特許第6962821号(P6962821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962821カプセル、そのようなカプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム、およびそのようなカプセルの飲料調製装置における使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962821
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】カプセル、そのようなカプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム、およびそのようなカプセルの飲料調製装置における使用方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20211025BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   A47J31/06 323
   A47J31/36 122
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-559324(P2017-559324)
(86)(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公表番号】特表2018-515239(P2018-515239A)
(43)【公表日】2018年6月14日
(86)【国際出願番号】NL2016050344
(87)【国際公開番号】WO2016186491
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2019年5月13日
(31)【優先権主張番号】PCT/NL2015/050354
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ディストラ,ヒエルケ
(72)【発明者】
【氏名】グロースオルンテ,アレンド ヘンドリック
(72)【発明者】
【氏名】ファン ガースベーク,エリック ピータ―
(72)【発明者】
【氏名】オッテンスコット,マーク ヘンリクス ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】カメルベーク,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】エイヤサッカース,アルミン ヨード
(72)【発明者】
【氏名】フラマンド,ジョン ヘンリ
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−530655(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/011683(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/198474(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0170281(US,A1)
【文献】 特表2013−533048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/06
A47J 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル内に加圧下で流体を供給する手段により物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための該物質を容れるカプセルであって、
カプセル本体中心軸を有するアルミニウムカプセル本体と、ここで前記アルミニウムカプセル本体は、底、側壁、外向きに延在するフランジ、および前記フランジに封止構造を備えている、および
前記フランジに取り付けられ且つ密封的に該カプセルを閉じている蓋シートと、
を備え、ここで
該カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に置かれかつ前記囲み部材が該飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられ、前記フランジの少なくとも部分および前記封止構造が飲料調製装置の前記囲み部材の環状端面と前記閉じ部材との間にクランプされている場合に、前記封止構造は、前記環状端面との流体封止接触を提供するように変形可能であり、
ここで、前記封止構造は、前記フランジの変形可能な封止リング部分を含み、前記封止リング部分は、前記蓋シートの反対側の、前記フランジ(それに前記蓋シートが取り付けられている)のベース部分の側で前記ベース部分から軸方向に突出しており、前記変形可能な封止リング部分は、
前記フランジの内側ベース部分から延在しかつそこと隣接する内側壁部分と、
前記フランジの外側ベース部分から延在しかつそこと隣接する外側壁部分と、ここで前記外側壁部分は前記内側壁部分の外側に置かれかつ前記内側壁部分と間隔を取られている、及び
前記内側壁部分と前記外側壁部分とを相互接続しているブリッジ部分と、ここで前記ブリッジ部分は前記フランジの前記ベース部分から軸方向に間隔を空けて配置されている、を備えている上記カプセルにおいて、
前記内側壁部分と前記外側壁部分との間の少なくとも1つの支持部材、ここで、前記支持部材は前記ブリッジ部分を支持している、と、
を備えている、
ことを特徴とする、
上記カプセル。
【請求項2】
該カプセルが前記囲み部材内に置かれかつ前記囲み部材が前記飲料調製装置の前記閉じ部材によって閉じられ、前記封止構造の少なくとも1部分が前記環状端面と前記閉じ部材との間にクランプされている場合に、前記変形可能な封止リング部分および前記ブリッジ部分は、前記環状端面が前記内側壁部分と前記外側壁部分との間の前記変形可能な封止リング部分に接触するように配置されかつそのような幅を有している、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの支持部材は、可撓性及び/又は可塑性材料からなる、請求項1または2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの支持部材は、圧縮可能な発泡材料である、請求項1〜3の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項5】
前記支持部材は、バネ部材である、請求項1〜4の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項6】
