(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電磁石装置の全体構成を示す断面概略図である。電磁石装置70は、磁場を発生する一つ以上の超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する図示しない磁場調整装置を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置で調整された磁場での磁束の磁路となる一対の磁極25,54、円筒形状あるいは多角筒形状のヨーク天板21(第2磁性体)、ヨーク側壁22(第1磁性体)、およびヨーク底板52(第2磁性体)を有している。なお、
図1では、電磁石装置70の断面を概略するにあたり磁極25,54、ヨーク天板21、ヨーク側壁22、突起物24の断面を図示し、超伝導コイル23の断面は示していない。
【0017】
ヨーク天板21側の外部(ヨーク天板21とヨーク側壁22の接合部18の反対面である外面に)ヨーク側壁22の筒状内面を軸方向に延ばした仮想面20(
図3参照)上にかかるように、輪状(環状)の突起物24(リブ)が設けられている。突起物24(リブ)は、磁気吸引力により発生したヨーク天板21の撓みを抑える補強部材である。
【0018】
ここで、突起物24の厚みはヨーク天板21の厚みよりも大きいことが望ましい。また、突起物24はヨーク天板21外周端にかかるように設置されても良い。
【0019】
電磁石装置70は、粒子保持機にも用いられている。粒子保持機は、イオン等の荷電粒子をループ軌道上に運動させることでその荷電粒子を保持することができる。そして、荷電粒子を保持することで、その荷電粒子の寿命等を測定することができる。粒子保持機に用いられる電磁石装置でも、静磁場を発生させる静磁場コイルとして、超伝導コイルが用いられている。超伝導コイルが永久電流モードで通電されることにより、巻回されたコイル径方向中央部の静磁場強度を時間的に一定に保つことができ、荷電粒子のループ軌道を安定させることができる。
【0020】
静磁場コイルである超伝導コイル23に永久電流モードで通電している場合、その超伝導コイル23をくぐる磁束は保存され、静磁場の磁場強度を時間的に一定に保つ。超伝導コイル23内部に保存された磁束は磁極25およびヨークを通過し、磁路を形成する。磁路が形成されると、磁化した磁極およびヨークと超伝導コイル23との間に磁気吸引力が発生する。発生する磁気吸引力は式(1)となる。
【0022】
例えば、ヨーク天板21に式(1)の磁気吸引力が発生した際、ヨーク天板21の撓みは式(2)となる。
【0023】
【数2】
ヨークの撓みを低減するためには、前記Iを大きくするヨーク構造が必要となる。
【0024】
また、ヨークの撓みが発生すると、ヨーク天板部とヨーク側板部の接合箇所角部に応力集中が発生する。その際の最大応力は式(3)となる。
【0025】
【数3】
式(3)のσ
maxがヨークの降伏点より大きくなると、クリープが発生する。クリープを低減するためには、前記AおよびZを大きくするヨーク構造が必要となる。
ここで、磁束が磁極およびヨークを通過する際、磁極およびヨークの磁気抵抗は、式(4)となる。
【0026】
【数4】
巻回されたコイル径方向中央部の静磁場強度を時間的に一定に保つためには、コイル周囲のヨークの磁気抵抗がコイル周回方向で磁場微調整可能な範囲で一定である必要がある。
【0027】
最初に、従来技術の問題点について説明する。
<<比較例>>
図2は、比較例におけるヨーク天板および磁極に磁気吸引力が発生した際の撓みを示す変形模式図である。
図2に示すようにヨーク天板21に突起物24が設けられること無く、式(1)で示される磁気吸引力による式(3)のσ
maxがヨークの降伏点より大きくなると、ヨーク天板21は撓み、変形後、ヨーク天板81のように図示しないコイル磁石の方向へ変形する。
【0028】
図17は、従来の構造体を示す模式図である。
図17に示す特許文献1は、構造体1を構成する一対の部材2の内側面5および外側面6が構造体1の中心から外側に向かう曲率半径を有し、構造体1の面内に収まる曲線上にあることを開示している。さらに、特許文献1は、内側面5の曲率半径R2が外側面6の曲率半径R1よりも大きいことで、部材2の撓みyの低減に有効であることを開示している。すなわち、内側面5の曲率半径R2を外側面6の曲率半径R1より大きくすることで、部材2の中央付近4の部分の高さhを部材2の端部の高さに比べて大きくすることができ、この部分の断面二次モーメントを大きくすることができる。したがって、断面の肉厚を薄くして軽量化することが可能になるとともに、内側面5および外側面6が構造体1の中心から外側に向かう曲率半径を有する曲線上にあることにより角部7での曲げモーメントを小さくできる。
【0029】
しかしながら、部材2が部材2の両端部に配置される、対向する部材3による両端支持ではなく、対向する部材3のいずれかが存在しない片端支持の場合、部材2の中央付近4の部分の高さhが端部に比べ大きくなった分だけ、部材2の重量が増加し、部材2の撓みが大きくなる。さらに、角部7での曲げモーメントが大きくなる。
【0030】
さらに、部材2の内側面5が構造体1の中心から外側に向かう曲率半径を有した構造体1を電磁石装置に適用した場合、構造体1の内部に配置される磁石と部材2との間隔が曲率半径に依存して変化するため、磁場の分布を一定に保つことが困難となる。
