(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブロー配管からの前記排出流体を導入して該排出流体の温度及び圧力を低減し、該排出流体を気相と液相とに分離した後に、前記液相を前記熱交換器へ導入し、かつ、前記気相を前記循環式ボイラへ導入するフラッシュタンクをさらに備える請求項1に記載の循環式ボイラシステム。
蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンからの排気蒸気を導入する復水器と、前記復水器との間で流体を循環させ、前記復水器で前記排気蒸気を凝縮させて前記排気蒸気から凝縮流体を生成させる冷却塔と、前記復水器からの前記凝縮流体を蒸発させ、前記蒸気タービンへ導入する循環式ボイラと、前記循環式ボイラから前記凝縮流体の一部を排出するブロー配管と、を備える循環式ボイラシステムで排熱を回収する排熱回収方法であって、
前記ブロー配管からの前記凝縮流体である排出流体と、前記復水器から前記循環式ボイラへ向かう前記凝縮流体との間で熱交換を行い、前記循環式ボイラへ導入される前記凝縮流体に熱回収させる排熱回収工程と、
前記排熱回収工程で熱交換した後の前記排出流体を前記冷却塔へ導入する流体回収工程と、
を含む排熱回収方法。
【背景技術】
【0002】
例えば火力発電所ではガスタービンの排熱を回収し、この排熱によって蒸気タービンを駆動するガスタービン・コンバインドサイクル発電プラントが用いられている。このような発電プラントでは、一般に循環式ボイラが用いられている。また、火力発電所に限らず、循環式ボイラは石炭焚きのコンベンショナル発電プラント等にも用いられている。
【0003】
循環式ボイラでは、規格上または運用上でドラム水の不純物濃度の上限が定められており、不純物濃度がこの上限を超過してしまう場合、又は不純物濃度の濃度を低く維持しようとする場合には、連続的または定期的にドラム水を系外へ排出する必要がある。ドラム水は高温高圧の水であるためエンタルピーが高い。よって、それを排出した場合には、例えば、単位燃料に対する発電効率の低下などのエネルギーのロスの発生や、排出分の水を補給するための補給水の製造コストが発生する。さらには、高温のボイラ水をそのまま排出することで、排出位置での系外設備に悪影響をおよぼすおそれがあるため、ボイラ水を減温させる設備や、排水処理設備を配備する必要が生じる。
【0004】
ここで特許文献1に記載の原子力発電プラントでは、原子炉で発生した熱を利用して蒸気発生器にて水を蒸気に変え、その蒸気によって蒸気タービン駆動し、発電機を作動させている。このプラントでは蒸気タービンで仕事をした排気蒸気は、復水器に送られて海水などによって冷却された後に復水器と蒸気発生器とをつなぐ復水系統を介して蒸気発生器に戻されている。この際、蒸気発生器に不純物が蓄積して濃縮されるのを防止するために、蒸気発生器の一部の水を蒸気発生器からブローダウン(排出)し、ブローダウンした水を復水系統に戻している。そして、蒸気発生器からブローダウンした水と復水系統の水とを熱交換器を用いて熱交換することで、蒸気発生器からブローダウンした水の熱を回収している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように発電プラントでは発電効率の向上が求められており、排熱を減らす様々な工夫がなされている。しかしながら、上述のように現状の循環式ボイラでは、ドラム水の排出によって十分な排熱利用を行うことができていないのが現状である。
【0007】
そこで本発明は、排熱利用により、さらなる効率向上を図ることが可能な循環式ボイラシステム、火力発電プラント、及び排熱回収方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る循環式ボイラシステムは、蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンからの排気蒸気を導入する復水器と、前記復水器との間で流体を循環させ、前記復水器で前記排気蒸気を凝縮させて前記排気蒸気から凝縮流体を生成させる冷却塔と、前記復水器からの前記凝縮流体を蒸発させ、前記蒸気タービンへ導入する循環式ボイラと、前記循環式ボイラから前記凝縮流体の一部を排出するブロー配管と、前記ブロー配管からの前記凝縮流体である排出流体と、前記復水器から前記循環式ボイラへ向かう前記凝縮流体との間で熱交換を行い、前記循環式ボイラへ導入される前記凝縮流体に熱回収させる熱交換器と、前記熱交換器で熱交換した後の前記排出流体を前記冷却塔へ導入する冷却塔導入配管と、を備える。
