(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962828
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】トマト果汁を含有する容器詰め濃縮アルコール飲料
(51)【国際特許分類】
C12G 3/04 20190101AFI20211025BHJP
【FI】
C12G3/04
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-12597(P2018-12597)
(22)【出願日】2018年1月29日
(65)【公開番号】特開2019-129720(P2019-129720A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2020年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】大倉 龍起
【審査官】
安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−254247(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/108347(WO,A1)
【文献】
特開2015−065848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トマト果汁、グルタミン酸ナトリウム、および甘味料を含有する容器詰め濃縮アルコール飲料であって、
トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で1〜5v/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.50w/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%であり、
甘味料由来の甘味度が、4〜45であり、および、
アルコール含有量が、10〜40v/v%である、
前記容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項2】
トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で2〜4v/v%である、請求項1に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項3】
グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.30w/v%である、請求項1または2に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項4】
グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.008w/v%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項5】
甘味料由来の甘味度が、10〜30である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項6】
甘味料が、アセスルファムカリウム、スクラロース、および果糖ブドウ糖液糖からなる群から選択される一以上のものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項7】
アルコール含有量が、20〜30v/v%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項8】
水を添加して飲用される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
【請求項9】
容器詰め濃縮アルコール飲料の製造方法であって、
(a)飲料中のトマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で1〜5v/v%となるように、トマト果汁を添加する工程、
(b)飲料中のグルタミン酸ナトリウムの含有量が0.50w/v%以下であり、かつ前記含有量の下限値がトマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%以上となるように、グルタミン酸ナトリウムを添加する工程、
(c)飲料中の甘味料由来の甘味度が4〜45となるように、甘味料を添加する工程、
(d)飲料中のアルコール含有量を、10〜40v/v%に調整する工程、および、
(e)容器詰めする工程、
を含み、
ここで、前記工程(a)〜(d)は、いずれの順序で行ってもよい、
前記製造方法。
【請求項10】
トマト果汁、グルタミン酸ナトリウム、および甘味料を含有するアルコール飲料であって、
トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で0.20〜2.0v/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.25w/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%であり、
甘味料由来の甘味度が、0.80〜22.5であり、
アルコール含有量が、1.0〜10v/v%である、
前記アルコール飲料。
【請求項11】
トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で0.3〜1.8v/v%である、請求項10に記載のアルコール飲料。
【請求項12】
グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.20w/v%である、請求項10または11に記載のアルコール飲料。
【請求項13】
グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.008w/v%以上である、請求項10〜12のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
