(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記血管内プロテーゼの前記ステントは、前記第1の長手方向セクション及び前記瘻孔ステントの前記第2の長手方向セクションのうち少なくとも一方とは異なるパラメータを有し、前記パラメータは、長さ、径方向のストラット厚さ、周方向のストラット幅、ストラットの形状、セルの形状、カットパターン、カットタイプ、材料、形状設定のうち少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のシステム。
前記パラメータは、長さ、径方向のストラット厚さ、周方向のストラット幅、ストラットの形状、セルの形状、カットパターン、カットタイプ、材料、形状設定のうち少なくとも1つを含む、
請求項21に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0033】
いくつかの実施形態及び例を以下で説明するが、本発明は、具体的に開示された実施形態及び/又はその使用及び明白な変更及びその均等物以外にも及ぶ。開示される、本明細書における本発明の範囲は、以下で記載される任意の特定の実施形態(複数の場合もある)によって限定されないものとする。
【0034】
低侵襲性手術により、標準外科法から現在排除されている手段を含む、より広範の患者を処置する手段を提供することができる。そのような1つの処置は、経皮による原位置での冠静脈血管新生(PICVA:Percutaneous In situ Coronary Venous Arterialization)であり、この冠静脈血管新生は、冠動脈と隣接する冠静脈との間にチャネルを創出することによって患部動脈における閉塞部が「バイパス」される、カテーテルベースの冠動脈バイパス処置である。このようにして、動脈血を静脈系内に迂回させ、心臓組織を逆行方法(逆行性灌流)で灌流させることができ、血液供給を虚血組織に戻す。PICVAのような処置を行ういくつかの例示的な装置及び方法は、PCT国際公開第99/049793号及び米国特許出願公開第2004/0133225号に記載されており、上記PCT出願及び米国特許出願は引用することによりそれらの全体が本明細書の一部をなす。
【0035】
これまで、冠動脈から隣接する静脈に血流を迂回させる低侵襲性処置を首尾よく行うことは、多くの場合、動脈から静脈を適正に標的に定めることができないことに起因して、成功率が低かった。適切なシステム及び方法がなければ、そのような処置(例えば、X線蛍光法と、例えば米国特許出願公開第2004/0133225号に記載されているカテーテルの遠位先端に位置付けられた画像形成超音波プローブとの組合せによって静脈を標的に定めようとする試み)は多くの場合、開始さえしないうちに失敗するはめになることが多い。実際、そのような構成により操作が困難となる可能性があり、隣接する静脈の場所が局限されていることにより臨床医側にかなりの技術が要求される可能性がある。本明細書に記載されているカテーテルを用いるシステム及び方法のような、標的を定めるシステム及び方法における改善により、一般にPICVA及び経血管手術のような処置を可能にすることができる。そのような改善がなければ、そのような経皮法は、従来の外科的開心手術及び他のタイプのバイパス手術にとって重要な位置を占めないままであろう。
【0036】
本出願は、いくつかの実施形態にしたがって、冠動脈性心疾患及び危機的四肢虚血等の症状を治療するのに従来手術の作業を減らすことができる、低侵襲性外科手術において有用な方法及びシステムを記載する。例えば、別の状況では冠動脈バイパス手術又は末梢動脈疾患バイパス手術等の手術を受けることが不可能であろう患者を治療することができ、外科的外傷の程度、感染リスク及び/又は回復時間を従来手術に比べて減らすことができるか又は著しく減らすことができる。
【0037】
図1は、第1の30体腔からの信号を第2の体腔35内の標的装置20に導く発射装置10の例示的な実施形態を概略的に示す。発射装置10は信号伝送器21を備える。発射装置10は、例えば、細長い可撓性ロッド状部分及び先端部分を有するカテーテルを備えることができ、また、患者の体内にて治療を施す導管を提供することができる。発射装置10は、患者の体内の第1の体腔すなわち血管30(例えば、心腔、冠動脈、冠静脈、末梢動脈、末梢静脈)を通る位置及び移動に適し得る。発射装置10の細長い部分は、管腔13を画定する、スペースを囲む外側シース11を有する。管腔13内のスペースは、発射装置10の位置決め等を制御する、治療を施すチャネルを画定するように必要に応じて適切に区分又は細分することができる。そのような細分は例えば、軸方向に長手方向かつ同心に達成することができる。