【0031】
さらに、部材2の内側面5および外側面6が構造体1の中心から外側に向かう曲率半径を有し、さらに内側面5の曲率半径R2が外側面6の曲率半径R1よりも大きい構造体1を電磁石装置に適用した場合、部材2の磁気抵抗が部材2の面内長手方向に渡って変動するため、磁場分布の均一度が低下する。よって、部材2の磁気抵抗変動量が部材2の面内短手方向で一定となるよう、部材2作製の際に圧延条件の設定、研磨等の作業が発生し、作製が困難となる。
【0032】
図18は、従来の重ね継手を示す模式図である。
図18に示す特許文献2は、金属部材12と繊維強化複合材料部材14とを重ね合わせて形成されている重ね継手10において、重ね部16における金属部材12の板厚と繊維強化複合材料部材14の板厚とが変化していることを開示している。さらに、特許文献2は、重ね部16における金属部材12と繊維強化複合材料部材14とには、重ね部16の端縁部16a、16bに向けて板厚が次第に小さくなるように傾斜した傾斜面12a、14aが形成されており、金属部材側の端縁部16aと繊維強化複合材料部材側の端縁部16bとの応力集中の緩和に有効であることを開示している。
【0033】
しかしながら、重ね部16における金属部材12と繊維強化複合材料部材14とについて、重ね部16の端縁部16a、16bに向けて板厚が次第に小さくなるように板厚を傾斜させることにより、重ね部16の端縁部16a、16bに向けて金属部材12と繊維強化複合材料部材14との剛性が次第に小さくなる。すると、重ね部16の端縁部16a、16bでは、せん断変形が大きくなり、せん断変形の結果発生する応力が重ね部16の降伏点より大きくなると、クリープが発生する。
【0034】
よって、重ね部16の端縁部16a、16bに向けて板厚が次第に小さくなるように板厚を傾斜させた重ね継手10を電磁石装置に適用した場合、クリープが発生した場合に、電磁石装置の磁石と金属部材12あるいは繊維強化複合材料部材14との間隔が変化し、磁場の分布を一定に保つことが困難となる。
以上、従来の問題点を解決する実施例について、
図3〜
図16を参照して説明する。
【0035】
<<実施例1>>
図3は、実施例1に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図3に、電磁石装置70Aの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。電磁石装置70Aは、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21(第2磁性体)とヨーク側壁22(第1磁性体)は接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に輪状の突起物24が設けられている。
【0036】
突起物24は、ヨーク天板21を切削加工する際に、ヨーク天板21の外面と突起物24とが一体に形成されるように切削加工により作成されている。
【0037】
本実施例に係る突起物24の素材は、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0038】
実施例1の電磁石装置70Aは、筒状の第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)と、第1磁性体の両端に設けられた平板状の複数の第2磁性体(例えば、ヨーク天板21、ヨーク底板52(
図1参照)))と、第1磁性体の内部に配設され、第1磁性体の軸方向に磁場を発生する超伝導コイル23と、を有している。第2磁性体の少なくとも一方(例えば、ヨーク天板21)は、第1磁性体と第2磁性体との接合部18の反対面である外面に、第1磁性体の筒状内面を軸方向に延ばした仮想面20上にかかるように環状の第1リブ(例えば、突起物24)が配設される。これにより、ヨーク天板21および磁極25に磁気吸引力が発生した際の撓みを抑止することができる。
【0039】
<<実施例2>>
図4は、実施例2に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図4に本実施例における、電磁石装置70Bの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Bは、実施例1と同様に、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に輪状の突起物24が設けられている。
【0040】
突起物24は、ヨーク天板21とは別体で作成されており、ヨーク天板21と突起物24の設置面境界26および設置面境界26に対向する設置面境界26Bを溶接することにより設置される。
【0041】
本実施例に係る突起物24の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0042】
実施例2の電磁石装置70Bの第1リブ(例えば、突起物24)は、第2磁性体(例えば、ヨーク天板21)と別体である。また、第1リブは、第2磁性体と溶接により結合されている。これにより、ヨーク天板21と突起物24は固着されており、ヨーク天板21および磁極25に磁気吸引力が発生した際の撓みを抑止することができる。
【0043】
<<実施例3>>
