(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記拡張カードは、前記拡張カードに形成された配線を外部に接続するためのコネクタを備えており、前記カード装着部品は、前記コネクタを装着するためのコネクタ装着部を備える、請求項1又は請求項2に記載された取付部品。
【背景技術】
【0002】
コンピュータやサーバ等の情報処理装置である電子機器のPCI拡張カード用スロット及びPCI拡張カード(以下、単に「カード」ともいう。)には、サイズに関する規格が定められている(非特許文献1参照)。ここで、PCIは、Peripheral Component Interconnectの略である。例えば、PCI拡張カードを情報処理装置に取り付けるための部品であるPCI ExpressアドインカードI/O Bracket(以下、「ブラケット」ともいう。)のサイズに関し、規格化されている。そして、ブラケットについて、互いに高さの異なる「Standard Height」及び「Low Profile」の2種類の形状が規格化されている(非特許文献2参照)。ここで、I/Oは、Input/Outputの略である。
【0003】
図1は、一般的なブラケットの構成を表すイメージ図である。なお、図においては、ブラケットの一部の構成や構造は省略されている。さらに、図に表される構造は、あくまでもイメージを表すものであり、寸法等は規定されたものではない。
【0004】
図1(a)乃至
図1(c)は、Low Profileのブラケットの例であるブラケット10aを表す。
図1(a)は、ブラケット10aの正面図である。
図1(b)は、ブラケット10aの
図1(a)に表される矢印91bの向きを見た側面図である。また、
図1(c)は、ブラケット10aの
図1(a)に表される矢印91aの向きを見た上面図である。
【0005】
ブラケット10aは、互いに固定され、あるいは、一体的に成型された、上部11aと側部12aとを備える。側部12aには、取付け部13a及び14bが形成されている。取付け部13a及び14bは、後述のように、PCI拡張カードを取り付けるための部分である。取付け部13a及び14bには、ネジ穴19a及び19bが形成されている。PCI拡張カードは、ネジ穴19a及び19bにネジ止めされる。
【0006】
側部12aには、また、穴36aが形成されている。穴36aは、後述のように、PCI拡張カードに設置されたコネクタの端子部を差し込み、コネクタをブラケット10aに装着するためのものである。
【0007】
図1(c)に表されるように、上部11aには、切欠け15aが形成されている。切欠け15aは、後述のように、PCI拡張カードを取り付けたブラケット10aを、電子機器の筐体にネジ止めするためのものである。
【0008】
図1(d)乃至
図1(f)は、Standard Heightのブラケットの例であるブラケット10bを表す。
図1(d)は、ブラケット10bの正面図である。
図1(e)は、ブラケット10bの
図1(d)に表される矢印91bの向きを見た側面図である。また、
図1(f)は、ブラケット10bの
図1(d)に表される矢印91aの向きを見た上面図である。
【0009】
ブラケット10bは、上部11bと側部12bとを備える。
【0010】
上部11bには、切欠け15bが形成されている。切欠け15bは、後述のように、PCI拡張カードを取り付けたブラケット10aを、電子機器の筐体にネジ止めするためのものである。切欠け15bの位置は、
図1(c)に表される上部11aでは切欠け15aが右端に形成されていたのに対し、上部11bでは左端に形成されている。上部11bは、
図1(a)乃至
図1(c)に表される上部11aと比較して、その他の点においても
図1(c)及び(f)に表される構成の相違がある。上部の構成のこれらの相違は、非特許文献2において規格化されたものであり、詳しい説明は省略される。
【0011】
また、側部12bにおける上端から取付け部13aまでの距離は、
図1(a)及び
図1(b)に表される側部12aより長くなっている。
【0012】
ブラケット10bは、上記以外は、ブラケット10aと同様である。
【0013】
図2は、
図1(a)乃至