【0038】
発射装置10は、信号トランスデューサー12を備える。信号トランスデューサー12は、発射装置10から外側に方向付けられる信号40を供給するか又は発するように構成されている。
図1に示されている実施形態において、信号40は、発射装置10の長手方向軸に対して垂直な方向に発射装置10から径方向外側に方向付けられる。以下でより詳細に述べるように、いくつかの実施形態において、信号40の方向は、発射装置10の長手方向軸に対して垂直である必要はなく、発射装置10の長手方向軸に対して或る角度に方向付けることができる。それによって、信号トランスデューサー12は、信号生成手段の少なくとも一部を形成することができる。
【0039】
信号トランスデューサー12は信号伝送器50に接続される。信号伝送器50は、超音波、又は、レーザー、マイクロ波放射/照射、電波等のような適切な電磁気源から好適に選択することができる。いくつかの実施形態において、以下で更に詳細に説明するように、信号伝送器50は超音波信号を生成するように構成されており、この超音波信号が信号トランスデューサー12に中継され、次に信号トランスデューサーが信号40を第1の体腔30から周囲組織内に方向付ける。
【0040】
標的装置20が、患者の体内の隣接する第2の体腔すなわち血管32(例えば、心腔、冠動脈、冠静脈、末梢動脈、末梢静脈)内に位置付けられる。第1の体腔30及び第2の体腔32は、間質組織又は隔膜と呼ばれる場合がある介在組織34によって隔てられている。第1の体腔30及び第2の体腔32は、そのそれぞれの長さの少なくとも一部にわたって互いに隣り合わせに平行に位置している。例えば、体の静脈及び動脈の多くは、その全長の少なくとも一部にわたって互いに平行に延びていることが知られている。
【0041】
標的装置20は、発射装置10の構成と同様の構成とみなすことができる。例えば、標的装置20は、細長い可撓性ロッド状部分及び先端部分を有するカテーテルを含むことができる。別の例の場合、体腔32内での標的装置20の微小な移動及び位置決めを達成することができる。更に別の例では、標的装置20は、管腔23を画定する、スペースを囲む外側シース21を備えることができる。管腔23は、例えば発射装置10の場合と同様に好適に区分することができる。
【0042】
標的装置20は、発射装置10のトランスデューサー12から信号40を受信するように構成された受信トランスデューサー22を含む。受信トランスデューサー22は、信号検出手段の少なくとも一部を構成する。使用の際、受信トランスデューサー22は、信号トランスデューサー12から送信された信号40を受信すると、受信した信号を信号検出器60に送信する。信号検出器60は、例えば出力ディスプレイ61を介して、システムのユーザーに出力読取りを提供するように構成されている。出力ディスプレイ61は、視覚ディスプレイ、聴覚ディスプレイ(例えば、信号の受信時にビープ音を出すか又は何らかの他の音を発する)等とすることができる。
【0043】
このようにして、指向性信号40の伝送及び検出により、標的装置20に対する発射装置10の操作及び位置決めが可能になる。使用の際、発射装置10及び標的装置20を、信号40が標的装置40によって受信中であることを出力ディスプレイ61が示すまでシステムのユーザーが操作することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、信号40は、超音波信号を含むか又は超音波信号である。信号40は指向性であり、(例えば、信号トランスデューサー12からの距離が長くなるにつれて信号帯域の幅が広くなる)幅狭の円錐又は円弧の形状で信号トランスデューサー12によって発せられる。したがって、発射装置10と標的装置20との間の位置合わせの精度は、信号検出に左右されるだけでなく、距離が長くなるほど信号ビーム幅が広くなるため、上記2つの装置間の距離にも左右される。この誤差のレベルは「位置不確実性)」と呼ばれる。位置不確実性には或る特定の許容差レベルが存在し得るが、治療が正確に導かれることになる場合、不確実性の程度は低減するか又は最小限に抑えられるべきである。例えば、信号トランスデューサー12の直径dが1mmであり、超音波信号の周波数が30MHzである場合、位置不確実性x(例えば、中心線の両側における誤差の限界)は、発射装置10と標的装置20との間の5mmの垂直な隔たりにおいて1mmである。臨床用途の場合、位置不確実性は概して、(受信点において10mmの総信号ビーム幅に関して)約±5mmを超えないものとする。いくつかの実施形態において、位置不確実性は、約±0.01mm〜約±4.50mmの間、又は約±0.1mm〜約±2mmの間である。いくつかの実施形態において、位置不確実性は約±1mmを超えない。