図5は、実施例3に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図5に本実施例における、電磁石装置70Cの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Cは、実施例1と同様に、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に輪状の突起物24が設けられている。
【0044】
突起物24は、ヨーク天板21とは別体に作成されている。ヨーク天板21と突起物24は、ヨーク天板21中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば、ボルト27および28により締結される。なお、ヨーク天板21とヨーク側壁22とは、接合部18を介して別途固着されている。
【0045】
本実施例に係る突起物24の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0046】
実施例3の電磁石装置70Cの第1リブ(例えば、突起物24)は、第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)の軸心に対し半径方向で、仮想面20(
図3参照)の内側および外側において、第2磁性体(ヨーク天板21)とボルト(例えば、ボルト27,28)で締結する。これにより、ヨーク天板21と突起物24は固着されており、ヨーク天板21および磁極25に磁気吸引力が発生した際の撓みを抑止することができる。
【0047】
<<実施例4>>
図6は、実施例4に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図6に本実施例における、電磁石装置70Dの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Dは、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に多角形輪状の突起物30が設けられている。すなわち、突起物30は、ヨーク側壁22の軸心に対し半径方向断面において、多角形環状の形状を有している。
【0048】
突起物30は、ヨーク天板21を切削加工する際に、ヨーク天板21外面と突起物30とが一体となるように切削加工により形成されている。
【0049】
本実施例に係る突起物30の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0050】
<<実施例5>>
図7は、実施例5に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図7に本実施例における、電磁石装置70Eの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Eは、実施例4と同様に、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に多角形輪状の突起物30が設けられている。すなわち、突起物30は、ヨーク側壁22の軸心に対し半径方向断面において、多角形環状の形状を有している。
【0051】
突起物30は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物30の設置面境界32および設置面境界32に対向する設置面境界32Bを溶接することにより設置される。
【0052】
本実施例に係る突起物30の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0053】
<<実施例6>>
図8は、実施例6に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図8に本実施例における、電磁石装置70Fの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Fは、実施例4と同様に、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に多角形輪状の突起物30が設けられている。すなわち、突起物30は、ヨーク側壁22の軸心に対し半径方向断面において、多角形環状の形状を有している。
【0054】
突起物30は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物24は、ヨーク天板中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば、図示されるボルト27および28により締結される。
【0055】
本実施例に係る突起物30の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0056】
実施例6の電磁石装置70Fの第1リブ(例えば、突起物30)は、第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)の軸心に対し半径方向で、仮想面20(
図3参照)の内側および外側において、第2磁性体(ヨーク天板21)とボルト(例えば、ボルト27,28)で締結する。これにより、ヨーク天板21と突起物30は固着されており、ヨーク天板21および磁極25に磁気吸引力が発生した際の撓みを抑止することができる。
【0057】
<<実施例7>>
