(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記同期モータが突極性を有する同期モータである場合、前記直流励磁指令生成部は、所定の上限値未満の前記励磁電流を前記同期モータへ流す指令を前記第1指令として生成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の磁極初期位置検出装置。
請求項1から8のいずれか一項に記載の磁極初期位置検出装置により検出された磁極初期位置にて初期化された前記同期モータのロータの磁極位置を出力する磁極位置更新部を備える、磁極位置検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照して、直流励磁方式の磁極初期位置検出装置及び磁極位置検出装置について説明する。理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。図面に示される形態は実施するための一つの例であり、図示された実施形態に限定されるものではない。
【0014】
第1実施形態
図1は、本開示の第1実施形態による磁極初期位置検出装置を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態による同期モータ2のロータの磁極初期位置を検出する磁極初期位置検出装置1は、直流励磁指令生成部11と、トルクゼロ判定部12と、磁極初期位置取得部13と、ロータ実位置取得部14と、記憶部15とを備える。
【0016】
直流励磁指令生成部11は、電流位相を所定の位相(以下では、第1位相とも記載する)に固定した一定の励磁電流を同期モータ2へ流すための指令(以下では、第1指令とも記載する)を生成する。直流励磁指令生成部11により生成された指令は、同期モータ2の駆動を制御するためのモータ制御装置1000内の電流制御部33に送られる(
図8参照)。モータ制御装置1000内の電流制御部33は、直流励磁指令生成部11から受信した指令と固定された電流位相で変換される電流フィードバックとに基づいて電圧指令を生成し、電力変換部35は、受信した電圧指令に基づいて同期モータ2に電圧を印加することで、電流位相を固定した一定の励磁電流を生成する。この励磁電流を駆動源にして同期モータ2のロータは回転方向に振動し、振動は徐々に減衰して最終的には停止する。
【0017】
トルクゼロ判定部12は、同期モータ2に直流励磁指令生成部11により生成された第1指令に基づく一定の励磁電流が流れているときにおいて、同期モータ2のロータに発生するトルクがゼロ(0)となったか否かを判定する。なお、回転方向に振動するロータにおいてはトルクがゼロとなる時点(タイミング)はロータが完全に停止するまでに複数回存在するので、トルクゼロ判定部12には、ロータが完全に停止する前までに、トルクゼロ判定をする機会が複数存在する。複数のトルクゼロ判定機会のうち、直流励磁指令生成部11が同期モータ2に対する直流励磁指令の開始時点に近いトルクゼロ判定機会を採用するほど、直流励磁指令生成部11が同期モータ2に対する直流励磁指令の開始時点から短い時間で磁極初期位置取得部13による同期モータ2のロータの磁極初期位置の取得処理を完了することができる。例えば、トルクゼロ判定部12は、直流励磁指令生成部11が同期モータ2に対する直流励磁指令の開始後、一番最初に発生するトルクゼロを検知してこの検知結果(すなわちトルクゼロ判定)を磁極初期位置取得部13に通知するのが最も好ましい。
【0018】
磁極初期位置取得部13は、トルクゼロ判定部12によりトルクがゼロとなったと判定された時点近傍における同期モータ2のロータの位置(ロータ実位置)と、同期モータ2の極対数と、直流励磁中の励磁位相とに基づいて、同期モータ2のロータの磁極初期位置を取得する。
【0019】
ロータ実位置取得部14は、同期モータ2に設けられたセンサ51から、同期モータ2のロータの位置であるロータ実位置を取得する。
【0020】
記憶部15は、同期モータ2の極対数に係る情報を記憶する。記憶部15は、例えばEEPROM(登録商標)などのような電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリ、または、例えばDRAM、SRAMなどのような高速で読み書きのできるランダムアクセスメモリなどで構成される。
【0021】
ここで、同期モータ2のロータに発生するトルクがゼロになった時点またはその近傍の時点におけるロータ実位置に基づいて、同期モータ2のロータの磁極初期位置を取得する原理について、
図2及び
図3を参照して説明する。
【0022】
図2は、電流位相を固定して一定の励磁電流を同期モータに流し続けたときにおける同期モータのロータの挙動を例示する図であって、(A)はロータの速度及び位置の時間経過を例示する図であり、(B)は(A)を時間軸方向に拡大した図である。
