(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、例えば、旅行等に出かけた場合は数日間帰宅しないことがある。このような数日間におけるメータ使用量で判断すると、転居をしていないのにかかわらず、転居をしたと誤検知するおそれがある。よって、メータにより転居を推測する場合、例えば、1カ月〜2カ月単位のメータ使用量で検知することが考えられる。
【0007】
しかしながら、ユーザが退居してすぐに、例えば退去後1〜2週間経過する前に次のユーザが入居する場合がある。このような場合、メータ使用量からはユーザの転居が検知できず、転居によるユーザの変更が見逃されるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、転居を自動的にかつ精度よく推定することができる世帯変更推定システム及び世帯変更管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決すべく、第1の発明の世帯変更推定システムは、
住宅に居住する世帯の変更を推定する世帯変更推定システムであって、
前記世帯を特定できる世帯関連情報を収集する情報収集手段と、
前記情報収集手段により収集された世帯関連情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記世帯関連情報に基づいて、世帯を特定する世帯特定手段と、
前記世帯特定手段により特定された世帯の前記世帯関連情報の履歴に基づいて、前記住宅の世帯に変更があったことを推定する世帯変更推定手段と、
を備え、
前記世帯変更推定手段による推定履歴で、前記住宅に居住する世帯が第1世帯であると推定されている状況において、
前記世帯変更推定手段は、前記情報収集手段により収集される前記世帯関連情報が所定の条件を満たした場合、前記住宅に居住する世帯が前記第1世帯とは異なる第2世帯に変更されたと推定することを特徴とする。
【0010】
第1の発明の世帯変更推定システムによれば、世帯関連情報を収集することにより世帯が特定され、この特定された世帯の世帯関連情報の履歴に基づき、住宅に居住する世帯が推定される。そして、住宅には第1世帯が居住していると推定されている状況において、収集される世帯関連情報が所定の条件を満たした場合は、その住宅に居住する世帯が第1世帯から第2世帯へと変わったと推定される。これにより、住宅に居住する世帯の転居(変更)が自動で検知できる。
【0011】
また、第1の発明は、住宅に居住する世帯の不在を検出するのではなく、世帯の変更を検出する。これにより、長期不在による誤検知が抑制できる。
【0012】
第2の発明の世帯変更推定システムは、第1の発明において、
前記情報収集手段は、前記世帯関連情報として、生体情報又は身体情報のうち少なくとも一方のパーソナル情報を収集し、
前記世帯特定手段は、前記記憶手段に記憶された前記パーソナル情報に基づいて人を特定する人特定手段を備え、
前記世帯変更推定手段は、前記人特定手段により特定された人の前記パーソナル情報の履歴に基づいて、前記世帯を構成する居住者を推定することを特徴とする。
【0013】
生体情報や身体情報により、人の分類(例えば、年齢層)が可能である。世帯は、年齢及び性別が異なる人で構成されていることが多い。そのため、世帯単位で生体情報及び身体情報の少なくともひとつを収集することにより、ある程度、世帯に含まれる人の特定が可能である。よって、第2の発明によれば、生体情報及び身体情報の少なくともいずれかを収集することにより、世帯を構成する人が特定できる。これにより、居住者が特定でき、世帯の構成を推定することができる。
【0014】
第3の発明の世帯変更推定システムは、第2の発明において、
前記所定の条件として、
前記人特定手段により前記第1世帯に含まれていない第三者と特定されるパーソナル情報が前記情報収集手段により収集され、
前記第三者と特定されるパーソナル情報が所定の第1期間において継続して前記情報収集手段により収集され、かつ
その第1期間において継続して、前記世帯変更推定手段によって推定された前記第1世帯を構成する居住者全員のパーソナル情報が前記情報収集手段により収集されない場合、が設定されていることを特徴とする。
【0015】
第3の発明の世帯変更推定システムによれば、居住者と推定された人から構成される第1世帯に含まれない第三者が、所定の第1期間において継続して検出され、かつその第1期間において継続して第1世帯に含まれる人全員が検出されない場合、当該第三者が住宅の新たな居住者(第2世帯)として推定される。すなわち、第三者が継続して検出されている第1期間において、第1世帯は検出されていないという状況は、第1世帯が転居し、新たに第三者(第2世帯)が入居したとことが推定され、住宅に居住する世帯が変わったと判断できる。よって、第3の発明によれば、このような場合、住宅に居住する世帯が、第1世帯から第2世帯(第三者)へ変わったと判定される。
【0016】
第3の発明によれば、第1世帯の検出と、第三者の検出とにより住宅に居住する世帯の判断がされているため、例えば、第1世帯が旅行に出かけた場合であっても、(この場合は第三者が検出されないため)第1世帯が検出されていないことに起因して第1世帯が転居したという誤検知はされない。
【0017】