図9は、実施例7に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図9に本実施例における、電磁石装置70Gの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Gは、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21中心よりヨーク天板21外周に向かって分割部35によって扇状に分割されたヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に輪状の突起物30が設けられている。すなわち、突起物30は、ヨーク側壁22の軸心に対し半径方向断面において、多角形環状の形状を有している。
【0058】
突起物30は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物24は、ヨーク天板21中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば図示されるボルト27および28により、ヨーク天板21中心よりヨーク天板外周に向かって分割部35によって扇状に分割されたヨーク分割天板21a,21b,21cに渡って、締結される。
【0059】
本実施例に係る突起物30の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0060】
<<実施例8>>
図10は、実施例8に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図10に本実施例における、電磁石装置70Hの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Hは、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21の半径方向に分割部37によって環状に分割されたヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に輪状の突起物30(第1リブ)、およびヨーク天板21の半径方向内側に突起物39(第2リブ)が設けられている。
【0061】
突起物30は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物30は、ヨーク天板中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば図示されるボルト27および28により、締結される。
【0062】
突起物39はヨーク天板の半径方向に分割部37によって環状に分割された、ヨーク天板21の内側部分21dと外側部分21eとの間に形成される接合部のうち、内側接合部38の角部にかかるように、図示しない溶接または半径方向に2個以上のボルトにより締結されている。
【0063】
本実施例に係る突起物30,39の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0064】
実施例8の第2磁性体(例えば、ヨーク天板21)は、第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)の軸心に対し半径方向に分割されており、分割された第2磁性体のうち半径方向内側磁性体(例えば、内側部分21d)と半径方向外側磁性体(例えば、外側部分21e)との間で1つ以上の円柱面を有する接合部を介して接合されており、分割された第2磁性体は、接合部のうち、内側接合部の円柱面を軸方向に延ばした仮想面上にかかるように環状の第2リブが配設される。これにより、ヨーク天板21が半径方向に分割されている場合においても、ヨーク天板21および磁極25に磁気吸引力が発生した際の撓みを抑止することができる。
【0065】
<<実施例9>>
図11は、実施例9に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図11に本実施例における、電磁石装置70Iの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Iは、実施例8と同様に、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21の半径方向に分割部37によって環状に分割されたヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に輪状の突起物30およびヨーク天板21の半径方向内側に突起物39が設けられている。
【0066】
突起物30は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物30は、ヨーク天板中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば図示されるボルト27および28により、締結される。
【0067】
突起物39は、ヨーク天板21の半径方向に分割部37によって環状に分割された、ヨーク天板21の内側部分21dと外側部分21eとの間に形成される接合部のうち、内側接合部38の角部にかかるように、図示しない溶接または半径方向に2個以上のボルトにより締結されている。
【0068】