【0009】
このような構成によれば、規格上または運用上の制約によって循環式ボイラからブロー配管を通じて凝縮流体の一部を排出しなければならなくとも、この排出される凝縮流体の熱エネルギーを系外に捨ててしまうことなく、復水器から循環式ボイラへ向かう凝縮流体に回収することができる。そしてブロー配管を通じて排出される排出流体の熱エネルギーで凝縮流体を予熱した状態で循環式ボイラへ導入することができる。したがって、システム全体の熱効率を向上することができる。さらに、ブロー配管を通じて排出される排出流体を循環式ボイラへ戻すことなく、熱交換器での熱交換の後に冷却塔へ導入するため、循環式ボイラの水質を清浄な状態に維持可能である。また、ブロー配管を通じて排出される排出流体を温度が高いまま系外に放出することがなくなるため、系外の設備への熱の影響を低減することができる。このため、ブロー配管を通じて排出される排出流体を減温させる設備や、処理設備を配備する必要もなくなり、システムの製造コストの削減や、環境負荷の低減が可能となる。
【0010】
また、上記の循環式ボイラシステムでは、前記ブロー配管からの前記排出流体を導入して該排出流体の温度及び圧力を低減し、該排出流体を気相と液相とに分離した後に、前記液相を前記熱交換器へ導入し、かつ、前記気相を前記循環式ボイラへ導入するフラッシュタンクをさらに備えていてもよい。
【0011】
ブロー配管を通じて排出される排出流体を、フラッシュタンクでフラッシュさせて温度及び圧力を下げる。これにより、排出流体を冷却塔へ導入する際に逆流してしまうことを回避できる。また、フラッシュタンクによってフラッシュタンクで排出流体から不純物を除去した後に、気相を循環式ボイラへ戻すことができる。よって、ブロー配管を通じて排出されることで循環式ボイラ内の凝縮流体の量が減少した場合に必要となる補給流体の供給量を減らすことができる。よって補給流体のコストを低減することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る火力発電プラントは、上記の循環式ボイラシステムと、前記循環式ボイラシステムにおける前記循環式ボイラに排気を導入し、該排気と該循環式ボイラとの間で熱交換を行うガスタービンと、を備える。
【0013】
このような火力発電プラントでは、上記の循環式ボイラシステムが設けられていることで、循環式ボイラからブロー配管を通じて排出される排出流体の熱エネルギーを系外に捨ててしまうことなく、復水器から循環式ボイラへ向かう凝縮流体に回収することができる。したがって、システム全体の熱効率を向上することができる。さらに、ブロー配管を通じて排出される排出流体を熱交換器での熱交換の後に冷却塔へ導入することができる。よって不純物を含む排出流体が循環式ボイラへ導入されることがない。このため循環式ボイラの水質を清浄な状態に維持可能である。また、ブロー配管を通じて排出される排出流体を温度が高いまま系外に放出することがなくなるため、ブロー配管を通じて排出される排出流体を減温させる設備や、処理設備を配備する必要もなくなり、システムの製造コストの削減や、環境負荷の低減が可能となる。
【0022】
また、本発明の一態様に係る排熱回収方法は、蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記蒸気タービンからの排気蒸気を導入する復水器と、前記復水器との間で流体を循環させ、前記復水器で前記排気蒸気を凝縮させて前記排気蒸気から凝縮流体を生成させる冷却塔と、前記復水器からの前記凝縮流体を蒸発させ、前記蒸気タービンへ導入する循環式ボイラと、前記循環式ボイラから前記凝縮流体の一部を排出するブロー配管と、を備える循環式ボイラシステムで排熱を回収する排熱回収方法であって、前記ブロー配管からの前記凝縮流体である排出流体と、前記復水器から前記循環式ボイラへ向かう前記凝縮流体との間で熱交換を行い、前記循環式ボイラへ導入される前記凝縮流体に熱回収させる排熱回収工程と、