図1(c)に表されるブラケット10a及び10bが、電子機器の筐体に装着する対象のPCI拡張カードであるカード35の構成を表すイメージ図である。また、
図3は、
図2に表されるカード35が
図1(a)乃至(c)に表されるブラケット10aに装着された構成を表す概念図である。また、
図4乃至
図6はブラケット10aに装着されたカード35が、電子機器の筐体に装着された構成を表す概念図である。
図4は、筐体の内部を透視して見た側面図である。また、
図5は、
図4に表される天板27をはずして見た上面図である。また、
図6は、正面図である。
【0014】
図2に表されるように、カード35は、基板34とコネクタ31とを備える。コネクタ31は、基板34に形成された配線を外部の配線に接続するための接続部である。コネクタ31には、基板34に形成された配線を外部の配線に接続するための接続端子である端子部32が備えられている。
【0015】
基板34には、
図1に表されるブラケット10a及び10bの各々の、取付け部13a及び14aのネジ穴19a及び19bをネジ止めするための穴である穴41及び42が形成されている。なお、基板34及びコネクタ31の仕様は、非特許文献1において定められている。
【0016】
図2に表されるカード35の穴41及び42は、
図3に表されるように、ネジ17a及び18aにより、ブラケット10aの取付け部13a及び14aにネジ止めされる。その際にコネクタ31は、ネジ43及び44により、ブラケット10aにネジ止めされる。この状態において、コネクタ31の端子部32は、
図1(a)に表される穴36aから突き出ている。
【0017】
なお、当該ネジ止めの際に、コネクタ31と側部12aとの間には、ガスケット33が挿入される。ガスケット33は、電子機器の筐体の外部からコネクタを介して電磁波が筐体内に侵入し、あるいは、筐体内部の電磁波がコネクタを介して筐体外に漏洩するのを防ぐ、電磁波対策部品である。ガスケット33は、例えば、金属板である。
【0018】
図3に表される構成は、
図4乃至
図6に表されるように、電子機器の筐体である筐体28に取り付けられる。ここで、筐体28は、
図4に表されるように、金属部材である、天板27と、上側部26と、中部21と、側部23と、底部25とを備える。これらは、互いに固定されている。上側部26と、中部21と、側部23と、底部25とは、一体的に形成されていても構わない。
【0019】
図3に表されるブラケット10aの上部11aは、
図4乃至
図6に表されるように、ネジ22aにより、筐体28の中部21の上にネジ止めされている。当該ネジ止めは、
図1(c)に表される上部11aの切欠け15aに行われる。
【0020】
図4に表される側部23には、
図6に表されるように、複数のスリット24が形成されている。スリット24により、コネクタ31の端子部32は、筐体28の外部に露出している。そして、スリット24の各々は、筐体28の内部から側部12aが筐体28の側部23に隙間無く押し付けられることにより塞がれている。これにより、筐体28の内部は、各々が金属であり、天板27と、上側部26と、中部21と、側部23と、底部25、ブラケット10aの側部12a及びガスケット33により、筐体28の外との間の電磁波の通過が遮蔽されている。
【0021】
図7は、
図4乃至
図6に表される構成を備える電子機器200を表すイメージ図である。
【0022】
図8乃至
図11は、
図1に表されるブラケット10bを用いて、
図2に表されるカード35が電子機器の筐体に装着された構成を表す概念図である。
図8は、筐体29の内部を透視して見た側面図である。また、
図9は、
図8に表される天板27をはずして見た上面図である。また、
図10は、正面図である。
【0023】
図8乃至
図11の説明は、ブラケットがStandard Heightである点を除いて、
図4乃至
図7の説明と同様である。従い、ここでは、詳細説明は省略される。なお、ネジ22bは、ブラケット10bを中部21に装着するためのネジである。
【0024】
図8乃至
図11に表されるように、ブラケット10bを用いた場合は、基板34は、
図4乃至
図7に表される筐体28より深さが深い筐体29の底部25の近くに、基板34を装着することができる。そして、その場合、
図4乃至
図7に表される場合と同様に、筐体29の内部を電磁的に遮断することができる。