第1世帯の転居後すぐに第三者(第2世帯)が入居した場合、メータ使用量から住宅に居住する世帯が変わったことは判断できず、世帯変更の検出ミスが起こりうる。この場合においても、第3の発明によれば、第三者が所定の第1期間において継続して検出され、その第1期間において継続して第1世帯が検出されないため、第1世帯が転居し、第三者(第2世帯)が入居してきた(住宅に居住する世帯が第2世帯に変更された)ことが判断できる。よって、第3の発明によれば、転居が自動で検知でき、さらに転居の誤検知も減らすことができる。
【0018】
第4の発明の世帯変更推定システムは、第1〜3のいずれかの発明において、
前記情報収集手段は、前記世帯関連情報として、住宅内の機器又はエネルギのうち少なくとも一方の使用情報を収集し、
前記世帯特定手段は、前記記憶手段に記憶された前記住宅内の機器又はエネルギの使用情報に基づいて、生活スタイルを特定する生活スタイル特定手段を備え、
前記世帯変更推定手段は、前記生活スタイル特定手段により特定された前記生活スタイルの履歴に基づいて、前記住宅に居住する世帯を推定するものであり、
前記所定の条件として、
前記情報収集手段により収集された前記住宅内の機器又はエネルギの使用情報に基づく生活スタイルが、前記生活スタイルの履歴と比較されて、前記第1世帯の生活スタイルとは異なると前記生活スタイル特定手段により特定される場合、が設定されることを特徴とする。
【0019】
住宅内の機器又はエネルギの使用情報には、世帯の生活スタイルが反映されている。そのため、住宅内の機器又はエネルギの使用情報に基づいて特定される生活スタイルが、その生活スタイルの履歴に基づいて変わったと判断された場合、世帯においてなんらかの変化が生じたことが考えられる。
【0020】
よって、第4の発明によれば、生活スタイルの変化が検知された場合、第三者(第2世帯)が住宅に居住する世帯と判定される。これにより、転居が自動で検知できる。
【0021】
また、第1世帯に含まれる居住者と、第2世帯に含まれる居住者とのパーソナル情報が類似していた場合に、人特定手段による人の特定に誤検知が生じる場合がありうる。そのような場合であっても、生活スタイルの変化が検知されることで、住宅に居住する世帯が変更されたことが検知できる。
【0022】
第5の発明の世帯変更管理システムは、
第1〜第4のいずれかの世帯変更推定システムが複数の住宅に設けられており、
前記世帯変更推定システムと通信可能なサーバと、
前記サーバを管理する管理センタと、が備えられており、
前記世帯変更推定手段により前記住宅に居住する世帯として前記第2世帯が推定された場合、前記世帯変更推定システムは、前記住宅に居住する世帯の変更情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記世帯の変更情報を受信すると、前記管理センタに前記世帯の変更情報を受信したことを報知することを特徴とする。
【0023】
第5の発明によれば、第2世帯が住宅に居住する新たな世帯(居住者)として推定された場合は、その世帯の変更についてサーバに送信することにより、世帯が変更されたことがサーバを管理する管理センタに報知される。よって、転居が自動的に検出され、管理センタに報知される。そして、管理センタは、例えば住宅まで出向いて居住者(世帯)の確認を行う等の対策を取ることができる。
【0024】
これにより、例えば、住宅に居住する機器の現使用者と、機器の遠隔制御可能な情報端末の所有者(換言すれば、以前に住宅に居住していた機器の前使用者)とが異なるといった状況、すなわち、その前使用者の情報端末からの遠隔制御が可能なまま放置されるといったような状況が回避されうる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、世帯変更推定システムの構成を示す概略図であり、世帯変更推定システムは住宅等の建物10に設けられている。
【0027】
なお、本実施形態では、建物10に、居住者として両親(父親及び母親)とその子供(一人)とが居住していることを想定している。以下の説明では、各居住者を区別して説明する必要がある場合は、父親を居住者Aとし、母親を居住者Bとし、子供を居住者Cとする。そして、居住者A〜Cにより建物10に居住する世帯Aが構成されている。
【0028】
図1に示すように、建物10には洗面室11が設けられている。洗面室11には、洗面台21と、バイタルセンサ22と、測距センサ23とが設けられている。
【0029】
バイタルセンサ22には、洗面台21で作業する人の体表の動き(運動量)が検出できるように、洗面台21が設けられた側壁の上方に設けられている。バイタルセンサ22は、10GHz以上のマイクロ波が体表で反射することを利用して、マイクロ波で体表の動き(運動量)をセンシングすることにより、例えば心拍数及び呼吸数が非接触で算出できる。具体的には、マイクロ波により体表の動き(運動量)をセンシングし、内部で脈と呼吸との成分に選別し、それぞれ選別した脈と呼吸との運動量から周波数成分を取り出して、脈(心拍)と呼吸との1分間当たりの概算値を出力する。
【0030】
測距センサ23は、洗面台21で作業する人の身長が検出できるように、洗面台21付近の天井に設けられている。測距センサ23は、赤外線や超音波による測距センサ23が用いられる。測距センサ23は、測距センサ23から対象までの距離を算出する。そのため、測距センサ23から距離情報を、床から測距センサ23までの距離から引くと、検出された人の身長情報が得られる。
【0031】
次に、本システムの電気的構成について説明する。
【0032】