前記排熱回収工程で熱交換した後の前記排出流体を前記冷却塔へ導入する流体回収工程と、を含んでいる。
【0023】
このような構成によれば、循環式ボイラからブロー配管を通じて排出される排出流体の熱エネルギーを系外に捨ててしまうことなく、復水器から循環式ボイラへ向かう凝縮流体に回収することができる。したがって、システム全体の熱効率を向上することができる。さらに、ブロー配管を通じて排出される排出流体を熱交換器での熱交換の後に冷却塔へ導入することができる。よって不純物を含む排出流体が循環式ボイラへ導入されることがない。このため循環式ボイラの水質を清浄な状態に維持可能である。また、ブロー配管を通じて排出される凝縮流体を温度が高いまま系外に放出することがなくなるため、ブロー配管を通じて排出される凝縮流体を減温させる設備や、処理設備を配備する必要もなくなり、システムの製造コストの削減や、環境負荷の低減が可能となる。
【発明の効果】
【0028】
上記の循環式ボイラシステム、火力発電プラント、及び排熱回収方法によれば、排熱利用により、さらなる効率向上を図ることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態の火力発電プラント1について説明する。
図1に示すように、火力発電プラント1は、水蒸気Sによって駆動される蒸気タービン10、復水器11、冷却塔12、蒸気タービン10へ水蒸気Sを導入する循環式ボイラ13、循環式ボイラ13に接続されたブロー配管14、ブロー配管14に接続された熱交換器20、及び、熱交換器20と冷却塔12とを接続する冷却塔導入配管15を有する循環式ボイラシステム2を備えている。さらに火力発電プラント1は、循環式ボイラ13に排気ガスEGを導入するガスタービン21を備えている。
【0031】
ガスタービン21は、詳細な図示は省略するが、圧縮機22、燃焼器23、及びタービン24を有し、燃料Fと、圧縮機22で生成した圧縮空気CAとともに燃焼器23で燃焼させ、高温高圧のガスをタービン24へ導入することでタービン24を駆動する。これにより発電機100を回転させて発電を行う。
【0032】
燃焼器23には、燃焼器23へ導入される燃料Fをあらかじめ加熱する加熱器26が設けられている。
圧縮機22には、抽気した空気Aを冷却する空気冷却器27が設けられている。抽気した空気Aが空気冷却器27で冷却された後に、タービン24へ導入されて高温部品の冷却等が行われる。なお空気冷却器27は必ずしも設けられなくともよい。
タービン24には不図示のディフューザが設けられている。このディフューザから排気ガスEGが排出される。
【0033】
蒸気タービン10は、水蒸気Sによって駆動され、発電機101を回転させることで発電を行う。
【0034】
復水器11は、蒸気タービン10に接続されて、蒸気タービン10からの水蒸気(排気蒸気)Sを凝縮させて水Wとする。
【0035】
冷却塔12は、復水器11に接続されて復水器11との間で水(流体)Wを循環させ、復水器11内の水蒸気Sを凝縮させ、復水器11によって水蒸気Sから水Wを生成させる。
【0036】
循環式ボイラ13はいわゆる自然循環式、強制循環式のボイラであって、ボイラ本体31と、ボイラ本体31に接続された蒸発器32とを有している。本実施形態の循環式ボイラ13はドラム型のボイラである。
ボイラ本体31は、水(凝縮流体)W及び水蒸気Sを貯留している。また、ボイラ本体31と蒸気タービン10との間は蒸気導入配管34によって接続され、ボイラ本体31内の水蒸気Sを蒸気タービン10へ導入可能となっている。
【0037】
蒸発器32は、タービン24と接続され、タービン24からの排気ガスEGとボイラ本体31の水Wとの間で熱交換を行い、水Wを加熱して水蒸気Sとしてボイラ本体31へ戻す。
【0038】
ここで本実施形態では、循環式ボイラ13として、互いに並列に復水器11からの水Wを蒸発させる高圧ボイラ13H、中圧ボイラ13I、及び低圧ボイラ13Lが設けられている。ガスタービン21の排気ガスEGは、高圧ボイラ13H、中圧ボイラ13I、低圧ボイラ13Lの順に、各ボイラ13の蒸発器32に導入される。即ち、各ボイラ13の蒸発器32に直列的に排気ガスEGが流通する。
【0039】
