特許第6962839号(P6962839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962839情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962839
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20211025BHJP
   G06Q 40/06 20120101ALI20211025BHJP
【FI】
   G06Q30/02 398
   G06Q40/06
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-49196(P2018-49196)
(22)【出願日】2018年3月16日
(65)【公開番号】特開2019-160142(P2019-160142A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大塚 友晴
(72)【発明者】
【氏名】坪井 今日子
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−283005(JP,A)
【文献】 特開2016−071604(JP,A)
【文献】 特開2017−097914(JP,A)
【文献】 特開2013−195252(JP,A)
【文献】 特開2001−250027(JP,A)
【文献】 特表2001−526427(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/181607(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関する情報であるユーザ情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集されたユーザ情報に基づいて、前記ユーザが行う投資を仲介させる一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークを介して前記ユーザに提供する推奨部と、
を備え、
前記推奨部は、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの年齢が高くなるのに応じて、所定の業態の金融機関を優先的に推奨する、
情報処理装置。
【請求項2】
ユーザに関する情報であるユーザ情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集されたユーザ情報に基づいて、前記ユーザが行う投資を仲介させる一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークを介して前記ユーザに提供する推奨部と、
を備え、
前記推奨部は、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの住所または勤務先住所に近い支店を有する金融機関を優先的に推奨する、
情報処理装置。
【請求項3】
前記推奨部は、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザが興味のある金融商品を推定し、前記推定した金融商品を取り扱っている金融機関を前記ユーザに推奨する、
請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推奨部は、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザの志向性を推定し、前記推定した志向性に合致する金融機関を前記ユーザに推奨する、
請求項1から3のうちいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報には、前記ユーザが利用しているサービスであって、ポイントを使用可能なサービスの情報が含まれ、
前記推奨部は、前記ポイントと関連する金融機関を、前記ユーザに推奨する、
請求項1から4のうちいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ情報には、前記ユーザが取引している金融機関の情報が含まれ、
前記推奨部は、前記ユーザ情報に含まれる金融機関と併行して取引することで特典を受けられる金融機関を、前記ユーザに推奨する、
請求項1から5のうちいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推奨部は、複数の要因についてそれぞれ個別スコアを算出し、前記個別スコアを統合した統合スコアに基づいて、前記ユーザに推奨する一以上の金融機関を決定する、
請求項1から6のうちいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推奨部は、前記ユーザに一以上の金融機関を推奨する情報を、推奨する理由と共に、ネットワークを介して前記ユーザに提供する、
請求項1から7のうちいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
ユーザに関する情報であるユーザ情報を収集し、