図2(A)及び
図2(B)において、実線は同期モータ2のロータ実位置の時間経過を示し、一点鎖線は同期モータ2の速度(回転角速度)を示す。電流位相を固定して一定の励磁電流を同期モータ2に流し続けると、
図2に例示するように、同期モータ2のロータは回転方向に振動する。同期モータ2の振動は徐々に減衰していき、ロータは最終的には停止する。
【0023】
図3は、同期モータに係るdq座標系と同期モータを制御するモータ制御装置に係るdq座標系との関係を示す図である。同期モータに係るdq座標系の座標軸をd
m及びq
m、同期モータを制御するモータ制御装置に係るdq座標系の座標軸をd
c及びq
cとする。また、各座標系間のd軸のずれ量(すなわち座標軸d
mと座標軸d
cとのなす角)をθとする。なお、ずれ量θは、各座標系間のq軸のずれ量(すなわち座標軸q
mと座標軸q
cとのなす角)でもある。
【0024】
電流位相をモータ制御装置に係るdq座標系において0度に固定した一定の励磁電流をI
eとする。このとき、励磁電流I
eは、同期モータに係るdq座標系では、式1のように表される。
【0026】
同期モータ2の極対数をpp、主磁束をΦ、d相インダクタンスをL
d、q相インダクタンスをL
qとしたとき、突極性を有する同期モータに励磁電流I
eを流したときに発生するトルクT
rは式2のように表される。
【0028】
また、非突極性の同期モータ(すなわち突極性を有さない同期モータ)では、d相インダクタンスL
dとq相インダクタンスL
qとは等しい。したがって、非突極性の同期モータに励磁電流I
eを流したときに発生するトルクT
rは、式2を変形して式3のように表される。
【0030】
電流位相を固定して一定の励磁電流を同期モータに流し続けると、
図2に例示するように、同期モータのロータは回転方向に振動し、振動は徐々に減衰していき、最終的には停止する。同期モータのロータが最終的な停止位置にあるとき、このロータの停止位置は励磁位相と合致し、各座標系間のずれ量θはゼロとなる。同期モータに励磁電流を流し続けてロータが回転方向の振動している間、ずれ量θが刻々と変化している。式2及び式3には「sinθ」が含まれるが、ずれ量θがゼロのとき「sinθ」はゼロになり、したがってトルクT
rはゼロとなる。逆に言えば、トルクT
rがゼロのとき、式2及び式3における「sinθ」がゼロであり、すなわちずれ量θがゼロとなり得る。よって、電流位相を固定して一定の励磁電流を同期モータに流し続けているときにおいて、トルクT
rがゼロとなった時点を検出し、この時点におけるロータ実位置に基づいて、磁極初期位置を取得する。
【0031】
ただし、突極性を有する同期モータの場合は、励磁電流I
eの大きさによっては、θがゼロ以外のときに式2における「{Φ−(L
q−L
d)・I
e・cosθ}」がゼロになり、すなわち式2で表されるトルクT
rがゼロとなる可能性がある。つまり、突極性を有する同期モータの場合は、トルクT
rがゼロであるからといっても必ずしもずれ量θがゼロであるとは限らない。したがって、突極性を有する同期モータに本実施形態を適用する際には、「{Φ−(L
q−L
d)・I
e・cosθ}」がゼロになるような励磁電流I
eを流さないようにする必要がある。一方、非突極性の同期モータの場合は、ずれ量θは式3で表されるので、トルクT
rがゼロとあるのはずれ量θがゼロのときに限られるので、非突極性の同期モータに本実施形態を適用する際には、電流位相を固定した一定の励磁電流I
eに上限値を設ける必要はない。
【0032】
ここで、突極性を有する同期モータの磁極初期位置を取得するために流すべき励磁電流I
eの大きさについて、
図4及び
図5を参照して説明する。
【0033】
図4は、突極性を有する同期モータの磁極初期位置を取得するために流す励磁電流の大きさを説明する図である。
図4(A)において、横軸はずれ量θを示し、縦軸はトルクT
rを示す。
図4(B)において、横軸はずれ量θを示し、縦軸は発生トルクの式をq相電流で除したものを示す。また、
図4(A)及び
図4(B)において、二点鎖線は励磁電流I
eが30Armsの場合を示し、一点鎖線は励磁電流I
eが60Armsの場合を示し、実線は励磁電流I
eが80Armsの場合を示す。なお、
図4(A)及び
図4(B)に示した励磁電流I
eの大きさはあくまでも一例である。
【0034】
励磁電流I
eが30Armsの場合及び60Armsの場合は、
図4(A)に示すようにずれ量θがゼロのときのみ、トルクT
rがゼロになっている。これに対し、励磁電流I
eが80Armsの場合はずれ量θがゼロのときのみならず「−44度」付近でもトルクT
rがゼロになっている。このように励磁電流I
eが80Armsの場合において、ずれ量θがゼロ以外のときにもトルクT
rがゼロになる状態が発生するのは、
