特許第6962991号(P6962991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6962991廃棄物搬入量予測装置、廃棄物搬入量予測方法および廃棄物搬入量予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962991
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】廃棄物搬入量予測装置、廃棄物搬入量予測方法および廃棄物搬入量予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20211025BHJP
   B65F 9/00 20060101ALI20211025BHJP
   F23G 5/50 20060101ALI20211025BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20211025BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20211025BHJP
【FI】
   G06Q50/00
   B65F9/00
   F23G5/50 G
   G06Q10/00 400
   G06Q10/04
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-211671(P2019-211671)
(22)【出願日】2019年11月22日
(65)【公開番号】特開2021-82207(P2021-82207A)
(43)【公開日】2021年5月27日
【審査請求日】2019年11月25日
【審判番号】不服2020-17275(P2020-17275/J1)
【審判請求日】2020年12月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000133032
【氏名又は名称】株式会社タクマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 真大
(72)【発明者】
【氏名】橋本 隆史
【合議体】
【審判長】 畑中 高行
【審判官】 高瀬 勤
【審判官】 松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−81402(JP,A)
【文献】 実開昭59−181931(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
B65F9/00
F23G5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、予め設定されるまたは任意に選択される、過去の年単位の所定期間における日単位の搬入量のデータを、統計処理演算および/または重付け演算(重み係数を積算)し、将来の年単位の所定期間における日々の廃棄物の日単位の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める予測演算部を備える、廃棄物搬入量予測装置。
【請求項2】
前記予測演算部は、以下の式で予測廃棄物搬入量を求める、請求項1に記載の廃棄物搬入量予測装置。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量または第一から第+1過去廃棄物搬入量の平均量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+Σ{(第i過去廃棄物搬入量−第i+1過去廃棄物搬入量)×ai}
ここで、第一(第i)過去廃棄物搬入量は、前記将来の年単位の所定期間に対応する直前の過去の年単位の所定期間における日単位の搬入量の実績データであり、第二(第i+1)過去廃棄物搬入量は、第一(第i)過去廃棄物搬入量よりも過去の前記将来の年単位の所定期間における日単位の搬入量の実績データであり、前記(第i過去廃棄物搬入量−第i+1過去廃棄物搬入量)におけるiは2、3、4、・・nである。
【請求項3】
前記予測演算部は、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を、当該非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する補正演算部を有する、請求項1または2に記載の廃棄物搬入量予測装置。
【請求項4】
前記補正演算部は、非収集日が2日以上連続してある場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を重付け演算した後に、非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する、請求項3に記載の廃棄物搬入量予測装置。
【請求項5】
過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、予め設定されるまたは任意に選択される、過去の年単位の所定期間における日単位の搬入量のデータを、統計処理演算および/または重付け演算(重み係数を積算)し、将来の年単位の所定期間における日々の廃棄物の日単位の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める予測演算ステップを含む、廃棄物搬入量予測方法。
【請求項6】
廃棄物搬入量予測プログラムであって、
少なくとも1つのプロセッサーにより、請求項5に記載の廃棄物搬入量予測方法を実現するプログラム。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサーと、
前記プロセッサーで実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサーは、実行可能な命令を実行することにより請求項5に記載の廃棄物搬入量予測方法を実現する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物搬入量予測装置、廃棄物搬入量予測方法および廃棄物搬入量予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ごみ焼却施設に搬入されるごみ量の年間予測としては、一般的に、前年度以前の過去実績をそのまま用いている。