【0025】
しかしながら、
図1に表されるブラケット10a及び10bにより
図2に表されるカード35を筐体に装着する場合、以下の問題が生じる。
【0026】
PCI拡張カードを筐体に装着する局面においては、例えば、既にLow Profileのブラケット10aに装着されたカード35を、深さの深い筐体を備える電子機器に実装する必要が生じることがある。その場合、ブラケット10aをカード35からはずし、ブラケット10bをカード35に付け替える必要がある。その際には、
図3に表されるガスケット33は取り外され、新品のガスケット33に交換される。そのため、ガスケット33に無駄が生じる。
【0027】
さらに、ガスケット33が正しく装着されないと、電磁波対策が十分に行われず、筐体内で発生した電磁波が他機器へ悪影響を及ぼし、又は、筐体外の電磁波が筐体内に悪影響を及ぼす危険性がある。さらに、ブラケットの付け替えは、PCI拡張カードを変形させ、あるいは損傷させる危険性がある。そのため、ブラケットの付け替えはできるだけ行わないことが望ましい。
【0028】
ここで、特願2018−210001号明細書(以下、「出願文献」という。)には、ブラケットを伸縮構造にしたPCI拡張カード用ブラケットが記述されている。当該ブラケットは、この伸縮構造により、ブラケットの付け替えを行わずに、Standard Height用及びLow Profile用の両方の筐体に装着可能である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本実施形態においては、カード装着部品と、筐体装着部品とを一体化させたブラケットが用いられる。ここで、カード装着部品は、PCI拡張カードを装着する、ブラケットの構成部品である。また、筐体装着部品は、筐体に装着される、ブラケットの構成部品である。
【0036】
そして、カード装着部品は一種類とし、筐体装着部品の高さは、高いものと低いものとの二種類を用意する。そして、Standard Heightのブラケットとして使用するときは、高さの高い筐体装着部品を共通のカード装着部品に装着したブラケットを使用する。一方、Low Profileのブラケットとして使用するときは、高さの低い筐体装着部品を共通のカード装着部品に装着したブラケットを使用する。
【0037】
このような、筐体装着部品をアタッチメントとするブラケットにより、カードの取り外しを行うことなく、Low Profile及びStandard Heightのうちの一方のブラケットを他方のブラケットに変更することができる。
【0038】
そして、当該変更の際に、背景技術の項で説明した伸縮構造のブラケットのように筐体とブラケットとの間に隙間が生じにくい。そのため、本実施形態のブラケットは、電子機器の筐体内の電磁波対策を、カードの取り外しを行わずにブラケットのサイズ変更を行えることと両立させることが容易である。
[構成と動作]
図12乃至
図14は、本実施形態のブラケットを構成する、筐体装着部品及びカード装着部品を表す概念図である。前述のように、本実施形態のブラケットは、筐体装着部をカード装着部品に装着して一体化させるものである。
【0039】
図12は、Low Profile用の筐体装着部品の例である筐体装着部品101aを表す概念図である。筐体装着部品101aは、
図14に表されるカード装着部品102に装着されて一体化されることにより、
図15(a)乃至(c)に表されるLow Profile用のブラケットであるブラケット10aとなるアタッチメント部材である。
【0040】
図12(a)は、筐体装着部品101aの正面図である。また、
図12(b)は、筐体装着部品101aの
図12(a)に表される矢印91bの向きを見た側面図である。また、
図12(c)は、筐体装着部品101aの
図12(a)に表される矢印91aの向きを見た上面図である。
【0041】
筐体装着部品101aは、上部11aと側部59aと挿入部51aとを備える。上部11aの構成は、
図1(a)乃至(c)に表される上部11aの構成と同じである。
【0042】
挿入部51aは、
図14(a)乃至(c)に表される被挿入部52に形成された穴53に挿入され、被挿入部52に係合される部分である。ここで、実施形態において「係合」は、道具を使わないか、ドライバー等の一般的な道具で行う解除が可能な係合である。また、側部59aは、上部11aと挿入部51aとを連結する部分である。
