(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前述の特許文献1に開示された技術においては、ドレン排出口に現実に完全な詰まりが生じたときに初めて清掃バーが作動する構成である。このため、ドレン排出口に異物が付着堆積する過程で詰まりを予測して、ドレン排出口の詰まりを確実に防止することは容易でない。
【0008】
そこで本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップ及びスチームトラップの詰まり予測方法は、これらの問題を解決することを目的とし、確実にスチームトラップの詰まりを防止又は予測することができる詰まり防止機能を有するスチームトラップ及びスチームトラップの詰まり予測方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップは、
ドレンを外部に排出するための排出部を有するスチームトラップであって、
スチームトラップの温度を測定し、温度信号を出力する温度測定部、
前記温度信号に基づき、ドレンを外部に排出するための排出動作を実行した後の前記温度の上昇率が所定の基準率よりも小さいとき、詰まり予測信号を出力する制御部、
前記詰まり予測信号に基づき、排出部に働きかけて清掃を行う清掃部、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本願に係るスチームトラップの詰まり予測方法は、
ドレンを外部に排出するための排出部を有するスチームトラップに関し、当該排出部の詰まりを予測するスチームトラップの詰まり予測方法であって、
スチームトラップの温度を測定し、
ドレンを外部に排出するための排出動作を実行した後の前記温度の上昇率が所定の基準率よりも小さいことを検出する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップにおいては、制御部は温度信号に基づき、ドレンを外部に排出するための排出動作を実行した後の温度の上昇率が所定の基準率よりも小さいとき、詰まり予測信号を出力する。そして清掃部は、この詰まり予測信号に基づき、排出部に働きかけて清掃を行う。
【0012】
すなわち、排出部に詰まりが発生する前兆として、排出対象であるドレンの排出が徐々に不十分になる傾向にあることから、排出動作を実行しても、この傾向に応じて温度の回復は鈍くなり上昇率は徐々に小さくなる。このため、排出動作を実行した後の温度の上昇率が所定の基準率よりも小さいとき、詰まり予測信号に基づいて清掃部が排出部に働きかけて清掃を行うことによって、現実に完全な詰まりが生じる前に排出部を清掃することが可能になり、確実にスチームトラップの詰まりを防止することができる。
【0013】
また、本願に係るスチームトラップの詰まり予測方法においては、ドレンを外部に排出するための排出動作を実行した後の前記温度の上昇率が所定の基準率よりも小さいことを検出する。
【0014】
すなわち、排出部に詰まりが発生する前兆として、ドレンの排出が徐々に不十分になる傾向にあることから、排出動作を実行しても、この傾向に応じて温度の回復は鈍くなり上昇率は徐々に小さくなる。このため、排出動作を実行した後の温度の上昇率が所定の基準率よりも小さいことを検出することによって、スチームトラップの詰まりを確実に予測することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態における用語説明]
実施形態において示す主な用語は、それぞれ本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップ及びスチームトラップの詰まり予測方法の下記の要素に対応している。
クリーニングバー2、クリーニング機構10・・・清掃部
検出部6・・・温度測定部
制御部8・・・制御部
第一バイメタル11・・・低温伸張部材
第二バイメタル12・・・高温伸張部材
バイパス弁16・・・温度調整部
オリフィス35・・・排出部
測定温度データ・・・温度信号
作動信号・・・詰まり予測信号
【0017】
[第1の実施形態]
本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップ及びスチームトラップの詰まり予測方法の第1の実施形態を説明する。
【0018】
(スチームトラップの説明)
産業プラントに設置されている配管系統の随所には、ドレンを適宜、排出するための多数のスチームトラップが設けられている。
図1は本実施形態におけるスチームトラップ90の断面図である。配管の主管(図示せず)には支管81が連通して設けられており、この支管81にスチームトラップ本体90hの接続口99が接続され、ここからスチームトラップ本体90hの弁室91内に蒸気やドレンが矢印101方向に流入する。
