(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取付け基材には、前記壁部の前記配管挿通孔の開口周縁部分に対して孔径方向から係合する係合位置と、前記配管挿通孔の開口周縁部分から孔径方向内方側に離脱する係合解除位置と、に切り替え可能な係合部が設けられている請求項1又は2記載の接続案内構造。
前記係合部は、前記壁部の前記開口周縁部分の室内側壁面に当接可能な第1係止片と、前記壁部の前記開口周縁部分の室外側壁面に当接可能な第2係止片と、が備えられ、前記第1係止片及び第2係止片には、室内側から捻じ込まれるねじが螺進可能で、且つ、ねじの螺進に伴って前記第1係止片及び第2係止片を壁挾持状態に引き寄せ固定する固定用孔が形成されている請求項3記載の接続案内構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の隠蔽配管方法では、ドレンホースを空調室内機のドレン水排出口部よりも高い天井裏空間内に沿って配設するため、ドレンパン内のドレン水をドレンホースに圧送するドレンポンプが必要で、しかも、ドレンホースの配設距離も長く、施工手数も増加するため、施工コストが高騰化する不都合がある。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、バルコニー領域等から離れた奥側の室内空間の室内側壁面に空調室内機を設置する場合でも、ドレン配設距離の短縮化と施工の容易化、施工コストの低廉化を図ることのできる接続案内構造とそれに用いられる配管カバー具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第1の特徴構成は、空調室内機のドレンホースを壁部に貫通形成された配管挿通孔を通して室外の排水管に接続案内する接続案内構造であって、
前記配管挿通孔を覆う状態で前記壁部の室内側壁面に設けられる配管カバー具と、当該配管カバー具の管接続部と前記排水管における前記配管挿通孔よりも低位部位とに接続される可撓性の挿入ガイド管と、を備え、前記配管カバー具には、前記管接続部に接続されている前記挿入ガイド管に対して前記ドレンホースを室内側から挿入するためのホース挿入口が設けられている点にある。
【0008】
上記構成によれば、壁部で区画された室外側の排水管のうち、壁部に貫通形成される配管挿通孔よりも低位部位に、空調室内機のドレンホースを室内側から挿入案内するための可撓性の挿入ガイド管の一端部が接続されている。この挿入ガイド管の他端部は、壁部の配管挿通孔を覆う状態で当該壁部の室内側壁面に設けられる配管カバー具の管接続部に接続されている。この状態で接続案内構造の施工が完成しているので、壁部の室内側壁面に空調室内機を設置する場合には、空調室内機のドレンホースを、配管カバー具のホース挿入口から管接続部に接続されている挿入ガイド管内に挿入する。これにより、空調室内機の冷房運転時や除湿運転時に発生するドレン水は、ドレンホースから重力で排水管にスムーズに排水される。
【0009】
そして、バルコニー領域等の屋外に面した室内空間に隣接する奥側の室内空間の室内側壁面に空調室内機を設置する場合でも、壁部で区画された室外側の排水管を利用してドレン水を排水することができるので、空調室内機から排水管までのドレン配設距離を短縮することができる。さらに、排水管と配管カバー具の管接続部とにわたって挿入ガイド管を接続するだけで、配管カバー具のホース挿入口から排水管までのドレン配設経路を簡単に構築することができる。しかも、室内側壁面に設けられた配管カバー具のホース挿入口から挿入ガイド管内に沿ってドレンホースを差し込むだけで、空調室内機のドレン配管施工が完了する。
【0010】
したがって、屋外に面した室内空間に隣接する奥側の室内空間の室内側壁面に空調室内機を設置する場合でも、ドレンポンプを用いる必要がなく、且つ、ドレン配設距離の短縮化と施工の容易化を図ることができるので、施工コストの低廉化を図ることができる。
【0011】