特許文献1は、過去のごみの収集データを基礎にして、今回のごみの収集量及びカロリー量を予測し、各ごみ処理場に対するごみ収集所の選定を含むごみ収集計画の策定を行う、ことが記載されている。しかし、過去のごみの収集データの用いるのみであり、年間のごみ搬入量を予測することは記載されていない。
特許文献2は、売電価格の予測値、廃棄物の発熱量の予測値、および、廃棄物搬入量の予測値を利用して、廃棄物の処理計画量を作成することが記載されている。しかし、廃棄物搬入量の予測値の求め方については記載がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−60005号
【特許文献2】特開2019−67066号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、過去の廃棄物搬入量と、実際に搬入された廃棄物搬入量(「実廃棄物搬入量」と称する。)との差が大きい場合があり、この差を小さくさせることが要望されている。
【0005】
上記実情に鑑み、本発明は、過去の廃棄物搬入量を考慮しつつ、予測廃棄物搬入量と実廃棄物搬入量との差を小さくすことができる、廃棄物搬入量予測装置、廃棄物搬入量予測方法および廃棄物搬入量予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、過去の廃棄物搬入量と実廃棄物搬入量との差が大きい原因として、経年変動とごみ非収集日による変動があることを見出した。
経年変動の影響を低減するための手段を以下に示す。
本発明の廃棄物搬入量予測装置は、
過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、予め設定されるまたは任意に選択される過去の年単位の所定期間における日単位の搬入量のデータを、統計処理演算および/または重付け演算(重み係数を積算)し、将来の年単位の所定期間における日々の廃棄物の日単位の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める予測演算部を備える。
前記重付け演算の重み係数は、予め設定されていてもよく、過去の実績に応じて統計手法(最適化処理)から演算されてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、前記重付け演算の重み係数を入力するための入力部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、前記過去廃棄物搬入量データとして、過去何年まで遡ったデータを使用するか否かを選択するための入力部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、予測廃棄物搬入量を求めるための比較の基準となる過去廃棄物搬入量の過去の期間を選択するための入力部を有していてもよい。
本発明の廃棄物搬入量予測装置は、単一または複数の廃棄物収集エリア(単一または複数の廃棄物収集車)から焼却施設へ搬入される廃棄物の搬入量を予測できる。
本発明において、廃棄物には、複数種類のごみが含まれる。例えば、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみなどがある。過去廃棄物搬入量データには、廃棄物の種類に対応した搬入量データを含み、予測演算部は、廃棄物の種類ごとに予測測廃棄物搬入量を求めることができる。
【0007】
前記過去廃棄物搬入量データは、前記将来の所定期間に対応する直前の過去の所定期間の実績である第一過去廃棄物搬入量と、前記第一過去廃棄物搬入量よりも過去の前記将来の所定期間に対応する期間の実績である第二過去廃棄物搬入量と、前記第二過去廃棄物搬入量よりも過去の前記将来の所定期間に対応する期間の実績である第三過去廃棄物搬入量と、前記第三過去廃棄物搬入量よりも過去の前記将来の所定期間に対応する期間の実績である第四過去廃棄物搬入量と、を含んでいてもよい。
前記予測演算部は、以下の式で予測廃棄物搬入量を求めてもよい。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量または第一から第三過去廃棄物搬入量の平均量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+(第二過去廃棄物搬入量−第三過去廃棄物搬入量)×a2
重み係数は、a1+a2=1でもよい。
a1>a2でもよく、a1<a2でもよく、a1=a2でもよい。
a1=a2=0でもよい。
【0008】
前記予測演算部は、以下の式で予測廃棄物搬入量を求めてもよい。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量または第一から第四過去廃棄物搬入量の平均量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+(第二過去廃棄物搬入量−第三過去廃棄物搬入量)×a2+(第三過去廃棄物搬入量−第四過去廃棄物搬入量)×a3
重み係数は、a1+a2+a3=1でもよい。
a1>a2>a3でもよく、a1<a2<a3でもよく、a1=a2=a3でもよい。
a1=a2=a3=0でもよい。
a1、a2、a3は、一部が同一で、一部が他と異なっていてもよい。
【0009】
前記予測演算部は、以下の式で予測廃棄物搬入量を求めてもよい。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量または第一から第+1過去廃棄物搬入量の平均量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+Σ{(第i過去廃棄物搬入量−第i+1過去廃棄物搬入量)×ai}
ここで、i=2、3、4・・n。nは、過去のデータ量に依存する。過去は、1年間単位であってもよい。
重み係数は、a1+Σai=1でもよい。
a1>a2>a3>・・・>anでもよく、a1<a2<a3<・・・<anでもよく、a1=a2=a3=・・・=anでもよい。a1、a2・・・anは、一部が同一で、一部が他と異なっていてもよい。
【0010】
次いで、定期的または不定期に設定される廃棄物の収集日による変動の影響を低減するための手段を以下に示す。非収集日として、日曜、祝日、日曜と祝日が連続した日、お盆、正月などは、その次の直近の搬入量に大きな差が生じる。