【0045】
信号40の強度は、検出の際の因子とすることができ、信号強度は概して、発射装置10と標的装置20との間の距離が長くなるにつれて小さくなる。この距離は部分的には、上記装置10、20間の介在組織34の量によって決まる。例として、信号40が超音波信号である場合、発射装置10及び標的装置20が約20mmよりも大きい固体組織(例えば、介在組織34)によって隔てられると、信号の著しい劣化が予測され得る。介在組織34の密度もまた、距離を経るにつれて信号40が劣化する際に影響を及ぼす可能性がある(例えば、密度のより高い組織は密度のより低い組織よりも信号を劣化させる)。
【0046】
超音波信号の周波数もまた、信号トランスデューサーの厚みに影響を及ぼす可能性があり、信号トランスデューサーの厚みは、標準の超音波セラミックトランスデューサー(例えば、圧電トランスデューサー(PZT))の場合、30MHzで0.075mmである。
【0047】
図2は、
図1のB−Bの点線に沿った断面図である。治療が施される場所を配向線41が定めることができるため、標的装置に対する発射装置の正しい配向は、検出の際の因子とすることができる。指向性信号40が治療送達手段に連関する(例えば、平行であり、長手方向にオフセットされる)場合、患者に治療を正確に配置する臨床的な必要性がより良好に機能することができる。例えば、このようにして、システムのユーザーは、発射装置10及び標的装置20が信号40の送受信により正しく位置決めされることを確実にすることによって正しい場所にて治療を施すことができる。
図2における配向線41は、信号進行の方向だけでなく経路も示し、その経路に沿って治療を患者に施すことができる。
【0048】
図3は、発射装置10の例示的な実施形態を概略的に示す。発射装置10は、発射装置10の長手方向軸に対して斜角に向き付けられている信号トランスデューサー120を備える。信号40は、発射装置10が体腔30(
図1及び
図2)に入る際、発射装置10の進行方向(例えば、前方進行、横断進行)の或る角度で送信される。いくつかの実施形態において、ビーム角度は、発射装置10の長手方向軸に対して略垂直である。いくつかの実施形態において、ビーム角度は、0度が進行方向における発射装置10の長手方向軸に相当する場合、垂線に対して約20度〜約60度の間、垂線に対して約30度〜約50度の間、又は垂線に対して約45度である。
【0049】
発射装置10は、治療を施す例示的な手段である中空針又はカニューレ17を備える。発射装置10の進行中、中空針17は、発射装置10の管腔13内に非展開状態すなわち収縮状態で位置している。中空針17は、ユーザーが適切とみなした時点(例えば、標的装置20によって信号40が検出された時点)で外側シース11内の孔16を介して発射装置10から展開/拡張することができる。孔16により、管腔13と体腔30(
図1)との間での流体連通を可能にすることができる。
図3の例示的な実施形態によって示されているように、中空針17は、信号40の方向に対して平行である経路に沿って進むことができる。中空針17を用いて介在組織34(
図1)を穿刺することができる。いくつかの実施形態において、中空針17は介在組織34全体を横切り、横切る際、発射装置10が第2の体腔32(
図2)にアクセスすることを可能にする。所望であれば、中空針17が介在組織34を通ることによってつくり出される経路を、第1の体腔30と第2の体腔32との間の流体連通を可能にするように後で広げることができる。
【0050】