前記収集されたユーザ情報に基づいて、前記ユーザが行う投資を仲介させる一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークを介して前記ユーザに提供し、
前記推奨する情報を提供する際に、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの年齢が高くなるのに応じて、所定の業態の金融機関を優先的に推奨する、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザに関する情報であるユーザ情報を収集させ、
前記収集されたユーザ情報に基づいて、前記ユーザが行う投資を仲介させる一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークを介して前記ユーザに提供させ、
前記推奨する情報を提供させる際に、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの年齢が高くなるのに応じて、所定の業態の金融機関を優先的に推奨させる、
プログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
ユーザに関する情報であるユーザ情報を収集し、
前記収集されたユーザ情報に基づいて、前記ユーザが行う投資を仲介させる一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークを介して前記ユーザに提供し、
前記推奨する情報を提供する際に、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの住所または勤務先住所に近い支店を有する金融機関を優先的に推奨する、
情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
ユーザに関する情報であるユーザ情報を収集させ、
前記収集されたユーザ情報に基づいて、前記ユーザが行う投資を仲介させる一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークを介して前記ユーザに提供させ、
前記推奨する情報を提供させる際に、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの住所または勤務先住所に近い支店を有する金融機関を優先的に推奨させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して金融情報の提供を行う方法が知られている(特許文献1参照)。この方法は、金融情報の受給を望む者のアクセスを受け付け、アクセスした者に対して金融情報の提供を行い、その際に金融情報に関わる金融機関関連情報を紹介して、当該金融機関への情報受給者のアクセスを促すことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−99730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の手法では、金融機関を一律に推奨していたため、ユーザの意図に沿った金融機関を推奨することができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ユーザの意図に沿った金融機関を推奨することが可能な情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を収集する収集部と、前記収集部により収集されたユーザ情報に基づいて、前記ユーザに一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークを介して前記ユーザに提供する推奨部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ユーザの意図に沿った金融機関を推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置を利用したサービスサーバ100の構成および使用環境の一例を示す図である。
図2】ユーザ情報162の内容の一例を示す図である。
図3】金融機関情報168の内容の一例を示す図である。
図4】推奨部140により生成され、端末装置10に表示される画面IM1の一例を示す図である。
図5】スコア演算部146を中心として推奨部140により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。情報処理装置は、一以上のプロセッサにより実現される。情報処理装置は、種々の手法により収集されるユーザ情報に基づいて、ユーザがこれから取引する金融機関を、ネットワークを介して推奨する装置である。金融機関とは、何らかの価値のある証券ないし権利(株式、債券、投資信託、FX、仮想通貨)を販売する主体であり、例えば、証券会社、銀行、FX会社、仮想通貨交換業者などが該当する。ネットワークを介して金融機関を推奨する手法としては、ウェブページなどのコンテンツの中に画像として埋め込む手法、当該金融機関のサイトへのリンクの付いた広告画像を検索結果などのコンテンツに埋め込む手法、プッシュ通知を行う手法など、種々の手法が採用される。情報処理装置は、単体で機能を実現する装置であってもよいし、各種のサービスを提供するサーバに包含される仮想的な装置であってもよい。以下の説明では、情報処理装置が、経済情報を提供するサービスサーバに包含されるものとして説明する。
