【文献】
HUNSBEDT, Leif et al.,NITRIDING OF FERROMANGANESE,51st ELECTRIC FURNACE CONFERENCE PROCEEDINGS,1994年,p.129-136
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下になるように、珪素含有合金原料を前記高炭素フェロマンガン溶湯または前記中低炭素フェロマンガン溶湯に添加する、請求項1に記載の中低炭素フェロマンガンの製造方法。
前記中低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下になるように、珪素含有合金原料を前記高炭素フェロマンガン溶湯および前記中低炭素フェロマンガン溶湯に添加する、請求項1に記載の中低炭素フェロマンガンの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
中低炭素フェロマンガンは、製鉄プロセスにおける製鋼工程でマンガン源として使用される。窒素は、鋼に対して不純物になるので、中低炭素フェロマンガンの窒素濃度は低いことが好ましい。しかしながら、特許文献1に開示されている製造方法で製造される中低炭素フェロマンガンの窒素濃度の下限は400ppm程度である。
【0006】
中低炭素フェロマンガンに珪素を含有させれば窒素濃度を低減できることが知られている。例えば、中低炭素フェロマンガンの珪素濃度を1質量%程度にすることで、中低炭素フェロマンガンの窒素濃度を300ppm以下にできる。しかしながら、珪素も鋼の不純物になるので珪素濃度も低いことが好ましい。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、珪素濃度が低く、窒素濃度が300ppm以下の中低炭素フェロマンガンを製造できる中低炭素フェロマンガンの製造方法ならびに窒素濃度および珪素濃度の低い中低炭素フェロマンガンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)上吹きランスと底吹き羽口とを備えた反応容器に高炭素フェロマンガン溶湯を装入し、前記上吹きランスから酸素含有ガスを吹きつけるとともに、前記底吹き羽口から不活性ガスを吹き込むことで前記高炭素フェロマンガン溶湯を脱炭精錬して中低炭素フェロマンガン溶湯にし、前記中低炭素フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯し、冷却することで中低炭素フェロマンガンを製造し、前記脱炭精錬が終了してから15分以内に前記鋳型から露出した前記中低炭素フェロマンガンの表面温度が800℃以下になるように冷却する、中低炭素フェロマンガンの製造方法。
(2)前記中低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下になるように、珪素含有合金原料を前記高炭素フェロマンガン溶湯または前記中低炭素フェロマンガン溶湯に添加する、(1)に記載の中低炭素フェロマンガンの製造方法。
(3)前記中低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下になるように、珪素含有合金原料を前記高炭素フェロマンガン溶湯および前記中低炭素フェロマンガン溶湯に添加する、(1)に記載の中低炭素フェロマンガンの製造方法。
(4)前記珪素含有合金原料を脱炭精錬終了後の前記中低炭素フェロマンガン溶湯に添加する、(2)に記載の中低炭素フェロマンガンの製造方法。
(5)珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下であって、窒素濃度が300ppm以下である、中低炭素フェロマンガン。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法を実施することで、珪素濃度0.5質量%以下であって、窒素濃度の低い中低炭素フェロマンガンを製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明者らは、中低炭素フェロマンガンの窒素濃度を下げるには、以下の3点が重要であることを見出した。
1.中低炭素フェロマンガン溶湯の出湯時の吸窒量を低減させること。
2.底吹き羽口からアルゴンガスを吹込んで中低炭素フェロマンガン溶湯の窒素分圧を下げること
3.中低炭素フェロマンガンの製造に窒素含有量の少ない原料を用いること。
【0012】
さらに、本発明者らは、中低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.5質量%以下を満足する範囲で珪素を添加することで、安定的に中低炭素フェロマンガンの窒素濃度を低下できることを見出して本発明を完成させた。以下、本発明の実施形態を通じて本発明を説明する。本実施形態において、高炭素フェロマンガンとは、炭素濃度が2.0質量%超えのフェロマンガンである。中炭素フェロマンガンとは、炭素濃度が1.0質量%超えで2.0質量%以下のフェロマンガンであり、低炭素フェロマンガンとは、炭素濃度が1.0質量%以下のフェロマンガンである。