いくつかの実施形態において用いるのに適した治療手段は、例えば、カニューレ、レーザー、放射線放射装置、プローブ、ドリル、ブレード、ワイヤ、針、それらの適当な組合せ等からなる群から選択される装置及び/又は器具を含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、中空針17はセンサー19を備え、このセンサー19は、発射装置10に対する中空針17の先端の位置情報を更に確定するのに役立つことができる。いくつかの実施形態において、センサー19は、静水圧の変化を検出するように構成されている。本明細書に記載されているシステム及び方法において用いるのに適した他のセンサーとして、温度センサー、酸素処理センサー及び/又は色覚センサーを挙げることができる。
【0052】
任意選択的には、中空針17は、更なる信号トランスデューサー122を備えることができる。
図3に示されている実施形態において、信号トランスデューサー122は、中空針17の先端近くでガイドワイヤ14の一端に位置付けられる。信号トランスデューサー122は付加的に又は代替的に、所望であれば中空針17に位置付けることもできる。使用の際、信号トランスデューサー122は、指向性信号パルス又は非指向性信号パルスを生成する短い伝送パルスにより駆動される。信号パルスは、標的装置20に取り付けられている受信トランスデューサー22によって検出することができる。ガイドワイヤ14又は中空針17から受信トランスデューサー22、したがって標的装置20までの距離は、信号トランスデューサー122からの信号パルスの送信と受信トランスデューサー22側での信号パルスの受信との間の遅延に基づいて少なくとも部分的に決定される時間とすることができる。
【0053】
図4は、標的装置20の例示的な実施形態を概略的に示す。
図4に示されている実施形態において、標的装置20は体腔32内に位置付けられている。上述したように、標的装置20は、信号40を受信する受信トランスデューサー22を備える。受信トランスデューサー22は、一方向性である(例えば、1つの方向のみから信号を受信することが可能である)か、又は、無指向性である(例えば、いかなる方向からも信号を受信することが可能である)ものとすることができる。矢印Aは、動脈−静脈血管新生(PICVAとも呼ばれる)が行われた後の逆方向の血流を示す。標的装置20は、無指向性超音波信号受信トランスデューサー60を備える。任意選択的な反射コーン601が信号40をディスク形状の受信トランスデューサー60上に方向付けることができる。音響的透明窓602が、反射コーン601を受信トランスデューサー60から隔てることができる。いくつかの実施形態において、無指向性超音波信号受信トランスデューサーは、標的装置20の外側シースの周囲にポリビニルジフルオリド(PVDF)等の可撓性圧電材料のシリンダーを位置付けることによって得ることができる。そのようにして、シリンダーは、受信トランスデューサー60と同様又は同等の方法で作用することができる。
【0054】
図4に示されている実施形態において、標的装置20は、治療薬等の薬剤を患者に投与するのに用いる任意選択的なチャネル25を有する。いくつかの実施形態において、チャネル25は、体腔32を少なくとも部分的に塞ぐか又は閉塞するように働くブロック材251の適用を可能にする導管として機能する。ブロック材251は、ゲルベース物質から適切に選択することができる。ブロック材251は付加的に又は代替的に、塞栓部材(例えば、バルーン、自己拡張型ステント等)を含む。ブロック材251の配置は、標的装置20の移動によって導くことができる。標的装置20の管腔23内にガイド部材24があることにより、ユーザーが所望に応じて標的装置20の位置を正確に操作することを可能にすることができる。
【0055】
再び
図2を参照すると、発射装置10は信号トランスデューサー12を備え、この信号トランスデューサー12を任意選択的に、信号40が信号トランスデューサー12に対して垂直以外の角度で送信されるように配向させることができる。
図5は、発射装置10の別の例示的な実施形態を概略的に示す。いくつかの実施形態において、
図5に示されている例示的な発射装置10の場合、信号トランスデューサーはシングルトランスデューサーアレイ123の形態である。信号トランスデューサーアレイ123は、発射装置10に対して信号ビーム幅及び角度を少なくとも部分的に画定するように集合的に配向させることができる複数の信号トランスデューサー素子124を含む。素子124のサイズがより小さいことにより、信号トランスデューサーアレイ123が発射装置10の管腔13のかなりの割合を占めないことを可能にすることができる。
【0056】
図5に示されている実施形態は、超音波ビーム形成信号伝達に有用であるものとすることができる。