【0010】
図1は、情報処理装置を利用したサービスサーバ100の構成および使用環境の一例を示す図である。図示する環境では、一以上の端末装置10と、金融機関サーバ20と、家計簿サービスサーバ30と、サービスサーバ100とがネットワークNWを介して通信可能となっている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、セルラー網などを含む。
【0011】
端末装置10は、ユーザによって使用される。端末装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末などである。端末装置10では、ブラウザやアプリケーションプログラムなどのUA(User Agent)が起動し、ネットワークNWを介して取得した各種コンテンツをユーザに提供する。
【0012】
金融機関サーバ20は、金融機関により運営されるサーバ装置である。金融機関サーバ20は、端末装置10に対して、有価証券等の売買のためのコンテンツを提供する。また、金融機関サーバ20は、サービスサーバ100と連携して、口座情報をサービスサーバ100に提供してよい。
【0013】
家計簿サービスサーバ30は、ユーザに対して家計簿サービスを提供する。家計簿サービスとは、端末装置10に入力された情報に基づいて、あるいは金融機関の端末やPOS(Point Of Sales system)と連携してユーザの収支を計算し、可視化した画像を端末装置10に提供するサービスである。家計簿サービスにおいて、銀行口座が登録され、実際の残高が可視化した画像に含められてよい。
【0014】
サービスサーバ100は、端末装置10に対して、経済、金融に関する総合的な情報提供を行う。サービスサーバ100は、ブラウザからのリクエストに応じてウェブページを端末装置10に提供するウェブサーバ、またはアプリケーションプログラムからのリクエストに応じてコンテンツを端末装置10に提供するアプリサーバである。サービスサーバ100は、例えば、ユーザ管理部110と、経済情報提供部120と、ユーザ情報収集部130と、推奨部140とを備える。推奨部140は、金融商品推定部142と、志向性推定部144と、スコア演算部146とを備える。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。情報処理装置は、少なくともユーザ情報収集部130と、推奨部140とを含む。
【0015】
また、サービスサーバ100は、記憶部160に、ユーザ情報162、ユーザ位置情報164、推定結果情報166、金融機関情報168などの情報を格納している。記憶部160は、例えば、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などによって実現される。記憶部160は、サービスサーバ100に付随するハードウェアによって実現されてもよいし、サービスサーバ100がネットワークNWを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)などの外部装置によって実現されてもよい。
【0016】
ユーザ管理部110は、サービスサーバ100にログインするユーザの情報を、ユーザ情報162の一部として登録する。図2は、ユーザ情報162の内容の一例を示す図である。ユーザ情報162は、例えば、ユーザの識別情報であるユーザIDに対し、年齢、性別、職業、その他の情報が対応付けられた情報である。ユーザ管理部110は、これらのうち、例えば、年齢、性別、職業をユーザ登録時に端末装置10から取得し、ユーザ情報162の一部として登録する。
【0017】
経済情報提供部120は、サービスサーバ100が提供するコンテンツを生成し、端末装置10に送信する。
【0018】
ユーザ情報収集部130は、以下に説明する種々の手法により、ユーザ情報162における住所、勤務先住所、行動履歴、サービス利用状況、取引金融機関などの情報を収集する。
【0019】
(1)ユーザ情報収集部130は、端末装置10から取得される位置情報に基づいて、ユーザの住所および勤務先住所を推定して収集する。位置情報は、サービスサーバ100に対して、或いはサービスサーバ100と連携する他のサービスサーバに対して、端末装置10において動作しているアプリケーションプログラム等によってアップロードされ、ユーザ位置情報164として蓄積されたものである。ユーザ情報収集部130は、例えば、夜間に集中的に分布している位置情報の示す位置を住所と推定し、平日の昼間に集中的に分布している位置情報の示す位置を勤務先住所(出向先住所などを含む)と推定する。ユーザ情報収集部130は、推定した住所と勤務先住所とをユーザ情報181に登録する。
【0020】
(2)ユーザ情報収集部130は、サービスサーバ100の提供するコンテンツ、その他の閲覧履歴を収集する。また、ユーザ情報収集部130は、サービスサーバ100と連携するショッピングサーバやオークションサーバから、ユーザによる商品等の購入履歴を収集する。また、ユーザ情報収集部130は、購入履歴に加えて、商品等の購入画面を閲覧した閲覧履歴を収集してもよい。
【0021】
