(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力部は、前記利用コンテンツのうち前記第1ユーザが指定した利用状況を示す値の条件を満たすコンテンツの前記個別価格を合計した値を、前記合計価格として出力する、請求項3に記載の管理装置。
前記出力部は、前記利用コンテンツのうち前記第1ユーザが指定した前記属性の条件を満たすコンテンツの前記個別価格を合計した値を、前記合計価格として出力する、請求項3に記載の管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、コンテンツの権利者に対する利益を決定するものであるため、ユーザに対して定額利用サービスの利用によって得られる利益を知らせることができない。ユーザは、定額利用サービスについて定額料金以外の金銭的な情報を知る機会がないため、実際には定額料金を超える利益を得ているにも関わらず、定額利用サービスを解約してしまう場合がある。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザがコンテンツの定額利用サービスを利用することによって得られる利益を可視化できる管理装置、管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の管理装置は、加入することによって所定期間中に複数の対象コンテンツを利用可能になるサービスに加入している第1ユーザが、前記複数の対象コンテンツのうち前記所定期間中に利用した利用コンテンツを特定する特定部と、前記サービスに加入していない第2ユーザが前記利用コンテンツを利用するために必要となる個別価格を取得する取得部と、前記個別価格を合計した合計価格と、前記利用コンテンツの属性とを関連付けて出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記第1ユーザは、前記所定期間に対応する定額料金を、前記サービスを提供する事業者に支払うことによって前記サービスに加入しており、前記出力部は、前記合計価格と前記定額料金との差額を出力してもよい。
【0008】
前記出力部は、前記利用コンテンツの識別情報、分類、題名、作者名及び提供者名のうち少なくとも1つを、前記属性として出力してもよい。
【0009】
前記出力部は、前記利用コンテンツのうち前記第1ユーザによって選択されたコンテンツの前記個別価格を合計した値を、前記合計価格として出力してもよい。
【0010】
前記出力部は、前記利用コンテンツのうち前記第1ユーザが指定した利用状況を示す値の条件を満たすコンテンツの前記個別価格を合計した値を、前記合計価格として出力してもよい。
【0011】
前記出力部は、前記利用コンテンツのうち前記第1ユーザが指定した前記属性の条件を満たすコンテンツの前記個別価格を合計した値を、前記合計価格として出力してもよい。
【0012】
前記出力部は、前記利用コンテンツに基づいて推定された将来の前記合計価格を出力してもよい。
【0013】
前記出力部は、前記第1ユーザが前記サービスから退会する際に、前記合計価格と前記利用コンテンツの属性とを関連付けて出力してもよい。
【0014】
前記取得部は、前記サービスを提供する事業者が前記第2ユーザに前記利用コンテンツを利用させる場合の価格を、前記個別価格として取得してもよい。
【0015】
前記取得部は、前記サービスを提供する事業者とは異なる事業者が前記第2ユーザに前記利用コンテンツを利用させる場合の価格を、前記個別価格として取得してもよい。
【0016】
前記出力部は、前記第1ユーザの利用する端末に対して、前記合計価格と、前記属性とを関連付けて出力してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の管理方法は、プロセッサが、加入することによって所定期間中に複数の対象コンテンツを利用可能になるサービスに加入している第1ユーザが、前記複数の対象コンテンツのうち前記所定期間中に利用した利用コンテンツを特定するステップと、前記サービスに加入していない第2ユーザが前記利用コンテンツを利用するために必要となる個別価格を取得するステップと、前記個別価格を合計した合計価格と、前記利用コンテンツの属性とを関連付けて出力するステップと、を実行する。
【0018】
本発明の第3の態様の管理プログラムは、コンピュータに、加入することによって所定期間中に複数の対象コンテンツを利用可能になるサービスに加入している第1ユーザが、前記複数の対象コンテンツのうち前記所定期間中に利用した利用コンテンツを特定するステップと、前記サービスに加入していない第2ユーザが前記利用コンテンツを利用するために必要となる個別価格を取得するステップと、前記個別価格を合計した合計価格と、前記利用コンテンツの属性とを関連付けて出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザがコンテンツの定額利用サービスを利用することによって得られる利益を可視化できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る管理システムSの模式図である。管理システムSは、管理装置1と、通信端末2とを含む。管理システムSが含む通信端末2の数は限定されない。管理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