【請求項14】
甘味料由来の甘味度が、2.0〜15.0である、請求項10〜13のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
【請求項15】
甘味料が、アセスルファムカリウム、スクラロース、および果糖ブドウ糖液糖からなる群から選択される一以上のものである、請求項10〜14のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
【請求項16】
アルコール含有量が、3.0〜9.0v/v%である、請求項10〜15のいずれか一項に記載のアルコール飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トマト果汁を含有する容器詰め濃縮アルコール飲料などに関する。具体的には、飲料中のトマト果汁含有量が低いながらも、トマトの果汁感を強く感じられる飲料を製造するための、トマト果汁を含有する容器詰め濃縮アルコール飲料などに関する。
【背景技術】
【0002】
トマトは野菜の中でも人気が高く、トマトを用いた多様な飲食品が市販されている。このような背景の中、消費者の嗜好の多様化もあいまって、トマトを用いた新しい美味しさ、例えばトマトを用いたアルコール飲料に対する需要は増加傾向にあり、トマト果汁を含有するアルコール飲料も市販されている。
【0003】
一方で、トマトの果汁感が強く感じられるように、飲料中のトマト果汁含有量を高めると沈殿が生じやすくなり、特に、アルコールと混合すると、より沈殿が生じやすくなることが知られている。これに対し、特許文献1では、不溶性成分を除去した透明トマト果汁を調合した飲料液に炭酸ガスを圧入してなる炭酸入りトマト果汁含有アルコール飲料が記載されている。しかしながら、透明トマト果汁を使用すると、沈殿や濁りは生じにくくなる一方で、トマトの果汁感も失われる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−189934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、飲料中のトマト果汁含有量が低いながらも、トマトの果汁感を強く感じられる飲料を製造するための、希釈して飲用されるトマト果汁を含有する容器詰め濃縮アルコール飲料を提供することなどを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の通り、飲料中のトマト果汁の含有量を増加させると、飲料中のトマトの果汁感は向上するが、沈殿が生じやすくなる。特に、トマト果汁とアルコールとを混合する際には、沈殿の問題が生じやすい。このような背景の下、本発明者らは、トマト果汁の含有量を沈殿の問題が生じない一定量に抑えた上で、飲料中のトマトの果汁感を高める手段がないか、鋭意検討を行った。その結果、トマト果汁含有アルコール飲料において、トマト果汁の含有量を低い範囲に抑えた上で、飲料中のグルタミン酸ナトリウムの含有量、甘味料由来の甘味度、およびアルコール含有量を特定の範囲内に調整すると、飲料中のトマト果汁含有量が低いながらも、トマトの果汁感を強く感じられる飲料を製造するできることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、これらに限定されないが、以下の態様を含む。
(1)トマト果汁、グルタミン酸ナトリウム、および甘味料を含有する容器詰め濃縮アルコール飲料であって、
トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で1〜5v/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.50w/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%であり、
甘味料由来の甘味度が、4〜45であり、および、
アルコール含有量が、10〜40v/v%である、
前記容器詰め濃縮アルコール飲料。
(2)トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で2〜4v/v%である、(1)に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
(3)グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.30w/v%である、(1)または(2)に記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
(4)グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.008w/v%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
(5)甘味料由来の甘味度が、10〜30である、(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
(6)甘味料が、アセスルファムカリウム、スクラロース、および果糖ブドウ糖液糖からなる群から選択される一以上のものである、(1)〜(5)のいずれかに記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
(7)アルコール含有量が、20〜30v/v%である、(1)〜(6)のいずれかに記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
(8)水を添加して飲用される、(1)〜(7)のいずれかに記載の容器詰め濃縮アルコール飲料。
(9)容器詰め濃縮アルコール飲料の製造方法であって、
(a)飲料中のトマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で1〜5v/v%となるように、トマト果汁を添加する工程、
(b)飲料中のグルタミン酸ナトリウムの含有量が0.50w/v%以下であり、かつ前記含有量の下限値がトマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%以上となるように、グルタミン酸ナトリウムを添加する工程、