(3)ユーザ情報収集部130は、例えば、ユーザに対して行ったアンケート結果、サービスサーバ100への登録時に端末装置10に入力された情報などから、ユーザのサービス利用状況を取得する。サービス利用状況とは、例えば、複数のサービスにおいて共通して使用可能なポイント(特典)を利用可能な状況であるか否かを示す情報である。
【0022】
(4)ユーザ情報収集部130は、例えば、連携する家計簿サービスサーバ30から、或いは金融機関サーバ20の提供するウェブサイトから、ユーザの取引金融機関の情報(口座情報)を取得する。
【0023】
推奨部140の金融商品推定部142は、ユーザ情報162に基づいて、ユーザが関心がありそうな金融商品を推定する。例えば、金融商品推定部142は、経済情報提供部120が提供するコンテンツに関する閲覧履歴や検索履歴に基づいて、ユーザが関心がありそうな金融商品を推定する。金融商品推定部142は、例えば、株式の価格を頻繁に検索しているユーザは株式に関心があると推定し、投資信託の広告を頻繁に閲覧しているユーザは投資信託に関心があると推定する。金融商品推定部142による推定結果は、推定結果情報166として登録される。
【0024】
志向性推定部144は、ユーザ情報162に基づいて、ユーザが安全志向、リスク志向、長期志向、短期志向などのうちいずれの志向性を有するかを推定する。志向性推定部144は、例えば、予めアンケート結果として取得されるているユーザの志向性を教師データとして、ユーザ情報162における「行動履歴」を素性とした機械学習を行って結果得られる学習済モデルを用いて、ユーザの志向性を推定する。
【0025】
スコア演算部146は、金融機関ごとに、上記の複数の要因について、金融機関情報168と比較することでそれぞれ個別スコアを算出し、更に、個別スコアを統合した統合スコアを算出し、金融機関ごとの統合スコアに基づいて、ユーザに推奨する一以上の金融機関を決定する。
【0026】
図3は、金融機関情報168の内容の一例を示す図である。金融機関情報168は、例えば、各金融機関について、業務形態、支店一覧、提携サービス、金融機関連携、取扱商品種別、業務規模などが対応付けられた情報である。「業務形態」とは、インターネット専業であるか、窓口業務を行っているかを示す情報である。「提携サービス」とは、取引を行うことでポイントが溜まるサービスを示す情報である。「金融機関連携」とは、双方と取引することで金利の優遇などのメリットが得られる金融機関を示す情報である。
【0027】
スコア演算部146は、例えば、式(1)に示すように、要因ごとの個別スコアScore(i,k)に、係数αkを乗算した値を合計することで、金融機関iの統合スコアScore(i)TOTALを算出する。kは要因を示す引数である。
Score(i)TOTAL=Σk=1{αk×Score(i,k)} …(1)
【0028】
以下、各要因について例示する。
(要因1)
スコア演算部146は、ユーザ情報162における「年齢」の項目に登録されたユーザの年齢が高い場合、金融機関情報168における「業務形態」から認識される、窓口業務を行っている金融機関iの個別スコアScore(i,1)を高く算出する。スコア演算部146は、例えば、式(2)に示すように、ユーザの年齢が基準年齢(例えば50歳)未満である場合は一定値(例えばゼロ)、ユーザの年齢が基準年齢以上である場合において、インターネット専業の金融機関であればゼロ、窓口業務を行っている金融機関であれば年齢に応じて徐々に増加する値、或いは一定値(例えば1)となるように個別スコアScore(i,1)を算出する。「年齢に応じて徐々に増加する値」は、例えば、MAX{(年齢−基準年齢)/50,1}のような計算で求められる。
Score(i,1)=0 (基準年齢未満)
0 (基準年齢以上、インターネット専業)
年齢に応じて増加 (基準年齢以上、窓口業務あり)
…(2)
【0029】
(要因2)
スコア演算部146は、ユーザ情報162における「住所」または「勤務先住所」の項目と、金融機関情報168における「支店一覧」の項目とに基づいて、ユーザの住所または勤務先住所(以下、住所等と称する)に近い支店を有する金融機関iの個別スコアScore(i,2)を高く算出する。「近い」とは、地図上の座標から求められる直線距離が所定距離以下であること、或いは、交通手段を考慮した移動にかかる所要時間が所定時間以下であることを意味する。以下の説明では前者を採用するものとする。スコア演算部146は、例えば、式(3)に示すように、住所等に最も近い支店との直線距離が所定距離を超える場合にゼロ、住所等に最も近い支店との直線距離が所定距離以下である場合は直線距離が短くなるのに応じて大きくなる値を、個別スコアScore(i,2)として算出する。「直線距離が短くなるのに応じて大きくなる値」は、例えば、MAX{基準距離/直線距離,1}のような計算で求められる。基準距離は、所定距離よりも短い距離である。
Score(i,2)=0 (所定距離を超える)
距離が短くなるのに応じて増加 (所定距離以下)
…(3)
【0030】
(要因3)
スコア演算部146は、ユーザ情報162における「サービス利用状況」の項目と、金融機関情報168における「提携サービス」の項目とを比較し、両者が合致する(例えば、ユーザが利用しているポイントが溜まる仕組みになっている)場合に、その金融機関iの個別スコアScore(i,3)を高く算出する。スコア演算部146は、例えば、両者が合致する場合に1、合致しない場合にゼロを、個別スコアScore(i,3)として算出する。