実施例9は、実施例8と比較して、さらに、突起物30と突起物39との間は、ヨーク天板21の中心から外周方向に向かって、ワイヤ41により締結されている。
【0069】
本実施例に係る突起物の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0070】
本実施例に係る突起物同士を締結するワイヤ41は、構造用ストランドロープ、構造用スパイラルロープ、構造用ロックドコイルロープ、平行線ストランド、被覆平行線ケーブル、およびPCケーブルのいずれかである。
【0071】
<<実施例10>>
図12は、実施例10に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図12に本実施例における、電磁石装置70Jの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Jは、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板の半径方向に分割部37によって環状に分割されたヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18に接合されており、ヨーク天板21側の外部に、断面形状が台形の輪状の突起物43(第1リブ)、およびヨーク天板21の半径方向内側に断面形状が台形の突起物44(第2リブ)が設けられている。
【0072】
突起物43は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物43は、ヨーク天板中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば図示されるボルト27および28により、締結される。
【0073】
突起物44は、ヨーク天板21の半径方向に分割部37によって環状に分割された、ヨーク天板21の内側部分21dと外側部分21eとの間に形成される接合部のうち、内側接合部38の角部にかかるように、図示しない溶接または半径方向に2個以上のボルトにより締結されている。
【0074】
本実施例に係る突起物43,44の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0075】
実施例10の第1リブ(例えば、突起物43)および第2リブ(例えば、突起物44)は、第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)の軸方向の断面形状が台形である。具体的には、第1リブおよび第2リブの台形は、ヨーク天板21側辺が対向する辺に比べて長い台形である。
【0076】
<<実施例11>>
図13は、実施例11に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図13に本実施例における、電磁石装置70Kの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Kは、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板21の半径方向に分割部37によって環状に分割されたヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板側の外部に、断面形状が三角形の輪状の突起物46(第1リブ)、およびヨーク天板21の半径方向内側に断面形状が三角形の突起物47(第2リブ)が設けられている。
【0077】
突起物46は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物46は、ヨーク天板中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば図示されるボルト27および28により、締結される。
【0078】
突起物47は、ヨーク天板21の半径方向に分割部37によって環状に分割された、ヨーク天板21の内側部分21dと外側部分21eとの間に形成される接合部のうち、内側接合部38の角部にかかるように、図示しない溶接または半径方向に2個以上のボルトにより締結されている。
【0079】
本実施例に係る突起物46,47の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0080】
実施例11の第1リブ(例えば、突起物46)および第2リブ(例えば、突起物47)は、第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)の軸方向の断面形状が三角形である。
【0081】
<<実施例12>>
図14は、実施例12に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図14に本実施例における、電磁石装置70Lの高さ方向上部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Lは、磁場を発生する超伝導コイル23、超伝導コイル23が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極25、ヨーク天板の半径方向に分割部37によって環状に分割されたヨーク天板21およびヨーク側壁22を有している。ヨーク天板21とヨーク側壁22は、接合部18で接合されており、ヨーク天板21側の外部に、断面形状が略半円形の輪状の突起物49(第1リブ)、およびヨーク天板21の半径方向内側に断面形状が略半円形の突起物50(第2リブ)が設けられている。