通信端末2は、有線又は無線の通信を行うことが可能な通信装置である。通信端末2は、事業者が提供する電子的なコンテンツ(以下、コンテンツという)を利用するユーザが使用する端末である。コンテンツは、例えば電子書籍、動画、音楽等である。通信端末2は、ネットワークNを介してコンテンツのデータをダウンロードして表示又は再生することによって、ユーザにコンテンツを利用させる。コンテンツの利用は、電子書籍のコンテンツについては表示することであり、動画及び音楽のコンテンツについては再生することである。
【0023】
通信端末2は、ユーザに対して各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部と、ユーザに対して各種音声を出力するスピーカ等の音声出力部と、ユーザの操作を受け付けるタッチパネルやキーボード等の操作部と、外部との通信を行う通信部とを有する。通信端末2は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末や、パーソナルコンピュータである。通信端末2は、ネットワークNを介して管理装置1と通信する。
【0024】
管理装置1は、コンテンツの利用状況を管理するコンピュータである。管理装置1は、コンテンツのデータをユーザに提供するコンテンツ提供サーバと一体的に構成されてもよく、あるいはコンテンツ提供サーバとは別のサーバであってもよい。管理装置1は、後述のようにユーザが利用したコンテンツの個別価格に基づいて算出した合計価格を含む情報を、通信端末2に出力する。管理装置1は、有線又は無線でネットワークNに接続される。
【0025】
[管理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る管理装置1のブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示していないデータの流れがあってよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に別れて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0026】
管理装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11は、属性特定部111と、個別価格取得部112と、合計価格算出部113と、出力部114とを有する。
【0027】
通信部12は、ネットワークNを介して通信端末2との間で通信するための通信インターフェースである。通信部12は、通信を実行するためのプロセッサ、コネクタ、電気回路等を含む。通信部12は、外部から受信した通信信号に所定の処理を行ってデータを取得し、取得したデータを制御部11に入力する。また、通信部12は、制御部11から入力されたデータに所定の処理を行って通信信号を生成し、生成した通信信号を外部に送信する。
【0028】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部13は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部13は、ユーザが定額サービスの期間内に利用したコンテンツの属性を予め記憶している。また、記憶部13は、定額サービスに加入していないユーザがコンテンツを利用する場合に掛かる個別価格を予め記憶している。記憶部13は、管理装置1の外部に設けられてもよく、その場合に通信部12を介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0029】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、属性特定部111、個別価格取得部112、合計価格算出部113及び出力部114として機能する。属性特定部111、個別価格取得部112、合計価格算出部113及び出力部114の機能については、
図3〜
図6を用いて後述する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0030】
本実施形態に係る管理装置1は、
図2に示す具体的な構成に限定されない。管理装置1は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0031】
[管理方法の説明]
図3は、本実施形態に係る管理システムSが実行する管理方法の模式図である。事業者は、所定期間(例えば1ヶ月)に対応する定額料金の支払いをユーザから受けることによって、所定期間中に複数の対象コンテンツを利用可能になる定額サービスをユーザに提供する。定額料金の支払いは、所定期間の前でもよく、所定期間の後でもよい。ユーザ(第1ユーザ)は、事業者に定額料金を支払って定額サービスに加入し、定額サービスとして利用可能な複数の対象コンテンツの中から、所望のコンテンツを利用する(a)。