図4(B)に示すように発生トルクの式をq相電流で除したものに負の領域が発生するからである。よって、突極性を有する同期モータに本実施形態を適用する際には、ずれ量θがゼロである以外の全ての場合において、式2で表されるトルクTrが正(すなわちゼロよりも大きい)となるような励磁電流Ieを設定する必要がある。具体的には次の通りである。
【0035】
式2において「T
r>0」かつ「θ≠0」を適用し、整理すると、不等式4が得られる。
【0037】
不等式4において「−1≦cosθ≦1」が成り立つので、不等式4から不等式5が得られる。
【0039】
不等式5を整理すると、不等式6が得られる。
【0041】
よって、突極性を有する同期モータに本実施形態を適用する際には、電流位相を固定した一定の励磁電流I
eは、不等式6を満たす大きさに設定すべきである。本実施形態では、磁極初期位置が取得されるべき同期モータが突極性を有する同期モータである場合は、直流励磁指令生成部11は、上限値「Φ/(L
q−L
d)」未満の励磁電流I
eを同期モータ2へ流すような指令を生成する。
【0042】
なお、主磁束Φは、同期モータ2に設けられる永久磁石の温度の上昇に従って、低下する。よって、突極性を有する同期モータ2の駆動時に想定される永久磁石の温度上昇を考慮して、励磁電流I
eの上限値を設定してもよい。ここで、突極性を有する同期モータの永久磁石の温度上昇を考慮した磁極初期位置を取得するために流すべき励磁電流I
eの大きさについて、
図5を参照して説明する。
【0043】
図5は、同期モータに設けられる永久磁石の温度と同期モータの主磁束の磁束密度との関係を例示する図である。
図5において、横軸は同期モータ2に設けられる永久磁石の温度を示し、縦軸は永久磁石が20℃のとき磁束密度を100%としたときの磁束密度の比率を示す。なお、
図5に示す数値はあくまでも一例であって、その他の数値であってもよい。例えば、突極性を有する同期モータ2の駆動時に想定される永久磁石の最高温度が160度である場合、永久磁石が160度のときでもずれ量θがゼロ以外で発生トルクがゼロとなることがないように、想定される同期モータ2の永久磁石の最高温度における磁束Φ
min(もっとも小さくなる磁束密度)を考慮して、励磁電流I
eを制限する。すなわち、不等式6から不等式7を得ることができる。
【0045】
よって、突極性を有する同期モータに本実施形態を適用する際には、電流位相を固定した一定の励磁電流I
eは、同期モータの駆動時に想定される永久磁石の温度上昇を考慮して、不等式7を満たす大きさに設定してもよい。この場合、直流励磁指令生成部11は、上限値「Φ
min/(L
q−L
d)」未満の励磁電流I
eを同期モータ2へ流すような指令を生成する。
【0046】
続いて、トルクゼロ判定部12によるトルクゼロ判定処理について、
図2を参照して説明する。
【0047】
図2に示すように、電流位相を固定して一定の励磁電流を同期モータ2に流し続けると、同期モータ2のロータは回転方向に振動する。同期モータ2の振動は徐々に減衰していき、ロータは最終的には停止する。同期モータ2のロータが回転方向に振動している間、同期モータ2のロータに発生するトルクT
rがゼロとなるのは、同期モータ2のロータの加速度の極性が、正から負へ、または負から正へ変化した時点である。また、同期モータ2の加速度の極性が正から負へ変化した時点において同期モータ2の速度は最大(極大)を示し、同期モータ2の加速度の極性が負から正へ変化した時点において同期モータ2の速度は最小(極小)を示す。よって、本実施形態では、トルクゼロ判定部12は、同期モータ2の(ロータの)加速度を取得し、同期モータ2の加速度の極性が変化した時点を、トルクがゼロになった時点と判定する。またあるいは、トルクゼロ判定部12は、同期モータ2の(ロータの)速度を取得し、同期モータ2の速度が最大または最小となった時点を、トルクがゼロになった時点と判定する。同期モータ2の加速度は、ロータ実位置取得部14によって取得されたロータ実位置を2階微分することにより取得することができる。また、同期モータ2の速度は、ロータ実位置取得部14によって取得されたロータ実位置を1階微分することにより取得することができる。ロータ実位置の微分計算処理は、トルクゼロ判定部12において実行されてもよく、ロータ実位置取得部14において実行されてもよく、あるいはさらに別の処理部において実行されてもよい。
【0048】
続いて、磁極初期位置取得部13による磁極初期位置取得処理について、
図6を参照して説明する。
【0049】
図6は、本開示の実施形態における磁極初期位置取得処理を説明する図であって、(A)は同期モータのロータの加速度を例示し、(B)は同期モータのロータの速度を例示し、(C)は同期モータのロータ実位置を例示する。
【0050】
磁極初期位置取得部13は、トルクゼロ判定部12によりトルクT
