特許第6962823号(P6962823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962823ビームフォーミングを使用した初期セル探索および選択のための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962823
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】ビームフォーミングを使用した初期セル探索および選択のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20211025BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20211025BHJP
   H04W 48/10 20090101ALI20211025BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20211025BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20211025BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   H04W48/16 110
   H04W16/28
   H04W48/10
   H04L27/26 114
   H04B7/06 952
   H04B7/08 802
【請求項の数】18
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2017-566123(P2017-566123)
(86)(22)【出願日】2016年6月24日
(65)【公表番号】特表2018-528636(P2018-528636A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】US2016039321
(87)【国際公開番号】WO2016210302
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年6月24日
(31)【優先権主張番号】62/184,580
(32)【優先日】2015年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/307,005
(32)【優先日】2016年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316012245
【氏名又は名称】アイディーエーシー ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タオ・デン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ファランテ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィクマール・ヴイ・プラガダ
(72)【発明者】
【氏名】ユゲスワール・ディーノー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アール・コーヘン
(72)【発明者】
【氏名】ジャネット・エイ・ステルン−ベルコウィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ムーン−イル・リー
(72)【発明者】
【氏名】ミハエラ・シー・ベルーリ
【審査官】 篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/080646(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0382268(US,A1)
【文献】 Huawei,AAS BS applications and deployment scenarios,3GPP TSG-RAN WG4♯68bis R4-134885,2013年09月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04L 27/26
H04B 7/06
H04B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信された構成メッセージに基づいて、同期信号のセットに関連付けられた送信周期性を判定する手段と、
前記判定された送信周期性を使用して同期信号の前記セットを探索する手段であって、同期信号の前記セットはプライマリ同期信号およびセカンダリ同期信号を含み、同期信号の前記セットはビームインデックスに関連付けられている、手段と、
少なくとも前記プライマリ同期信号を検出する手段と、
基準信号を使用して、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)上の送信を復調する手段であって、前記基準信号は、前記検出されたプライマリ同期信号に関連付けられた前記ビームインデックスから導出され、前記プライマリ同期信号および前記PBCH上の前記送信は、予め定義されたシンボル関係を有する、手段と、
を備えた、無線送受信ユニット(WTRU)。
【請求項2】
前記基準信号は、固定された数のシンボルだけ、前記検出されたプライマリ同期信号からオフセットされる、請求項1に記載のWTRU。
【請求項3】
前記WTRUは、基地局から、同期信号の前記セットの送信の表示を受信する、請求項1に記載のWTRU。
【請求項4】
前記WTRUは、前記表示に基づいて、前記検出されたプライマリ同期信号の測定を調整する、請求項3に記載のWTRU。
【請求項5】
前記プライマリ同期信号は基地局送信ビームに関連付けられる、請求項1に記載のWTRU。
【請求項6】
前記ビームインデックスは基地局送信ビームに関連付けられる、請求項1に記載のWTRU。
【請求項7】
前記WTRUは、予め定義されたスイープ時間およびドウェル期間を使用して、複数の同期サブフレームの各々の期間中に、複数の受信ビームのうちの1つをスイープして、別の同期信号を検出するように構成される、請求項1に記載のWTRU。
【請求項8】
前記WTRUは、前記PBCHから、システムタイミング情報、ビーム固有の基準シーケンス、および別のPBCHに関連付けられたビーム固有のリソース割り当てを獲得するように構成されており、前記システムタイミング情報は、少なくとも前記別のPBCHの送信のビームスイープ時間およびドウェル期間を含む、請求項1に記載のWTRU。
【請求項9】
ビームスイープを使用して、複数の受信ビームの各々についての前記検出されたプライマリ同期信号のメトリックを決定する手段と、
同期信号が検出される範囲内で複数の同期サブフレームの各々についてのeノードB送信ビーム同期領域を識別する手段と、
をさらに備える、請求項1に記載のWTRU。
【請求項10】
無線送受信ユニット(WTRU)によって実行される方法であって、
受信された構成メッセージに基づいて、同期信号のセットに関連付けられた送信周期性を判定するステップと、
前記WTRUによって、同期信号の前記セットを探索するステップであって、同期信号の前記セットはプライマリ同期信号およびセカンダリ同期信号を含み、同期信号の前記セットはビームインデックスに関連付けられている、ステップと、
前記WTRUによって、少なくとも前記プライマリ同期信号を検出するステップと、
前記WTRUによって、基準信号を使用して、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)を復調するステップであって、前記基準信号は、前記検出されたプライマリ同期信号に関連付けられた前記ビームインデックスから導出され、前記プライマリ同期信号および前記PBCHは、予め定義されたシンボル関係を有する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記基準信号は、固定された数のシンボルだけ、前記検出されたプライマリ同期信号からオフセットされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記WTRUによって、基地局から、同期信号の前記セットの送信の表示を受信するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記WTRUによって、前記表示に基づいて、前記検出されたプライマリ同期信号の測定を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記プライマリ同期信号は基地局送信ビームに関連付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ビームインデックスは基地局送信ビームに関連付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
予め定義されたスイープ時間およびドウェル期間を使用して、複数の同期サブフレームの各々の期間中に、複数の受信ビームのうちの1つをスイープして、別の同期信号を検出するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記WTRUによって、前記PBCHから、システムタイミング情報、ビーム固有の基準シーケンス、および別のPBCHに関連付けられたビーム固有のリソース割り当てを獲得するステップであって、前記システムタイミング情報は、少なくとも前記別のPBCHの送信のビームスイープ時間およびドウェル期間を含む、ステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記WTRUによって、ビームスイープを使用して、複数の受信ビームの各々についての前記検出されたプライマリ同期信号のメトリックを決定するステップと、
前記WTRUによって、同期信号が検出される範囲内で複数の同期サブフレームの各々についてのeノードB送信ビーム同期領域を識別するステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビームフォーミングを使用した初期セル探索および選択のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年6月25日に出願された米国特許仮出願第62/184,580号、および2016年3月11日に出願された米国特許仮出願第62/307,005号の利益を主張し、これらの仮出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0003】
一般に5Gと称される、次世代のセルラ通信システムは、前世代よりも高いスループット(例えば、無線で最大10Gbpsまたはそれ以上)と、より低いレイテンシ(例えば、1ms)とを必要とするであろう。これらの要件を満たすために、付加的な帯域幅が必要とされることがある。そのような目的に現在使用されていない、5Gセルラ通信システムによる使用のために利用可能であり得る1つの帯域は、ミリメートル波(mmW)帯域であり、ミリメートル波帯域は、6GHz以上の周波数を含む。セルラシステムに対するそのような帯域の使用は、現在取り得るデータレートよりもはるかに高いデータレートを可能にすることができ、より小さな送信時間間隔(TTI:transmit time interval)の使用を可能にすることができ、これは、レイテンシを低減させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ビームフォーミングを使用した初期セル探索および選択のための方法および装置が説明される。装置は、複数の受信ビームにより構成され、アンテナとプロセッサとを含む。プロセッサは、アンテナに動作可能に結合され、予め定義されたスイープ時間およびドウェル期間を使用して、複数の同期サブフレーム各々の期間中に、複数の受信ビームのそれぞれをスイープして、同期信号を検出する。プロセッサは、検出された同期信号から、シンボルタイミング情報および同期信号インデックスも取得する。取得された同期信号インデックスは、セットの同期信号インデックスに対応する。プロセッサは、取得されたシンボルタイミング情報、取得された同期信号インデックス、および検出された同期信号と第1のブロードキャストチャネルとの間の予め定義されたまたはブラインド符号化されたシンボル距離を使用して、第1のブロードキャストチャネルを復号する。プロセッサは、第1のブロードキャストチャネルを復号することから取得された情報を使用して、第2のブロードキャストチャネルを復号する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
より詳細な理解は、添付の図面と共に例示として与えられる、下記の説明から得ることができる。
図1A】1つまたは複数の開示された実施形態が実装されることができる、例示的な通信システムのシステム図である。
図1B図1Aに例示される通信システム内で使用されることができる、例示的な無線送信/受信ユニット(WTRU:wireless transmit/receive unit)のシステム図である。
図1C図1Aに例示された通信システム内で使用されることができる、例示的な無線アクセスネットワークおよび例示的なコアネットワークのシステム図である。
図2】例示的なプライマリ同期信号(PSS:primary synchronization signal)位置と、例示的なセカンダリ同期信号(SSS:secondary synchronization signal)位置とを示す、例示的な周波数分割複信(FDD:frequency division duplex)フレームの図である。
図3】別の例示的なmmWフレーム構造の図である。
図4】セルごとにM個のビームを使用する3セクタmmW基地局サイトの例、および合計N個の受信ビームを有する例示的なWTRUの図である。
図5】シングルビーム構成を有する信号ビームカバレッジ例を示す図である。
図6】2つの同時のビームが構成された信号ビームカバレッジ例を示す図である。
図7】1つの同期領域において均一かつ完全なスイープを使用する例示的なサブフレームの図である。
図8】複数TTI同期領域において均一かつ完全なスイープを使用する例示的なサブフレームの図である。
図9】例示的な同期領域再構成の図である。
図10】別の例示的な同期領域再構成の図である。
図11】柔軟なマッピングおよびドウェル時間再構成の例の図である。
図12】ヘテロジニアスeNB送信ビームに対する同期信号の例示的なマッピングの図である。
図13】異なるTTIにおけるヘテロジニアス送信ビームに対する同期信号の例示的なマッピングの図である。
図14】同じシンボルにおけるヘテロジニアスeNB送信ビームに対する同期信号タイプの例示的なマッピングの図である。
図15】ビーム情報がセル全体にわたるeNB送信ビーム上で送信され、残りのマスタ情報ブロック(MIB:master information block)が狭い送信ビームで送信されるように、MIBが分割される、例示的なマッピングの図である。
図16】ブロードキャストチャネルが1対1マッピングで同期信号タイプに関連付けられる、例示的なマッピングの図である。
図17】ブロードキャストチャネルが1対多マッピングで同期信号タイプに関連付けられる、例示的なマッピングの図である。
図18】ビームフォーミングを使用した初期セル探索および選択の例示的な方法のフロー図である。
図19】全数探索および段階的探索の例を示す図である。