図5は、遅延装置51を介して伝送器50に別個に接続されているアレイ状の信号トランスデューサー素子124を示しており、遅延装置51は、各素子124に対する信号を互いに対して遅延させることを可能にする。遅延装置により、各素子124からの超音波波形を整合させて所望の角度で超音波ビーム40を生成することを提供するか又は確実にすることができる。例えば信号40が可視光を含む、いくつかの実施形態において、アレイ状のLEDを付加的に又は代替的に用いることができる。
【0057】
図6は、発射装置10及び/又は標的装置20用のセンタリング装置の例示的な実施形態を概略的に示す。第1の体腔30内の発射装置10と第2の体腔32内の標的装置20との位置合わせの過程に役立たせるために、装置10、20のうちの一方又は双方は、各装置をそれぞれの体腔内にセンタリングする手段を有することができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、センタリング手段は、非展開状態にある場合に管腔13、23内に位置付けられているとともに装置10、20が患者の体内の所望の場所に達すると膨張することができる膨張可能なブラダー又はバルーン111を含む。バルーン111は、外側シース11、21の外面に配置することができる。バルーン111は、トロイダル状又はドーナッツ状の様式で装置10、20を少なくとも部分的に囲むように形状が環状とすることができる。バルーン111は、装置10、20の片側でのみ又は2つの対向する両側で膨張するように配置することができる。
図6に示されているように、バルーン111は発射装置10の片側で展開している。
【0059】
いくつかの実施形態において、センタリング手段は、非展開状態すなわち収縮状態にある場合に、管腔13、23内、又は、外側シース11、21に内に形成された凹部内に位置付けられている1つ又は複数のループ構造体112を含む。装置10、20が患者の体内の所望の場所に達すると、1つ又は複数のループ構造体112は装置10、20から径方向外側に拡張し、それによって、装置10、20を体腔30、32内でセンタリングすることができる。ループ構造体112の外側拡張は、例えば、外側シース11、21から外側に弓形に曲がるように或る長さのワイヤを圧縮することによって適切に行うことができる。この立体配置を採り入れているセンタリング装置は、外側シース11、21の外周に径方向に離間した間隔で平行に配置されたワイヤ又は他の適した可撓性材料の複数の圧縮可能な長さを有することができる。複数のワイヤの圧縮は、複数のワイヤの両端近くに近位に及び/又は遠位に位置付けられた摺動部材(図示せず)によって促すことができる。摺動部材は、装置10、20の長手方向軸に沿って並進移動可能である。
図6に示されているように、標的装置20は、標的装置20を体腔32内でセンタリングすることを可能にしている完全に展開したセンタリング手段112を備える。
【0060】
装置10、20を体腔30、32内でセンタリングする他の考えられ得る手段として、拡張可能な提灯式装置、可逆拡張可能なステント、コイル、へリックス、伸縮可能なプローブ又は脚部、それらの組合せ等が挙げられるがそれらに限定されない。
【0061】
いくつかの実施形態において、センタリング手段又は他の手段(例えば、バルーン、種々の長さを有する金属スタンドオフ等)を用いて、装置10、20を体腔30、32内で体腔の中心又は実質的に中心以外に配向することができる。例えば、装置10を、体腔30のうち針17が体腔30から出る壁に近接して配向することができ、これにより、例えば、針17が腔内スペースを横断することに起因して、より短い超音波信号経路をつくり出し、及び/又は誤差を減らすことができる。別の例では、装置10を、体腔30のうち針17が体腔30から出る壁に対向する壁に近接して配向することができ、これにより、例えば、針17が押し当たる堅固な表面をつくり出すことができる。更に別の例の場合、装置20を、体腔32のうち針17が体腔32に入る壁に近接して配向することができ、これにより、例えば、より短い超音波信号経路をもたらすことができる。血管壁の中心にも近位にも位置しない、他の装置の配向も考えられ得る(例えば、壁から、及び/又は管腔の中心から、1/2、1/3、1/4等のように、直径の一部だけ離れている)。
【0062】
実施例