【0019】
支管81の上側には、接続口99の直前にバイパス51が連通して設けられており、蒸気はバイパス51にも矢印105方向に流入するが、通常時においてはバイパス弁16が閉じられているため、バイパス51内の蒸気の流れはバイパス弁16で停止し、バイパス弁16に接続されたバイパス52には流入しない。なお、バイパス弁16は、制御部8からの制御信号に従って弁の開閉を行う。
【0020】
スチームトラップ本体90hの弁室91の下方にはドレンを排出するためのオリフィス35が設けられているが、通常時においては、このオリフィス35はフロート95によって塞がれており蒸気漏れが生じないようになっている。フロート95は中空の球状体として構成されている。
【0021】
弁室91にドレンが滞留しドレン水量が一定レベルに達した場合、フロート95はこれにともなって浮上しオリフィス35を開放する。
図1はフロート95が浮上した状態を示している。フロート95の浮上によってドレンは、配管内の高圧に基づく勢いに従い、一気にオリフィス35からドレン排出路98を通して矢印102方向に抜け、ドレン回収管82に排出される。
【0022】
なお、本実施形態におけるスチームトラップ90には、モニタリングセンサ4が設けられている。このモニタリングセンサ4は検出部6、メモリ7及び制御部8を内蔵しており、検出ヘッド5がスチームトラップ本体90hに接した状態で固定されている。モニタリングセンサ4は、検出ヘッド5を通じてスチームトラップ本体90hの温度を所定の周期で測定して検出し、この測定温度データは制御部8に取り込まれる。
【0023】
図2は、
図1に示すモニタリングセンサ4が検出するスチームトラップ90の測定温度の変化を示すグラフであって、スチームトラップ90が正常に作動しドレンを排出している時の測定温度の変化を示すグラフである。スチームトラップ90が正常に作動してドレンを排出している時、測定温度は波形L1が示すように変化する。
【0024】
すなわち、ドレンは蒸気よりも低温であるため、弁室91にドレンが徐々に滞留するに従ってスチームトラップ本体90hの温度も低下し、波形L1は
図2に示すように下降する。そして、前述のように滞留するドレン水量が弁室91内で一定レベルに達した場合、フロート95が浮上してオリフィス35を開放し、ドレンが一気に排出されるため、これに応じて弁室91内には高温の蒸気が流入して充満し、スチームトラップ本体90hの温度は急激に上昇する。
【0025】
図2のグラフにおいて、温度aは、フロート95が浮上してオリフィス35を開放する時点のスチームトラップ本体90hの温度である。以上のように、測定温度はドレンの滞留による低下及びドレンの排出による急激な上昇を繰り返すことになる。
【0026】
(クリーニング機構等の説明)
ところで、オリフィス35にはゴミやスケール等の異物が付着することがある。このような異物が時間の経過によって堆積した場合、オリフィス35の口径が徐々に縮小されてドレンの排出が不十分になり、最終的にオリフィス35が完全に閉塞されて、フロート95が浮上してもドレンがまったく排出されない事態に至る。また、比較的大きな異物がオリフィス35に付着した場合、突然、ドレンがまったく排出されなくなることがある。このような事態を回避するために、本実施形態においてはクリーニング機構10が設けられている。
【0027】
図3はクリーニング機構10近傍の拡大図である。クリーニング機構10はクリーニングバー2を内蔵している。このクリーニングバー2の先端部25は、オリフィス35の近傍に配置されており、クリーニングバー2はオリフィス35に向けて矢印121、122方向に進退可能に保持されている。クリーニングバー2の先端部25の太さは、オリフィス35の口径よりもやや小さく形成されている。
【0028】
なお、クリーニングバー2には、第一受け部21と第二受け部22が一体的に固定されており、第一受け部21とクリーニング機構10の筐体との間には復帰用バネ15が取り付けられ、クリーニングバー2を常時、矢印122方向に付勢している。
【0029】
ここで、クリーニングバー2には、第一バイメタル11が取り付けられている。この第一バイメタル11は、膨張率の異なる2種の部材を貼り合わせ、螺旋状に形成することによって構成されている。そして、第一バイメタル11は、部材の膨張率が異なることを利用し、部材の温度が所定の低温基準以下になったとき、巻径が小さくなることによって螺旋が伸びて矢印121方向に伸張する。そして、この状態から部材の温度が逆に低温基準を上回ったとき、巻径が大きくなることによって螺旋が縮んで矢印122方向に圧縮するように構成されている。