【0013】
図1は、転炉型の反応容器を用いて高炭素フェロマンガン溶湯を脱炭精錬する状態を示す断面模式図である。反応容器10は、転炉型の反応容器であって、高炭素フェロマンガン溶湯20を収容する容器本体12と、高炭素フェロマンガン溶湯20に酸素含有ガス24を吹きつける上吹きランス16とを備える。容器本体12の側面には、精錬処理後の中低炭素フェロマンガン溶湯を出湯する出湯口14が設けられ、底部には、アルゴンガス26を高炭素フェロマンガン溶湯20に吹き込む底吹き羽口18が複数設けられている。
【0014】
竪型製錬炉で還元製錬された高炭素フェロマンガン溶湯20は、容器本体12に装入される。高炭素フェロマンガン溶湯20は、底吹き羽口18からアルゴンガス26が吹き込まれて撹拌されるとともに、上吹きランス16から酸素含有ガス24が吹きつけられて、炭素が酸化除去される。上吹きランス16から吹きつける酸素含有ガス24は、例えば、酸素と希ガスなどの酸素分圧を下げる非酸化性ガスとの混合ガス、または、酸素のみを含む酸素ガスである。底吹き羽口18から吹き込むアルゴンガス26は、不活性ガスの一例である。上吹きランス16から酸素含有ガス24を吹きつけると、マンガンが酸化されて高炭素フェロマンガン溶湯20の溶湯面を覆うスラグ22が形成される。容器本体12に造滓材を予め添加してスラグ22を形成させてもよい。高炭素フェロマンガン溶湯20は、電気炉で還元製錬され製造されてもよい。
【0015】
脱炭精錬では、底吹き羽口18から高炭素フェロマンガン溶湯20に吹き込むアルゴンガス26の流量を0.01Nm
3/t・min以上にして、高炭素フェロマンガン溶湯20を撹拌することが好ましい。底吹き羽口18からアルゴンガス26を吹きこむことで、高炭素フェロマンガン溶湯20の窒素分圧が低下するので、高炭素フェロマンガン溶湯20の窒素濃度も低下する。一方、底吹き羽口18から吹き込むアルゴンガス26の流量を0.20Nm
3/t・minより多くすると、高炭素フェロマンガン溶湯20の撹拌に寄与せず、アルゴンガス26がそのまま吹き抜ける。このため、底吹き羽口18から高炭素フェロマンガン溶湯20に吹き込むアルゴンガス26の流量を0.20Nm
3/t・min以下にすることが好ましい。本実施形態において、「Nm
3/t・min」は、高炭素フェロマンガン溶湯1tにおける1分当たりのアルゴンガスの吹込み量を意味する。
【0016】
高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度が、所定の濃度に低下するまで酸素含有ガス24の吹きつけ、および、アルゴンガス26の吹き込みを継続する。中炭素フェロマンガンを製造する場合には、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度が2.0質量%以下になるまで脱炭する。低炭素フェロマンガンを製造する場合には、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度が1.0質量%以下になるまで脱炭する。
【0017】
脱炭処理中の高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度は、竪型製錬炉から出湯した高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度の測定値と、上吹きランス16から吹きつける酸素含有ガス24の供給量と、経験的に得られているフェロマンガン溶湯の脱炭酸素効率とから推定できる。このため、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度の測定値と、脱炭酸素効率と、目標とする炭素濃度と、から算出された供給量の酸素が供給されたことで、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素が上述した炭素濃度まで低下したと判断する。脱炭精錬中に高炭素フェロマンガン溶湯20を採取して炭素濃度を実測し、高炭素フェロマンガン溶湯20の炭素濃度の推定値と実測値とに差がないか確認してもよい。
【0018】
高炭素フェロマンガン溶湯20が上述した炭素濃度まで低下したら、上吹きランス16からの酸素含有ガス24の吹きつけを停止して脱炭精錬を終了する。次いで、冷却後の中低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下になるように、珪素含有合金原料を中低炭素フェロマンガン溶湯に添加する。珪素含有合金原料としては、例えば、フェロシリコンやシリコマンガンを用いてよい。中低炭素フェロマンガン溶湯への珪素含有合金原料の添加量は、溶湯中における珪素の酸化速度を考慮し、冷却後の中低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下になるように経験的に定めてよい。
【0019】