【0032】
管理装置1の記憶部13は、ユーザが定額サービスとして利用した利用コンテンツの属性と、ユーザが利用コンテンツを利用した利用時刻とを記憶する。利用コンテンツの属性は、利用コンテンツの識別情報(ISBN(International Standard Book Number)、ID等)、タイトル(題名)、作者名、提供者名(出版社名等)及びジャンル(分類)を含む。
【0033】
属性特定部111は、所定期間中にユーザが利用した1つ又は複数の利用コンテンツ(すなわち、所定期間中の利用時刻を有する利用コンテンツ)の属性を、記憶部13から読み出すことによって特定する。属性特定部111は、ユーザが新たな利用コンテンツを利用する度に属性を特定してもよく、所定の時間間隔(例えば1日ごと)で属性を特定してもよい。
【0034】
個別価格取得部112は、属性特定部111が特定した属性が示す利用コンテンツの個別価格を取得する(b)。個別価格は、定額サービスに加入していないユーザ(第2ユーザ)が利用コンテンツと同じコンテンツを利用するために必要な料金である。なお、第1ユーザ及び第2ユーザは定額サービスに加入している人物か否かを定義する言葉であるため、第1ユーザ及び第2ユーザは同一人物でもよく、異なる人物でもよい。個別価格取得部112は、予めコンテンツごとに記憶部13に記憶された個別価格を読み出すことによって取得してもよく、あるいは通信部12を用いて外部から個別価格を受信することによって取得してもよい。
【0035】
個別価格取得部112は、定額サービスを提供する事業者がその定額サービスに加入していないユーザに利用コンテンツを利用させる場合の価格を、個別価格として取得してもよい。これにより定額サービスを提供する事業者は、自社の中でユーザが定額サービスに加入していない場合に対する定額サービスに加入している場合の利益を、ユーザに知らせることができる。
【0036】
また個別価格取得部112は、定額サービスを提供する事業者とは異なる事業者がユーザに利用コンテンツを利用させる場合の価格を、個別価格として取得してもよい。具体的には、管理装置1は、通信部12を介して、利用コンテンツを識別する属性(識別情報、タイトル等)を用いて該異なる事業者が提供する外部サービスのコンテンツを検索し、該外部サービスにおける利用コンテンツと同一のコンテンツを特定する。そして特定したコンテンツの該外部サービスにおける価格を、利用コンテンツの個別価格として記憶部13に記憶させる。管理装置1は、定期的に外部サービスにおける個別価格を特定してもよく、個別価格取得部112が個別価格を取得する際に外部サービスにおける個別価格を特定してもよい。これにより定額サービスを提供する事業者は、他社のサービスに対する自社の定額サービスの利益を、ユーザに知らせることができる。
【0037】
個別価格取得部112は、ユーザが利用コンテンツをダウンロードした時点(例えばユーザが画面上でダウンロードボタンを押下したタイミング又はダウンロードが完了したタイミング)の価格と、ユーザが利用コンテンツを利用した時点(例えばユーザが利用コンテンツを表示開始又は再生開始したタイミング)の価格と、個別価格取得時の最新の価格とのうちいずれかを、個別価格として取得する。いずれの時点の個別価格を用いるかは、管理装置1に予め設定されてもよく、ユーザによって設定されてもよい。これにより個別価格取得部112は、コンテンツの個別価格が時間によって変化する場合であっても、特定の時点の個別価格を取得できる。
【0038】
合計価格算出部113は、個別価格取得部112が取得した個別価格を合計することによって、属性特定部111が特定した属性が示す利用コンテンツについて合計価格を算出する(c)。
【0039】
そして出力部114は、属性特定部111が特定した利用コンテンツの属性と、合計価格算出部113が算出した合計価格とを関連付けて、ユーザに対して出力する(d)。
図4、
図5及び
図6は、本実施形態に係る管理装置1が出力した情報を表示している通信端末2の前面図である。
【0040】
図4において、通信端末2は、出力部114から受信した情報に基づいて、利用状況画面Aを表示部上に表示している。利用状況画面Aは、利用数A1と、合計額A2と、支払額A3と、差額A4(お得に読んだ額)とを含む。
図4の例では、出力部114は表示対象の所定期間を3ヶ月間としているが、これに限られない。
【0041】
利用数A1は、属性特定部111が特定した属性が示す利用コンテンツの数、すなわち所定期間中にユーザが利用した利用コンテンツの数である。合計額A2は、合計価格算出部113が算出した合計価格である。合計額A2は、合計価格算出部113が算出した合計価格そのものでもよく、あるいは合計価格算出部113が算出した合計価格を所定の規則(例えば四捨五入)で丸めた値でもよい。