【0030】
なお、第一バイメタル11の先端部分には第一押上板11aが固定されており、この第一押上板11aは前述の第一受け部21に接触可能に位置している。通常時においては、クリーニングバー2が復帰用バネ15によって矢印122方向に付勢されていることによって、第一受け部21と第一押上板11aとは
図3に示すように接触した状態にある。また、第一バイメタル11の後端部分は、クリーニング機構10の筐体側に形成された第一固定壁31に接続され固定されている。
【0031】
さらに、クリーニングバー2には、第二バイメタル12が取り付けられている。この第二バイメタル12も第一バイメタル11と同様、膨張率の異なる2種の部材を貼り合わせ、螺旋状に形成することによって構成されているが、螺旋形状において部材の貼り合わせ方向が表裏逆になるように形成されている。これによって第二バイメタル12は、第一バイメタル11とは逆に、部材の温度が所定の高温基準以上になったとき、巻径が小さくなることによって螺旋が伸びて矢印121方向に伸張する。そして、この状態から部材の温度が高温基準を下回ったとき、巻径が大きくなることによって螺旋が縮んで矢印122方向に圧縮する。
【0032】
なお、第二バイメタル12の先端部分には第二押上板12aが固定されており、この第二押上板12aは前述の第二受け部22に接触可能に位置している。通常時においては、クリーニングバー2が復帰用バネ15によって矢印122方向に付勢されていることによって、第二受け部22と第二押上板12aとは
図3に示すように接触した状態にある。また、第二バイメタル12の後端部分は、クリーニング機構10の筐体側に形成された第二固定壁32に接続され固定されている。
【0033】
第二バイメタル12が配置されているクリーニング機構10の内部空間12Sには、前述のバイパス52が連通しており、バイパス弁16(
図1)が開放されたとき、高温の蒸気が第二バイメタル12に向けて噴入されるようになっている。
【0034】
(オリフィスが完全に詰まった時のクリーニング動作の説明)
前述のように、オリフィス35に比較的大きな異物が付着した場合、突然、ドレンがまったく排出されなくなることがある。このような場合の本実施形態におけるクリーニング動作を説明する。
【0035】
図4は、モニタリングセンサ4が検出するスチームトラップ90の測定温度の変化を示すグラフであって、スチームトラップ90のオリフィス35が完全に詰まった時の測定温度の変化を示すグラフである。オリフィス35が完全に詰まった時、測定温度は波形L2が示すように変化する。
【0036】
すなわち、スチームトラップ90の弁室91にドレンが徐々に滞留するに従ってスチームトラップ本体90hの温度も低下し、波形L2は
図4に示すように下降する。そして、滞留するドレン水量が弁室91内で一定レベルに達した時点で、トラップ本体90hの温度は温度aに達すると共にフロート95は浮上するが、オリフィス35が完全に詰まった状態であるためドレンは排出されず、その結果、波形L2は温度aを通過して下降を続ける。
【0037】
図4のグラフにおいて温度bは、前述の第一バイメタル11についての所定の低温基準である。スチームトラップ本体90hの温度が温度bにまで下降したことによって、第一バイメタル11の螺旋が伸び矢印121方向に伸張する。この時の状態を示すものが
図5である。
【0038】
図5に示すように、第一バイメタル11が矢印121方向に伸張することによって、第一バイメタル11に固定された第一押上板11aが第一受け部21を矢印121方向に押し上げ、これによってクリーニングバー2の先端部25がオリフィス35に向けて進出する。この先端部25の進出による働きかけによって、オリフィス35に付着した異物は弁室91(
図1)内に押し戻されて除去され、先端部25とオリフィス35との隙間からドレンが排出される。なお、この時、第二バイメタル12の螺旋形状には変化は生じないため、第二押上板12aと第二受け部22との間には第二スペース76が生じることになる。
【0039】
ドレンの排出にともなって、スチームトラップ90の弁室91内には高温の蒸気が流入し、
図4に示すようにトラップ本体90hの温度は温度bから上昇を始める。そして、スチームトラップ本体90hの温度の上昇によって、第一バイメタル11も低温基準(温度b)を上回り、第一バイメタル11の螺旋が縮み矢印122方向に圧縮する。この第一バイメタル11の圧縮に従い、復帰用バネ15の付勢を受けてクリーニングバー2も矢印122方向に後退し、
図3に示す状態に復帰する。
【0040】