図20】全数探索手続きおよび段階的探索手続きを使用して、回転の影響を調べるシミュレーションの第1のセットの結果を示すグラフである。
図21】回転速度の関数として、全数探索手続きおよび段階的探索手続きの性能を調べるシミュレーションの第2のセットの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1Aは、1つまたは複数の開示される実施形態が実装されることができる、例示的な通信システム100の図である。通信システム100は、コンテンツ、例えば、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャスト等などを複数の無線ユーザに提供する多元接続システムであってもよい。通信システム100は、無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、そのようなコンテンツに複数の無線ユーザがアクセスすることを可能にすることができる。例えば、通信システム100は、1つまたは複数のチャネルアクセス方法、例えば、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)等などを採用してもよい。
【0007】
図1Aに示されるように、通信システム100は、無線送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むことができるが、開示された実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワークおよび/またはネットワーク要素を想定することが認識されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、無線環境において動作するように、および/または通信するように構成された、任意のタイプのデバイスであってよい。例示として、WTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信し、および/または受信するように構成されることができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定加入者ユニットまたは移動加入者ユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家電等を含んでもよい。
【0008】
通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bも含むことができる。基地局114a、114bの各々は、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインターフェースして、1つまたは複数の通信ネットワーク、例えば、コアネットワーク106、インターネット110、および/または他のネットワーク112などへのアクセスを促進するように構成された、任意のタイプのデバイスとすることができる。例示として、基地局114a、114bは、基地送受信局(BTS:base transceiver station)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータ等であってもよい。基地局114a、114bは各々、単一の要素として描写されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含んでもよいことが認識されるであろう。
【0009】
基地局114aは、RAN104の一部であってもよく、RAN104は、他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)、例えば、基地局コントローラ(BSC:base station controller)、無線ネットワークコントローラ(RNC:radio network controller)、中継ノード等も含んでもよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と称されることがある、特定の地理的領域内の無線信号を送信し、および/または受信するように構成されることができる。セルは、セルセクタへさらに分割されることができる。例えば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタへ分割されることができる。したがって、1つの実施形態において、基地局114aは、3つの送受信機、すなわち、セルのセクタごとに1つの送受信機を含むことができる。別の実施形態において、基地局114aは、多入力多出力(MIMO:multiple−input multiple−output)技術を採用することができ、したがって、セルのセクタごとに複数の送受信機を利用することができる。
【0010】
基地局114a、114bは、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数とエアインターフェース116上で通信することができ、エアインターフェース116は、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光線等)であってよい。エアインターフェース116は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT:radio access technology)を使用して確立されることができる。
【0011】
より詳細には、上記のように、通信システム100は、多元接続システムであってもよく、1つまたは複数のチャネルアクセススキーム、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA等を採用してもよい。例えば、RAN104内の基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、無線技術、例えば、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)地上無線アクセス(UTRA:UMTS Terrestrial Radio Access)を実装してもよく、これは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用して、エアインターフェース116を確立することができる。WCDMAは、通信プロトコル、例えば、高速パケットアクセス(HSPA:High−Speed Packet Access)および/または進化型HSPA(HSPA+)などを含んでもよい。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)を含むことができる。
【0012】
別の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、無線技術、例えば、進化型UMTS地上無線アクセス(E−UTRA)を実装してもよく、これは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE−A)を使用して、エアインターフェース116を確立することができる。
【0013】
他の実施形態において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、無線技術、例えば、IEEE802.16(すなわち、マイクロ波アクセスのための世界的な相互運用性(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 IX、CDMA2000 EV−DO、暫定標準2000(IS−2000)、暫定標準95(IS−95)、暫定標準856(IS−856)、移動通信のためのグローバルシステム(GSM:Global System for Mobile communications)、GSMエボリューションのための拡張データレート(EDGE:Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GSM EDGE(GERAN)等などを実装してもよい。
【0014】
図1Aにおける基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントであってもよく、局所的なエリア、例えば、事業所、家庭、車両、キャンパス等における無線接続性の促進のために、任意の適切なRATを利用することができる。1つの実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立することができる。別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立することができる。また別の実施形態において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE−A等)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立してもよい。図1Aに示されるように、基地局114bは、インターネット110に対する直接接続を有することができる。したがって、基地局114bは、コアネットワーク106を介してインターネット110にアクセスすることを必要とされなくてもよい。
【0015】
RAN104は、コアネットワーク106と通信することができ、コアネットワーク106は、音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数に提供するように構成された、任意のタイプのネットワークであってよい。例えば、コアネットワーク106は、呼制御、課金サービス、モバイル位置情報サービス(mobile location-based services)、プリペイド通話、インターネット接続性、ビデオ配信等を提供することができ、および/またはユーザ認証などの高レベルのセキュリティ機能を実行することができる。図1Aには図示されていないが、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを採用する他のRANと直接通信または間接通信してもよいことが認識されるであろう。例えば、E−UTRA無線技術を利用しているかもしれないRAN104に対して接続されることに加えて、コアネットワーク106は、GSM無線技術を採用する別のRAN(図示せず)とも通信することができてもよい。
【0016】
コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとしての役割を果たして、PSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスすることもできる。PSTN108は、旧来の電話サービス(POTS:plain old telephone service)を提供する回路交換電話網を含んでもよい。インターネット110は、共通の通信プロトコル、例えば、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおける送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)およびインターネットプロトコル(IP)などを使用する、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有され、および/または運用される、有線通信ネットワークまたは無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、1つまたは複数のRANへ接続された別のコアネットワークを含んでもよく、それらは、RAN104と同じRATまたは異なるRATを採用してもよい。
【0017】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのうちの一部または全部は、マルチモード能力を含むことができ、すなわち、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線通信リンク上で異なる無線ネットワークと通信するために複数の送受信機を含むことができる。例えば、図1Aに示されるWTRU102cは、セルラベースの無線技術を採用することができる基地局114aと通信するように、およびIEEE802無線技術を採用することができる基地局114bと通信するように構成されることができる。
【0018】
図1Bは、例示的なWTRU102のシステム図である。図1Bに示されるように、WTRU102は、プロセッサ118、送受信機120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、および他の周辺装置138を含むことができる。WTRU102は、一実施形態と調和したままで、前述の要素の任意のサブ組み合わせを含んでもよいことが認識されるであろう。
【0019】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、状態機械等であってもよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102が無線環境において動作することを可能にする任意の他の機能性を実行することができる。プロセッサ118は、送受信機120に結合されることができ、送受信機120は、送信/受信要素122に結合されることができる。図1Bは、プロセッサ118および送受信機120を別個の構成要素として描写しているが、プロセッサ118および送受信機120は、電子パッケージまたはチップ内に共に一体化されてもよいことが認識されるであろう。
【0020】
送信/受信要素122は、エアインターフェース116上で、基地局(例えば、基地局114a)へ信号を送信し、または基地局から信号を受信するように構成されることができる。例えば、1つの実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号を送信し、および/または受信するように構成されたアンテナであってもよい。別の実施形態において、送信/受信要素122は、例えば、IR信号、UV信号、または可視光線信号を送信し、および/または受信するように構成されたエミッタ/検出器であってもよい。また別の実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号と光信号との両方を送信および受信するように構成されてもよい。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信し、および/または受信するように構成されることができることが、認識されるであろう。
【0021】
さらに、送信/受信要素122は、図1Bでは単一の要素として描写されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含んでもよい。より詳細には、WTRU102は、MIMO技術を採用することができる。したがって、1つの実施形態において、WTRU102は、エアインターフェース116上で無線信号を送信および受信するために、2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含んでもよい。
【0022】
送受信機120は、送信/受信要素122によって送信されるべき信号を変調し、送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成されることができる。上記のように、WTRU102は、マルチモード能力を有することができる。したがって、送受信機120は、WTRU102が複数のRAT、例えば、UTRAおよびIEEE802.11などを介して通信することを可能にするために、複数の送受信機を含むことができる。