前記環状端面は、半径方向に延在する複数の開放溝を備え、かつ上記カプセルは円周方向に連なって配置された複数の支持部材を備え、各支持部材は、前記飲料調製装置の前記囲み部材の前記環状端面における一連の溝の間のピッチと等しいか又は小さい長さを有する、請求項1〜5の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項7】
前記ブリッジ部分は、前記封止リング部分が前記飲料調製装置の前記環状端面と前記閉じ部材との間にクランプされるときに、前記環状端面によって最初に接触されるように位置決めされる、請求項1〜6の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項8】
断面図において、前記フランジの前記ベース部分から軸方向に最も離れた前記ブリッジ部分の頂部が、平坦であるか、または前記ブリッジ部分の前記頂部の壁の厚さの2倍よりも大きい曲率半径で湾曲した中心面を有する、請求項1〜7の何れか1項に記載のカプセル。
【請求項9】
前記ブリッジ部分の該頂部の少なくとも一部は、前記内側壁部分および外側壁部分の壁厚よりも薄い低減された壁厚を有する、請求項8に記載のカプセル。
【請求項10】
前記カプセル本体の少なくとも1つの側面に被覆をさらに備え、前記被覆は、低減された壁厚を有する前記ブリッジ部分の該頂部の少なくとも前記部分には存在しない、請求項9に記載のカプセル。
【請求項11】
前記ブリッジ部分の被覆されていない部分は、前記蓋シートの反対側の前記フランジの側にあり、テクスチャ加工された表面を有する、請求項10に記載のカプセル。
【請求項12】
前記テクスチャ加工された表面は、前記フランジの円周方向に延在する隆起部および谷部を含む、請求項11に記載のカプセル。
【請求項13】
前記ブリッジ部分の前記頂部は、該カプセルの中心線の周りに円周方向に延在する山を形成し、前記山は29〜33mmの直径を有する、請求項8に記載のカプセル。
【請求項14】
カプセル内に圧力下で供給された流体を使用して該カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステムであって、該システムは、
該カプセルを受け取るための囲み部材を備えた飲料調製装置と、ここで該囲み部材は該カプセル内に加圧流体を供給する流体注入手段を備え、該飲料調製装置はさらに、該飲料調製装置の該囲み部材を閉じる閉じ部材を備え、前記囲み部材は環状端面を有する環状端部分を有し、
カプセル内に加圧下で流体を供給する手段によって物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための該物質を容れるカプセルとを有し、
該カプセルは、
カプセル本体中心軸を有するアルミニウムカプセル本体と、ここで前記アルミニウムカプセル本体は、底、側壁、外向きに延在するフランジ、および前記フランジに封止構造を備えている、および
前記フランジに取り付けられ且つ密封的に該カプセルを閉じている蓋シートと、
を備え、ここで
該カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に置かれかつ前記囲み部材が該飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられ、前記フランジの少なくとも部分および前記封止構造が飲料調製装置の前記囲み部材の環状端面と前記閉じ部材との間にクランプされている場合に、前記封止構造は、前記環状端面との流体封止接触を提供するように変形可能であり、
ここで、前記封止構造は、前記フランジの変形可能な封止リング部分を含み、前記封止リング部分は、前記蓋シートの反対側の、前記フランジ(それに前記蓋シートが取り付けられている)のベース部分の側で前記ベース部分から軸方向に突出しており、前記変形可能な封止リング部分は、
前記フランジの内側ベース部分から延在しかつそこと隣接する内側壁部分と、
前記フランジの外側ベース部分から延在しかつそこと隣接する外側壁部分と、ここで前記外側壁部分は前記内側壁部分の外側に置かれかつ前記内側壁部分と間隔を取られている、及び
前記内側壁部分と前記外側壁部分とを相互接続しているブリッジ部分と、ここで前記ブリッジ部分は前記フランジの前記ベース部分から軸方向に間隔を空けて配置されている、を備えている上記カプセルにおいて、
前記内側壁部分と前記外側壁部分との間の少なくとも1つの支持部材、ここで、前記支持部材は前記ブリッジ部分を支持している、と、
を備えている、
ことを特徴とする、
上記システム。
【請求項15】
該カプセルが前記囲み部材内に置かれかつ前記囲み部材が前記閉じ部材によって閉じられ、前記封止構造の少なくとも部分が、前記環状端面と前記閉じ部材との間でクランプされる場合に、前記環状端部分は、前記内側壁部分と外側壁部分との間の前記変形可能な封止リング部分と接触する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記環状端面は、半径方向に延在する複数の開放溝を備え、かつ該カプセルは、円周方向に連続して配設された複数の支持部材を備え、各支持部材は、前記囲み部材の前記環状端面における一連の溝の間のピッチと等しいかまたは短い長さを有している、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記封止リング部分が前記環状端面と前記閉じ部材との間でクランプされるときに、前記環状端面は、最初に前記ブリッジ部分と接触する、請求項14〜16の何れか1項に記載のシステム。
【請求項18】
該カプセルは、請求項2〜13の何れか1項に記載のカプセルである、請求項14〜17の何れか1項に記載のシステム。
【請求項19】
カプセルを受け取るための囲み部材を備える飲料調製装置における、請求項1〜13の何れか1項に記載のカプセルの使用方法であって、該囲み部材は、該カプセル内に加圧下で流体を供給するための流体注入手段を備え、該飲料調製装置はさらに、該飲料調製装置の該囲み部材を閉じるための閉じ部材を備え、前記囲み部材は環状端面を有する環状端部分を有し、該カプセルは該飲料調製装置の該囲み部材内に置かれ、該囲み部材が該飲料調製装置の該閉じ部材によって閉じられ、そして該封止構造の少なくとも1部分が、該飲料調製装置の該囲み部材と該閉じ部材との間でクランプされて、該封止構造に該環状端面と封止接触させる、
上記使用方法。
【請求項20】
請求項10〜11の何れか1項に記載のカプセルを製造する方法であって、半完成の深絞りされたカップ部材から出発して、前記内側及び外側壁部分の壁厚よりも薄い薄くされた壁厚を有する前記ブリッジ部分の前記頂部の前記部分を形成するために前記フランジの1部分の壁厚を薄くすることを包含し、ここで前記被覆は、壁厚を薄くする前または間に、壁厚が薄くされるべきである前記フランジの前記部分から被覆が取り除かれる、
上記製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の導入部分に従うカプセルに関する。
【0002】