建物10には、世帯変更推定システムを構成するコントローラ30が備えられている。コントローラ30は、例えば、洗面室11の壁に取り付けられている。
【0033】
コントローラ30には、バイタルセンサ22と測距センサ23とが接続され、それぞれの検出結果が逐次入力される。
【0034】
コントローラ30は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを備えて構成されている。コントローラ30は、少なくとも、居住者の推定処理の制御を行う制御部31と、居住者に関する情報、各種センサ類からの検出結果、居住者の推定処理の結果等を記憶する記憶部32と、時間を計測する場合に用いられるタイマ33と、を有している。
【0035】
記憶部32には、ユーザ情報記憶エリア32aと、検出履歴記憶エリア32bと、判定記憶エリア32cと、が備えられている。ここで、各記憶エリア32a,32bについて
図2を参照しながら説明する。
【0036】
図2(a)に示すように、ユーザ情報記憶エリア32aには、居住者A〜Cの情報が登録されている他、居住者A〜C以外に建物10内に立ち入り、各センサ22,23により検出された人が、「滞在者S1〜Sm」として登録されている。
【0037】
ここで、居住者A〜Cの最初の特定(推定)は、世帯変更推定システムの使用開始時から数日分の検出データの平均値に基づき行われる。世帯変更推定システムの使用開始からすぐに転居することはないと考えられるためである。そして、当該特定(推定)後の検出データは随時、各項目において平均値が算出されて更新される。その平均値に基づき、例えば、身長であれば平均値の±3%まではその特定されうる数値として許容され(すなわち、身長データは平均値の±3%の範囲で特定される)、心拍数及び呼吸数においては、ばらつきの数値範囲が算出されて更新される。ただし、居住者A〜Cが世帯Aを構成するユーザであることや、居住者A〜Cの身長、心拍数及び呼吸数のデータを最初に登録しておくようにしてもよい。
【0038】
図2(b)には、検出履歴記憶エリア32bに記録されている内容の詳細が示されている。ここでは、1日において検出された結果を示している。本実施形態では、建物10内の居住者A〜Cが活動をしないと想定される3時にデータの解析を行っている。そのため、1日における各センサ22,23による検出は、毎日3時から開始され、翌日3時になる前で締め切られている。
【0039】
なお、測距センサ23による検出は、連続して検出された身長情報において最も高い身長情報のみが記録されている。屈んでいる状態での身長情報は不正確な情報と考えられるためである。また、バイタルセンサ22による生体情報の取得には所定時間の計測が必要であるため、所定時間の計測に至らなかった場合は検出結果が記録されない。
【0040】
図2(b)の検出履歴には、それぞれの検出について、その検出されたデータに基づき居住者の特定結果が記録されている。居住者の特定はデータ取得されてすぐに実施されてもよいが、本実施形態では、3時のデータ解析の際に実施される。
【0041】
なお、判定記憶エリア32cには後述の特定処理及び世帯判定処理の判定結果が記録される。判定記憶エリア32cの詳細は
図5に示されており、説明は後述する。
【0042】
図1に示されるように、コントローラ30には通信部34が接続されており、コントローラ30は通信部34によってネットワークNに接続可能となっている。
【0043】
ここで、世帯変更推定システムは複数の住居等の建物10A,10B,・・・10Nに導入されており、管理センタ50は複数の建物10A,10B,・・・10Nの居住者データを統括管理する。管理センタ50にはサーバ40が設置され、管理センタ50の管理者によって管理されている。
【0044】
サーバ40は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されている。サーバ40は、少なくとも、制御部41と、記憶部42と、通信部43とを備えている。通信部43は、各建物10A,10B,・・・10Nのコントローラ30やデータベース等、外部装置との間でネットワークNを介して通信が可能となっている。この場合、この通信部43を介して制御部41が外部装置(例えば、コントローラ30)との間で通信可能とされている。そして、各建物10A,10B,・・・10Nのコントローラ30から送信された各種報知結果が記憶部42に記憶されるようになっている。
【0045】
次に、コントローラ30によって実行される世帯変更推定処理について、
図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
図3において、ステップS11では、3時になったか否かを判定する。ここで、3時としたのは、本実施形態では3時に世帯変更推定のためのデータ解析を開始するためである。3時の場合、YES判定してステップS12へ進む。3時でない場合、NO判定して本処理を終了する。
【0047】
ステップS12では、1日において各センサ22,23により検出された結果である検出履歴を検出履歴記憶エリア32bから読み込む。データを読み込んだ後、ステップS13へ進む。
【0048】
続くステップS13では、検出されたデータから検出された人を特定する特定処理が実行される。
【0049】
特定処理では、
図4に示すように、まず、ステップS21で、1日において各センサ22,23による検出があったか否かを判定する。検出があったか否かは、検出履歴記憶エリア32bへの記録内容から判定される。検出されている場合、YES判定してステップS22へ進む。検出されていない場合、NO判定してステップS28へ進む。