rがゼロとなったと判定された時点近傍におけるロータ実位置と、同期モータ2の極対数と、直流励磁中の励磁位相とに基づいて、同期モータ2のロータの磁極初期位置を取得する。図示の例において、ロータ実位置取得部14により取得されるロータ実位置のサンプリング周期をT
sとしたとき、ロータ実位置取得部14が時刻0でロータ実位置を取得してから次にロータ実位置を取得するのは時刻T
sである。時刻0と時刻T
sとの間の時刻T
0で、同期モータ2のロータの加速度aの極性が正から負に変化した(すなわちロータの加速度aがゼロクロスした)とする。時刻0における同期モータ2のロータの加速度をA
0、ロータの速度をV
0、ロータ実位置をP
0とし、時刻T
sにおける同期モータ2のロータの加速度をA
1、ロータの速度をV
1、ロータ実位置をP
1とする。また、時刻T
0におけるロータ実位置をP
eとする。図示の例において、トルクT
rがゼロとなった時刻T
0におけるロータ実位置P
eから時刻T
sにおけるロータ実位置P
1までの間のずれに、同期モータ2の極対数を乗算して得られる値に直流励磁中の励磁位相を加算した値が、同期モータ2のロータの磁極初期位置に対応する。すなわち、ロータ実位置取得部14により取得されたロータ実位置のサンプリング区間のうち、トルクゼロ判定部12によりトルクT
rがゼロとなったと判定された時点が含まれるサンプリング区間を画定する2つのサンプリング時点である時刻0と時刻T
sとで挟まれる時間区間内に、トルクT
rがゼロとなったと判定された時点が含まれる。本実施形態では、ロータ実位置取得部14により取得されたロータ実位置のサンプリング区間のうち、トルクゼロ判定部12によりトルクT
rがゼロとなったと判定された時点が含まれるサンプリング区間を画定する2つのサンプリング時点(
図6の例では時刻0と時刻T
s)に挟まれるいずれかの時点を、「トルクがゼロとなったと判定された時点」とみなし、これをトルクがゼロとなったと判定された時点の「近傍」と表現する。つまり、「トルクがゼロとなったと判定される時点近傍」は、トルクゼロ判定部12によりトルクT
rがゼロとなったと判定された時点が含まれるサンプリング区間を画定する2つのサンプリング時点に挟まれる時間区間に存在すれば、いずれの時点であってもよい。ここで、当該時点におけるロータ実位置P
eを算出する。ロータ実位置P
eの算出処理の形態例について、以下にいくつか列挙する。
【0051】
ロータ実位置P
eの算出処理の第1の形態では次のようにしてロータ実位置P
eを算出する。
【0052】
時刻tにおける同期モータ2のロータの加速度aは、式8のように表される。
【0054】
よって、同期モータ2のロータの加速度が正から負に変化する時刻T
0は、式8にt=T
0、a(T
0)=0を代入して式9のように表される。
【0056】
このとき、ロータ実位置もほぼ比例的に単調増加していることから、トルクT
rがゼロになる時点である同期モータ2のロータの加速度aの極性が正から負に変化した(すなわちロータの加速度aがゼロクロスした)時点におけるロータ実位置P
eは式10のように表される。
【0058】
ロータ実位置P
eの算出処理の第1の形態では、磁極初期位置取得部13は、式10に基づいてロータ実位置を算出する。
【0059】
ロータ実位置P
eの算出処理の第2の形態では次のようにしてロータ実位置P
eを算出する。
【0060】
トルクゼロ判定部12によりトルクT
rがゼロとなったと判定された時点が含まれる区間では、同期モータ2のロータの速度の変化が小さいことから、同期モータ2のロータの速度が一定速度V
0であるとみなすと、トルクT
rがゼロになる時点におけるロータ実位置P
eを式11のように表すことができる。
【0062】
ロータ実位置P
eの算出処理の第2の形態では、磁極初期位置取得部13は、式11に基づいてロータ実位置を算出する。
【0063】
ロータ実位置P
eの算出処理の第3の形態では次のようにしてロータ実位置P
eを算出する。
【0064】
ロータ実位置はほぼ比例的に単調増加していることから、ロータ実位置のサンプリング区間の中間点をトルクT
rがゼロになった時点とみなし、トルクT
rがゼロになる時点におけるロータ実位置P
eを式12のように表すことができる。
【0066】
ロータ実位置P
eの算出処理の第3の形態では、磁極初期位置取得部13は、式12に基づいてロータ実位置を算出する。
【0067】
磁極初期位置取得部13は、第1〜第3の形態のうちのいずれかの算出処理にて算出されたトルクT
rがゼロになる時点T
0におけるロータ実位置P
eと、トルクT
rがゼロになってから次のサンプリング時点T
sにおけるロータ実位置P
1と、同期モータ2の極対数ppとを用いて、式13に基づいて磁極初期位置を計算する。
【0069】
磁極初期位置検出装置1にて検出された磁極初期位置にて磁極位置カウンタ(図示せず)を初期化し、これ以降はサンプリング周期ごとのインクリメンタルパルス量(=P