(c)飲料中の甘味料由来の甘味度が4〜45となるように、甘味料を添加する工程、
(d)飲料中のアルコール含有量を、10〜40v/v%に調整する工程、および、
(e)容器詰めする工程、
を含み、
ここで、前記工程(a)〜(d)は、いずれの順序で行ってもよい、
前記製造方法。
(10)トマト果汁、グルタミン酸ナトリウム、および甘味料を含有するアルコール飲料であって、
トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で0.20〜2v/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.25w/v%であり、
グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%であり、
甘味料由来の甘味度が、0.80〜22.5であり、
アルコール含有量が、1.0〜10v/v%である、
前記アルコール飲料。
(11)トマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で0.3〜1.75v/v%である、(10)に記載のアルコール飲料。
(12)グルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値が、0.20w/v%である、(9)または(11)に記載のアルコール飲料。
(13)グルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値が、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.008w/v%以上である、(10)〜(12)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(14)甘味料由来の甘味度が、2.0〜15.0である、(10)〜(13)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(15)甘味料が、アセスルファムカリウム、スクラロース、および果糖ブドウ糖液糖からなる群から選択される一以上のものである、(10)〜(14)のいずれかに記載のアルコール飲料。
(16)アルコール含有量が、3.0〜9.0v/v%である、(10)〜(15)のいずれかに記載のアルコール飲料。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、飲料中のトマト果汁含有量が低いながらも、トマトの果汁感を強く感じられる飲料を製造するための、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料などが提供される。なお、本明細書において、「トマトの果汁感」とは、トマトの味わいの濃さ、フレッシュさ、およびトマトの旨みが感じられることをいう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料
本発明の一態様は、飲料中のトマト果汁の含有量、グルタミン酸ナトリウムの含有量、甘味料由来の甘味度、およびアルコール含有量を一定の範囲に調整した、容器詰め濃縮アルコール飲料である。前記容器詰め濃縮アルコール飲料は、そのまま飲用することもできないわけではないが、任意の希釈液、例えば、水などで適宜希釈して飲用することが好ましい飲料である。そして、本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料では、任意の希釈液で希釈した際に、飲料中のトマト果汁の含有量が低いにもかかわらず、トマトの果汁感を強く感じることができる。
【0010】
1−1.トマト果汁
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料に用いられる「トマト果汁」は、ストレート果汁、ストレート果汁を希釈した果汁、濃縮果汁および濃縮還元果汁のいずれの形態であってもよい。なお、ストレート果汁とは、果実を搾汁して得られる果汁をそのまま使用するものをいう。また、濃縮果汁とは、加熱濃縮法や冷凍濃縮法などによってストレート果汁中の水分を取り除き、果汁の濃度を高めたものをいう。また、濃縮還元果汁とは、計算上、ストレート果汁と同等の濃度となるように、濃縮果汁を水などで希釈した果汁をいう。
【0011】
濃縮果汁を用いる場合、果実由来の混濁成分や難溶性成分の不溶化により、沈殿や増粘などの問題を引き起こすことがあることから、果汁の一部または全部が清澄化処理されたトマト果汁、すなわち透明トマト果汁や半透明トマト果汁を用いることが好ましい。清澄化処理の方法としては、精密濾過法、酵素処理法、限外濾過法などが知られているが、そのいずれの方法で処理されたものであってもよい。濃縮果汁は場合によって、糖類、はちみつなどで糖度を調整したもの、あるいは酸度が調整されたものであってもよい。また、透明トマト果汁の他に、混濁トマト果汁を使用することもでき、トマト果実の外皮を含む全果を破砕し種子など特に粗剛な固形物のみを除いた全果トマト果汁、トマト果実を裏ごしした果実ピューレ、或いは、乾燥トマト果実の果肉を破砕もしくは抽出したトマト果汁を用いることもできる。
【0012】
本発明においてトマト果汁を得るために用いるトマトは、一般にトマトジュース、トマトピューレ、トマトペースト等、トマト加工品の製造に用いられる品種であれば特に限定されず、1種または複数を組み合わせて用いることができる。代表的な品種としては、加工用として使われるサン・マルツァーノ、ローマ、珠玉、くりこま、ふりこまに加え、生食用のファースト、桃太郎、福寿、世界一、豊玉、栗原、栄、群玉、市原早生、コメット、プリンス・オブ・ウェールズ、ミニトマト等を使用することができる。また、上記のトマトを、例えば、そのまま、冷凍して、粉砕して、もしくは乾燥した形態で、またはそれらを一定期間保管した形態で用いることができる。
【0013】