【0050】
ステップS28では、1日における検出結果を判定記憶エリア32cに記録する。ステップS21で検出がなかった場合は、「検出なし」として記録される。
【0051】
ステップS22では、各検出において、居住者A〜Cの特定が実施される。ここでは、ユーザ情報記憶エリア32aに記録された居住者A〜Cのデータに基づき、各検出データが居住者A〜Cに該当するか否かが判定され、各検出について居住者A〜Cに該当する検出が特定される。各検出データにおいて、居住者A〜Cに該当すると特定された検出については、例えば、検出履歴記憶エリア32bの「特定結果」の欄のように、「居住者A,B,C」としてラベルされる。以下、各検出において、居住者A〜Cに該当する検出を「検出X」と称する。
【0052】
続くステップS23では、居住者A〜Cに該当しない検出(以下、検出Y)があったか否かを判定する。検出Yがあった場合、YES判定してステップS24へ進む。検出Yがない場合、NO判定してステップS28へ進む。
【0053】
ステップS24では、検出Yにおいて、それぞれの検出Yが過去データ(滞在者S1〜Sm)と一致するか否かが判定される。過去データのうち、検出Yと一致すると判断されるデータ(滞在者S1〜Sm)がある場合、ステップS25へ進む。過去データのうち、検出Yと一致すると判断されるデータ(滞在者S1〜Sm)がない場合、ステップS27へ進む。
【0054】
ステップS25では、検出Yと一致すると判断されるデータ(滞在者S1〜Sm)について、過去データに登録された滞在者(滞在者S1〜Sm)として特定する。すなわち、ステップS22の居住者A〜Cと同様にして、各検出データにおいて、滞在者S1〜Smに該当すると特定された検出については、検出履歴記憶エリア32bの「特定結果」の欄に「滞在者S1〜Sm」としてラベルされる。
【0055】
ステップS26では、検出Yにおいて、過去データ(滞在者S1〜Sm)と一致しない検出があるか否かを判定する。過去データ(滞在者S1〜Sm)と一致しない検出がある場合、YES判定してステップS27に進む。過去データ(滞在者S1〜Sm)と一致しない検出がない場合、NO判定してステップS28へ進む。
【0056】
ステップS27では、過去データ(滞在者S1〜Sm)と一致しない検出を、新たな滞在者として滞在者Sxとして登録及び特定する。すなわち、過去データ(滞在者S1〜Sm)と一致しない検出の情報をユーザ情報記憶エリア32aに滞在者Sxとして登録する。そして、滞在者Sxに該当する検出は、検出履歴記憶エリア32bの「特定結果」の欄に「滞在者Sx」としてラベルされる。その後、ステップS28へ進む。
【0057】
そして、ステップS23,S26,S27からステップS28へ進むと、1日における検出結果(すなわち、特定された居住者A〜C及び滞在者S1〜Sm,Sx)が判定記憶エリア32cに記録される。
【0058】
ここで、
図5に示されるように、判定記憶エリア32cには、日付ごとに、居住者A〜C及び滞在者S1〜Sm,Sxの検出履歴が記録されている(表の左から2〜8列目)。ここでは、検出された場合は「〇」と表記され、検出されなかった場合は「−」と表記されている。これにより、各日において検出された居住者A〜C及び滞在者S1〜Sm,Sxが判断できる。なお、以下では、滞在者S1〜Sm,Sxをまとめて滞在者Sと称する。
【0059】
ステップS28で判定記憶エリア32cに記録した後、特定処理を終了する。
【0060】
特定処理の終了後は、
図3の説明に戻り、ステップS14に進み、ステップS14では世帯判定処理を実行する。
【0061】
世帯判定処理は、
図6に示されるように、ステップS31で、1日において各センサ22,23からの検出があったか否かを判定する。検出があったか否かは、検出履歴記憶エリア32bへの記録内容から判定される。各センサ22,23からの検出があった場合、ステップS32へ進む。各センサ22,23からの検出がない場合、ステップS34へ進む。
【0062】
ステップS34では、その1日おいて「人の検出なし」として判定される。その後、ステップS36へ進み、判定の結果を記録する。
【0063】
ステップS32では、居住者A〜Cの検出があったか否かを判定する。居住者A〜Cの検出とは、居住者A〜Cのうち少なくとも1人が検出されていればよい。すなわち、世帯Aを構成する居住者A〜Cのうち、少なくとも1人が検出されているかどうかが判定されている。居住者A〜Cの少なくとも1人が検出された場合は、YES判定してステップS33へ進む。居住者A〜Cが1人も検出されなかった場合はステップS35へ進む。
【0064】
ステップS33では、「世帯Aが検出された」と判定される。その後、ステップS36へ進む。
【0065】
ステップS35では、その1日において、世帯Aに含まれていない「滞在者Sのみが検出された」と判定される。すなわち、ステップS31のYES判定により、その1日において誰かが検出されたと判断されており、ステップS32のNO判定で、その検出が世帯Aを構成する居住者A〜Cではないと判定されている。そのため、その1日における検出は、居住者A〜C以外の誰か(滞在者S1〜Sm,Sx)が検出されたことを意味している。その後、ステップS36へ進む。
【0066】
ここで、ステップS36では、ステップS33,S34,S35の判定結果を判定記憶エリア32cに記録する。
【0067】