【0023】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニットもしくは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合されることができ、これらからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128へユーザ・データを出力することもできる。また、プロセッサ118は、任意のタイプの適切なメモリ、例えば、非リムーバブルメモリ130および/またはリムーバブルメモリ132の情報にアクセスし、任意のタイプの適切なメモリにデータを記憶することができる。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク、または任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含んでもよい。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリースティック、セキュアディジタル(SD)メモリーカード等を含んでもよい。他の実施形態において、プロセッサ118は、WTRU102上に物理的に位置しないメモリ、例えば、サーバ上のメモリまたはホームコンピュータ(図示せず)上のメモリなどの情報にアクセスし、このメモリにデータを記憶してもよい。
【0024】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ることができ、WTRU102内の他の構成要素への電力を供給し、および/または制御するように構成されることができる。電源134は、WTRU102に電力供給するための任意の適切なデバイスであってよい。例えば、電源134は、1つまたは複数の乾電池(例えば、ニッケル−カドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li−ion)等)、太陽電池、燃料電池等を含んでもよい。
【0025】
プロセッサ118は、GPSチップセット136にも結合されることができ、GPSチップセット136は、WTRU102の現行の位置に関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成されることができる。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはこの代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース116上で位置情報を受信し、および/または2つ以上の近くの基地局から受信されている信号のタイミングに基づいて、その位置を決定することができる。WTRU102は、一実施形態と調和したままで、任意の適切な位置決定方法により位置情報を獲得することができることが、認識されるであろう。
【0026】
プロセッサ118は、他の周辺装置138にさらに結合されることができ、他の周辺装置138は、付加的な特徴、機能性および/または有線接続性もしくは無線接続性を提供する、1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含むことができる。例えば、周辺装置138は、加速度計、eコンパス、衛星送受信機、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ等を含んでもよい。
【0027】
図1Cは、一実施形態に係るRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上記のように、RAN104は、E−UTRA無線技術を採用して、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース116上で通信することができる。RAN104は、コアネットワーク106とも通信することができる。
【0028】
RAN104は、eノードB 140a、140b、140cを含むことができるが、RAN104は、一実施形態と調和したままで、任意の数のeノードBを含んでもよいことが、認識されるであろう。eノードB 140a、140b、140cは各々、WTRU102a、102b、102cとエアインターフェース116上で通信するために、1つまたは複数の送受信機を含むことができる。1つの実施形態において、eノードB 140a、140b、140cは、MIMO技術を実装することができる。したがって、eノードB 140aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aへ無線信号を送信し、WTRU102aから無線信号を受信することができる。
【0029】
eノードB 140a、140b、140cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられることができ、無線通信リソース管理決定、ハンドオーバ決定、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおけるユーザのスケジューリング等を扱うように構成されることができる。図1Cに示されるように、eノードB 140a、140b、140cは、X2インターフェース上で互いに通信することができる。
【0030】
図1Cに示されるコアネットワーク106は、モビリティ管理エンティティゲートウエイ(MME)142、サービングゲートウェイ144、およびパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ146を含むことができる。前述の要素の各々は、コアネットワーク106の一部として描写されているが、これらの要素のうちのいずれも、コアネットワーク運用者以外のエンティティによって所有され、および/または運用されてもよいことが、認識されるであろう。
【0031】
MME142は、RAN104内のeノードB 140a、140b、140cの各々へS1インターフェースを介して接続されることができ、制御ノードとしての役割を果たすことができる。例えば、MME142は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ期間中の特定のサービングゲートウェイの選択等に関与することができる。MME142は、RAN104と、GSMまたはWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間の切り替えのために、制御プレーン機能も提供することができる。
【0032】
サービングゲートウェイ144は、RAN104内のeノードB 140a、140b、140cの各々へS1インターフェースを介して接続されることができる。サービングゲートウェイ144は、一般に、WTRU102a、102b、102cへ/からユーザデータパケットをルーティングおよび転送することができる。サービングゲートウェイ144は、他の機能、例えば、eノードB間ハンドオーバの期間中にユーザプレーンをアンカリングすること、ダウンリンクデータがWTRU102a、102b、102cについて利用可能である場合にページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理および記憶すること等も実行することができる。
【0033】
サービングゲートウェイ144は、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供することができるPDNゲートウェイ146へも接続されて、WTRU102a、102b、102cとIP対応のデバイスとの間の通信を促進させることができる。
【0034】
コアネットワーク106は、他のネットワークとの通信を促進させることができる。例えば、コアネットワーク106は、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102cと伝統的な陸線通信デバイスとの間の通信を促進させることができる。例えば、コアネットワーク106は、コアネットワーク106とPSTN108との間のインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS:IP multimedia subsystem)サーバ)を含んでも、またはIPゲートウェイと通信してもよい。また、コアネットワーク106は、WTRU102a、102b、102cにネットワーク112へのアクセスを提供することができ、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有され、および/または運用される、他の有線ネットワークまたは無線ネットワークを含んでもよい。
【0035】
他のネットワーク112は、IEEE802.11ベースの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)160へさらに接続されることができる。WLAN160は、アクセスルータ165を含むことができる。アクセスルータは、ゲートウェイ機能性を含むことができる。アクセスルータ165は、複数のアクセスポイント(AP)170a、170bと通信することができる。アクセスルータ165とAP170a、170bとの間の通信は、有線イーサネット(IEEE802.3標準)、または任意のタイプの無線通信プロトコルを介してもよい。AP170aは、WTRU102dとエアインターフェース上で無線通信する。
【0036】
6GHz超の周波数は、室外環境において無線通信には好ましくないと見なされてきた伝播特性に起因して、セルラシステムに対しては伝統的に使用されてこなかった。より高い周波数送信は、一般に、より高い自由空間経路損失を被る傾向がある。降雨、大気中の気体(例えば、酸素)、および枝葉は、サブ6GHz周波数と比較して、さらなる減衰を追加することがある。また、通過減衰および回折減衰は、サブ6GHz周波数とは対照的に、mmW周波数において、より深刻になることがある。
【0037】
6GHz超の周波数の上記に説明された伝播特性は、著しい非見通し線(NLOS:Non Line−Of−Sight)伝搬経路損失をもたらすことがある。例えば、mmW周波数においては、NLOS経路損失が、見通し線(LOS:Line−Of−Sight)経路損失よりも20dBを超えて高くなることがあり、mmW送信のカバレッジを厳しく限定することがある。
【0038】
最近のチャネル測定は、ビームフォーミング技法の助けを借りて、室外のmmWセルラカバレッジの実現可能性を実証してきている。測定データは、ビームフォーミング利得がNLOS条件においてセルラ制御シグナリングのために必要なカバレッジを提供することを可能にすることができるだけでなく、LOS条件において、より高いデータスループットを達成するためにリンク容量を上昇させることもできることを示す。そのようなビームフォーミング技法を実装したアンテナは、高い利得を提供する必要があることがあり、したがって、指向性が高くなることがあり、これは、送信器と受信器との両方において電子的に操作可能である、大きなアンテナアレイの使用を必要とすることがある。
【0039】
6GHz超の周波数チャネルの伝播特性および5Gセルラシステムの非常に高いデータスループット要件を前提として、5Gシステムは、すべての物理層信号およびチャネルに対するビームフォーミングにより、ビームフォーミングされたアクセスリンクを可能にするように最適に設計されることができる。物理層信号およびチャネルは、異なるビームフォーミング技法を適用することがあり、それら自体の固有のビームフォーミング構成(例えば、ビーム幅およびビームフォーミング利得)を有することもある。さらに、6GHz超のシステム設計は、すべてのシステム手続きにビームフォーミング態様を組み込んでもよい。6GHz超の周波数におけるアラインされたビームペアは、従来のセルラシステムと比較して、角領域において付加的な自由度を提供することができる。システム設計は、各物理層信号およびチャネルに固有のビームフォーミング特徴およびビームペアリング特徴を考慮に入れてもよく、対応する空間制御および操作を、例えば、セル探索、ランダムアクセス、および制御チャネル復号を含む、すべてのシステム手続きに組み込んでもよい。
【0040】
ビームフォーミング技法は、デジタルビームフォーミング、アナログビームフォーミングまたはハイブリッドビームフォーミングを含むことができる。デジタルビームフォーミングにより、各アンテナ素子は、専用の無線周波数(RF)チェーンを有することができ、この各々が、RF処理要素と、アナログ・デジタル変換器/デジタル・アナログ変換器(ADC/DAC)とを含むことができる。各アンテナ素子によって処理された信号は、チャネル容量を最適化するために、位相および振幅において独立して制御されることができる。RFチェーンの数は、アンテナ素子の数と等しくすることができる。非常に高い性能を提供する一方で、デジタルビームフォーミング技法は、実装時に高いコストおよび複雑さを課し、動作時に高いエネルギー消費を引き起こすことがある。
【0041】
アナログビームフォーミングは、位相アンテナアレイ(PAA:Phase Antenna Array)を構成する複数のアンテナ素子に対して、1つのRFチェーンのみを必要とし得る。各アンテナ素子は、移相器を有することができ、移相器は、PAAのアンテナパターンのビームフォーミングおよび操作のために位相限定重み(phase-only weight)を設定するために使用されることができる。適用されるRFチェーンの数は、アンテナ素子の数よりも著しく少なくてもよく、RFチェーンの数は、PAAの数と同じであっても、またはPAAの数よりも少なくてもよい。例えば、複数のPAAが、単一のRFチェーンへ接続されてもよく、各PAAは、固有の方位角および高さカバレッジのアンテナパターンを有してもよい。RFチェーンは、一度に1つのPAAへ切り替えられることができ、したがって、複数のPAAを有する単一のRFチェーンは、異なる時間インスタンスにおいて異なる方向の1つのビームを使用することによって、広いカバレッジを提供することができる。
【0042】
ハイブリッドビームフォーミングは、デジタルプリコーディングとアナログビームフォーミングとを組み合わせることができる。アナログビームフォーミングは、1つのRFチェーンへ接続されたPAAのアンテナ素子上で実行されることができる。デジタルプリコーディングは、各RFチェーンのベースバンド信号およびその関連付けられたPAAに対して適用されることができる。ハイブリッドビームフォーミングの構成は、複数のデータストリームと、複数のRFチェーンと、複数のPAAと、複数のアンテナ素子とを含むことができる。RFチェーンへ接続された1つのPAAは、アンテナポートに固有のビームフォーミングされた基準信号によって一意に識別されるアンテナポートによって表現されてもよい。
【0043】
6GHz超のシステム用のデジタルビームフォーミング技法の高い実装コストおよびエネルギー消費は、6GHz超の5G無線システムについて固有の実装上の検討事項を導入することがある。例えば、6GHz超の5Gビームフォーミング技法は、例えば、RFチェーンの数がアンテナ素子の数よりも著しく少なくなり得るように、高度なアナログビームフォーミングと共にハイブリッドビームフォーミングに基づいていてもよい。アナログビームフォーミング技法の意味は、初期セル探索を含む、あらゆるシステム手続きに影響を及ぼすことがあり、新たな手続き上の振る舞いおよびイベントをもたらすことがある。指向性送信は、時間ドメインと空間ドメインとの両方において送信をカスタマイズするために、eNBに対して高度な柔軟性を提供して、信号オーバーヘッドおよびエネルギー消費を低減させることができる。