本発明において、トマト果汁は、非加熱殺菌された果汁を用いても、加熱殺菌したものを用いてもよい。なお、非加熱殺菌としては、例えば、メンブレンフィルターや中空糸を用いたろ過滅菌、紫外線殺菌などが挙げられる。また、加熱殺菌としては、例えば、100℃以上で行う高温殺菌、100℃未満で行う低温殺菌などが挙げられる。
【0014】
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料のトマト果汁含有量は、ストレート果汁換算濃度で1〜5v/v%、好ましくは2〜4v/v%、より好ましくは2〜3v/v%である。本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料中のトマト果汁含有量が1v/v%を下回ると、希釈した飲用する際に、グルタミン酸ナトリウムおよび甘味料によるトマトの果汁感の向上効果が得られにくくなる。一方で、本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料中のトマト果汁含有量が20v/v%を上回ると、沈殿が生じやすくなるという問題がある。本発明において、トマト果汁含有量は、ストレートトマト果汁(5%、Brix=5)の量に換算した値とする。例えば濃縮トマト果汁を用いる場合、Brix=20の濃縮トマト果汁を10v/v%配合した場合のトマト果汁含有量は40v/v%である。
【0015】
1−2.グルタミン酸ナトリウム
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料は、グルタミン酸ナトリウムを含有する。本発明では、一定量のグルタミン酸ナトリウムを配合することにより、トマト果汁の含有量が低いトマト果汁含有飲料において、トマトの果汁感を向上させることができる。
【0016】
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料のグルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値は0.50w/v%、好ましくは0.30w/v%、より好ましくは0.2w/v%である。
【0017】
また、本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料のグルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値は、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%、好ましくは0.008w/v%、より好ましくは0.01w/v%である。
【0018】
なお、上記のグルタミン酸ナトリウムの含有量には、トマト果汁由来のグルタミン酸ナトリウムの含有量も含まれるが、トマト果汁自体に含まれるグルタミン酸ナトリウムの含有量は、通常、トマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり約0.005w/v%程度であるかそれを下回るため、本発明の飲料におけるグルタミン酸ナトリウム含有量は、トマト果汁に別途グルタミン酸ナトリウムを添加することによって達成されるものである。
【0019】
本発明では、飲料中のグルタミン酸ナトリウムの含有量が上記所定の範囲内にあれば、グルタミン酸ナトリウム含有量の調整方法は特に限定されない。例えば、市販品や合成品のグルタミン酸ナトリウムを用いることや、グルタミン酸ナトリウムを含む添加物(例えば、調味料等)を用いることもできる。また、市販品や合成品のグルタミン酸ナトリウムやグルタミン酸ナトリウムを含む添加物を2種類以上組み合わせて調整してもよい。
【0020】
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料のグルタミン酸ナトリウムの含有量は、市販の高速液体クロマトグラフ(HPLC)等を用いてグルタミン酸として定量した値に分量比を乗じてグルタミン酸ナトリウムの量として算出できる。
【0021】
1−3.甘味料
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料は、一定量の甘味料を添加したものである。本発明において、添加する甘味料として天然甘味料、糖アルコール、人工甘味料等を用いることができる。例えば、天然甘味料としては、グルコース、フルクトース、モグロール配糖体、グリチルリチン酸配糖体、マルトース、スクロース、ラクトース、希少糖、高果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、オリゴ糖、はちみつ、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、砂糖(白糖、三温糖、黒糖、和三盆など)、メープルシロップ、モラセス(糖蜜)、水飴などが挙げられるが、これらに限定されない。糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マンニトールなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、人工甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、アリテーム、ネオテームなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本発明で添加される甘味料は、好ましくはアセスルファムカリウム、スクラロース、および果糖ブドウ糖液糖からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むものである。また、本発明では、甘味料としてステビアは使わないことが好ましい。
【0023】
本明細書において、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料の「甘味料由来の甘味度」は、トマト果汁に添加される甘味料由来の甘味度を意味し、トマト果汁にもともと含まれている甘味成分由来の甘味度は含まない。また、本明細書において「甘味度」は、ショ糖の甘味を基準とした甘味の度合いで、ショ糖水溶液におけるショ糖濃度(w/v%)に相当する。例えば、甘味度2は、ショ糖水溶液2w/v%の甘味に相当する。以下に、本明細書における各甘味料の甘味度の例を示す。ショ糖の甘味度を100として、アセスルファムカリウム、スクラロース、果糖ブドウ糖液糖の甘味度を、それぞれ20000、60000、75.5とみなす。甘味度の調整のためには、添加される天然甘味料および/または人工甘味料の量を調整すればよい。