本発明による第2の特徴構成は、前記配管カバー具には、前記管接続部及び前記ホース挿入口を備えた取付け基材と、前記ホース挿入口の室内開口側において屈曲する前記ドレンホースの屈曲ホース部分を覆う状態で前記取付け基材の中央側部位に脱着自在に取付けられるコーナーカバーと、前記コーナーカバーの取付け基部側に外嵌装着するため嵌合装着口部を有し、且つ、前記取付け基材の露出部分を覆う化粧カバーと、が備えられている点にある。
【0012】
上記構成によれば、室内側壁面に固定された取付け基材のホース挿入口にドレンホースを挿入したのち、取付け基材の中央側部位に、ホース挿入口の室内開口側において屈曲するドレンホースの屈曲ホース部分を覆うコーナーカバーを取付ける。このコーナーカバーの取付け基部側に化粧カバーの嵌合装着口部を嵌合装着する。この化粧カバーが装着された状態では、取付け基材の露出部分を体裁良く覆い隠すことができる。
【0013】
本発明による第3の特徴構成は、前記取付け基材には、前記コーナーカバーが取付けられていないとき、前記化粧カバーの嵌合装着口部を閉止する目隠しカバーが取付け可能に構成されている点にある。
【0014】
上記構成によれば、空調室内機の設置予定がない場合には、取付け基材に目隠しカバーを取付けることにより、化粧カバーの嵌合装着口を体裁良く覆い隠すことができる。そして、空調室内機を設置する場合には、目隠しカバーを取外し、閉塞具のホース挿入口から空調室内機のドレンホースを差し込む。取付け基材のホース挿入口の室内開口側において屈曲するドレンホースの屈曲ホース部分を覆うコーナーカバーを取付け、化粧カバーの嵌合装着口をコーナーカバーの取付け基部側に嵌合装着するだけで、ドレン配管施工が完了する。
【0015】
本発明による第4の特徴構成は、前記取付け基材には、前記壁部の前記配管挿通孔の開口周縁部分に対して孔径方向から係合する係合位置と、前記配管挿通孔の開口周縁部分から孔径方向内方側に離脱する係合解除位置と、に切り替え可能な係合部が設けられている点にある。
【0016】
上記構成によれば、管接続部及びホース挿入口を備えた取付け基材を、配管挿通孔を覆う状態で壁部の室内側壁面に取付ける際、取付け基材の係合部を、係合解除位置から孔径方向に沿って係合位置に切り替えると、係合部が壁部の配管挿通孔の開口周縁部分に対して孔径方向から係合する。これにより、壁部の配管挿通孔に装着されている取付け基材を簡単に仮止めすることができるので、取付け基材の取付け作業を容易に行うことができる。
【0017】
本発明による第5の特徴構成は、前記係合部は、前記壁部の前記開口周縁部分の室内側壁面に当接可能な第1係止片と、前記壁部の前記開口周縁部分の室外側壁面に当接可能な第2係止片と、が備えられ、前記第1係止片及び第2係止片には、室内側から捻じ込まれるねじが螺進可能で、且つ、ねじの螺進に伴って前記第1係止片及び第2係止片を壁挾持状態に引き寄せ固定する固定用孔が形成されている点にある。
【0018】
上記構成によれば、壁部の配管挿通孔に装着されている取付け基材の係合部を係合位置に切り替えたとき、第1係止片及び第2係止片が壁部の開口周縁部分の表裏に当接可能な係合状態になる。この状態で第1係止片及び第2係止片の固定用孔に対して室内側からねじを捻じ込むと、このねじの螺進に伴って第1係止片及び第2係止片が壁挾持状態に引き寄せ固定される。これにより、壁部が石膏ボードであっても、石膏ボードの割れ等の発生を抑制した状態で取付け基材を強固に取付けることができる。
【0019】
本発明による第6の特徴構成は、前記取付け基材の最下位部位には、前記配管カバー具の内部で発生した結露水を集合して外部に流下排出する排水路が形成されている点にある。
【0020】
上記構成によれば、配管カバー具の内部で結露水が発生したとき、結露水は取付け基材の最下位部位に形成されている排水路に集合して外部に流下排出される。この排出された結露水は室内側壁面に沿って一筋状に流下するので、配管カバー具の内部で結露水が発生していることを早期に発見することができ、結露水の処理を容易に行うことができる。
【0021】
本発明による第7の特徴構成は、上述の第1〜第6の特徴構成のいずれか一つ記載の接続案内構造に用いられる前記配管カバー具であって、前記管接続部及び前記ホース挿入口を備えた取付け基材と、前記ホース挿入口の室内開口側において屈曲する前記ドレンホースの屈曲ホース部分を覆う状態で前記取付け基材の中央側部位に脱着自在に取付けられるコーナーカバーと、前記コーナーカバーの取付け基部側に外嵌装着するため嵌合装着口部を有し、且つ、前記取付け基材の露出部分を覆う化粧カバーと、が備えられている点にある。
