特許第6962942号(P6962942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許69629422型カンナビノイド受容体に対して親和性を有する[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962942
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】2型カンナビノイド受容体に対して親和性を有する[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20211025BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20211025BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 33/06 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20211025BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   C07D487/04 146
   C07D487/04CSP
   A61K31/519
   A61K49/00
   A61P1/02
   A61P1/04
   A61P1/16
   A61P3/10
   A61P9/00
   A61P9/04
   A61P9/10
   A61P9/10 101
   A61P11/00
   A61P11/06
   A61P13/12
   A61P17/02
   A61P19/02
   A61P19/08
   A61P19/10
   A61P25/00
   A61P25/04
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P27/02
   A61P27/06
   A61P29/00
   A61P29/00 101
   A61P29/02
   A61P33/06
   A61P35/00
   A61P37/00
   A61P37/06
   A61P37/08
   A61P43/00 105
   A61P43/00 111
【請求項の数】16
【全頁数】72
(21)【出願番号】特願2018-566249(P2018-566249)
(86)(22)【出願日】2017年6月20日
(65)【公表番号】特表2019-522648(P2019-522648A)
(43)【公表日】2019年8月15日
(86)【国際出願番号】EP2017064994
(87)【国際公開番号】WO2017220517
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2020年6月15日
(31)【優先権主張番号】16175924.6
(32)【優先日】2016年6月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ゴッビ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】グレター,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】グーバ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】クレッツ,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】マルティン,ライナー・エー
(72)【発明者】
【氏名】ウェストファル,マティアス・バレンティン
(72)【発明者】
【氏名】イェゼルマン,アドリアーン・ピーテル
【審査官】 神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−532739(JP,A)
【文献】 特表2016−532707(JP,A)
【文献】 特表2003−512326(JP,A)
【文献】 ChemMedChem,2016年,Vol.11,pp.179-189
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化87】

[式中、
は、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環は、ハロスルホニル、ハロスルホニル−Cアルキル、イソチオシアナト−Cアルキル、イソチオシアナト、アミノ−Cアルキルジスルファニル−Cアルキル、ヒドロキシ−Cアルキルジスルファニル−Cアルキル、ヒドロキシ−Cアルキルジスルファニル、アミノ−Cアルキルジスルファニル、ハロゲン、−Cアルキル、ピリジニルジスルファニル−Cアルキル、ベンゾトリアゾリルスルホニル−Cアルキル、ジヒドロキシ−Cアルキルジスルファニル−Cアルキルおよびピリジニルジスルファニルから選択される1つの置換基で置換されており、かつ、場合により、シアノでさらに置換されており;
およびRは、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオヒドロキシル、チオヒドロキシアゼチジニル、アジド、イソチオシアナトおよび−Cアルキルジスルファニルから選択されるが;
但し、R、RおよびRの少なくとも1つは、スルホニル、イソチオシアナト、ジスルファニル、チオヒドロキシルまたはアジドを含む基であるとし;
は、−Cアルキルまたはフェニルハロ−Cアルキルであり;そして
nは、0または1である]
で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
が、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環が、ハロスルホニル、ハロスルホニル−Cアルキル、イソチオシアナト−Cアルキル、イソチオシアナト、ハロゲン、−Cアルキル、ヒドロキシ−Cアルキルジスルファニル−Cアルキル、ピリジニルジスルファニル−Cアルキル、ジヒドロキシ−Cアルキルジスルファニル−Cアルキルから選択される1つの置換基で置換されており、かつ、場合により、シアノでさらに置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環が、フルオロスルホニル、フルオロスルホニルメチル、イソチオシアナトメチル、イソチオシアナト、クロロ、メチル、ヒドロキシエチルジスルファニルエチル、フルオロスルホニルエチル、ピリジニルジスルファニルエチル、ジヒドロキシエチルジスルファニルエチルから選択される1つの置換基で置換されており、かつ、場合により、シアノでさらに置換されている、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、フルオロスルホニルフェニル、フルオロスルホニルメチルフェニル、イソチオシアナトメチルフェニル、イソチオシアナトフェニル、クロロフェニル、メチル[1,2,5]オキサジアゾリル、ヒドロキシエチルジスルファニルエチルフェニル、フルオロスルホニルエチルフェニル、ピリジニルジスルファニルエチルフェニル、ジヒドロキシエチルジスルファニルエチルフェニルまたは(フルオロスルホニル)(シアノ)フェニルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が水素であり、そして、Rが、ヒドロキシル、チオヒドロキシル、アジド、イソチオシアナトもしくはメチルジスルファニルであるか、または、RおよびRが共に同時にフルオロである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、tert.−ブチルまたはフェニルジフルオロメチルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
nが1である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
以下から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物:
2−({5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メタンスルホニルフルオリド;
[2−({5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
(3S)−1−(5−tert−ブチル−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[(2−イソチオシアナトフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
2−{[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メチル]ジスルファニル}エタン−1−アミン;
2−{[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メチル]ジスルファニル}エタン−1−オール;
2−[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)ジスルファニル]エタン−1−オール;
2−[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)ジスルファニル]エタン−1−アミン;
2−{[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]ジスルファニル}エタン−1−アミン;
2−({[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メチル}ジスルファニル)エタン−1−アミン;
2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メタンスルホニルフルオリド;
[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メタンスルホニルフルオリド;
(3S)−1−(5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[(2−イソチオシアナトフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}アゼチジン−3−チオール;
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3R)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3R)−1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド;
2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]メチルジスルファニル]エタノール;
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール;
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール;
3−[[2−[2−(ベンゾトリアゾール−1−イルスルホニル)エチル]フェニル]メチル]−5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタンアミン;
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタンアミン;
3−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]プロパン−1,2−ジオール;
2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]ジスルファニル]エタノール;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;および
2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−3−エチニルベンゼンスルホニルフルオリド。
【請求項9】
以下から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物:
2−({5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
(3S)−1−(5−tert−ブチル−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[(2−イソチオシアナトフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド;
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール;
2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]プロパン−1,2−ジオール;および
2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−3−エチニルベンゼンスルホニルフルオリド。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の製造のための工程であって、式(A)
【化88】

で示される化合物を、式(B)
【化89】

[式中、R〜Rおよびnは、請求項1〜7のいずれか一項に定義した通りである]
で示される化合物および塩基の存在下で反応させることを含む工程。
【請求項11】
治療活性物質としての使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物と治療上不活性な担体とを含む、医薬組成物。
【請求項13】
疼痛、神経障害性疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、真性糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性移植拒絶反応、慢性移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血/梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎、発熱、肝硬変または腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性脳虚血発作、ブドウ膜炎、喘息、骨粗鬆症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、関節リウマチまたはアレルギーの治療または予防のための医薬の調製のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
疼痛、神経障害性疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、真性糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性移植拒絶反応、慢性移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血/梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎、発熱、肝硬変または腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性脳虚血発作、ブドウ膜炎、喘息、骨粗鬆症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、関節リウマチまたはアレルギーの治療または予防における使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
疼痛、神経障害性疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、真性糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性移植拒絶反応、慢性移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血/梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎、発熱、肝硬変または腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性脳虚血発作、ブドウ膜炎、喘息、骨粗鬆症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、関節リウマチまたはアレルギーの治療または予防のための、請求項12に記載の医薬組成物
【請求項16】
CB2受容体の検出またはイメージングのための、請求項12に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2型カンナビノイド(CB2)受容体に対して親和性を有する新規[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体、その調製、ならびにその診断的および治療的使用に関する。
【0002】
本発明は、特に、式(I)
【化1】