本発明はまた、請求項38の導入部分に従う飲用可能な飲料を調製するためのシステム、およびそのようなカプセルの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
そのようなカプセル、システム、および使用方法は、欧州特許(EP-B-1 700 548)で公知である。公知のシステムにおいて、カプセルは、段差の形状、すなわちカプセルの側壁の直径の急な増加を有する封止構造を備え、そしてこの公知のシステムの囲み部材は、封止構造にたわみを与えるように封止構造に作用する封止表面を有し、該封止構造は、該封止構造のたわみが内側かつ下側への段差の変形であるように傾けられている。さらに公知のシステムにおいて、該囲み部材は、カプセルホルダと、該囲み部材と該カプセルホルダとの相対変位のための手動操作式または自動機構を備える。手動操作式又は自動機構は、該囲み部材が該カプセルホルダ上で閉じるときに、該カプセルの該封止構造に力を加える。この力は、該囲み部材と該カプセルとの間の流体密封を保証するはずである。手動操作または自動機構が、ベースに相対的に移動するように配設されているので、システムの封止能力は、該流体注入手段によって注入される該流体の圧力に依存しうる。流体の圧力が増加すると、該カプセルの封止構造と該囲み部材の環状端面との間の力も増大し、それにより該カプセルの封止構造と該囲み部材の環状端面との間の力もまた増大する。このようなシステムは後で説明される。該カプセルの封止構造は、該囲み部材内において最大流体圧に到達すると、該封止構造は該囲み部材と該カプセルとの間の流体封止接触をやはり提供すべきであるように、配設されていなければならない。しかし、該封止構造はまた、調製の前または開始時で、該カプセルの外側かつ該囲み部材内の流体の圧力が比較的低いときに、封止構造はまた該囲み部材と該カプセルとの間の流体封止接触を与えるように、配設されていなければならない。調製の開始時に、該カプセルと該囲み部材との間に流体封止接触が存在しない場合、漏れが生じるだろう。しかし、もし漏れが生じると、手動操作式又は自動機構が該囲み部材を該カプセルホルダの方へ移動させる場合に、囲み部材の環状端面による封止構造への力を増加させるための、該囲み部材内のかつ該カプセルの外側の圧力が、十分に上昇しないことが現実に生じうる。十分な初期封止が存在する場合にのみ、該囲み部材内の圧力は増加し、それによりまた該囲み部材の環状端面の該カプセルの封止構造へ作用する力は、増加し、増加した流体圧で十分な流体封止接触を与える。さらに、該カプセルの外側でのこの増加した流体圧はまた、該カプセルの内側での増加した圧力を与え、該圧力は、該カプセルが飲料調製装置のカプセルホルダ(また抽出プレートと呼ばれる)の浮彫部材上で、カプセル内の流体圧の影響下で裂開するように配設されている蓋を備えている場合には、必須である。
【0004】
上記のことから、封止構造が設計上極めて重要な部材であるということになる。囲み部材の環状端面によって比較的小さな力しか封止構造に加えられない場合には、比較的低い流体圧で囲み部材とカプセルとの間の流体封止接触を提供できるべきである。しかし、該囲み部材の環状端面によって該カプセルの封止構造により強い力が加えられる場合、該カプセルの外側での該囲み部材内の遥かに高い流体圧で流体封止接触が与えられるべきである。特に、該囲み部材の環状端面が半径方向に延在する開放溝(それは空気入口通路として働く)を備えるとき、使用者にとってカプセルを取り出すのが容易であるように、一度、該囲み部材と該カプセルホルダとの間の力は、解放され、該封止構造はまた、効果的な封止を提供するために該半径方向に延在する開放溝を「閉じる」ことができなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カプセルが飲料調製装置の囲み部材内に置かれかつ該囲み部材が該飲料調製装置の閉じ部材、例えば該飲料調製装置の抽出プレートによって閉じられ、該カプセルの外向きに延在するフランジの1部分と該カプセルの封止構造とが該囲み部材の環状端面と該飲料調製装置の閉じ部材との間でクランプされる場合に、該環状端面が径方向に延在する複数の開放溝を備え且つそれらが依然として低コストで製造されうる囲み部材の場合でさえも、飲料調製装置の囲み部材の環状端面に対して確実な封止をするところのカプセルを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に従うカプセルを提供することによって達成される。
【0007】
該封止構造が該フランジの変形可能な封止リング部分を含み、該封止リング部分が該フランジのベース部分(そこへ蓋が取り付けられる)から蓋の反対側の該ベース部分の側上で軸方向に突出し、該封止構造が該カプセルの該フランジに一体化されているので、該カプセルは速く低コストで製造されうる。
【0008】
該フランジの該変形可能な封止リング部分が該内側壁部分と該外側壁部分との間に少なくとも1つの支持部材を有するので、該ブリッジ部分は、比較的容易に変形可能な設計のものにすることができ、該囲み部材の該環状端面と該閉じ部材との間でクランプされたときに、該ブリッジ部分の該アルミニウムシート材料の局所的な変形が、低いクランプ圧力でもすでに、該囲み部材の該環状端面の形状に適合することを該設計は可能にし、一方、該支持部材は、より高いクランプ圧力で、十分な逆圧力が、該封止部にわたるより高い圧力降下に対して確実に封止するように加えられることを保証する。該環状端面が半径方向に延在する開放溝を備えるところの囲み部材の場合でさえも、該封止構造は、該囲み部材の該環状端面によって形成された円周方向における連続した突出部および窪み部に適合することができる。このようにして、該囲み部材と該閉じ部材が互いに押し付けられるクランプ圧力が比較的低く、該封止部にわたる圧力低下が低いところの該囲み部材の閉鎖の初期段階の間、そして該囲み部材と該閉じ部材とが互いに押し付けられるクランプ圧力が比較的高く、該封止部にわたる圧力降下が高いところの該囲み部材の閉鎖の最終段階の間の両方の場合に、該封止構造は、該環状端面の該窪み面部分に対しても効果的に封止する。本文脈では、「アルミニウム」の意味は、アルミニウム合金も含むと理解される。
【0009】
該囲み部材の該環状端面と該フランジの該封止リング部分との間の封止が、該カプセル内の物質にわたる圧力降下が所望の飲料調製プロセスにとって十分であることを保証するのに有効であるためには、すべての状況下で密封的に液密である必要はないことが注目される。該カプセルを通ってポンプ注入された液体容積の4%まで、好ましくは2.5%を越えない液体漏れで、封止は、該飲料調製装置が該物質にわたり所望の圧力低下を生じさせるのに依然として有効である。したがって、このような漏れを許容する封止は、効果的な封止を構成する。
【0010】