【0022】
上記構成によれば、上述の第2の特徴構成で述べた作用・効果を奏する配管カバー具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、マンション等の集合住宅に施工した空調機Aの空調室内機A1におけるドレンホース3に対する接続案内構造を示す。集合住宅では、一般に、外部環境に属する共用通路領域とバルコニー領域との間において区画される中間領域に、居室、リビングルーム、キッチン等の複数の室内空間Rが形成されている。本実施形態においては、バルコニー領域に面する室内空間(図示省略)に隣接する奥側の室内空間Rの室内側壁面1aに空調室内機A1が取付けられている事例を示す。
【0025】
この事例の場合、
図1に示すように、空調室内機A1が取付けられる室内側壁面1aを備えた壁部1は、奥側の室内空間Rと室外側のパイプスペースPSとを区画形成している。この室外側のパイプスペースPSには、上下方向に沿って各階層の床スラブを貫通する共有の竪形の排水管2が配設されている。排水管2の各階層に対応する部位には、空調室内機A1のドレン水排出口部(図示省略)に接続された可撓性のドレンホース3(
図2、
図3参照)からのドレン水が流入する合流継手2Aが設けられている。合流継手2Aは、ドレンホース3が余裕をもって挿通可能な内径で壁部1に貫通形成される配管挿通孔4(
図2参照)よりも低位部位に配置されている。
【0026】
また、上述の事例の場合、空調機Aの空調室内機A1と空調室外機A2を接続する冷媒管5と電気配線は、床スラブと天井材との間の天井裏空間に隠蔽状態で配設するいわゆる隠蔽配管方法で施工される。そのため、天井裏空間には、冷媒管5と電気配線とを集合して配設するための配管ダクトや配管用鞘管が予め配設されている。
【0027】
次に、空調室内機A1のドレンホース3を壁部1の配管挿通孔4を通してパイプスペースPSの排水管2に接続案内する接続案内構造を含むドレン配管構造について詳述する。
図1〜
図3に示すように、空調室内機A1のドレン水排出口部から排水管2の合流継手2Aまで配設されるドレンホース3のうち、壁部1の室内側壁面1aに沿って上下方向に配置される直線状ホース部分3Aを覆う直管状の二分割構造の合成樹脂製の配管用カバー6と、配管挿通孔4及び当該配管挿通孔4の室内開口側において屈曲するドレンホース3の第1屈曲ホース部分3Bを覆う合成樹脂製の配管カバー具Bと、当該配管カバー具Bの構成部材である後述の取付け基材B1の管接続部24と排水管2の合流継手2Aとの間に位置するドレンホース3の第2屈曲ホース部分3Cを覆う可撓性の蛇腹状の合成樹脂製の挿入ガイド管7と、が備えられている。
【0028】
二分割構造の配管用カバー6としては、従来から種々の形態のものが存在し、そのいずれの形態の配管用カバー6も好適に用いることができる。本実施形態に用いられる配管用カバー6は、
図1、
図3に示すように、壁部1の室内側壁面1aにビス止め固定される横断面形状が偏平な略上向きコの字状の取付けベース6Aと、この取付けベース6Aに対して外嵌状態で脱着自在に係合装着可能で、かつ、装着時に取付けベース6Aとの間で直線状の配管空間6Cを形成する横断面形状が略Uの字状又は略コの字状の直線カバー体6Bとからなり、配管カバー具Bの構成部材である後述のコーナーカバーB2に対してカバー軸線方向から内嵌接続可能に構成されている。
【0029】
配管カバー具Bは、
図2に示すように、壁部1の室内側壁面1aの配管挿通孔4に室内側から嵌合状態で取付けられる合成樹脂製の取付け基材B1と、当該取付け基材B1の中央側部位に脱着自在に取付けられる合成樹脂製のコーナーカバーB2と、少なくとも取付け基材B1の露出部分を状態で覆う脱着自在に取付けられる合成樹脂製の化粧カバーB3と、
図7に示すように、コーナーカバーB2が取付けられていないとき、化粧カバーB3の嵌合装着口部61を閉止する状態で脱着自在に取付けられる合成樹脂製の目隠しカバーB4と、が備えられている。