[式中、
は、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環は、ハロスルホニル、ハロスルホニルアルキル、イソチオシアナトアルキル、イソチオシアナト、アミノアルキルジスルファニルアルキル、ヒドロキシアルキルジスルファニルアルキル、ヒドロキシアルキルジスルファニル、アミノアルキルジスルファニル、ハロゲン、アルキル、ピリジニルジスルファニルアルキル、ベンゾトリアゾリルスルホニルアルキル、ジヒドロキシアルキルジスルファニルアルキルおよびピリジニルジスルファニルから選択される1つの置換基で置換されており、かつ、場合により、シアノでさらに置換されており;
およびRは、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオヒドロキシル、チオヒドロキシアゼチジニル、アジド、イソチオシアナトおよびアルキルジスルファニルから選択されるが;
但し、R、RおよびRの少なくとも1つは、スルホニル、イソチオシアナト、ジスルファニル、チオヒドロキシルまたはアジドを含む基であるとし;
は、アルキルまたはフェニルハロアルキルであり;そして
nは、0または1である]
で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩もしくはエステルに関する。
【0003】
カンナビノイドCB2受容体に対して高い親和性および大きな選択性を有する新規[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体が見いだされた。これらの化合物は、CB2受容体の活性に対して調節効果を有する。用語「調節効果」は、とりわけ、アゴニスト、アンタゴニストおよび/またはインバースアゴニスト効果を意味する。
【0004】
カンナビノイド受容体2のアゴニストは、哺乳動物における治療および/または予防に有用である。式(I)で示される化合物は、例えば、疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、真性糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性移植拒絶反応、慢性移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血/梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎、発熱、肝硬変または腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性脳虚血発作またはブドウ膜炎の治療または予防に特に有用である。
【0005】
カンナビノイド受容体2のインバースアゴニストは、哺乳動物における治療および/または予防に有用である。
【0006】
式(I)で示される化合物は、疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、精神障害、関節リウマチ、精神病およびアレルギーの治療または予防に特に有用である。
【0007】
カンナビノイド受容体は、Gタンパク質結合受容体スーパーファミリーに属する細胞膜受容体のクラスの1つである。現在のところ、カンナビノイド受容体1(CB1)およびカンナビノイド受容体2(CB2)と呼ばれる2種類の公知のサブタイプがある。CB1受容体は、主に、中枢神経(すなわち、扁桃体、小脳、海馬)系で発現しており、末梢においては、その量はより少ない。CNR2遺伝子によってコードされるCB2は、大部分が、マクロファージおよびT細胞などの免疫系の細胞上で(Ashton, J. C. et al. Curr Neuropharmacol 2007, 5(2), 73-80; Miller, A. M. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 299-308; Centonze, D., et al. Curr Pharm Des 2008, 14(23), 2370-42)ならびに消化管系(Wright, K. L. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 263-70)において末梢で発現している。CB2受容体はまた、脳内に広く分布しており、そこでは、主に小膠細胞上に見いだされるが、神経細胞には見いだされない(Cabral, G. A. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2): 240-51)。
【0008】
カンナビノイド受容体2の調節剤は、哺乳動物における治療および/または予防に有用である。
【0009】
ここ十年間、CB2受容体アゴニストに対する関心が着実に高まっているが(現在、30〜40の特許出願/年)、その理由は、いくつかの開発初期化合物が、慢性疼痛(Beltramo, M. Mini Rev Med Chem 2009, 9(1), 11-25)、アテローム性動脈硬化症(Mach, F. et al. J Neuroendocrinol 2008, 20 Suppl 1, 53-7)、骨量の制御(Bab, I. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 182-8)、神経炎症(Cabral, G. A. et al. J Leukoc Biol 2005, 78(6), 1192-7)、虚血/再灌流傷害(Pacher, P. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 252-62)、全身性線維症(Akhmetshina, A. et al. Arthritis Rheum 2009, 60(4), 1129-36; Garcia-Gonzalez, E. et al. Rheumatology (Oxford) 2009, 48(9), 1050-6)、肝線維症(Julien, B. et al. Gastroenterology 2005, 128(3), 742-55; Munoz-Luque, J. et al. J Pharmacol Exp Ther 2008, 324(2), 475-83)を含む、多数のヒトの疾患の前臨床モデルにおいて有益な効果を有することが示されたという事実によるものである。
【0010】
虚血/再灌流(I/R)傷害は、卒中、心筋梗塞、心肺バイパス法および他の血管手術、ならびに臓器移植などの状態において生じる組織損傷の主要な原因であり、様々な病因の循環性ショックの過程を悪化させる末期臓器障害の主要機序でもある。これらの状態は全て、結果として組織の酸素化不良を生じさせる、正常な血液供給の崩壊を特徴とする。再酸素化、例えば、再灌流は、正常な組織の酸素化を回復させるための最終的な治療法である。しかしながら、血液からの酸素および栄養の欠如は、血液循環の回復がさらなる組織損傷をもたらす状態を生み出す。再灌流傷害の損傷は、損傷を受けた組織の炎症反応に一部起因する。新たに回復した血液によってその領域に運ばれた白血球は、組織損傷に応答して、多くの炎症性因子、例えばインターロイキンおよびフリーラジカルを放出する。回復した血流は、細胞内に酸素を再導入し、これが、細胞タンパク質、DNAおよび原形質膜に損傷を与える。
【0011】
遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC)は、虚血および再灌流によって生じる傷害に対して身体の内因性の防御能力を利用する戦略である。それは、1つの臓器または組織の一過性の非致死的虚血および再灌流が、遠隔臓器または組織において、その後の「致死的」な虚血再灌流傷害のエピソードに対する耐性を付与するという興味深い現象のことを言う。ある臓器または組織の一過性の虚血および再灌流が防御を付与するその実際の機序は現在のところ分かっていないが、いくつかの仮説が提唱されている。
【0012】
体液性仮説は、遠隔臓器または組織において生成された内因性物質(例えば、アデノシン、ブラジキニン、オピオイド、CGRP、内在性カンナビノイド、アンギオテンシンIまたはまだ同定されていない体液性因子としてのその他)が血流に侵入して、標的組織においてその各受容体を活性化し、それによって、虚血プレコンディショニングに関わる様々な心臓保護の細胞内経路が回復することを提唱するものである。
【0013】
最近のデータは、内在性カンナビノイドおよびその受容体、特にCB2が、プレコンディショニングに関与し、かつ、炎症反応のダウンレギュレーションによる再灌流傷害の抑制に寄与し得ることを示している(Pacher, P. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 252-62)。具体的には、CB2ツールアゴニストを使用した最近の研究は、心臓(Defer, N. et al. Faseb J 2009, 23(7), 2120-30)、脳(Zhang, M. et al. J Cereb Blood Flow Metab 2007, 27(7), 1387-96)、肝臓(Batkai, S. et al. Faseb J 2007, 21(8), 1788-800)および腎臓(Feizi, A. et al. Exp Toxicol Pathol 2008, 60(4-5), 405-10)においてI/R傷害を低下させるというこの概念の有効性を実証した。
【0014】
さらに、ここ数年にわたり、CB2が亜慢性期および慢性期においても関心対象となり得ることを示す文献が増えている。CB1およびCB2の特定のアップレギュレーションが、線維症と関連する慢性疾患の動物モデルにおいて関連性を有すること(Garcia-Gonzalez, E. et al. Rheumatology (Oxford) 2009, 48(9), 1050-6; Yang, Y. Y. et al. Liver Int 2009, 29(5), 678-85)と共に線維症の進行の原因となる細胞である筋線維芽細胞におけるCB2の関連発現が示された。
【0015】
選択的CB2アゴニストによるCB2受容体の活性化は、実際に、びまん性全身性硬化症において抗線維化効果を発揮することが示されており(Garcia-Gonzalez, E. et al. Rheumatology (Oxford) 2009, 48(9), 1050-6)、そして、CB2受容体が、実験的な皮膚線維症(Akhmetshina, A. et al. Arthritis Rheum 2009, 60(4), 1129-36)および慢性肝疾患と関連する線維形成を含む肝臓の病態生理学(Lotersztajn, S. et al. Gastroenterol Clin Biol 2007, 31(3), 255-8; Mallat, A. et al. Expert Opin Ther Targets 2007, 11(3), 403-9; Lotersztajn, S. et al. Br J Pharmacol 2008, 153(2), 286-9)における重要なターゲットとして浮上した。
【0016】
カンナビノイド受容体2のインバースアゴニストは、哺乳動物における治療および/または予防に有用である。
【0017】
式(I)で示される化合物は、疼痛、神経障害性疼痛、喘息、骨粗鬆症、炎症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、精神障害、関節リウマチ、精神病およびアレルギーの治療または予防に特に有用である。
【0018】
ここ十年間、CB2受容体リガンドに対する関心が着実に高まっている(現在、30〜40の特許出願/年)。様々な情報源からの証拠は、CB2受容体を介する脂質内在性カンナビノイドのシグナル伝達が哺乳動物の保護装備一式の局面を表している(Pacher, P. Prog Lipid Res 2011, 50, 193)という見解を支持する。選択的CB2受容体アゴニストまたはインバースアゴニスト/アンタゴニストのいずれかによるその調節(疾患およびその段階に応じて)は、膨大な数の疾患においてユニークな治療可能性を保持している。CB2インバースアゴニスト/アンタゴニストについて、疼痛(Pasquini, S. J Med Chem 2012, 55(11): 5391)、神経障害性疼痛(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神障害(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、精神病(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、骨粗鬆症および炎症(Sophocleous, A. Calcif Tissue Int 2008, 82(Suppl. 1):Abst OC18)、精神疾患および精神病(Garcia-Gutierrez, M.S. Br J Pharmacol 2012, 165(4): 951)、オンコロジー(Preet, A. Cancer Prev Res 2011, 4: 65)、脳炎およびマラリア(Zimmer, A. WO 2011045068)、アレルギーおよび炎症(Ueda, Y. Life Sci 2007, 80(5): 414)、脳炎およびマラリア(Zimmer, WO 2011045068)、喘息(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、免疫学的障害(Fakhfouri, G. Neuropharmacology 2012, 63(4): 653)、関節リウマチ(Chackalamannil, S. US 7776889)、関節炎(Lunn, C.A. J Pharmacol Exp Ther 2006, 316(2): 780)、ならびに消化管障害(Barth, F. FR 2887550)を含む多くの病的状態のための治療機会が実証されている。
【0019】
本発明の化合物は、CB2受容体に結合して該受容体を調節し、かつ、より低いCB1受容体活性を有する。
【0020】
本発明の化合物は、CB2受容体と共有結合を形成するために場合により使用することができる、スルホニルフルオリド、イソチオシアナート、チオール、アジドおよびメチルジスルファニルなどの官能基を含有する。共有修飾剤としてのそのような有機低分子を、イメージングのための、および治療的使用のための、標的の検出および局在化に使用することができる(例えば、Adebayo A Adeniyi, Ramesh Muthusamy & Mahmoud ES Soliman, Expert Opin. Drug Discov. (2016) 11(1):79-90と比較)。
【0021】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独でまたは組み合わせで、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、特に1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、より特に1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を表す。直鎖および分岐鎖C−Cアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert.−ブチル、異性体のペンチル、異性体のヘキシル、異性体のヘプチルおよび異性体のオクチル、特にメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチルである。アルキルの特定の例は、メチル、エチルおよびtert.−ブチルである。
【0022】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、単独でまたは組み合わせで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素、より特にフッ素および塩素を表す。用語「ハロ」は、別の基との組み合わせで、前記基が少なくとも1個のハロゲンで置換されていること、特に1〜5個のハロゲン、特に1〜4個のハロゲン、すなわち1、2、3または4個のハロゲンで置換されていることを示す。
【0023】
用語「ハロアルキル」は、単独でまたは組み合わせで、少なくとも1個のハロゲンで置換されている、特に1〜5個のハロゲン、特に1〜3個のハロゲンで置換されているアルキル基を示す。「ハロアルキル」は、最も特にジフルオロメチルである。
【0024】
用語「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」は、単独でまたは組み合わせで、−OH基を表す。
【0025】
用語「アミノ」は、単独でまたは組み合わせで、第一級アミノ基(−NH)、第二級アミノ基(−NH−)、または第三級アミノ基(−N−)を表す。
【0026】
用語「スルホニル」は、単独でまたは組み合わせで、−SO−基を意味する。
【0027】
用語「ジスルファニル」は、単独でまたは組み合わせで、−S−S−基を意味する。
【0028】
用語「イソチオシアナト」は、単独でまたは組み合わせで、−N=C=S基を意味する。
【0029】
用語「チオヒドロキシル」または「チオヒドロキシ」は、単独でまたは組み合わせで、−SH基を意味する。
【0030】
用語「アジド」は、単独でまたは組み合わせで、−N基を表す。
【0031】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、遊離塩基または遊離酸の生物学的効果および特性を保持し、生物学的にもまたはその他の点でも望ましくないことはない塩を指す。塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸と、ならびに、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインと共に形成される。加えて、これらの塩は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製され得る。無機塩基から誘導される塩は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウムの塩を含む。有機塩基から誘導される塩は、限定されないが、第一級、第二級、および第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩を含む。式(I)で示される化合物はまた、両性イオンの形態で存在することもできる。式(I)で示される化合物の特定の好ましい薬学的に許容し得る塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびメタンスルホン酸の塩である。
【0032】
「薬学的に許容し得るエステル」は、一般式(I)で示される化合物が、インビボで親化合物に変換し戻ることが可能な誘導体を提供するように、官能基で誘導体化され得ることを意味する。そのような化合物の例は、メトキシメチルエステル、メチルチオメチルエステルおよびピバロイルオキシメチルエステルなどの生理学的に許容し得かつ代謝的に不安定なエステル誘導体を含む。追加的に、一般式(I)で示される親化合物をインビボで生成することが可能な、代謝的に不安定なエステルと類似する、一般式(I)で示される化合物の任意の生理学的に許容し得る等価体も本発明の範囲内である。
【0033】
出発物質または式(I)で示される化合物の1つが、1以上の反応工程の反応条件下で安定でないかまたは反応性である1以上の官能基を含有する場合、適切な保護基(例えば、“Protective Groups in Organic Chemistry” by T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Ed., 1999, Wiley, New York に記載されているような)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入することができる。そのような保護基は、文献に記載されている標準的な方法を使用して、合成の後の段階で除去することができる。保護基の例は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)およびp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
【0034】