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料における甘味料由来の甘味度の範囲は、4〜45、好ましくは10〜30、より好ましくは12〜25である。
【0024】
1−4.アルコール
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料のアルコール含有量は10〜40v/v%、好ましくは15〜35v/v%、より好ましくは20〜30v/v%である。アルコール含有量の調整方法は、添加するアルコール成分の量の調整などの、公知のいずれの方法を用いてもよい。
【0025】
本明細書に記載の「アルコール」との用語は、特に断らない限りエタノールを意味する。本明細書において、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料のアルコール含有量は公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いて試料を調製し、調製した試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19年国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。
【0026】
本発明で使用するアルコールは、種類、製法、原料等特に限定されない。例えば、原料用アルコール(糖蜜を原料とするニュートラルスピリッツ、穀物を原料とするグレーンスピリッツなど)、蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ブランデー、ジンなど)、醸造酒類(清酒、果実酒等)、発泡酒、混成酒類(合成清酒、甘味果実酒、リキュールなど)などの飲用可能なアルコールを、1種または複数を組合せて用いることが出来る。微生物管理や香味等の観点からは、果実酒、特に白ワインをアルコールの一部または全部として用いることができる。本発明の一態様において、アルコールとして白ワインおよびニュートラルスピリッツを単独でまたは組み合わせて用いることで、微生物管理や香味等の観点において特に好ましいトマト果汁含有アルコール飲料を得ることができる。
【0027】
1−5.容器詰め濃縮アルコール飲料
本発明の飲料は、濃縮されたものであり、そのまま飲用することもできないわけではないが、任意の希釈液で適宜希釈して飲用することが好ましい。本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料は、任意の希釈液で希釈した場合でも、トマトの果汁感を保持できる。希釈液の種類は特に限定されないが、例えば、水、炭酸水、清涼飲料水、上記のアルコールなどが挙げられ、これらを1種類または複数組み合わせて希釈することができる。
【0028】
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料を前記希釈液で希釈する際の希釈倍率は特に限定されないが、好ましくは2.0〜5.0倍希釈、より好ましくは3.00〜4.0倍希釈である。
【0029】
本発明のトマト果汁含有濃縮アルコール飲料は、容器詰め飲料である。容器詰め飲料とすることにより長期間に渡って安定に保存することが可能になるため好適である。容器詰め飲料の容器は特に限定されず、金属製容器、樹脂製容器、紙容器、ガラス製容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。具体的には、本発明のトマト果汁含有濃縮アルコール飲料が充填される容器としては、缶、ガラス瓶、PET容器、パウチ、紙容器、バッグインボックス等が挙げられる。
【0030】
1−6.炭酸ガス
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料を希釈して飲用する際の飲料は、炭酸ガスを含んでいてもよく、炭酸ガスは当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することもできる。また、炭酸ガス圧の測定も、公知の方法によって行うことができる。なお、炭酸ガスの付与方法や炭酸ガス圧の測定方法は、トマト果汁含有アルコール飲料に関して後述する通りである。
【0031】
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料を希釈して飲用する際の飲料の炭酸ガス圧は、特に限定されないが、測定時の液温が20℃の際の飲料のガス圧が、好ましくは1.0〜5.0kgf/cm
2、より好ましくは1.5〜4.0kgf/cm
2、さらにより好ましくは2.0〜3.0kgf/cm
2である。
【0032】
1−7.その他の成分等
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料は、上記の他にも、本発明の性質を損なわない限り、飲料に通常配合する各種成分、例えば、糖類、酸類、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、酸味料、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。
【0033】
1−8.pH
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料のpHは、特に限定されないが、好ましくはpH2.0〜6.5、より好ましくはpH2.5〜5.0、さらにより好ましくはpH2.5〜3.5である。
【0034】
1−9.加熱殺菌処理された飲料