【0030】
取付け基材B1には、
図3、
図4、
図8に示すように、壁部1の配管挿通孔4に室内側から前後方向に沿って略摺動状態で脱着自在に嵌合する嵌合筒状部20と、当該嵌合筒状部20の後端部から径方向内方側に一体的に延出形成される底壁部21と、嵌合筒状部20の前端部から径方向外方側に一体的に突出形成される鍔部22と、が備えられている。鍔部22は、壁部1の室内側壁面1aに対して前後方向から当接可能に構成されている。
【0031】
取付け基材B1の底壁部21の中心部には、
図3、
図4、
図8に示すように、ドレンホース3を室内側から挿入するホース挿入口23が形成されている。また、底壁部21の背面におけるホース挿入口23の開口周縁部には、
図3、
図8に示すように、挿入ガイド管7の横ガイド管部分7Aの他端部が脱着自在に挿入接続される管接続部24が突出形成されている。この管接続部24には、図示は省略するが、挿入接続された挿入ガイド管7の他端部の谷部に管径方向の外方から係合して当該挿入ガイド管7の抜け出しを阻止するロック状態と、挿入ガイド管7の谷部から管径方向の外方側に離脱したロック解除状態とに切り替え操作可能なロック操作機構が設けられている。
【0032】
取付け基材B1の鍔部22のうち、配管用カバー6に対応する接続側部位には、
図2〜
図4、
図8に示すように、コーナーカバーB2の取付けベース51が壁部1の室内側壁面1aに当接した状態で入り込み配置可能な装着凹部26が切り欠き形成されている。この構成により、
図3に示すように、取付け基材B1の鍔部22に対してコーナーカバーB2の取付けベース51を入り込み配置して、取付け基材B1とコーナーカバーB2の取付けベース51とを第1ビス27で確実に固定連結することができる。それでいて、取付けベース51は、取付け基材B1の鍔部22に形成された装着凹部26内において壁部1の室内側壁面1aに当接するため、取付け基材B1の鍔部22と取付けベース51とを、室内側壁面1aとの間に隙間が発生しない状態で体裁良く取付けることができる。
【0033】
図3、
図4に示すように、取付け基材B1の嵌合筒状部20のうち、装着凹部26に臨む前端面20aの周方向中央部には、コーナーカバーB2の取付けベース51を第1ビス(ねじの一例)27でねじ込み固定するための第1取付け孔28が形成されている。
嵌合筒状部20の前端面20aにおける周方向の両側部には、
図4、
図7、
図10に示すように、目隠しカバーB4の裏面の左右両側部に突設した一対の第2係止爪72が係脱可能な状態で係合する第2係合孔30が形成されている。本実施形態では、第2係合孔30を嵌合筒状部20の前端面20aの二箇所に形成したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、嵌合筒状部20の前端面20aの1箇所又は3箇所に形成してもよい。さらに、第2係合孔30を嵌合筒状部20の前端面20a以外の部位に形成してもよい。これに伴って、目隠しカバーB4側の第2係止爪72の本数、形成位置も変更する。
【0034】
図2、
図4、
図9に示すように、取付け基材B1の鍔部22の周方向4箇所には、化粧カバーB3の裏面の周方向4箇所に突設した一対の第1係止爪62が係脱可能な状態で係合する第1係合孔29が形成されている。本実施形態では、第1係合孔29を鍔部22の周方向4箇所に形成したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、第1係合孔29を周方向の2箇所又は3箇所、或いは、5箇所以上に形成してもよい。これに伴って、化粧カバーB3側の第1係止爪62の本数も変更する。
【0035】
図4〜
図6、
図8に示すように、取付け基材B1の鍔部22のうち、第1係合孔29の隣接間の周方向中央位置には、取付け基材B1を壁部1に第2ビス(ねじの一例)32でねじ込み固定するための第2取付け孔33が形成されている。各第2取付け孔33が形成されている3箇所の各々には、
図4〜
図6、
図8に示すように、壁部1の配管挿通孔4の開口周縁部分1cに対して孔径方向から係合する係合位置と、壁部1の配管挿通孔4の開口周縁部分1cから孔径方向内方側に離脱する係合解除位置と、に切り替え可能な係合部40が設けられている。