式(I)で示される化合物は、いくつかの不斉中心を含有することができ、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ体など)、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体またはジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
【0035】
用語「不斉炭素原子」は、4個の異なる置換基を有する炭素原子を意味する。Cahn-Ingold-Prelog順位側に従って、不斉炭素原子は、「R」または「S」の立体配置をとることができる。
【0036】
本発明は、特に、
が、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環が、ハロスルホニル、ハロスルホニルアルキル、イソチオシアナトアルキル、イソチオシアナト、アミノアルキルジスルファニルアルキル、ヒドロキシアルキルジスルファニルアルキル、ヒドロキシアルキルジスルファニル、アミノアルキルジスルファニル、ハロゲンおよびアルキルから選択される1つの置換基で置換されており;
およびRが、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオヒドロキシル、チオヒドロキシアゼチジニル、アジド、イソチオシアナトおよびアルキルジスルファニルから選択されるが;
但し、R、RおよびRの少なくとも1つが、スルホニル、イソチオシアナト、ジスルファニル、チオヒドロキシルまたはアジドを含む基であるとし;
が、アルキルまたはフェニルハロアルキルであり;そして
nが、0または1である;
式(I)で示される化合物またはその薬学的に許容し得る塩もしくはエステルに関する。
【0037】
本発明は、さらに、以下に関する:
【0038】
が、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環が、ハロスルホニル、ハロスルホニルアルキル、イソチオシアナトアルキル、イソチオシアナト、ハロゲンおよびアルキルから選択される1つの置換基で置換されている、式(I)で示される化合物;
【0039】
が、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環が、フルオロスルホニル、フルオロスルホニルメチル、イソチオシアナトメチル、イソチオシアナト、クロロおよびメチルから選択される1つの置換基で置換されている、式(I)で示される化合物;
【0040】
が、フルオロスルホニルフェニル、フルオロスルホニルメチルフェニル、イソチオシアナトメチルフェニル、イソチオシアナトフェニル、クロロフェニルおよびメチル[1,2,5]オキサジアゾリルである、式(I)で示される化合物;
【0041】
が水素であり、そして、Rが、ヒドロキシル、チオヒドロキシル、アジド、イソチオシアナトもしくはメチルジスルファニルであるか、または、RおよびRが共に同時にフルオロである、式(I)で示される化合物;
【0042】
が、tert.−ブチルまたはフェニルジフルオロメチルである、式(I)で示される化合物;および
【0043】
nが1である、式(I)で示される化合物;
【0044】
が、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環が、ハロスルホニル、ハロスルホニルアルキル、イソチオシアナトアルキル、イソチオシアナト、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシアルキルジスルファニルアルキル、ピリジニルジスルファニルアルキル、ジヒドロキシアルキルジスルファニルアルキルから選択される1つの置換基で置換されており、かつ、場合により、シアノでさらに置換されている、式(I)で示される化合物。
【0045】
が、フェニルおよび[1,2,5]オキサジアゾリルから選択される環であり、ここで、前記環が、フルオロスルホニル、フルオロスルホニルメチル、イソチオシアナトメチル、イソチオシアナト、クロロ、メチル、ヒドロキシエチルジスルファニルエチル、フルオロスルホニルエチル、ピリジニルジスルファニルエチル、ジヒドロキシエチルジスルファニルエチルから選択される1つの置換基で置換されており、かつ、場合により、シアノでさらに置換されている、式(I)で示される化合物;および
【0046】
が、フルオロスルホニルフェニル、フルオロスルホニルメチルフェニル、イソチオシアナトメチルフェニル、イソチオシアナトフェニル、クロロフェニル、メチル[1,2,5]オキサジアゾリル、ヒドロキシエチルジスルファニルエチルフェニル、フルオロスルホニルエチルフェニル、ピリジニルジスルファニルエチルフェニル、ジヒドロキシエチルジスルファニルエチルフェニルまたは(フルオロスルホニル)(シアノ)フェニルである、式(I)で示される化合物。
【0047】
本発明は、さらに、以下から選択される、式(I)で示される化合物に関する:
2−({5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メタンスルホニルフルオリド;
[2−({5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
(3S)−1−(5−tert−ブチル−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[(2−イソチオシアナトフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
2−{[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メチル]ジスルファニル}エタン−1−アミン;
2−{[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メチル]ジスルファニル}エタン−1−オール;
2−[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)ジスルファニル]エタン−1−オール;
2−[(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)ジスルファニル]エタン−1−アミン;
2−{[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]ジスルファニル}エタン−1−アミン;
2−({[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メチル}ジスルファニル)エタン−1−アミン;
2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メタンスルホニルフルオリド;
[2−({5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メタンスルホニルフルオリド;
(3S)−1−(5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[(2−イソチオシアナトフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}アゼチジン−3−チオール;
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3R)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3R)−1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド;
2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]メチルジスルファニル]エタノール;
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール;
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール;
3−[[2−[2−(ベンゾトリアゾール−1−イルスルホニル)エチル]フェニル]メチル]−5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタンアミン;
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタンアミン;
3−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]プロパン−1,2−ジオール;
2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]ジスルファニル]エタノール;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;および
2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−3−エチニルベンゼンスルホニルフルオリド。
【0048】
本発明はまた、以下から選択される、式(I)で示される化合物に関する:
2−({5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
(3S)−1−(5−tert−ブチル−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[(2−イソチオシアナトフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}ベンゼン−1−スルホニルフルオリド;
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−tert−ブチル−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド;
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール;
2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エタンスルホニルフルオリド;
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン;
3−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]プロパン−1,2−ジオール;および
2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−3−エチニルベンゼンスルホニルフルオリド。
【0049】
本発明の式(I)で示される化合物の調製は、逐次または収束合成経路で実施され得る。本発明の化合物の合成を以下のスキームに示す。本反応および得られた生成物の精製を実施するのに必要な技能は、当業者に公知である。以下の工程の説明において使用される置換基および指数は、特に反対の指示のない限り、先に本明細書に示した意味を有する。より詳細には、式(I)で示される化合物を、以下に示す方法によって、実施例に示す方法によって、または同様の方法によって製造することができる。個別の反応工程についての適切な反応条件は、当業者に公知である。また、本記載の反応に影響を与える文献に記載されている反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999)を参照されたい。本発明者らは、反応を溶媒の存在下または非存在下で実施することが好都合であることを見いだした。用いられる溶媒の性質について特定の制限はないが、溶媒は、関与する反応または試薬に悪影響を及ぼさないものであること、ならびに、試薬を少なくともある程度溶解させることができるものとする。本記載の反応は広範な温度で実施することができ、正確な反応温度は本発明にとって重要ではない。本記載の反応は、−78℃〜還流の間の温度範囲で実施することが好都合である。また、反応に必要な時間は、多くの要因、とりわけ、反応温度および試薬の性質に応じて広く変動し得る。しかしながら、本記載の中間体および化合物を生成するには、通常、0.5時間〜数日の期間で十分であろう。反応シーケンスは、スキームに表示したものに限定されず、出発物質およびそれらの各反応性に応じて、反応工程のシーケンスを自由に変更できる。出発物質は、市販のものであるか、あるいは、以下に示す方法と同様の方法によって、本記載もしくは実施例で引用した参考文献に記載されている方法によって、または当技術分野において公知の方法によって調製できるかのいずれかである。
【0050】
【化2】
【0051】
a)ハロゲン化物IIは、市販のものであるか、または、当技術分野において公知の方法に従って合成できるかのいずれかである。これらのハロゲン化物IIを、アジ化ナトリウムと、アセトニトリル、エタノールまたはDMFなどの好適な溶媒中で簡便に反応させて、アジド誘導体IIIを与える。代わりの好ましい条件は、DMA、NMPまたはDMSOのような溶媒の使用を伴い、さらにより好ましいのは、NMPおよびDMSOである。NMPおよびDMSOのような極性非プロトン性溶媒中、アルキル化を、通常、例えばアセトニトリル中より低い温度で、しばしば室温〜40℃で実行することができ(これは、例えば、BnCl、1−クロロ−2−(クロロメチル)ベンゼンまたはPMB−Clの場合である;これは、当然ながらハロゲン化物IIの反応性に依存する)、それ故、より良好なプロセス安全性ウィンドウを提供することができる(注意、有機アジドは、当然ながら潜在的に危険であることが知られており、プロセス安全性は常に注意深く検討される必要がある)。水の添加は、アジ化ナトリウムの溶解性を高めることから有益であり、NaNの硬い塊を溶解することを補助するのでよりロバストな動力学的プロファイルを提供することができる。これはまた、最終アジド反応混合物の良好な濾過性を導くこともできる。反応混合物の濾過は、例えば、その後の付加環化を小チャネルリアクター中にて連続モードで実施するときに必要となり得る。アジドは単離せず、その溶液を次の工程に導入することが最も良い。これはまた、安全性の問題をまた導き得る単離作業を回避する。
【0052】
b)トリアゾール誘導体IVを、ナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシドなどの適切な塩基の存在下、メタノール、エタノールまたはDMFなどの好適な溶媒中でのアジド誘導体IIIと2−シアノアセトアミドとの[3+2]付加環化によって調製することができる。代わりの好ましい条件は、アジドと2−シアノアセトアミドとを、NMPまたはDMSOのような溶媒中、水酸化ナトリウムの存在下で反応させることを伴う。バッチ工程は、通常、室温〜50℃、好ましくは室温〜40℃の間で実施される(注意、プロセス安全性は常に注意深く検討される必要がある)。付加環化工程はまた、連続モードに修正可能であり(関連する文献例については、Org. Process Res. Dev., 2009, 13 (6), pp 1401-1406 を参照されたい)、この場合、反応温度を、50℃よりも高く、例えば(特に限定されないが)、50℃〜90℃の間、好ましくは60℃〜70℃の間に昇温することができる。
【0053】
c)トリアゾール誘導体Vを、DIEA、DMAP、ピリジンなどの塩基の存在下、ハロゲン化アシルでのIVのアシル化によって得ることができる。二重アシル化およびニトリル副生成物の形成が観察されている。これらは、例えば溶媒としてピリジン中で行なわれたとき顕著であり得る。しかしながら、これらは、ピリジンの代わりにDMAまたはNMP、好ましくはDMAを溶媒として使用したときに最小限に抑えることができる。好ましい条件は、50〜100℃、好ましくは75〜85℃の間での、1.0〜2当量、好ましくは1.0〜1.5当量、好ましくは1.5前後の当量のピリジンおよび塩化ピバロイルの使用を伴う。これらの高沸点極性溶媒はまた、その後の付加環化工程の短縮を可能にし、それは工程を大幅に簡素化する。
【0054】
d)トリアゾロピリミジン誘導体VIを、KHCO、NaCOおよび水などの塩基の存在下、メタノール、エタノール、ジオキサンおよびトルエンなどの溶媒ありでまたはなしのいずれかでの、トリアゾール誘導体Vの分子内環化によって調製することができる。代わりの好ましい条件は、溶媒としてのDMAまたはNMP、好ましくはDMAの使用を伴う。反応を、KHCOの存在下、130〜170℃、好ましくは140〜160℃の間で実施することができる。化合物VIは、例えば以下の、互変異性体または互変異性体の混合物として存在してよい:
【0055】
【化3】
【0056】
場合によりアミドアミドIVを、ニトリルR−CNと、KCOなどの塩基の存在下、DMFなどの溶媒中、優先的には溶媒の沸点に近い温度で反応させて、直接ピリミドンVIに到達することができる。
【0057】
e)塩化物VIIを、VIとPOCl、SOClまたは(COCl)などの塩素化試薬との、N,N−ジエチルアニリン、ルチジン、またはピリジンなどの適切な塩基の存在下での反応によって得ることができる。代わりの好ましい条件は、塩素化試薬としてのビルスマイヤー(Vislmeier)試薬の使用を伴う。それはまた、塩化オキサリルとDMFとを反応させることによってインサイチューで生成することもできる。塩素化は、例えば、アセトニトリル、DCMまたはAcOEt中、好ましくは、DCM中で実施することができる。これらの条件は、温和な反応温度を可能にし、そして、例えば、後処理時の過剰なPOClのクエンチを回避する。粗生成物を次の工程に導入することができる。
【0058】
f)塩化物VIIを、トリエチルアミン、DIEAまたはDBUなどの適切な塩基の存在下、アセトニトリル、メタノール、トルエンまたはDMFなどの好適な溶媒中、アミン求核剤と簡便に反応させて、トリアゾロ−ピリミジン誘導体Iを生成する。
【0059】
これらの誘導体は、最終化合物であることができるが、好ましくは、R−CH=置換ベンジル基、例えばp−メトキシベンジルであるとき、これらの基をTFA、CAN、水素化などで開裂させて、誘導体I(R−CH=H)に到達することができる。R−CH=ベンジルは、好適な代替保護基を表す。それは、いくつかの熱安定性の問題を生じることが知られている(例えば、Organic Process Research & Development 2005, 9, 1009-1012 を参照されたい)および供給業者によって品質にばらつきのあるPMB−Clの使用を回避する(対応するアジド中間体IIIの調製の場合)。ベンジル基は、標準的な水素化分解条件下、また、例えば、酸の存在下で開裂することができる。HClを使用するとき、誘導体I(R−CH=H)は塩として単離できる可能性がある。
【0060】
トリアゾール誘導体I(R−CH=H)を、簡便に、DIEA、DBU、KCOまたはCsCOなどの好適な塩基の存在下、DMF、ジオキサンまたはトルエンなどの溶媒中、ハロゲン化物(またはスルホナート、例えばメシラート、ノナフラートまたはトシラート)と反応させるか、あるいは、その代わりに、THF、DCM、トルエンなどの適切な溶媒中、好適なジアゾジカルボキシラート(DEAD、DIADなど)およびホスフィン(PBuまたはPPhなど)を使用した光延反応条件下でアルコールと反応させて、最終トリアゾロ−ピリミジン誘導体Iを与える。
【0061】
出発物質、式IIで示される化合物、工程c)で使用されるアシル化試薬または工程f)で使用されるアミンの1つが、1以上の反応工程の反応条件下で安定でないかまたは反応性である1以上の官能基を含有する場合、適切な保護基(P)(例えば、T.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd edition に記載されているような)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重要な工程の前に導入することができる。そのような保護基は、当技術分野において公知の標準的な方法を使用して、合成の後の段階で除去することができる。
【0062】
式II〜VIIで示される1以上の化合物、工程d)で使用されるアシル化試薬または工程f)で使用されるアミンがキラル中心を含有する場合、式Iで示されるトリアゾロピリミジンをジアステレオマーまたはエナンチオマーの混合物として得ることができ、これを、当技術分野において周知の方法、例えば(キラル)HPLCまたは結晶化によって分離することができる。ラセミ化合物を、例えば、結晶化によってジアステレオマー塩を介して、または、キラル吸着剤もしくはキラル溶離剤のいずれかを使用した特定のクロマトグラフィー法による対掌体の分離によって、それらの対掌体に分離することができる。
【0063】
本発明はまた、式(I)で示される化合物の調製のための工程であって、式(A)
【化4】