前記予測演算部は、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量(0でない数値)を、当該非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する補正演算部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、記憶部またはデータ取得部を備え、将来の所定期間の収集日と非収集日が前記記憶部に保存されていてもよく、前記データ取得部から取得されてもよい。
前記補正演算部は、非収集日が2日以上連続してある場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を重付け演算(補正係数を積算)した後に、非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算してもよい。
前記重付け演算の補正係数は、予め設定されていてもよく、過去の実績に応じて統計手法(最適化処理)から演算されてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、補正演算部の演算をするか否かを選択するための、および/または重付け演算の補正係数を入力するための入力部を有していてもよい。
廃棄物搬入量予測装置は、求められた予測廃棄物搬入量の日々の結果を出力する出力部を有していてもよい。
【0011】
また、他の発明の廃棄物搬入量予測方法は、
過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、予め設定されるまたは任意に選択される過去の年単位の所定期間における日単位の搬入量のデータを、統計処理演算および/または重付け演算(重み係数を積算)し、将来の年単位の所定期間における日々の廃棄物の日単位の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める予測演算ステップを含む。
前記予測演算ステップにおいて、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量(0でない数値)を、当該非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する補正演算ステップを含んでいてもよい。
前記補正演算ステップにおいて、非収集日が2日以上連続してある場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を重付け演算(補正係数を積算)した後に、非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算してもよい。
【0012】
また、他の発明の情報処理装置は、
少なくとも1つのプロセッサーと、
前記プロセッサーで実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサーは、実行可能な命令を実行することにより上記廃棄物搬入量予測方法を実現する、情報処理装置である。
【0013】
また、他の発明の廃棄物搬入量予測プログラムは、少なくとも1つのプロセッサーにより、上記廃棄物搬入量予測方法を実現するプログラムである。
また、他の発明のコンピュータ命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記コンピュータ命令がプロセッサーにより実行されることで、上記記載の廃棄物搬入量予測方法のステップを実現するコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0014】
前記重付け演算の重み係数は、例えば、機械学習、深層学習、、強化学習、深層強化学習によって求められてもよい。
機械学習、深層学習、強化学習、深層強化学習のアルゴリズムは、特に制限されず、従来のアルゴリズムを用いてもよい。教師あり学習として、例えば、線形回帰、一般化線形モデル、サポートベクター回帰、ガウス過程回帰、アンサンブル法、決定木、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、判別分析、単純ベイズ、最近傍法などの各種アルゴリズムを採用してもよい。
「表示装置」は、特に制限されず、液晶モニター、有機ELモニター、CRTモニター、スマートフォン、タブレット、汎用パソコンのモニターなどが例示される。
【0015】
上記廃棄物搬入量予測装置は、メモリ、プロセッサー、ソフトウエアプログラムを有する情報処理装置(例えば、コンピュータ、サーバ)や、専用回路、ファームウエアなどで構成してもよい。情報処理装置は、オンプレミスまたはクラウドのいずか一方、あるいは両方の組み合わせであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1の廃棄物搬入量予測装置の機能ブロック図の一例である。
図2】実施形態1の入力画面の一例である。
図3】実施形態1の予測廃棄物搬入量と実績データの結果の一例である。
図4】実施形態1の予測廃棄物搬入量(非収集日を補正)と実績データの結果の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態1)
図1は、廃棄物搬入量予測装置1の構成要素の機能ブロック図を示す。
廃棄物搬入量予測装置1は、入力部11、予測演算部12、記憶部13、出力部14を備える。
【0018】
入力部11は、図2に示すように、予測を行う年度、過去実績のベース(何年間分を考慮するか)、年度の差分に対する重み係数、祝日の廃棄物搬入の有無、年始年末の搬入中止期間、長期休み明けの補正係数、比較する基準の過去実績の年度などの入力を受け付ける。入力に際し、予め初期値が入力されていてもよい。オペレータは、図2の各入力値を設定する。
図2では、例えは、以下の通り入力されている。なお、補正係数、重み係数は一例である。
予測を行う年度:2018年度
過去実績のベース:3か年
重み係数(1年前−2年前):0.6
重み係数(2年前−3年前):0.4
祝日の廃棄物搬入:なし
年始年末の搬入中止期間:12/31から1/3
3日前の補正係数:0.5
2日前の補正係数:0.8
1日前の補正係数:1
比較する基準の過去実績の年度:2017
【0019】
予測演算部12は、過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、予め設定されるまたは任意に選択される過去の所定期間のデータ(例えば、図2で入力された過去3か年分)において、重付け演算(重み係数を積算)し、将来の所定期間(例えば、図2において入力された2018年度)の日々の廃棄物の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める。