図5には、「(現居住者)世帯Aの検出」及び「(非居住者)滞在者の検出」の欄を設けてある。「(現居住者)世帯Aの検出」の欄が〇であれば、居住者A〜Cのうち誰かが検出されたことを意味し、「−」であれば居住者A〜Cの誰も検出されていないことを意味する。したがって、最新のデータである2月1日においては、「(現居住者)世帯Aの検出」の欄が〇であるため、居住者A〜Cの少なくとも1人はセンサ22,23により検出されている。「(非居住者)滞在者の検出」の欄には、その1日において検出された滞在者が記録されている。当該欄が「−」であれば、その1日において滞在者の誰も検出されていないことを意味する。
【0068】
続くステップS37では、10日間連続して、世帯Aが検出されず、かつ特定の滞在者Sが検出されたか否かを判定する。すなわち、10日間連続して、
図5の「(現居住者)世帯Aの検出」の欄が「−」であり、かつ「(非居住者)滞在者の検出」において、同じ人(例えば、滞在者S1)の検出があることが判定される。10日間連続して、世帯Aが検出されずかつ特定の滞在者Sが検出された場合は、YES判定してステップS39へ進む。世帯Aが検出されたり、又は世帯Aが検出されず、かつ特定の滞在者Sの検出が10日未満の場合は、NO判定してステップS38へ進む。
【0069】
ステップS39では、建物10に居住していた「世帯Aが転居した」と判定される。ステップS39の判定後、世帯判定処理を終了する。
【0070】
ここで、世帯Aが建物10の居住者として推定されている状況において、世帯Aに含まれる人全員が所定の期間(本実施形態では10日間)において継続して検出されておらず、かつその同期間において継続して世帯Bを構成する特定の滞在者Sが検出された場合、建物10に居住していた「世帯Aが転居した」と判定している。例えば、建物10に新たな居住者となる世帯Bが入居してきた場合、入居してきてから毎日世帯Bを構成する滞在者Sが検出され、世帯Aを構成する居住者A〜Cの全員が検出されなくなる。したがって、このような状況を踏まえて、本実施形態では、滞在者Sが10日間連続して検出され、その間に世帯Aを構成する居住者A〜Cの全員が検出されなかった場合は、建物10には世帯Bが居住している(換言すれば、「世帯Aが転居した」)と判定している。
【0071】
ステップS38では、建物10には「世帯Aが居住している」と判定される。
【0072】
ここで、ステップS38で「世帯Aが居住している」と判定される場合には、(1)世帯Aを構成する居住者A〜Cの少なくとも1人が継続的又は断続的に検出されていたり、(2)居住者A〜Cの全員が検出されていなくとも、特定の滞在者Sの検出が10日間連続でない場合などが含まれる。(1)のような場合は、世帯Aが居住中と判断できる事項であり、(2)の場合は、建物10に居住する世帯の変更を検出する途中経過の段階であるといえる。
【0073】
「世帯Aが居住している」と判定された後、続くステップS40では、検出履歴において、世帯Aを構成する居住者A〜Cにおいて、20日間連続して検出されていない居住者A〜Cがいるか否かを判定する。20日間連続して検出されていない居住者A〜Cがいる場合、YES判定してステップS41へ進む。20日間連続して検出されていない居住者A〜Cがいない場合はNO判定してステップS42へ進む。
【0074】
ステップS41では、20日以上連続して検出されていない居住者A〜Cを、居住者(世帯A)から除外する。その後、ステップS42へ進む。
【0075】
ここで、世帯Aが建物10の居住者として推定されている状況において、世帯Aに含まれるいずれかの人が所定の期間(本実施形態では20日間)において継続して検出されていない場合、その人を世帯Aから除外している。すなわち、
図5の「世帯の構成」の欄において、世帯Aとして居住者A,B,Cと登録されていたものが、ある居住者(例えば、居住者C)が20日間において継続して検出されていないことを条件として、世帯Aを構成する居住者としては居住者A,Bとされる。
【0076】
ステップS42では、20日間連続して検出されている滞在者Sがいるか否かを判定する。20日間連続して検出されている滞在者Sがいる場合、ステップS43へ進む。20日間連続して検出されている滞在者Sがいない場合、世帯特定処理を終了する。
【0077】
ステップS43では、20日間連続して検出されている滞在者Sを居住者(世帯Aの一員)と判定する。その後、世帯判定処理を終了する。
【0078】
ここで、世帯Aが建物10の居住者として推定されている状況において、世帯Aに含まれていない第三者が所定の期間(本実施形態では20日間)において継続して検出された場合、第三者を居住者とし、世帯Aに含まれる人として推定する。
【0079】
以上のステップS40〜S42により、世帯を構成する居住者が変更できる。世帯においては、子供の独立や、夫の単身赴任、親との同居等により、世帯(居住者)の構成が変わる場合がある。このような場合も、検出結果に基づき、世帯の構成が自動的に変更され、新たな世帯を単位として世帯変更推定が実施される。
【0080】
世帯判定処理を終了すると、
図3のフローチャートに戻る。
【0081】
図3のフローチャートのステップS15では、世帯Aが居住しているか否かを判定する。
【0082】
ここで、世帯判定処理により、建物10に居住する世帯が、従前から居住していた世帯Aか、又は新たに転居してきた世帯Bか、が判定されている(
図6のフローチャートにおけるステップS37〜S39)。よって、