本発明はまた、請求項38に記載のシステムおよび請求項49に記載の使用方法において実施されうる。このようなシステムの動作およびそのような使用方法において、該囲み部材の該環状端面と閉じ部材との間にクランプされたときに、該ブリッジ部分は局所的に容易に変形し、それにより該囲み部材の該環状端面の形状に適合する。より詳細には、該囲み部材と該閉じ部材が互いに押し付けられるクランプ圧力が比較的低く、該封止部にわたる圧力低下が低いところの該囲み部材の閉鎖の初期段階の間、そして該囲み部材と該閉じ部材とが互いに押し付けられるクランプ圧力が比較的高く、該封止部にわたる圧力降下が高いところの該囲み部材の閉鎖の最終段階の間の両方の場合に、該封止構造は、該囲み部材の該環状端面によって形成された円周方向の一連の突起部および窪み部に収容され、そして該環状端面の窪み面部分に対しても効果的に封止する。
【0011】
該変形可能な封止リング部分と該ブリッジ部分とが、該環状端部分が該内側壁部分と該外側壁部分との間の該変形可能な封止リング部分と接触するように配置されそのような幅を有している場合に、該カプセルが該囲み部材内に置かれかつ該封止構造の少なくとも部分が該環状端面と該閉じ部材との間でクランプされるように該囲み部材が互換性の飲料調製装置の閉じ部材によって閉じられる時に、該ブリッジ部分の特に容易な変形および従って該囲み部材の該環状端面の形状への高い程度の一致は、達成されうる。
【0012】
該1の支持部材または複数の支持部材は、可撓性及び/又は可塑性材料でありうる。そのような材料において、隣接部分は非常に異なる程度に容易に変形され得、従って、それは該変形可能な封止リング部分に対して押し付ける該囲み該部材の該環状端面の連なる隆起および窪み部分から生じる変形の程度の円周上の変化に容易に適合する。
【0013】
比較的大きな変形を許容するために、該支持部材または複数の支持部材は、圧縮可能な発泡材料であってもよい。
【0014】
代わりに、該1の支持部材または複数の支持部材は、1のばね部材または複数のばね部材であってもよい。このようにして、高い程度の弾力性が、比較的剛性の材料、例えば金属で達成されることができる。これは、該支持部材が例えばアルミニウム製であることを許容し、従って、該蓋が同様にアルミニウムの場合に、使用および廃棄後に該カプセル本体と該蓋とともに支持部材がリサイクルされうる。
【0015】
複数の支持部材が円周方向に連続して配置され、各支持部材は互換性のある飲料調製装置の該囲み部材の該環状端面における一連の溝の間のピッチと同じか短い長さを有する場合に、一連の支持部材は相互に実質的に独立に変形することができ、従って、該支持部材は、該フランジの該封止リング部分の円周方向に隣接する区画が大きく異なる程度に変形されることを妨げない。これにより、特に高度な適合が得られうる。
【0016】
断面図において該ベースフランジから軸方向に最も離れている該ブリッジ部分の頂部は、平坦であるか又は該ブリッジ部分の頂部の壁厚の2倍よりも大きな曲率半径で湾曲する中央面を有する場合に、該環状端面の形状への高度の適合性、従って低い封止圧力で既に特に効果的で確実な封止が達成されうる。
【0017】
該環状端面の形状に対する良好な適合性のためには、該ブリッジ部分の頂部の少なくとも一部が内側壁部分および外側壁部分の壁厚よりも薄い低減された壁厚を有する場合に、さらに有利である。
【0018】
該カプセル本体が少なくとも1つの面に被覆を有する場合に、低減された壁厚を持つ該ブリッジ部分の頂部の少なくとも一部における被覆の削除は、壁厚が製造時に減少される場合に起きる比較的大きな変形が生じている間に被覆が損傷を受けまたは剥がれるリスクを減少させる。例えば、壁厚を減少させることが壁材料を除去することを含む場合、製造中に壁厚を減少させながら被覆を除去することもできる。
【0019】
該ブリッジ部分の被覆されていない部分が該蓋の反対側の該フランジの側にあり且つテクスチャ加工された表面を有する場合に、さらに高められた封止効果が達成されうる。封止圧力が依然として低い場合に、該表面のテクスチャは、さらにクランプの初期段階における適合性を改善しうる。なぜなら、クランプ力がテクスチャの隆起部のみを介して伝達されるので、完全な滑らかな接触面に及ぼされるよりも隆起部においてより高い接触圧力が加えられるからである。
【0020】
テクスチャ加工された表面が該フランジの円周方向に延在する隆起部および谷部を含む場合に、特に改良された封止効果が達せされうる。なぜなら該環状端面の形状への初期の適合は、一般的に、円周方向に主として延在する環状領域またはリング区画において達成されるからである。
【0021】
本発明はまた、そのようなカプセルを製造するために請求項48に記載の方法において実施することもできる。被覆は、壁厚を減少させる前または減少中に、壁厚が減少されるべき該フランジの部分から効率的に除去される。
【0022】
壁厚を減少させるために壁材を除去するための材料除去工程の間に、壁厚が減少されるべき該フランジの部分から該被覆が除去される場合に、減少された壁厚の特に効率的な製造が達成されうる。
【0023】
封止リング部分が該環状端面と互換性飲料調製装置の閉じ部材との間でクランプされるときに、該ブリッジ部分の頂部が、該環状端部分によって最初に接触させられるように配置される場合に、該環状端面の形状への特に容易な適合は、達成されうる。
【0024】
該ブリッジ部分の頂部は、該カプセルの中心線の周りに円周方向に延在する丸みを帯びた又は平坦な陵部を形成する。該ブリッジ部の頂部によって形成された該陵部は29〜33mm、より好ましくは30.0〜31.4mm、最も好ましくは30.3〜31.0mmの直径を有するようにすれば、該環状端面と、広く使用され市販されている飲料調製装置、例えばCitiz、Lattisima、U,Maestria、Pixie、InissiaおよびEssenzaの閉じ部材との間で該封止リング部分がクランプされるときに、該ブリッジ部の頂部は、該環状端面の中心部分に最初に接触するように該環状端面に対して中心に置かれる。
【0025】
カプセルの1実施態様において、該カプセルが、抽出可能な製品、例えば焙煎し挽かれたコーヒーの5〜20グラム、好ましくは5〜10グラム、より好ましくは5〜7グラムを充填される場合に、本発明は特に有利である。
【0026】
特に製造するのが容易である、本発明に従うカプセルの1実施態様において、該カプセルの該外向きに延在するフランジの外径は、該カプセルの該底の直径よりも大きい。好ましくは、該外向きに延在するフランジの外径は約37.1mmであり、該カプセルの該底の直径は約23.3mmである。
【0027】
該カプセルの1実施態様において、該アルミニウムカプセル本体の板材の厚さは20〜200μm、好ましくは100μmである場合に、本発明は特に有利である。
【0028】
該カプセルの1実施態様において、該アルミニウム蓋の厚さは15〜65μm、好ましくは30〜45μm、より好ましくは39μmである場合に、本発明は特に有利である。
【0029】