比較する過去実績年度が2017年であり、過去3年間分のデータを考慮するため、
第一過去廃棄物搬入量:2016年度の日単位のデータ
第二過去廃棄物搬入量:2015年度の日単位のデータ
第三過去廃棄物搬入量:2014年度の日単位のデータ
を用いる。
予測演算部12は、下記式から予測廃棄物搬入量を求める。
予測廃棄物搬入量=第一過去廃棄物搬入量+(第一過去廃棄物搬入量−第二過去廃棄物搬入量)×a1+(第二過去廃棄物搬入量−第三過去廃棄物搬入量)×a2
a1:0.6
a2:0.4
本実施形態において、予測廃棄物搬入量を求める演算では、ベースとなる第1項が第一過去廃棄物搬入量となっているが、これに制限されず、演算の第1項を第一から第三過去廃棄物搬入量の平均量としてもよい。オペレータがいずれか一方を入力で選択できるようにしてあってもよく、予めいずれか一方を初期値として設定してあってもよく、両方のそれぞれを用いて予測廃棄物搬入量(直近過去1年ベースの予測廃棄物搬入量、直近過去3年の平均ベースの予測廃棄物搬入量)を求めてもよい。
【0020】
図3に、予測演算部12で求められた予測廃棄物搬入量と、実績データの結果を示す。
縦軸に、廃棄物(ごみ)搬入量(t/day)、横軸に日を示す。ここでは10月7日から11月11日までを抽出して示している。
10月8日、11月3日は、祝日であったため、それぞれの翌日の搬入量が、予測と実績とで大きく差がある結果となった。
【0021】
補正演算部121は、予測演算部12で求められた予測廃棄物搬入量の日々のデータ中に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量が0でない場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を、当該非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する。そして、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量は0にする。
本実施形態では、補正演算部121は、非収集日が3日連続してある場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を重付け演算(補正係数を積算)した後に、非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する。
3日前の補正係数:0.5
2日前の補正係数:0.8
1日前の補正係数:1
【0022】
図4に、補正演算部121で求められた予測廃棄物搬入量と、実績データの結果を示す。
縦軸に、廃棄物(ごみ)搬入量(t/day)、横軸に日を示す。ここでは10月7日から11月11日までを抽出して示している。
祝日の10月8日、11月3日の予測廃棄物搬入量を、それぞれの翌日の予測廃棄物搬入量に加算したことで、予測が実績に近づき、予測精度が改善された。
【0023】
記憶部13は、過去廃棄物搬入量データ、予測する将来の所定期間の収集日と非収集日のスケジュールデータを記憶している。
また、記憶部13は、廃棄物搬入量予測プログラムを保存していてもよい。
【0024】
出力部14は、求められた予測廃棄物搬入量の日々の結果を出力する。
出力部14が出力する形態は、例えば、表示装置への表示、プリンタへのプリント出力、スピーカへの音出力、外部装置へのデータ送信、記憶部へのデータ記憶などを含んでいてもよい。
表示装置は、特に制限されず、液晶モニター、有機ELモニター、CRTモニター、スマートフォン、タブレット、汎用パソコンのモニターなどが例示される。
【0025】
(予測精度)
予測精度として、(予測値−実績値)の標準偏差を求めた。
(1)過去実績のベースを3ヶ年の平均として予測精度を求めた。
比較例(前年度実績をそのまま予測値として利用):42.66
経年変動考慮:42.21
経年変動および非収集日を考慮:13.55
(2)過去実績のベースを前年のみとして予測精度を求めた。
比較例:42.54
経年変動考慮:42.52
経年変動および非収集日を考慮:12.88
(結果)
過去実績のベースが3ヶ年平均と前年のいずれにおいても、図3の経年変動を考慮した実施例の場合、比較例の結果よりも予測精度が高まった。
図4の経年変動および非収集日を補正した実施例の場合、図3よりも予測精度が大幅に改善された。
【0026】
(別実施形態)
廃棄物搬入量予測方法は、
過去に廃棄物を焼却施設に搬入した量である過去廃棄物搬入量データの内、少なくとも過去3年間のデータを、統計処理演算および/または重付け演算(重み係数を積算)し、将来の所定期間の日々の廃棄物の搬入量の予測である予測廃棄物搬入量を求める予測演算ステップを含む。
前記予測演算ステップにおいて、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量(0でない数値)を、当該非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算する補正演算ステップを含んでいてもよい。
前記補正演算ステップにおいて、非収集日が2日以上連続してある場合に、非収集日に対応する日の予測廃棄物搬入量を重付け演算(補正係数を積算)した後に、非収集日以降の直近の収集日の予測廃棄物搬入量に加算してもよい。
【0027】
情報処理装置は、
少なくとも1つのプロセッサーと、
前記プロセッサーで実行可能な命令を記憶するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサーは、実行可能な命令を実行することにより上記廃棄物搬入量予測方法を実現する、情報処理装置である。
【0028】
廃棄物搬入量予測プログラムは、少なくとも1つのプロセッサーにより、上記廃棄物搬入量予測方法を実現するプログラムである。
コンピュータ命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記コンピュータ命令がプロセッサーにより実行されることで、上記記載の廃棄物搬入量予測方法のステップを実現するコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【符号の説明】
【0029】
1 廃棄物搬入量予測装置
11 入力部
12 予測演算部
121 補正演算部
13 記憶部
14 出力部
図1
図2
図3
図4