34,35(後述)と、各種走行用油圧モータ60L,60R(後述)とに供給する。加えて、本実施形態では、油圧ポンプ41からの圧油を、比例電磁弁50を介して旋回用油圧モータ51に供給する。
上部旋回体4は、オペレータの左作業機操作レバー5rL(
図2参照)の操作に応じて旋回作動するように構成されている。具体的に、左作業機操作レバー5rLが操作されると、油圧ポンプ41で発生した圧油が、圧油供給装置42の備える旋回用切替制御弁(不図示)を介して比例電磁弁50に供給される。
【0011】
ここで、比例電磁弁50は、後述する第2コントローラ20からの駆動電流信号である開度制御信号Octrに基づき、該信号Octrによって供給される電流量に比例した開度となるように作動する。即ち、比例電磁弁50は、供給電流量0で開度0%(遮断状態)となり、供給電流量が0よりも大きいときに供給電流量に比例した開度(〜100%)となるように作動する。従って、比例電磁弁50に供給された圧油は、この比例電磁弁50の開度に応じた流量で旋回用油圧モータ51に供給される。これにより、旋回用油圧モータ51は、供給された圧油の流量に応じた速度で回転駆動し、上部旋回体4が旋回作動する。
【0012】
図1に戻って、作業機3は、ブーム30と、アーム31と、バケット32と、ブームシリンダ33と、アームシリンダ34と、バケットシリンダ35とを有する。ブームシリンダ33は、左ブームシリンダ33L及び右ブームシリンダ33Rを有する。
ブーム30の基端部は、不図示のブームピンを介して機体2の一端側に回動可能に取り付けられている。アーム31の基端部は、アームピン36を介してブーム30の先端部に回動可能に取り付けられている。アーム31の先端部には、バケットピン37を介してバケット32が回動可能に取り付けられている。
【0013】
オペレータが、左作業機操作レバー5rL及び右作業機操作レバー5rRを操作することよって、油圧ポンプ41で発生した圧油が圧油供給装置42の備える各種切替制御弁(不図示)を介して各種シリンダ33,34,35に供給される。これによって、各種シリンダ33,34,35が伸縮する。そして、ブームシリンダ33が伸縮することでブーム30が回動し、アームシリンダ34が伸縮することでアーム31が回動し、バケットシリンダ35が伸縮することでバケット32が回動する。
【0014】
走行装置6は、機体2下部の左右に装着された左クローラ装置6L及び右クローラ装置6Rを有する。そして、これら左クローラ装置6L及び右クローラ装置6Rに個別に対応する二つの走行用油圧モータ60L,60R(
図3参照)を備えている。走行用油圧モータ60L,60Rは、何れも圧油供給装置42から走行用切替制御弁(不図示)を介して圧油を個別に供給することによりそれぞれが独立して作動するようになっている。
【0015】
これにより、不図示の左走行操作レバー及び右走行操作レバーを個別に前進または後退操作することで、対応する左クローラ装置6L及び右クローラ装置6Rを個別に駆動することが可能となっている。
そして、オペレータが、上記各種操作レバーを操作することによって、ブーム30の起伏動作、アーム31の伸長、曲げ動作、バケット32の開閉動作、上部旋回体4の旋回動作及び走行装置6の走行動作を行う。これにより、バケット32を、オペレータの所望の位置へと移動し、その位置でバケット32を開閉動作させることで切土、盛土、掘削等の施工作業を行う。
【0016】
(作業車両用旋回制御システム7の構成)
更に、本実施形態のバックホウ1は、
図4に示すように、作業車両用旋回制御システム7を備える。この作業車両用旋回制御システム7は、
図1〜
図3に示すように、コントロールボックス70と、機体2の機関室4EGの上部後端に互いに左右方向に離間して設けられた第1及び第2GNSS受信機71A及び71Bとを備える。更に、この作業車両用旋回制御システム7は、ブーム30に設けられた第1角度センサ72Aと、アーム31に設けられた第2角度センサ72Bと、バケット32に設けられた第3角度センサ72Cとを備える。なお更に、この作業車両用旋回制御システム7は、上部旋回体4の上部に設けられた無線機73と、上部旋回体4の下部に設けられたジャイロセンサ74と、上部旋回体4の旋回軸(不図示)に設けられた旋回角度センサ75とを備える。更にまた、この作業車両用旋回制御システム7は、機体2及び作業機3の作動を制御するコントローラである第2コントローラ20と、旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量を調整するための比例電磁弁50とを備える。
【0017】
コントロールボックス70は、
図4に示すように、第1コントローラ70aと、メモリリーダ70bと、記憶装置70cと、表示入力装置70dとを備える。
第1コントローラ70aには、例えばCAN(Controller Area Network)等の不図示の車載ネットワークを介して、第1及び第2GNSS受信機71A及び71Bと、第1〜第3角度センサ72A〜72Cと、無線機73と、ジャイロセンサ74と、旋回角度センサ75とが接続されている。
【0018】
第1及び第2GNSS受信機71A及び71Bは、それぞれGNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する複数(例えば5つ以上)の測位衛星からのGNSS電波を受信可能なGNSSアンテナを有する。そして、GNSSアンテナで受信した複数の衛星からのGNSS電波に応じたGNSS信号を、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
以下、第1GNSS受信機71Aの送信するGNSS信号を「第1測位信号GNSS1」、第2GNSS受信機71Bの送信するGNSS信号を「第2測位信号GNSS2」と記載する場合がある。
【0019】
第1角度センサ72Aは、上部旋回体4の垂直方向に対するブーム30の傾斜角である第1傾斜角θ1を検出する。第1角度センサ72Aは、検出した第1傾斜角θ1を、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
第2角度センサ72Bは、ブーム30に対するアーム31の傾斜角である第2傾斜角θ2を検出する。第2角度センサ72Bは、検出した第2傾斜角θ2を、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
【0020】
第3角度センサ72Cは、アーム31に対するバケット32の傾斜角である第3傾斜角θ3を検出する。第3角度センサ72Cは、検出した第3傾斜角θ3を、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
無線機73は、外部の無線通信機能を有する装置との間で無線通信を行う機器である。本実施形態では、不図示のGNSS基準局からの補正信号CORの受信や、不図示のTS(Total Station)との通信などに用いる。無線機73は、補正信号CORのデータを含む外部装置から受信したデータを、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
【0021】
ここで、GNSS基準局は、施工現場の基準点(明確な位置)に設置されたGNSS受信機であり、GNSSアンテナと無線機とを有し、複数(例えば5つ以上)の測位衛星からのGNSS電波を受信し、受信した複数の衛星からのGNSS電波に応じたGNSS信号とGNSS基準局の位置情報とを含む補正信号CORを外部装置へと無線送信する。
ジャイロセンサ74は、3軸の加速度センサから構成され、機体2のピッチ角θp、ロール角θr及びヨー角θyを検出する。ジャイロセンサ74は、検出したピッチ角θp、ロール角θr及びヨー角θyを、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
【0022】
旋回角度センサ75は、上部旋回体4の旋回角度θtを検出する。旋回角度センサ75は、検出した旋回角度θtを、車載ネットワークを介して第1コントローラ70aに送信する。
第1コントローラ70aは、例えばマイクロコントローラから構成されており、図示省略するが、CPU、ROM、RAM、内外バス、I/F回路等を有する。なお、ROM又は後述する記憶装置70cには、作業車両用旋回制御システム7の制御プログラム等の各種プログラムやプログラムで使用するデータが記憶されている。
【0023】
そして、第1コントローラ70aは、ROM又は記憶装置70cに記憶された制御プログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込んだ制御プログラムをCPUで実行することで、作業車両用旋回制御システム7の各機能を実現させる。
具体的に、本実施形態の作業車両用旋回制御システム7は、マシンガイダンス機能と、旋回規制制御機能とを備えている。
マシンガイダンス機能は、3次元設計データDdの示す目標設計形状(本実施形態では目標設計面)とバケット32の爪先部32Tとの差分の情報、3次元設計データDdの示す回避対象と爪先部32Tとの差分の情報等の、施工作業の支援情報を表示する機能である。
【0024】
なお、本実施形態の3次元設計データDdは、予め作成された基本設計データに含まれる平面図(例えば、
図6の平面
図400を参照)のデータと、基本設計データに含まれる電子基準点、三角点、水準点等の基準点を示す基準点データと、基本設計データに含まれる目標設計形状の縦断図及び横断図の勾配変化点を示す変化点データと、事前調査や過去の工事資料等から得られる回避対象のデータ(3次元座標データや種別等の属性データ)とに基づき作成されるデータである。具体的に、本実施形態の3次元設計データDdは、目標設計面及び回避対象の3次元データ、回避対象の種別や構成材料等の属性データ等を含むデータとなる。
【0025】
また、回避対象のデータは、施工作業によって破損や損傷してはならない構造物のデータを含むと共に、バックホウ1が侵入してはいけない領域のデータ等も含むものである。即ち、回避対象のデータは、例えば、水道管、共同溝、地下施設等の地下埋設物のデータ、足場などの一時的に設けられる仮設物のデータ、電柱や家屋等の地上構造物のデータ、電線等の架空線のデータ、鉄道敷に近接した場所で施工する場合の鉄道線路や踏切等の鉄道構造物のデータ(例えば鉄道境界線のデータ)、例えば道路の工事する側とは反対側の車線等の侵入してはいけない領域のデータ等が該当する。
【0026】
また、旋回規制制御機能は、バックホウ1の旋回動作時の操作ミス等による回避対象の構造物(以下、「回避対象物」と記載する)の損傷や破損を防ぐと共に、例えば道路の工事する側とは反対側の車線等の回避対象の領域にバックホウ1が侵入するのを防止するための機能である。
メモリリーダ70bは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成されるメモリ媒体(例えば、メモリカード、USBメモリ等)を不図示の挿入部に挿入することで、挿入されたメモリ媒体に対してデータの読み出しを行う装置である。本実施形態において、このメモリリーダ70bは、外部で作成された3次元設計データDdを記憶装置70cに取り込むために用いられる。
【0027】
記憶装置70cは、例えばハードディスク等の比較的容量の大きい不揮発性の記憶媒体から構成されており、本実施形態では、メモリリーダ70bを介してメモリ媒体に記憶された3次元設計データDdを記憶するのに用いられる。他にも、制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な各種データを記憶していてもよい。
表示入力装置70dは、液晶表示パネルとタッチパネルとを組み合わせた表示パネルを有する。表示入力装置70dは、上記マシンガイダンス機能を実現する処理であるマシンガイダンス処理、上記旋回規制制御機能を実現するための各種処理を実行した際の表示情報等を表示する。また、タッチパネルの機能によって、オペレータが表示画面を指等でタッチすることでタッチ位置に応じた情報を入力することが可能である。
本実施形態では、表示入力装置70dに、マシンガイダンス処理の開始指示ボタン画像、旋回規制制御設定処理の開始指示ボタン画像等を含む複数のボタン画像を表示し、オペレータがボタン画像上をタッチパネル越しにタッチすることで、タッチしたボタンの種類に応じた情報を第1コントローラ70aに入力する。
【0028】
(第1コントローラ70aの機能構成)
次に、
図5に基づき、第1コントローラ70aの具体的な機能構成を説明する。
第1コントローラ70aは、その機能構成部として、
図5に示すように、測位情報補正部170と、機体座標算出部171と、バケット座標算出部172と、画像表示処理部173と、作業機姿勢算出部174と、旋回範囲設定部175と、旋回規制制御部176とを備える。
