【実施例1】
【0018】
本発明の第一の実施形態を
図1から
図6に基づき詳細に説明する。まず、
図1で本発明の第一の実施形態の構成について説明する。次に、
図2で本発明の第一の実施形態の等価回路図とその動作(作用)を説明する。そして、
図3で本発明の第一の実施形態によるゲート電圧振動の抑制効果について説明する。また、
図4と
図5で上下アームのゲート配線に対して平等に(均等に)ゲート電圧振動の対策を講じた構成とその等価回路を説明し、
図6で
図4や
図5で示した構成と本発明の第一の実施形態とのゲート電圧波形を比較する。
【0019】
図1は本発明の第一の実施形態の構成を示した平面図である。
図1を用いて本発明の第一の実施形態の構成について説明する。第一の実施形態では、放熱用金属板100上に第一から第四の絶縁基板4枚(1,2,3,4)と、第一と第二の絶縁子基板2枚(98,99)が配置される。そして、底面の放熱用金属板部分以外を樹脂筐体101で囲っている。樹脂筐体101と放熱用金属板100で囲われたパワー半導体モジュール内は、ゲルや硬質樹脂などの絶縁材が充填され、内部の絶縁性を保っている。
【0020】
第一から第四の絶縁基板(1,2,3,4)には、第一から第四のスイッチング素子(5,6,7,8)と第一から第四のダイオード(72,73,74,75)が一つずつ搭載されている。スイッチング素子は2つの主電極と1つのゲート電極を備えている。ダイオードはカソード電極とアノード電極を備えている。
【0021】
第一から第四のスイッチング素子(5,6,7,8)の第一の主電極、第三の主電極、第五の主電極、第七の主電極は、はんだ接合や金属焼結接合などによりそれぞれ、第一の主電極用配線パターン9、第三の主電極用配線パターン11、第五の主電極用配線パターン13、第七の主電極用配線パターン15と電気的に接続される。
【0022】
なお、以後説明する配線パターンも含め、配線パターンの材料には銅やアルミニウムなどの導電材料を用いる。また、以後説明する「接続」とは、特に断りがなければ全て電気的な接続を意味する。
【0023】
第一から第四のダイオード(72,73,74,75)のカソード電極も同様にそれぞれ、第一の主電極用配線パターン9、第三の主電極用配線パターン11、第五の主電極用配線パターン13、第七の主電極用配線パターン15と接続される。
【0024】
第一から第四のスイッチング素子(5,6,7,8)の第二の主電極10、第四の主電極12、第六の主電極14、第八の主電極16は、第一から第四のダイオードのアノード電極(76,77,78,79)と配線(80,81,82,83)により接続される。つまり、各絶縁基板において、スイッチング素子とダイオードは並列接続される。
【0025】
なお、以後説明する配線や導体も含め、配線や導体にはアルミニウムワイヤ、銅ワイヤ、銅リードなどを用いる。また、スイッチング素子には、Si−IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やSiC−MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などを用いる。ダイオードには、Si−pnダイオードやSiC−SBD(Schottky Barrier Diode)などを用いる。
【0026】
第一から第四のスイッチング素子のゲート電極(17,18,19,20)は、第一から第四の導体(43,44,45,46)により、第一から第四の配線パターン(27,28,29,30)と接続される。
【0027】
第一の配線パターン27と第二の配線パターン28は、配線56と配線57により第一の下アーム共通配線パターン35に接続される。第一の下アーム共通配線パターン35は、配線64により第一の補助端子39と接続され、樹脂筐体101の外部へと引き出される。
【0028】
第三の配線パターン29と第四の配線パターン30も同様に、配線58と配線59により第一の上アーム共通配線パターン37に接続される。第一の上アーム共通配線パターン37も、配線65により第二の補助端子40と接続され、樹脂筐体101の外部へと引き出される。
【0029】
第一から第四のスイッチング素子の第二の主電極10、第四の主電極12、第六の主電極14、第八の主電極16は、第五から第八の導体(47,48,49,50)により、第五から第八の配線パターン(31,32,33,34)と電気的に接続される。