【0043】
なお、上部11a、側部59a及び挿入部51aのうちの二以上は一体的に形成されていても構わない。
【0044】
図13は、Standard Height用の筐体装着部品の例である筐体装着部品101bを表す概念図である。筐体装着部品101bは、
図14に表されるカード装着部品102に装着されて一体化されることにより、
図15(d)乃至(f)に表されるStandard Height用のブラケットであるブラケット10bとなるアタッチメント部材である。
【0045】
図13(a)は、筐体装着部品101bの正面図である。また、
図13(b)は、筐体装着部品101bの
図13(a)に表される矢印91bの向きを見た側面図である。また、
図13(c)は、筐体装着部品101bの
図13(a)に表される矢印91aの向きを見た上面図である。
【0046】
筐体装着部品101bは、上部11aと側部59bと挿入部51aとを備える。上部11aの構成は、
図1(d)乃至(f)に表される上部11bの構成と同じである。
【0047】
挿入部51aは、
図14(a)乃至(c)に表される被挿入部52に形成された穴53に挿入され、被挿入部52に係合される部分である。また、側部59bは、上部11bと挿入部51aとを連結する部分である。側部59bの高さは、
図12に表される側部59aより高い。
【0048】
なお、上部11b、側部59b及び挿入部51aのうちの二以上は一体的に形成されていても構わない。
【0049】
図14は、本実施形態のカード装着部品の例であるカード装着部品102の構成を表す概念図である。
【0050】
カード装着部品102は、
図1に表すブラケット10a又は10bの取付け部13a近傍より下の部分に、被挿入部52を取り付けた構成を備える。被挿入部52は、形成された穴53に、前述のように、
図12の筐体装着部品101a又は
図13の筐体装着部品101bの挿入部51aが挿入、係合される部分である。
【0051】
図15は、本実施形態のLow Profile用のブラケットの例であるブラケット10a及びStandard Height用のブラケットの例であるブラケット10bの構成を表す概念図である。ブラケット10aは、
図12に表される筐体装着部品101aの挿入部51aを、
図14に表されるカード装着部品102の被挿入部52の穴53に挿入、係合し、一体化したものである。また、ブラケット10bは、
図13に表される筐体装着部品101bの挿入部51aを、
図14に表されるカード装着部品102の被挿入部52の穴53に挿入、係合し、一体化したものである。
【0052】
図15(a)は、ブラケット10aの正面図である。また、
図15(b)は、ブラケット10aの
図15(a)に表される矢印91bの向きを見た側面図である。また、
図15(c)は、ブラケット10aの
図15(a)に表される矢印91aの向きを見た上面図である。
【0053】
図15(d)は、ブラケット10bの正面図である。また、
図15(e)は、ブラケット10bの
図15(d)に表される矢印91bの向きを見た側面図である。また、
図15(f)は、ブラケット10bの
図15(d)に表される矢印91aの向きを見た上面図である。
【0054】
ブラケット10aは、
図3乃至
図7に表されるブラケット10aとして用いることができる。また、ブラケット10bは、
図8乃至
図11に表されるブラケット10bとして用いることができる。
【0055】
次に、筐体装着部品の挿入部近傍及びカード装着部品の被挿入部近傍のバリエーションを説明する。
【0056】
図16は、挿入部近傍及び被挿入部近傍の第一のバリエーションを表す斜視概念図である。
図16に表される挿入部51a及び被挿入部52の組合せは、
図12に表される筐体装着部品101a又は
図13に表される筐体装着部品101bの挿入部51aと、
図14に表される被挿入部52との組合せと同じである。
【0057】
図17は、挿入部近傍及び被挿入部近傍の第二のバリエーションを表す斜視概念図である。
図17に表される挿入部51aが被挿入部52の穴53に挿入されると、筐体装着部品101a又は101bの面92は、カード装着部品102の面93と接触する。