測位情報補正部170は、RTK(Real Time Kinematic)測位機能を有している。測位情報補正部170は、第1及び第2GNSS受信機71A及び71Bから入力された第1及び第2測位信号GNSS1及び2と、無線機73を介して入力されるGNSS基準局からの補正信号CORとに基づき、これらのGNSS信号の位相差と波数(整数値バイアス)とを算出する。そして、算出した位相差と波数とに基づき第1及び第2GNSS受信機71A及び71Bの3次元座標情報である第1及び第2受信機座標(X1,Y1,Z1)及び(X2,Y2,Z2)を算出する。測位情報補正部170は、算出した第1及び第2受信機座標(X1,Y1,Z1)及び(X2,Y2,Z2)を、現場座標系(例えば日本測地系2000(JGD2000))に変換してから機体座標算出部171に出力する。
【0029】
機体座標算出部171は、測位情報補正部170からの第1及び第2受信機座標(X1,Y1,Z1)及び(X2,Y2,Z2)に基づき、機体2の向く方位の情報である機体方位Dと、機体2の3次元座標情報である機体座標(Xm,Ym,Zm)とを算出する。機体座標算出部171は、算出した機体方位Dと機体座標(Xm,Ym,Zm)とを、バケット座標算出部172と、画像表示処理部173と、作業機姿勢算出部174とにそれぞれ出力する。
【0030】
バケット座標算出部172は、機体座標算出部171からの機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、第1〜第3角度センサ72A〜72Cからの第1〜第3傾斜角θ1〜θ3と、ジャイロセンサ74からのピッチ角θp、ロール角θr及びヨー角θyと、予めROM又は記憶装置70cに記憶された機体2及び作業機3の各種パラメータとに基づき、バケット32の爪先部32Tの実空間における3次元座標であるバケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)を算出する。
【0031】
なお、機体2及び作業機3の各種パラメータは、機体2の幅、長さ、高さ等のサイズ情報、ブーム30及びアーム31の各長さや両者を合わせた最大長さ等の情報、バケット32のサイズや最大高さなどの情報を含むものである。
バケット座標算出部172は、算出したバケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)を画像表示処理部173と、作業機姿勢算出部174と、旋回規制制御部176とにそれぞれ出力する。
【0032】
画像表示処理部173は、ガイダンスモードが設定されている場合に、入力されたバケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)と、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDdに含まれる目標設計面の3次元座標(Xf,Yf,Zf)とに基づき、バケット32の爪先部32Tと目標設計面との間の距離である第1距離Lfを算出する。具体的に、3次元座標の2点間距離の公式に従って、「Lf={(Xf−Xt)
2+(Yf−Yt)
2+(Zf−Zt)
2}
1/2」で求める。なお、記憶装置70cに取り込んだ3次元設計データDdの座標系は、現場座標系に対応している。
【0033】
更に、画像表示処理部173は、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)と3次元設計データDdに含まれる回避対象の3次元座標(Xp,Yp,Zp)とに基づき、爪先部32Tと回避対象との間の距離である第2距離Lpを算出する。具体的に、上記第1距離Lfと同様に、2点間距離の公式から「Lp={(Xp−Xt)
2+(Yp−Yt)
2+(Zp−Zt)
2}
1/2」で求める。
そして、画像表示処理部173は、算出した第1距離Lf及び第2距離Lpと、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)と、3次元設計データDdと、入力された機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)とに基づき、第1のガイダンス画像データを生成する。更に、生成した第1のガイダンス画像データの画像(以下、「第1のガイダンス画像」と記載する)の画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。
【0034】
ここで、第1のガイダンス画像データは、目標設計面と爪先部32Tとの間の第1距離Lfに基づく両者の差分を示す情報と、回避対象と爪先部32Tとの間の第2距離Lpに基づく両者の差分を示す情報とを、例えば、バックホウ、目標設計面、回避対象を模式的に表す絵や、数値等によって表示するための画像データである。
なお、第1のガイダンス画像データは、これらの情報を表示するための画像データだけに限らず、バケット32の傾き(角度情報)等の施工作業を支援する情報であれば他の情報を表示するための画像データを含んでいてもよい。
【0035】
例えば、回避対象と爪先部32Tとの間の距離(第2距離Lp)の閾値である回避閾値Thを設定し、第2距離Lpが回避閾値Th以下となったときに警告メッセージを表示するための画像データを含んでいてもよい。
ここで、回避閾値Thは、例えば、回避対象の種類や構成材料毎に異なる閾値を設定する。回避対象が回避対象物の場合には、例えば、水道管、共同溝、地上施設、地下施設、電線、鉄道構造物等の様々な種類があり、また構成材料によって衝撃耐性、破壊耐性等の耐性が異なるので、例えば、破損や損傷による危険性が高いものほど回避閾値Thを大きな値に設定する。また、回避対象が回避すべき領域の場合は、バックホウ1がこの領域内へと侵入したときの危険度の大きさに応じて、例えば、危険性が高い領域ほど回避閾値Thを大きな値に設定する。
【0036】
一方、画像表示処理部173は、旋回規制制御がOFFからONに設定(旋回規制制御フラグがONに設定)された場合に、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDdと、機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、旋回角度センサ75からの旋回角度θtとに基づき、旋回範囲設定案内画像データを生成する。更に、生成した旋回範囲設定案内画像データの画像(以下、「旋回範囲設定案内画像」と記載する)の画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。
【0037】
ここで、本実施形態の旋回範囲設定案内画像データは、実際の位置関係でバックホウ及び回避対象を模式的に表す絵と、旋回範囲手動設定モード及び旋回範囲自動設定モードのいずれか一方を選択するための情報(ボタン画像等)とを表示するための画像データである。
更に、画像表示処理部173は、旋回範囲手動設定モードが設定された場合に、旋回範囲手動設定画像データを生成する。更に、生成した旋回範囲手動設定画像データの画像(以下、「旋回範囲手動設定画像」と記載する)の画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。
【0038】
ここで、本実施形態の旋回範囲手動設定画像データは、旋回範囲設定案内画像の表示内容を一部変更した画像を表示するための画像データであり、旋回範囲を手動設定するための情報と、設定結果の情報とを表示するための画像データである。具体的に、上部旋回体4の360°の旋回角度範囲において、
図7(a)に示す、旋回禁止範囲80を手動設定するための情報(ボタン画像等)を表示するための画像データである。加えて、設定結果を示す情報と、
図7(b)に示す、旋回範囲8の旋回初期位置における旋回中心からの移動可能範囲85の情報とを表示するための画像データである。
【0039】
本実施形態では、旋回禁止範囲80を手動で設定することで、予め設定された条件に基づき、
図7(a)に示す第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bと、旋回許可範囲83とが自動で設定される。これによって、手動設定された旋回禁止範囲80と、自動設定された第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81B並びに第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bと、自動設定された旋回許可範囲83とを含む旋回範囲8が設定される。なお、上記設定結果を示す情報は、手動設定された旋回禁止範囲80を示す情報と、この旋回禁止範囲80を元に自動設定された旋回範囲8を示す情報とを含む。
【0040】
以下、旋回禁止範囲80と、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとを総じて「旋回規制範囲80〜82」と略記する。また、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとを総じて「油圧緩衝範囲81〜82」と略記する。
なお、旋回禁止範囲80は、旋回動作を禁止する制御を行う旋回角度範囲であり、本実施形態では、作業機3が径方向に最長(旋回半径が最大)となる姿勢(
図7に示す姿勢)のときに、旋回動作によって、バックホウ1の旋回部(本実施形態では作業機3及び上部旋回体4)が回避対象を回避不能な旋回位置を含む範囲である。具体的に、回避対象が回避対象物の場合は、バックホウ1の旋回部が回避対象物に衝突する旋回位置を含む範囲であり、回避対象が回避すべき領域の場合は、バックホウ1の旋回部がその領域内に侵入する旋回位置を含む範囲である。
【0041】
また、油圧緩衝範囲81〜82は、旋回禁止範囲80の前後の所定旋回角度範囲において旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量変化を緩和する制御を行う旋回角度範囲である。
即ち、上部旋回体4の旋回角度θtが旋回禁止範囲80内となったときにバックホウ1の旋回部が侵入を続ける方向への旋回動作を禁止する制御と、旋回角度θtが油圧緩衝範囲81〜82内にあるときに圧油の流量変化を緩和する制御とが本実施形態の旋回規制制御であり、これらの制御を行う機能が上記旋回規制制御機能である。
【0042】
また、旋回許可範囲83は、通常の旋回制御を行う旋回角度範囲である。なお、周辺に回避対象が無い施工場所では、旋回許可範囲83のみから旋回範囲8が構成される。
また、移動可能範囲85は、設定された旋回範囲8に対するバックホウ1の後述する旋回規制制御中に移動可能な範囲であり、例えば、旋回初期位置における旋回中心から半径R[m](
図7(b)の例では2[m])の範囲となる。
また、画像表示処理部173は、旋回範囲自動設定モードが設定された場合に、自動設定された結果を示す情報を表示するための旋回範囲自動設定画像データを生成する。更に、生成した旋回範囲自動設定画像データの画像(以下、「旋回範囲自動設定画像」と記載する)の画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。
【0043】
ここで、本実施形態の旋回範囲自動設定画像データは、旋回範囲設定案内画像の表示内容を一部変更した画像を表示するための画像データであり、自動設定された旋回範囲8及び移動可能範囲85を示す情報を表示するための画像データである。
更に、画像表示処理部173は、ガイダンスモードが設定されている場合に、3次元設計データDdと、入力された機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、旋回角度θtと、上記旋回範囲8と、上記移動可能範囲85とに基づき、第2のガイダンス画像データを生成する。更に、生成した第2のガイダンス画像データの画像(以下、「第2のガイダンス画像」と記載する)の画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。
【0044】
ここで、第2のガイダンス画像データは、上部旋回体4の旋回位置を示す情報と、旋回範囲8の情報と、移動可能範囲85の情報とを、例えば、バックホウ、回避対象、旋回範囲8及び移動可能範囲85を模式的に表す絵や、数値等によって表示するための画像データである。
なお、第1のガイダンス画像データ及び第2のガイダンス画像データは、バックホウ1の掘削動作及び旋回動作を検出して自動的に切り替えて表示してもよいし、オペレータが手動で任意に切り替えて表示してもよいし、いずれかを選択可能としてもよい。
【0045】