珪素含有合金原料の添加量をフェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%未満となる量にすると、溶融マンガンの窒素濃度低減効果が小さくなるので好ましくない。珪素は鋼の不純物になるので、珪素含有合金原料の添加量をフェロマンガンの珪素濃度が0.5質量%を超える量にすると、鋼の不純物となる珪素濃度が高くなり、中低炭素フェロマンガンの価値が下がるので好ましくない。
【0020】
上記例では、珪素含有合金原料を脱炭精錬後の中低炭素フェロマンガン溶湯に添加する例を示したが、中低炭素フェロマンガン溶湯に添加することに代えて、または、中低炭素フェロマンガン溶湯に添加するとともに珪素含有合金原料を脱炭精錬中の高炭素フェロマンガン溶湯20に添加してもよい。しかしながら、脱炭精錬中の高炭素フェロマンガンに珪素含有合金原料を添加すると、珪素が上吹きランス16から吹きつけられる酸素含有気体によって酸化されて二酸化珪素になり、塩基度の低いスラグが増加してスロッピングが発生するおそれが生じる。このため、珪素含有合金原料は、脱炭精錬後の中低炭素フェロマンガン溶湯に添加することがより好ましい。
【0021】
図2は、中低炭素フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯する状態を示す断面図である。
図2に示すように、脱炭され珪素含有合金原料が添加された中低炭素フェロマンガン溶湯21は、容器本体12が傾動されて、出湯口14から樋28を介して鋳型30へ出湯される。中低炭素フェロマンガン溶湯21は、鋳型30内で散水冷却および空気冷却される。
【0022】
本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法では、中低炭素フェロマンガン溶湯21は、上吹きランス16からの酸素含有ガス24の吹きつけを停止して脱炭精錬を終了した時点から15分以内に、鋳型30から露出しているフェロマンガン表面の最高温度が800℃以下になるように冷却される。フェロマンガンは、鋳型内で凝固した後も吸窒しており、その温度が800℃程度までは吸窒速度が速い。このため、出湯後の中低炭素フェロマンガン溶湯21を急冷してフェロマンガンの表面温度が800℃以下になるまでの時間を短くする。これにより、フェロマンガンの吸窒量は少なくなり、中低炭素フェロマンガンの窒素濃度を300ppm以下に低減できる。上述した中低炭素フェロマンガン溶湯21の急冷は、散水冷却することで実施できる。フェロマンガンの表面温度は、放射温度計を用いて測定できる。
【0023】
図3は、脱炭精錬終了からの経過時間と、フェロマンガン表面の最高温度との関係を示すグラフである。
図3において、横軸は、脱炭精錬終了からの経過時間(min)であり、縦軸は、フェロマンガン表面の最高温度(℃)である。
図3の実線は、脱炭精錬を終了した時点から15分以内にフェロマンガン表面の最高温度が800℃以下になるように散水冷却した場合の表面温度プロファイルであり、破線は、空気冷却によってフェロマンガン表面の最高温度を800℃近くまで冷却した場合の表面温度プロファイルである。
【0024】
図3の実線で示した表面温度プロファイルで冷却したフェロマンガンの窒素濃度は、破線で示した表面温度プロファイルで空気冷却したフェロマンガンの窒素濃度よりも低かった。上述したように、高温の溶融マンガンおよび800℃以上の凝固したマンガンは、窒素の吸収速度が速い。このため、少なくとも、空気と接触し得る鋳型30から露出したフェロマンガン表面の最高温度を、脱炭精錬が終了した時点から15分以内に800℃以下になるように冷却する。これにより、マンガンが吸収する窒素量は少なくなり、中低炭素フェロマンガンの窒素濃度を300ppm以下に低減できる。散水冷却する場合の冷却水量は、鋳型30に出湯された中低炭素フェロマンガン溶湯の冷却実験を予め行うことで定めてよい。フェロマンガンの窒素濃度を低減させるには、脱炭精錬が終了した時点からフェロマンガン表面の最高温度が800℃以下になるまでの時間を短くすることが好ましい。このため、空気と接触し得る鋳型30から露出したフェロマンガン表面の最高温度を脱炭精錬が終了した時点から10分以内に800℃以下にすることがより好ましい。
【0025】
以上、説明したように、本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法を実施することで、高炭素フェロマンガンから窒素濃度の低い中低炭素フェロマンガンを製造できる。さらに、フェロマンガンの珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下になるように、珪素含有合金原料を中低炭素フェロマンガン溶湯21に添加することで、中低炭素フェロマンガンの珪素濃度を0.5質量%以下に維持しつつ、さらに中低炭素フェロマンガンの窒素濃度を安定して低減できる。
【0026】