図6のフローチャートにおいて、ステップS38に進んだ場合(すなわち、世帯Aと判定されている場合)、ステップS15はYES判定となり、本処理を終了する。
図6のフローチャートにおいて、ステップS39に進んだ場合(すなわち、世帯Bと判定されている場合)、ステップS15はNO判定となり、ステップS16へ進む。
【0083】
ステップS16では、建物10に居住する世帯Aが転居したとして、「世帯Aの転居(居住者の変更)」という情報を、ネットワークNを通じて管理センタ50のサーバ40に送信する。その後、本処理を終了する。
【0084】
ここで、サーバ40が「世帯Aの転居(居住者の変更)」という情報を受信すると、記憶部42にその情報が記憶される。記憶部42に新たな情報が記憶されると、制御部41は管理センタ50に設置された報知部(表示装置や警告ランプ等。図示せず)を通じて管理センタ50の管理者に報知する。
【0085】
以上、詳述した第1実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0086】
第1実施形態によれば、バイタルセンサ22により心拍数及び呼吸数の生体情報が検出され、測距センサ23により身長の身体情報が検出され、これらの情報から、居住者A〜C及び滞在者S1〜Sm,Sxを特定することができる。生体情報や身体情報により、人の分類(例えば、年齢層)が可能である。世帯は、年齢及び性別が異なる人で構成されていることが多い。そのため、世帯単位で生体情報及び身体情報を収集することにより、ある程度、世帯に含まれる人の特定が可能である。
【0087】
よって、生体情報及び身体情報を収集及び記録することにより、その収集及び記録された情報に基づき、世帯Aを構成する居住者A〜Cを特定できる。すなわち、収集された情報の履歴に基づき、建物10に居住する人を推定し、建物10に居住する人(居住者A〜C)から構成される世帯Aを推定する。そして、居住者A〜Cの推定に使用された生体情報及び身体情報は、居住者A〜Cの生体情報及び身体情報として記録される。
【0088】
また、居住者A〜Cに該当しない生体情報及び身体情報について、居住者でない滞在者Sであると特定することができる。そして、滞在者Sの生体情報及び身体情報を新たに記録することができる。これにより、建物10内における居住者A〜Cの検出と、滞在者Sの検出とについて継続して監視することができる。
【0089】
第1実施形態によれば、居住者A〜Cで構成される世帯Aに含まれない特定の滞在者Sが所定の期間(本実施形態では10日間)において継続して検出され、かつその所定の期間において継続して世帯Aに含まれる居住者A〜Cの全員が検出されない場合、当該特定の滞在者Sが建物10の新たな居住者(世帯B)として推定される。すなわち、特定の滞在者Sが継続して検出されている所定の期間において、世帯Aに含まれる居住者A〜Cの全員が検出されていないという状況は、住宅の居住者が変わったと判断できる。このような場合、世帯Aが転居し、新たに世帯Bが入居したことが推定されるため、住宅に居住する世帯が、世帯Aから世帯Bへと変更される。
【0090】
第1実施形態によれば、世帯Aの検出と、新たな居住者である滞在者S(世帯B)の検出とにより居住者の判断がされている。そのため、例えば、世帯Aが旅行に出かけた場合であっても、(この場合は滞在者Sが検出されないため)世帯Aが検出されていないことに起因して世帯Aが転居したという誤検知はされない。
【0091】
世帯Aの転居後すぐに滞在者S(世帯B)が入居した場合、メータ使用量から居住者(建物10に居住する世帯)が変わったことは判断できず、居住者変更の検出ミスが起こりうる。この場合においても、第1実施形態によれば、滞在者Sが所定の期間において継続して検出され、その所定の期間において継続して世帯Aが検出されてないため、世帯Aが転居し、滞在者S(世帯B)が入居してきた(住宅に居住する世帯が世帯Bに変更された)ことが判断できる。
【0092】
以上のように、第1実施形態によれば、居住者(建物10に居住する世帯)の転居が自動で検知でき、さらに転居の誤検知も減らすことができる。
【0093】
第1実施形態によれば、20日以上連続して検出されていない居住者A〜Cを、居住者(世帯A)から除外し、20日間連続して検出されている特定の滞在者Sを居住者(世帯Aの一員)とする。これにより、世帯Aを構成する居住者が変更できる。一般的な世帯においては、子供の独立や、夫の単身赴任、親との同居等により、世帯(居住者)の構成が変わる場合がある。このような場合も、検出結果に基づき、世帯の構成が自動的に変更され、新たな世帯を単位として居住者の推定ができる。
【0094】
第1実施形態によれば、世帯B(滞在者S)が建物10の新たな居住者として推定された場合は、建物10の世帯の変更についてサーバ40に送信することにより、世帯が変更されたことがサーバ40を管理する管理センタ50に報知される。よって、居住者(建物10に居住する世帯)の転居が自動的に検出され、管理センタ50に報知される。そして、管理センタ50は、例えば住宅まで出向いて居住者(建物10に居住する世帯)の確認を行う等の対策を取ることができる。
【0095】
これにより、例えば、住宅に居住する機器の現使用者と、機器の遠隔制御可能な情報端末の所有者(換言すれば、以前に住宅に居住していた機器の前使用者)とが異なるといった状況、すなわち、その前使用者の情報端末からの遠隔制御が可能なまま放置されるといったような状況が回避されうる。
【0096】
<第2実施形態>