作業機姿勢算出部174は、機体方位Dと、機体座標(Xm,Ym,Zm)と、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)と、第1〜第3傾斜角θ1〜θ3と、ピッチ角θp、ロール角θr及びヨー角θyと、機体2及び作業機3の各種パラメータとに基づき、バックホウ1の作業機3の姿勢及び機体2の姿勢(傾斜状態)を含む作業機姿勢Pmを算出する。作業機姿勢算出部174は、算出した作業機姿勢Pmを、画像表示処理部173及び旋回範囲設定部175にそれぞれ出力する。
【0046】
ここで、作業機姿勢Pmは、第1のガイダンス画像を表示するための情報であると共に上記旋回規制範囲80〜82を設定且つ再設定するための情報である。即ち、作業機姿勢Pmが解れば、機体2及び作業機3の各種パラメータ等から、機体2の傾斜状態や上部旋回体4が旋回したときの例えば
図7に示す姿勢での作業機3の最外端の旋回半径等が解る。これらの情報から、上記旋回規制範囲80〜82を適切な範囲に設定することが可能である。
【0047】
旋回範囲設定部175は、旋回範囲手動設定モードが設定されている場合に、表示入力装置70dを介して手動設定された第1及び第2旋回角度θt1及びθt2(後述)をRAM又は記憶装置70cから取得する。そして、取得した第1及び第2旋回角度θt1及びθt2と、旋回角度センサ75からの旋回角度θtと、記憶装置70cに記憶された旋回範囲設定用データとに基づき、旋回範囲8を設定する。旋回範囲設定部175は、設定された旋回範囲8の情報を画像表示処理部173に入力すると共に、RAM又は記憶装置70cに記憶する。
【0048】
一方、旋回範囲設定部175は、旋回範囲自動設定モードが設定されている場合に、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDdと、入力された機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、旋回角度センサ75からの旋回角度θtと、作業機姿勢算出部174からの作業機姿勢Pmと、記憶装置70cに記憶された旋回範囲設定用データとに基づき旋回範囲8を自動設定する。旋回範囲設定部175は、自動設定した旋回範囲8の情報を画像表示処理部173に入力すると共に、RAM又は記憶装置70cに記憶する。
【0049】
ここで、旋回範囲設定用データは、旋回規制範囲80〜82を示す旋回角度範囲を100[%]としたときの、旋回禁止範囲80と、油圧緩衝範囲81〜82との割合の情報と、移動許可範囲の情報とを含むものである。
また、旋回範囲設定部175は、旋回範囲手動設定モードが設定されている場合に、設定された移動可能範囲85の情報と、入力された機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、記憶装置70cに記憶された旋回初期位置の情報(旋回範囲8の旋回中心位置の情報)とに基づき、旋回規制制御時におけるバックホウ1の旋回初期位置からの移動位置が移動可能範囲を越えたか否かを判定する。そして、越えたと判定した場合に、そのことを画像表示処理部173に通知する。
【0050】
画像表示処理部173は、旋回範囲設定部175からの移動可能範囲を越えたことの通知に応じて、バックホウ1の位置を旋回初期位置に戻すか、旋回範囲8を再設定するように指示する案内メッセージ画像を表示入力装置70dに表示する処理を実行する。
本実施形態では、例えば、
図7(b)に示すように、バックホウ1の旋回初期位置における左クローラ装置6L及び右クローラ装置6Rそれぞれの前後方向の端部位置の真下の地面に第1〜第4のマークM1〜M4のマーキングを行い、これら第1〜第4のマークM1〜M4を目印としてオペレータの手動運転によってバックホウ1の位置を修正する。
【0051】
更に、旋回範囲設定部175は、旋回範囲手動設定モードが設定されている場合に、作業機姿勢算出部174からの作業機姿勢Pmに基づき、機体2の初期傾斜からの傾斜変化の有無を判定する。そして、傾斜変化があったと判定すると、そのことを画像表示処理部173に通知する。
画像表示処理部173は、旋回範囲設定部175からの傾斜変化が傾斜閾値を越えたことの通知に応じて、旋回範囲8を再設定するように指示する案内メッセージ画像を表示入力装置70dに表示する処理を実行する。
【0052】
また、旋回範囲設定部175は、旋回範囲自動設定モードが設定されている場合に、上記旋回範囲手動設定モードと同様の方法で、旋回規制制御時におけるバックホウ1の移動位置が移動可能範囲85を越えたか否かを判定する。そして、越えたと判定すると、機体方位D、機体座標(Xm,Ym,Zm)、作業機姿勢Pm、旋回角度θt、旋回範囲設定用データ等に基づき、旋回範囲8及び移動可能範囲85を自動で再設定する処理を実行する。
【0053】
更に、旋回範囲設定部175は、旋回範囲自動設定モードが設定されている場合に、作業機姿勢算出部174からの作業機姿勢Pmに基づき、機体2の初期傾斜からの傾斜変化が予め設定した傾斜閾値以上となったか否かを判定する。そして、傾斜閾値以上になったと判定すると、機体方位D、機体座標(Xm,Ym,Zm)、作業機姿勢Pm、旋回初期位置の情報、旋回角度θt、旋回範囲設定用データ等に基づき、旋回範囲8及び移動可能範囲85を自動で再設定する制御を行う。
【0054】
旋回規制制御部176は、旋回角度センサ75からの旋回角度θtと、RAM又は記憶装置70cに記憶された、現在設定されている旋回範囲8の情報とに基づき、旋回規制制御を実行する。
ここで、本実施形態では、
図7(a)に示すように、油圧緩衝範囲81〜82を、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとの左右旋回方向にそれぞれ応じた2段階の緩衝範囲としている。そして、本実施形態では、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの開度をA[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの開度をB[%]とした場合に、「0<B<A<100」の関係となるように開度を設定している。
【0055】
そして、本実施形態の旋回規制制御は、上部旋回体4の旋回角度θtが旋回許可範囲83内のときに、比例電磁弁50の開度を100[%]にする第1の規制制御信号RC1を第2コントローラ20に送信し、旋回角度θtが第1又は第2の油圧緩衝範囲81A又は81B内のときに比例電磁弁50の開度をA[%]にする第2の規制制御信号RC2を第2コントローラ20に送信する制御となる。加えて、旋回角度θtが第3又は第4の油圧緩衝範囲82A又は82B内のときに比例電磁弁50の開度をB[%]にする第3の規制制御信号RC3を第2コントローラ20に送信し、旋回角度θtが旋回禁止範囲80内となったときに比例電磁弁50の開度を0[%]にする第4の規制制御信号RC4を第2コントローラ20に送信する制御となる。ここで、第1〜第4の規制制御信号RC1〜RC4は、制御目標値となる各開度の情報を含む信号である。
【0056】
即ち、旋回禁止範囲80では比例電磁弁50の開度を0[%]として旋回動作を強制的に停止し、油圧緩衝範囲81〜82では、開度A及びB(B<A)を0[%]と100[%]の間の開度として、旋回許可範囲83から旋回禁止範囲80までの間の圧油の流量変化を緩和する制御を行う。また、旋回許可範囲83では、開度100[%](規制なし)として、通常の旋回動作を実行可能とする制御を行う。
また、本実施形態では、
図7(a)に示すように、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの旋回角度範囲をそれぞれβ1[°]とし、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの旋回角度範囲をそれぞれβ2[°]として、「β1<β2」の関係となるように角度範囲を設定している。
【0057】
なお、旋回禁止範囲80の旋回角度範囲をγ[°]、旋回許可範囲83の旋回角度範囲をα[°]とすると、「α=360−(β1+β2+γ)」の関係が成立する。
即ち、
図7(a)に示すように、上部旋回体4が旋回許可範囲83から左旋回した場合は、旋回許可範囲83→第1の油圧緩衝範囲81A→第3の油圧緩衝範囲82A→旋回禁止範囲80の順番で旋回することになる。一方、右旋回した場合は、旋回許可範囲83→第2の油圧緩衝範囲81B→第4の油圧緩衝範囲82B→旋回禁止範囲80の順番で旋回することになる。従って、上部旋回体4が旋回許可範囲83から旋回禁止範囲80に向かって旋回すると、油圧緩衝範囲81〜82にて、100[%]から0[%]に向かって段階的に開度が減少変化することになる。例えば、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの開度を60[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの開度を30[%]に設定したとする。この場合、開度が100[%]→60[%]→30[%]→0[%]の順で変化することになり、従来の100[%]から0[%]へと急変させる場合と比較して開度の変化が緩やかになる。その結果、圧油の流量変化が緩やかになるため、旋回速度の変化が緩やかとなる。
【0058】
一方、本実施形態の第2コントローラ20は、規制制御信号RCの受信に応じて、受信した規制制御信号RCで特定される開度となる電流量の開度制御信号Octrを生成し、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に送信する。
これによって、比例電磁弁50は、受信した開度制御信号Octrの電流量に比例した開度となるように動作し、旋回用油圧モータ51に供給される圧油の流量が開度に応じた量となる。
【0059】
(バックホウ情報算出処理)
次に、
図8に基づき、本実施形態のバックホウ情報算出処理の処理手順を説明する。ここで、バックホウ情報算出処理は、予め設定された周期で繰り返し実行される処理である。
なお、事前に、メモリリーダ70bを介してメモリ媒体から3次元設計データDdが記憶装置70cに読み込まれているものとする。
この状態で第1コントローラ70aのCPUにおいて、制御プログラムが実行されバックホウ情報算出処理が開始されると、
図8に示すように、まずステップS100に移行する。
【0060】
ステップS100では、測位情報補正部170において、第1及び第2GNSS受信機71A及び71Bからの第1及び第2測位信号GNSS1及び2と、GNSS基準局からの補正信号CORとに基づき、第1及び第2受信機座標(X1,Y1,Z1)及び(X2,Y2,Z2)を算出する。そして、算出した第1及び第2受信機座標(X1,Y1,Z1)及び(X2,Y2,Z2)の座標系を、現場座標系に変換してから機体座標算出部171に出力して、ステップS102に移行する。
【0061】
ステップS102では、機体座標算出部171において、第1及び第2受信機座標(X1,Y1,Z1)及び(X2,Y2,Z2)に基づき、機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)を算出する。そして、算出した機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)を、バケット座標算出部172及び画像表示処理部173にそれぞれ出力して、ステップS104に移行する。
ステップS104では、バケット座標算出部172において、機体座標算出部171からの機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、第1〜第3角度センサ72A〜72Cからの第1〜第3傾斜角θ1〜θ3と、ジャイロセンサ74からのピッチ角θp、ロール角θr及びヨー角θyと、機体2及び作業機3の各種パラメータとに基づきバケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)を算出する。そして、算出したバケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)を、画像表示処理部173に出力して、ステップS106に移行する。
【0062】
ステップS106では、作業機姿勢算出部174において、機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)と、第1〜第3傾斜角θ1〜θ3と、ピッチ角θp、ロール角θr及びヨー角θyと、予めROMに記憶された機体2及び作業機3の各種パラメータとに基づき作業機姿勢Pmを算出する。そして、算出した作業機姿勢Pmを、画像表示処理部173及び旋回範囲設定部175にそれぞれ出力して、一連の処理を終了する。
【0063】
(旋回範囲設定モード設定処理)
次に、
図9に基づき、本実施形態の旋回範囲設定処理の処理手順を説明する。
ここで、旋回範囲設定処理は、旋回規制制御がONのときに実行される処理である。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、制御プログラムが実行され旋回範囲設定処理が開始されると、