【0044】
初期セル探索は、セルとの時間同期および周波数同期を獲得し、そのセルのセルIDを検出することによって、ネットワークに最初にアクセスしようとWTRUが試みることができる手続きである。この手続きは、1つまたは複数の同期信号によって促進されることができ、同期信号は、ネットワーク内のすべてのセルによって送信されてもよい。同期信号は、例えば、プライマリ同期信号(PSS)と、第2の同期信号(SSS)とを含むことができる。
【0045】
図2は、例示的なPSS位置およびSSS位置を示す、例示的なロングタームエボリューション(LTE)周波数分割複信(FDD)フレーム200の図である。図2に例示されるように、PSS205およびSSS210は、あらゆる無線フレーム200の0番目のサブフレーム220および5番目のサブフレーム230において送信され、初期設定期間中に時間同期および周波数同期のために使用されることができる。フレーム200は、10msのフレームとすることができ、各々が1msの10個のサブフレームへ分割されることができる。
【0046】
同期信号は、Zadoff−Chu(ZC)シーケンスに基づくことができ、WTRUによって、ネットワーク内の適当なセルを発見し、そのダウンリンクフレームタイミングを決定し、その物理層アイデンティティを識別するために使用されることができる。より詳細には、システム獲得プロセスの一部として、WTRUは、同期信号に基づいて、OFDMシンボル、スロット、サブフレーム、ハーフフレーム、および無線フレームに対して順次同期することができる。LTEにおいて、例えば、PSSは、スロット、サブフレームおよびハーフフレーム境界同期を取得するために使用されてもよい。PSSは、セルアイデンティティグループ内の物理層(PHY)セルアイデンティティ(PCI)も提供することができる。LTEにおいては、例えば、504個の異なるPCIが存在しており、PCIは、168個のグループへ分割され、各々が、3つの取り得るPSSシーケンスに対してマッピングされる、3つの異なるアイデンティティに関連付けられる。このグループ化は、セル探索手続き全体の複雑さを低減させることができる。SSSは、無線フレーム境界を取得するために使用されることができ、0から167まで変化し得るセルアイデンティティグループをWTRUが決定することも可能にすることができる。同期成功およびPCI獲得に続いて、WTRUは、例えば、セル固有の基準信号(CRS:cell−specific reference signal)の助けを借りて、物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)を復号し、システムの帯域幅、システムフレーム番号(SFN:system frame number)および物理的なハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)指標チャネル(PHICH:physical HARQ indicator channel)構成に関するマスタ情報ブロック(МIB:master information block)情報を獲得することができる。
【0047】
上記に説明された初期探索手続きは、セル全体にわたるカバレッジを有する固定されたビームパターンを仮定している。例えば、上記に説明されたLTE同期信号およびPBCHは、標準化された周期性に従って連続的に送信される。しかしながら、利用されるRFチェーンの数を最小化するために、アナログビームフォーミング技法またはハイブリッドビームフォーミング技法を使用する、デュアルエンドの指向性が高いリンクを採用するmmWネットワークの場合、そのようなカバレッジは実際的ではないことがある。本明細書において説明される実施形態は、ネットワークとWTRUとの両方においてビームフォーミングが採用されることができる、初期セル探索および選択のための方法および装置を提供する。
【0048】
上記に説明された初期探索手続きは、全方向性アンテナパターンの使用も仮定しており、これは、WTRU回転動作が大部分無視されることを可能にする。しかしながら、mmWシステムの場合、指向性が高いリンクのサポートは、アンテナが電子的に操作可能であることを必要とすることがあり、mmWシステムは、ビームペアリングが確立されることも必要とすることがある。mmWシステムのこれらの態様の両方は、これらをWTRU回転動作に対して、より敏感にすることがある。例えば、全数探索手続きの初めにテストされたビームペアは、ビームペアリング決定が行われる探索の終了時には、同じ品質を有しないことがある。本明細書において説明される実施形態は、ネットワークとWTRUとの両方においてビームフォーミングが適用されることができる、初期セル探索および選択の方法を提供し、この方法は、WTRUの回転動作を考慮に入れる。
【0049】
ネットワーク端部において、mmW WTRU(本明細書においては単純にWTRUとも称される)が同期信号およびPBCHを受信することができるような手法で、ネットワークが同期信号およびPBCHを提供することを可能にすることができる方法および装置が説明される。実施形態において、セルエッジにおけるユーザに到達し、高密度セル内のすべてのユーザにサービス提供するために、同期チャネルおよびブロードキャストチャネルは、複数のビーム上で送信されることができ、複数のビームは、時間的に連続的に送信されなくてもよい。実施形態において、PSSおよびSSSは、異なるビーム上で送信されてもよい。同様に、PSS/SSSおよびPBCHは、異なるビーム上で送信されてもよい。
【0050】
本明細書において説明される実施形態は、mmW同期信号設計、ならびに1つまたは複数の同期信号タイプ(例えば、PSSおよびSSS)を物理リソースに対してマッピングする方法を提供する。1つまたは複数の同期信号タイプは、例えば、シンボルタイミング、TTIタイミング、サブフレームタイミングおよびフレームタイミングを含む、1つまたは複数のタイミング情報を提供することができる。
【0051】
実施形態において、mmWシステムは、(例えば、図2に例示されるような)LTEシステムと同じ長さのサブフレームを使用することができ、サブフレームタイミングアラインメントは、例えば、デュアル接続性を促進させることができる。そのような実施形態において、各サブフレームは、mmW帯域の使用によって与えられたより広い帯域幅に起因して、複数のTTIを有することができる。実施形態において、より短いTTI長さ(例えば、100μs)が、レイテンシを低減するために使用されてもよい。
【0052】
図3は、別の例示的なmmWフレーム構造の図である。図3に例示された例示的なフレーム300は、長さが1msであり、各々が0.1msの10個のサブフレームを含む。例示的なフレーム300は、同期サブフレーム320、330ごとに、複数すなわちM個の送信ビームを収容し、フレーム300ごとに、1つの同期サブフレーム320、330のサブフレーム周期性を有する。例示された例において、同期信号は、下記でより詳細に説明されるように、各ダウンリンクフレーム300の第1のサブフレーム320、330に位置しており、M個のビーム305〜310に対してマッピングされる。様々な実施形態において、異なるM個のビームがサブフレームごとに使用されてもよく、異なるサブフレーム周期性が使用されてもよい。
【0053】
図4は、3つのセル450A、450Bおよび450Cの各々についてMビーム305〜310を使用する3セクタmmW基地局サイト410と、合計N個の受信ビーム440を有するWTRU420とを含む、例示的なシステム400の図である。伝統的な六角形のセルカバレッジが示されているが、mmWカバレッジは、例えば、妨害物の影響に起因して、それほどはっきりした形で構造化されていないことがある。図4は、WTRU420の受信ビーム440A(ビームインデックス1)と、セル450CからのeNB送信ビーム430(ビームインデックス2)との間の例示的なビームペアリングも強調している。簡単のために、図4は、単一のアレイを有するWTRU420を示す。しかしながら、カバレッジを増加させるために、WTRUは、2つ以上のアレイを有してもよい。
【0054】
実施形態において、WTRUは、PSSおよび/またはSSSに対してマッピングされた固有のシーケンスを使用して、ビームおよび/またはセルアイデンティティを決定することができる。図3に例示された実施形態において、例えば、M個のビームの各々は、共通のセルアイデンティティと、一意のビーム固有のアイデンティティとの両方を搬送してもよい。実施形態において、各シーケンスは、セル、ビームまたはユーザを一意に識別するシグネチャを搬送してもよい。例えば、ZCシーケンスは、1つのセルを表す1つのZCルートシーケンスと共に使用されてもよく、セルの各ビームは、ルートシーケンスと予め設定された数の巡回シフトとに基づいたZCシーケンスを使用してもよい。別の例においては、所望の自己相関特性および相互相関特性を有する他のシーケンス、例えば、GolayシーケンスおよびGoldシーケンスなどが考慮されてもよい。シーケンスインデックスは、付加的なシステム情報を搬送してもよい。例えば、PSSは、セル固有のアイデンティティを搬送してもよく、SSは、ビーム固有のアイデンティティを搬送してもよい。
【0055】
同期信号は、別の同期信号の位置を突き止め、識別するために使用されることができる固有の情報も搬送することができる。例えば、PSSは、選択されたインデックスの観点から黙示的な情報を搬送することができ、これは、PSSとその関連付けられたSSSとの間のシンボル距離を示すことができる。他の実施形態において、PSSと関連付けられたSSSとの間のシンボル距離は、予め定義されていてもよい。また、1つまたは複数の特性、例えば、1つの同期信号タイプのリソースマッピングまたはスクランブリングシーケンス構成などは、その関連付けられた同期信号に基づいて導出されてもよい。
【0056】
同期信号は、固有のビームフォーミング構成および特性も有することができ、これらは、例えば、ビーム幅および関連付けられた利得、サイドローブ抑圧レベルならびに各アンテナ素子の送信電力を含んでもよい。同期信号のビーム幅および特性は、固有の同期信号に適合されることができ、同期信号ビーム(またはビーム)は、関連付けられ、固定されても、または可変であってもよい。例えば、同期信号ビームが、例えば、セル全体にわたるカバレッジを提供するために使用されるのか、またはより小さなホットスポットをカバーするために使用されるのかに応じて、同期信号ビームは、異なる帯域幅および特性を有してもよい。
【0057】
各同期信号は、予め定義されたシーケンスのセットを使用することができ、シーケンスの構成は、異なる同期信号間で異なってもよい(例えば、シーケンスの構成は、SSSについてのものと、PSSについてのものとで異なってもよい)。構成は、例えば、シーケンスタイプ、シーケンス長さ、および/またはシーケンス変調を含むことができる。シーケンスの属性は、例えば、セル固有のアイデンティティ、およびビーム固有のアイデンティティを含んでもよい。実施形態において、ビームフォーミングされた同期信号タイプのすべてが、同じセル固有のシーケンスを搬送してもよい。他の実施形態において、1つのセルについてのすべての同期信号タイプが、シーケンスの1つの予め定義されたセットからの異なるシーケンスを使用してもよく、シーケンスセットは、一定の特性を使用して、セル固有の情報とビーム固有の情報との両方を一意に識別することができる。例えば、セット内のすべてのシーケンスが、異なる巡回シフトを有する同じベースシーケンスに基づいてもよい。
【0058】
特定の同期信号または同期信号タイプについて使用されるビームフォーミング構成および周期性は、エネルギーを節約するために、それが使用されているサービスのタイプに依存してもよい。例えば、超高速ストリーミングなどの拡張ブロードバンド関連サービスは、低容量とは異なる構成の、ただし信頼性が高いサービスを使用することができる。さらに、ユーザ密度およびトラフィックタイプに応じて、セルは、ホットスポットに対して異なるビームフォーミング構成を使用してもよい。
【0059】
同期信号に対して使用される物理リソースは、物理リソース要素のグループを含むことができ、これは、mmWシステムの最小のスケジューリング可能な物理層リソースとすることができる。各物理リソース要素は、PHY制御チャネル、PHYデータチャネル、同期信号または基準信号のうちの1つのシンボルを搬送することができる。さらに、各物理リソース要素は、1つまたは複数の最小の物理リソースユニットを含むことができ、これは、mmWシステムによって採用される波形、変調およびフレーム構造に従って定義され、指定されることができる。最小のリソースユニットは、例えば、最小の周波数リソースユニット、最小の時間リソースユニットおよび/または最小の変調ユニットを含んでもよい。最小の周波数リソースユニットは、例えば、OFDM、SC−OFDM、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC:filter bank multicarrier)、ゼロテール拡散OFDM(ZT−s−OFDM:zero−tail spread−OFDM)、またはユニークワードOFDM(UW OFDM:unique word OFDM)などのマルチキャリア波形において適用されるサブキャリアであってもよい。最小の周波数リソースユニットの別の例は、時間ドメインシングルキャリア波形(SC)において適用される広帯域キャリアであってもよい。最小の時間リソースユニットは、例えばSC波形において適用される時間領域高速フーリエ変換(FFT)シンボル、またはOFDMベースの波形におけるOFDMシンボルであってもよい。最小の変調ユニットに関して、例えば、変調されたシンボルは、異なる変調スキーム、例えば、2位相偏移変調(BPSK:binary phase shift keying)、直交PSK(QPSK:quadrature PSK)、16値直交増幅変調(16−QAM:16 quadrature amplified modulation)および64−QAMなどを使用してもよい。変調されたシンボルは、データシンボルを表現することができる最小の変調ユニットのシーケンスを有することができる。シーケンスの長さは、変調スキームに応じてもよい。
【0060】
実施形態において、柔軟なマッピングが、同期信号を物理リソースに対してマッピングするために使用されることができる。例えば、異なる同期信号タイプ(例えば、PSSまたはSSS)は、ビーム固有の物理リソースマッピングに従って送信されることができる。マッピングは、例えば、ビーム固有の同期信号物理リソース割り当て、ドウェル時間、スイープ時間および周期性を含んでもよい。
【0061】
同期信号のドウェル時間は、同じeNB送信ビームを使用して同期信号が連続的に送信される時間とすることができる。各eNB送信ビームは、ビームステアリングベクトルと、そのビームカバレッジとによって一意に定義されることができる。eNBは、所定の順序またはパターンに従って、eNB送信ビームのセット内の同期信号を送信することによって、スイープを実行することができる。eNBの能力に応じて、スイープは、1つの時間インスタンスにおいて、単一のビームまたは複数の同時のビームを適用することができる。周期性は、同じ送信ビームにおける同期信号タイプ送信と、過去の送信の終了以降との間の時間を決定することができる。