【0036】
そのため、管接続部24及びホース挿入口23を備えた取付け基材B1を、配管挿通孔4を覆う状態で壁部1の室内側壁面1aに取付ける際、壁部1の配管挿通孔4に装着されている取付け基材B1の係合部40を、係合解除位置から孔径方向に沿って係合位置に切り替えると、係合部40が壁部1の配管挿通孔4の開口周縁部分1cに対して孔径方向から係合する(
図4参照)。これにより、壁部1の配管挿通孔4に装着されている取付け基材B1を簡単に仮止めすることができるので、取付け基材B1の取付け作業の容易化、能率化を図ることができる。
【0037】
係合部40の各々は、
図3〜
図6に示すように、壁部1の配管挿通孔4の開口周縁部分1cに係合可能な合成樹脂製の係合部材41と、係合部材41を孔径方向に移動案内する移動ガイド部42から構成されている。
係合部材41には、
図4に示すように、取付け基材B1の底壁部21の前面に沿って摺動可能な摺動板部41Aと、壁部1の配管挿通孔4の内面に孔径方向から当接可能な係合位置規制板部41Bと、壁部1における配管挿通孔4の開口周縁部分1cの室内側壁面1aに当接可能な第1係止片41Cと、壁部1における配管挿通孔4の開口周縁部分1cのパイプスペースPS側の室外側壁面1bに当接可能な第2係止片41Dと、取付け基材B1の底壁部21に形成された孔径方向に沿うスリット42Aに抜け止め状態で係合する抜け止め爪41Eと、が主要構成として備えられている。
係合位置規制板部41Bは、
図3〜
図6に示すように、摺動板部41Aの孔径方向の一端に一体形成され、係合位置規制板部41Bの位置規制面で、且つ、壁部1の壁厚に略相当する間隔をおいた部位には、第1係止片41Cと第2係止片41Dとが一体形成されている。摺動板部41Aの摺接面側には、スリット42Aを通過可能な幅にまで弾性復元力に抗して縮小変形可能な一対の抜け止め爪41Eが一体形成されている。さらに、係合位置規制板部41Bと摺動板部41Aとに亘って補強板部41Fが一体形成されている。
また、
図3〜
図6に示すように、第1係止片41Cの先端部及び第2係止片41Dの先端部で、且つ、取付け基材B1の鍔部22に形成されている第2取付け孔33に対応する部位には、室内側から捻じ込まれる第2ビス32が螺進可能で、且つ、第2ビス32の螺進に伴って第1係止片41C及び第2係止片41Dを壁挾持状態に引き寄せ固定する固定用孔41c,41dが形成されている。
【0038】
移動ガイド部42には、
図4〜
図6に示すように、取付け基材B1の底壁部21に形成された孔径方向に沿うスリット42Aと、係合部材41の移動領域の少なくとも両側を囲む移動ガイド壁部42Bと、係合部材41の第1係止片41Cが孔径方向から嵌合する状態で取付け基材B1の鍔部22の表面に窪み形成された嵌合ガイド溝42Cと、が備えられている。
取付け基材B1の鍔部22の嵌合ガイド溝42Cに係合部材41の第1係止片41Cが嵌合し、且つ、壁部1の配管挿通孔4の内面に係合部材41の係合位置規制板部41Bが当接したとき、係合部材41が移動領域の係合位置に位置する。また、係合部材41の第1係止片41Cが鍔部22の嵌合ガイド溝42Cから径方向内方に離脱し、第1係止片41C及び第2係止片41Dの各先端までの半径が、取付け基材B1の嵌合筒状部20の外周面の半径と同径又はそれよりも小径になったとき、係合部材41は移動領域の係合解除位置に位置する。
【0039】
そして、壁部1の配管挿通孔4に装着されている取付け基材B1の係合部40を係合位置に切り替えたとき、第1係止片41C及び第2係止片41Dが壁部1の開口周縁部分1cの表裏に当接可能な係合状態になる。この状態で第1係止片41C及び第2係止片41Dの固定用孔41c,41d及び、取付け基材B1の鍔部22に形成されている第2取付け孔33に対して室内側から第2ビス32を捻じ込む。この第2ビス32の螺進に伴って第1係止片41C及び第2係止片41Dが壁挾持状態に引き寄せ固定される。これにより、壁部1が石膏ボードであっても、石膏ボードの割れ等の発生を抑制した状態で取付け基材B1を強固に取付けることができる。
【0040】
図4、