本発明に従うカプセルの1実施態様において、該アルミニウム蓋の壁厚は、該アルミニウムカプセル本体の壁厚よりも薄い。
【0030】
本発明に従うカプセルの別の実施態様において、該アルミニウム蓋は、該カプセル内の流体圧の影響下で、飲料調製装置の閉じ部材、例えば該飲料調製装置の抽出プレート上で裂開されるように配設されている。
【0031】
特に製造が容易な本発明に従うカプセルの1実施態様において、該アルミニウムカプセル本体の側壁は、該底に対向する自由端を有し、該外向きに延在しているフランジは、該側壁の該自由端から、少なくとも実質的に該カプセル本体中心軸を横切る方向に延在する。好ましくは、該外向きに延在しているフランジは、半径方向に延在する開放溝が設けられた該環状端面で満足のいく封止を得るのに有効な湾曲外縁部を含む。該外向きに延在しているフランジの湾曲外縁部の内縁の、カプセル本体中心軸の周りの半径は、好ましくは、少なくとも32mmであるので、該囲み部材の該環状端面からのクリアランスが確保される。すると、封止構造が、該アルミ二ニウムカプセル本体の側壁の自由端に外向きに延在しているフランジの湾曲外縁部の間に位置されることが、さらに満足な封止を得るために好ましい。
【0032】
湾曲外縁部が、広範囲の、市販のおよび将来の飲料調製装置の動作を妨げないことを保証するために、該外向きに延在するフランジは、約1.2mmの径方向断面最大寸法を有する。
【0033】
本発明は、該アルミニウムカプセル本体の側壁の自由端の内径が、約29.5mmであるカプセルに特に有益である。該アルミニウムカプセル本体の側壁の自由端と該外向きに延在するフランジの最外縁との間の距離は、約3.8mmでありうる。該アルミニウムカプセル本体の好ましい高さは約28.4mmである。
【0034】
使用後に使用者が飲料調製装置から取り出すことがより容易な本発明に従うカプセルの1実施態様において、該アルミニウムカプセル本体は切頭されており、好ましくは該アルミニウムカプセル本体の側壁は、該カプセル本体中心軸に対して直角の線と約97.5°の角度を有する。
【0035】
本発明に従うカプセルの有利な実施態様において、該アルミニウムカプセル本体の該底は、約23.3mmの最大内径を有する。該アルミニウムカプセル本体の該底は切頭されており、好ましくは約4.0mmの底高さを有し、該底は該蓋とは反対側の略平坦な約8.3mmの直径を有する中央部分を有することが好ましい。
【0036】
事実上すべての場合に、満足な封止は、該封止構造の高さが少なくとも約0.1mm、より好ましくは少なくとも0.2mm、最も好ましくは少なくとも0.8mm、そして最大で3mm、より好ましくは最大で2mm、最も好ましくは最大で1.2mmである、本発明に従うカプセルの実施態様において得られうる。
【0037】
カプセルに関する従属請求項の特徴と同じ特徴に関する、従属請求項に記載されたようなシステムの好ましい実施態様に関しては、上記が参照される。
【0038】
本発明は、使用時に該飲料調製装置の該囲み部材内の最大流体圧が6〜20バール、好ましくは12〜18バールの範囲内にある、本発明に従うシステムに特に適している。そのような高圧でさえ、カプセルと飲料調製装置との間の満足のいく封止が得られうる。
【0039】
好ましくは、該システムは、使用において、調製中に、該飲料調製装置の該囲み部材の該環状端面が、該カプセルの外向きに延在しているフランジと該飲料調製装置の該囲み部材との間に流体封止接触を提供するように該カプセルの該封止構造に力F2を及ぼすように配設されている、ここで、F2は、該カプセルの外側での該飲料調製装置の該囲み部材内での流体圧P2が、6〜20バール、好ましくは12〜18バールの範囲内にあるとき、500〜1500Nの範囲、好ましくは750〜1250Nの範囲にある。特に該システムは、使用において、調製の前または開始時に、該飲料調製装置の該囲み部材の該環状端面が、該カプセルの外向きに延在しているフランジと該飲料調製装置の該囲み部材との間に流体封止接触を提供するように該カプセルの該封止構造に力F1を及ぼすように構成されている。ここで、該カプセルの外側での該飲料調製装置の該囲み部材内での流体圧P1が0.1〜4バール、好ましくは0.1〜1バールの範囲内にあるときに、F1は30〜150N、好ましくは40〜150N、より好ましくは50〜100Nの範囲内にある。
【0040】
本発明に従うシステムの1実施態様において、該複数の半径方向に延在する開放溝は、該飲料調製装置の該環状要素の該環状端面の接線方向に互いに均一に間隔を空けられ、従って、使用者にとってカプセルを取り出すことがより容易であり、一方でカプセルと飲料調製装置との間の満足のいく封止が依然として与えられる。
【0041】
本発明に従うシステムの有利な1実施態様において、各溝の最長の接線方向の幅(頂部と頂部、即ち溝と溝とのピッチに等しい)は0.9〜1.1mm、好ましくは0.95〜1.05mm、より好ましくは0.98〜1.02mmであり、該飲料調製装置の該囲み部材の軸方向における各溝の最大高さは0.01〜0.09mm、好ましくは0.03〜0.07mm、より好ましくは0.045〜0.055mm、最も好ましくは0.05mmであり、溝の数は90〜110、好ましくは96である。該溝の位置での該環状端面の半径方向の幅は、例えば0.05〜0.9mm、好ましくは0.2〜0.7mm、より好ましくは0.3〜0.55mmである。
【0042】
使用中、該飲料調製装置の該閉じ部材が該飲料調製装置の該囲み部材を閉じるときに、該カプセルの該フランジと該飲料調製装置の該囲み部材の該環状端面との間に最大の力を加えるために、該飲料調製装置の該囲み部材は、該飲料調製装置の囲み部材内の流体の圧力の影響下で、該飲料調製装置の該閉じ部材の方へ該飲料調製装置の該閉じ部材に相対的に動くことができる、本発明に従うシステムの1実施態様に適用される場合に、本発明は特に適している。
【0043】
本発明の別の有利な局面、効果、及び詳細はさらに、図面に示された非限定的な実施例を参照して記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明に従うシステムの1実施態様の概略図である。
図2】本発明に従うシステムの飲料調製装置の1実施態様の斜視図であり、半径方向に延在する複数の開放溝を有する飲料調製装置の囲み部材の環状端面を示す。
図3A】使用前の本発明に従うカプセルの1実施態様の断面図である。
図3B図3Aのカプセルの拡大詳細図であり、外向きに延在するフランジおよび封止構造を示している。
図3C】使用後の図3Aおよび図3Bにおけるカプセルの外向きに延在するフランジの拡大詳細図である。
図4】本発明に従うカプセルの第1の実施例のフランジ領域の、該カプセルの中心線を通る平面に沿った概略の断面図である。
図5図4のカプセルのフランジ領域の、図4の平面V-Vに沿った概略の断面図であり、該平面は円筒状でカプセルと同軸である。