低圧ボイラ13Lにおける蒸発器32には、排気ガス配管35が接続されている。本実施形態では排気ガス配管35は蒸発器32の下流で二股に分岐して加熱器26と空気冷却器27に接続されている。これにより、蒸発器32を通過した排気ガスEGは、加熱器26での燃料Fの予熱、及び圧縮機22から抽気した空気Aの予熱に供される。排気ガスEGは燃料F及び空気Aを予熱した後、系外へ排出される。
【0040】
各ボイラ13におけるボイラ本体31と復水器11との間は、ボイラ配管36で接続されている。ボイラ配管36は途中で三股に分岐し、各ボイラ13におけるボイラ本体31に接続されている。これにより、復水器11からの水Wは、各ボイラ13におけるボイラ本体31に並列に導入される。
【0041】
ブロー配管14は、各ボイラ13におけるボイラ本体31に接続されて、ボイラ本体31内の水Wの一部を排水(排出流体)EWとして排出する。本実施形態では、ブロー配管14として、高圧ボイラ13Hに設けられた高圧ブロー配管14H、中圧ボイラ13Iに設けられた中圧ブロー配管14I、及び低圧ボイラ13Lに設けられた低圧ブロー配管14Lが設けられている。また、各ボイラ13における各ブロー配管14は、合流配管17によって接続されて、各ブロー配管14からの排水EWを纏めて下流側へ送る。
【0042】
熱交換器20は、合流配管17に接続されて各ブロー配管14からの排水EWを導入可能となっている。また、熱交換器20は、ボイラ配管36における復水器11とボイラ本体31との間の中途位置から分岐する熱交換配管37に接続されている。これにより熱交換器20には、復水器11から循環式ボイラ13へ向かう水Wを導入可能となっている。そして熱交換器20は、各ブロー配管14からの排水EWと、復水器11からの水Wとの間で熱交換を行って水Wに熱回収させて水Wを加熱し(排熱回収工程)、排水EWを冷却する。熱交換器20で熱交換した後の水Wは、熱交換器20と高圧ボイラ13Hとを接続する予熱水配管38を通じて、高圧ボイラ13Hにおけるボイラ本体31に導入される。
【0043】
冷却塔導入配管15は、冷却塔12と熱交換器20とを接続している。熱交換器20で熱交換した後の排水EWは、冷却塔導入配管15を通じて冷却塔12へ導入される(流体回収工程)。
【0044】
以上説明した火力発電プラント1では、規格上または運用上の制約によって循環式ボイラ13からブロー配管14を通じて水Wの一部を排水EWとして排出しなければならなくとも、この排水EWの熱エネルギーを系外に捨ててしまうことなく、熱交換器20によって復水器11から循環式ボイラ13へ向かう水Wに回収することができる。そしてブロー配管14を通じて排出される排水EWの熱エネルギーで、復水器11からの水Wを予熱し、高圧ボイラ13Hに導入することができる。
【0045】
したがって、循環式ボイラシステム2全体の熱効率を向上することができ、排熱利用により、火力発電プラント1でのさらなる発電効率向上を図ることが可能となる。
【0046】
ここで一般に循環式ボイラ13内の水Wに要求される水質のレベルに比べて、冷却塔12内の水Wに要求される水質のレベルは低くともよい。本実施形態では、ブロー配管14を通じて排出される排水EWを循環式ボイラ13へ戻すことなく、熱交換器20での熱交換の後に冷却塔12へ導入すること、で排水EWを系外に排出することなく有効に利用できる。そして、循環式ボイラ13内の水Wの水質を清浄な状態に維持可能である。
【0047】
また、ブロー配管14を通じて排出される排水EWを温度が高いまま系外に放出することがなくなるため、系外の設備への熱の影響を低減することができる。このため、ブロー配管14を通じて排出される排水EWを減温させる設備や、排水EWの処理設備を配備する必要もなくなり、循環式ボイラシステム2の製造コストの削減や、環境負荷の低減が可能となる。
【0048】
本実施形態では、熱交換器20での熱交換後の水Wを、高圧ボイラ13Hに導入しているが、これに限定されない。例えば、熱交換後の水Wの温度や圧力に応じて中圧ボイラ13Iや低圧ボイラ13Lに導入してもよい。
【0049】
さらに、蒸発器32を通過した後の排気ガスEGは、加熱器26及び空気冷却器27に導入されなくともよい。
【0050】