【0082】
突起物49は、ヨーク天板21とは別体に作成されており、ヨーク天板21と突起物49は、ヨーク天板中心から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設ける、例えば図示されるボルト27および28により、締結される。
【0083】
突起物50は、ヨーク天板21の半径方向に分割部37によって環状に分割された、ヨーク天板21の内側部分21dと外側部分21eとの間に形成される接合部のうち、内側接合部38の角部にかかるように、図示しない溶接または半径方向に2個以上のボルトにより締結されている。
【0084】
本実施例に係る突起物49,50の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0085】
実施例12の第1リブ(例えば、突起物49)および第2リブ(例えば、突起物50)は、第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)の軸方向の断面形状が略半円形である。
【0086】
<<実施例13>>
図15は、実施例13に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図15に本実施例における、電磁石装置70Mの高さ方向下部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Mは、磁場を発生する超伝導コイル53、超伝導コイル53が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極54、ヨーク底板52、ヨーク底板52に図示しない溶接あるいはボルトにより締結される装置脚55およびヨーク側壁22を有している。ヨーク底板52とヨーク側壁22は、接合部57で接合されており、ヨーク底板52側の外部に装置脚55を避けながら、断続的に輪状の突起物56が設けられている。
【0087】
突起物56は、ヨーク底板52とは別体に作成されており、ヨーク底板52に対し図示しない溶接あるいはボルトにより締結されている。
【0088】
本実施例に係る突起物56の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0089】
実施例13の電磁石装置70Mは、筒状の第1磁性体(例えば、ヨーク側壁22)と、第1磁性体の両端に設けられた平板状の複数の第2磁性体(例えば、ヨーク天板21、ヨーク底板52(
図1参照)))と、第1磁性体の内部に配設され、第1磁性体の軸方向に磁場を発生する超伝導コイル53と、を有している。第2磁性体の少なくとも一方(例えば、ヨーク底板52)は、第1磁性体と第2磁性体との接合部57の反対面である外面に、第1磁性体の筒状内面を軸方向に延ばした仮想面58上にかかるように断続的に環状の第1リブ(例えば、突起物56)が配設される。これにより、ヨーク底板52および磁極54に磁気吸引力が発生した際の撓みを抑止することができる。
【0090】
<<実施例14>>
図16は、実施例14に係る電磁石装置を示す断面構造模式図である。
図16に本実施例における、電磁石装置70Nの高さ方向下部抜粋および周方向に4分割した断面模式図を示す。本実施例の電磁石装置70Nは、実施例13と同様に、磁場を発生する超伝導コイル53、超伝導コイル53が発生した磁場を調整する磁場調整装置19を構成するコイルあるいは鉄片、磁場調整装置19で調整された磁場での磁束の磁路となる磁極54、ヨーク底板52、ヨーク底板に図示しない溶接あるいはボルトにより締結される装置脚55およびヨーク側壁22を有している。ヨーク底板52とヨーク側壁22は、接合部57で接合されており、ヨーク底板52側の外部に装置脚55を避けながら、断続的に輪状の突起物56が設けられている。
【0091】
突起物56は、ヨーク底板52とは別体に作成されており、ヨーク底板52に対し図示しない溶接あるいはボルトにより締結されている。
【0092】
実施例14は、突起物56と図示しないヨーク天板21(
図1参照)に設置されている突起物(例えば、突起物24)との間は、ヨーク底板52の中心から外周方向に向かって、ワイヤガイド60を介して、ワイヤ59により締結されている。
【0093】
本実施例に係る突起物56の素材は、実施例1と同様に、ヤング率100MPa以上を有し、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンである。
【0094】
本実施例に係る突起物同士を締結するワイヤ59は、構造用ストランドロープ、構造用スパイラルロープ、構造用ロックドコイルロープ、平行線ストランド、被覆平行線ケーブル、およびPCケーブルのいずれかである。
【0095】
以上、本実施形態によれば、磁気吸引力によるヨーク天板21の撓み変形が最小限となり、磁気吸引力により発生したヨーク天板21の撓みに起因する、ヨーク天板21とヨーク側壁22の接合箇所角部に発生する応力の集中を最小限にすることで、超伝導コイル23によって生成された磁場の均一性に優れた電磁石装置を提供することができる。
【0096】
本実施形態の電磁石装置70は、