で示される化合物を、式(B)
【化5】

[式中、R〜Rおよびnは、上に定義した通りである]
で示される化合物および塩基の存在下で反応させることを含む工程に関する。
【0064】
本発明の工程において、塩基は、例えば、トリエチルアミン、DIEAまたはDBUである。
【0065】
本発明の工程において、溶媒を使用することができ、溶媒を、例えば、アセトニトリル、メタノール、トルエンおよびDMFから選択することができる。
【0066】
したがって、本発明はまた、本発明の工程に従って製造される場合の式(I)で示される化合物に関する。
【0067】
本発明の別の実施態様は、本発明の化合物と治療上不活性な担体、希釈剤または賦形剤とを含有する医薬組成物または医薬、ならびに、そのような組成物および医薬を調製するために本発明の化合物を使用する方法を提供する。一例では、式(I)で示される化合物は、周囲温度、適切なpHおよび所望の純度で、生理学的に許容し得る担体、すなわち、ガレヌス投与剤形に用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性である担体と混合することによって製剤化され得る。製剤化のpHは、主に、特定の用途および化合物の濃度に依存するが、好ましくは、約3〜約8の範囲である。一例では、式(I)で示される化合物は、酢酸緩衝液中、pH5で製剤化される。別の実施態様において、式(I)で示される化合物は、滅菌されたものである。該化合物は、例えば、固体もしくは非晶質組成物として、凍結乾燥製剤として、または水溶液として保存され得る。
【0068】
組成物は、医療実施基準(good medical practice)に合致するように製剤化、調薬および投与される。この状況において考慮される要因は、処置されている特定の障害、処置されている特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与計画および医師に公知の他の要因を含む。
【0069】
本発明の化合物は、経口、局所(口腔および舌下を含む)、直腸、膣内、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内および硬膜外および鼻腔内、ならびに病巣内(局所処置が望まれる場合)投与を含む、任意の好適な手段によって投与され得る。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内または皮下投与を含む。
【0070】
本発明の化合物は、任意の簡便な投与剤形、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤などで投与され得る。そのような組成物は、医薬品で慣用の成分、例えば、希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、増量剤およびさらなる活性剤を含有し得る。
【0071】
典型的な製剤は、本発明の化合物と担体または賦形剤とを混合することによって調製される。好適な担体および賦形剤は、当業者に周知であり、例えば、Ansel, Howard C., et al., Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2004; Gennaro, Alfonso R., et al. Remington: The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia: Lippincott, Williams & Wilkins, 2000; and Rowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005 に詳述されている。製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物またはその医薬組成物)の洗練された体裁を提供するためにまたは医薬品(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、保存料、酸化防止剤、混濁剤(opaquing agents)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、香味料、希釈剤および他の公知の添加物を含み得る。
【0072】
したがって、本発明はまた、以下に関する:
【0073】
治療活性物質としての使用のための式(I)で示される化合物;
【0074】
式(I)で示される化合物と治療上不活性な担体とを含む医薬組成物;
【0075】
疼痛、神経障害性疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、真性糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性移植拒絶反応、慢性移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血/梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎、発熱、肝硬変または腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性脳虚血発作、ブドウ膜炎、喘息、骨粗鬆症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、関節リウマチまたはアレルギーの治療または予防のための医薬の調製のための式(I)で示される化合物の使用;
【0076】
疼痛、神経障害性疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、真性糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性移植拒絶反応、慢性移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血/梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎、発熱、肝硬変または腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性脳虚血発作、ブドウ膜炎、喘息、骨粗鬆症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、関節リウマチまたはアレルギーの治療または予防における使用のための式(I)で示される化合物;
【0077】
疼痛、神経障害性疼痛、アテローム性動脈硬化症、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、真性糖尿病、炎症、炎症性腸疾患、虚血−再灌流傷害、急性肝不全、肝線維症、肺線維症、腎線維症、全身性線維症、急性移植拒絶反応、慢性移植腎症、糖尿病性腎症、糸球体腎症、心筋症、心不全、心筋虚血/梗塞、全身性硬化症、熱傷、火傷、肥厚性瘢痕、ケロイド、歯肉炎、発熱、肝硬変または腫瘍、骨量の制御、神経変性、卒中、一過性脳虚血発作、ブドウ膜炎、喘息、骨粗鬆症、精神疾患、精神病、オンコロジー、脳炎、マラリア、アレルギー、免疫学的障害、関節炎、消化管障害、関節リウマチまたはアレルギーの治療または予防のための方法であって、それを必要とする患者に有効量の式(I)で示される化合物を投与することを含む方法;および
【0078】
CB2受容体の検出またはイメージングのための式(I)で示される化合物の使用。
【0079】
本発明は、以下の実施例によって以降例証されるが、これらは限定性を持つものではない。
【0080】
実施例
略語
MS=質量分析; CAN=硝酸アンモニウムセリウム; CAN=CAS登録番号; Ac=アセチル; DIEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン; DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン; DMF=ジメチルホルムアミド; HPLC=LC=高速液体クロマトグラフィー; HRMS=高分解能質量分析; MeCN=アセトニトリル; NBS=N−ブロモスクシンイミド; NCS=N−クロロスクシンイミド(Chloroosuccinimide); NMRデータは、内部テトラメチルシランに対して百万分の一(δ)で報告され、サンプル溶媒(特に断りのない限り、d6−DMSO)からの重水素ロックシグナルを基準とする; 結合定数(J)は、ヘルツ(Hertz)である; THF=テトラヒドロフラン; TFA=トリフルオロ酢酸; DCM=ジクロロメタン。
【0081】
実施例1
2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド
【化6】
【0082】
a)2−(ブロモメチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド
【化7】

MeCN(2.00mL)中のフェニルメチルスルフォニルフルオリド(CAS 444−31−5、350mg、2.01mmol、1当量)、NBS(429mg、2.41mmol、1.2当量)及びAIBN(33mg、0.20mmol、0.1当量)の混合物を、一晩還流した。溶媒を除去し、トルエン(5mL)を加えた。懸濁液をceliteで濾過し(更なるトルエンですすぐ)、濾液を濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中1.5% EtOAc)により、2−(ブロモメチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド(407mg、1.6mmol、収率80%)を無色の固体として与えた。HRMS(EI+)251.9251(M)。
【0083】
b)2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド
(3S)−1−(5−tert−ブチル−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール(CAS 1433946−74−7、50mg、0.19mmol、1.0当量)及び2−(ブロモメチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド(53mg、0.21mmol、1.1当量)を、DMF(1.0mL)に室温で溶解した。次に、NEt(40μl、0.29mmol、1.5当量)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、5% LiCl水溶液(2×2mL)及びブライン(1×5mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン/AcOH 5:5:1)により、2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド(23mg、0.053mmol、収率28%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)435.1607(M+H)。
【0084】
実施例2
(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メタンスルホニルフルオリド
【化8】
【0085】
a)o−トリルメタンスルホニルフルオリド
【化9】

1−(クロロメチル)−2−メチルベンゼン(CAS 552−45−4、3.35g、23.8mmol、1.00当量)及びチオ尿素(1.81g、23.8mmol、1.00当量)を、EtOH(24mL)と合わせ、1時間還流した。溶媒を除去して無色の固体を得た。MeCN(34.3mL)及びHCl水溶液(2M、6.9mL)を加え、それを固体の大部分が溶解するまで撹拌した。次に、温度が23℃を超えないような速度で(内部温度、氷浴で冷却した)、NCS(12.7g、95.1mmol、4当量)を数回に分けて加えた。添加の完了後、冷却浴を除去し、黄色のワックスを30分間撹拌した。次に、それを、水を含有する添加漏斗(100mL)に注ぎ、移送は、エーテルの助けにより定量化された。次に、水相をジエチルエーテルで抽出した(3×50mL)。合わせた有機物を、飽和NaHCO水溶液(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗物質5.84gを与え、これをアセトン:水(100mL)の3:1 混合物に溶解した。フッ化カリウムを加えた(2.77g、47.6mmol、2当量)。一晩撹拌した後、混合物を水(300mL)で希釈し、エーテルで抽出した(3×100mL)。合わせた有機物を飽和NaHCO水溶液(30mL)、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5% EtOAc)により、o−トリルメタンスルホニルフルオリド(2.04g、10.8mmol、収率45.5%)を一晩凝固させた無色の油状物として与えた。HRMS(EI+)188.0303(M+)。
【0086】
b)(2−(ブロモメチル)フェニル)メタンスルホニルフルオリド
【化10】

o−トリルメタンスルホニルフルオリド(188mg、1.00mmol、1当量)、NBS(196mg、1.10mmol、1.1当量)及び過酸化ベンゾイル(32.3mg、0.10mmol、0.1当量)を、CCl(5.00mL)と合わせ、3時間還流した。溶媒を除去し、シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15% CHCl)により、(2−(ブロモメチル)フェニル)メタンスルホニルフルオリドを無色の固体として与えた(213mg、0.750mmol、純度94%(6%出発物質)、収率71%)。HRMS(EI+)265.9410(M+)。
【0087】
c)(2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}フェニル)メタンスルホニルフルオリド
2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド(実施例1、工程b)の合成について記載した手順と同様にして、5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1438465−59−8、50mg、0.18mmol)及び(2−(ブロモメチル)フェニル)メタンスルホニルフルオリドから標記化合物を調製し、無色の油状物として単離した(15mg、0.032mmol、収率18%)。HRMS(ESI+)469.1624(M+H)。
【0088】
実施例3
[2−({5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル}メチル)フェニル]メタンスルホニルフルオリド
【化11】

2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド(実施例1、工程b)の合成について記載した手順と同様にして、(3S)−1−(5−tert−ブチル−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール(CAS 1433946−74−7、55mg、0.21mmol、1.0当量)及び(2−(ブロモメチル)フェニル)メタンスルホニルフルオリドから標記化合物を調製し、無色の油状物として単離した(31mg、0.069mmol、収率33%)。HRMS(ESI+)449.1767(M+H)。
【0089】
実施例4
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化12】
【0090】
a)1−(アジドメチル)−2−(クロロメチル)ベンゼン
【化13】

o−キシリレンジクロリド(CAS 612−12−4、3.23g、18.4mmol、1.00当量)を、DMSO(18.4mL)に溶解し、NaN(1.20g、18.4mmol、1.00当量)を加えた。2時間後、反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×70mL)。有機相をブライン(2×20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2% EtOAc)を繰り返して、1−(アジドメチル)−2−(クロロメチル)ベンゼン(520mg、2.86mmol、収率15.5%)を無色の油状物として与えた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ= 7.48 - 7.32 (m, 4H), 4.68 (s, 2H), 4.53 (s, 2H)。13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ=136.0, 134.3, 130.8, 130.2, 129.4, 129.2, 52.1, 43.6。
【0091】
b)1−(クロロメチル)−2−(イソチオシアナトメチル)ベンゼン
【化14】

1−(アジドメチル)−2−(クロロメチル)ベンゼン(421mg、2.32mmol、1.00当量)及びトリフェニルホスフィン(669mg、2.55mmol、1.10当量)を、CHCl(4.65mL)に室温で溶解した。CS(1.19mL、19.7mmol、8.50mmol)を加え、それを1時間撹拌した。混合物をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2% EtOAc)にそのまま付して、1−(クロロメチル)−2−(イソチオシアナトメチル)ベンゼン(114mg、0.577mmol、収率24.9%)を無色の油状物として与えた。HRMS(EI+)197.0054(M+)。
【0092】
c)5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド(実施例1、工程b)の合成について記載した手順と同様にして、5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1438465−59−8、56mg、0.20mmol)及び1−(クロロメチル)−2−(イソチオシアナトメチル)ベンゼンから標記化合物を調製し、無色の油状物として単離した(37mg、0.083mmol、収率42%)。HRMS(ESI+)444.1772(M+H)。
【0093】
実施例5
(3S)−1−(5−tert−ブチル−3−{[2−(イソチオシアナトメチル)フェニル]メチル}−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール
【化15】

2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド(実施例1、工程b)の合成について記載した手順と同様にして、(3S)−1−(5−tert−ブチル−3H−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−オール(CAS 1433946−74−7、57mg、0.22mmol、1.0当量)及び1−(クロロメチル)−2−(イソチオシアナトメチル)ベンゼンから標記化合物を調製し、無色の油状物として単離した(45mg、0.106mmol、収率49%)。HRMS(ESI+)424.1916(M+H)。
【0094】
実施例6
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[(2−イソチオシアナトフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化16】

2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド(実施例1、工程b)の合成について記載した手順と同様にして、5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1438465−59−8、45mg、0.16mmol)及び1−ブロモメチル−2−イソチオシアナトベンゼン(CAS 108288−40−0)から標記化合物を調製し、無色の油状物として単離した(20mg、0.047mmol、収率29%)。HRMS(ESI+)430.1621(M+H)。
【0095】
実施例7
2−{[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル}ベンゼン−1−スルホニルフルオリド
【化17】