さらに、本実施形態ではガスタービン21の排気ガスEGの熱によって蒸発器32で水Wを加熱しているが、例えば他の熱源によって蒸発器32で水Wを加熱してもよい。即ちこの場合、ガスタービン21以外の熱源に本実施形態の循環式ボイラシステム2を適用してもよい。具体的には石炭焚きのコンベンショナル発電プラント等にも本実施形態の循環式ボイラシステム2を適用してもよい
【0051】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態の火力発電プラント1Aについて説明する。第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図2に示すように、火力発電プラント1Aは、循環式ボイラシステム2Aが、合流配管17の中途位置に設けられたフラッシュタンク40をさらに備えている点で、第一実施形態とは異なっている。
【0052】
フラッシュタンク40は、ボイラ本体31と、熱交換器20との間で合流配管17に設けられている。フラッシュタンク40は、ブロー配管14からの排水EWの温度及び圧力を低減させる。また、フラッシュタンク40は、各ボイラ13のボイラ本体31に接続されたブロー配管14からの排水EWを導入して、排水EWを気相Gと液相Lとに分離する。そして液相Lが熱交換器20へ導入され、かつ、気相Gが気相導入配管45を通じて中圧ボイラ13I及び低圧ボイラ13Lにおけるボイラ本体31へ導入される。なお、気相Gの導入箇所は、気相Gの状態に応じて適宜変更可能である。
【0053】
以上説明した本実施形態の火力発電プラント1Aでは、ブロー配管14を通じて排出される排水EWを、フラッシュタンク40でフラッシュさせて温度(100℃程度)及び圧力を下げる。これにより、排水EWを冷却塔へ導入する際に逆流してしまうことを回避できる。また、フラッシュタンク40で不純物を除去した後に、循環式ボイラ13へ排水EWの気相Gを戻すことができる。よって、ブロー配管14を通じて排出されることで、循環式ボイラ13での水Wの量が減少した場合に必要となる補給水の供給量を減らすことができる。よって補給水のコストを低減することができる。
【0054】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態の火力発電プラント1Bについて説明する。第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図3に示すように、火力発電プラント1Bは、循環式ボイラシステム2Bが熱交換器20に代えて熱交換器50を備えている点、及び冷却塔12を備えていない点で、第一実施形態及び第二実施形態とは異なっている。
【0055】
熱交換器50は、合流配管17によって各ブロー配管14に接続されている。これにより、熱交換器50には、各ブロー配管14からの排水EWが纏めて導入される。また熱交換器50にはガスタービン21の燃料Fが導入される。そして、排水EWと燃料Fとの間で熱交換が行われ、排水EWが冷却され、かつ燃料Fに熱回収させて燃料Fが加熱される(排熱回収工程)。熱交換器50で冷却された排水EWは系外へ排出される。
【0056】
さらに、熱交換器50と加熱器26とは、燃料導入配管55によって接続されている。燃料導入配管55を通じて、熱交換器50で加熱された燃料Fが加熱器26へ導入されてさらに加熱される。
【0057】
以上説明した本実施形態の火力発電プラント1Bでは、各ボイラ13から各ブロー配管14を通じて排出される排水EWの熱エネルギーを系外に捨ててしまうことなく、熱交換器50によってガスタービン21の燃料Fに回収することができる。そしてブロー配管14を通じて排出される排水EWの熱エネルギーでガスタービン21の燃料Fを予熱した状態で燃料Fを、加熱器26を通じて燃焼器23に導入することができる。したがって、プラント全体の熱効率を向上することができる。
【0058】
また、ブロー配管14からの排水EWは、熱交換器50で冷却された後に系外へ排出されるが、この排水EWの温度は比較的低い。したがって、排水EWを系外へ排出したとしても、排水EWを減温させる設備は必要なくなり、システムの製造コストの削減や、環境負荷の低減が可能となる。
【0059】
ここで、
図4に示すように本実施形態では、熱交換器60が燃料Fの流れの上流側から下流側に向かって低温段61、中温段62、及び高温段63を有していてもよい。そして、