図4の例では、表示対象である所定期間中の利用数A1は40冊であり、合計額A2は25000円である。
【0042】
出力部114は、所定期間中の合計価格の推移を、合計額A2として出力してもよい。この場合に、出力部114は、所定期間の開始時から終了時まで所定の時間(例えば1日間又は1週間)ごとに累計の合計価格を算出し、通信端末2に出力する。通信端末2は、累計の合計価格の時系列の変化(推移)を示すリスト又はグラフを、合計額A2として表示する。
【0043】
支払額A3は、所定期間の定額サービスを利用するために、ユーザが事業者に支払う定額料金である。差額A4は、合計価格から定額サービスの定額料金を減算した金額である。すなわち差額A4は、定額サービスに加入することによってユーザが得られた利益を直接的に示す値である。
図4の例では、定額料金が月額500円であるため、3ヶ月の支払額A3は1500円であり、差額A4は23500円である。
【0044】
また、利用状況画面Aは、属性特定部111が特定した属性ごとに利用コンテンツの数を集計した内訳A5を含む。
図4の例では、内訳A5は、属性のうちジャンルごとに集計した利用コンテンツの数である。これに限らず、内訳A5は、属性のうちタイトルごと又は作者名ごとに集計した利用コンテンツの数であってもよい。出力部114は、このような内訳A5を出力することによって、合計価格を構成する利用コンテンツがどのような属性を有するかを、ユーザに知らせることができる。
【0045】
さらに利用状況画面Aは、利用状況画面BへのリンクA6を含む。ユーザがリンクA6を押下すると、通信端末2は
図5の利用状況画面Bに遷移する。
図5において、通信端末2は利用状況画面Bを表示部上に表示している。利用状況画面Bは、属性特定部111が特定した属性が示す各利用コンテンツについて、ジャンルB1と、タイトルB2と、利用期間B3と、個別価格B4と、利用率B5と、関連コンテンツB6とを含む。これに加えて、利用状況画面Bは、識別情報、作者名、提供者名等、利用コンテンツに関するその他情報を含んでもよい。利用状況画面Bは、全ての利用コンテンツを一度に表示できない場合には、画面をスクロール可能にすることによって全ての利用コンテンツを表示してもよい。
【0046】
ジャンルB1は、属性特定部111が特定した属性のジャンル(分野)である。タイトルB2は、属性特定部111が特定した属性のタイトル(題名)である。
【0047】
利用期間B3は、ユーザが利用コンテンツを利用した期間である。出力部114は、利用期間B3として、ユーザが利用コンテンツの利用を開始した日付から完了した日付までの期間を特定し、通信端末2に出力する。ユーザが利用コンテンツの利用を完了していない場合には、出力部114は、利用期間B3として、ユーザが利用コンテンツの利用を開始した日付から表示対象である所定期間の最終日付までの期間を出力してもよい。個別価格B4は、個別価格取得部112が取得した個別価格である。
【0048】
利用率B5は、ユーザが利用コンテンツを利用した量の割合である。出力部114は、利用率B5として、利用コンテンツが電子書籍である場合に、総ページ数に対する読み終えたページ数の割合を算出し、通信端末2に出力する。また、出力部114は、利用率B5として、利用コンテンツが動画又は音楽である場合に、総時間に対する視聴した時間の割合を算出し、通信端末2に出力する。また、出力部114は、利用率B5として、利用コンテンツの総データ量に対する利用完了したデータ量の割合を出力してもよい。また、出力部114は、利用率B5として、利用したページ数、時間又はデータ量そのものを出力してもよい。ユーザが利用コンテンツを最後まで利用した場合、又はユーザが利用コンテンツの利用完了を明示した場合に、利用率B5は100%となる。
【0049】
関連コンテンツB6は、利用コンテンツに関連する、定額サービスの対象コンテンツのタイトルである。管理装置1の記憶部13は、定額サービスの対象コンテンツの属性を予め記憶している。出力部114は、記憶部13から、利用コンテンツの属性に対応する属性を有する対象コンテンツを関連コンテンツB6として決定し、ユーザに対して出力する。より具体的には、出力部114は、記憶部13に記憶されている対象コンテンツのうち、利用コンテンツの属性の少なくとも一部が一致する属性を有する対象コンテンツを、関連コンテンツB6として決定する。例えば出力部114は、関連コンテンツB6として、利用コンテンツと同じシリーズの続巻である対象コンテンツ、利用コンテンツと同じ作者の対象コンテンツ、又は利用コンテンツと同じジャンルの対象コンテンツを決定する。関連コンテンツB6は、利用コンテンツに関連する対象コンテンツの個別価格を含んでもよい。関連コンテンツB6は、利用コンテンツに関連する対象コンテンツへのリンクであってもよい。
【0050】
また、利用状況画面Bは、削除ボタンB7と、合計条件欄B8と、利用状況画面AへのリンクB9とを含む。削除ボタンB7は、利用コンテンツを合計対象から除外するための入力をユーザから受け付ける仮想的なボタンである。ユーザがいずれかの利用コンテンツについて削除ボタンB7を押下すると、該利用コンテンツは合計対象から除外される。