図6】本発明に従うカプセルの第2の実施例のフランジ領域の、カプセルの中心線を通る平面に沿った概略の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、カプセル内に圧力下で供給される流体を用いて該カプセルから飲用可能な飲料を調製するためのシステム1の実施態様の概略の断面図である。システム1は、封止されたカプセル2および飲料調製装置4を含んでいる。該装置4は、カプセル2を保持するための囲み部材6を含む。該装置4はさらに、カプセル2を保持するための閉じ部材、例えば抽出プレート8を含んでいる。
【0046】
図1において、明瞭のために、カプセル2と囲み部材6と抽出プレート8との間に隙間が描かれている。使用中、カプセル2が、囲み部材6および抽出プレート部材8と接触していることが理解されよう。一般的に囲み部材6は、カプセル2の形状に相補的な形状を有している。該装置4はさらに、6〜20バール、好ましくは12〜18バールの範囲の圧力下で或る量の流体、例えば水、を交換可能なカプセル2へ供給するための流体注入手段10を備えている。
【0047】
図1に示された実施例において、交換可能なカプセル2は、カプセル本体中心軸12Aを有するアルミニウムカプセル本体12と、カプセル本体12の開放側を密封的に封止するアルミニウム蓋14とを有する。本実施例においては、アルミニウムカプセル本体12は、側壁16、第1の端部で側壁16を閉じる底18、および底18に対向する第2の端部で周囲壁16の外側に延在する外向きに延在するフランジ20を含む。側壁16、底18、および蓋14は、内部空間22を取り囲み、該内部空間22は物質を抽出及び/又は溶解することによって飲用可能な飲料を調製するための物質を含んでいる。好ましくは、物質は、5〜20グラム、好ましくは5〜10グラム、より好ましくは5〜7グラムの抽出可能な製品、例えば一杯の飲料の調製のための焙煎し挽かれたコーヒーである。カプセルは当初は、封止され、即ち使用前は密封的に閉じられている。
【0048】
図1のシステム1は、入口開口部25を介して流体を抽出可能な製品に供給するために、底18に少なくとも1つの入口開口部25を創り出すためのカプセル2の底18を刺通するための底刺通手段24を含む。
【0049】
図1のシステム1はさらに、カプセル2の蓋14を刺通するために、蓋刺通手段26(ここでは閉じ部材8の突出部として形成されている)を備えている。蓋刺通手段26は、一度、内部空間22内の(流体)圧力が、閾値圧を超えて、蓋14を蓋刺通手段26に対して十分な力で押圧すると、蓋14が裂開するように配設されうる。こうして、アルミニウム蓋14は、カプセル内の流体圧の影響下で、飲料調製装置の閉じ部材8上で裂開するように配設されている。
【0050】
カプセル2はさらに、封止構造28を備えており、図1図3A図3Bにおいては一般的なボックスとして示されているが、図4〜6を参照してより詳細に記載される。カプセル2が囲み部材6内に置かれ、かつ囲み部材6と抽出プレート8との間で封止的に係合されるように囲み部材6が抽出プレート8によって閉じられる場合に、この封止構造28は、カプセル2の外向きに延在するフランジ20と封止構造28の少なくとも一部分とが、囲み部材6と流体封止接触を提供するように、外向きに延在するフランジ20で配設される。
【0051】
図2に示されたように、飲料調製装置の囲み部材6は、環状要素中心軸41Aと自由環状端面30とを有する環状要素41を備える。環状要素41の環状端面30は、半径方向に延在する複数の開放溝40を備えている。複数の、半径方向に延在する開放溝40は、環状要素の環状端面30の接線方向に相互に均一に間隔を取られている。各溝40の最大の接線幅は0.9〜1.1mm、好ましくは0.95〜1.05mm、より好ましくは0.98〜1.02mmであり、各溝40の囲み部材6の軸方向における最大高さは0.01〜0.09mmであり、好ましくは0.03〜0.07mm、より好ましくは0.045〜0.055mm、最も好ましくは0.05mmである。溝40の数は90〜110、好ましくは96の範囲内にある。溝の位置での環状端面の半径方向の幅は例えば0.05〜0.9mm、好ましくは0.2〜0.7mm、より好ましくは0.3〜0〜0.55mmでありうる。
【0052】
本発明に従うカプセルの1実施態様が、図3Aおよび3Bにより詳細に示されている。図示された実施態様において、外向きに延在するフランジ20の外径ODFは、カプセル2の底18の直径DBよりも大きい。図示された実施態様において、外向きに延在するフランジ20の外径ODFは約37.1mmであり、底18のDBは約23.3mmである。
【0053】
本実施例において、アルミニウムカプセル本体12の壁厚は100μmである。一般に、様々な考慮に応じる壁厚は20〜200μmが好ましい。
【0054】
図示の実施態様において、アルミニウム蓋14の厚さは39μmであり、好ましい厚さは15〜65μm、より特には30〜45μmの範囲である。好ましくは、アルミニウム蓋14の厚さは、アルミニウムカプセル本体12の厚さよりも小さい。
【0055】
アルミニウムカプセル本体12の側壁16は、底18に対向する自由端42を有している。アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端42の内径IDFは、約29.5mmである。外向きに延在するフランジ20は、その自由端42から、カプセル本体中心軸12Aを少なくとも実質的に横切る方向に延在している。外向きに延在するフランジ20は、カプセルと囲み部材との間の封止を得るのに有益な、湾曲外縁部43を備える。図示された実施態様において、外向きに延在するフランジ20の湾曲外縁部43は、約1.2mmの径方向断面最大寸法を有する。アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端42と湾曲外縁部43の内縁43Aとの間の距離DIFは、約2.7mmであるが、一方、アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端42と外向きに延在するフランジ20の最外縁部43Bとの間の距離は、約3.8mmである。
【0056】
図3Aおよび図3Bに示されたように、封止構造28は、アルミニウムカプセル本体12の側壁16の自由端と外向きに延在するフランジの湾曲外縁部42の内縁43Aとの間に配置されている。封止構造28は、一般的なボックスとして示されているが、以下でより詳細に説明する。封止構造28の実施態様とは関係なく、封止構造の高さは、適確な封止を与えるために、好ましくは少なくとも約0.1mm、より好ましくは少なくとも0.2mm、最も好ましくは少なくとも0.8mm、最大で3mm、より好ましくは最大で2mmであり、好ましくは最大で1.2mmである。
【0057】