図17の筐体装着部品101a又は101bとカード装着部品102との組合せは、当該接触により、挿入部51aと被挿入部52との係合の安定性が、
図16に表されるものと比較して向上する。
【0058】
図18は、挿入部近傍及び被挿入部近傍の第三のバリエーションを表す斜視概念図である。
図17に表される挿入部51aが被挿入部52の穴53に挿入された後に、さらにネジ61の先端部62により、ネジ穴54が穴55にネジ止めされる。そのため、
図18の筐体装着部品101a又は101bとカード装着部品102との組合せは、当該ネジ止めにより、挿入部51aが被挿入部52に、
図17に表されるものと比較して、より強固に係合される。
【0059】
挿入部51a及び被挿入部52の穴53の形状は、必ずしも直方体である必要はない。例えば、
図19に表されるように、挿入部51a及び被挿入部52の穴53の形状が、ともに、三角柱であっても構わない。また、
図20に表されるように、挿入部51a及び被挿入部52の穴53の形状が、ともに、上方又は下方から見た形状が「コ」の字型の柱状であっても構わない。
【0060】
挿入部51a及び被挿入部52の穴53の形状は、挿入部51aの穴53への挿入により、筐体装着部品101a又は101bが、カード装着部品102に係合するものであれば構わない。
【0061】
次に、カード35に装着されたLow Profile用のブラケット10aを、カード35をはずさずに、Standard Height用のブラケット10bに変更する様子を説明する。
【0062】
図21は、カード35にLow Profile用のブラケット10aが装着された状態を表す。ブラケット10aは、
図12に表されるStandard Height用の筐体装着部品101aと
図14に表されるカード装着部品102とを係合させたものである。
【0063】
この状態から
図22に表されるように、ブラケット10aの筐体装着部品101aを取りはずす。
【0064】
そして、
図23に表されるように、カード装着部品102に
図13に表されるStandard Height用の筐体装着部品101bを係合させる。
【0065】
このように、本実施形態の筐体装着部品101a及び101b、並びに、カード装着部品102を用いれば、ブラケットをカード35から取り外し、ガスケット33を交換し、ブラケットを再度、カード35に取り付ける作業が不要になる。そのため、ブラケットのサイズ変更の際にカードの脱着が不要である。さらに、本実施形態のブラケット10a又は10bを装着したカード35は、一般的なブラケットを装着したカード同様に、
図6や
図10に表されるように、筐体28又は29のスリット24を隙間無く塞いで、筐体28又は29に装着され得る。そのため、本実施形態のブラケット10a及び10bは、ブラケットのサイズ変更の際にカードの脱着が不要であり、筐体内の電磁波対策が容易である。
【0066】
なお、
図14乃至
図23に表される被挿入部52は、
図6や
図10に表されるように、ブラケット10a又は10bが筐体28又は29に装着された状態で、スリット24の端部に当たらないように設定されていることがより好ましい。その理由は、被挿入部52がスリット24の端部に当たることによる隙間の発生による、電磁波の筐体28又は29と外部との間の通過を防ぎ、一層良好な電磁波対策を行うことが容易になるためである。
[効果]
以上説明したように、本実施形態のブラケットは、ブラケットのサイズ変更の際にカードの脱着が不要であり、筐体内の電磁波対策が容易である。
【0067】
なお、以上の説明では、筐体装着部に挿入部が、カード装着部品に当該挿入部が挿入、係合される被挿入部が、備えられる場合の例を説明した。しかしながら、カード装着部品に挿入部が、筐体装着部に被挿入部が備えられても構わない。
【0068】
図24は、実施形態の取付部品の最小限の構成である取付部品10xの構成を表す概念図である。取付部品10xは、電子機器の筐体のスリットに取り付けられて拡張カードを前記筐体の内側において前記筐体に取り付けるための取付部品である。取付部品10xは、カード装着部品102xと筐体装着部品101xとを備える。
【0069】