本明細書に記載される方法及びシステムは、いくつかの実施形態に従って心臓血管手術において特定の有用性を示す。いくつかの態様が以下の非限定的な例によって更に示され、そこでは、システムは、冠動脈の閉塞後の心臓組織の逆行性灌流を可能にするように動脈と静脈との接続処置(PICVA)を行う臨床医によって用いられる。
【0063】
発射カテーテル10が、標準の鍵穴手術法(例えば、ガイドワイヤ上の追跡、ガイドカテーテル内部の追跡)によって、閉塞した冠動脈に挿入される。標的カテーテル20が、標準の鍵穴手術法(例えば、ガイドワイヤ上の追跡、ガイドカテーテル内部の追跡)によって、冠動脈に対して平行に延びる冠静脈に挿入される。冠静脈は閉塞しておらず、したがって、心筋への血流のための代替的なチャネルを提供することで、冠動脈における閉塞部をバイパスすることを効果的に可能にする。
【0064】
発射カテーテル10は、PZT超音波トランスデューサー12(例えば、ニューメキシコ州所在のAlbuquerque社のCTS圧電製品から入手可能である)を備え、PZT超音波トランスデューサー12は、指向性超音波ビームがこの例では(発射装置の長手方向軸に対して)45度の角度で、好ましくは動脈30内の血流の方向に伝送されるように向き付けられているが、約90度を含む他の角度も考えられ得る。超音波トランスデューサー12が起動し、この例では、30MHz指向性超音波信号40が発射カテーテル10から送信されるが、他の周波数もまた考えられ得る。標的カテーテル20は、無指向性超音波受信トランスデューサー60を備える。発射カテーテル10及び標的カテーテル20の双方の位置決定に役立たせるために、カテーテル10、20は双方とも、この例では環状の膨張可能なバルーン111の形態のセンタリング手段又は配向手段を備えるが、他のセンタリング手段若しくは配向手段も考えられ得るか、又は、それらの手段がないことも考えられ得る。発射カテーテル10側のセンタリング手段111は、発射カテーテル10が冠動脈30内の閉塞部位の近くの適切な場所にあるとみなされると臨床医によって展開される。これは、標準の蛍光画像形成法及び/又は物理的抵抗により決定することができる。標的カテーテル20を次に、指向性超音波信号40が信号受信トランスデューサー60によって検出されるまで、隣接する冠静脈32内に移動させる。発射カテーテル10と標的カテーテル20とのより正確な位置合わせを可能にするために、標的カテーテル20側のセンタリング手段111を、信号40が検出される前又は検出された後に展開させることができる。
【0065】
臨床医は、送信された信号40を受信すると、発射カテーテル10及び標的カテーテル20が、それぞれの各血管30、32内に回転方向かつ長手方向の双方に正しく位置付けられて、動脈と静脈との接続処置を開始することが可能になっていることを確信することができる。標的カテーテル20を用いて、標的カテーテル20内のチャネル25を通してのゲルブロック材251の適用により冠静脈32内の血流をブロックすることができる。ブロック材251を、信号受信トランスデューサー60の場所に対して静脈血流に関して下流にある冠静脈32内の位置において適用することができる。
【0066】
次に、臨床医は、冠動脈30と冠静脈32との間の介在組織34を通る超音波信号40がとる経路に平行してその経路の近くにある経路に実質的に沿って、発射カテーテル10から中空針17を展開させることによって動脈−静脈接続を開始することができるか、又は、中空針17は、冠静脈32内の或る地点における超音波信号の経路を遮る経路を横断することができる。中空針17は任意選択的には、その先端近くにセンサー19を備え、センサー19は、中空針17が2つの血管30、32を通る際の動脈圧から静脈圧にかけての移行をユーザーがモニタリングすることができるように静水圧又はドップラー流の変化を検出するように構成されている。中空針17は任意選択的には、展開時に中空針17の内腔すなわち管腔内にガイドワイヤ14を備える。中空針17及びガイドワイヤ14が介在組織34を横断すると、中空針17は、ガイドワイヤ14を適所に残したまま、後退して発射カテーテル10の管腔13内に戻ることができる。いくつかの実施形態において、中空針17が介在組織34を横断すると、ユーザーは、ガイドワイヤ14を中空針17の内腔すなわち管腔に別個に通し、針17を発射カテーテル10内に後退させることができる。
【0067】
臨床医は、ガイドワイヤ14を適所に残したまま、発射カテーテル10を患者から引き抜く。次に、更なるカテーテル装置をガイドワイヤ14に沿って摺動させる。