第2実施形態では、バイタルセンサ22及び測距センサ23による検出と、建物10内で消費される電力量の検出とに基づき、建物10の居住者の推定を実施する。以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と重複する部分は省略する。
【0097】
図7は、第2実施形態における世帯変更推定システムに関する構成を示す概略図である。
【0098】
コントローラ30には、分電盤24が接続されている。分電盤24は商用電源25に接続されるとともに、建物10内の各部屋に接続されている(図示略)。建物10に設置される照明器具や各種機器の各電力負荷には、分電盤24を介して商用電源25から家庭用電力が供給される。そして、コントローラ30は、分電盤24から建物10内で消費される電力量を検出する。
【0099】
検出された消費電力量は、検出履歴記憶エリア32bへと記録される。消費電力量には、その消費された電力量だけでなく、電力を消費する時間帯において、生活スタイルが反映される。すなわち、浴槽にお湯をためる時間帯や入浴する時間帯、料理をする時間帯等、これらの電力を消費する時間帯は、世帯の構成及び居住者の生活スタイルに大きく関わっている。
【0100】
そのため、第2実施形態では、1日における消費電力量の変化が記録され、3時の世帯変更推定処理の際には、過去における消費電力量の履歴と比較し、生活スタイルの変化の有無が判定される。
【0101】
例えば、生活の時間帯を4つに分類する;朝(3時以降9時まで)、昼(9時以降15時まで)、夕(15時以降21時まで)、夜(21時以降3時まで)。そうして、これらの電力量の使用時間帯の大小により、以下のタイプに分類する。
【0102】
タイプ1:朝と夕とに消費電力量のピーク
タイプ2:朝と夜とに消費電力量のピーク
タイプ3:昼に消費電力量のピーク(朝、夕、夜にそれぞれのピークがあってもよい)
タイプ4:タイプ1〜3に分類されない混合タイプ。
【0103】
図8には、検出履歴記憶エリア32bへと記録された1日における消費電力量の検出結果の例が示される。
図8において、(a)は、朝と夜とに電力消費され、昼間はほとんど電力消費されていないタイプ2の消費電力量の履歴であり、(b)は、朝から夜まで電力消費されているタイプ1の消費電力量の履歴である。
【0104】
以下、第2実施形態の世帯変更推定処理について、第1実施形態のフローチャート(
図3、
図4及び
図6)に基づき説明する。
【0105】
第2実施形態においては、第1実施形態と同様に
図3、
図4及び
図6のフローチャートに従って判定されるが、
図3及び
図6において、第1実施形態にはなかったステップが追加される。
【0106】
第2実施形態における
図3のフローチャートとしては、ステップS13の後にステップS51が追加されること以外は、
図3のフローチャートと同様である。
【0107】
ステップS51としては、生活スタイル判定処理が実行される。生活スタイル判定処理は、その1日における消費電力量に基づき、その日の生活スタイルをタイプ1〜4に分類(判定)し、その判定結果を、判定記憶エリア32cに記録する。その後、ステップS14へ進む。
【0108】
そして、ステップS14では、
図6のフローチャートに基づき世帯判定処理が実行される。
【0109】
第2実施形態における世帯判定処理としては、
図6のフローチャートにおいてステップS37のNO判定後にステップS52が追加される以外は、
図6のフローチャートと同様である。
【0110】
ステップS37でNO判定の場合、ステップS52に進み、10日間連続して、特定の滞在者Sが検出され、生活スタイルが変化したか否かを判定する。ステップS52では、世帯Aの居住者A〜Cの検出の有無はどちらでもよく、特定の滞在者Sが10日間連続して検出されたか否かが判定されている。
【0111】
ここで、生活スタイルの変化としては、本実施形態では1週間サイクルで生活スタイルを判定した結果、これまで記録されている1週間サイクルの生活スタイルと異なる場合、生活スタイルが変化したと判定する。これまで記録されている1週間サイクルの生活スタイルと異なると判断する基準としては、例えば、以下である;
分類されたタイプのばらつきの変化(週に3〜4回以上検知される主の生活スタイルが変化した;タイプの分類がばらついていた生活スタイル(週に3回以上同じタイプに分類されない生活スタイル)が週3以上同じタイプに分類された;これまで検知されたかったタイプが検知される);
1週間平均の消費電力量が所定値(例えば、100kWh)よりも大きい又は少ない(所定値としては、例えば、過去3カ月において算出される1週間の消費電力量の平均値)。
【0112】
上記の判断基準により、生活スタイルが変化したと判定され、かつ特定の滞在者Sが10日間連続して検出された場合、YES判定してステップS39へ進み、「建物10に居住する世帯Aが転居した」と判定される。生活スタイルが変化していないと判定された場合又は特定の滞在者Sの検出が連続した10日間ではない場合、NO判定してステップS38へ進み、「世帯Aが居住している」と判定される。その後は、第1実施形態と同様に処理が実行される。
【0113】
すなわち、ステップS52及びS39により、生活スタイルが変化したと判定され、かつ滞在者Sが10日間連続して検出された場合は「世帯Aが転居した(換言すれば、世帯Bが居住している)」と判定されている。新たな人(特定の滞在者S)が建物10内で継続的に検出されて生活スタイルが変化する場合、特定の滞在者Sにより生活スタイルが変化したと考えられる。