カード装着部品102xは、前記拡張カードを装着するための部品である。また、筐体装着部品101xは、前記筐体に取り付けるための部品である。カード装着部品102x及び筐体装着部品101xのうちの一方が係合部を、カード装着部品102x及び筐体装着部品101xのうちの他方が、前記係合部に係合される被係合部を、各々備える。
【0070】
取付部品10xは、係合部を備える部品と被係合部を備える部品を備え、それらの部品は、前記係合を解除することができる。従い、取付部品10xは、カード装着部品102xに前記拡張カードを取り付けたまま、前記係合を解除し、サイズの異なる他の筐体装着部品101xを係合させることができる。そのため、取付部品10xは、サイズ変更の際にカードの脱着が不要である。さらに、取付部品10xは、出願文献のブラケットのような伸縮構造を備えないので、電磁波対策が容易である。
【0071】
そのため、取付部品10xは、サイズ変更の際にカードの脱着が不要であり、電磁波対策が容易である。
【0072】
そのため、取付部品10xは、前記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
【0073】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で更なる変形、置換、調整を加えることができる。例えば、各図面に示した要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0074】
また、前記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
(付記1)
電子機器の筐体のスリットに取り付けられて拡張カードを前記筐体の内側において前記筐体に取り付けるための取付部品であって、
前記拡張カードを装着するための部品であるカード装着部品と前記筐体に取り付けるための部品である筐体装着部品と、を備え、
前記カード装着部品及び前記筐体装着部品のうちの一方が係合部を、前記カード装着部品及び前記筐体装着部品のうちの他方が、前記係合部に係合される被係合部を、各々備える、
取付部品。
(付記2)
前記スリットを前記内側から覆うように装着される、付記1に記載された取付部品。
(付記3)
前記筐体装着部品は、前記筐体に取り付けるための筐体取付部を備える、付記1又は付記2に記載された取付部品。
(付記4)
前記拡張カードは、前記拡張カードに形成された配線を外部に接続するためのコネクタを備えており、前記カード装着部品は、前記コネクタを装着するためのコネクタ装着部を備える、付記1乃至付記3のうちのいずれか一に記載された取付部品。
(付記5)
前記コネクタは、電磁波対策部材を介して、前記カード装着部品に装着される、付記4に記載された取付部品。
(付記6)
前記電磁波対策部材が金属板である、付記5に記載された取付部品。
(付記7)
前記係合部が挿入部であり、前記被係合部が、前記挿入部が挿入される穴が形成された被挿入部である、付記1乃至付記6のうちのいずれか一に記載された取付部品。
(付記8)
前記挿入部の周囲に第一の面が、前記被挿入部に第二の面が形成されており、前記係合により、前記第一の面が前記第二の面に接合される、付記7に記載された取付部品。
(付記9)
前記係合の後に、前記被挿入部が前記挿入部にネジ止めされる、付記7又は付記8に記載された取付部品。
(付記10)
前記筐体に取り付けられたときに、前記被挿入部が、前記スリットの端部に接しない、付記7乃至付記9のうちのいずれか一に記載された取付部品。
(付記11)
前記筐体に取り付けられたときに、前記被挿入部が、前記スリットに収まる、付記7乃至付記10のうちのいずれか一に記載された取付部品。
(付記12)
PCI Express Card Electromechanical Specificationの規定に準拠している、付記1乃至付記11のうちのいずれか一に記載された取付部品。
(付記13)
付記1乃至付記12のうちのいずれか一に記載された取付部品と、前記取付部品に装着された前記拡張カードと、を備える拡張カード部品。
(付記14)
前記筐体と前記筐体に取り付けられた、付記13に記載された拡張カード部品とを備える、筐体部品。
(付記15)
付記14に記載された筐体部品を備え、前記電子機器である、電子装置。
(付記16)
拡張カードを装着するためのカード装着部品と、