図9に示すように、まずステップS150に移行する。
ステップS150では、画像表示処理部173において、旋回範囲設定関連情報を取得して、ステップS152に移行する。
【0064】
ここで、旋回範囲設定関連情報は、旋回範囲設定案内画像を表示するのに必要な情報であって、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDd、入力された機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)、記憶装置70cに記憶されたバックホウの画像情報等のその他の表示に必要な画像情報と、旋回角度センサ75からの旋回角度θtとを含む情報である。
ステップS152では、画像表示処理部173において、旋回範囲設定関連情報に基づき旋回範囲設定案内画像データを生成し、生成した旋回範囲設定案内画像データの画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。その後、ステップS154に移行する。
【0065】
これによって、本実施形態では、例えば
図11(a)に示す旋回範囲設定案内画像700が表示入力装置70dに表示される。この旋回範囲設定案内画像700は、バックホウ画像701、CAD画像702、回避対象画像703、GNSS情報画像704、方位磁針画像705、操作ボタン画像706、情報表示枠画像708、終了ボタン画像709、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710及び旋回範囲自動設定開始ボタン画像711を含む画像である。
【0066】
なお、バックホウ画像701、CAD画像702、回避対象画像703の表示位置は、実際の位置関係に対応した位置となっている。そのため、バックホウ1が移動をすることで、これらの位置関係は更新される。
方位磁針画像705は、バックホウ1の備える実際の方位磁針の指し示す方向を示す画像であり、GNSS情報画像704は、本実施形態では、機体座標(Xm,Ym,Zm)を含む画像である。
【0067】
情報表示枠画像708は、その枠内に案内メッセージを表示するものであり、
図11(a)に示す例では、「旋回範囲の設定方法を選択してください」というメッセージが表示されている。
終了ボタン画像709は、旋回範囲設定処理の終了を選択するための画像であり、オペレータがこの画像の表示位置をタッチパネル越しにタッチすることで旋回範囲設定処理の終了が選択される。
【0068】
旋回範囲手動設定開始ボタン画像710は、旋回範囲手動設定処理の開始を選択するための画像であり、オペレータがこの画像の表示位置をタッチパネル越しにタッチすることで旋回範囲手動設定処理の開始が選択される。
旋回範囲自動設定開始ボタン画像711は、旋回範囲自動設定処理の開始を選択するための画像であり、オペレータがこの画像の表示位置をタッチパネル越しにタッチすることで旋回範囲自動設定処理の開始が選択される。
【0069】
ステップS154では、画像表示処理部173において、表示入力装置70dからの入力情報に基づき旋回範囲手動設定開始ボタン画像710がタッチされたか否かを判定する。そして、タッチされたと判定した場合(Yes)は、ステップS156に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS162に移行する。
ステップS156に移行した場合は、画像表示処理部173において、旋回範囲手動設定モードフラグをONに設定して、ステップS158に移行する。具体的に、RAM等のメモリに記憶された旋回範囲手動設定モードフラグの値を例えば「1」に設定する。
【0070】
ここで、旋回範囲手動設定モードフラグは、旋回範囲手動設定モードが設定されているか否かを示すフラグであり、ONに設定されている場合は、旋回範囲手動設定モードが設定されている状態を示し、OFFに設定されている場合は、旋回範囲手動設定モードが設定されていない状態を示す。
ステップS158では、画像表示処理部173及び旋回範囲設定部175において、旋回範囲手動設定処理を実行して、ステップS160に移行する。
ステップS160では、終了ボタン画像709がタッチされたか否かを判定し、タッチされたと判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰し、そうでないと判定した場合(No)ha、ステップS154に移行する。
【0071】
一方、ステップS154において、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710が押されずにステップS162に移行した場合は、画像表示処理部173において、表示入力装置70dからの入力情報に基づき旋回範囲自動設定開始ボタン画像711がタッチされたか否かを判定する。そして、タッチされたと判定した場合(Yes)は、ステップS164に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS160に移行する。
ステップS164に移行した場合は、画像表示処理部173において、旋回範囲自動設定モードフラグをONに設定して、ステップS166に移行する。具体的に、RAM等のメモリに記憶された旋回範囲自動設定モードフラグの値を例えば「1」に設定する。
ステップS166では、画像表示処理部173及び旋回範囲設定部175において、旋回範囲自動設定処理を実行して、ステップS160に移行する。
【0072】
(旋回範囲手動設定処理)
次に、
図10に基づき、本実施形態の旋回範囲手動設定処理の処理手順を説明する。
ここで、旋回範囲手動設定処理は、旋回範囲手動設定モードフラグがONのときに実行される処理である。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、旋回範囲手動設定モードフラグがONに設定され旋回範囲手動設定処理が開始されると、
図10に示すように、まずステップS200に移行する。
ステップS200では、画像表示処理部173において、旋回範囲手動設定画像データを生成し、生成した旋回範囲手動設定画像データの画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。その後、ステップS202に移行する。
【0073】
これによって、本実施形態では、
図11(b)に示す旋回範囲手動設定画像730が表示入力装置70dに表示される。この旋回範囲手動設定画像730は、旋回範囲設定案内画像700の一部を変更して、旋回範囲を手動設定するための情報を表示する画像である。
図11(b)に示す例では、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710及び旋回範囲自動設定開始ボタン画像711に代えて、旋回禁止範囲80を手動設定するための旋回角記憶ボタン画像712を含む画像が表示される画像となっている。加えて、情報表示枠画像708の枠内に、旋回範囲設定案内画像700とは異なる案内メッセージが表示される画像となっている。
図11(b)に示す例では、「範囲開始位置に旋回後に旋回角記憶ボタンを押して下さい」という案内メッセージが表示された画像となっている。
【0074】
ステップS202では、画像表示処理部173において、表示入力装置70dからの入力情報に基づき旋回角記憶ボタン画像712がタッチされたか否かを判定する。そして、タッチされたと判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、押されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS204に移行した場合は、画像表示処理部173において、旋回角度センサ75からの現在の旋回角度θtを第1旋回角度θt1としてRAM又は記憶装置70cに記憶する。その後、ステップS206に移行する。
【0075】
ここで、旋回範囲手動設定処理では、オペレータがバックホウ1を操縦して、旋回禁止範囲80を手動で設定することになる。即ち、オペレータは、施工作業を行う位置にバックホウ1を移動した後に、例えば、
図12(a)に示すように、バックホウ1の旋回部(
図12(a)の例ではバケット32)が回避対象ESに接触又は侵入する手前まで上部旋回体4を左旋回させる。その後、この旋回位置において、旋回範囲手動設定画像730中の旋回角記憶ボタン画像712をタッチする。これにより、旋回禁止範囲80の範囲開始位置を設定する。
ステップS206では、画像表示処理部173において、情報表示枠画像708内に表示された案内メッセージを、範囲終了位置の設定を催促する内容に変更して、ステップS208に移行する。
【0076】
具体的に、情報表示枠画像708の枠内に、例えば「範囲終了位置に旋回後に旋回角記憶ボタンを押して下さい」という案内メッセージを表示する。
ステップS208では、画像表示処理部173において、表示入力装置70dからの入力情報に基づき旋回角記憶ボタン画像712がタッチされたか否かを判定する。そして、タッチされたと判定した場合(Yes)は、ステップS210に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、押されるまで判定処理を繰り返す。
ステップS210に移行した場合は、画像表示処理部173において、旋回角度センサ75からの現在の旋回角度θtを第2旋回角度θt2としてRAM又は記憶装置70cに記憶する。その後、ステップS212に移行する。
【0077】
即ち、オペレータは、旋回禁止範囲80の範囲開始位置を設定後に、
図12(b)に示すように、バックホウ1の旋回部(
図12(b)の例ではバケット32)が回避対象ESに接触又は侵入する手前まで上部旋回体4を右旋回させる。その後、この旋回位置において、旋回範囲手動設定画像730中の旋回角記憶ボタン画像712をタッチする。これにより、旋回禁止範囲80の範囲終了位置を設定する。
ステップS212では、画像表示処理部173において、旋回禁止範囲80の設定範囲の是非を確認するためのメッセージ及び設定結果を示す画像を表示して、ステップS214に移行する。
本実施形態では、
図13(a)に示すように、旋回範囲手動設定画像730中に手動設定された旋回禁止範囲80を示す画像である旋回禁止範囲画像801を表示し、情報表示枠画像708の枠内に「旋回禁止範囲はこれでよろしいですか?」というメッセージを表示する。
【0078】
なお、是非を確認するメッセージへの応答をするにあたって、本実施形態では、旋回角記憶ボタン画像712に代えて、「はい」という文字画像を含む肯定ボタン画像713と、「いいえ」という文字画像を含む否定ボタン画像714とを表示する。そして、オペレータが、肯定ボタン画像713をタッチすることで、「はい」が選択され、否定ボタン画像714をタッチすることで、「いいえ」が選択されるように構成している。
ステップS214では、画像表示処理部173において、表示入力装置70dからの入力情報に基づき「はい」が選択されたか否かを判定する。そして、「はい」が選択されたと判定した場合(Yes)は、その旨を旋回範囲設定部175に通知して、ステップS216に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS222に移行する。
【0079】
ステップS216に移行した場合は、旋回範囲設定部175において、RAM又は記憶装置70cに記憶された第1及び第2旋回角度θt1及びθt2と、記憶装置70cに記憶された旋回範囲設定用データとに基づき旋回範囲8及び移動可能範囲85を設定する。その後、旋回範囲8及び移動可能範囲85の情報をRAM又は記憶装置70cに記憶すると共に、記憶したことを画像表示処理部173に通知して、ステップS218に移行する。
【0080】
ここで、旋回範囲設定用データでは、旋回禁止範囲80と、旋回禁止範囲80に隣接する第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bに隣接する第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bとの割合が設定されている。従って、旋回禁止範囲80が決まれば、計算によって油圧緩衝範囲81〜82も決定することができる。同様に旋回許可範囲83も計算によって決定することが可能である。即ち、360[°]の旋回範囲のうち、旋回規制範囲80〜82を除く範囲が旋回許可範囲83となる。これによって、例えば、
図12(c)に示すように旋回範囲8が設定される。
【0081】
ステップS218では、旋回範囲設定部175において、旋回初期位置の情報及び初期の作業機姿勢PmをRAM又は記憶装置70cに記憶して、ステップS220に移行する。