【0031】
(要因4)
スコア演算部146は、ユーザ情報162における「取引金融機関」の項目と、金融機関情報168における「金融機関連携」の項目とを比較し、金融機関iが、ユーザが口座を有している金融機関と連携することで金利優遇などのメリットが得られる場合に、個別スコアScore(i,4)を高く算出する。スコア演算部146は、例えば、上記に該当する場合に1、該当しない場合にゼロを、個別スコアScore(i,4)として算出する。
【0032】
(要因5)
スコア演算部146は、推定結果情報166と、金融機関情報168における「取扱商品」の項目とを比較し、金融機関iが、金融商品推定部142により推定された、ユーザが関心がありそうな金融商品を取り扱っている場合に、その金融機関iの個別スコアScore(i,5)を高く算出する。スコア演算部146は、例えば、ユーザが関心がありそうな金融商品を扱っている場合に1、扱っていない場合にゼロを、個別スコアScore(i,5)として算出する。
【0033】
(要因6)
スコア演算部146は、推定結果情報166と、金融機関情報168における「業務規模」、「取扱商品」の項目とを比較し、例えば、ユーザの志向性が安全志向であれば、金融機関iの業務規模が大きいほど金融機関iの個別スコアScore(i,6)を高く算出する。また、ユーザの志向性がリスク志向であれば、金融機関iが、変動の大きい金融商品を多く取り扱っているほど金融機関iの個別スコアScore(i,6)を高く算出する。また、ユーザの志向性が長期志向であれば、金融機関iが、国債などの長期投資用商品を多く取り扱っているほど金融機関iの個別スコアScore(i,6)を高く算出する。
【0034】
なお、上記例示した要因はあくまで一例であり、一部の要因が省略されてもよいし、別の要因が追加されてもよい。
【0035】
スコア演算部146は、上記例示したように算出した個別スコアScore(i,k)を式(1)に代入し、金融機関iの統合スコアScore(i)TOTALを算出する。そして、統合スコアScore(i)TOTALが高い順に所定数の金融機関を推奨する金融機関として選択する。
【0036】
推奨部140は、スコア演算部146により選択された金融機関を推奨する情報(例えば画面)を生成し、ユーザの端末装置10に送信する。このとき、推奨部140は、個別スコアScore(i,k)が他の要因に比して高かった要因を、推奨する理由として、推奨する情報に含めてユーザの端末装置10に送信してもよい。図4は、推奨部140により生成され、端末装置10に表示される画面IM1の一例を示す図である。図示する例では、ユーザIDがAAAであるユーザは、リスク志向であると推定されたため、株式やFXを取り扱っている点と、Uポイントを利用しているためUポイントが溜まる点が影響して、○×証券の統合スコアScore(i)TOTALが最も高くなった。このため、画面IM1には、上記の点が、推奨する理由として含まれている。また、凸凹銀行は、ユーザの勤務先に近い支店を有して点が影響して、統合スコアScore(i)TOTALが二番目に高くなった。この点も画面IM1に含められている。
【0037】
図5は、スコア演算部146を中心として推奨部140により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0038】
まず、スコア演算部146は、対象ユーザを選び(S100)、対象ユーザの情報をユーザ情報162から読み出す(S102)。
【0039】
次に、スコア演算部146は、全ての金融機関(i=1,2,…)についてS104およびS106の処理を行い、全ての要因(k=1,2,…)についてS104の処理を行う。スコア演算部146は、個別スコアScore(i,k)を算出する(S104)。また、スコア演算部146は、統合Score(i)TOTALを算出する(S106)。
【0040】
次に、スコア演算部146は、統合Score(i)TOTALが高い順に所定数の金融機関を選択し(S108)。選択した金融機関のそれぞれについて、個別スコアScore(i,k)が他の要因よりも高かった要因をピックアップする(S110)。そして、推奨部140は、S100で対象ユーザとして選択してユーザに推奨する情報を生成し、そのユーザの端末装置10に送信する(S112)。
【0041】
以上説明した実施形態の情報処理装置によれば、ユーザ情報162を収集するユーザ情報収集部130と、ユーザ情報収集部130により収集されたユーザ情報162に基づいて、ユーザに一以上の金融機関を推奨する情報を、ネットワークNWを介してユーザに提供する推奨部140と、を備えることにより、ユーザの意図に沿った金融機関を推奨することができる。
【0042】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0043】
100 サービスサーバ
110 ユーザ管理部
120 経済情報提供部
130 ユーザ情報収集部
140 推奨部
142 金融商品推定部
144 志向性推定部
146 スコア演算部
160 記憶部
162 ユーザ情報
164 ユーザ位置情報
166 推定結果情報
168 金融機関情報
図1
図2
図3
図4
図5