(オリフィスに詰まりの兆候が現れた時のクリーニング動作の説明)
続いて、オリフィス35に異物が付着して時間の経過によって堆積し、オリフィス35の口径が徐々に縮小されるといった、詰まりの兆候が現れた時の詰まり予防のためのクリーニング動作を説明する。
【0041】
図6は、モニタリングセンサ4が検出するスチームトラップ90の測定温度の変化を示すグラフであって、スチームトラップ90のオリフィス35に詰まりの兆候が現れた時の測定温度の変化を示すグラフである。オリフィス35に詰まりの兆候が現れた時、測定温度は波形L3が示すように変化する。
【0042】
すなわち、弁室91(
図1)にドレンが徐々に滞留するに従ってスチームトラップ本体90hの温度も低下し、波形L3は
図6に示すように下降する。そして、ドレン水量が弁室91内で一定レベルに達した時点で、トラップ本体90hの温度は温度aに達すると共にフロート95が浮上してオリフィス35を開放する。
【0043】
しかし、この場合、オリフィス35の口径は付着、堆積した異物によって縮小されているためドレンの排出は鈍く、弁室91内への蒸気の流入についても比較的時間を要するため、
図6の波形L3の温度aからの上昇も緩やかになる。本実施形態では、この緩やかな波形L3の上昇を詰まりの兆候として把握し、スチームトラップ90の詰まりを予測して対処しようというものである。
【0044】
図7はモニタリングセンサ4の制御部8(
図1)が実行する詰まり予防処理に関するフローチャートである。まず、制御部8は検出部6から測定温度データを取り込み、メモリ7に記憶する(ステップS1)。そして、測定温度が下降から上昇に転じたか否かを判別する(ステップS2)。具体的には、ステップS2で取り込んだ測定温度データと、メモリ7に記憶したそれ以前の複数の測定温度データと比較し、測定温度が、それまで低下を続けていた直前の測定温度よりも高くなった時、下降から上昇に転じたと判断する。
【0045】
測定温度が下降から上昇に転じた場合、ステップS3に進み、オリフィス35に詰まりの兆候が現れているか否かを判別する。具体的には、温度の上昇率が基準上昇率よりも小さい場合に、波形L3の上昇が緩やかであるとして詰まりの兆候が現れていると判断する。
【0046】
すなわち、
図6に示すように、測定温度が下降から上昇に転じた時点t1の測定温度を記憶し、t1から所定の測定時間x1が経過したt2時点の測定温度を取り出して、t1からt2までの間に上昇した温度変化量y1を把握する。ここで、メモリ7には、スチームトラップ90が正常に作動しドレンを排出している時のt1からt2までの間における適正な温度変化量y1が基準値として予め記憶されている。そして、測定した温度変化量y1が、基準値としての温度変化量y1に対して所定の割合以下である場合(たとえば60%以下である場合)、温度の上昇率が基準上昇率よりも小さいとして、オリフィス35に詰まりの兆候が現れていると判断する。
【0047】
そして、オリフィス35に詰まりの兆候が現れていると判断した場合、制御部8はバイパス弁16に向けて作動信号を出力する。バイパス弁16は、この作動信号を受けて弁を開き、バイパス51からバイパス52に蒸気を流入させ、クリーニング機構10の内部空間12Sに蒸気を噴入することによって第二バイメタル12に高温を与える。内部空間12Sに蒸気が噴入されたことによって、第二バイメタル12の温度は所定の高温基準以上になり、第二バイメタル12は矢印121方向に伸張する。
図8はこの時の状態を示している。
【0048】
図8に示すように、第二バイメタル12が矢印121方向に伸張し、第二バイメタル12に固定された第二押上板12aが第二受け部22を矢印121方向に押し上げ、これによってクリーニングバー2の先端部25がオリフィス35に進入する。この先端部25の進入によって、オリフィス35に付着、堆積している異物は弁室91内に押し戻されて除去される。なお、この時、第一バイメタル11の螺旋形状には変化は生じないため、第一押上板11aと第一受け部21との間には第一スペース75が生じることになる。
【0049】
制御部8は、ステップS4でバイパス弁16に向けて作動信号を出力した後、予め定められている所定の作動時間tn経過後にバイパス弁16に向けて作動停止信号を出力する(ステップS5、S6)。この作動停止信号を受け、バイパス弁16は弁を閉じて内部空間12Sへの蒸気の噴入を停止する。
【0050】
本実施形態におけるステップS5では作動時間tnの経過を判定しているが、検出部6から取り込んだ測定温度の変化が、基準値としての温度変化量y1(
図2)の上昇率に回復したことを検知し、これをもってオリフィス35に付着、堆積している異物が排除されたと判断してバイパス弁16に向けて作動停止信号を出力(ステップS6)することもできる。