また、本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料は、加熱殺菌処理されていても、加熱殺菌処理されていなくてもよい。本発明の飲料を加熱殺菌処理する場合、加熱殺菌方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、飲料自体を加熱滅菌後に容器詰めする方法や、飲料を容器詰めした後に加熱殺菌する方法などにより、加熱殺菌処理された容器詰め飲料を製造することができる。より具体的には、ペットボトルや紙パック、瓶飲料、パウチ飲料などの容器詰め飲料とする場合には、例えば90〜130℃で1〜60秒保持するFP又はUHT殺菌を行うことができる。
【0035】
2.トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料の製造方法
本発明の一態様は、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料の製造方法である。当該製造方法は、飲料中のトマト果汁の含有量、グルタミン酸ナトリウムの含有量、甘味料由来の甘味度、およびアルコール含有量が所定の範囲内にあるトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料を製造できるものであれば特に限定されない。具体的には、当該製造方法は、(a)飲料中のトマト果汁の含有量が、ストレート果汁換算濃度で1〜20v/v%となるように、トマト果汁を添加する工程、(b)飲料中のグルタミン酸ナトリウムの含有量が0.50w/v%以下であり、かつ前記含有量の下限値がトマト果汁の含有量1v/v%(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%以上となるように、グルタミン酸ナトリウムを添加する工程、(c)飲料中の甘味料由来の甘味度が4〜45となるように、甘味料を添加する工程、(d)飲料中のアルコール含有量を、10〜40v/v%に調整する工程、および、(e)容器詰めする工程、を含む、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料の製造方法である。なお、これらの工程、特に工程(a)〜(d)は、どの順序で行ってもよく、最終的に得られたトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料における含有量やアルコール含有量などが所定の範囲にあればよい。
【0036】
本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料の製造方法におけるトマト果汁、グルタミン酸ナトリウム、甘味料、アルコール、容器および濃縮アルコール飲料については、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料に関して上述した通りである。
【0037】
また、本発明のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料の製造方法には、その他の成分を添加する工程、pHを調整する工程、炭酸ガスを含有させる工程、加熱滅菌する工程などを含めてもよい。なお、その他の成分、pH、炭酸ガス、加熱滅菌についてもトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料に関して上述した通りである。
【0038】
3.トマト果汁含有アルコール飲料
本発明の一態様は、飲料中のトマト果汁の含有量、グルタミン酸ナトリウムの含有量、甘味料由来の甘味度、およびアルコール含有量を一定の範囲に調整した、アルコール飲料である。当該アルコール飲料は、前述のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料を任意の希釈液で適宜希釈して製造することもできるが、所定のトマト果汁含有量、グルタミン酸ナトリウム含有量、甘味料由来の甘味度、およびアルコール含有量を有するアルコール飲料を直接製造して得ることもできる。
【0039】
3−1.トマト果汁
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料に用いられる「トマト果汁」の種類などについては、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料について上述した通りである。本発明のトマト果汁含有アルコール飲料のトマト果汁含有量は、ストレート果汁換算濃度で0.2〜2.0v/v%、好ましくは0.3〜1.8v/v%、より好ましくは0.5〜1.7v/v%である。
【0040】
3−2.グルタミン酸ナトリウム
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料に用いられる「グルタミン酸ナトリウム」の添加方法などについては、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料について上述した通りである。本発明のトマト果汁含有アルコール飲料のグルタミン酸ナトリウムの含有量の上限値は0.25w/v%、好ましくは0.20w/v%、より好ましくは0.15w/v%である。
【0041】
また、本発明のトマト果汁含有アルコール飲料のグルタミン酸ナトリウムの含有量の下限値は、トマト果汁の含有量1v/v%
(ストレート果汁換算濃度)あたり0.006w/v%、好ましくは0.008w/v%、より好ましくは0.01w/v%である。
【0042】
3−3.甘味料
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料に用いられる「甘味料」の種類や添加方法、甘味料由来の甘味度などについては、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料について上述した通りである。本発明のトマト果汁含有アルコール飲料における甘味料由来の甘味度の範囲は、0.80〜22.5、好ましくは2.0〜15.0、より好ましくは3.0〜7.0である。
【0043】
3−4.アルコール