【0062】
同期信号構成は、時間リソースユニット(例えば、TTI内のシンボル、複数のTTIまたは複数のサブフレーム、および時間リソースユニット(例えば、TTIの内のシンボル)の観点からのビームドウェル時間)の観点から最大のスイープ時間を含むことができる。スイープ時間は、例えば、eNBが1つのサイクルについてセル全体をカバーするためにその送信ビームをスイープするのに必要なTTIの数であってもよい。ビームフォーミングされた同期信号の最大数、およびそれらのリソースマッピングは、予め定義されることができる。セルによってサポートされるビームの数が、ビームの最大数よりも小さい場合、eNBは、ビームを繰り返すことを選んでもよい。
【0063】
図5は、シングルビーム構成による、信号ビームカバレッジ例502、504および506を示す図500である。例示された例502において、eNB510は、方位角平面において隣接し、連続するeNB送信ビーム520A、520B、520C、520D、520Eのセットにおいて、同期信号タイプ(例えば、PSSまたはSSS)を送信して、その同期タイプについてのセル全体にわたるカバレッジを提供する。スイープ時間は、各eNB送信ビームのドウェル時間の合計とすることができる。eNBは、例504に例示されるような仰角平面内の送信ビームカバレッジを用いて、異なるパターンの別のスイープを実行してもよい。
【0064】
実施形態において、eNBは、例えば、セルのユーザ密度の分布および異なる部分のトラヒックタイプなどのセル固有の統計値に基づいて、同期信号に対して異なる物理リソースマッピングを使用することができる。図5の例506に示されるように、異なる同期信号タイプは、異なるビームカバレッジを有する送信ビームに対してマッピングされることができる。また、同期信号タイプの物理リソース割り当て、ドウェル時間、ビームスイープ時間および周期性は、柔軟であり、統計値に従って動的に調整されることができる。例えば、eNB510は、セルと同期するために、より長いドウェル時間を有する1つの同期信号タイプを構成してもよい。他方で、ユーザがまばらとなり得る場合、eNB510は、より短いドウェル時間およびより大きい面積を構成してもよい。動的再構成は、例えば、システムブロードキャスト情報内でシグナリングされても、または専用シグナリングを使用してシグナリングされてもよい。
【0065】
実施形態において、複数のRFチェーンを有するeNBは、所望のセルおよびホットスポットカバレッジ、ユーザ密度分布およびトラフィックタイプを含むセル固有の統計値、ならびに他のリアルタイムパラメータに基づいて、同時の複数の送信ビームに対する同期信号タイプマッピングを再構成して、同期信号送信に適応させることができる。実施形態において、eNBは、2つの同時の同期信号を送信することができ、これらは、同じまたは異なる同期信号タイプであってもよい。例えば、同時に送信された同期信号が同じタイプである場合、それらは、異なるスウェル時間およびスイープ時間を有することができる。実施形態において、各同期信号は、異なるカスタマイズされたビームカバレッジに対してマッピングされることができる。
【0066】
図6は、2つの同時のビーム610、620が構成された信号ビームカバレッジ例の図600である。図6の例650および例690に例示されるように、eNB630は、1つの同期信号タイプを、類似したビームカバレッジエリアを有する2つの送信ビーム610A、610Eおよび620A、620Eに対してマッピングすることができ、eNB630は、これらの2つのビーム610A、610Eおよび620A、620Eを使用して、セルの異なるセクタまたは部分をカバーすることができる。同期信号の他の構成は、ビーム固有であり、例えば、周波数リソース割り当て、ビームドウェル時間および周期性に関して異なってもよい。eNB630は、例えば、ユーザ密度などの統計値によって、必要に応じて異なるカバレッジエリアを提供するように、マッピングを構成することができる。例えば、例650および例690において、eNB630は、セルの一定領域において、例えば、セルのユーザがこれらの領域においてより集中されるという条件で、より長いドウェル時間を適用してもよい。
【0067】
図6の例660に例示されるような、一実施形態において、eNB630は、セル中心のユーザのために、低電力および広いビーム幅を有する1つの同期信号610Bを送信することができ、セルエッジのユーザのために、高電力および狭い帯域幅を有する別の同期信号620Bを同時に送信することができる。eNB630は、同期信号のカバレッジおよび利用可能性をさらにカスタマイズするために、異なる同期信号タイプマッピングパラメータ、例えば、ドウェル時間、スイープ時間、および同期領域などを構成してもよい。
【0068】
図6の例670に例示される実施形態において、eNB630は、2つのホットスポットカバレッジ610C、620Cに、例えば、セル内のユーザ分布がそれらの2つの領域において高いという条件で、狭いビームおよび長いドウェル時間を有する両方の同期信号を提供する。図6の例680に例示される実施形態において、eNB630は、別の同期信号ビーム620Dをアドホックホットスポットカバレッジに対して使用しながら、1つの同期信号ビーム610Dをセル全体にわたるカバレッジを実行するために適用することができる。
【0069】
上記で説明したように、図3のフレーム構造において、同期信号は、各フレーム300の第1のサブフレーム320、330の同期領域において送信され、フレームおよびサブフレームは各々、1msおよび0.1msの短縮された長さをそれぞれ有する。しかしながら、上記で説明したような、LTEサブフレームと同じ長さを有するサブフレーム(例えば、サブフレームは、長さが1msである)を使用するmmW実施形態において、同期領域は、別様に構成されてもよい。例えば、同期領域は、1つのTTI内に複数の最小のリソースユニット(例えば、シンボル)を含んでもよい。これらのシンボルは、連続していても、または断続的であってもよく、同期領域は、TTIの始まりまたは終わりから開始してもよい。シンボルの数、または同期領域の長さは、例えば、どれだけの数の同期信号タイプが送信されるべきであるか、および各TTI内の各同期信号ビームのドウェル時間に応じて、変化し得る。したがって、同期領域は、TTIに固有であってもよく、セル内のビーム利用可能性および/またはユーザ分布に応じて、eNBによって柔軟に設定されてもよい。eNBは、1つまたは複数のセル固有の統計値、例えば、所望のカバレッジエリア、ユーザ密度の分布、トラフィックタイプの分布およびビーム間干渉などに基づいて、上記に説明されたように、同期領域、ならびにeNB送信カバレッジ、ビームドウェル時間、ビームスイープ時間および周期性を動的に構成して、各同期信号タイプのカバレッジおよび利用可能性をカスタマイズすることができる。
【0070】
eNBは、1つまたは複数の同期信号タイプを、1つの同期領域または1つもしくは複数の連続するシンボルに対してマッピングすることができる。eNBは、eNB能力、同期信号タイプ、マッピングされたビームドウェル時間およびスイープ時間、ユーザ密度のセル固有の分布、トラフィックタイプのセル固有の分布、ビーム間干渉ならびに他のリアルタイムのセル固有の統計値に基づいて、TTIの始まりおよび終わりなどのTTI内の同期領域の位置、ならびにシンボルの数などの同期領域の持続期間を構成することができる。
【0071】
eNBは、静的で予め定義された構成、より上位の層のシグナリングによる半静的な構成、または、より上位の層のシグナリングによる動的な構成に従って、同期信号タイプマッピングを、eNB送信ビーム内の物理リソースに対して適用することができる。eNBは、半静的または動的な同期信号タイプマッピング再構成情報を、システム情報ブロードキャストおよび/または専用シグナリングにおいて送信してもよい。
【0072】
eNBは、同期領域内の各シンボル位置において、対応するeNB送信ビームを使用して、同期信号を送信することができる。時間ドメインにおける(例えば、同期領域内のシンボル位置に対する)、および空間ドメインにおける(例えば、eNB送信ビームに対する)同期信号のマッピングは、下記の表1に下に示されるようなものであってもよい。同期信号タイプは、異なるシンボルまたは異なる送信ビーム間で、同じであっても、または異なってもよい。
【0073】
【表1】

【0074】
例えば、1つのタイプの同期信号マッピングは、同じ同期信号タイプを、同期領域の各シンボルに対して、およびセル全体の結合されたカバレッジを有する複数の隣接するeNB送信ビームに対して、マッピングすることによって、1つの同期信号タイプのスイープ動作を可能にすることができる。上記の表1などに提供されるような、一実施形態において、eNBは、同じ同期信号タイプ(例えば、PSSなど)を5つの送信ビームの各々に対してマッピングすることができ、それらを、連続するシンボルを使用して、1つのTTI内の同期領域に対して(例えば、各ビームにTTIの始まりから1つのシンボルドウェル時間を)マッピングすることができる。この実施形態は、図7に関して、下記でより詳細に説明されるであろう。
【0075】
別の実施形態において、同期信号マッピングは、下記の表2に提供されるようなものであってもよい。この実施形態において、eNBは、2つの同期信号タイプ(例えば、PSSおよびSSS)をビーム1およびビーム2に対してマッピングすることができ、それらを、一方のビームは1つのシンボルドウェル時間を有し、他方のビームは3つのシンボルドウェル時間を有する状態で、1つのTTI内の同期領域に割り当ててもよい。この実施形態は、図12に関して、下記でより詳細に説明されるであろう。
【0076】
【表2】

【0077】
実施形態において、eNBは、固有の周波数リソース割り当て、例えば、所定のサブキャリアのグループなどに従って、各同期信号をマッピングすることができる。同期信号タイプは、例えば、スケジューリングパラメータおよびビーム間干渉に基づいて、異なる周波数リソース割り当てを有することができる。同期信号タイプの周波数およびリソース割り当ては、予め定義されていてもよく、ならびに/またはシステムブロードキャスト情報および/もしくは専用シグナリングにおいてシグナリングされてもよい。
【0078】
同期領域は、例えば、変化するセル特性に基づいて、構成され、および再構成されることができる。実施形態において、eNBが、均一のセル全体にわたるカバレッジを提供するために、同じドウェル時間を有する隣接するeNB送信ビームのセット内の各連続するシンボル位置において同じ同期信号タイプを送信することができるように、同期領域は、単一のTTI内に複数の隣接するシンボル位置を含むことができる。
【0079】
図7は、1つの同期領域において均一かつ完全なスイープを使用する例示的なサブフレームの図700である。図7において、各サブフレーム720A、720Bは、複数のTTI 715A、715B;716A、716B;717A、717Bを含む。同期領域705A、705Bは、M個のサブフレームごとに周期的に送信され、5個の連続するシンボルを含む。例示される例710および例750の各々において、5つのシンボルの各々は、5つのeNB送信ビームのうちの1つに対してマッピングされ、同期領域705A、705Bの持続期間は、各使用される送信ビームのドウェル時間の合計である。図7に示される例710において、同期領域705Aは、サブフレーム720A内の第1のTTI 715Aの初めにおいて始まる。しかしながら、例750に示されるように、eNBは、TTI(例えば、TTI 715B)の終わり730から逆方向へ伸びる同期領域705Bを送信してもよい。
【0080】
実施形態において、時間リソースユニットは、予め定義された時間ユニット、TTI、サブフレームまたはフレームであってもよい。eNBは、時間リソースユニットの終わりにわたって延びる同期領域の持続期間を柔軟に調整することができ、WTRUは、同期領域および各TTI、サブフレームまたはフレームについての基準時間リソースユニット(例えば、シンボル)の予め定義された数に基づいて、TTI、サブフレームまたはフレーム開始タイミングを検出することができる。実施形態において、WTRUは、検出された同期信号タイプ、ならびに予め定義された、および/またはビーム固有のシグナリングされた同期信号タイプマッピングに基づいて、TTIタイミングを導出してもよい。例えば、WTRUは、例えばブラインド検出を使用して、TTI715内のシンボル3におけるPSSを検出することができ、検出されたPSSシンボルタイミングおよび2つのシンボル持続期間のオフセットに基づいて、TTIの始まりのタイミングを推測してもよい。他の実施形態において、PSSと物理ブロードキャストチャネル(PBCH)との間のビーム固有のシンボル距離は、予め定義されていてもよく、WTRUは、まずPBCHを復号し、コンテンツを読み出して、TTIの始まりおよびTTI番号を決定してもよい。
【0081】
他の実施形態において、eNBは、各TTIの同期領域内のシンボルに対して異なるeNB送信ビームを使用して、複数のTTIにまたがるスイープを実行することができる。図8は、複数TTI同期領域805A、805Bにおいて均一かつ完全なスイープを使用する例示的なサブフレームの図800である。例示された例802においては、2つのTTI同期領域805Aが構成されている。TTI815において、eNB送信ビーム1および2は、同期領域805Aの最初の2つのシンボルに対してマッピングされている。TTI816において、eNBは、各シンボルがeNB送信ビーム3、4および5に対してマッピングされた状態で、3つのシンボル領域を構成している。例示された例804において、同期領域805Bは、5個の連続するTTI831、832、833、834、835の各々において、1つのシンボルを含む。図7の例において構成された同期領域と比較して、eNBは、各TTI内に短い同期領域を構成して、例えば、データ送信のためにより多くのシンボルを許容することができる。しかしながら、セル全体をカバーするための、結果として生じるスイープには、より多くの時間がかかることがあり、したがって、同期レイテンシを増加させることがある。
【0082】
eNBは、サポートされるeNB送信ビームの数の観点からのeNB能力、またはどれだけの数のシンボルが同期領域に対して利用可能となり得るかに関するシステム制約および要件、同期信号タイプによって意図されるカバレッジ、ならびに同期信号タイプによって意図されるユーザ密度の分布およびトラフィックタイプに基づいて、複数の最小時間リソースユニット(またはシンボル)を有する同期領域を動的に構成することができる。
【0083】
eNBは、同期領域を再構成し、物理リソースに対する同期信号タイプマッピングを動的に変化させることができる。柔軟なマッピングは、eNBに対して、干渉が低減された適合されたカバレッジ、ユーザ密度の分布およびトラフィックタイプに対する適応性、低減されたシグナリングオーバーヘッド、ならびに、より低いエネルギー消費を提供することができる。eNBは、例えば、より少ないもしくはより多くのシンボルを有する同期領域を低減または増加させること、1つのTTI内もしくは複数のTTIにまたがるeNB送信ビームをスイープし、マッピングされたeNB送信ビームに固有のスイープ時間を変化させること、ビームに対して同期領域内のより少ないもしくはより多くのシンボルを割り当てること(1つもしくは複数のeNB送信ビームをオンおよびオフにすることを含む)によって、各マッピングされたeNB送信ビームのドウェル時間を低減もしくは増加させること、同期領域のシンボルに対してeNB送信ビームの新しい順序またはパターンによりマッピングすること、ならびに/または、1つもしくは複数の異なるビームフォーミング特性(例えば、ビーム幅、ビーム利得、ビーム送信電力、ビーム形状、および/もしくはビームサイドローブ抑圧比など)を有するeNB送信ビームを適用することによって、同期信号タイプマッピングを再構成することができる。