n−P
n-1)を極対数倍したものを磁極位置カウンタに加算する。
【0070】
図7は、本開示の実施形態による磁極初期位置検出装置の動作フローを示すフローチャートである。
【0071】
ステップS101において、直流励磁指令生成部11は、電流位相を第1位相に固定した一定の励磁電流を同期モータ2へ流すための第1指令を生成する。電流位相(第1位相)は、例えば0度に固定される。直流励磁指令生成部11により生成された第1指令は、同期モータ2の駆動を制御するためのモータ制御装置(図示せず)内の電流制御部に送られる。モータ制御装置内の電流制御部は、直流励磁指令生成部11から受信した指令と固定された電流位相で変換される電流フィードバックとに基づいて電圧指令を生成し、電力変換部(図示せず)は、受信した電圧指令に基づいて同期モータ2に電圧を印加することで、電流位相を固定した一定の励磁電流を生成する。
【0072】
ステップS102において、磁極初期位置検出装置1は、同期モータ2のロータが動いたか否かを判定する。ステップS102において同期モータ2のロータが動いたと判定された場合はステップS103へ進み、同期モータ2のロータが動いたと判定されなかった場合はステップS105へ進む。
【0073】
ステップS103において、トルクゼロ判定部12は、同期モータ2に直流励磁指令生成部11により生成された指令に基づく一定の励磁電流が流れているときにおいて、同期モータ2のロータに発生するトルクがゼロとなったか否かを判定する。例えば、トルクゼロ判定部12は、同期モータ2の加速度の極性が変化した時点を、トルクがゼロになった時点と判定する。また例えば、トルクゼロ判定部12は、同期モータ2の速度が最大または最小となった時点を、トルクがゼロになった時点と判定する。ステップS103においてトルクがゼロとなったと判定された場合はステップS104へ進み、トルクがゼロにならなかったと判定された場合はステップS102へ戻る。
【0074】
ステップS104において、磁極初期位置取得部13は、トルクゼロ判定部12によりトルクがゼロとなったと判定された時点近傍における同期モータ2のロータ実位置と、同期モータ2の極対数と、直流励磁中の励磁位相とに基づいて、同期モータ2のロータの磁極初期位置を取得する。
【0075】
ステップS102において同期モータ2のロータが動いたと判定されなかった場合は、ステップS105において、直流励磁指令生成部11は、ステップS101において設定していた電流位相(例えば0度)から90度ずらした電流位相にて、一定の励磁電流を同期モータ2へ流すための指令を生成する。このようにステップS102において同期モータ2のロータが動いたと判定されなかった場合に電流位相を90度ずらして再度、一定の励磁電流を流すのは、ステップS101において設定していた電流位相がロータの磁極初期位置近傍に既にあるときは励磁電流を流しても同期モータ2のロータが振動的な動作をせず、磁極初期位置を正確に取得することができないので、これを回避するためである。
【0076】
ステップS106において、磁極初期位置検出装置1は、同期モータ2のロータが動いたか否かを判定する。ステップS106において同期モータ2のロータが動いたと判定された場合はステップS103へ進み、同期モータ2のロータが動いたと判定されなかった場合はステップS107へ進む。
【0077】
ステップS106において同期モータ2のロータが動いたと判定されなかった場合は、同期モータ2のロータが留め具で固定されるなど何らかの拘束状態にある可能性があるので、磁極初期位置検出装置1は、アラームを発してその動作を停止する。
【0078】
図8は、本開示の実施形態による磁極初期位置検出装置1を備える磁極位置検出装置100を含むモータ制御装置1000を示すブロック図である。
【0079】
磁極位置検出装置100は、磁極初期位置検出装置1と磁極位置更新部41とを備える。モータ制御装置1000は、磁極位置検出装置100と、速度制御部31と、電流指令生成部32と、電流制御部33と、dq三相変換部34と、電力変換部35と、三相dq変換部36と、速度取得部37とを備える。
【0080】
速度制御部31は、速度指令ω
cmdと速度取得部37によって取得された同期モータ2のロータの速度ω
mとに基づいて、トルク指令T
cmdを生成する。
【0081】
電流指令生成部32は、トルク指令T
cmdと速度取得部37によって取得された同期モータ2のロータの速度ω
mとに基づいて、d軸電流指令I
dc及びq軸電流指令I
qcを生成する。
【0082】
三相dq変換部36は、電力変換部35から出力された三相電流I
u、I
v、I
wを磁極位置検出装置100で検出された磁極位置に基づいて三相dq変換し、d軸電流I
d及びq軸電流I
qを電流制御部33へ出力する。
【0083】
電流制御部33は、通常のモータ制御時には、d軸電流指令I
dc及びq軸電流指令I