図8に示すように、取付け基材B1の各移動ガイド壁部42Bにおける両側板部分42bの先端側には、コーナーカバーB2を構成する後述の端部カバー体52のフランジ部52dを受け止め支持する高位置の第1受け面44と、目隠しカバーB4の外周縁の補強リブ71を受け止め支持する低位置の第2受け面45とが階段状に形成されている。
【0041】
図4、
図8に示すように、取付け基材B1の鍔部22の嵌合ガイド溝42Cのうち、取付け姿勢で最下位部位に位置する嵌合ガイド溝42Cは、配管カバー具Bの内部で発生した結露水を集合して外部に流下排出する排水路10に兼用構成されている。この排水路10は、最下位部位に位置する移動ガイド壁部42Bの両側板部分42bの外面間寸法よりも大きな幅を備えた正面視逆向きの五角形状に窪み形成されている。
上述の構成により、取付け基材B1の内部空間で結露水が発生したとき、結露水は最下位部位に位置する移動ガイド壁部42Bの両側板部分42bの外面に沿って排水路10内に流入し、流入した結露水は、排水路10である嵌合ガイド溝42C内に入り込んだ係合部材41の第1係止片41Cの外側縁に沿って流下し、集合した結露水は排水路10の最下端の排水口10aから外部に排出される。この排出された結露水は室内側壁面1aに沿って一筋状に流下するので、配管カバー具Bの取付け基材B1の内部で結露水が発生していることを早期に発見することができ、結露水の処理を容易に行うことができる。
【0042】
コーナーカバーB2には、
図1〜
図3に示すように、取付け基材B1の鍔部22の装着凹部26において、壁部1の室内側壁面1aに当接した状態で入り込み配置される取付けベース51と、取付け基材B1の底壁部21に形成されているホース挿入口23の室内開口側において屈曲するドレンホース3の第1屈曲ホース部分3Bを覆う端部カバー体52と、が備えられている。
取付けベース51には、
図2、
図3に示すように、壁部1の室内側壁面1aに第1ビス27でねじ込み固定するための第3取付け孔51aが形成され、取付けベース51と端部カバー体52との相対向する部位には、取付けベース51に対して端部カバー体52を脱着自在に係合保持する係合手段(図示省略)が設けられている。
端部カバー体52は、
図2、
図3に示すように、天井壁部52aと左右の側壁部52b及びこれらの先端側に連続する半円筒状側壁部52cとを一体成形して構成されている。さらに、両側壁部52b及び半円筒状側壁部52cには、外方に略Uの字状に張り出すフランジ部52dが一体形成されている。端部カバー体52のフランジ部52dは、取付け基材B1の各移動ガイド壁部42Bにおける両側板部分42bの先端側の高位置の第1受け面44に当接状態で安定支持される。
【0043】
化粧カバーB3は、
図1〜
図3、
図9に示すように、取付け基材B1の鍔部22の輪郭形状と略同一の輪郭形状に構成された偏平状の化粧カバー体60を備え、この化粧カバー体60には、端部カバー体52の両側壁部52b及び半円筒状側壁部52cに外嵌装着するため略Uの字状の嵌合装着口部61が形成されている。また、化粧カバー体60の裏面の周方向4箇所には、取付け基材B1の鍔部22の周方向4箇所に形成された第1係合孔29に対して係脱可能な第1係止爪62が一体形成されている。この構成により、化粧カバー体60は、端部カバー体52のフランジ部52d及び取付け基材B1の露出部分を覆う状態で当該取付け基材B1に脱着自在に取付けられる。
また、化粧カバーB3の裏面における嵌合装着口部61の周縁には内側補強リブ63が一体形成され、化粧カバーB3の裏面における外周縁には外側補強リブ64が一体形成されている。
【0044】
目隠しカバーB4は、
図7に示すように、化粧カバーB3の嵌合装着口部61の輪郭形状と略同一の輪郭形状に構成された目隠しカバー体70を備えている。この目隠しカバー体70は、化粧カバーB3の嵌合装着口部61内に略隙間の無い状態で、且つ、化粧カバーB3の表面に略面一に連続する状態で内嵌する。この内嵌状態では、目隠しカバー体70の外周縁の補強リブ71は、取付け基材B1の各移動ガイド壁部42Bにおける両側板部分42bの先端側の底位置の第2受け面45に当接状態で安定支持される。
また、