【0084】
図9は、例示的な同期領域再構成の図900である。図9に例示される例において、eNBは、4つのシンボルにわたってそれぞれを送信ビーム1、2、3および4に対してマッピングして、910における同期領域915Aを最初に構成する。950において、eNBは、eNB送信ビーム3および4における同期をオフにすることによって、同期領域915Bを再構成して、同期領域915を4つのシンボルから2つのシンボルに低減する。これは、例えば、ビームカバレッジ内のユーザの非アクティブ性に起因して行われてもよい。
【0085】
図10は、別の例示的な同期領域再構成の図1000である。図10に例示される例において、eNBは、例えば、ビームカバレッジ内の低減されたアクティビティに起因して、2つのシンボル分の増加したドウェル時間を有するビーム4のみに対して同期マッピングして、1010における同期領域1015Aを最初に構成する。1050において、eNBは、例えば、eNB送信ビーム3のカバレッジ内の増加したユーザ密度に起因して、eNB送信ビーム3をオンにすることによって、同期領域1015Bを再構成する。この例において、eNBは、同期領域持続期間を維持し、eNB送信ビーム4のドウェル時間を再構成して、同期領域においてeNB送信ビーム3の追加を可能にすることができる。実施形態において、eNBは、eNB送信ビーム4上で搬送される同期信号タイプのスイープ時間を変化させなくてもよい。
【0086】
同期領域の再構成の結果、除去された同期信号タイプによって過去に使用されたシンボルは、他の目的に利用されることができる。eNBは、他の目的に利用されるシンボルにおいて同じマッピングされたeNB送信ビームにおいて1つまたは複数の同期信号タイプを繰り返す(例えば、マッピングされた同期信号タイプのドウェル時間を増加させる)ことによって、同期領域長さを維持することができる。他の実施形態において、eNBは、これらのシンボルを、ダウンリンクデータチャネル送信、例えば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)に使用してもよい。eNBは、これらのシンボルにおいて不連続送信(DTX:discontinuous transmission)を適用して、エネルギー消費を低減させることができる。
【0087】
eNBは、システム情報ブロードキャストにおいて、または専用シグナリングを使用して、同期信号タイプマッピング再構成をシグナリングすることができる。WTRUは、その同期信号タイプ検出および測定を、再構成に従って調整することができ、データチャネル復号のために、任意の他の目的に利用されるシンボルを含むことができる。
【0088】
eNBは、同期領域の持続期間を変化させること、および/または複数のTTI間で同期領域を分割することの両方によって、同期信号タイプマッピングを再構成することができる。図11は、柔軟なマッピングおよびドウェル時間再構成の例の図1100である。図11に例示される例において、eNBは、TTI 1120A内の4つのシンボルの同期領域1115Aを最初に構成する。1150において、eNBは、eNB送信ビーム1に対してマッピングされたTTI 1120B内の1つのシンボルの1つの領域と、eNB送信ビーム1に対してマッピングされたTTI 1121内の1つのシンボルの1つの領域と、eNB送信ビーム2に対してマッピングされたTTI 1122内の2つのシンボルの1つの領域とを含む、3つの領域へ、同期領域1115Bを分割する。再構成は、eNB送信ビームの利用可能性および使用法におけるバリエーションに起因して、スケジューラによって行われてもよい。
【0089】
上記で説明されたように、eNBは、異なる特性(例えば、ビーム幅、送信電力、サイドローブ抑制、および/またはビーム形状)を有する送信ビームのヘテロジニアスセットを採用することができ、送信ビームの特性のうちの1つまたは複数に基づいて、セット内の1つまたは複数の固有の送信ビームに対して同期信号をマッピングすることができる。実施形態において、全方向性ビームは、例えば、セル中心のユーザまたは高品質無線リンクを有するそれらのWTRUのために使用されることができる。これらのユーザは、より頻繁に送信され得る、全方向性の同期信号を利用することができ、セルアクセスレイテンシが低減されることができる。
【0090】
実施形態において、全方向性のかつビームフォーミングされた同期信号は、異なるビームに存在してもよいが、異なるシンボル位置における同じTTI、または同じシンボル位置における異なるTTIに配置されてもよい。mmWセルのセル選択基準は、対応するビームタイプが全方向か、広いか、または狭いかどうかに基づいて、測定されたセル受信レベルのスケーリングを可能にすることによって拡張されることができ、キャンピングのための最も適当なセルの選択を確実にする。
【0091】
ビームフォーミングされたセルアクセスに関して、選択されたビーム/セルは、ランダムアクセス(RACH)手続きに対して直接的な影響を与えることができる。mmWシステムにおいて、ネットワークが効率的に動作するためには、mmWセルが、RACH送信をそれらの対応するRACHリソース上で受信するために使用するべき、1つまたは複数の適当な受信ビームを認識するべきである。mmWセルは、ダウンリンク送信ビームと、対応する空間カバレッジを有する、その関連付けられたアップリンク受信ビームとの間のリンケージに基づいて、1つまたは複数のRACHリソースセットを各ダウンリンク送信ビームに対して割り当てることができる。柔軟なセルアクセスにより、RACHリソース構成、例えば、プリアンブルシーケンス、周波数割り当て、送信機会等などは、それらの固有のニーズに基づいて、異なるビームタイプのために最適化されることができ、したがって、ユーザの異なるグループに対して、高い成功率および低いレイテンシを確実にすることができる。初期アクセス手続きとは別に、mmWシステムのための隣接セル測定オーバーヘッドは、接続モードでは著しく高くなることがある。mmWセルが、異なるシーケンス、周期性、および時間ドメイン配置を使用して、複数のビームタイプを送信するための柔軟性は、WTRU測定オーバーヘッドを著しく低減し、必要なロバスト性を犠牲にせずにスループットを改善することができる。
【0092】
図12は、ヘテロジニアスeNB送信ビームに対する同期信号の例示的なマッピングの図1200である。図12に例示される例において、eNB1205は、セル全体にわたるカバレッジを有するビーム1と、セルの一部のカバレッジを有するビーム2とを採用している。ビーム1は、同期領域1215において最初のシンボルに対してマッピングされ、ビーム2は、同期領域1215において後続の3つのシンボルに対してマッピングされる。一実施形態において、eNB1205は、セル全体のカバレッジを有する送信ビーム1に対してPSSをマッピングし、より狭い送信ビーム2に対してSSSをマッピングしてもよい。
【0093】
eNB1205は、送信ビーム特性に従って、同期信号に対してシンボル位置をマッピングすることもできる。図12に例示される例において、例えば、PSSは、1つのシンボル(短いドウェル時間を有する)に対してマッピングされることができ、SSSは、3つのシンボル(長いドウェル時間を有する)を割り当てられることができる。これが行われることができる理由は、eNB送信ビーム1によって提供される、セル全体にわたるカバレッジにより、WTRUが、eNB送信ビーム2において搬送されるSSSと比較して、eNB送信ビーム1においてPSSをより簡単に受信することができるからである。
【0094】
図13は、異なるTTIにおけるヘテロジニアスeNB送信ビームに対する同期信号の例示的なマッピングの図1300である。図13に例示される例において、同期信号タイプは、TTI1301および1303にわたって分割される同期領域1315に位置する。実施形態において、各同期信号タイプは、専用のTTI内に専用の同期領域を有してもよい。
【0095】
図13に例示される例などのような、実施形態において、eNBは、異なる同期信号タイプ間にリンケージを埋め込むことができ、WTRUは、1つの同期信号(例えば、PSS)をまず検出し、続いて別の同期信号(例えば、SSS)の位置を突き止め、検出するためにリンケージ情報を使用することができる。リンケージ情報は、データパケット内で明示的に搬送されてもよく、または、例えば、選択されたシーケンス、適用される時間および周波数リソース、もしくは使用されるeNB送信ビームなどを使用して、黙示的に埋め込まれてもよい。リンケージ情報は、例えば、リンクされた同期信号へのシンボル距離、同期信号によって使用される送信ビームのeNB送信ビームインデックス、リンクされた同期信号に対する周波数リソースオフセットおよび/またはリンクされた同期信号に対して使用されるシーケンスインデックスを含んでもよい。
【0096】
別の例において、複数の同期信号タイプは、同じ時間リソースユニット(例えば、同じシンボル)において送信されることができる。1つの同期信号タイプは、セル全体にわたるカバレッジを提供することができる、広いeNB送信ビームを使用することができ、同じ場所に位置する別の同期信号タイプは、セルの一部をカバーする、狭いeNB送信ビームを使用することができる。同じ場所に位置する同期信号タイプは、WTRUが検出するように、異なるシーケンスおよび/または周波数リソースを採用してもよい。
【0097】
図14は、同じシンボルにおけるヘテロジニアスeNB送信ビームに対する同期信号タイプの例示的なマッピングの図1400である。図14に例示される例において、eNB1405は、TTI1401の同じ最初の4つのシンボルにおいて、送信ビーム1410と送信ビーム1415との両方において、PSSおよび/またはSSSをマッピングすることができる。送信ビーム1410は、セル全体にわたるカバレッジを提供することができ、送信ビーム1415は、より高いビームフォーミング利得と、スイープするカバレッジとを有する、改善されたリンクバジェットを有することができる。
【0098】
WTRUは、検出のための異なるシーケンスを使用する同じシンボル位置において、または異なる周波数リソースにおいて、両方の同期信号タイプを検出することができる。WTRUは、予め定義されたルールおよび/または予め構成されたルールに従って、検出された同期信号タイプ間で選択してもよい。例えば、セル中心のWTRUは、eNBに対する低い経路損失に起因して、複数の同期信号タイプを検出することがあり、WTRUは、後続のブロードキャストチャネル復号がビームスイープおよびペアリングを必要とせず、したがって、より低いレイテンシを有することができるように、セル全体をカバーするeNB送信ビームにおいて搬送される同期信号タイプを選択してもよい。この場合において、選択された同期信号タイプは、WTRUにおいて検出される最も高いエネルギーを有しないことがあり得るが、予め定義された閾値を超えるエネルギーを有することができる。セルエッジWTRUは、複数の同期タイプを検出することがあり、それらは、同期信号タイプに関連付けられた後続のブロードキャストチャネルをよりうまく検出するために、最も高い検出されたエネルギーを有する同期信号タイプを選択することもできる。
【0099】
ブロードキャストチャネルは、セルに固有の、および/または、WTRUがセルにアクセスするために、ブロードキャストチャネルを搬送することができるビームに固有の、あらゆる必要な情報を提供することができる。ブロードキャストチャネルの情報コンテンツは、マスタ情報ブロック(MIB)情報と称されることがある。ビームフォーミングされたブロードキャストチャネルは、デジタルビームフォーミングおよび/またはアナログビームフォーミングを使用して送信されて、改善されたブロードキャストチャネルリンク性能を提供することができる。形成されたeNB送信ビームは、ブロードキャストチャネルに対して適用されたビームフォーミング重みに応じて、セル全体、またはセルの一部をカバーすることができる。本明細書において説明される実施形態において、ブロードキャストチャネルは、例えばPBCHであってもよい。
【0100】
ビームフォーミングされたブロードキャストチャネルにおいて搬送されるセル固有および/またはビーム固有の情報は、例えば、ビーム情報、セル情報、タイミング情報、および/または関連付けられた制御チャネルリンケージを含んでもよい。ビーム情報は、例えば、ビームアイデンティティ、セルのビームの数、ビームドウェル時間、ビームスイープ時間、ビームシーケンスインデックス、ビームスイープ/スケジュール、および/またはビームスクランブリングを含んでもよい。セル情報は、例えば、セルシステム帯域幅および/またはシステムフレーム番号(SFN)を含むことができる。タイミング情報は、例えば、セル、ビームおよび関連付けられたチャネルの様々なタイミングをWTRUが決定するのに必要なあらゆる情報を含むことができる。そのようなタイミング情報は、例えば、TTI番号、サブフレーム番号、フレーム番号、システム番号、時間リソースユニットの観点からのタイミングオフセット(例えば、ブロードキャストチャネルと、TTI/サブフレーム/フレームもしくこれらの任意の組み合わせの開始との間のシンボルの数)、および/または時間リソースユニットの数の観点からのタイミングオフセット(例えば、ブロードキャストチャネルと、ダウンリンクリンクフォーマット、ダウンリンク制御チャネル、および/もしくはダウンリンクHARQフィードバックチャネルを含む、その関連付けられた制御チャネルとの間のシンボルの数)を含んでもよい。
【0101】
関連付けられた制御チャネルリンケージは、例えば、関連付けられた制御チャネルおよびデータまたは共有チャネルの位置をWTRUが突き止め、復調するのに必要なあらゆる情報を含むことができる。PDCCHなどの、ブロードキャストチャネルに関連付けられた制御チャネルのリソース割り当ておよび構成は、同じeNB送信ビームと同じ場所に位置することができ、例えば、シンボルの数の観点からの制御チャネル領域のサイズ、および周波数リソース割り当てを含むことができる。関連付けられた制御チャネルは、別のeNB送信ビームを使用してもよく、ブロードキャストチャネルは、制御チャネルビームのために上記に列挙されたビーム情報を提供してもよい。制御チャネルが、ブロードキャストチャネル復調のために異なる基準信号を適用する場合、関連付けられた制御チャネルリンケージは、関連付けられた制御チャネルを復調するために使用された基準信号のリソース割り当ておよび構成を含むことができる。情報は、例えば、基準信号タイプ、シーケンス長さ、シンボル位置、および/または周波数リソース割り当てを含んでもよい。実施形態において、ブロードキャストチャネルは、ビーム固有の基準信号をビーム内の関連付けられた制御チャネルに対してマッピングするための情報を含んでもよい。制御チャネルの構成は、物理リソース、例えば、制御チャネルに使用されるシンボルの数および/または制御チャネルを搬送するビームのインデックスなどに対する、固定されたマッピングおよび柔軟なマッピングも含んでもよい。
【0102】