図3Aから分かるように、アルミニウムカプセル本体12は切頭されている。図示された実施態様において、アルミニウムカプセル本体12の側壁16は、カプセル本体中心軸12Aに対して直角の線と約97.5°の角度Aを有する。アルミニウムカプセル本体12の底18は、約23.3mmの最大内径DBを有する。アルミニウムカプセル本体12の底18も切頭されており、図示された実施態様においては、約4.0mmの底の高さBHを有する。底18はさらに、蓋14に対向するほぼ平坦な中央部分18Aを有し、その中央部分18Aは、約8.3mmの直径DEEを有し、その中央部分18Aにおいて、入口開口部25を形成されうる。入口開口部はまた、中央部分18Aと側壁16との間の切頭部分において形成されてもよい。カプセルのアルミニウムカプセル本体12の総高さTHは、約28.4mmである。
【0058】
図1に示されたシステム1は、1杯の飲用可能な飲料(本実施例においてはコーヒーであり、カプセル内の物質は焙煎され挽かれたコーヒーである)を調製するために、以下のように操作される。
【0059】
カプセル2は囲み部材6内に置かれる。抽出プレート8はカプセル2と接触する。底刺通手段24は、入口開口部25を形成するために、カプセル2の底18を突き通す。流体(ここでは加圧下の熱湯)が、入口開口部25を介して内部空間22内の抽出可能な製品に供給される。湯は挽かれたコーヒーを湿らせ、所望の物質を抽出してコーヒー飲料を形成する。
【0060】
内部空間22に加圧下で水を供給する間に、カプセル2内の圧力は上昇する。圧力の上昇により、蓋14は変形され、抽出プレートの蓋刺通手段26に押し付けられる。一度、圧力が或るレベルに達すると、蓋14の引裂き強度を上回り、蓋14は、蓋刺通手段26に捕獲され、出口開口部を創り出す。調製されたコーヒーは、抽出プレート8の出口開口部及び出口32(図1を参照)を通してカプセル2から排出され、容器、例えばカップ(図示せず)に供給されうる。
【0061】
システム1は、調製の前または開始時に、カプセル2の外向きに延在するフランジ20と飲料調製装置の囲み部材6との間の封止接触を提供するように、囲み部材6の環状端面30がカプセル2の封止構造28に力F1を及ぼすように配設されている。ここで、力F1は、飲料調製装置の囲み部材内の流体圧力P1が0.1〜4バール、好ましくは0.1〜1バールの範囲内であるときに、30〜150N、好ましくは40〜150N、より好ましくは50〜100Nの範囲内にある。調製中、囲み部材6の環状端面30は、カプセル2の外向きに延在するフランジ20と囲み部材6との間に封止接触を提供するように、カプセル2の封止構造28に力F2を及ぼす。ここでF2は、カプセル2の外側での飲料調製装置の囲み部材6内の流体圧力P2が6〜20バール、好ましくは12〜18バールの範囲内にあるとき、500〜1500Nの範囲内にあり、好ましくは750〜1250Nの範囲内にある。図示された実施態様において、囲み部材6の1部分6Bは、外向きに延在するフランジ20と囲み部材6の環状端面30との間に最大の力を加えるために、抽出プレート8に向かう囲み部材6内の流体圧の影響下で、抽出プレート8に相対的に移動することができる。この移動は、使用中、即ち調製の開始時及び調製中に行われうる。囲み部材6は、第1の部分6Aと第2の部分6Bとを有し、第2の部分は環状端面30を含む。第2の部分6Bは、第1の部分6Aに相対的に第1の位置と第2の位置との間を移動しうる。第2の部分6Bは、囲み部材6内の流体圧の影響下で閉じ部材8の方向に第1の位置から第2の位置の方へ移動しうる。上で議論された力F1は、第2の部分6Bが流体圧P1で第1の位置にある場合に到達されうる。上で議論された力F2は、第2の部分6Bが囲み部材6内の流体圧P2の影響下で第2の位置の方へ動かされる場合に到達されうる。
【0062】
加えられた力の結果として、本発明に従うカプセルの封止構造28は、塑性変形を受け、環状端面30の溝40に密接に適合し、ひいては調製開始時には比較的低い流体圧で囲み部材6とカプセル3との間に封止接触を提供するだけでなく、調製中はカプセルの外側での囲み部材内でのはるかに高い流体圧で封止接触を提供する。囲み部材の溝40に対する閉じた形態が、使用後の本発明のカプセル2を示す図3Cに示されており、そして本図は外向きに延在するフランジ20が、囲み部材の溝40に適合する変形部40’を含むことを明瞭に示している。
【0063】
次に、本発明に従うカプセル2の外向きに延在するフランジ20での封止構造28の例示的な実施態様が、図4図6を参照してより詳細に説明されるであろう。
【0064】
図4および5は、本発明に従うカプセル2の第1実施例のフランジ領域を示している。側壁16の下側部分、外向きに延在するフランジ20、およびフランジ20での封止構造28、並びに該フランジ20に取り付けられ且つカプセル2を気密に閉鎖する蓋シート14の1部分も示されている。カプセル2は、互換性のある飲料調製装置の環状端面30を有する囲み部材6内に置かれる。フランジ20の部分と封止構造28とは、環状端面30と閉じ部材8との間でクランプされている。
【0065】
カプセル2が囲み部材6内に置かれかつ囲み部材6が閉じ部材8によって閉じられ、そしてフランジ20の少なくとも幾つかの部分と封止構造28とが環状端面30と閉じ部材8との間でクランプされる場合に、封止構造28は、囲み部材6(その端部が図示されている)の環状端面30との流体封止接触を提供するように変形可能である。
【0066】
封止構造28は、フランジの変形可能な封止リング部分を含み、該封止リング部分は、蓋の反対側のベース部分44、45の側で、フランジ20のベース部分44、45(すなわち、蓋14が接着する部分)から軸方向に突出している。変形可能な封止リング部分は、フランジ20の内側ベース部分44から延在し且つこれに隣接する内側壁部分46と、フランジの外側ベース部分45から延在し且つこれに隣接する外側壁部分47(該外側壁部分は内側壁部46の外側に間隔をおいて配置されている)と、内側壁部分46と外側壁部分47とを相互に連結するブリッジ部分48とを有している。該ブリッジ部分48は、フランジ20のベース部分44、45から軸方向に間隔を空けて置かれている。
【0067】
封止構造28はさらに、内側壁部分46と外側壁部分47との間に支持部材49を含んでいる。支持部材49がブリッジ部分48を支持するので、ブリッジ部分48は、これが環状端面30と閉じ部材8との間にクランプされたときに、囲み部材6の環状端面30の形状に適合するように、低いクランプ圧でさえも局所的な変形を可能にするところの比較的容易に変形可能な設計のものでありうる。支持部材49は、より高いクランプ圧で、十分な対抗圧が、該封止部にわたる、より高い圧力降下に対して確実な封止をするようにかけられることを保証する。
【0068】