2−[[5−tert−ブチル−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド(実施例1、工程b)の合成について記載した手順と同様にして、5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1438465−59−8、60mg、0.21mmol)及び2−(ブロモメチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリドから標記化合物を調製し、無色の油状物として単離した(33mg、0.072mmol、収率34%)。HRMS(ESI+)455.1470(M+H)。
【0096】
実施例8
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール
【化18】
【0097】
a)1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート
【化19】

1−[5−tert−ブチル−3−(2−クロロ−ベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]−ピロリジン−3−オール(CAS 1433362−08−3、154mg、0.398mmol、1.00当量)及びNEt(111μL、0.796mmol、2.00当量)を、CHCl(1.80mL)に溶解し、0℃に冷却した。次に、MsCl(62μL、0.80mmol、2.0当量)をCHCl中の溶液(0.40mL)として加えた。40分後、反応混合物を水で希釈し、CHClで抽出した。合わせた有機物を濃縮し、残留物をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5% EtOAc)に付して、1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(170mg、0.366mmol、収率92%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)465.1469(M+H)。
【0098】
b)S−(1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート
【化20】

1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(361mg、0.776mmol、1.00当量)を、DMF(7.76mL)に溶解し、チオ酢酸カリウム(887mg、7.76mmol、10.0当量)を加えて、それを50℃で2時間撹拌した。室温に冷やした後、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機物を、希NaHCO水溶液及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(勾配 ヘキサン中10%〜20% EtOAc)により、S−(1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート(345mg、0.735mmol、収率95%)を無色の固体として与えた。HRMS(ESI+)445.1579(M+H)。
【0099】
c)1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール
S−(1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート(109mg、0.245mmol、1.00当量)を、MeOH及びTHFの1:1混合物(2.40mL)に溶解した。KCO(203mg、1.47mmol、6当量)を加え、それを15分間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(3×20mL)。有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl:ヘキサン:MeOH 50:50:1)により、1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール(86mg、0.21mmol、収率87%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)403.1468(M+H)。
【0100】
実施例9
1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}アゼチジン−3−チオール
【化21】

アセトニトリル(3mL)中の5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1433362−85−6、20mg、59.5μmol)、アゼチジン−3−チオール塩酸塩(CAS 179337−60−1、11.2mg、89.2μmol)及びDIPEA(23.1mg、30.5μL、178μmol)の懸濁液を、周囲温度で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を分取TLC(シリカゲル、2.0mm、3:1 ヘプタン:EtOAc)により精製して、標記化合物(11mg、48%)を無色の半固体油状物として与えた。HRMS(ESI+)389.1297(M+H)。
【0101】
実施例10
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール又はエナンチオマー
【化22】
【0102】
a)3−((5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール
【化23】

5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(CAS 1919022−49−3、235mg、0.812mmol、1.00当量)及びDMF 1滴を、CHCl(2.71mL)に溶解した。塩化オキサリル(80μL、0.89mmol、1.1当量)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。Celiteを加え、溶媒を除去した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中0.5% MeOH)により、3−((5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール(230mg、0.757mmol、収率92%)を無色の固体として与えた。HRMS(MALDI+)308.1021(M)。
【0103】
b)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート塩酸塩
【化24】

3−メタンスルホニルオキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(CAS 141699−57−2、768mg、2.89mmol、1.00当量)を、EtO(8.7mL)に溶解し、HCl(ジオキサン中4M、8.68mL、17.4mmol、6当量)を加えた。混合物を一晩撹拌し、濃縮して、残留物を更なる精製なしで用いた。
【0104】
c)1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート
【化25】

3−((5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール(300mg、0.98mmol、1.00当量)を、CHCl(4.87mL)に室温で溶解し、ピロリジン−3−イルメタンスルホナート塩酸塩(216mg、1.07mmol、1.10当量)を加えた。次に、NEt(272μL、1.95mmol、2.00当量)を加え、それを30分間撹拌した。Celiteを加え、溶媒を蒸発させた。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50% EtOAc)により、1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(426mg、0.89mmol、収率91%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)437.1715(M+H)。
【0105】
d)S−(1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート
【化26】

1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(147mg、0.337mmol、1.0当量)及びチオ酢酸カリウム(385mg、3.37mmol、10.0当量)を、DMF(1.8mL)と合わせ、50℃に2時間加熱した。反応混合物を室温に冷やし、EtOAc(50mL)で希釈した。有機相を水(10mL)、5% LiCl水溶液(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15% EtOAc)により、S−(1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート(107mg、0.257mmol、収率76%)を与えた。HRMS(ESI+)417.1813(M+H)。
【0106】
e)S−[(3S)−1−[5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]ピロリジン−3−イル]エタンチオアート
【化27】

ラセミのS−(1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート(107mg、0.257mmol)を、キラルHPLCによる分離に付して、標記化合物を与えた(25mg、0.06mmol、23%)。
【0107】
f)(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール
THF(3mL)、水(1mL)及びメタノール(1mL)中のS−[(3S)−1−[5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]ピロリジン−3−イル]エタンチオアート(25mg、0.06mmol)とKCO(45.6mg、330μmol)との混合物を、周囲温度で72時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した(2×30mL)。合わせた抽出物を水/ブライン(1:1)で洗浄し、NaSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。粗物質を分取TLC(シリカゲル、1.0mm、1:1 ヘプタン/EtOAc)により精製して、標記化合物(12mg、収率52%)を無色の固体として与えた。MS(ESI):m/z=374.1[M]
【0108】
実施例11
(3R)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール又はエナンチオマー
【化28】
【0109】
a)S−[(3R)−1−[5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]ピロリジン−3−イル]エタンチオアート
【化29】

ラセミのS−(1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート(107mg、0.257mmol)を、キラルHPLCによる分離に付して、標記化合物を与えた(33mg、0.08mmol、31%)。
【0110】
b)(3R)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール
実施例10(工程f)に記載した手順と同様にして、S−[(3R)−1−[5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル]ピロリジン−3−イル]エタンチオアートを加水分解して、標記化合物(14mg、61%)を無色の固体として得た。MS(ESI):m/z=374.1[M]
【0111】
実施例12
(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール又はエナンチオマー
【化30】

(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール(実施例10、工程a、c−f)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物(11mg、60%)を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1433362−85−6)から無色の固体として調製した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ= 1.20 - 1.32 (m, 1 H) 1.36 (s, 9 H) 2.17 - 2.50 (m, 2 H) 3.87 - 4.20 (m, 2 H) 4.25 - 4.61 (m, 2 H) 5.86 (s, 2 H) 7.14 - 7.25 (m, 3 H) 7.38 - 7.41 (m, 1 H)。
【0112】
実施例13
(3R)−1−{5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール又はエナンチオマー
【化31】

(3S)−1−{5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル}ピロリジン−3−チオール(実施例10、工程c−f)の合成について記載した手順と同様にして、標記化合物(12mg、60%)を、5−tert−ブチル−7−クロロ−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1433362−85−6)から無色の固体として調製した。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ= 1.21 - 1.32 (m, 1 H) 1.36 (s, 9 H) 2.19 - 2.39 (m, 2 H) 3.87 - 4.22 (m, 2 H) 4.27 - 4.61 (m, 2 H) 5.86 (s, 2 H) 7.13 - 7.25 (m, 3 H) 7.38 - 7.40 (m, 1 H)。
【0113】
実施例14
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化32】

1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(194mg、0.444mmol、1.00当量)を、DMF(3.70mL)に溶解し、NaN(144mg、2.22mmol、5当量)を加えた。反応混合物を90℃で1時間撹拌した。室温に冷やした後、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20% EtOAc)により、7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(153mg、0.399mmol、収率90%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)384.2005(M+H)。
【0114】
実施例15
5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化33】
【0115】
a)1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−アミン
【化34】

7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(32mg、0.078mmol、1.0当量)、水(28μL、1.6mmol、20当量)及びPPh(41mg、0.16mmol、2.0当量)を、THF(710μL)と合わせ、50℃で1.5時間撹拌した。Celiteを加え、溶媒を除去した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中10% MeOH)により、1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−アミン(21mg、0.054mmol、収率70%)を無色の固体として与えた。HRMS(ESI+)386.1857(M+H)。
【0116】
b)5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−アミン(12mg、0.031mmol、1.0当量)を、THF(155μL)中のN,N’−チオカルボニルジイミダゾール(11mg、0.062mmol、2.0当量)と合わせ、一晩撹拌した。Celiteを加え、溶媒を除去した。シリカのフラッシュクロマトグラフィーにより、5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(6.5mg、0.015mmol、収率49%)を無色の油状物として与えた。1H NMR (300 MHz, クロロホルム−d) δ=7.43 - 7.38 (m, 1H), 7.27 - 7.17 (m, 3H), 5.87 (s, 2H), 4.64 - 4.47 (m, 2H), 4.40 - 4.27 (m, 1H), 4.17 - 4.04 (m, 1H), 4.02 - 3.92 (m, 1H), 2.55 - 2.27 (m, 2H), 1.37 (s, 9H)。
【0117】
実施例16
5−tert−ブチル−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化35】

7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(50mg、0.13mmol、1.0当量)、PPh(41mg、0.16mmol、1.2当量)を、THF(650μL)に溶解し、CS(79μL、1.3mmol、10当量)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。Celiteを加え、溶媒を除去した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20% EtOAc)により、5−tert−ブチル−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(33mg、0.083mmol、収率63%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)400.1665(M+H)。
【0118】
実施例17
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化36】

7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例14)の合成について記載した手順と同様にして、1−(5−(tert−ブチル)−3−(2−クロロベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナートから標記化合物を調製して、無色の油状物として単離した。HRMS(ESI+)412.1763(M+H)。
【0119】
実施例18
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化37】
【0120】
a)5−アミノ−1−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化38】

5−アミノ−1−(2−クロロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(CAS 93444−91−8、2.01g、15.2mmol、1.0当量)及びDIPEA(0.27mL、1.52mmol、0.1当量)を、DMSO(9.7mL)に溶解し、NaN(1.04g、15.9mmol、1.05当量)を数回に分けて加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。第二の反応器において、シアノアセトアミド(1.91g、22.8mmol、1.5当量)を、DMSO(7.8mL)及び水(1.2mL)に溶解した。次に、32% NaOH水溶液(1.4mL、15.2mL、1.0当量)をゆっくり加え(発熱性)、混合物を15分間撹拌した。有機アジドの予め調製した溶液を、ゆっくり加え(発熱性)、反応混合物を室温で一晩撹拌した。水(20mL)をゆっくり加えた(発熱性)。得られた懸濁液を0℃に冷却し、1時間撹拌した。濾過(水、2×5mLで洗浄した)し、乾燥して、5−アミノ−1−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(2.0g、9.0mmol、収率59%)をベージュ色の固体として与えた。
【0121】
b)5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン
【化39】

5−アミノ−1−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(1.50g、6.72mmol、1.00当量)、2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトニトリル(1.60g、10.5mmol、1.56当量)及びKCO(4.64g、33.6mmol、5.00当量)を、DMF(19.2ml)と合わせ、90℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷やし、氷水に注いだ。HCl水溶液(1M)をpH=3まで加え、それをEtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機物を5% LiCl水溶液及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、褐色の油状物を得た。残留物を2−PrOHでトリチュレートし、濾過して、微黄色の固体を与えた(1.45g)。濾液(filrate)を濃縮し、シリカのクロマトグラフィー(CHCl:アセトン 9:1+1% MeOH)に付した。生成物を含有する画分を合わせ、濃縮し、残留物を2−PrOHで再びトリチュレートして、5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オンの別の生成物を与えた(合わせた1.72g、4.79mmol、収率71%)。HRMS(ESI+)360.1015(M+H)。
【0122】
c)3−((7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール
【化40】

5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(112mg、0.237mmol、1.00当量)を、CHCl(790μL)に溶解し、DMF 1滴を加えた。塩化オキサリル(42μL、0.474mmol、2.00当量)を滴下し、混合物を1.5時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷やし、EtOAc(30mL)で希釈した。有機相を水及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20% EtOAc)により、3−((7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール(80mg、0.21mmol、収率89%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)378.0677(M+H)。
【0123】
d)1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート
【化41】

3−((7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)−4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール(151mg、0.401mmol、1.00当量)を、ピロリジン−3−イルメタンスルホナート塩酸塩(97mg、0.48mmol、1.2当量)及びCHCl(1.34mL)と合わせた。NEt(112μL、0.802mmol、2.00当量)を加え、混合物を30分間撹拌した。Celiteを加え、溶媒を除去した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50% EtOAc)により、1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(165mg、0.326mmol、収率81%)を与えた。HRMS(ESI+)507.1374(M+H)。
【0124】
e)S−(1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート
【化42】