関連付けられたチャネルリンケージは、フォーマット表示チャネル、例えば、関連付けられた制御チャネル構成が見出され得る物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH:physical control format indicator channel)などのリソース割り当ておよび構成も含むことができる。構成は、ビーム固有の情報、例えば、フォーマット表示チャネル復調のためのビームインデックスおよびビーム固有の基準信号などを含んでもよい。関連付けられたチャネルリンケージは、ダウンリンクHARQフィードバックチャネル、例えば、ダウンリンク肯定応答/否定応答(ACK/NACK)が送信され得るPHICHなどの、リソース割り当ておよび構成も含むことができる。構成は、ダウンリンクHARQフィードバックチャネルに固有のビーム情報、例えば、HARQフィードバックチャネル復調のためのビームインデックスおよびビーム固有の基準信号などを含んでもよい。
【0103】
ビームフォーミングされたシステムにおいて、eNBは、1つのセルに対して複数のビームフォーミングされたブロードキャストチャネルを送信し、各ビームフォーミングされたブロードキャストチャネル内でMIB情報の異なる部分を送信することができる。図15は、ビーム情報(プレMIBとも称される)がセル全体にわたるeNB送信ビーム上で送信され、残りのMIBが狭い送信ビームで送信されるように、MIBが分割される、例示的なマッピングの図1500である。図15に例示される例において、eNB1501は、広いビーム1502と、細いビーム1503とにより構成される。図15に例示されるようなマッピングを使用して、WTRUは、同期領域1505内で1つまたは複数の同期信号タイプ(例えば、PSS/SSS)をまず受信することができる。同期領域1505は、上記で説明されたように、広いビームまたは細いビームのいずれかに対してマッピングされることができる。WTRUは、同期信号から取得されたリンケージ情報、または予め構成された情報、例えば、シンボル距離オフセット1525および/またはTTI開始までのシンボル距離オフセット1520を使用して、第1の(広いビームの)PBCH領域1510を検出し、復号することができる。同期領域1505と第1のPBCH領域1510との間のリンケージは、矢印1535によって図15に例示されている。
【0104】
WTRUは、セル全体にわたるブロードキャストチャネル内でプレMIBを受信し、このプレMIB情報を使用して、狭いeNB送信ビーム1503に対してマッピングされた第2のPBCH領域1515内の次のビームフォーミングされたチャネルを検出し、復号することができる。例えば、WTRUは、第1のPBCH領域1510と第2のPBCH領域1515との間のシンボルオフセットを使用して、第2のPBCH領域1515を検出し、復号することができる。2つのPBCH領域間のリンケージは、図15において矢印1540によって例示されている。この階層的なブロードキャストチャネル構成は、狭いeNB送信ビームにおいてビームフォーミングされたブロードキャストチャネルを受信するためにWTRUがビームをスイープし、ペアリングするために使用し得る時間を著しく低減することができる。
【0105】
ビームフォーミングされたブロードキャストチャネルは、異なる同期信号タイプに、および、したがって、異なるeNB送信ビームに関連付けられてもよい。同期信号と、関連付けられたブロードキャストチャネルビームとの間には、明示的なリンケージまたは黙示的なリンケージが存在してもよい。ビームフォーミングされたブロードキャストチャネルは、1対1マッピングで、または1対多マッピングで、同期信号タイプに関連付けられてもよい。
【0106】
図16は、ブロードキャストチャネルが1対1マッピングで同期信号タイプに関連付けられる、例示的なマッピングの図1600である。図16に例示される例において、同期領域1605内の同期信号タイプ、およびブロードキャスト領域1610内の関連付けられたブロードキャストチャネルは、同じeNB送信ビームにおいて搬送される。しかしながら、実施形態において、同期タイプは、異なる送信ビームにおけるブロードキャストビームに関連付けられてもよい。
【0107】
ブロードキャストチャネルと、関連付けられた同期信号との間には、同じビーム内の時間リソースユニットの数の観点から、固定されたビーム固有のオフセットが存在してもよい。オフセットは、同じビーム内の各同期信号タイプおよびブロードキャストチャネルペアチャネルについて同一であってもよい。固定されたオフセットは、同期信号タイプおよびブロードキャストチャネルが、異なるeNB送信ビームにおいて搬送される場合、同期信号タイプとブロードキャストチャネルとの間で異なってもよい。
【0108】
実施形態において、ビームフォーミングされたブロードキャストチャネルは、TTI、サブフレームまたはフレーム内に可変シンボル位置を有することができる。これらのシナリオにおいて、WTRUは、ブラインド復号を適用して、ブロードキャストチャネルの位置を突き止め、復号することができる。
【0109】
図17は、ブロードキャストチャネルが1対多マッピングで同期信号タイプに関連付けられる、例示的なマッピングの図1700である。図17に例示される例において、ブロードキャストチャネルは、ブロードキャスト領域1704、1706内でセル全体にわたるビーム1710において搬送されることができ、同期領域1702内のビーム1708などの、異なる狭いeNB送信ビームにおいて搬送される各同期信号タイプに対してリンクされることができる。ブロードキャストチャネルと各同期信号タイプとの間のシンボル距離オフセットは、異なってもよく、WTRUは、ブラインド復号を適用して、ブロードキャストチャネルの位置を突き止め、復号することができる。
【0110】
実施形態において、WTRUは、検出された同期信号位置に基づいて、セル全体にわたるビームのブロードキャストチャネル位置を決定するために、値の予め定義されたセットを使用することができる。オフセットは、例えば、同じ広いもしくは狭いeNB送信ビーム内の検出された同期信号タイプと、関連付けられたブロードキャストチャネルと間のシンボル距離を示してもよく、または、異なる広いもしくは狭いeNB送信ビーム内の検出された同期信号タイプと、関連付けられたブロードキャストチャネルと間のシンボル距離を示すことができる。オフセットは、セル全体にわたる送信ビームおよび狭い送信ビーム内のブロードキャストチャネルの周期性およびシンボル位置が異なり得ることを考慮に入れることができる。
【0111】
実施形態において、オフセット値は、予め定義されても、もしくは予め構成されてもよく、またはブラインド復号によって取得されてもよい。また、オフセット値は、関連付けられた同期信号タイプの1つまたはいくつかの特性によって示されてもよい。したがって、同期信号タイプは、ブロードキャストチャネルの位置を突き止め、復号するために、同期信号タイプと、関連付けられたブロードキャストチャネルと間のリンケージ情報を示すことができる、1つまたは複数の特性を有することができる。特性は、同期信号タイプシーケンスインデックス、時間リソース割り当て(例えば、シンボル位置、TTI番号、サブフレーム番号および/またはフレーム番号など)、周波数リソース割り当て(例えば、無線ベアラ(RB:radio bearer)番号など)、ならびに空間リソース割り当て(例えば、ビームインデックスなど)を含んでもよい。リンケージ情報は、この情報と、予め定義されたまたは予め構成された、マッピングまたは表とに基づいてもよい。
【0112】
同期信号タイプと、関連付けられたビームフォーミングされたブロードキャストチャネルとの間のリンケージは、ブロードキャストチャネルのリンク適応情報も含むことができる。例えば、リンケージ情報は、使用された符号化および変調などの、ブロードキャストチャネルの伝送フォーマット、および送信の周期性も示すことができる。例えば、広いeNB送信ビームにおいて搬送されるブロードキャストチャネルは、保守的なトランスポートフォーマットおよび小さい送信間隔を適用して、PBCH復号の信頼性を確実にすることができる。狭いeNB送信ビームにおいて同期信号タイプに関連付けられたブロードキャストチャネルは、より多くのシステム情報を搬送するために、積極的なトランスポートフォーマットを使用してもよい。
【0113】
ビームフォーミングされたブロードキャストチャネルは、ブロードキャストチャネルを復調するためにWTRUによって使用される、ビーム固有および/またはセル固有の基準信号と多重化されることができる。ブロードキャストチャネルと同じビームフォーミング構成を有する基準信号は、時間リソースユニットの数(例えば、リンクされた同期信号からのシンボルの数)の観点から、固定されたオフセットに位置し得る。
【0114】
基準信号は、ビームフォーミングされたブロードキャストチャネルを復調するために使用されることができる。それは、セル固有の基準信号であってもよく、ブロードキャストチャネルを搬送するすべてのビームによって使用されてもよい。基準信号は、ビームアイデンティティと共にスクランブルされ、ビームインデックスまたはビームアイデンティティによって決定された、ビーム固有の周波数リソースまたは符号リソースを使用して送信されることができる。
【0115】
同期信号は、WTRUがブロードキャストチャネルデータを復調するために基準信号に適用すべき基準信号構成を決定するための情報を提供することができる。ブロードキャストチャネルは、関連付けられた同期信号タイプの1つまたはいくつかの特性に基づいて、予め定義されたシーケンスマッピングを使用して、使用されたシーケンスを選択することができる。
【0116】
例えば、同期信号タイプシーケンスインデックスと、関連付けられたブロードキャストチャネル基準信号シーケンスインデックスとの間の表が、存在してもよい。別の例において、ブロードキャストチャネル基準信号シーケンスは、シーケンスインデックスおよび/または時間リソース割り当てもしくは周波数リソース割り当て、例えば、検出された同期信号タイプのシンボル位置またはRB数などの関数であってもよい。WTRUは、この関数を使用して、ブロードキャストチャネル基準信号構成を決定することができる。
【0117】
PBCHは、リンクされた物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)ビームにBRSについてのマッピング情報を提供することができる。同じ基準信号が、PFICHとPDCCHとに対して使用されてもよく、PBCHは、ビームごとのPCFICHリソース割り当てサイズおよびPDCCH構成を示すための情報を有してもよい。
【0118】
WTRUは、初期セル探索の異なる方法を使用して、同期信号を検出し、ブロードキャストチャネルを復号することができる。実施形態において、階層的なセル探索が使用されてもよい。
【0119】
図18は、ビームフォーミングを使用した初期セル探索および選択の例示的な方法のフロー図1800である。図18に例示される例において、WTRUは、同期信号を検出する(1810)。一実施形態において、これは、予め定義されたスイープ時間およびドウェル期間を使用して、複数の同期サブフレームの各々の期間中に、複数の受信ビームのそれぞれをスイープして、同期信号を検出することによって行われてもよい。WTRUは、例えば、検出された信号の特性を使用して、同期信号タイプおよびその関連付けられたブロードキャストチャネルを識別することができる。図18に例示される例において、WTRUは、検出された同期信号から、シンボルタイミング情報および同期信号インデックスを取得する(1820)。WTRUは、同期信号インデックスのセットにより構成されてもよく、取得された同期信号インデックスは、このセット内の同期信号インデックスに対応し得る。WTRUは、取得されたシンボルタイミング情報、取得された同期信号インデックス、および、検出された同期信号と第1のブロードキャストチャネルとの間の予め定義された、またはブラインド復号されたシンボル距離を使用して、第1のブロードキャストチャネルを復号することができる(1830)。WTRUは、第1のブロードキャストチャネルを復号することから取得された情報を使用して、第2のブロードキャストチャネルを復号することができる(1840)。
【0120】
実施形態において、シーケンスの固有のセットまたはサブセットは、広いカバレッジを提供するための広いビームにおいて使用される同期信号のみに対して使用されることができ、シーケンスの異なるセットは、狭いビームにおいて使用される同期信号に対して使用されることができる。実施形態において、WTRUは、検出された同期信号の周波数リソース割り当てまたは時間リソース割り当てに基づいて、異なる同期信号タイプを検出することができる。
【0121】
同期信号を検出するために、WTRUは、階層的なセル探索を適用して、減少していく関連付けられた帯域幅を有する同期信号のセットを順次探索することができる。各同期信号タイプは、次の同期信号タイプに、固有のシーケンスおよびリンクを使用することができる。例えば、WTRUは、PSSをそのシーケンスIDに基づいて識別することができ、PSSにおいて提供されるリンク情報を使用してSSSを検出することができる。WTRUは、例えば、各同期タイプに対して予め定義されたアキュムレーションスキームを適用してもよい。
【0122】
実施形態において、WTRUは、複数の受信ビームの各々についての検出された同期信号から、メトリックを取得することができる。WTRUは、最良のメトリックを有する、複数の受信ビームのうちの1つのビームを識別し、複数の受信ビームのうちの識別された1つのビームについてのスイープ時間およびドウェル期間を取得することができる。WTRUは、複数の受信ビームのうちの識別された1つのビーム内の受信ビームのセットを識別し、取得されたスイープおよびドウェル期間を使用して、複数の同期サブフレームの各々の期間中に、受信ビームのセットのそれぞれをスイープすることができる。WTRUは、スイープを使用して、同期信号を検出することができる。これは、図19に関して下記に説明されるような、段階的なmmW探索手続きと共に使用されてもよい。
【0123】
実施形態において、WTRUは、予め定義された閾値を超える同期信号タイプを選択し、リンクされたeNB送信ビームにおける関連付けられたブロードキャストチャネルを復号するためのリンケージ情報を使用して、セルアクセスを獲得することができる。WTRUは、選択されたeNB送信ビームにおいて獲得されたビームスケジューリングおよびスイープ情報を使用し、異なるeNB送信ビームにおいて他の同期信号タイプの同期を繰り返して、セル内のすべての利用可能なeNB送信ビームを評価することができ、さらなるセルアクセスのために別のeNB送信ビームを選択することができる。選択基準は、測定されたビーム固有の基準信号品質メトリックとすることができる。
【0124】
実施形態において、WTRUは、ビーム選択/再選択および測定を意図された、システム情報ブロードキャストまたは専用シグナリングにおいてシグナリングされた同期信号タイプ再構成を受信することができる。構成は、複数のダウンリンク指向性ビームに関連付けられた情報を含んでもよく、情報は、少なくとも、複数のダウンリンク指向性ビームの各々に関連付けられた同期信号タイプと、各同期信号タイプの構成とを含んでもよい。構成は、例えば、関連付けられたeNB指向性ビームにおいて使用されるユニークワードのサイズ、関連付けられたeNB指向性ビームにおいて使用されるユニークワードのタイプ、ならびに、関連付けられたeNB指向性ビームにおいて使用されるユニークワードのインデックスおよびアイデンティティを含んでもよい。