【0030】
第五の配線パターン31と第六の配線パターン32は、配線60と配線61により第二の下アーム共通配線パターン36に電気的に接続される。第二の下アーム共通配線パターン36は、配線66により第三の補助端子41と接続され、樹脂筐体101の外部へと引き出される。
【0031】
第七の配線パターン33と第八の配線パターン34も同様に、配線62と配線63により第二の上アーム共通配線パターン38に電気的に接続される。第二の上アーム共通配線パターン38も、配線67により第四の補助端子42と接続され、樹脂筐体101の外部へと引き出される。
【0032】
第五の主電極用配線パターン13と第七の主電極用配線パターン15は、配線70と配線71により、それぞれ第五の主端子25と第六の主端子26と接続され、樹脂筐体101の外部へと引き出される。
【0033】
第一の主電極用配線パターン9と第三の主電極用配線パターン11はそれぞれ接合面114と接合面115で、超音波金属接合により第一の主端子21と第三の主端子23と接続され、樹脂筐体101の外部へと引き出される。
【0034】
第二の主電極10と第四の主電極12は配線68と配線69によりそれぞれ第二の主端子22と第四の主端子24と接続され、樹脂筐体101の外部へと引き出される。
【0035】
原理については
図3を用いて後述するが、実施例1では、スイッチング時のゲート電圧振動を抑制するために、第六の主電極14と第八の主電極16を第十二の導体54で接続する。
【0036】
図2に本発明の第一の実施形態の等価回路図および外部回路との接続例を示す。まず、
図2の回路の構成を説明して、次に
図2を用いて本発明の第一の実施形態の動作例について説明する。なお、本発明はスイッチング時の高周波現象を対象にしているため、
図2の等価回路図では配線、導体、配線パターンをすべてインダクタンスの回路記号で表記する。
【0037】
本発明によるパワー半導体モジュールでは、第五の主端子25と第六の主端子26の間、第一の主端子21と第三の主端子23の間、第二の主端子22と第四の主端子24の間は、それぞれ外部の配線(87,88,94,95,91,92)で接続されて使用することを想定している。
【0038】
つまり、第一の絶縁基板1に搭載された第一のスイッチング素子5および第一のダイオード72と、第二の絶縁基板2に搭載された第二のスイッチング素子6および第二のダイオード73は並列接続される。また、第三の絶縁基板3に搭載された第三のスイッチング素子7および第三のダイオード74と、第四の絶縁基板4に搭載された第四のスイッチング素子8および第四のダイオード75も並列接続される。
【0039】
スイッチング素子とダイオードをそれぞれ複数並列接続することで、パワー半導体モジュールの定格電流容量を増加させることができる。しかし、上述したように、熱による反りの問題から絶縁基板のサイズには限界があるため、本発明では、スイッチング素子とダイオードを搭載した絶縁基板を並列接続することで定格電流容量を増加している。
【0040】
第一の絶縁基板1と第二の絶縁基板2に搭載されたスイッチング素子とダイオードの並列回路と、第三の絶縁基板3と第四の絶縁基板4に搭載されたスイッチング素子とダイオードの並列回路は、第九の導体51と第十の導体52によって直列接続される。
【0041】
このように、本発明はパワー半導体モジュール内部で2つのスイッチング素子が直列接続され、その高電位端子(第五の主端子25と第六の主端子26)と中間電位端子(第一の主端子21と第三の主端子23)と低電位端子(第二の主端子22と第四の主端子24)の3つの電位の端子を設けて、ハーフブリッジ回路を構成した2in1モジュール144である。
【0042】
上述したように、2in1モジュールは、1in1モジュールと比較して、上下アーム間の配線接続を短縮できるため、小形化や低インダクタンス化等の利点がある。
【0043】
また、図示していないが、通流する電流の極性が逆である高電位端子(第五の主端子25と第六の主端子26)と低電位端子(第二の主端子22と第四の主端子24)を平行、且つ近接した配置とすることで、両者の間の相互インダクタンスを増加することができる。その結果、高電位端子(第五の主端子25と第六の主端子26)と低電位端子(第二の主端子22と第四の主端子24)の配線インダクタンスを低減でき、2in1モジュールの配線インダクタンスをさらに低減することできる。