S−(1−(5−(tert−ブチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート(実施例10、工程f)の合成について記載した手順と同様にして、1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(92mg、0.182mmol)から標記化合物を合成して、僅かに黄色のワックスとして単離した(80mg、0.164mmol、収率91%)。1H NMR (300 MHz, クロロホルム−d) δ= 7.70 - 7.62 (m, 2H), 7.42 - 7.35 (m, 3H), 5.90 (s, 2H), 4.61 (dd, J=12.2, 6.2, 0.5H), 4.34 - 4.08 (m, 3H), 3.89 (td, J=7.0, 2.9, 1H), 3.76 (dd, J=12.5, 4.7, 0.5H), 2.63 - 2.39 (m, 1H), 2.36 (s, 1.5H), 2.34 (s, 1.5H), 2.34 (s, 3H), 2.24 - 2.01 (m, 1H)、回転異性体の混合物。
【0125】
f)1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−チオール
【化43】

S−(1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イル)エタンチオアート(35mg、0.072mmol、1.0当量)を、THF(700μL)に溶解し、0℃に冷却した。NaOMe(MeOH中1M、94μL、0.94mmol、1.3当量)を加え、それを1時間撹拌した。飽和NHCl水溶液を加え、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25% EtOAc)により、1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−チオール(22mg、0.049mmol、収率69%)を無色の固体として与えた。HRMS(ESI+)445.1371(M+H)。
【0126】
g)5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
NaHPO−緩衝液(0.5M、260μL)及びEtOH(450μL)中の1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−チオール(19mg、0.043mmol、1.0当量)の溶液に、メチルメタンチオスルホナート(160μl、0.056mmol、1.3当量、EtOH 1:30で希釈)を加えた。混合物を12時間撹拌した。更にメチルメタンチオスルホナート(40μl、0.011mmol、0.3当量)を加えた。混合物を2時間撹拌した。EtOAc(100mL)を加えた。混合物を水及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させて、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20% EtOAc)により、5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(14mg、0.029mmol、収率67%)を、無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)491.1245(M+H)。
【0127】
実施例19
3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化44】

5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[3−(メチルジスルファニル)ピロリジン−1−イル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例18、工程b−g)の合成について記載した手順と同様にして、5−アミノ−1−(2−クロロベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(CAS 93444−91−8)から標記化合物を調製して、無色の油状物として単離した。HRMS(ESI+)519.0995(M+H)。
【0128】
実施例20
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化45】

7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例14)の合成について記載した手順と同様にして、1−(5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−((4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(66mg、0.13mmol、1.0当量)から標記化合物を調製して、無色の固体として単離した(54mg、0.12mmol、収率91%)。HRMS(ESI+)454.1661(M+H)。
【0129】
実施例21
7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化46】

7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−tert−ブチル−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例14)の合成について記載した手順と同様にして、1−(3−(2−クロロベンジル)−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)ピロリジン−3−イルメタンスルホナート(64mg、0.12mmol、1.0当量)から標記化合物を調製して、無色の固体として単離した(47mg、0.098mmol、収率82%)。HRMS(ESI+)482.1412(M+H)。
【0130】
実施例22
3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化47】

7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(31mg、0.064mmol、1.0当量)及びCS(39μL、0.64mmol、10当量)を、THF(322μL)に溶解し、PPh(20mg、0.77mmol、1.2当量)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。Celiteを加え、溶媒を除去した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25% EtOAc)により、3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(16mg、0.032mmol、収率50%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)498.1069(M+H)。
【0131】
実施例23
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化48】

3−[(2−クロロフェニル)メチル]−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3−イソチオシアナトピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例22)の合成について記載した手順と同様にして、7−(3−アジドピロリジン−1−イル)−5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−3−[(4−メチル−1,2,5−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(39mg、0.086mmol、1.0当量)から標記化合物を調製して、無色の油状物として単離した(18mg、0.038mmol、収率45%)。HRMS(ESI+)470.1314(M+H)。
【0132】
実施例24
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド
【化49】
【0133】
a)5−アミノ−1−(2−(ベンジルチオ)ベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化50】

5−アミノ−1−(2−ビニルベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(実施例27、工程a)について記載した手順と同様にして、o−ベンジルメルカプトベンジルクロリド(CAS 4521−46−4、3.39g、13.6mmol、1.00当量)、アジ化ナトリウム(930mg、14.3mmol、1.05当量)及び2−シアノアセトアミド(1.72g、20.4mmol、1.50当量)から標記化合物を調製して、無色の固体として単離した(4.03g、11.9mmol、87%)。HRMS(ESI+)362.1051(M+Na)。
【0134】
b)3−(2−(ベンジルチオ)ベンジル)−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン
【化51】

5−アミノ−1−(2−(ベンジルチオ)ベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(679mg、2.00mmol、1.00当量)を、DMF(4mL)、2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトニトリル(459mg、3.00mmol、1.50当量)及びKCO(1.38g、10.0mmol、5.00当量)と合わせ、90℃に一晩加熱した。室温に冷やした後、水を加えた。沈殿物を濾過して、不純物質を生成した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中20% アセトン)による更なる精製が、標記化合物を黄色の固体として与えた(406mg、0.854mmol、43%)。HRMS(ESI+)479.1347(M+H)。
【0135】
c)2−((7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド
【化52】

3−(2−(ベンジルチオ)ベンジル)−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(150mg、0.315mmol、1.00当量)を、MeCN(6.4mL)、AcOH(80μL)及び水(0.16mL)と合わせ、−13℃(氷水NaCl、外部温度)に冷却した。1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(124mg、0.631mmol、2.00当量)を加え、それを同じ温度で1.5時間撹拌した。次に、反応混合物をCHCl(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗物質をアセトン(1.0mL)と水(50μL)との混合物に溶解した。フッ化カリウム(92mg、1.6mmol、5.0当量)を室温で加え、それを一晩撹拌した。反応混合物をCHCl(100mL)で希釈し、濾過し、MgSOで乾燥させ、再び濾過して、濃縮した。残留物をCHCl(1.6mL)で再溶解した。DMF(25μL、0.32mmol、1.0当量)を、続いて塩化オキサリル(56μL、0.63mmol、2.0当量)を加えた。反応混合物を一晩加熱還流した。TLC分析が変換の不完全を示したとき、別の部分の塩化オキサリル(56μL、0.63mmol、2.0当量)を加え、撹拌を還流温度で2時間続けた。反応混合物を室温に冷やし、EtOAc(100mL)で希釈し、半飽和重炭酸ナトリウム水溶液、5% LiCl水溶液及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAcから15%〜20%)により、標記化合物を黄色の油状物として与えた(48mg、0.11mmol、3工程で33%)。HRMS(ESI+)454.0352(M+H)。
【0136】
d)2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド
【化53】

2−((7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド(20mg、0.044mmol、1.0当量)を、(S)−ピロリジン−3−オール(4.2mg、0.048mmol、1.1当量)及びCHCl(0.2mL)と合わせた。トリエチルアミン(9.2μL、0.066mmol、1.5当量)を加えた。室温で30分後、反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、5% LiCl水溶液及びブライン(2×)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50% EtOAc)により、標記化合物を無色の油状物として与えた(16mg、0.032mmol、72%)。HRMS(ESI+)505.1261(M+H)。
【0137】
実施例25
2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]メチルジスルファニル]エタノール
【化54】
【0138】
a)S−2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)ベンジルベンゾチオアート
【化55】

S−2−(ヨードメチル)ベンジルベンゾチオアート(160mg、0.435mmol、1.05当量)及び5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1438465−59−8、117mg、0.414mmol、1.00当量)を、DMF(0.8mL)に溶解した。NEt(87μL、0.62mmol、1.5当量)を加え、それを室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、5% LiCl水溶液(3×10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5% EtOAc〜20%)により、標記化合物を無色の油状物として与えた(90mg、0.172mmol、42%)。HRMS(ESI+)523.2083(M+H)。
【0139】
b)2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]メチルジスルファニル]エタノール
S−2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)ベンジルベンゾチオアート(34mg、0.065mmol、1.0当量)を、MeOH(1mL)とTHF(0.8mL)との混合物に溶解した。KCO(45mg、0.33mmol、5.0当量)を加え、TLCが出発物質の変換の完了を示すまでそれを撹拌した。次に、混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、HCl水溶液(0.5M)、水及びブライン(各10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。残留物をCHCl(0.2mL)に溶解し、CHCl(0.65mL)中のベンゾトリアゾール(7.7mg、0.065mmol、1.0当量)及び1−クロロベンゾトリアゾール(15mg、0.095mmol、1.5当量)の溶液に−78℃で加えた。溶液を−20℃に温め、その温度で20分間保持した。CHCl中のメルカプトエタノール(0.5M、0.21mL、0.11mmol、1.6当量)の溶液を加えた。溶液を−20℃で30分間保持した。反応物を水(0.4mL)及び飽和重炭酸ナトリウム(0.4mL)中のチオ硫酸ナトリウム・5HO(16mg、0.065mmol、1.0当量)の溶液の添加によりクエンチし、それを0℃で10分間撹拌した。水(5mL)を加え、水相をCHClで抽出した(3×2mL)。合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5% EtOAc〜25%)により、ベンゾトリアゾールが混入していた生成物を与えた。第2のシリカのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中7.5% EtOAc)により、標記化合物を無色の油状物として与えた(7.0mg、0.014mmol、2工程で22%)。HRMS(ESI+)495.1808(M+H)。
【0140】
実施例26
2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]ベンゼンスルホニルフルオリド
【化56】

2−((7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド(10mg、0.022mmol、1.0当量)及び3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(3.3mg、0.023mmol、1.05当量)を、CHCl(0.1mL)と合わせた。トリエチルアミン(7μL、0.46mmol、2.1当量)を加えた。30分後、混合物をフラッシュクロマトグラフィーにそのまま付して、標記化合物を無色の泡状物として生成した(10mg、0.019mmol、87%)。
【0141】
実施例27
5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化57】
【0142】
a)5−アミノ−1−(2−ビニルベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化58】

アジ化ナトリウム(0.852g、13.1mmol、1.05当量)を、DMSO(12.5mL)中のクロロメチルスチレン(CAS 22570−84−9、1.91g、12.5mmol、1.00当量)及びDIPEA(0.22mL、1.3mmol、0.10当量)の溶液を数回に分けて加え、室温で1.5時間撹拌した。次に、懸濁液を、DMSO(12.5mL)中の2−シアノアセトアミド(1.58g、18.7mmol、1.50当量)及び20% NaOH水溶液(2.25mL、12.5mmol、1.00当量)の溶液に移し、得られた混合物を室温で3.5時間撹拌した。氷浴で冷却しながら、水(100mL)を加えた。20分後、懸濁液を濾過した。フィルターケークを水(3×40mL)、EtOH(2×20mL)及びジエチルエーテル(2×20mL)で洗浄して、標記化合物を無色の固体として生成した(2.23g、9.15mmol、73%)。1H NMR (300 MHz, アセトン−d6) δ 7.63 - 7.56 (m, 1H), 7.38 - 7.23 (m, 2H), 7.17 (dd, J=17.3, 11.0 Hz, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.90 - 6.81 (m, 1H), 6.41 (s, 1H), 5.97 (s, 2H), 5.75 (dd, J=17.3, 1.4 Hz, 1H), 5.54 (s, 2H), 5.38 (dd, J=11.1, 1.3 Hz, 1H)。
【0143】
b)5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン
【化59】

2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトニトリル(629mg、4.11mmol、2.00当量)及びKCO(1.42g、10.3mmol、5.00当量)を、DMF(6.9mL)中の5−アミノ−1−(2−ビニルベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(500mg、2.06mmol、1.00当量)の溶液に加えた。フラスコにキャップをし、80℃に予熱した油浴中に置いた。3時間後、更に2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトニトリル(157mg、1.03mmol、0.50当量)を加え、混合物を80℃で一晩撹拌した。室温に冷やした後、水(10mL)及び2M HCl水溶液(5.2mL)を加えた。得られた懸濁液を20分間撹拌し、次に濾過した。フィルターケークを水(30mL)、EtOH(30mL)及びエーテル(30mL)で洗浄し、乾燥させて、標記化合物を無色の固体として与えた(357mg、0.941mmol、46%)。HRMS(ESI+)380.1319(M+H)。
【0144】
c)7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化60】