【0051】
合計条件欄B8は、合計対象とする条件の設定をユーザから受け付ける欄である。
図5の例では、合計条件欄B8は、合計対象とする利用率の基準値の入力を受け付ける。合計条件欄B8は、利用率に限らず、利用コンテンツごとの利用状況を示すその他の値(利用したページ数、時間、データ量等)の指定を受け付けてもよい。また、合計条件欄B8は、合計対象とする利用コンテンツの属性(ジャンル、作者名、提供者名等)の指定を受け付けてもよい。ユーザが合計条件欄B8に、利用状況やコンテンツの属性に関する条件を設定すると、該条件を満たす利用コンテンツが合計対象となる。
【0052】
このように管理装置1は、ユーザが合計対象とする利用コンテンツの条件の設定を受け付けるため、例えば利用率の小さい利用コンテンツを合計価格の算出から除外する等、所望の条件で算出した合計価格をユーザに対して出力できる。
【0053】
ユーザがリンクB9を押下すると、通信端末2は
図4の利用状況画面Aに遷移する。このとき、通信端末2は、削除ボタンB7の押下状態及び合計条件欄B8の設定を示す情報を、管理装置1へ送信する。合計価格算出部113は、削除ボタンB7の押下状態及び合計条件欄B8の設定に従って、ユーザが合計対象として選択した利用コンテンツを抽出する。そして合計価格算出部113は、抽出した合計対象の利用コンテンツの個別価格を合計することによって合計価格を再算出する。出力部114は、合計対象の利用コンテンツの属性と、合計価格算出部113が再算出した合計価格とを関連付けて通信端末2に出力し、
図4の利用状況画面Aを表示させる。
【0054】
本実施形態において、通信端末2は、
図4の利用状況画面Aと
図5の利用状況画面Bとを切り替えて表示しているが、両方の画面に含まれる情報を統合して1つの画面として表示してもよい。
【0055】
図4及び
図5に示すように、出力部114は、定額サービスに未加入のユーザが同じコンテンツを利用する場合の個別価格を合計した合計価格を、利用コンテンツの属性と関連付けてユーザに対して出力する。これにより管理装置1は、ユーザがコンテンツの定額利用サービスを利用することによって得られた利益を可視化できる。また、出力部114は、ユーザの利用する通信端末2だけでなく、事業者(例えば事業者のオレペータや管理者)の利用する通信端末2に対して同様の情報を出力してもよい。これにより事業者は、定額サービスに加入しているユーザの利用状況を容易に調査できる。
【0056】
出力部114は、合計価格算出部113が算出した合計価格が所定の条件を満たすユーザに対して通知してもよい。
図6(a)において、通信端末2は、合計価格が所定の閾値(ここでは5000円)を超えるユーザに対して出力部114が送信した通知を表す通知画面Cを表示部上に表示している。通知画面Cは、合計価格が所定の閾値を超えた旨のメッセージC1と、推定された将来の合計価格を示す推定価格C2とを含む。管理装置1は、合計価格が所定の閾値を超えたユーザに対してその旨のメッセージC1を通知するため、定額サービスによる利益をユーザに積極的に知らせることができる。
【0057】
出力部114は、将来の所定期間(例えば次月)における合計価格を推定し、通信端末2に出力する。例えば出力部114は、表示対象の所定期間中の利用コンテンツのうち、定期刊行物である利用コンテンツを、将来の所定期間に利用されるものとして抽出する。そして出力部114は、抽出した定期刊行物の配信スケジュールに基づいて、将来の所定期間中に利用可能になるコンテンツの個別価格を合計した値を、将来の合計価格として推定し、通信端末2に出力する。通信端末2は、推定された合計価格を、推定価格C2として表示する。これにより管理装置1は、ユーザが定額サービスへの加入を継続する動機付けを高めることができる。
【0058】
図6(b)において、通信端末2は、合計価格算出部113が算出した合計価格が所定の閾値(ここでは定額料金)未満のユーザに対して出力部114が送信した通知を表す通知画面Dを表示部上に表示している。通知画面Cは、合計価格が所定の閾値未満である旨のメッセージD1と、推薦コンテンツを示す情報D2とを含む。
【0059】
出力部114は、定額サービスの定額料金以上の個別価格を有するコンテンツを抽出し、通信端末2に出力する。通信端末2は、抽出されたコンテンツへのリンクを、推薦コンテンツを示す情報D2として表示する。通信端末2は、抽出されたコンテンツのタイトルを羅列したリストを、推薦コンテンツを示す情報D2として表示してもよい。これにより管理装置1は、ユーザに定額サービスの定額料金の元を取れるコンテンツを推薦し、ユーザの定額サービスからの退会を抑制することができる。
【0060】
出力部114は、利用コンテンツの属性に基づいてユーザに対するインセンティブを決定し、ユーザに通知してもよい。
図6(c)において、通信端末2は、出力部114が送信したインセンティブを示す情報を表す通知画面Eを表示部上に表示している。通知画面Eは、インセンティブを示す情報E1を含む。