ステップS220では、画像表示処理部173において、設定された旋回範囲8及び移動可能範囲85の情報を示す画像を表示して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
本実施形態では、
図13(b)に示すように、旋回範囲手動設定画像730中に設定された旋回範囲8を示す画像である旋回範囲画像800と、設定された移動可能範囲85を示す画像である移動可能範囲画像850とを表示する。
【0082】
ここで、旋回範囲画像800は、旋回禁止範囲画像801と、第1及び第2の油圧緩衝範囲画像802A及び802Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲画像803A及び803Bと、旋回許可範囲画像804とを含む画像である。
一方、ステップS214において、「はい」が選択されずにステップS222に移行した場合は、画像表示処理部173において、表示入力装置70dからの入力情報に基づき「いいえ」が選択されたか否かを判定する。そして、「いいえ」が選択されたと判定した場合(Yes)は、ステップS200に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS214に移行する。
【0083】
(旋回範囲自動設定処理)
次に、
図14に基づき、本実施形態の旋回範囲自動設定処理の処理手順を説明する。
ここで、旋回範囲自動設定処理は、旋回範囲自動設定モードフラグがONのときに実行される処理である。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、旋回範囲自動設定モードフラグがONに設定され旋回範囲自動設定処理が開始されると、
図14に示すように、まずステップS300に移行する。
ステップS300では、旋回範囲設定部175において、旋回範囲自動設定関連情報を取得して、ステップS302に移行する。
【0084】
ここで、旋回範囲自動設定関連情報は、旋回範囲自動設定処理を実行するのに必要な情報であって、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDd、現在の機体方位D、現在の機体座標(Xm,Ym,Zm)、旋回範囲設定用データ及びバックホウの画像情報等の設定結果の表示に必要な画像情報を含む情報である。加えて、旋回角度センサ75からの旋回角度θtと、作業機姿勢算出部174からの作業機姿勢Pmとを含む情報である。
ステップS302では、旋回範囲設定部175において、ステップS300で取得した旋回範囲自動設定関連情報に基づきバックホウ1と回避対象との位置関係を計算して、ステップS304に移行する。
【0085】
ここでは、バックホウ1の予め設定された姿勢(本実施形態では
図13等に示す姿勢)での旋回動作に対する、回避対象との位置関係を計算によって求める。
ステップS304では、旋回範囲設定部175において、ステップS302で計算した位置関係に基づき、旋回禁止範囲80を設定してステップS306に移行する。
例えば、回避閾値Thを用いて、旋回動作を行った際のバックホウ1の旋回部と回避対象との間の距離が少なくとも回避閾値Thよりも長くなる旋回位置を、旋回禁止範囲80の範囲開始位置及び範囲終了位置として設定する。
ステップS306では、旋回範囲設定部175において、ステップS304で設定された旋回禁止範囲80と旋回範囲設定用データとに基づき、油圧緩衝範囲81〜82を設定する。その後、ステップS308に移行する。
【0086】
油圧緩衝範囲81〜82の設定は、旋回範囲手動設定処理のときと同様となる。
ステップS308では、旋回範囲設定部175において、ステップS306の油圧緩衝範囲81〜82の設定結果に基づき旋回許可範囲83を設定し、ステップS310に移行する。即ち、旋回範囲360[°]における旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82以外の範囲を旋回許可範囲83として設定する。
ステップS310では、旋回範囲設定部175において、現在の機体座標(Xm,Ym,Zm)と旋回範囲設定用データとに基づき、移動可能範囲85を設定する。その後、ステップS312に移行する。
【0087】
ステップS312では、旋回範囲設定部175において、旋回初期位置の情報及び初期の作業機姿勢PmをRAM又は記憶装置70cに記憶して、ステップS314に移行する。
ステップS314では、画像表示処理部173において、設定された旋回範囲8及び移動可能範囲85の情報を示す画像を表示して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
本実施形態では、
図13(b)に示す旋回範囲手動設定画像730と同様に、表示入力装置70dに、設定された旋回範囲8を示す画像である旋回範囲画像800と、設定された移動可能範囲85を示す画像である移動可能範囲画像850とを含む旋回範囲自動設定画像(図示略)を表示する。
【0088】
(旋回規制制御処理)
次に、
図15に基づき、本実施形態の旋回規制制御処理の処理手順を説明する。
第1コントローラ70aのCPUにおいて、旋回規制制御処理が開始されると、
図15に示すように、まずステップS400に移行する。
ステップS400では、旋回規制制御部176において、旋回規制制御フラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、ONに設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS402に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS402に移行した場合は、旋回範囲設定部175において、旋回範囲修正処理を実行して、ステップS404に移行する。
ステップS404では、旋回規制制御部176において、旋回規制処理を実行して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
【0089】
(旋回範囲修正処理)
次に、
図16に基づき、本実施形態の旋回範囲修正処理の処理手順を説明する。
上記ステップS402において、旋回範囲修正処理が開始されると、
図16に示すように、まずステップS500に移行する。
ステップS500では、旋回範囲設定部175において、RAM又は記憶装置70cから最新の作業機姿勢Pm及び機体座標(Xm,Ym,Zm)を取得して、ステップS502に移行する。
ステップS502では、旋回範囲設定部175において、記憶装置70cに記憶された初期の作業機姿勢Pmと、ステップS500で取得した最新の作業機姿勢とに基づき、機体2の初期傾斜と現在の傾斜との差分である傾斜差を算出する。その後、ステップS504に移行する。
【0090】
ステップS504では、旋回範囲設定部175において、ステップS502で算出した傾斜差と記憶装置70cに予め記憶された傾斜閾値とを比較して、ステップS506に移行する。
ステップS506では、旋回範囲設定部175において、記憶装置70cに記憶された旋回初期位置と、現在のバックホウ1の位置(機体座標(Xm,Ym,Zm))とに基づき両者の直線距離である移動距離を算出する。その後、ステップS508に移行する。
【0091】
ステップS508では、旋回範囲設定部175において、ステップS506で算出した移動距離と記憶装置70cに予め記憶された移動閾値(半径Rに相当)とを比較して、ステップS510に移行する。
ステップS510では、旋回範囲設定部175において、ステップS504及びS508の比較結果に基づき、傾斜差又は移動距離のうち少なくとも一方は閾値以上であるか否かを判定する。そして、閾値以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS512に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0092】
ステップS512に移行した場合は、旋回範囲設定部175において、RAMに記憶された旋回範囲手動設定モードフラグに基づき、旋回範囲手動設定モードが設定されているか否かを判定する。そして、設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS514に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS518に移行する。
ステップS514に移行した場合は、旋回範囲設定部175において、不図示の音響装置に警報の出力指令を送信して、ステップS516に移行する。ここで、音響装置は、警報音や音声メッセージを不図示のスピーカを介して出力することが可能である。
【0093】
ステップS516では、旋回範囲設定部175において、画像表示処理部173に、指示メッセージの表示指示を出力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
一方、ステップS512において、旋回範囲手動設定モードが設定されておらずにステップS518に移行した場合は、旋回範囲設定部175において、RAMに記憶された旋回範囲自動設定モードフラグに基づき、旋回範囲自動設定モードが設定されているか否かを判定する。そして、設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS520に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS520に移行した場合は、旋回範囲設定部175において、旋回範囲8及び移動可能範囲85を再設定する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
【0094】
(旋回規制処理)
次に、
図17に基づき、本実施形態の旋回規制処理の処理手順を説明する。
上記ステップS404において、旋回規制処理が開始されると、
図17に示すように、まずステップS600に移行する。
ステップS600では、旋回規制制御部176において、旋回角度センサ75からの旋回角度θtを取得して、ステップS602に移行する。
ステップS602では、旋回規制制御部176において、ステップS600で取得した旋回角度θtが、旋回許可範囲83内か否かを判定する。そして、旋回許可範囲83内であると判定した場合(Yes)は、ステップS604に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS606に移行する。
【0095】
ステップS604に移行した場合は、旋回規制制御部176において、開度100[%]の情報を含む第1の規制制御信号RC1を第2コントローラ20に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第1の規制制御信号RC1を受信すると、受信した第1の規制制御信号RC1に含まれる開度100[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度を100[%]とする電流量の開度制御信号Octrを生成する。そして、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に出力する。
【0096】
これにより、比例電磁弁50の開度が100[%]となり、圧油が最大流量で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、旋回用油圧モータ51が、供給された圧油の流量に応じた回転速度で回転し、上部旋回体4が旋回用油圧モータ51の回転速度に応じた旋回速度で旋回する。
一方、ステップS602において旋回角度θtが旋回許可範囲83内になくステップS606に移行した場合は、旋回規制制御部176において、ステップS600で取得した旋回角度θtが、第1の油圧緩衝範囲81A又は第2の油圧緩衝範囲81B内か否かを判定する。そして、第1の油圧緩衝範囲81A又は第2の油圧緩衝範囲81B内であると判定した場合(Yes)は、ステップS608に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS610に移行する。
【0097】
ステップS608に移行した場合は、旋回規制制御部176において、開度A[%]の情報を含む第2の規制制御信号RC2を第2コントローラ20に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第2の規制制御信号RC2を受信すると、受信した第2の規制制御信号RC2に含まれる開度A[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度をA[%]とする電流量の開度制御信号Octrを生成する。そして、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に出力する。