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料のアルコール含有量は1.0〜10v/v%、好ましくは3.0〜9.0v/v%、より好ましくは5.0〜7.0v/v%である。アルコール含有量の調整方法は、添加するアルコール成分の量の調整などの、公知のいずれの方法を用いてもよい。なお、本発明のトマト果汁含有アルコール飲料に用いられる「アルコール」の種類やアルコール含有量の調整方法などについては、トマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料について上述した通りである。
【0044】
3−5.炭酸ガス
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料は、炭酸ガスを含んでいてもよく、炭酸ガスは当業者に通常知られる方法を用いて飲料に付与することもできる。例えば、上述のトマト果汁含有容器詰め濃縮アルコール飲料を炭酸水で希釈してもよく、二酸化炭素を加圧下で飲料に溶解させてもよいが、これらに限定されるものではない。また、これらの手段を適宜用いて炭酸ガス圧を調節できる。
【0045】
炭酸ガス圧の測定は、公知の方法によって行うことができる。例えば、京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA−500Aを用いて測定することができる。より詳細には、試料温度を20℃とし、前記ガスボリューム測定装置においてヘッドスペース内空気中のガス抜き(スニフト)、振とう後、炭酸ガス圧を測定する。
【0046】
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料の炭酸ガス圧は、特に限定されないが、測定時の液温が20℃の際の飲料のガス圧が、好ましくは1.0〜5.0kgf/cm
2、より好ましくは1.5〜4.0kgf/cm
2、さらにより好ましくは2.0〜3.0kgf/cm
2である。
【0047】
3−6.その他の成分等
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料は、上記の他にも、本発明の性質を損なわない限り、飲料に通常配合する各種成分、例えば、糖類、酸類、香料、ビタミン、色素類、酸化防止剤、酸味料、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を配合することができる。
【0048】
3−7.pH
本発明のトマト果汁含有アルコール飲料のpHは、特に限定されないが、好ましくはpH2.0〜6.5、より好ましくはpH2.5〜5.0、さらにより好ましくはpH2.5〜3.5である。
【0049】
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0050】
1.濃縮還元トマト果汁
濃縮還元トマト果汁は、12倍濃縮果汁を用いた。
なお、本実施例で使用する濃縮還元トマト果汁のグルタミン酸ナトリウム濃度は0.075w/v%であり、Brix値は60.0である。また、前記濃縮還元トマト果汁に対して甘味料は添加されておらず、前記濃縮還元トマト果汁における甘味料由来の甘味度は0である。
【0051】
2.サンプル飲料の調製
ニュートラルスピリッツに、濃縮還元トマト果汁、グルタミン酸ナトリウム(入手先:味の素株式会社、純度:99.0%)、アセスルファムカリウム(入手先:丸善薬品産業株式会社、純度:99.0%、スクラロース(入手先:ツルヤ化成工業株式会社、純度:99.0、および果糖ブドウ糖液糖(入手先:昭和産業株式会社、果糖含有率:55%)を、最終濃度が所定の量となるように配合した。なお、ニュートラルスピリッツの配合量は、最終のアルコール含有量が20v/v%または30v/v%となるように調整して配合した。その後、蒸留水で500mLにメスアップして所定量を容器に充填し、サンプル飲料を得た。各サンプル飲料の組成を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
3.官能評価
上記2で調製した各サンプル飲料を市販の炭酸水(サントリー南アルプスの天然水スパークリングを使用)または蒸留水で4倍希釈した飲料について、専門パネラーによる官能評価を実施した。具体的には、本実施例では、果汁含有アルコール飲料について訓練を受けた専門パネラー10名によって、各サンプル飲料を蒸留水で希釈した飲料について、「トマトの味わいの濃さ」、「トマトのフレッシュ感」および「トマトの旨み」の観点から、「トマトの果汁感」を評価した。そして、トマトの果汁感が感じられる通常のトマト飲料(GREEN DA・KA・RAすっきりしたトマト:市販品:果汁50%)を基準として設定し、前記通常のトマト飲料の「トマトの果汁感」を下記の5段階評価(1点〜5点)の5点であるとの認識を専門パネラー間で共有した上で、実際の官能評価を行った。
【0054】
<評価点の基準>
5点:トマト果汁含有量の高い通常のトマト飲料と同程度に、トマトの果汁感が強く感じられる
4点:トマトの果汁感が感じられる
3点:トマトの果汁感がやや感じられる
2点:トマトの果汁感がやや感じられない
1点:トマトの果汁感が全く感じられない
そして、10名の専門パネラーの官能評価点の平均値が3点以上のサンプル飲料を、トマトの果汁感を感じることができる飲料として「○」と判定した。また、10名の専門パネラーの官能評価点の平均値が3点未満のサンプル飲料を「×」と判定した。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2に記載の通り、本発明のトマト果汁を含有する容器詰め濃縮アルコール飲料では、トマト果汁含有量が低い飲料であっても、飲料中のグルタミン酸ナトリウムの含有量、甘味料由来の甘味度、およびアルコール含有量を所定の範囲に調整することで、蒸留水で4倍希釈した場合にも、トマトの果汁感を強く感じられることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、飲料中のトマト果汁含有量が低いながらも、トマトの果汁感を強く感じられる飲料を調製する新たな手段を提供するものであるため、産業上の利用性が高い。