【0044】
高電位端子(第五の主端子25と第六の主端子26)と中間電位端子(第一の主端子21と第三の主端子23)間に接続された第三のスイッチング素子7、第四のスイッチング素子8、第三のダイオード74および第四のダイオード75を上アーム、中間電位端子(第一の主端子21と第三の主端子23)と低電位端子(第二の主端子22と第四の主端子24)間に接続された第一のスイッチング素子5、第二のスイッチング素子6、第一のダイオード72および第二のダイオード73を下アームと呼ぶ。
【0045】
図2では、一例として中間電位端子(第一の主端子21と第三の主端子23)と低電位端子(第二の主端子22と第四の主端子24)の間に配線(91,92,94,95)を介してインダクタンス負荷96を接続した上アーム駆動のハーフブリッジ回路の構成を示している。
【0046】
高電位端子(第五の主端子25と第六の主端子26)と低電位端子(第二の主端子22と第四の主端子24)の間には配線(87,88,89,91,92,93)を介してコンデンサ85が接続される。また、コンデンサ85には配線86と配線90を介して、直流電源84が接続される。
【0047】
続いて、
図1および
図2を用いて、本発明の第一の実施形態の動作(作用)について、電力変換回路に搭載された際に繰り返されるスイッチング動作順を例に説明する。まず、初期状態は上下アームのスイッチング素子は全てOFFの状態である。上アームの第三のスイッチング素子7と第四のスイッチング素子8は並列動作させるために、第二の補助端子40と第四の補助端子42を介して共通のゲート駆動電源102に接続される。また、下アームも同様に第一のスイッチング素子5と第二のスイッチング素子6は並列動作させるために、第一の補助端子39と第三の補助端子41を介して共通のゲート駆動電源102に接続される。
【0048】
ゲート駆動電源102から負電圧を補助端子に印加することで、スイッチング素子をOFFの状態に制御できる。例えばスイッチング素子がIGBTの場合、OFF時に−15V程度を補助端子に印加する。
図2の回路において、上下アームのスイッチング素子が全てOFFの状態の時には直流電源電圧Vccは上アームに印加され、インダクタンス負荷96には直流電源電圧Vccは印加されないため、電流は流れない。
【0049】
次に、初期状態から上アームのスイッチング素子をON状態(1回目のターンオン)にする。ゲート駆動電源102から正電圧を補助端子に印加することで、スイッチング素子をONの状態に制御できる。例えばスイッチング素子がIGBTの場合、ON時に+15V程度のゲート電圧を補助端子に印加する。
【0050】
上アームのスイッチング素子がON状態となると、インダクタンス値がLload[H]のインダクタンス負荷96に直流電源電圧Vccが印加され、Vcc/Lloadの傾きで増加する電流が上アームのスイッチング素子を介してインダクタンス負荷96に通流する。
【0051】
そして、上アームのスイッチング素子をON状態からOFF状態にすると、上アームのスイッチング素子の電流Ic_Hは遮断され、電流はインダクタンス負荷96と下アームのダイオードの間の経路に転流する。そこから、再び上アームのスイッチング素子をOFF状態からON状態(2回目のターンオン)にすると、電流は上アームのスイッチング素子とインダクタンス負荷96の間の経路に転流する。
【0052】
この2回目のターンオン時を例に、ゲート電圧振動の発生原理を説明する。2回目のターンオン時に理想的には上アームの第三のスイッチング素子7と第四のスイッチング素子8には電流が均等に流れる。しかし、スイッチング素子間の特性ばらつきやゲート配線インピーダンスのばらつき等で第三のスイッチング素子7と第四のスイッチング素子8の電流が不均等になると、並列接続された絶縁基板間で電位差が生じ、電位差を減らす方向に電流が流れる。このときに下アームのスイッチング素子とダイオードの空乏層容量と回路の配線インダクタンスとの間でLC共振が発生することがある。特に、Si(シリコン)デバイスと比較して空乏層容量の大きいSiC(炭化シリコン)デバイスにおいて、当該LC共振が発生しやすい。
【0053】
図3にLC共振電流Ir経路を示す。