図10に示すように、目隠しカバー体70の裏面のうち、取付け基材B1の嵌合筒状部20の前端面20aに対応する部位には、嵌合筒状部20の前端面20aに形成されている一対の第2係合孔30に対して係脱自在な第2係止爪72が一体形成されている。さらに、目隠しカバーB4の湾曲中央位置には、化粧カバーB3の外側補強リブ64の湾曲中央位置に形成された係合凹部65に係合する係合突起73が形成されている。
【0045】
挿入ガイド管7は、
図3に示すように、可撓性の蛇腹管の一例である鞘管から構成され、挿入ガイド管7の一端部は、排水管2の合流継手2Aに水密状態で接続されている樹脂製の接続部材9の大径接続部9aに差し込み接続されている。挿入ガイド管7の一端部と接続部材9の大径接続部9aとの接合部も水密状態に密封処理されている。挿入ガイド管7の他端部は、取付け基材B1の管接続部24に差し込み接続されている。挿入ガイド管7の露出部分には、筒状の断熱材8が外装状態で装着されている。
排水管2の合流継手2Aと取付け基材B1の管接続部24とを挿入ガイド管7で接続することにより、取付け基材B1のホース挿入口23から排水管2の合流継手2Aまでのドレン配設経路を簡単に構築することができる。しかも、室内側壁面1aに設けられた取付け基材B1のホース挿入口23から挿入ガイド管7内に沿ってドレンホース3を差し込むだけで、空調室内機A1のドレン配管施工が完了する。
本実施形態においては、ドレンホース3の先端は、
図3に示すように、挿入ガイド管7の縦ガイド管部分7Bの上下中間位置に配置されている。そのため、ドレンホース3からの排出されたドレン水の一部は、縦ガイド管部分7Bの下部側の内周面に沿って接続部材9内に流入し、排水管2の合流継手2Aに排水される。
なお、ドレンホース3の先端を接続部材9内又は排水管2の合流継手2A内にまで差し込み配置することも、本発明の実施形態の中に含まれる。
【0046】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、化粧カバーB3の嵌合装着口部61を、端部カバー体52の両側壁部52b及び半円筒状側壁部52cとで構成される側壁面のうち、フランジ部52dの近接部位に嵌合装着して、この化粧カバーB3により、端部カバー体52のフランジ部52dと取付け基材B1の露出部分とを覆うように構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、化粧カバーB3の嵌合装着口部61を、端部カバー体52のフランジ部52dの外周縁に沿う大きさに構成して、取付け基材B1の露出部分のみを覆うように構成してもよい。
【0047】
(2)上述の実施形態では、空調室内機A1のドレン水排出口部に接続される可撓性のドレンホース3を、鞘管等の蛇腹管から構成したが、少なくとも内周面が滑らかな円筒面に形成される樹脂製の可撓性ホースから構成してもよい。
【0048】
(3)上述の実施形態では、取付け基材B1の周方向三箇所に、壁部1の配管挿通孔4の開口周縁部分1cに対して孔径方向から係脱自在な係合部40を設けたが、この係合部40を、取付け基材B1の周方向の一箇所又は二箇所或いは四箇所以上に設けてもよい。
【0049】
(4)上述の実施形態では、取付け基材B1に、壁部1の配管挿通孔4の開口周縁部分1cに対して孔径方向から係脱自在な係合部40を設けたが、このような係合部40を設けずに、取付け基材B1を壁部1にねじや接着剤等の適宜固定手段で固定してもよい。
【0050】
(5)上述の実施形態では、取付け基材B1の鍔部22のうち、配管用カバー6に対応する接続側部位に、コーナーカバーB2の取付けベース51が壁部1の室内側壁面1aに当接した状態で入り込み配置可能な装着凹部26を形成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、取付け基材B1の鍔部22のうち、コーナーカバーB2の取付けベース51が入り込み状態で重合配置される部位の厚みを、他の部位の厚みよりも薄く構成してもよい。
この場合も、取付け基材B1の鍔部22と取付けベース51とを、室内側壁面1aとの間に隙間が発生することを抑制した状態で体裁良く取付けることができる。