本実施形態の説明において、脱炭精錬後の中低炭素フェロマンガン溶湯21に、珪素含有合金原料を添加する例を示したが、これに加えて、フェロマンガン冷材を投入してもよい。これにより、中低炭素フェロマンガン溶湯21の温度を急速に低下させることができる。さらに、投入するフェロマンガン冷材として窒素濃度の低いフェロマンガン冷材を用いることが好ましい。これにより、当該冷材によって持ち込まれる窒素が少なくなり、中低炭素フェロマンガンの窒素濃度の増加を抑制できる。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
竪型製錬炉で還元製錬された高炭素フェロマンガン溶湯26tを、
図1に示した反応容器10と同じ反応容器へ装入して脱炭精錬を実施した。反応容器へ装入された高炭素フェロマンガンの成分は、Mn:73.5質量%、Fe:19.0質量%、Si:0.4質量%、C:7.0質量%、P:0.013質量%であり、反応容器へ装入した後の温度は1350℃であった。
【0028】
反応容器において、底吹き羽口から0.07Nm
3/t・minの供給量でアルゴンガスをフェロマンガン溶湯に吹き込み、上吹きランスから酸素ガスを1.5Nm
3/t・minの酸素供給速度でフェロマンガン溶湯に吹きつけて脱炭精錬を実施した。酸素供給量がメタルトン当たり80Nm
3になった時点で、上吹きランスからの酸素ガスの吹きつけを停止して脱炭精錬を終了した。
【0029】
脱炭精錬終了後、成分が、Mn:75.3質量%、Fe:23.2質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.014質量%、N:310ppmのフェロマンガン冷材を、溶解後の溶湯温度が約1550℃になるように添加した。その後、フェロマンガン溶湯を鋳型に出湯し、
図3に示した実線の表面温度プロファイルに従ってフェロマンガン溶湯を散水冷却した。これにより、鋳型から露出しているフェロマンガン表面の最高温度は、脱炭精錬終了から9分で800℃以下になった。このようにして製造された低炭素フェロマンガンの成分は、Mn:75.3質量%、Fe:23.1質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.014質量%、N:220ppmであった。
(実施例2)
実施例1と同じ条件で脱炭精錬を行い、脱炭精錬終了後に成分が、Mn:75.3質量%、Fe:23.2質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.014質量%、N:310ppmのフェロマンガン冷材と、成分がSi:75.0質量%、Fe:24.5質量%のフェロシリコンと、をフェロマンガン溶湯に添加した。フェロマンガン溶湯に添加したフェロシリコンの添加量は、低炭素フェロマンガンの珪素濃度が0.5質量%となる量であり、フェロマンガン冷材の添加量は、フェロマンガン冷材を溶解した後の溶湯温度が約1550℃になる量である。
【0030】
添加したフェロマンガン冷材とフェロシリコンとを溶解させて、溶湯温度を約1550℃としたフェロマンガン溶湯を鋳型に出湯し、
図3に示した実線の表面温度プロファイルに従ってフェロマンガン溶湯を冷却した。これにより、鋳型から露出しているフェロマンガン表面の最高温度は、脱炭精錬終了から9分で800℃以下になった。このようにして製造された低炭素フェロマンガンの成分は、Mn:75.3質量%、Fe:23.1質量%、Si:0.5質量%、C:1.0質量%、P:0.014質量%、N:200ppmであった。
(比較例1)
底吹き羽口からのアルゴンガスの吹き込み量を0.06Nm
3/t・minとしたこと以外は同じ条件で脱炭精錬を行ない、脱炭精錬終了後に成分がMn:75.3質量%、Fe:23.3質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.014質量%、N:310ppmのフェロマンガン冷材を添加し、フェロシリコンは添加しなかった。
【0031】
添加したフェロマンガン冷材を溶解させて、溶湯温度を約1550℃としたフェロマンガン溶湯を鋳型に出湯し、
図3に示した破線の表面温度プロファイルに従って、フェロマンガン溶湯を冷却した。これにより、鋳型から露出しているフェロマンガン表面の最高温度は、脱炭精錬終了から23分で800℃以下に低下した。このようにして製造された低炭素フェロマンガンの成分は、Mn:75.3質量%、Fe:23.3質量%、Si:0.3質量%、C:1.0質量%、P:0.014質量%、N:310ppmであった。
【0032】
このように、本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法で低炭素フェロマガンを製造することで、珪素濃度0.5質量%以下であって、300ppm以下の窒素濃度の低い中低炭素フェロマンガンを製造できることがわかる。
【0033】
本実施例においては、炭素濃度が1.0質量%の低炭素フェロマンガンの製造例を示したが、中炭素フェロマンガンも低炭素フェロマンガンと同様に製造できる。このように、本実施形態に係る中低炭素フェロマンガンの製造方法を実施することで、珪素濃度が0.01質量%以上0.5質量%以下であって、窒素濃度が300ppm以下の中低炭素フェロマンガンが製造できることが確認できた。