qcとd軸電流I
d及びq軸電流I
qとに基づいて、d軸電圧指令V
dc及びq軸電圧指令V
qcを生成する。また、電流制御部33は、磁極初期位置検出時には、磁極初期位置検出装置1(の直流励磁指令生成部11)から出力された直流励磁指令(I
d=I
e,I
q=0)に基づいて、電流位相を固定した一定の励磁電流を流すためのd軸電圧指令V
dc及びq軸電圧指令V
qcを生成する。
【0084】
dq三相変換部34は、d軸電圧指令V
dc及びq軸電圧指令V
qcを磁極位置検出装置100で検出された磁極位置に基づいてdq三相変換し、三相電圧指令V
uc、V
vc、V
wcを電力変換部35へ出力する。
【0085】
電力変換部35は、例えば半導体スイッチング素子のフルブリッジ回路からなる逆変換器(三相インバータ)で構成され、受信した三相電圧指令V
uc、V
vc、V
wcに基づいて半導体スイッチング素子のオンオフを制御し同期モータ2を駆動するための三相電流I
u、I
v、I
wを出力する。
【0086】
磁極位置検出装置100内の磁極位置更新部41は、磁極初期位置検出装置1(の磁極初期位置取得部13)から出力された磁極初期位置にて、磁極位置カウンタを初期化する。磁極位置カウンタの初期化後、磁極位置更新部41は、インクリメンタルパルス量を極対数倍したものを磁極位置カウンタに加算して磁極位置を出力する。
【0087】
なお、上述した直流励磁指令生成部11、トルクゼロ判定部12、磁極初期位置取得部13、ロータ実位置取得部14、速度制御部31、電流指令生成部32、電流制御部33、dq三相変換部34、三相dq変換部36、速度取得部37、及び磁極位置更新部41は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。例えばこれらをソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、モータ制御装置1000内にある演算処理装置をこのソフトウェアプログラムに従って動作させることで、上述の各部の機能を実現することができる。またあるいは、直流励磁指令生成部11、トルクゼロ判定部12、磁極初期位置取得部13、ロータ実位置取得部14、速度制御部31、電流指令生成部32、電流制御部33、dq三相変換部34、三相dq変換部36、速度取得部37、及び磁極位置更新部41を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。
【0088】
第2実施形態
以下、本開示の第2実施形態に係る磁極初期位置検出装置1Aについて説明する。磁極初期位置検出装置1Aは、第1実施形態における磁極初期位置検出装置1の変形例に相当する。
図9は、磁極初期位置検出装置1Aの構成を表すブロック図である。磁極初期位置検出装置1Aは、第1実施形態に係る直流励磁指令生成部11の機能を実現する構成要素として、第1指令生成部11Aと、励磁位相決定部16と、第2指令生成部11Bとを備える。第1指令生成部11Aは、第1実施形態において直流励磁指令生成部11が有する機能として説明した、電流位相を第1位相に固定した一定の励磁電流を同期モータ2へ流す第1指令を生成する機能を有する。第2指令生成部11Bは、電流位相を、任意に設定した第2位相に固定した一定の励磁電流を同期モータ2へ流す指令(以下、第2指令とも記す)を生成する。励磁位相決定部16は、同期モータ2に第2指令に基づく励磁電流を流したときの同期モータ2の回転方向と、同期モータ2に対する速度指令(ω
cmd)の回転方向とに基づいて、第1指令により同期モータ2が速度指令(ω
cmd)の回転方向と同一方向に回転するように、第1指令を生成するための第1位相を決定する。この構成により、第1指令生成部11Aが生成した第1指令による直流励磁によりロータが回転する方向を、速度指令(ω
cmd)によるロータの回転方向に合わせることができ、磁極初期位置検出動作から速度制御への移行をスムーズに行い、指令速度への到達時間を短縮することが可能になる。以下では、第2実施形態に係る磁極初期位置検出装置1Aの上記機能に注目して説明を行う。
【0089】
第2実施形態に係る磁極初期位置検出装置1Aによる磁極初期位置の検出動作の概略は以下のようになる。はじめに、第2指令生成部11Bは、任意に設定した第2位相(θ
0)の電流位相で同期モータ2を直流励磁する。この場合の直流励磁は極短時間で良い。これにより、ロータが初期位置から、第2位相の電流位相での直流励磁に応じた方向に回転をはじめる。次に、励磁位相決定部16は、このときの励磁位相(第2位相)とロータの回転方向との関係を取得する。この関係に基づいて、励磁位相決定部16は、第1指令によりロータが回転する方向(極性)と速度指令(ω