図5において最もよく分るように、環状端面30が半径方向に延在する複数の開放溝50(各々は隆起領域51の間に位置する)を備え、該溝50と隆起領域51とは環状端面30の円周方向において交互に存在するところの囲み部材6の場合でさえも、封止構造28は、環状端面30の円周方向における一連の突出部51および窪み部50に適合することができる。こうして、封止構造28は、囲み部材6の閉鎖の初期段階の間、囲み部材6と閉じ部材8とが互いに押し付けられるクランプ圧が比較的低くかつ封止部にわたる圧力降下が低いときに、環状端面30の窪み表面部分50に対して効果的に封止する。囲み部材6の閉鎖の最終段階の間、囲み部材6と閉じ部材8とが互いに押し付けられるクランプ圧が比較的高くかつ封止部にわたる圧力降下が高いときに、支持部材は、ブリッジ部分48が追加の圧力で環状端面30に押圧されるようにされ、従って環状端面30に押圧されるべきブリッジ部分48の間の封止は、その後に加えられる封止部にわたる、より高い圧力降下に対抗できる。
【0069】
本実施例において、環状端部30が内側壁部分46と外側壁部分47との間の変形可能な封止リング部分に接触するように、変形可能な封止リング部分とブリッジ部分48とが位置決めされるようにかつそのような幅を有するので、ブリッジ部分48の容易な変形可能性、したがって環状端面30の形状に対する高度の適合能力が達成される。
【0070】
1つの支持部材または複数の支持部材は、可撓性及び/又は可塑性の材料で作られ、好ましくは内側壁部分46と外側壁部分47との間のブリッジ部分48の下側の空間を完全に充填する。そのような材料において隣接する部分は、大きく異なる程度まで容易に変形されうるので、それは、変形可能な封止リング部分に対して押圧する環状端面30の一連の隆起部分51および窪み部分50から生じる変形の程度の円周方向における変形を容易に受け入れる。例え支持部材の材料が比較的に柔軟、例えば10〜100Durometer(ASTM D2240 型Aスケール)、より好ましくは20〜70Durometer(ASTM D2240 型Aスケール)であるとしても、中実支持部材49は、ブリッジ部48に対して(特に窪み領域50に対して)実質的な支持圧力を生み出しうる。なぜなら支持部材49(その体積は、及ぼされる圧力に関係なく実質的に一定である)は、内側壁部分46と外側壁部分47との間のブリッジ部分48の下側の空間を完全に充填するので、1つの位置での局所的な圧縮は別の位置における膨張を必要とするからである。このようにして、ハイドロフォーミング法におけるように、より変形された領域における圧縮の結果として、追加的な反対圧力が、変形を余り受けていない領域に及ぼされる。しかし、比較的大きな変形を許容するために、支持部材49は、圧縮性の発泡材で作られうる。そのような材料において、上記された効果は、実質的に全体積がその内部の空隙を圧縮し潰された後で十分に達成されうる。
【0071】
環状端面30の形状に対する高い程度の適合性のために、本実施例におけるように、複数のベースフランジ部分44、45から軸方向に最も離れたブリッジ部分48の頂部は平坦であることは有利である。しかし、環状端面30の形状に対する高い程度の適合性のために、図6に示されたような断面においての場合に、ブリッジ部分148の頂部152は、ブリッジ部分148の頂部152の壁厚よりも2倍大きい曲率半径で湾曲された中央平面を有している(図6参照)ことは有利である。
【0072】
図6において示された実施例によって図示されたように、支持部材149はまた、バネ部材でありうる。このようにして、高い程度の弾力性が比較的硬い材料(例えば金属)で達成されうる。これは、支持部材が例えばアルミニウムで作られることを可能にし、従って、それは使用かつ廃棄の後、カプセル本体および蓋(この蓋が同様にアルミニウムである場合)と一緒にリサイクルされうる。
【0073】
環状端面30の形状に対する良好な適合性のために、ブリッジ部分148の頂部152の少なくとも部分が、内側および外側壁部分146、147の壁厚よりも薄い、低減された壁厚を有している場合に、さらに有利である。
【0074】
カプセル本体が少なくとも一方の側面に被覆を有する場合に、薄い壁厚を有するブリッジ部分148の頂部152の少なくとも部分において該被覆を省くことは、被覆が損傷を受け又は剥がれる又は壁材の剥がれによる壁厚の減少から生じうるリスクを減らす。
【0075】
ブリッジ部分の被覆されていない部分152が、蓋114に対向するフランジ120の側面にある場合に、もしもブリッジ部分の被覆されていない部分152がテクスチャ加工された(ざらつきのある)表面を持つならば、さらに改良された封止効果が達成されうる。なぜならクランプ力は、少なくとも当初は、テクスチャの隆起部分のみを介して伝えられ、従って隆起部分では、完璧に滑らかな接触表面にわたり及ぼされるよりは、より高い接触圧が及ぼされるからである。
【0076】
図6に示されたように、ブリッジ部分148の頂部152は、環状端部分30によって最初に接触される。これはまた、環状端面30の形状に対する特に容易な適合にとって有利である。
【0077】
ブリッジ部分148の頂部152(これはカプセル軸の周りに円周方向に延在する)が29〜33mm、より好ましくは30.0〜31.4mm、最も好ましくは30.3〜31.0mmの直径を有するようにすることにより、封止リング部分が、環状端面30と、広く用いられ且つ商業的に販売されている飲料調製装置、例えばCitiz、Lattisima、U,Maestria、Pixie、InissiaおよびEssenzaの上記閉じ部材との間でクランプされるときに初めて、ブリッジ部分148の頂部152は、環状端面30の中央部分によって接触されるように、環状端面30に対して中央に置かれる。
【0078】
ここまでの明細書においては、本発明の実施態様の特定の実施例を参照して記載されてきた。しかし、請求項で記載された本発明に従う発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、様々な修飾および変更がなされうることは明白である。
【符号の説明】
【0079】
1 システム
2 カプセル
4 飲料調製装置
6 囲み部材
8 閉じ部材(抽出プレート)
10 流体注入手段
12 カプセル本体
12A カプセル本体中心軸
14 蓋
16 側壁(周囲壁)
18 底
20 フランジ
22 内部空間
24 底刺通手段
25 入口開口部
26 蓋刺通手段
28 封止構造
30 自由環状端面
32 出口開口部及び出口
40 開放溝(囲み部材6の溝)
40’ 変形部
41 環状要素
41A 環状要素中心軸
42 自由端(カプセル本体12の側壁16の)
43 湾曲外縁部
43B フランジ20の最外縁部
44 内側ベース部分(フランジ20の)
45 外側ベース部分(フランジ20の)
46 内側壁部分
47 外側壁部分
48 ブリッジ部分
49 支持部材
50 溝(窪み部)
51 突出部(隆起部)

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6