図3に示すように、下アームのスイッチング素子とダイオードを境に逆相の共振電流Irが流れる。このとき、駆動側の上アームのゲート配線である3GL−4GL間(3GL:第三のスイッチング素子7のゲート電極19から第一の上アーム共通配線パターン37と配線65の接続点までの配線、4GL:第四のスイッチング素子8のゲート電極20から第一の上アーム共通配線パターン37と配線65の接続点までの配線)と3EL−4EL間(3EL:第六の主電極14から第二の上アーム共通配線パターン38と配線67の接続点までの配線、4EL: 第八の主電極16から第二の上アーム共通配線パターン38と配線67の接続点までの配線)に共振電流Irが流れると、上アームのゲート電圧Vge_Hが振動する。
【0054】
ON状態の上アームスイッチング素子はゲート電圧で制御される電流源として動作するため、上アームゲート電圧Vge_Hが振動すると上アームスイッチング素子の電流もそれと同期して振動し、並列接続された絶縁基板間での電位差がさらに拡大する自励振動に至る。自励振動に至ると上アームゲート電圧Vge_H振動がさらに増加し、ゲート酸化膜が絶縁破壊に至る恐れがある。
【0055】
また、動作状態によって変動しやすい中点電位を基準電位としている上アームゲート電圧は下アームゲート電圧より振動しやすく、本課題の解決には上アームのゲート電圧振動抑制がボトルネックとなっていた。
【0056】
そこで、本発明の第一の実施形態では、この自励振動による上アームゲート電圧振動を抑制するために、第六の主電極14と第八の主電極16を第十二の導体54で接続する。第十二の導体54の配線インダクタンスは、上アームのゲート配線である3GL−4GL間の配線インダクタンスや3EL−4EL間の配線インダクタンスより小さい。これは、後述する第十三の導体55の配線インダクタンスも同様である。そして、第十二の導体54はそれらの上アームのゲート配線と並列接続されるため、共振電流Irをバイパスし、上アームのゲート配線に流れる共振電流Irを低減する効果がある。
【0057】
そのため、第十二の導体54の接続により、自励振動による上アームゲート電圧振動を抑制することができる。また、第五の主電極と第七の主電極との間や実施例2で詳細は後述する第一の主電極と第三の主電極との間を導体で接続しても実施例1と同様の効果が得られる。
【0058】
一方、
図4の平面図と
図5の等価回路図に示すように、第六の主電極14と第八の主電極16を第十二の導体54で接続したことに加えて、第二の主電極10と第四の主電極12を第十四の導体105で接続して、上下アームのゲート配線に対して平等に(均等に)ゲート電圧振動の対策を講じることも考えられる。しかし、内部を低インダクタンス化した2in1モジュールでは上下アームトータルの配線インダクタンスが10nH程度と小さく、前述のLC共振による上下アーム間の共振電流Irが発生しやすい。そのため、
図4や
図5に示した構成ではゲート電圧振動の抑制が不十分だった。
【0059】
そこで、本発明では、問題となる上アームゲート電圧振動の抑制を優先して対策する構成とした。具体的には、第十二の導体54は接続するが、第十四の導体105は接続しない構成とした。
【0060】
その理由を以下で説明する。
図3に示すように、当該LC共振電流Irは下アームのスイッチング素子とダイオードを境に逆相で流れるため、第二の主電極10と第四の主電極12を第十四の導体105は上アームのゲート配線である3GL−4GLの経路と3EL−4ELの経路と並列ではない。このため、上アームのゲート配線に対して、第十四の導体105は共振電流Irをバイパスする効果はない。
【0061】
一方、第十四の導体105により共振経路のインピーダンスは減少し、上アームのゲート配線を流れる共振電流Irは増加してしまう。そのため、上アームゲート電圧振動抑制のためには第十四の導体105は接続しないほうがよい。
【0062】
本発明の構成を主電極間のインピーダンス値の大小関係で記述すると、第一の主電極と記第三の主電極との間のインピーダンス値と、第五の主電極と第七の主電極との間のインピーダンス値と、第六の主電極14と第八の主電極16との間のインピーダンス値のうち、最小のインピーダンス値よりも、第二の主電極10と第四の主電極12との間のインピーダンス値を大きくするとよい、と言える。
【0063】