【0098】
これにより、比例電磁弁50の開度が100[%]からA[%](例えば60[%])となり、圧油が開度A[%]に応じた流量(開度100[%]のときよりも少ない流量)で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、旋回用油圧モータ51が、供給された圧油の流量に応じた回転速度で回転し、上部旋回体4が旋回用油圧モータ51の回転速度に応じた旋回速度(開度100[%]のときよりも遅い旋回速度)で旋回する。
また、ステップS606において旋回角度θtが第1の油圧緩衝範囲81A又は第2の油圧緩衝範囲81B内になくステップS610に移行した場合は、旋回規制制御部176において、ステップS600で取得した旋回角度θtが、第3の油圧緩衝範囲82A又は第4の油圧緩衝範囲82B内か否かを判定する。そして、第3の油圧緩衝範囲82A又は第4の油圧緩衝範囲82B内であると判定した場合(Yes)は、ステップS612に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS614に移行する。
【0099】
ステップS612に移行した場合は、旋回規制制御部176において、開度B[%]の情報を含む第3の規制制御信号RC3を第2コントローラ20に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第3の規制制御信号RC3を受信すると、受信した第3の規制制御信号RC3に含まれる開度B[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度をB[%]とする電流量の開度制御信号Octrを生成する。そして、生成した開度制御信号Octrを比例電磁弁50に出力する。
【0100】
これにより、比例電磁弁50の開度がA[%]からB[%](例えば30[%])となり、圧油が開度B[%]に応じた流量(開度A[%]のときよりも少ない流量)で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、旋回用油圧モータ51が、供給された圧油の流量に応じた回転速度で回転し、上部旋回体4が旋回用油圧モータ51の回転速度に応じた旋回速度(開度A[%]のときよりも遅い旋回速度)で旋回する。
また、ステップS610において旋回角度θtが第3の油圧緩衝範囲82A又は第4の油圧緩衝範囲82B内になくステップS614に移行した場合は、旋回規制制御部176において、ステップS600で取得した旋回角度θtが、旋回禁止範囲80内にあると判定する。そして、開度0[%]の情報を含む第4の規制制御信号RC4を第2コントローラ20に送信して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
【0101】
第2コントローラ20は、第1コントローラ70aからの第4の規制制御信号RC4を受信すると、受信した第3の規制制御信号RC3に含まれる開度0[%]の情報に基づき、比例電磁弁50の開度を0[%]にすべく開度制御信号Octrの出力を停止する。
これにより、比例電磁弁50の開度がB[%]から0[%]となり、旋回用油圧モータ51に対する圧油の供給が停止される。その結果、旋回用油圧モータ51が停止し、上部旋回体4の旋回動作も停止する。
【0102】
(動作)
次に、
図1〜
図17を参照しつつ
図18〜
図23に基づき、実施形態に係るバックホウ1の動作を説明する。
施工作業を行う施工現場において、バックホウ1の動力源40が始動すると、油圧ポンプ41が作動を開始して各油圧アクチュエータが作動待機状態に移行する。一方、動力源40の始動に応じて、コントロールボックス70を含む各種車載電気装置に電力が供給される。これによって、コントロールボックス70の第1コントローラ70aにおいて制御プログラムが実行され、予め設定された周期でバックホウ情報算出処理が繰り返し実行される。これにより、第1コントローラ70aは、予め設定された周期で、機体方位D、機体座標(Xm,Ym,Zm)、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)及び作業機姿勢Pmを取得可能となる。加えて、表示入力装置70dに初期画面を表示する処理が行われる。これにより、表示入力装置70dに初期画面が表示される。
【0103】
ここで、初期画面には、3次元設計データの取り込み指示を示すメッセージ画像と取り込み指示ボタン画像(図示省略)とが表示されていることとする。
バックホウ1を運転して施工作業を行うオペレータは、まず、メッセージ画像の案内に従って、運転室5の内部5iに設置されたコントロールボックス70のメモリリーダ70bの挿入部に3次元設計データの記憶されたメモリ媒体を挿入する。そして、表示入力装置70dを介して取り込み指示ボタン画像をタッチする(画像上をタッチする)。これにより、第1コントローラ70aは、メモリリーダ70bを介してメモリ媒体に記憶された3次元設計データDdを記憶装置70cに取り込む。
【0104】
なお、3次元設計データDdが既に記憶装置70cに取り込まれている場合は、3次元設計データDdの一覧から目的のデータを選択する処理となる。
ここで、3次元設計データDdは、外部のPCにおいて、予め作成された基本設計データに含まれる、例えば、
図6に示すような平面
図400のデータ、基準点データ及び変化点データと、事前に用意された回避対象の各種データとに基づき事前に作成されるものである。
【0105】
第1コントローラ70aは、3次元設計データDdを取り込むと、表示入力装置70dに、旋回規制制御の設定ボタン画像と、マシンガイダンス処理の開始指示ボタン画像とが表示される(図示省略)。
そして、オペレータが、表示入力装置70dを介して旋回規制制御の設定ボタン画像をタッチすることで、まず、旋回規制制御のON/OFFを設定するボタン画像が表示される(図示省略)。引き続き、オペレータが、表示入力装置70dを介して旋回規制制御をONに設定する設定ボタン画像をタッチすることで、旋回規制制御フラグがONに設定されると共に旋回範囲設定モード設定処理が開始される。なお、本実施形態において、旋回規制制御はデフォルトではOFFに設定されていることとする。
【0106】
これにより、第1コントローラ70aは、表示入力装置70dに、例えば、
図11(a)に示すような旋回範囲設定案内画像700を表示する。オペレータは、画面の案内に従って、ここでは、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710をタッチしたとする。
旋回範囲手動設定開始ボタン画像710がタッチされたことにより、第1コントローラ70aは、旋回範囲手動設定モードフラグをONに設定すると共に旋回範囲手動設定処理を開始して、表示入力装置70dに、例えば、
図11(b)に示すような旋回範囲手動設定画像730を表示する。このとき、旋回範囲手動設定画像730の情報表示枠画像708の枠内には、初期の表示内容として「バックホウを施工開始位置に移動して下さい」等のバックホウ1を施工作業の開始位置まで移動させるメッセージが表示されているとする。
【0107】
オペレータは、画面の案内に従って、バックホウ1の各種操作レバーを操作して、バックホウ1を施工作業の開始位置まで移動する。その後、開始位置が確定すると、第1コントローラ70aは、情報表示枠画像708の枠内に、
図11(b)に示すメッセージを表示する。
図11(b)の例では、バックホウ1の旋回範囲に、回避対象画像703で示される回避対象の地上構造物が存在するため、オペレータは、バックホウ1の旋回用の操作レバーを操作して、例えば
図12(a)に示すように、バックホウ1の上部旋回体4を旋回禁止範囲80の範囲開始位置まで旋回させる。その後、旋回角記憶ボタン画像712をタッチする。これにより、範囲開始位置を示す第1旋回角度θt1が第1コントローラ70aのRAMに記憶される。
【0108】
引き続き、第1コントローラ70aは、情報表示枠画像708の枠内に、旋回禁止範囲80の範囲終了位置を設定する案内メッセージを表示する。オペレータは、画面の案内に従って、バックホウ1の旋回用の操作レバーを操作して、例えば
図12(b)に示すように、バックホウ1の上部旋回体4を旋回禁止範囲80の範囲終了位置まで旋回させる。その後、旋回角記憶ボタン画像712をタッチする。これにより、範囲終了位置を示す第2旋回角度θt2が第1コントローラ70aのRAMに記憶される。
【0109】
第1及び第2旋回角度θt1及びθt2をRAMに記憶すると、第1コントローラ70aは、第1及び第2旋回角度θt1及びθt2に基づき、情報表示枠画像708の枠内に、
図13(a)に示すように、「旋回禁止範囲はこれでよろしいですか?」のメッセージと、肯定ボタン画像713と、否定ボタン画像714とを表示する。ここで、オペレータは、肯定ボタン画像713をタッチしたとする。
これにより、第1コントローラ70aは、第1旋回角度θt1〜第2旋回角度θt2の範囲を旋回禁止範囲80として設定し、引き続き、この旋回禁止範囲80の情報と、記憶装置70cに記憶された旋回範囲設定用データとに基づき、例えば
図12(c)に示すように、油圧緩衝範囲81〜82と、旋回許可範囲83と、移動可能範囲85とを設定する。
【0110】
ここで、旋回範囲設定用データによって、旋回規制範囲80〜82の全体の旋回角度範囲を100[%]として、旋回禁止範囲80の割合が50[%]、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの割合が20[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの割合が30[%]にそれぞれ設定されていることとする。
加えて、旋回範囲設定用データによって、旋回禁止範囲80の開度が0[%]、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの開度Aが60[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの開度Bが30[%]、旋回許可範囲83の開度が100[%]にそれぞれ設定されていることとする。
【0111】
更に、旋回範囲設定用データによって、移動可能範囲85を設定するための半径Rとして2[m]が設定されていることとする。
以上のことから、旋回禁止範囲80の旋回角度範囲が、例えば80[°]であった場合、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの旋回角度範囲β1はそれぞれ16[°]に、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの旋回角度範囲β2はそれぞれ24[°]に設定される。また、旋回規制範囲80〜82が160[°]となるので、旋回許可範囲83の旋回角度範囲αは200[°]に設定される。
【0112】
但し、これらは、旋回角度範囲の割合であって、
図12(a)に示す旋回角度の基準位置(0[°]、90[°]、180[°]、270[°])が設定されている場合は、この基準位置に応じた角度範囲となる。即ち、第1及び第2旋回角度θt1及びθt2が310[°]及び230[°]である場合は、例えば、231[°]〜310[°]の範囲が旋回禁止範囲80となり、311[°]〜334[°]の範囲が第3の油圧緩衝範囲82Aとなり、335[°]〜350[°]の範囲が第1の油圧緩衝範囲81Aとなる。また、例えば、191[°]〜206[°]の範囲が第2の油圧緩衝範囲81Bとなり、207[°]〜230[°]の範囲が第4の油圧緩衝範囲82Bとなる。
【0113】
このようにして、旋回範囲8及び移動可能範囲85が設定されると、第1コントローラ70aは、現在の機体座標(Xm,Ym,Zm)を旋回初期位置として記憶装置70cに記憶し、現在の作業機姿勢Pmを初期傾斜として記憶装置70cに記憶する。
更に、第1コントローラ70aは、
図13(b)に示すように、旋回範囲手動設定画像730内に、設定結果を示す旋回範囲画像800及び移動可能範囲画像850を表示する。加えて、第1コントローラ70aは、旋回範囲手動設定画像730内に、肯定ボタン画像713及び否定ボタン画像714に代えて、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710及び旋回範囲自動設定開始ボタン画像711を表示する。
【0114】
オペレータは、旋回範囲画像800及び移動可能範囲画像850に問題が無いと判断すると、終了ボタン画像709をタッチする。一方、問題があって再設定したい場合は、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710又は旋回範囲自動設定開始ボタン画像711をタッチする。