【0125】
WTRUは、受信ビームをスイープし、同期信号タイプを検出することができ、同期信号タイプの各々は、上述されたように、eNBダウンリンク指向性ビームに関連付けられることができる。WTRUは、予め構成された基準、例えば、WTRUサービスタイプ、WTRU能力、および/または同期信号タイプに従って、同期および受信のための検出されたeNBダウンリンク指向性ビームを選択することができる。WTRUは、その関連付けられたeNBダウンリンク指向性ビーム内の選択された同期信号タイプと同期し、選択されたeNBダウンリンク指向性ビーム内で通信を受信することができる。
【0126】
実施形態において、WTRUは、1つの同期信号タイプを使用して、セルと同期し、セルブロードキャストチャネルを復号し、シンボル、TTI、サブフレームおよびSFNタイミングを確立することができる。実施形態において、WTRUは、求められる同期タイプに固有の1つまたは複数の予め定義されたシーケンスを相関させることによって、時間ウィンドウ内の1つの同期信号タイプ(例えば、PSS)の存在を検出することができる。シーケンスは、同期信号タイプと別の同期信号タイプとの間のシンボル距離、同期信号とブロードキャストチャネルとの間のシンボル距離、TTI番号およびセルアイデンティティおよび/またはビームアイデンティティ情報、ブロードキャストチャネル復調基準信号シーケンス、同じ同期信号タイプのeNB送信ビームに対してマッピングされたブロードキャストチャネルの存在、ならびに関連付けられたブロードキャストチャネルトランスポートフォーマットのうちの1つまたは複数を示すことができる、予め定義された特性を有することができる。
【0127】
WTRUは、シンボルタイミングを、例えば、シーケンス(例えば、同期信号タイプ)ごとの最も高いピークにおいて獲得することができ、これは、予め定義された閾値を越えてもよい。WTRUは、予め定義されたルールおよび/または予め構成されたルール、例えば、ブロードキャストチャネル復号のレイテンシを低減するために、セル全体にわたるeNB送信ビームにおいて搬送される同期信号タイプに対する嗜好、ブロードキャストチャネル符号化の復号性能を改善するために、高度にビームフォーミングされた送信ビームにおいて搬送される同期信号タイプに対する嗜好、ならびに、WTRUサービスタイプ、トラフィックタイプおよびWTRU能力に基づいた同期信号タイプに対する嗜好などに従って、同期信号タイプを選択することができる。
【0128】
WTRUは、検出され、選択された同期信号タイプに基づいて、基準シンボルタイミングの開始を確立することができる。WTRUは、検出された同期信号タイプ、例えば、シンボル距離オフセット、ブロードキャストチャネル基準シーケンスインデックスおよびブロードキャストチャネルトランスポートフォーマットから導出されるリンケージ情報を使用して、ブロードキャストチャネルを復号することができる。WTRUは、あらゆるセル、ビーム、タイミング、制御チャネルおよび他の情報、例えば、TTI開始までのオフセット(例えば、シンボル番号、SFN、またはeNB送信ビームアイデンティティ)、サポートされるeNB送信ビームの数、ならびに他のビーム固有および/またはセル固有の構成を含む、MIBまたはプレMIBのブロードキャストチャネルコンテンツを獲得することができる。プレMIBを受信する場合、WTRUは、リンケージ情報を使用して、次のブロードキャストチャネルを復号し、セルシステム情報を獲得することができる。
【0129】
実施形態において、WTRUは、ブロードキャスト情報を使用して、制御チャネルビームの位置を突き止め、制御チャネルを獲得することができる。WTRUは、受信ビームをスイープし、1つまたは複数の同期信号タイプをそれらの予め定義された構成を使用して探索することができる。求められる同期信号タイプは、サービスタイプ、WTRUカテゴリおよび能力によって決定されることができる。WTRUは、1つの同期信号タイプと、別の同期信号タイプへのリンケージ情報とから、シンボルタイミングなどの時間リソースユニットタイミングを獲得することができる。WTRUは、別の同期信号を検出して、TTIタイミング、サブフレームタイミングおよび/またはフレームタイミングを獲得し、同期信号とその関連付けられたブロードキャストチャネルとの間のリンケージを使用して、ブロードキャストチャネルの位置を突き止めて、例えば、ビームアイデンティティ、ビームの数、スイープスケジュールおよび他のシステム情報を含む、ビーム固有の情報を読み出すことができる。次いで、WTRUは、ブロードキャスト情報を使用して、制御チャネルビームの位置を突き止めることができ、制御チャネルを獲得し、システム情報を読み出すことができる。
【0130】
WTRUの回転に関して、並進動作よりも回転動作を考慮することの重要性をよりよく例示するために、WTRUとeNBビームとをアラインする文脈における、それらの関係の簡潔な導出が説明される。簡単にするために、eNBとWTRUとがX軸上でビームアラインされ、距離dだけ分離される、2Dの例が考慮される。WTRUが、速度v(t)km/hで正のy方向に動くと仮定すると、下記が当てはまり得る。
【0131】
【数1】
【0132】
方程式(1)において、θは、eNBとWTRUとの間のLOS角度とすることができ、y(t)は、時間tにおける垂直距離とすることができる。(1)における陰関数微分法の方法の使用は、下記を与える。
【0133】
【数2】
【0134】
これは、線速度
【0135】
【数3】
【0136】
を、角速度
【0137】
【数4】
【0138】
の関数として取得するために構成されることができる。
v(t)=dω(t)sec2(θ(t)) (3)
【0139】
(3)から、一定の角速度を維持するためには、線速度が絶えず増加しなければならないことが分かる。さらに、増加率は、角度θと距離dとの両方と共にも増加する。実験を通じて、向きの変化(例えば、電話を見るためにテーブルからひっくり返すこと)のための回動速度は、毎秒45°から360°の範囲にあることが発見された。この範囲は、他の独立した調査と一致しており、他の独立した調査は、ゲーム使用のための毎秒800°までの回転速度の予測を提供するためにさらに踏み込んでいる。d=25mと仮定し、毎秒45°の適度な角速度を使用すると、均等な線速度は、0°から45°の瞬間的な角度それぞれについて、およそ70km/hおよび140km/hとなり得る。この単純な例は、mmW通信における回転動作がビームアライメントを維持するための並進運動よりも、はるかに大きな影響を有し得ることを明確にする。
【0140】
2つの主なアルゴリズム、すなわち、全数探索および段階的探索が、K個のセルの各々について、リンク品質をビームペアの関数として表現する関数を最大化する目的のために調べられた。図19は、全数探索および段階的探索の例を示す図1900である。
【0141】
例示的な全数探索手続きが、図19の1910において例示される。図19に例示された例1910において、WTRUは、各同期サブフレーム1902の期間中に、N個の受信ビーム1912のうちの1つをスイープすることによって、すべてのセルからのすべてのeNB送信ビーム1904〜1908にわたって探索することができる。したがって、合計探索時間は、N個のフレームになるであろう(ダウンリンクフレームごとに1つの同期サブフレームを仮定した場合)。探索の終わりにおいて、下記の最大化が評価されることができる。
【0142】
【数5】
【0143】
方程式(4)において、k、m、およびnは、それぞれセルインデックス、セルビームインデックス、およびWTRUビームインデックスであり、
【0144】
【数6】
【0145】
【0146】
【数7】
【0147】
、および
【0148】
【数8】
【0149】
は、対応する選ばれたインデックスであり、f(.)は、受信同期信号の品質を表現する目的関数である。シミュレーションの目的のために、目的関数は、信号対干渉および雑音比(SINR:signal to interference plus noise ratio)測定となるであろう。
【0150】
例示的な段階的手続きは、図19の1920において例示される。図19に例示される例において、WTRUはNw個の広いビーム1928を有するように定義されており、Nw個の広いビーム1912の各々内で、Nt個のより細いビーム1928を生成するための能力を有することができる。WTRU受信ビームの総数は、依然としてNであり、これは、N=Nwtとして定義されることができる。
【0151】
段階的手続きは、各同期サブフレーム1922の期間中にNw個の受信ビーム1928のうちの1つをスイープすることによって、M個の送信ビーム1924〜1926のすべてにわたってWTRUが探索することから始まってもよい。第1の探索段階の終わりにおいて、下記の最大化が評価されることができる。
【0152】
【数9】
【0153】
方程式(5)において、k、mおよびnwは、それぞれセルインデックス、セルビームインデックスおよびWTRUの広いビームインデックスであり、
【0154】
【数10】
【0155】
【0156】
【数11】
【0157】
、および
【0158】
【数12】
【0159】
は、対応する選ばれたセルビームインデックスである。
【0160】
【数13】
【0161】
は、選ばれたセルビームインデックスであるが、第2の段階は、選ばれたセルについて、M個のビームすべてにわたる探索を繰り返すであろう。
【0162】
第2の段階において、WTRUは、セルインデックス
【0163】
【数14】
【0164】
、およびWTRUの広いビームインデックス
【0165】
【数15】
【0166】
を既に識別済みであるので、各同期サブフレーム1922の期間中に、M個の送信ビーム1924〜1926にわたって探索するために、
【0167】
【数16】
【0168】
個の受信ビームのみを使用して、低減された探索が行われることができる。第2の段階の終わりにおいては、別の最大化が評価されることができる。
【0169】
【数17】
【0170】
方程式(6)において、ntは、第2の段階のWTRUの細いビームインデックスであり、mは、セルビームインデックスであり、
【0171】
【数18】
【0172】
は、選ばれたWTRUアレイビームインデックスであり、
【0173】
【数19】
【0174】
は、選ばれたセルビームインデックスである。全数手続きと同じ同期サブフレーム周期性を使用すると、その結果、このアプローチのための合計探索時間は、
【0175】
【数20】
【0176】
個のフレームとなる。
【0177】
全数探索手続きと段階的探索手続きとの両方が、ビームペアごとの1つの観察が最大化の前に行われると仮定してもよい。時間と共に複数の観察結果を平均する形式の時間ダイバーシティは、高速フェージングに対抗するために、LTEベースのセル探索において使用されることがある。しかしながら、WTRU回転動作に対する、推定される、より高い感度が理由で、本明細書において説明される研究は、単独観測法のみを使用する。
【0178】
全数探索手続きと段階的探索手続きとの両方を使用するWTRU回転動作の影響は、WTRUがカスタムモデルに基づいて並進動作と回転動作との両方を経験する、カスタムMatlabベースのシステムシミュレーション環境を使用して分析された。シミュレーション用の全部のパラメータは、下記の表3において提供されている。
【0179】
【表3】

【0180】
シミュレーション結果は、全数手続きと段階的手続きとの間の性能差、およびWTRU動作からの影響を強調している。シミュレーションの第1のセットは、回転動作の影響を強調するために、回転WTRUおよび非回転WTRUに対して実行された。テストケース固有のシミューレーションパラメータは、表4に列挙されており、結果は、図20のグラフ2000において示されている。シミュレーションは、アレイ当たり1つの広いビームを仮定している。
【0181】
【表4】
【0182】
表5は、WTRU回転ありと、WTRU回転なしとの両方における、全数手続きと段階的手続きとの間の平均SINR差を示す。最初の2つの列は、回転がない場合には、より少ない処理時間およびエネルギー消費をもたらすので、段階的アプローチが好ましくなり得ることを示し、無視できる性能差をさらに示す。段階的アプローチは、非全数アプローチであり、これは、古典的に、ある程度の性能低下を代償とする。しかしながら、この場合に、方法論は、両方の手続きについて選ばれたほとんど同一のビームにおける結果を使用した。したがって、最小限の性能影響が存在する。WTRUが回転動作下にある場合を表現する、次の2つの列は、非全数探索手続きを使用することによって発生する利得すら存在することを示すために、さらに一層踏み込んでいる。これは、デバイスが回転されているときの手続きの期間中に測定されたSINRが、最大化が評価されるときの手続きの終わりまでには古くなることがあるという事実に帰着されることができる。これは、mmWシステムに対して段階的アプローチを使用することの潜在的な利点をさらに指し示す。
【0183】
【表5】
【0184】
表6は、非回転WTRUと回転WTRUとの間の平均SINR差を示し、両方のWTRUビーム幅について、段階的探索と比較して全数探索において、性能は、回転によってより深刻な影響を受けることを示す。これは、WTRU回転速度よりも、必要な手続き処理時間に対して、回転からの影響がより直接的に結び付けられるという事実を強調することができる。
【0185】
【表6】
【0186】
シミュレーションの第1のセットは、mmWシステムのためのシステム手続きを設計する場合に、WTRU回転を考慮する必要を強調している。シミュレーションの第2のセットは、性能を回転速度の関数として明示的に示すために実行された。全数手続きおよび段階的手続きは、両方ともアレイ当たり12個のビームを用いるWTRUを使用してシミュレーションされた。これらの2つの構成の各々は、毎秒0°から800°までの回動速度でテストされた。平均SINRは、各テストから差し引かれ、図21のグラフ2100において示されるようにプロットされた。回転の度数/秒ごとのSINR損失は、2本の曲線に線を適合させることによって抽出され、段階的手続きおよび全数手続きのそれぞれについて、100°/秒ごとに1dBおよび100°/秒ごとに〜2dBであると分かった。
【0187】
特徴および要素は、特定の組み合わせにおいて上記に説明されているが、各特徴または要素が、単独で、または他の特徴および要素との任意の組み合わせにおいて、使用されることができることを、当業者は認識するであろう。また、本明細書において説明される方法は、コンピュータまたはプロセッサによる実行のためのコンピュータ読取可能な媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実装されてもよい。コンピュータ読取可能な媒体の例は、(有線接続または無線接続上で送信される)電気信号およびコンピュータ読取可能な記憶媒体を含む。コンピュータ読取可能な記憶媒体の例は、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、ならびに、CD−ROMディスク、およびデジタルバーサタイルディスク(DVD)などの光学媒体を含むが、これらに限定されない。ソフトウェアと協働するプロセッサは、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数送受信機を実装するために使用されてもよい。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21