図4の例では合流配管17は設けられず、低温段61には、低圧ブロー配管14Lが直接接続されて低圧ブロー配管14Lからの排水EWが導入される。また、中温段62には、中圧ブロー配管14Iが直接接続されて中圧ブロー配管14Iからの排水EWが導入される。高温段63には、高圧ブロー配管14Hが直接接続されて高圧ブロー配管14Hからの排水EWが導入される。
【0060】
各ボイラ13におけるボイラ本体31からの排水EWは温度が互いに異なっている。
図4の例では、排水EWの温度レベルに合わせて熱交換器60の各段が設けられているので、排水EWの熱エネルギーを用いて段階的に効率よく燃料Fを加熱することができる。
【0061】
また、
図5に示すように本実施形態では、合流配管17は高圧ブロー配管14Hと中圧ブロー配管14Iとを接続し、低圧ブロー配管14Lには接続されていなくともよい。そしてこの場合、熱交換器50には、高圧ブロー配管14H及び中圧ブロー配管14Iからの排水EWが纏めて導入され、燃料Fを加熱する。低圧ブロー配管14Lからの排水EWは系外へ排出される。
【0062】
図5の例では、比較的温度が低い(低エンタルピーの)低圧ブロー配管14Lからの排水EWの熱エネルギーは燃料Fには回収されず、比較的温度が高く(高エンタルピーの)高圧ブロー配管14H及び中圧ブロー配管14Iからの排水EWの熱エネルギーのみが燃料Fに回収される。したがって、効率的に燃料Fの予熱が可能となる。なお、高圧ブロー配管14Hからの排水EWの熱エネルギーのみを燃料Fに回収してもよい。
【0063】
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態の火力発電プラント1Cについて説明する。第一実施形態から第三実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図6に示すように、火力発電プラント1Cは、循環式ボイラシステム2Cが、さらに冷却塔12、及び冷却塔導入配管15を備えている点で、第三実施形態とは異なっている。
【0064】
冷却塔導入配管15は、冷却塔12と熱交換器50とを接続している。熱交換器50で燃料Fと熱交換を行って冷却された排水EWは、冷却塔導入配管15を通じて冷却塔12へ導入される(流体回収工程)。
【0065】
以上説明した本実施形態の火力発電プラント1Cでは、ブロー配管14を通じて排出される排水EWを循環式ボイラ13へ戻すことなく、熱交換器50での熱交換の後に冷却塔12へ導入することで排水EWを系外に排出することなく有効に利用でき、循環式ボイラ13内の水Wの水W質を清浄な状態に維持可能である。
【0066】
ここで、
図7に示すように、本実施形態でも
図4に示す第三実施形態の例と同じように、熱交換器60が、低温段61、中温段62、及び高温段63を有していてもよい。
【0067】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0068】
例えば、上述の各実施形態では循環式ボイラ13は三個設けられていたが、循環式ボイラ13の数量は三個に限定されず、一個や二個であってもよいし、四個以上であってもよい。
【0069】
また、蒸気タービン10に代えて、作動流体を水Wよりも沸点の低い低沸点媒体を作動流体とした低沸点媒体タービンを有する低沸点媒体ランキンサイクルを、上述の実施形態に適用してもよい。ここで低沸点媒体としては、例えば下記の物質が知られている。
・トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、パーフルオロデカリン等の有機ハロゲン化合物
・ブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等のアルカン
・シクロペンタン、シクロヘキサン等の環状アルカン
・チオフェン、ケトン、芳香族化合物
・R134a、R245fa等の冷媒
・以上を組み合わせたもの
なおこの場合、低沸点媒体は、冷却塔12と復水器11との間を循環する流体にも用いられる。
【0070】
また、冷却塔12へ戻される水Wの温度に応じて、熱交換器20、50、60の容量を設計してもよい。
また、熱交換器20、50、60での熱交換量が大きくなりすぎる場合には、バイパスラインを設けて、熱交換器20、50、60へ導入される排水EWの流量を調整してもよい。