【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、過去の廃棄物搬入量と実廃棄物搬入量との差が大きい原因として、経年変動とごみ非収集日による変動があることを見出した。
経年変動の影響を低減するための手段を以下に示す。
本発明の廃棄物搬入量予測装置は、
過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、予め設定されるまたは任意に選択される過去の
年単位の所定期間
における日単位の搬入量のデータを、統計処理演算および/または重付け演算(重み係数を積算)し、将来の
年単位の所定期間
における日々の廃棄物の
日単位の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める予測演算部を備える。
前記重付け演算の重み係数は、予め設定されていてもよく、過去の実績に応じて統計手法(最適化処理)から演算されてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、前記重付け演算の重み係数を入力するための入力部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、前記過去廃棄物搬入量データとして、過去何年まで遡ったデータを使用するか否かを選択するための入力部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、予測廃棄物搬入量を求めるための比較の基準となる過去廃棄物搬入量の過去の期間を選択するための入力部を有していてもよい。
本発明の廃棄物搬入量予測装置は、単一または複数の廃棄物収集エリア(単一または複数の廃棄物収集車)から焼却施設へ搬入される廃棄物の搬入量を予測できる。
本発明において、廃棄物には、複数種類のごみが含まれる。例えば、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみなどがある。過去廃棄物搬入量データには、廃棄物の種類に対応した搬入量データを含み、予測演算部は、廃棄物の種類ごとに予測測廃棄物搬入量を求めることができる。
【0007】
前記過去廃棄物搬入量データは、前記将来の所定期間に対応する直前の過去の所定期間の実績である第一過去廃棄物搬入量と、前記第一過去廃棄物搬入量よりも過去の前記将来の所定期間に対応する期間の実績である第二過去廃棄物搬入量と、前記第二過去廃棄物搬入量よりも過去の前記将来の所定期間に対応する期間の実績である第三過去廃棄物搬入量と、前記第三過去廃棄物搬入量よりも過去の前記将来の所定期間に対応する期間の実績である第四過去廃棄物搬入量と、を含んでいてもよい。
前記予測演算部は、以下の式で予測廃棄物搬入量を求めてもよい。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量または第一から第三過去廃棄物搬入量の平均量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+(第二過去廃棄物搬入量−第三過去廃棄物搬入量)×a2
重み係数は、a1+a2=1でもよい。
a1>a2でもよく、a1<a2でもよく、a1=a2でもよい。
a1=a2=0でもよい。
【0008】
前記予測演算部は、以下の式で予測廃棄物搬入量を求めてもよい。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量または第一から第四過去廃棄物搬入量の平均量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+(第二過去廃棄物搬入量−第三過去廃棄物搬入量)×a2+(第三過去廃棄物搬入量−第四過去廃棄物搬入量)×a3
重み係数は、a1+a2+a3=1でもよい。
a1>a2>a3でもよく、a1<a2<a3でもよく、a1=a2=a3でもよい。
a1=a2=a3=0でもよい。
a1、a2、a3は、一部が同一で、一部が他と異なっていてもよい。
【0009】
前記予測演算部は、以下の式で予測廃棄物搬入量を求めてもよい。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量または第一から第
n+1過去廃棄物搬入量の平均量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+Σ{(第i過去廃棄物搬入量−第i+1過去廃棄物搬入量)×ai}
ここで、i=2、3、4・・n。nは、過去のデータ量に依存する。過去は、1年間単位であってもよい。
重み係数は、a1+Σai=1でもよい。
a1>a2>a3>・・・>anでもよく、a1<a2<a3<・・・<anでもよく、a1=a2=a3=・・・=anでもよい。a1、a2・・・anは、一部が同一で、一部が他と異なっていてもよい。
【0010】
次いで、定期的または不定期に設定される廃棄物の収集日による変動の影響を低減するための手段を以下に示す。非収集日として、日曜、祝日、日曜と祝日が連続した日、お盆、正月などは、その次の直近の搬入量に大きな差が生じる。
前記予測演算部は、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量(0でない数値)を、当該非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する補正演算部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、記憶部またはデータ取得部を備え、将来の所定期間の収集日と非収集日が前記記憶部に保存されていてもよく、前記データ取得部から取得されてもよい。
前記補正演算部は、非収集日が2日以上連続してある場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を重付け演算(補正係数を積算)した後に、非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算してもよい。
前記重付け演算の補正係数は、予め設定されていてもよく、過去の実績に応じて統計手法(最適化処理)から演算されてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、補正演算部の演算をするか否かを選択するための、および/または重付け演算の補正係数を入力するための入力部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、求められた予測廃棄物搬入量の日々の結果を出力する出力部を有していてもよい。
【0011】
また、他の発明の廃棄物搬入量予測方法は、
過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、予め設定されるまたは任意に選択される
、過去の
年単位の所定期間
における日単位の搬入量のデータを、統計処理演算および/または重付け演算(重み係数を積算)し、将来の
年単位の所定期間
における日々の廃棄物の
日単位の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める予測演算ステップを含む。
前記予測演算ステップにおいて、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量(0でない数値)を、当該非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する補正演算ステップを含んでいてもよい。
前記補正演算ステップにおいて、非収集日が2日以上連続してある場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を重付け演算(補正係数を積算)した後に、非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算してもよい。
【0012】
また、他の発明の情報処理装置は、
少なくとも1つのプロセッサーと、
前記プロセッサーで実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサーは、実行可能な命令を実行することにより上記廃棄物搬入量予測方法を実現する、情報処理装置である。
【0013】
また、他の発明の廃棄物搬入量予測プログラムは、少なくとも1つのプロセッサーにより、上記廃棄物搬入量予測方法を実現するプログラムである。
また、他の発明のコンピュータ命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記コンピュータ命令がプロセッサーにより実行されることで、上記記載の廃棄物搬入量予測方法のステップを実現するコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0014】
前記重付け演算の重み係数は、例えば、機械学習、深層学習、、強化学習、深層強化学習によって求められてもよい。
機械学習、深層学習、強化学習、深層強化学習のアルゴリズムは、特に制限されず、従来のアルゴリズムを用いてもよい。教師あり学習として、例えば、線形回帰、一般化線形モデル、サポートベクター回帰、ガウス過程回帰、アンサンブル法、決定木、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、判別分析、単純ベイズ、最近傍法などの各種アルゴリズムを採用してもよい。
「表示装置」は、特に制限されず、液晶モニター、有機ELモニター、CRTモニター、スマートフォン、タブレット、汎用パソコンのモニターなどが例示される。
【0015】
上記廃棄物搬入量予測装置は、メモリ、プロセッサー、ソフトウエアプログラムを有する情報処理装置(例えば、コンピュータ、サーバ)や、専用回路、ファームウエアなどで構成してもよい。情報処理装置は、オンプレミスまたはクラウドのいずか一方、あるいは両方の組み合わせであってもよい。