図1に示すように、筒状のヨーク側壁22と、ヨーク側壁22の両端に設けられた平板状のヨーク天板21およびヨーク底板52と、ヨーク側壁22の内部に配設され、ヨーク側壁22の軸方向に磁場を発生する超伝導コイル23と、を有し、ヨーク天板21は、ヨーク側壁22とヨーク天板21との接合部18の反対面である外面に、ヨーク側壁22の筒状内面を軸方向に延ばした仮想面(
図3の仮想面20参照)上にかかるように環状の突起物24が配設される。
【0097】
本実施形態は、電磁石装置70のヨーク構造において、円筒状または多角筒状のヨーク側壁22およびヨーク側壁22の上下両端に設けられた円平板状または多角平板状のヨーク天板21およびヨーク底板52と、ヨーク側壁22の内部に収められる超伝導コイル23を有する電磁石装置において、ヨーク天板21とヨーク側壁22の接合部18のヨーク天板21側の外部に、円輪状または多角形輪状(軸方向断面形状が円環状または多角形環状)の突起物(例えば、突起物24)を有する。
【0098】
本実施形態の突起物は、ヨーク天板21を切削加工する際に、ヨーク天板21外面と突起物24とが一体となるように切削加工し作成することが望ましい。
【0099】
また、突起物24は、突起物24のみ別体で製作し、ヨーク天板21外面に溶接あるいはボルト締結により設置しても良い。
【0100】
本実施形態に係る突起物24の設置位置は、ヨーク天板21とヨーク側壁22の接合部18のヨーク天板21外側にヨーク天板21外面に対して、輪状あるいは多角形輪状に配置される。より望ましくは、ヨーク側壁22の軸心に対し半径方向で、突起物24の位置が、ヨーク天板21とヨーク側壁22の接合部18内側角部の軸方向延長方向にかかるように設置されることが望ましい。
【0101】
また、突起物24のヨーク天板21へのボルト締結位置は、ヨーク天板中心またはヨーク側壁22の軸心)から板外周に向かって半径方向に2箇所以上設けることが望ましい。
【0102】
また、ヨーク天板21が板中心から板外周に向かって扇状に分割される構造の場合、突起物は、ヨーク天板21が一体で分割されない構造である場合と同様に、ヨーク天板21とヨーク側壁22の接合部18のヨーク天板21外側にヨーク天板21外面に対して、輪状あるいは多角形輪状に配置されることを特徴とする。より望ましくは、ヨーク側壁22の軸心に対し半径方向で、突起物の位置が、ヨーク天板21とヨーク側壁22の接合部18内側角部の軸方向延長方向にかかるように、ボルト締結により設置されることが望ましい。
【0103】
また、
図10に示すように、ヨーク天板21が半径方向で分割される構造の場合、突起物39の設置位置は、分割されるヨーク天板21のうち半径方向内側天板(例えば、内側部分21d)と半径方向外側天板(例えば、外側部分21e)との間で1つ以上形成される接合部を有する。そのうちの内側接合部38の角部の軸方向延長方向にかかるように設置されることが望ましい。
【0104】
また、
図11に示すように、ヨーク天板21が半径方向で分割される構造で、ヨーク天板21に突起物が2つ以上(例えば、突起物30,39)設置される場合、突起物間をワイヤ41で締結しても良い。
【0105】
本実施形態に係る突起物の形状は、ヨーク天板21中心からヨーク天板21外周に向かって半径方向の断面形状(軸方向の軸中心断面形状)が矩形、突起物のヨーク天板側辺が対向する辺に比べて長い台形、三角形、略半円形であっても良い。
【0106】
本実施形態に係る突起物の素材は、ヤング率100MPa以上を有することが望ましく、より望ましくは、電気特性や磁気特性が均質である、工業用純鉄材やけい素鋼板、あるいは非磁性材料である、オーステナイト系ステンレス鋼と、高マンガン鋼、高ニッケル合金、チタンが望ましい。
【0107】
本実施形態に係る突起物同士を締結するワイヤは、構造用ストランドロープ、構造用スパイラルロープ、構造用ロックドコイルロープ、平行線ストランド、被覆平行線ケーブル、およびPCケーブルのいずれかであることが望ましい。
【0108】
本実施形態に係る突起物は、
図15および
図16に示すように、ヨーク底板52とヨーク側壁22の接合部57のヨーク底板52の外面に設置されても良い。
【0109】
また、ヨーク底板52の外面に設置される突起物は、ヨーク底板52と電磁石装置70を地面へ設置するための筐体脚(例えば、装置脚55)の間隙に、断続的に設置されていても良い。
【0110】
また、ヨーク天板21の外面に設置される突起物とヨーク底板52の外面に設置される突起物同士をワイヤでつないでも良い。
【0111】
本実施形態に係る電磁石装置は、ヨーク天板21あるいはヨーク底板52に円形または多角形輪状の突起物を配置することに加え、ヨーク側壁22内部に磁場微調整用コイルあるいは鉄片を配置することが望ましい。
【0112】
特に、突起物の形状がヨーク天板21あるいはヨーク底板52に多角形輪状あるいは略輪状に配置された場合、ヨーク側壁22と超伝導コイル23の間に磁場微調整用コイルあるいは鉄片を配置することが望ましい。
【0113】
特に、突起物の形状およびヨーク天板21に対する突起物の設置方法は、ヨーク底板52に対しても、装置脚55との干渉を避けながら、同様として良い。
【0114】
本実施形態により、ヨーク天板21およびヨーク底板52の撓みを抑制しつつ、ヨーク天板21の周方向の磁気抵抗を均一とし、磁場分布の均一度が高く、かつ装置全体の重量増加が最小限となる電磁石装置70を提供することができる。