【0114】
例えば、世帯Aが転居し、新たに世帯Bが入居してきた場合に、世帯Bを構成する居住者の生体情報及び身体情報が、世帯Aを構成する居住者A〜Cと類似している場合もありうる。そして、このような場合、ステップS37では検出されにくい。このような場合において、ステップS52で特定の滞在者Sの検出と生活スタイルの変化とによる判定を実施することにより、世帯Aの転居(世帯Bの入居)が検出されない誤検知を減らすことができる。
【0115】
第2実施形態において、ステップS52からステップS38又はステップS39へ進んだ後は、それぞれ第1実施形態と同様である。
【0116】
以上、第2実施形態の構成によれば、新たに入居した世帯Bに世帯Aの居住者A〜Cの少なくとも1人の生体情報及び身体情報が類似する居住者が含まれていた場合であっても、生活スタイルの見地から世帯の変更を検出することができる。
【0117】
また、第2実施形態は、生活スタイル判定処理(ステップS51)及び特定の滞在者Sの検出と生活スタイルの変化とに基づいた世帯判定処理(ステップS52)以外は、上記第1実施形態と同じであるため第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0118】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0119】
(1)第1実施形態及び第2実施形態では、生体情報及び身体情報を収集するためにバイタルセンサ22と測距センサ23とを用いたが、パーソナル情報として個人を特定できる機器であれば、これに限定されない。例えば、建物10内に設けられる照明のスイッチに指紋認証機を取り付けて、これによりパーソナル情報を収集してもよいし、建物10内で体重を検知できる場所を設けて、これによりパーソナル情報を取得してもよい。
【0120】
(2)第1実施形態及び第2実施形態では、洗面室11にバイタルセンサ22と測距センサ23とを取り付けたが、センサ22,23は少なくともどちらかひとつを設ければよく、また、取り付け位置も洗面室11に限定されない。例えば、建物10に屋内スペースとして設けられる玄関部、廊下、リビング等のいずれかにセンサ22,23を取り付けてもよいし、センサ22,23は同じ場所ではなく、建物10内の異なる場所に設けてもよい。
【0121】
(3)第2実施形態では、分電盤24により消費電力量を検出し、1日における消費電力量のタイプを分類して生活スタイルを特定したが、生活スタイルを特定する手段としてはこれに制限されない。例えば、住宅内の機器又はエネルギの使用情報として、水道メータ、ガスメータ、給湯器等をコントローラ30に接続し、水道、ガス及び給湯の使用情報を取得してもよい。給湯器は、特に入浴に際して多く利用される。よって、世帯(居住者)の入浴時間、給湯される湯温、湯量等により、世帯(居住者)それぞれの特徴が反映されるため、生活スタイルの特定が可能である。水道についても、食器を洗う時間帯や洗濯機を使う時間帯に使用量が増加するため、水道の使用量により生活スタイルを特定することができる。
【0122】
また、生活スタイルが反映されるという点では、例えば、炊飯器、洗濯機等の特定の機器の使用情報を取得してもよい。それぞれにおいて、それぞれの機器又はエネルギの使用情報に基づいて使用スタイル(使用量及び/又は使用時間帯)を監視することにより、世帯(居住者)の生活スタイルが特定でき、第2実施形態と同様に建物10に居住する世帯が変わったことが検知できうる。
【0123】
(4)第2実施形態において、1日における消費電力量の履歴に基づき、生活スタイルのタイプを消費電力量のピーク時間から4つに分類しているが、この分類は特に制限されない。例えば、1日の消費電力量等も分類する際に考慮してもよい。
【0124】
(5)第2実施形態において、生活スタイルが変化したとする判断基準を示しているが、当該基準は適宜設定されうる。例えば、判断基準として、前年度の同月における消費電力量及び生活スタイルも判断基準に追加されてもよい。または、時間ごとの消費電力量の平均値(1カ月単位)を算出し、当該平均値に基づいて生活スタイル(平均)を算出し、その生活スタイル(平均)が、これまでの生活スタイル(平均)と異なった場合に、生活スタイルが変化したと判断してもよい。
【0125】
(6)第2実施形態においては、ステップS52において、特定の滞在者Sの検出と、生活スタイルの変化とに基づき、世帯Aの転居(世帯Bの入居)について判定している。そして、ここでは特定の滞在者Sの検出が必須となっているが、当該条件は適宜設定されうる。
【0126】
例えば、生活スタイルの変化だけに基づき、世帯Aの転居(世帯Bの入居)について判定してもよい。
【0127】
または、例えば、第1実施形態において、第1期間(本実施形態では10日間)の経過する前に生活スタイルの変化が検出された場合は、第1期間を経過する前に(換言すれば、第1期間よりも短い期間において)、世帯Aが検出されず、かつ特定の滞在者Sが検出されることを条件として、世帯の変更を検出してもよい。
【0128】
または、
図3のステップS37において、10日間連続して、世帯Aが検出されず、特定の滞在者Sが検出され、かつ生活スタイルの変化があったか否かを判定してもよい。すなわち、この場合は、第1実施形態において、世帯の変更が検出される条件としては、生活スタイルの変化が必須となる(追加されている)。