【0051】
内部空間12Sへの蒸気の噴入が停止したことによって、第二バイメタル12の温度は低下して所定の高温基準を下回り、螺旋が縮んで矢印122方向に圧縮する。この第二バイメタル12の圧縮に従い、復帰用バネ15の付勢を受けてクリーニングバー2も矢印122方向に後退し、
図3に示す状態に復帰する。
【0052】
なお、前述のように、オリフィス35が完全に詰まった時(
図5)にも第一バイメタル11の伸長によるクリーニング動作によって測定温度は下降から上昇に転じるため(
図4)、結果的に
図7に示す詰まり予防処理が実行されることになるが(ステップS2)、この場合、第二バイメタル12の伸長によって
図5に示す第二スペース76が一時的に解消されるのみであり、クリーニング動作には実際上、影響はない。
【0053】
以上のように、本実施形態においては、オリフィス35に詰まりの兆候が現れたこと把握して第二バイメタル12の動作に従って予防的にクリーニング動作を実行するが(
図7、
図8)、たとえば仮にこの予防の効果が不十分でオリフィス35に完全な詰まりが生じる事態に至った場合であっても、第一バイメタル11の動作に従ってクリーニング動作が実行されることになる(
図5)。これによって、クリーニング機構10のフェールセーフ化を実現することができる。
【0054】
[第二の実施形態]
次に、本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップ及びスチームトラップの詰まり予測方法の第2の実施形態を説明する。前述の第一の実施形態では、第二バイメタル12の伸長によってクリーニングバー2を矢印121方向に移動させたが、本実施形態では噴入される蒸気の高圧を利用して直接、クリーニングバー2を移動させ、詰まり予防処理のクリーニング動作を行う。
【0055】
本実施形態における全体構成は、前述の第1の実施形態で示したものとほぼ同様であるが、クリーニングバー2には第二バイメタル12が設けられておらず、代わりにクリーニングバー2の後端部分を密閉する加圧室に、
図1等で示したバイパス弁52が直結されている(図示せず)。そして、制御部8が行う詰まり予防処理は前述の
図7において示したフローチャートの処理と同じである。
【0056】
すなわち、オリフィス35に詰まりの兆候が現れた場合、制御部8はバイパス弁16に向けて作動信号を出力し(ステップS4)、バイパス弁16を介して高温・高圧の蒸気がバイパス52に流入する。本実施形態では、バイパス52はクリーニングバー2の後端部分を密閉する加圧室に直結されているため、蒸気の高圧を受けてクリーニングバー2は矢印121方向に移動し、これによってクリーニングバー2の先端部25がオリフィス35に進入して、オリフィス35に付着、堆積している異物を除去する。
【0057】
制御部8は、ステップS4でバイパス弁16に向けて作動信号を出力した後、予め定められている所定の作動時間tnが経過後にバイパス弁16に向けて作動停止信号を出力し(ステップS5、S6)、バイパス弁16は弁を閉じて蒸気の噴入を停止する。これによって、クリーニングバー2は復帰用バネ15の付勢を受けて矢印122方向に後退し、
図3に示す状態に復帰する。なお、ステップS5における作動時間tnの経過の判定の代わりに、測定温度の変化が基準値としての温度変化量y1(
図2)の上昇率に回復したことを検知して作動停止信号を出力(ステップS6)することができる点、前述の第1の実施形態と同様である。
【0058】
[その他の実施形態]
本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップ及びスチームトラップの詰まり予測方法は前述の各実施形態において示した構成に限定されるものではなく、スチームトラップの温度の上昇率に基づいて詰まりを予測するものであれば、他の構成を採用することができる。
【0059】
なお、前述の各実施形態においては、メカニカルスチームトラップの一種であるフロート式スチームトラップを例に掲げて説明したが、他の形式のスチームトラップに対して、本願に係る詰まり防止機能を有するスチームトラップ及びスチームトラップの詰まり予測方法を適用することも可能である。
【0060】
また、前述の各実施形態においては、オリフィス35に対してクリーニングバー2が進出することによってクリーニングを行ったが、これに限定されるものではなく、オリフィス35等の排出部に働きかけてクリーニングを行う限り、例えば直接、高圧の蒸気を噴射して異物を除去する構成や、蒸気圧を利用して逆に異物を吸引して除去する構成等、他の構成を採用することもできる。