【0061】
出力部114は、例えば属性特定部111が特定した属性のジャンルの数が所定の閾値以上(又は所定の閾値以下)である場合に、ユーザに対するインセンティブを決定し、通信端末2へ送信する。インセンティブは、例えば定額サービスの定額料金の割引である。出力部114は、ジャンルの数に限らず、利用コンテンツの属性が示すその他情報に基づいてインセンティブを決定してもよい。
【0062】
通信端末2は、決定されたインセンティブを示す情報E1を表示する。これにより管理装置1は、利用コンテンツの属性に基づいてユーザにインセンティブの提供を通知し、ユーザの定額サービスからの退会を抑制することができる。
【0063】
出力部114は、ユーザが定額サービスから退会をしようとする際に、ユーザに対して合計価格を通知してもよい。
図6(d)において、通信端末2は、退会画面Fを表示部上に表示している。通信端末2は、ユーザが定額サービスからの退会を事業者に申し込む過程で、退会画面Fを表示する。
【0064】
退会画面Fは、合計価格を含むメッセージF1と、利用状況画面AへのリンクF2とを含む。通信端末2は、メッセージF1として、
図6(d)のように合計価格算出部113が算出した合計価格を丸めた値を表示してもよく、合計価格算出部113が算出した合計価格そのものを表示してもよい。ユーザがリンクF2を押下すると、通信端末2は
図4の利用状況画面Aに遷移する。これにより管理装置1は、ユーザが定額サービスから退会しようとする際に定額サービスによって得られた利益をユーザに知らせ、ユーザの定額サービスからの退会を抑制することができる。
【0065】
[管理方法のフローチャート]
図7は、本実施形態に係る管理装置1が実行する管理方法のフローチャートを示す図である。
図7のフローチャートは、ユーザが新たな利用コンテンツを利用する度に開始されてもよく、所定の時間間隔(例えば1日ごと)で開始されてもよい。管理装置1の記憶部13は、ユーザが定額サービスとして利用した利用コンテンツ属性を予め記憶している。
【0066】
属性特定部111は、所定期間中にユーザが利用した1つ又は複数の利用コンテンツの属性を、記憶部13から読み出すことによって特定する(S11)。個別価格取得部112は、ステップS11で属性特定部111が特定した属性が示す利用コンテンツの個別価格を取得する(S12)。個別価格取得部112は、記憶部13から個別価格を読み出すことによって取得してもよく、あるいは通信部12を用いて外部から個別価格を受信することによって取得してもよい。
【0067】
合計価格算出部113は、ステップS12で個別価格取得部112が取得した個別価格を合計することによって、ステップS11で属性特定部111が特定した属性が示す利用コンテンツについて合計価格を算出する(S13)。
【0068】
所定の出力条件を満たさない場合に(S14のNO)、管理装置1は合計価格及び属性を出力せずに処理を終了する。出力条件は、例えばユーザが通信端末2上で所定の操作を行ったこと、合計価格が所定の閾値より大きい又は小さいこと、あるいは所定の時刻になったこと等である。
【0069】
所定の出力条件を満たす場合に(S14のYES)、出力部114は、属性特定部111が特定した利用コンテンツの属性と、合計価格算出部113が算出した合計価格とを関連付けて、ユーザに対して出力する(S15)。出力部114は、例えば上述の
図4、
図5及び
図6のいずれかの画面を表示する。
【0070】
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る管理装置1は、定額サービスに未加入のユーザが同じコンテンツを利用する場合の個別価格を合計した合計価格を、コンテンツの属性と関連付けてユーザに対して出力する。これにより管理装置1は、ユーザがコンテンツの定額利用サービスを利用することによって得られた利益を可視化できる。さらに管理装置1は、合計価格とコンテンツの属性とを関連付けて出力するため、合計価格を構成するコンテンツの属性(識別情報、タイトル、作者名、提供者名、ジャンル等)をユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、金銭的な合計価格だけでなく、様々な属性のコンテンツを利用できたことを知ることができるため、定額サービスの利用を継続する動機付けを高めることができる。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0072】
管理装置1のプロセッサは、
図7に示す管理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、管理装置1のプロセッサは、
図7に示す管理方法を実行するためのプログラムを記憶部13から読み出し、該プログラムを実行して管理装置1の各部を制御することによって、
図7に示す管理方法を実行する。
図7に示す管理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。