ここでは、設定内容に問題が無く終了ボタン画像709がタッチされたこととする。これによって、第1コントローラ70aは、設定された旋回範囲8及び移動可能範囲85に基づき旋回規制制御を実行する。加えて、表示入力装置70dに、旋回規制制御の設定ボタン画像と、マシンガイダンス処理の開始指示ボタン画像とを表示する(図示省略)。
【0115】
引き続き、オペレータが、マシンガイダンス処理の開始指示ボタン画像をタッチしたことに応じて、第1コントローラ70aは、ガイダンスモードへ移行して、マシンガイダンス処理を実行する。
旋回規制制御フラグがONに設定されている場合のガイダンスモードでは、バックホウ1の操作内容に応じて、
図18に示す第1のガイダンス画像200と、
図19に示す第2のガイダンス画像750とが適宜切り換えて表示される。ここでは、作業機3を操作して切土、盛土、掘削等の作業を行っているときは第1のガイダンス画像200を表示し、バックホウ1を旋回操作して上部旋回体4を旋回動作させているときは第2のガイダンス画像750を表示することとする。
【0116】
第1コントローラ70aは、ガイダンスモードでは、バックホウ情報算出処理によって取得された最新の機体座標(Xm,Ym,Zm)、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)及び作業機姿勢Pm、旋回角度センサ75からの旋回角度θt等に基づき、第1及び第2のガイダンス画像200及び750の表示情報を更新する。
具体的に、第1コントローラ70aは、3次元設計データDdに含まれる目標設計面の3次元座標と、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)とに基づき、目標設計面とバケット32の爪先部32Tとの間の距離である第1距離Lfを算出する。更に、3次元設計データDdに含まれる回避対象の3次元座標と、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)とに基づき、回避対象と爪先部32Tとの間の距離である第2距離Lpを算出する。
【0117】
続いて、第1距離Lf及び第2距離Lpと、バケット爪先座標(Xt,Yt,Zt)と、機体方位D及び機体座標(Xm,Ym,Zm)と、3次元設計データDdとに基づき、第1のガイダンス画像データを生成する。そして、生成した第1のガイダンス画像データの画像を表示するための画像表示信号を表示入力装置70dに出力する。
これにより、表示入力装置70dには、例えば、
図18に示すような第1のガイダンス画像200が表示される。この第1のガイダンス画像200は、バックホウ1や施工現場を側方から見た2次元のガイダンス画像である。この第1のガイダンス画像200は、バックホウ1を模式的に示したバックホウ画像201と、目標設計面を模式的に示した設計面画像202と、最寄りの回避対象を模式的に示した回避対象画像203とを含んでいる。加えて、第1距離Lfの数値を示す第1距離画像205と、第2距離Lpの数値を示す第2距離画像207とを含んでいる。
【0118】
上記一連の処理は、所定サンプリング周期毎に繰り返し実行され、オペレータが各種操作レバーを操作して爪先部32Tの座標位置が変わることに応じて第1のガイダンス画像200の内容が変化する。
オペレータは、第1のガイダンス画像200を見ることで、爪先部32Tと目標設計面との距離、爪先部32Tと回避対象物(ここでは、地下埋設管とする)との距離を把握して、目標設計面から逸脱しないように、かつ回避対象物を破損しないように各種操作レバーを操作して施工作業を行う。
【0119】
一方、第1コントローラ70aは、第2距離Lpが地下埋設管に対して設定された回避閾値Th未満であるか否かを判定する。そして、第2距離Lpが回避閾値Th未満になったと判定すると、表示入力装置70dに警告メッセージを表示すると共に、不図示の音響装置に警報音や音声メッセージを不図示のスピーカを介して出力させる。
更に、第1コントローラ70aは、バックホウ情報算出処理によって取得された最新の機体座標(Xm,Ym,Zm)、旋回角度センサ75からの旋回角度θt等に基づき、バックホウ1の機体座標(Xm,Ym,Zm)及び旋回位置を監視し、機体座標(Xm,Ym,Zm)や、旋回位置が変化したことに応じて、第2のガイダンス画像データを更新する。
【0120】
ここで、第2のガイダンス画像750は、
図19に示すように、基本構成は、
図13(b)に示す、旋回範囲手動設定画像730と同様となる。異なるのは、情報表示枠画像708内の表示内容と、バックホウ画像701の表示内容がバックホウ1の移動や旋回動作に応じて変化する点となる。
即ち、情報表示枠画像708内に、旋回規制制御が実施されていることを示すメッセージである「旋回規制制御中!」と、バックホウ1の現在の旋回角度θtの情報(45[°])と、比例電磁弁50の現在の開度の情報(100[%])とが表示される。旋回角度θtの情報と、開度の情報とは、実際のバックホウ1の旋回角度θtと実際の比例電磁弁50の開度と対応しており、実際の旋回角度θt及び開度が変化することで表示内容も変化するようになっている。バックホウ画像701の表示内容についても、実際の機体座標及び上部旋回体4の旋回位置の変化に応じて表示内容が変化する。
【0121】
オペレータは、第2のガイダンス画像750を見ることで、上部旋回体4の旋回位置と旋回規制範囲80〜82との位置関係を把握して、上部旋回体4の旋回位置が、不用意に旋回規制範囲80〜82内とならないように旋回用の操作レバーを操作して旋回動作を行う。
また、オペレータが、旋回用の操作レバーを操作して、例えば、
図20(a)に示す旋回位置へと上部旋回体4を旋回させたとする。この場合、旋回角度θtが第1の油圧緩衝範囲81A内となるため、第1コントローラ70aは、開度60[%]の情報を含む第2の規制制御信号RC2を第2コントローラ20に送信する。
【0122】
これにより、比例電磁弁50の開度が100[%]から60[%]となり、圧油が開度60[%]に応じた流量で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、上部旋回体4が、開度100[%]のときよりも遅い旋回速度で旋回する。なお、旋回角度θtが第1の油圧緩衝範囲81A内にある間は、比例電磁弁50の開度は60[%]に保持される。
引き続き、オペレータが、旋回用の操作レバーを継続操作して、例えば、
図20(b)に示す旋回位置へと上部旋回体4を旋回させたとする。この場合、旋回角度θtが第3の油圧緩衝範囲82A内となるため、第1コントローラ70aは、開度30[%]の情報を含む第3の規制制御信号RC3を第2コントローラ20に送信する。
【0123】
これにより、比例電磁弁50の開度が60[%]から30[%]となり、圧油が開度30[%]に応じた流量で旋回用油圧モータ51に供給される。その結果、上部旋回体4が、開度60[%]のときよりも遅い旋回速度で旋回する。なお、旋回角度θtが第3の油圧緩衝範囲82A内にある間は、比例電磁弁50の開度は30[%]に保持される。
引き続き、オペレータが、旋回用の操作レバーを継続操作して、例えば、
図20(c)に示す旋回位置へと上部旋回体4を旋回させたとする。この場合、旋回角度θtが旋回禁止範囲80内となるため、第1コントローラ70aは、開度0[%]の情報を含む第4の規制制御信号RC4を第2コントローラ20に送信する。
【0124】
これにより、比例電磁弁50の開度が30[%]から0[%]となり、旋回用油圧モータ51への圧油の供給が停止される。その結果、上部旋回体4の旋回動作が停止する。
即ち、旋回許可範囲83から旋回禁止範囲80に向かって旋回動作させた場合に、上部旋回体4の旋回速度は、開度100[%]のときの旋回速度から急に0とならず、段階的に遅くなっていきその後に停止する。
一方、施工作業中は、バックホウ1が移動することで、例えば、
図21に示すように、バックホウ1の傾斜状態が変化したり、
図22(a)に示すように、バックホウ1が移動可能範囲から逸脱したりする。このような場合に、設定されている旋回規制範囲80〜82及び移動可能範囲85が用をなさなくなる。
【0125】
このような場合を想定して、本実施形態では、旋回規制制御の実行中に旋回範囲修正処理が実行される。
即ち、第1コントローラ70aは、記憶装置70cに記憶された初期傾斜と、最新の作業機姿勢Pmに含まれる機体2の傾斜情報とに基づき傾斜差を算出する。そして、算出した傾斜差と記憶装置70cに記憶された傾斜閾値とを比較する。
更に、第1コントローラ70aは、記憶装置70cに記憶された旋回初期位置と、最新の機体座標(Xm,Ym,Zm)とに基づき旋回初期位置からの移動距離を算出する。そして、算出した移動距離と記憶装置70cに記憶された移動閾値とを比較する。
【0126】
第1コントローラ70aは、上記比較結果に基づき、例えば、傾斜差が傾斜閾値以上であると判定した場合に、不図示の音響装置に警報の出力指令を送信して、この音響装置に警報音や音声メッセージを不図示のスピーカを介して出力させる。加えて、表示入力装置70dに、指示メッセージの表示指示を出力して、例えば、「機体の傾斜が変化したので旋回範囲を再設定して下さい」等のメッセージを表示させる。
また、第1コントローラ70aは、上記比較結果に基づき、例えば、移動距離が移動閾値以上であると判定した場合に、不図示の音響装置に警報の出力指令を送信して、この音響装置に警報音や音声メッセージを不図示のスピーカを介して出力させる。加えて、表示入力装置70dに、指示メッセージの表示指示を出力して、例えば、「移動可能範囲から逸脱しましたので旋回範囲を再設定するか又はバックホウを旋回初期位置に戻して下さい」等のメッセージを表示させる。
【0127】
本実施形態では、旋回初期位置において、左クローラ装置6L及び右クローラ装置6Rの4隅の直下の地面に第1〜第4のマークM1〜M4のマーキングを行う。従って、オペレータがバックホウ1を操作して旋回初期位置に戻す場合は、
図22(b)に示すように、第1〜第4のマークM1〜M4を目印にして簡易に戻すことが可能となっている。
一方、旋回範囲8を再設定する場合は、例えば、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710をタッチすることで、上記同様の手順で旋回範囲8及び移動可能範囲85を再設定する。即ち、
図23(b)に示すように、移動前の旋回範囲8及び移動可能範囲85を旋回範囲8A及び移動可能範囲85Aとすると、バックホウ1の移動先に新たな旋回範囲8B及び移動可能範囲85Bを設定する。
【0128】
次に、旋回範囲自動設定モードが選択された場合の動作を説明する。
いま、旋回範囲設定案内画像700内の旋回範囲自動設定開始ボタン画像711がタッチされたとする。これにより、第1コントローラ70aは、旋回範囲自動設定モードフラグをONに設定すると共に旋回範囲自動設定処理を開始する。第1コントローラ70aは、表示入力装置70dに、「バックホウを施工開始位置に移動して下さい」等のバックホウ1を施工作業の開始位置まで移動させるメッセージを表示する。
【0129】
第1コントローラ70aは、バックホウ1が施工作業の開始位置まで移動されたことを確認すると、自動設定関連情報を取得する。そして、取得した自動設定関連情報に基づき旋回範囲8及び移動可能範囲85を設定する。
具体的に、自動設定関連情報は、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDd、旋回範囲設定用データ及びバックホウの画像情報等の設定結果の表示に必要な画像情報と、最新の機体方位D、機体座標(Xm,Ym,Zm)及び作業機姿勢Pmと、旋回角度センサ75からの旋回角度θtとを含む。
【0130】
第1コントローラ70aは、自動設定関連情報を取得すると、取得した旋回範囲自動設定関連情報に基づきバックホウ1と回避対象との位置関係を計算する。そして、この位置関係に基づき、旋回禁止範囲80を設定する。
例えば、回避閾値Thを用いて、上部旋回体4を右旋回及び左旋回させた際のバックホウ1の旋回部と回避対象との間の距離を計算し、この距離が少なくとも回避閾値Thよりも長くなり且つ最短となる旋回位置を、旋回禁止範囲80の範囲開始位置及び範囲終了位置として設定する。
【0131】
このようにして、旋回禁止範囲80が設定されると、旋回範囲手動設定処理と同様の方法で、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bと、旋回許可範囲83と、移動可能範囲85とを設定する。
そして、表示入力装置70dに、設定された旋回範囲8を示す画像である旋回範囲画像800と、設定された移動可能範囲85を示す画像である移動可能範囲画像850とを含む旋回範囲自動設定画像を表示する。ここでは、
図13(b)と同様の画像が表示されることとする。