また、第二の主電極10と第四の主電極12との間のインピーダンス値は、第六の主電極14から第七の導体49、第七の配線パターン33、第七の配線パターン33と第八の配線パターン34との間の配線と前記第四の補助端子42との接続点、第八の配線パターン34、第八の導体50を通り、第八の主電極16に至る経路のインピーダンス値以上とするとよい。
【0064】
このとき、各インピーダンス値は、外部配線(87,88,91,92,94,95)が接続されていない状態でのインピーダンス値のことを指している。また、当該インピーダンス値は、インピーダンス絶対値つまり、実部と虚部の自乗和の平方根から計算される値のことを指している。そして、当該インピーダンス値は、LC共振周波数でのインピーダンス値を指している。
【0065】
第一の主電極と第三の主電極との間のインピーダンス値は、第九の導体51、第十の導体52、第一の導体43、第二の導体44、第五の導体47、第六の導体48を切断した状態で、第一の主電極用配線パターン9と第三の主電極用配線パターン11間のインピーダンス値をインピーダンスアナライザやLCRメータなどの測定器で測定する、もしくは計算式や計算ツールで計算することで得られる。
【0066】
第五の主電極と第七の主電極との間のインピーダンス値は、第九の導体51、第十の導体52、第三の導体45、第四の導体46、第七の導体49、第八の導体50を切断した状態で、第五の主電極用配線パターン13と第七の主電極用配線パターン15間のインピーダンス値をインピーダンスアナライザやLCRメータなどの測定器で測定する、もしくは計算式や計算ツールで計算することで得られる。
【0067】
第六の主電極14と第八の主電極16との間のインピーダンス値は、第九の導体51、第十の導体52、第三の導体45、第四の導体46を切断した状態で、第六の主電極14と第八の主電極16間のインピーダンス値をインピーダンスアナライザやLCRメータなどの測定器で測定する、もしくは計算式や計算ツールで計算することで得られる。
【0068】
第二の主電極10と第四の主電極12との間のインピーダンス値は、第九の導体51、第十の導体52、第一の導体43、第二の導体44を切断した状態で、第二の主電極10と第四の主電極12間のインピーダンス値をインピーダンスアナライザやLCRメータなどの測定器で測定する、もしくは計算式や計算ツールで計算することで得られる。
【0069】
第六の主電極14から第七の導体49、第七の配線パターン33、第七の配線パターン33と第八の配線パターン34との間の配線と前記第四の補助端子42との接続点、第八の配線パターン34、第八の導体50を通り、第八の主電極16に至る経路のインピーダンス値の測定もしくは計算には、まず、第九の導体51、第十の導体52、第三の導体45、第四の導体46を切断する。次に、第六の主電極14から第七の導体49、第七の配線パターン33、第七の配線パターン33と第八の配線パターン34との間の配線と前記第四の補助端子42との接続点、第八の配線パターン34、第八の導体50を通り、第八の主電極16に至る経路以外の第六の主電極14と第八の主電極16を接続する配線を切断する。その後、第六の主電極14と第八の主電極16間のインピーダンス値をインピーダンスアナライザやLCRメータなどの測定器で測定する、もしくは計算式や計算ツールで計算することで得られる。
【0070】
図6に
図4と
図5に示した構成と
図1と
図2に示した本発明の第一の実施形態における2回目のターンオン時の波形のシミュレーション結果を比較した図を示す。従来技術(
図4と
図5に示した構成)では、自励振動による上アームゲート電圧振動Vge_Hが大きく、上アームスイッチング素子電流Ic_Hや上アームスイッチング素子電圧Vce_Hも大きく振動していることがわかる。
【0071】
それに対して、本発明の実施形態1では自励振動による上アームゲート電圧振動Vge_Hを抑制し、上アームスイッチング素子電流Ic_Hや上アームスイッチング素子電圧Vce_Hの振動も抑制できていることがわかる。
【0072】
ここで、ゲート電圧振動の抑制とは、IGBTであればゲート電圧に振動が重畳してもゲート電圧を+20Vから−20Vの範囲内に抑えることを指す。
【0073】
なお、第十二の導体54は、できるだけ低インピーダンス化したほうが、より共振電流Irのバイパス効果が高いため、短距離の複数導体によって実現することが好ましい。また、第十二の導体54は、アルミニウムワイヤや銅ワイヤ、銅リード等の電極間を電気的に接続できる導体であればよい。