POCl(0.36mL、3.9mmol、2.0当量)を、トルエン(14.8mL)とMeCN(14.8mL)との混合物中の5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7(4H)−オン(0.74g、2.0mmol、1.0当量)及びDMF(触媒)の溶液に加えた。得られた混合物を80℃で6時間撹拌した。更にPOCl(0.37mL、4.0mmol、1.0当量)を加え、混合物を80℃で一晩撹拌した。室温に冷やした後、EtOAc(80mL)を加えた。溶液を水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)により、標記化合物(617mg、1.55mmol、80%)を黄色の固体として与えた。HRMS(ESI+)398.0986(M+H)。
【0145】
d)5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化61】

トリエチルアミン(70μL、0.50mmol、2.5当量)を、CHCl(2mL)中の7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(80mg、0.20mmol、1.0当量)と3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(35mg、0.24mmol、1.2当量)との混合物に加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。揮発物を除去し、残留物をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)に付して、標記化合物(91mg、0.19mmol、97%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)469.1758(M+H)。
【0146】
e)S−2−((5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェネチルエタンチオアート
【化62】

5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(20mg、0.043mmol、1.0当量)を、DMF(0.7mL)、チオ酢酸(0.012mL、0.17mmol、4.0当量)及びBi(0.2mg、0.4μmol、0.01当量)と合わせ、混合物に窒素を散布した。BrCCl(0.4μL、4μmol、0.1当量)を加え、混合物を家庭用電球(15W)で一晩照射した。EtOAc及び水の添加後、層を分離した。有機層を5% LiCl水溶液及びブラインで洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜40% EtOAc)により、標記化合物を与えた(10mg、0.018mmol、43%)。HRMS(ESI+)567.1549(M+Na)。
【0147】
f)2−(2−((5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール
【化63】

CO(37mg、0.26mmol、2.0当量)を、MeOH(1.0mL)とTHF(0.2mL)との混合物中のS−2−((5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェネチルエタンチオアート(72mg、0.13mmol、1.0当量)の溶液に加えた。得られた反応混合物を24時間撹拌した。EtOAc(30mL)を加えた。有機物を2M HCl水溶液(20mL)、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。MgSO乾燥させ、濾過後、溶媒を除去して、標記化合物(64mg、0.13mmol、96%)を与え、これを続く反応にそのまま用いた。
【0148】
g)5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
2−(2−((5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(20mg、0.040mmol、1.0当量)を、CHCl(0.4mL)中の1−クロロベンゾトリアゾール(9.2mg、0.060mmol、1.5当量)及びベンゾトリアゾール(4.7mg、0.040mmol、1.0当量)の溶液に−78℃で加え、−20℃で1時間撹拌した。ピリジン−2−チオール(6.6mg、0.060mmol、1.5当量)を−20℃で加え、混合物を6時間撹拌した。混合物をNa水溶液及び飽和NaHCO水溶液でクエンチした。有機層を分離し、水相をCHClで抽出した(3×10mL)。合わせた有機物を濃縮し、残留物を分取TLC(ヘキサン中20% EtOAc)に付して、標記化合物(6.5mg、0.001mmol、27%)を無色の油状物として与えた。HRMS(ESI+)612.1613(M+H)。
【0149】
実施例28
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール
【化64】

ヨウ素(30mg、0.12mmol、3.0当量)を、CHCl(0.3mL)及びMeOH(0.1mL)中の2−メルカプトエタノール(0.014mL、0.20mmol、5.0当量)、ピリジン(0.019mL、0.24mmol、6.0当量)及び2−(2−((5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(20mg、0.040mmol、1.0当量)の溶液に数回に分けて加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。EtOAc(20mL)を加え、溶液をブライン(10mL)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。分取TLC(CHCl中5% EtOAc)が、標記化合物を与えた(9mg、0.02mmol、39%)。HRMS(ESI+)579.1613(M+H)。
【0150】
実施例29
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール
【化65】
【0151】
a)5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化66】

5−アミノ−1−(2−ビニルベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(1.00g、4.11mmol、1.00当量)をジメチルアセトアミド(3.4mL)に溶解した。ピリジン(0.499mL、6.17mmol、1.50当量)、塩化ピバロイル(0.759mL、6.17mmol、1.50当量)を加えた。得られた混合物を85℃で5.5時間撹拌し、その後、KHCO(2.06g、20.6mmol、5.00当量)を加えた。温度を155℃に上昇し、それを一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷やした。水を加え、得られた懸濁液を濾過した。フィルターケークをエタノール及びエーテルで洗浄し、乾燥させて、中間体トリアゾロピリミドン(1.22g)を与えた。中間体を、MeCN(11.4mL)、POCl(0.74mL、7.9mmol、2.0当量)及びN,N−ジエチルアニリン(0.63mL、4.0mmol、1.0当量)と合わせた。得られた混合物を80℃で一晩撹拌した。室温に冷やした後、EtOAc(80mL)を加えた。溶液を水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)により、標記化合物を黄色の固体として与えた(847mg、2.58mmol、2工程で63%)。HRMS(ESI+)328.1327(M+H)。
【0152】
b)5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化67】

5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(847mg、2.58mmol、1.00当量)及び3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(445mg、3.10mmol、1.20当量)を、CHCl(25mL)と合わせた。トリエチルアミン(0.90mL、6.5mmol、2.5当量)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。揮発物を除去し、残留物をシリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)に付して、標記化合物を無色の油状物として与えた(968mg、2.43mmol、94%)。HRMS(ESI+)399.2101(ESI+H)。
【0153】
c)S−2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェネチルエタンチオアート
【化68】

AIBN(21mg、0.13mmol、0.10当量)を、トルエン(5mL)中の5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(500mg、1.26mmol、1.0当量)及びチオ酢酸(0.90mL、13mmol、10当量)の溶液に加えた。混合物を窒素で10分間パージし、還流温度で一晩加熱した。更にAIBN(21mg、0.13mmol、0.10当量)を加え、混合物を更に10時間還流した。室温に冷やした後、EtOAc(100mL)を加えた。溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×40mL)及びブライン(40mL)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)により、標記化合物を与えた(393mg、0.828mmol、66%)。
【0154】
d)2−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール
【化69】

S−2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェネチルエタンチオアート(100mg、0.211mmol、1.00当量)を、MeOH(4.0mL)及びTHF(1.0mL)に溶解した。KCO(58mg、0.42mmol、2.0当量)を加え、混合物を一晩撹拌した。EtOAc(40mL)を加え、溶液を2M HCl水溶液(20mL)、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。粗チオールを更に精製することなく続く反応に用いた。
【0155】
e)2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール
ヨウ素(35mg、0.14mmol、3.0当量)を、CHCl(0.3mL)及びMeOH(0.1mL)中の2−メルカプトエタノール(0.016mL、0.23mmol、5.0当量)、ピリジン(0.022mL、0.28mmol、6.0当量)及び2−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(20mg、0.046mmol、1.0当量)の溶液に数回に分けて加えた。得られた混合物を室温で8時間撹拌した。EtOAc(20mL)を加え、この溶液をブライン(10mL)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。分取TLC(CHCl中5% EtOAc)が、標記化合物を与えた(4mg、0.008mmol、17%)。HRMS(ESI+)509.1962(M+H)。
【0156】
実施例30
3−[[2−[2−(ベンゾトリアゾール−1−イルスルホニル)エチル]フェニル]メチル]−5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化70】

2−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(15mg、0.035mmol、1.0当量)を、CHCl(0.3mL)中のN−クロロベンゾトリアゾール(8.0mg、0.052mmol、1.5当量)及びベンゾトリアゾール(4.1mg、0.035mmol、1.0当量)に加え、−78℃で1時間撹拌した。次に、2−メルカプトエタノール(7μL、0.1mmol、1.5当量)を−20℃で加え、混合物を室温に温めた。反応物をNa水溶液及び飽和NaHCO水溶液の添加によりクエンチした。相を分離し、水相をCHClで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層を真空下で濃縮し、残留物を分取TLC(ヘキサン中20% EtOAc)に付して、標記化合物を生成した(2mg、3μmol、10%)。HRMS(ESI+)582.2206(M+H)。
【0157】
実施例31
2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エタンスルホニルフルオリド
【化71】

N−クロロスクシンイミド(20mg、0.15mmol、4.0当量)を、MeCN(0.6mL)と2M HCl水溶液(0.12mL、0.24mmol、6.5当量)との混合物中のS−2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェネチルエタンチオアート(18mg、0.037mmol、1.0当量)の溶液に、0℃でゆっくりと加えた。得られた溶液を40分間撹拌した。EtOAc(20mL)及び飽和NaHCO(20mL)を加え、層を分離した。有機相をブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗スルホニルクロリドを与え、アセトン(0.5mL)と水(0.025mL)との混合物に溶解した。フッ化カリウム(10mg、0.18mmol、5.0当量)を加え、混合物を室温で6.5時間撹拌した。EtOAc(20mL)を加えた。有機物を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。分取TLC(ヘキサン中20% EtOAc)が、標記化合物(9mg、0.02mmol、53%)を与えた。HRMS(ESI+)483.1780(M+H)。
【0158】
実施例32
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
【化72】

5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例27、工程g)の合成について記載した手順と同様にして、CHCl(0.3mL)中の2−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(20mg、0.046mmol、1.0当量)、ピリジン−2−チオール(26mg、0.23mmol、5.0当量)、ヨウ素(35mg、0.14mmol、3.0当量)及びピリジン(0.022mL、0.28mmol、6.0当量)から標記化合物を調製して、分取TLCにより単離した(6mg、0.01mmol、24%)。HRMS(ESI+)542.1972(M+H)。
【0159】
実施例33
2−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタンアミン
【化73】

5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例27、工程g)の合成について記載した手順と同様にして、CHCl(1.0mL)及びMeOH(0.3mL)中の2−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(30mg、0.069mmol、1.0当量)、2−アミノエタンチオール(27mg、0.35mmol、5.0当量)、ヨウ素(53mg、0.21mmol、3.0当量)及びピリジン(0.034mL、0.42mmol、6.0当量)から標記化合物を調製して、分取TLC(CHCl中20% MeOH、1% NEt)により油状物として単離した(5.5mg、0.008mmol、16%)。HRMS(ESI+)508.2118(M+H)。
【0160】
実施例34
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタンアミン
【化74】

5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)エチル]フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例27、工程g)の合成について記載した手順と同様にして、CHCl(0.5mL)及びMeOH(0.2mL)中の2−(2−((5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(20mg、0.040mmol、1.0当量)、2−アミノエタンチオール(15mg、0.20mmol、5.0当量)、ヨウ素(30mg、0.12mmol、3.0当量)及びピリジン(0.019mL、0.24mmol、6.0当量)から標記化合物を調製して、分取TLC(CHCl中20% MeOH、1% NEt)により油状物として単離した(4.5mg、0.008mmol、20%)。HRMS(ESI+)578.1774(M+H)。
【0161】
実施例35
3−[2−[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]プロパン−1,2−ジオール
【化75】

2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]メチルジスルファニル]エタノール(実施例25、工程b)の合成について記載した手順と同様にして、S−2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)ベンジルベンゾチオアート(25mg、0.058mmol、1.0当量)及びチオグリセロール(9.4mg、0.087mmol、1.5当量)から標記化合物を調製して、分取TLC(CHCl中40% EtOAc)により無色の油状物として単離した(22mg、0.041mmol、71%)。HRMS(ESI+)539.2070(M+H)。
【0162】
実施例36
2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]ジスルファニル]エタノール
【化76】
【0163】
a)5−アミノ−1−(2−ヨードベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化77】

5−アミノ−1−(2−ビニルベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(実施例27、工程a)の合成について記載した手順と同様にして、2−ヨードベンジルメタンスルホナート(CAS 183789−20−0、6.67g、21.4mmol、1.00当量)から標記化合物を調製して、無色の固体として単離した(6.32g、18.4mmol、86%)。HRMS(ESI+)344.0010(M+H)。
【0164】
b)5−(tert−ブチル)−3−(2−ヨードベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−7(4H)−オン
【化78】

5−アミノ−1−(2−ヨードベンジル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(0.500g、1.46mmol、1.00当量)をジメチルアセトアミド(2.4mL)に溶解した。ピリジン(0.18mL、2.2mmol、1.5当量)及び塩化ピバロイル(0.27mL、2.2mmol、1.5当量)を加え、混合物を85℃で4時間撹拌した。KHCO(1.01g、7.29mmol、5.0当量)を加え、混合物を155℃で一晩撹拌した。溶液を室温に冷やした。水(100mL)を加え、得られた懸濁液を濾過した。フィルターケーキを水(50mL)、EtOH(50mL)及びジエチルエーテル(50mL)で洗浄し、乾燥させて、標記化合物(120mg、0.293mmol、20%)を無色の固体として与えた。HRMS(ESI+)410.0467(M+H)。
【0165】
c)5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3−(2−ヨードベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン
【化79】