cmd)の回転方向(極性)とが一致するように、第1指令を生成するための第1位相を決定する。第1指令生成部11Aは、励磁位相決定部16により決定された励磁位相(第1位相)を用いて第1指令を生成する。第1指令生成部11Aにより生成された第1指令による直流励磁が行われると、トルクゼロ判定部12及び磁極初期位置取得部13の動作により磁極初期値が取得される。この場合、トルクゼロ判定部12は、第1指令生成部11Aによる同期モータ2に対する第1指令の開始後、一番最初に発生するトルクゼロを検知してこの検知結果を磁極初期位置取得部13に通知する。磁極初期位置が取得されると、速度指令(ω
cmd)による同期モータ2の速度制御への移行が行われる。
【0090】
図10は、磁極初期位置検出装置1A(主として第2指令生成部11B及び励磁位相決定部16)により実行される、磁極初期位置検出に用いる励磁位相(第1位相)を決定するための処理(以下、励磁位相決定処理と記す)を表すフローチャートである。はじめに、磁極初期位置検出装置1Aは、変数‘STAGE’の値を確認する(ステップS1)。変数‘STAGE’の値は本処理開始時にゼロに初期化されているため、最初にステップS1が実行されるときには‘STAGE’=0と判定され、処理はステップS2に進む。ステップS2では、磁極初期位置検出装置1Aは、本処理の開始時のロータ位置(θ
m0)をロータ実位置取得部14から取得して記憶し、変数‘STAGE’を1に更新する。
【0091】
次に、第2指令生成部11Bは、直流励磁の電流位相を設定するための変数Θeに、任意に設定した電流位相θ
0(第2位相)の値を代入し、第2指令を生成する。第2指令はモータ制御装置1000の電流制御部33に送られ、第2指令による直流励磁が行われる(ステップS3)。ステップS4では、変数‘STAGE’の値が確認される。現在、‘STAGE’=1であるため、処理はステップS5に進む。ステップS5では、磁極初期位置検出装置1Aは、ロータが動いたか否かを判定する。その結果、ロータが動いている場合(S5:YES)、励磁位相決定部16は、ロータが動いた方向(極性)が、速度指令(ω
cmd)による回転方向(極性)と一致しているか否かを判定する(ステップS7)。その結果、ロータが動いた方向と速度指令による回転方向が一致している場合、(S7:YES)、励磁位相決定部16は、第1指令を生成するための励磁位相を代入する変数Θ
wに、ステップS3で設定した電流位相θ
0の値を代入する(ステップS8)。
【0092】
他方、ロータが動いた方向と速度指令(ω
cmd)による回転方向とが一致しない場合には(S7:NO)、励磁位相決定部16は、電流位相θ
0に180度を加えた値を変数Θ
wに代入する(ステップS9)。ここで電流位相θ
0に180度を加えたものを変数Θ
wに加えるのは、励磁位相(Θ
w)での直流励磁におけるロータの回転方向を、電流位相θ
0による直流励磁の場合のロータの回転方向と逆の方向とするためである。現時点のロータの位置は、ステップS2で記憶した処理開始時のロータ位置(θ
m0)よりも進んでいるので、ロータが進んだ分の位相を変数Θ
wに加えて最終的な第1指令を生成するための励磁位相(第1位相)とする(ステップS10)。具体的には、ステップS10では、以下のように変数Θ
wを決定する。
Θ
w=Θ
w+pp(P
c−θ
m0)
ここで、Pc:ロータ現在位置
pp:極対数
このように第1指令を生成するための励磁位相(Θ
w)が決定されると、励磁位相決定部16は、決定された励磁位相(Θ
w)を第1指令生成部11Aに渡し、変数‘STAGE’を処理完了を示す3に更新する(ステップS11)。スッテプS11において変数‘STAGE’が3に更新されると、ステップS1において変数‘STAGE’が3であると判定され、本励磁位相決定処理は終了する。以上のように決定された励磁位相(Θ
w)を、第1指令生成部11Aにおいて第1指令を生成するために用いることで、磁極初期位置検出動作のための直流励磁におけるロータの回転方向を、速度指令(ω
cmd)によるロータの回転方向に一致させることができる。
【0093】
ステップS5においてロータが動かないと判定された場合は、磁極初期位置検出装置1Aは、電流位相θ
0に90度を加えた電流位相Θ
eにて直流励磁を行う(ステップS6)。ここで、ステップS5でロータが動かないと判定されるのは、電流位相θ
0がロータの磁極初期位置(位相)近傍にある場合である。よって、これを回避するために、電流位相θ
0に90度を加えた電流位相Θ
eで直流励磁を行うこととする。ステップS6では、変数‘STAGE’を2に更新する。ステップS5において変数‘STAGE’が2に更新されて処理がステップS1に戻ると、変数‘STAGE’が2であると判定され、処理はステップS4に進む。この場合、ステップS4において変数‘STAGE’の値が2であると判定され、処理はステップS12に進む。
【0094】
ステップS12では、ステップS6で電流位相θ
0に90度を加えた電流位相Θ