【0132】
オペレータは、表示された旋回範囲画像800及び移動可能範囲画像850を見て、納得がいかない場合は、旋回範囲手動設定処理と同様に、旋回範囲手動設定開始ボタン画像710又は旋回範囲自動設定開始ボタン画像711をタッチして再設定を行う。
一方、オペレータは、旋回範囲画像800及び移動可能範囲画像850に問題が無いと判断すると、終了ボタン画像709をタッチする。
ここでは、終了ボタン画像709がタッチされると、第1コントローラ70aは、設定された旋回範囲8及び移動可能範囲85に基づき旋回規制制御を実行する。加えて、表示入力装置70dに、旋回規制制御の設定ボタン画像と、マシンガイダンス処理の開始指示ボタン画像とを表示する(図示省略)。
【0133】
以降の、旋回規制制御における旋回規制処理の動作については、旋回範囲手動設定モードが設定された場合と同様となるので説明を省略する。
一方、旋回規制制御における旋回範囲修正処理において、第1コントローラ70aは、例えば、傾斜差が傾斜閾値以上であると判定した場合に、不図示の音響装置に、例えば「傾斜が変化しました、旋回範囲を再設定します」等の音声メッセージを不図示のスピーカを介して出力させる。加えて、表示入力装置70dに、音声メッセージと同様に「傾斜が変化しました、旋回範囲を再設定します」等のメッセージを表示させる。
【0134】
そして、第1コントローラ70aは、現在の機体座標(Xm,Ym,Zm)を旋回初期位置とし、現在の作業機姿勢Pmに含まれる機体2の傾斜情報を初期傾斜として上記旋回範囲自動設定処理を実行する。これにより、旋回範囲8及び移動可能範囲85を再設定する。
また、第1コントローラ70aは、例えば、移動距離が移動閾値以上であると判定した場合に、不図示の音響装置に、例えば「移動可能範囲から逸脱しました、旋回範囲を再設定します」等の音声メッセージを不図示のスピーカを介して出力させる。加えて、表示入力装置70dに、音声メッセージと同様に「移動可能範囲から逸脱しました、旋回範囲を再設定します」等のメッセージを表示させる。
【0135】
そして、第1コントローラ70aは、現在の機体座標(Xm,Ym,Zm)を旋回初期位置とし、現在の作業機姿勢Pmに含まれる機体2の傾斜情報を初期傾斜として上記旋回範囲自動設定処理を実行する。これにより、旋回範囲8及び移動可能範囲85を再設定する。
ここで、バックホウ1が作業車両に対応し、旋回範囲設定部175が旋回禁止範囲設定部及び出力緩衝範囲設定部に対応し、油圧緩衝範囲81〜82が出力緩衝範囲に対応し、比例電磁弁50及び旋回規制制御部176が旋回規制制御部に対応し、3次元設計データDdが地図データに対応し、記憶装置70cが地図データ記憶部に対応する。
また、機体座標算出部171が座標検出部に対応し、ジャイロセンサ74及び作業機姿勢算出部174が傾斜検出部に対応し、旋回用油圧モータ51が旋回用油圧アクチュエータに対応する。
【0136】
(実施形態の作用及び効果)
実施形態に係る作業車両用旋回制御システム7は、旋回範囲設定部175が、バックホウ1の旋回動作を禁止する旋回範囲である旋回禁止範囲80を設定する。加えて、旋回禁止範囲の前後に、旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量変化を緩和する旋回範囲である油圧緩衝範囲81〜82を設定する。旋回規制制御部176が、バックホウ1の旋回部(実施形態では旋回部の位置に対応した旋回角度θt)が油圧緩衝範囲81〜82内にあると判定したときに、旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量を、旋回動作を停止しない範囲で制限する制御を行う。加えて、バックホウ1の旋回部が旋回禁止範囲80内になったと判定したときに、旋回用油圧アクチュエータ51に供給する圧油の流量を、範囲内への進行を続ける方向への旋回動作を停止するように制御する。
【0137】
具体的に、実施形態に係る作業車両用旋回制御システム7は、旋回用油圧モータ51に圧油を供給する油圧系に介挿された比例電磁弁50を備える。そして、旋回規制制御部176は、比例電磁弁50の開度を制御することで、旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量を、バックホウ1の旋回部が油圧緩衝範囲81〜82から旋回禁止範囲80に向かうに連れて段階的に減少(比例電磁弁50の開度を100[%]→60[%]→30[%])するように制限する制御を行う。加えて、バックホウ1の旋回部が旋回禁止範囲80内になったと判定したときに、旋回用油圧アクチュエータ51への圧油の供給を停止する。
【0138】
この構成であれば、油圧緩衝範囲81〜82内では旋回動作を停止しない範囲で旋回用油圧モータ51に供給する圧油の流量を段階的に減少することが可能である。これによって、従来の旋回動作を急停止させる構成と比較して、旋回停止時の旋回速度変化を緩和することが可能となる。その結果、旋回停止時の旋回速度変化によるバックホウ1の接地バランスの崩れ等の不具合の発生を防止することが可能となる。
加えて、油圧緩衝範囲81〜82における流量低下による旋回速度の低下によって、オペレータに旋回部が旋回禁止範囲80に近づいていることを知らせることが可能となる。これによって、オペレータに対して注意喚起することが可能となり、不必要な旋回停止の発生を低減することが可能となる。
【0139】
また、実施形態に係る作業車両用旋回制御システム7は、記憶装置70cが回避対象の3次元座標情報を含む施工領域の3次元設計データDdを記憶する。機体座標算出部171がバックホウ1の実空間における3次元座標である機体座標(Xm,Ym,Zm)を検出する。旋回範囲設定部175が、機体座標算出部171で検出された機体座標(Xm,Ym,Zm)と記憶装置70cに記憶された3次元設計データDdとに基づき、バックホウ1の旋回部が回避対象を回避不能な旋回位置を含む範囲を旋回禁止範囲80として設定する。
【0140】
この構成であれば、3次元設計データDdと機体座標(Xm,Ym,Zm)とを利用して、旋回時にバックホウ1の旋回部が回避対象を回避できない旋回位置を含む旋回禁止範囲80を計算により自動で設定することが可能である。これにより、旋回禁止範囲80を簡易に設定することが可能となる。
また、実施形態に係る作業車両用旋回制御システム7は、旋回範囲設定部175が、機体座標算出部171で検出した機体座標(Xm,Ym,Zm)に基づきバックホウ1が移動可能範囲85外に移動したと判定すると、移動先の機体座標(Xm,Ym,Zm)と、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDdとに基づき旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82を再設定する。
【0141】
この構成であれば、バックホウ1の移動(位置変化)によって、先に設定した旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82が使用できなくなった場合に、移動先において適切な旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82を自動的に再設定することが可能である。これによって、移動後に手動で再設定するといった手間を省くことが可能となり、オペレータの負担を軽減することが可能となる。
また、実施形態に係る作業車両用旋回制御システム7は、ジャイロセンサ74及び作業機姿勢算出部174がバックホウ1の機体2の傾斜(作業機姿勢Pm)を検出する。旋回範囲設定部175は、作業機姿勢算出部174で検出した傾斜に基づき、バックホウ1の機体2の傾斜(θp,θr,θy)が変化したと判定すると、検出した傾斜と、記憶装置70cに記憶された3次元設計データDdとに基づき旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82を再設定する。
【0142】
具体的に、旋回範囲8を設定時の旋回初期位置における初期の傾斜を記憶しておき、この傾斜と検出した傾斜との傾斜差を算出する。そして、算出した傾斜差が傾斜閾値以上であると判定したときに傾斜が変化したと判定して、旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82を含む旋回範囲8と、移動可能範囲85とを再設定する。
この構成であれば、バックホウ1の傾斜変化によって、先に設定した旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82が使用できなくなった場合に、傾斜変化後において適切な旋回禁止範囲80及び油圧緩衝範囲81〜82を自動的に再設定することが可能である。これによって、傾斜変化後に手動で再設定するといった手間を省くことが可能となり、オペレータの負担を軽減することが可能となる。
【0143】
(変形例)
上記実施形態では、バックホウ1の予め設定した姿勢(
図7に示す旋回半径が最も大きくなる姿勢)に対して、旋回範囲8を設定する構成としたが、この構成に限らない。ここで、バックホウ1の作業機3のようにアームを曲げたり伸ばしたりできる作業機を有する作業車両は、作業機の姿勢によって旋回半径が変化する。このことに基づき、作業機の異なる複数の姿勢に対して旋回範囲を設定する構成としてもよい。この構成とすることで、例えば、
図24に示すように、作業機3を上方に向かって伸ばした姿勢で旋回動作を行うような場合に、高所に存在する回避対象物である電線307等に作業機3がぶつかるのを防ぐことが可能となる。また、作業機3の姿勢が回避対象に接触又は侵入することなく旋回できる姿勢であるにも係わらず旋回を禁止するといったことを防ぐことが可能となる。
【0144】
また、上記実施形態では、旋回角度θtが旋回禁止範囲80内にあるときは比例電磁弁50の開度を0[%]に設定する構成としたが、この構成に限らない。例えば、旋回角度θtが旋回禁止範囲80内にあっても旋回禁止範囲80から離れる方向の旋回操作に対しては、開度を0[%]よりも大きい開度(例えばB[%])に設定して旋回動作を許可する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bと、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bとにより、上部旋回体4の左右旋回動作に対して、比例電磁弁50の開度を2段階に制限する構成としたが、この構成に限らない。例えば、1段階又は3段階以上に制限する構成としてもよい。
【0145】
また、上記実施形態では、上部旋回体4の旋回動作を行うアクチュエータとして旋回用油圧モータ51を用いる構成としたが、この構成に限らない。例えば、エンジンや電動モータ等の他のアクチュエータを用いてもよい。この場合は、圧油の流量(比例電磁弁50の開度)に代えて、例えばエンジンの出力(回転数等)や電動モータの出力(回転数等)を制御することで旋回規制制御を行う。
また、上記実施形態では、開度Aとして60[%]を、開度Bとして30[%]を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、「A>B」の関係であれば他の開度としてもよい。
【0146】
また、上記実施形態では、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bの旋回角度範囲β1[°]と、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bの旋回角度範囲β2[°]との関係を、「β1<β2」としたが、この構成に限らない。例えば、「β1>β2」の関係としてもよいし、他の角度範囲としてもよい。角度の割合についても、旋回禁止範囲80を50[%]、第1及び第2の油圧緩衝範囲81A及び81Bを20[%]、第3及び第4の油圧緩衝範囲82A及び82Bを30[%]とする構成に限らず、他の割合及び大小関係としてもよい。
【0147】
また、上記実施形態では、GNSS受信機や各種センサによってバックホウ1の位置及び作業機3の位置を検出する構成としたが、この構成に限らず、TSを用いて位置を検出する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、クローラ装置で走行する構成のバックホウを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、車輪等の他の走行手段で走行する構成のバックホウに対しても本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、作業車両としてバックホウを例に挙げて説明したが、この構成に限らず、例えば、ラフタークレーン、クローラークレーン等の旋回体を有する他の作業車両に対しても本発明は適用可能である。