7−クロロ−5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例27、工程c)の合成について記載した手順と同様にして、5−(tert−ブチル)−3−(2−ヨードベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−7(4H)−オン(180mg、0.440mmol、1.00当量)から標記化合物を調製して、無色の固体として単離した(130mg、0.304mmol、69%)。HRMS(ESI+)428.0128(M+H)。
【0166】
d)5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−(2−ヨードベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン
【化80】

5−(ジフルオロ(フェニル)メチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−(2−ビニルベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(実施例27、工程d)の合成について記載した手順と同様にして、5−(tert−ブチル)−7−クロロ−3−(2−ヨードベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン(128mg、0.299mmol、1.00当量)から標記化合物を調製して、無色の油状物として単離した(148mg、0.299mmol、99%)。HRMS(ESI+)409.0908(M+H)。
【0167】
e)S−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオアート
【化81】

5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−(2−ヨードベンジル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン(20mg、0.040mmol、1.0当量)を、トルエン(0.4mL)に溶解し、窒素でパージした。ヨウ化銅(0.8mg、4μmol、0.1当量)、1,10−フェナントロリン(1.5mg、8.0μmol、0.2当量)及びチオ酢酸カリウム(6.9mg、0.060mmol、1.5当量)を加え、混合物を100℃で19時間撹拌した。水(20mL)及びEtOAc(20mL)を加え、混合物を5分間撹拌した。相を分離し、水層をEtOAcで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10% EtOAc)により、標記化合物を与えた(17mg、0.038mmol、95%)。HRMS(ESI+)447.1771(M+H)。
【0168】
f)2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンチオール
【化82】

2−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオール(実施例29、工程d)の合成について記載した手順と同様にして、S−(2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル)フェニル)エタンチオアート(61mg、0.14mmol、1.0当量)から標記化合物を調製して、粗物質(53mg)として単離して、精製することなく次の工程に用いた。
【0169】
g)2−[[2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]ジスルファニル]エタノール
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール(実施例28)の合成について記載した手順と同様にして、粗2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンチオール(20mg、0.049mmol、1.0当量)及びメルカプトエタノールから標記化合物を調製して、分取TLCにより単離した(CHCl中10% EtOAc)(11mg、0.023mmol、46%)。HRMS(ESI+)481.1645(M+H)。
【0170】
実施例37
5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3−[[2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)フェニル]メチル]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン
2−[2−[2−[[5−[ジフルオロ(フェニル)メチル]−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]フェニル]エチルジスルファニル]エタノール(実施例28)の合成について記載した手順と同様にして、粗2−((5−(tert−ブチル)−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル)ベンゼンチオール(30mg、0.063mmol、1.0当量)及び2−メルカプトピリジンから標記化合物を調製して、分取TLCにより単離した(ヘキサン中20% EtOAc)(20mg、0.034mmol、46%)。HRMS(ESI+)584.1312(M+H)。
【0171】
実施例38
2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−3−エチニルベンゼンスルホニルフルオリド
【化83】
【0172】
a)3−ブロモ−2−メチルベンゼン−1−スルホニルフルオリド
【化84】

3−ブロモ−2−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド(CAS 886501−61−7、727mg、2.70mmol。1.00当量)を、アセトン(8.5mL)及び水(0.5mL)に溶解した。フッ化カリウム(783mg、13.5mmol、5.00当量)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。アセトンの大部分を窒素気流で除去した。残留物をEtOAc(100mL)と水(20mL)との間で分配した。水相を廃棄した。有機相をブラインで洗浄し(20mL)、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、無色の固体を生成した(628mg、2.48mmol、92%)。HRMS(MALDI+)251.9250(M)。
【0173】
b)2−メチル−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド
【化85】

3−ブロモ−2−メチルベンゼン−1−スルホニルフルオリド(628mg、2.48mmol、1.00当量)、Pd(PPh)Cl(174mg、0.25mmol、0.10当量)及びCuI(71mg、0.37mmol、0.15当量)を、25mLの梨型フラスコに入れた。排気及び窒素(2×)での逆充填(2×)後、MeCN(12.4mL)を、続いてDIPEA(867μL、4.96mmol、2.00当量)を加えた。窒素を黒色の溶液に通して5分間バブリングし、その後、TMS−アセチレン(696μL、4.96mmol、2.00当量)を加えた。フラスコにキャップをし、予熱した油浴(50℃)中に置いた。3時間後、更にTMS−アセチレン(2.00当量)を加え、撹拌を50℃で一晩続けた。24時間後、混合物を室温に冷やし、celiteで濾過して、水とEtOAcとの間で分配した。水相をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機物を水及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0.7% EtOAc)により、放置して凝固させた褐色の油状物を与えた(純度94%、610mg、2.12mmol、85%)。NMR分析は、約6%の残留出発物質を示した。HRMS(MALDI+)270.0541(M)。
【0174】
c)2−(ブロモメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド
【化86】

2−メチル−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド(26mg、0.096mmol、1.00当量)を、NBS(86mg、0.48mmol、5.00当量)、AIBN(2mg、0.012mmol、0.13当量)及びMeCN(0.5mL)と合わせた。混合物を80℃で一晩撹拌した。揮発物を除去し、残留物をTLCにより精製して、標記化合物を無色の油状物として生成した(15mg、0.043mmol、48%)。HRMS(MALDI+)370.9543(M+Na)。(注:更なるNBS/AIBNを加えない場合でも、反応は完了まで決して至らなかった)。
【0175】
d)2−[[5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−3−イル]メチル]−3−エチニルベンゼンスルホニルフルオリド
2−(ブロモメチル)−3−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゼン−1−スルホニルフルオリド(30mg、0.086mmol、1.00当量)を、DMF(0.4mL)、トリメチルアミン(18μL、0.13mmol、1.5当量)及び5−tert−ブチル−7−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン(CAS 1438465−59−8、27mg、0.095mmol、1.1当量)と合わせた。30分後、混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、5% LiCl水溶液(2×20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。シリカのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5% EtOAc)により、2つの位置異性体アルキル化生成物(14mg)の混合物を与えた。混合物をTHF(0.5mL)に溶解し、トリメチルアミントリヒドロフルオリド(0.1mLのTHF中8.2mg、0.051mmol、2.0当量)を加えた。4時間後、混合物をEtOAc(15mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄した(各3mL)。MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗物質を与え、これをpTLC(ヘキサン中25% EtOAc)により精製して、標記化合物を無色の油状物として与えた(5mg、0.011mmol、2工程で13%)。HRMS(ESI+)479.1474(M+H)。
【0176】
実施例39
薬理学試験
式(I)で示される化合物の活性を決定するために以下の試験を実施した:
【0177】
放射性リガンド結合アッセイ
カンナビノイド受容体に対する本発明の化合物の親和性は、ヒトCNR1またはCNR2受容体を発現するヒト胎児腎臓(HEK)細胞の推奨量の膜調製物(PerkinElmer)を使用し、放射性リガンドとして、それぞれ、1.5または2.6nMの[3H]−CP−55,940(Perkin Elmer)を併用して決定した。結合は、結合緩衝液(CB1受容体の場合、50mM Tris、5mM MgCl、2.5mM EDTAおよび0.5%(wt/vol)脂肪酸フリーBSA、pH7.4、CB2受容体の場合、50mM Tris、5mM MgCl、2.5mM EGTAおよび0.1%(wt/vol)脂肪酸フリーBSA、pH7.4)中、総容量0.2mLで、30℃にて、振盪しながら1時間実施した。反応は、0.5%ポリエチレンイミンでコートした精密濾過プレート(UniFilter GF/Bフィルタープレート;Packard)に通して急速濾過することによって終了した。非線形回帰分析(Activity Base, ID Business Solution, Limited)を使用して、結合した放射能をKiについて分析し、[H]CP55,940のKd値を飽和実験から決定した。式(I)で示される化合物は、CB2受容体に対して優れた親和性を示し、親和性は、10μM未満、より特に1nM〜3μM、最も特に1nM〜100nMである。
【0178】
式(I)に係る化合物は、上のアッセイで、特に0.5nM〜10μM、より特に0.5nM〜3μM、最も特に0.5nM〜100nMの活性(Ki)を有する。
【0179】
全ての化合物は、CB2結合剤であり、Ki値は、3uM未満であり、そして、CB1に対する選択性は、対応するアッセイにおいて少なくとも3倍である。
【0180】
【表1】
【0181】
cAMPアッセイ
ヒトCB1またはCB2受容体を発現するCHO細胞を、実験の17〜24時間前に、透明平底の黒色96ウェルプレート(Corning Costar #3904)において、10%ウシ胎仔血清を含む1×HTサプリメント含有DMEM(Invitrogen No. 31331)中に、50.000個の細胞/ウェルで播種し、加湿インキュベーター内にて5%COおよび37℃でインキュベートする。増殖培地を、1mM IBMXを含有するクレブス−リンガー重炭酸緩衝液に交換し、30℃で30分間インキュベートした。化合物を最終アッセイ容量100μlまで加え、30℃で30分間インキュベートした。cAMP−Nano−TRF検出キット(Roche Diagnostics)を使用して、溶解試薬(Tris、NaCl、1.5% Triton X100、2.5% NP40、10% NaN)50μLおよび検出液(20μM mAb Alexa700−cAMP 1:1、および48μM ルテニウム−2−AHA−cAMP)50μLを加えることによってアッセイを停止し、室温で2時間振盪した。時間分解エネルギー転移を、励起源としてND:YAGレーザーを搭載したTRFリーダー(Evotec Technologies GmbH)によって測定する。355nmでの励起と遅延100nsおよびゲート100nsでの発光において、730(帯域幅30nm)または645nm(帯域幅75nm)で、それぞれ総照射時間10秒でプレートを2回測定する。FRETシグナルは、以下の通り計算される:FRET=T730−Alexa730−P(T645−B645)(但し、P=Ru730−B730/Ru645−B645であり、式中、T730は、730nMで測定される試験ウェルであり、T645は、645nmで測定される試験ウェルであり、B730およびB645は、それぞれ730nmおよび645nmでの緩衝液コントロールである)。cAMP含量を、10μM〜0.13nMに及ぶcAMPの標準曲線の関数から決定する。
【0182】
EC50値を、Activity Base 分析(ID Business Solution, Limited)を使用して決定した。このアッセイから生成された様々なカンナビノイドアゴニストのEC50値は、科学文献の公表値と一致した。
【0183】
β−アレスチン移行アッセイ−PathHunter(商標)(DiscoveRx)
PathHunter(商標)β−アレスチン CHO−K1 CNR1細胞株(カタログ番号#93-0200C2)およびβ−アレスチン CHO−K1 CNR2細胞株(カタログ番号#93-0706C2)をDiscoveRx Corporationから購入した。細胞株を、β−アレスチンに融合されたβ−ガラクトシダーゼEA断片および標的受容体に融合されたProLink相補性ペプチドを発現するように改変した。PathHunter(商標)タンパク質相補性アッセイ(DiscoveRx Corporation #93-0001)を製造業者のプロトコルに従って実施した。384ウェルプレート(Corning Costar #3707、白色透明底)中、20μLの細胞プレーティング試薬2(Discoverx #93-0563R2A)に7500(CNR1)および10000(CNR2)の細胞を含有するようアッセイプレートに播種した。37℃(5%CO、95%相対湿度)で一晩インキュベーションした後、試験化合物5μL(最終DMSO濃度1%)を加え、そして、30℃で90分間インキュベーションを続けた。次いで、検出試薬(12μL)を加え、そして、室温で60分間インキュベーションを続けた。次いで、Victor 3Vリーダー(Perkin Elmer)を使用して、化学発光シグナルについてプレートを解析した。
【0184】
実施例A
以下の成分を含有するフィルムコート錠を常法で製造することができる:
【0185】
【表2】
【0186】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、そして、混合物をポリビニルピロリドン水溶液で顆粒化する。次いで、顆粒をデンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120または350mgの核を生成する。上記のフィルムコートの水溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0187】
実施例B
以下の成分を含有するカプセル剤を常法で製造することができる:
【0188】
【表3】
【0189】
成分を篩にかけ、混合し、そして、サイズ2のカプセルに充填する。
【0190】
実施例C
注射剤は、以下の組成を有することができる:
【0191】
【表4】
【0192】
活性成分を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸の添加によってpHを5.0に調整する。水の残量の添加によって容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、そして、滅菌する。