eで直流励磁を行った結果としてロータが動いたか否かが判定される。その結果、ロータが動いたと判定された場合(S12:YES)、ロータが回転した方向(極性)が判定される(ステップS13)。その結果、ロータの回転方向がプラス方向であると判定された場合には(S13:‘+’)、ステップS3で設定した電流位相θ
0が磁極初期位置(位相)を表していることになる。この場合、電流位相θ
0に、本処理を開始してからロータが移動した分の位相を加えた値(Θ
w)を以下の数式の通り求めて磁極初期位置とする(ステップS14)。
Θ
w=θ
0+pp(P
c−θ
m0)
【0095】
他方、ステップS13においてロータの回転方向がマイナス方向であると判定された場合には(S13:‘−’)、ステップS3で設定した電流位相θ
0に180度を加えた値が磁極初期位置(位相)を表していることになる。この場合、電流位相θ
0に180度を加えた値に、本処理を開始してからロータが移動した分の位相を加えた値(Θ
w)を以下の数式の通り求めて磁極初期位置とする(ステップS15)。
Θ
w=θ
0+180度+pp(P
c−θ
m0)
【0096】
ステップS16では、ステップS14又はS15で求められたΘ
wを磁極初期位置と決定し、本励磁位相決定処理を完了するため変数‘STAGE’を3に更新する。この場合、本励磁位相決定処理は終了し、第1指令生成部11Aによる第1指令の生成及び第1指令に基づく磁極初期位置検出は行われない。ステップS14又はS15で求められたΘ
wは、磁極初期位置検出装置1から磁極位置更新部41に出力する磁極初期位置とされる。
【0097】
ここで、ステップS6において電流位相θ
0に90度を加えた電流位相Θ
eで直流励磁を行った場合に、ロータの回転方向に応じてステップS14、S15の通り磁極初期位置を決定できることについて説明する。ステップS5でロータが動かないと判定されるのは、電流位相θ
0が磁極初期値の位相と一致しているか、磁極初期位置の位相と180度異なる場合である。ステップS6で電流位相θ
0+90度で直流励磁しロータが動いた状況について考える。ロータが動くのは、
図3を参照して説明した通り、励磁電流I
eの励磁位相(
図3の場合0度)と、磁極位置との間にθのずれがある場合、すなわち、数式2及び数式3で示したトルクが発生している場合である。ここでは、非突極性の場合(数式3)について考える。
図11は、励磁位相と磁極位置とのずれθにより数式3に従って発生するトルクを表すグラフである。
図11に示す通り、励磁位相と磁極位置との間のずれθが正の範囲(0〜180度)でトルクは負の値をとり、θが負の範囲(0〜−180度)でトルクは正の値をとる。
【0098】
この場合、
図12に示すように、励磁電流I
eをd
c軸の位相0度に設定した座標系に対して磁極位置(位相)が第1象限及び第2象限に存在する場合にはロータはマイナス方向に回転し、磁極位置(位相)が第3象限及び第4象限にある場合にはロータはプラス方向に回転する。ここで、位相のプラス方向が
図12の左回りであることに留意すると、電流位相(θ
0+90度)での直流励磁においてロータの回転方向がプラスと判定されるのは(S13:‘+’)、電流位相(θ
0+90度)に対して磁極初期位置がマイナス方向に90度ずれた位置(つまり、電流位相θ
0の位置)にある場合であると理解できる。他方、電流位相(θ
0+90度)での直流励磁においてロータの回転方向がマイナスと判定されるのは(S13:‘−’)、電流位相(θ
0+90度)に対して磁極初期位置がプラス方向に90度ずれた位置(つまり、電流位相θ
0に180度を加えた位置)にあった場合である。したがって、ステップS14では電流位相θ
0にロータが移動した分の位相を加えた値(Θ
w)を磁極初期値として決定することができ、ステップS15では電流位相θ
0に180度を加えた値にロータが移動した分の位相を加えた値(Θ
w)を磁極初期値として決定することができる。
【0099】
図10の説明に戻り、ステップS12でロータが動かないと判定されるのは、同期モータ2が拘束状態にあるか、動力線が断線している状態である。よってこの場合、磁極初期位置検出装置1Aはアラームを発し、本処理を停止するため変数‘STAGE’を3に更新する。
【0100】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1指令生成部11Aが生成する第1指令による直流励磁によりロータが回転する方向を、速度指令(ω
cmd)によるロータの回転方向に合わせることができ、磁極初期位置検出動作から速度制御への移行をスムーズに行うことが可能になる。
【0101】
以上、典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、上述の各実施形態に変更及び種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。