複数の、電子機器の筐体のスリットに取り付けられて拡張カードを前記筐体の内側に取り付けるための筐体装着部品と、を備え、
前記カード装着部品及び前記筐体装着部品のうちの一方に係合部が、前記カード装着部品及び前記筐体装着部品のうちの他方に前記係合部が係合される被係合部が、備えられており、
第一の前記筐体装着部品と第二の前記筐体装着部品とで高さが異なる、
部品セット。
【0075】
なお、付記1の、前記電子機器は、例えば、
図7図11に表される電子機器200である。また、前記筐体は、例えば、
図4乃至
図7に表される筐体28、又は、
図8乃至
図11に表される筐体29である。また、前記スリットは、例えば、
図6又は
図10に表されるスリット24である。
【0076】
また、前記拡張カードは、例えば、
図2、
図3、
図4又は
図8に表されるカード35である。また、前記カード装着部品は、例えば、
図14に表されるカード装着部品102である。また、前記筐体装着部品は、例えば、
図12に表される筐体装着部品101a、又は、
図13に表される筐体装着部品101bである。また、前記係合部は、例えば、
図12又は
図13に表される挿入部51aである。
【0077】
また、前記被係合部は、例えば、
図14に表される被挿入部52である。また、前記取付部品は、例えば、
図15に表されるブラケット10a又は10bである。また、付記2の「前記スリットを前記内側から覆うように装着」は、例えば、
図6又は
図10のような装着である。また、付記3の前記筐体取付部は、例えば、
図12(c)に表される窪み15a又は
図13(c)に表される窪み15bである。
【0078】
また、付記4の前記コネクタは、例えば、
図21乃至
図23に表されるコネクタ31である。また、前記コネクタ装着部は、例えば、
図15に表される穴36aの周囲である。
また、付記5又は付記6の前記電磁波対策部材は、例えば、
図21乃至
図23に表されるガスケット33である。また、付記7の前記挿入部は、例えば、
図12、
図13、
図16、
図17、
図18、
図19又は
図20に表される挿入部51aである。
【0079】
また、前記被挿入部は、例えば、
図14、
図16、
図17、
図18、
図19又は
図20に表される被挿入部52である。また、付記8の前記第一の面は、例えば、
図17に表される面92又は、
図20に表される挿入部51aの周囲の面である。また、前記第二の面は、例えば、
図17に表される面93又は、
図20に表される被挿入部52の上面である。
【0080】
また。付記9の前記ネジは、例えば、
図18に表されるネジ61である。また、付記10の「前記被挿入部が、前記スリットの端部に接しない」及び付記11の「前記被挿入部が、前記スリットに収まる」は、例えば、
図15に表されるブラケット10a又は10bを、
図6又は
図10のように装着した場合に、被双挿入部12が、スリット24の左右の端に当たらないことである。
【0081】
また、付記13の拡張カード部品は、例えば、
図21に表されるブラケット10aとカード35との組合せ、又は
図23に表されるブラケット10bとカード35との組合せである。
【0082】
また、付記14の筐体部品は、例えば、
図7の、筐体28と、基板34と、端子部32を含むコネクタと、ブラケット10aとの組合せ、のブラケット10aに、
図15(a)乃至
図15(c)に表されるブラケット10aを用いたものである。付記14の筐体部品は、あるいは、例えば、
図11の、筐体29と、基板34と、端子部32を含むコネクタと、ブラケット10bとの組合せ、のブラケット10bに、
図15(d)乃至
図15(f)に表されるブラケット10bを用いたものである。
【0083】
また、付記15の電子装置は、例えば、
図7の電子機器200のブラケット10aに
図15(a)乃至
図15(c)に表されるブラケット10aを用いたものである。付記15の電子装置は、あるいは、例えば、
図11の、筐体29のブラケット10bに、
図15(d)乃至
図15(f)に表されるブラケット10bを用いたものである。また、付記16の部品セットは、例えば、
図12の筐体装着部品101aと、
図13の筐体装着部品101bと、
図14のカード装着部品102とを含む部品セットである。