図7は、適所にある拡張可能なステント26等のプロテーゼ26を動脈−静脈血管新生等の処置に従って概略的に示す。ステント及びステントグラフトを含む考えられ得るプロテーゼに関する更なる詳細を以下で示す。ステント26は展開して、冠動脈30と冠静脈32との間の介在組織34における穿孔を広げることができ、ここでは割込み矢印Aは、第1の体腔30と第2の体腔32との間のステント26を通る血流の方向を示す(例えば、このようにステント26を通ることよって動脈血が静脈系に迂回して心筋組織を逆行性灌流することが可能になる)。ステント26は体腔32内での上流への流れをブロックし、体腔32内の血流を体腔30内の血流と同じ方向に押し流すことができる。ステント26のグラフト材料は、体腔30と体腔32との間に液密の管腔を形成することができる。標的カテーテル20は、ブロック材251を所定位置に残したまま、患者から引き抜かれる。任意選択的には、本明細書において更に詳述するように、更なるブロック又は縫合糸を冠静脈に挿入して動脈血流の逆流を阻止又は防止することができる。
【0068】
上述した特定の例は心臓血管手術に関するものであるが、本明細書に記載される方法及びシステムは、他の手術形態における広範に及ぶ用途を有することができる。例えば、一方の体腔から別の隣接する体腔に向けて治療を導く必要性を伴う(例えば、末梢動脈疾患の治療のための)いかなる手術も考慮することができる。そのようなものとして、神経外科手術、泌尿器科手術及び一般的な血管手術の分野における用途も考えられ得る。治療のタイプによって、体腔間のチャネルの形成を制限する必要はない。例えば、本明細書に記載される方法及びシステムは、カテーテルアブレーション、心腔の非接触型マッピング、体の厳密な部位への薬剤送達等の技法を導く際に用いることもできる。
【0069】
経皮手術によって動脈内の閉塞部を効果的にバイパスするいくつかの技法は上記で説明している。これらの技法は、閉塞部の上流の動脈、静脈又は心腔等の第1の通路と、第1の通路に近接した動脈、静脈又は心腔等の第2の通路との間にチャネルすなわち通路をつくり出して、第3の通路によって第1の通路と第2の通路とを相互接続することを含む。血液等の流体を相互接続用の第3の通路によって第1の通路から第2の通路に迂回させることができる。第1の通路が動脈を含むとともに第2の通路が静脈を含む実施形態において、動脈血は組織内に逆行式に灌流することができる(逆行性灌流)。
【0070】
上述したように、第1の体腔通路と第2の体腔通路との間の相互接続通路は、例えば、第1の通路内に位置付けられている第1のカテーテルから針を外側に展開させることによってつくり出すことができ、それによって、針が第1の通路と第2の通路との間の間質組織すなわち隔膜を横断する。第1のカテーテルから送信された信号、例えば超音波信号を受信する標的装置を提供する第2のカテーテルを第2の通路に位置付けることができる。受信した信号をモニタリングすることによって、針が正しい位置及び配向で展開して第1の通路と第2の通路との間に流体の流れのための通路をつくり出すことを保証するように第2のカテーテルに対する第1のカテーテルの位置を決定することができる。
【0071】
相互接続通路すなわち相互接続チャネルを通る血液の流れを提供又は維持するために、管腔を有する構造体を通路に挿入して間質組織を支持する、及び/又は通路が閉鎖するのを阻止若しくは防止することができる。管は例えば、本明細書に記載されているように、バルーンカテーテルを用いてチャネル内で拡張させるステントを含んでも、自己拡張型ステントを含んでもよい。構造体を送達するためのカテーテル、例えば、バルーンカテーテル又は自己拡張させるカテーテルを、第1のカテーテルによって通路内で展開させたガイドワイヤによってチャネル内にガイドさせることができる。
【0072】
動脈、静脈及び心腔等の通路は、例えば、心臓壁の動き、末梢四肢の動き、及び/又は、通路自体内の圧力の変動に起因して、心臓が拍動する際に脈動する可能性がある。この脈動により通路が互いに対して動く可能性があり、これにより、それらの通路間の相互接続通路内の構造体に応力がかかる可能性がある。この応力は、単一通路内の構造体が受ける応力に比べて大きい可能性がある。応力により、例えばステントストラットの疲労破損によって、構造体の早期破損を招く可能性がある。構造体が破損する結果、間質組織が損傷し、及び/又は相互接続通路が閉塞することになり、これにより、著しい合併症又は治療の完全な失敗を招く可能性がある。
【0073】
図8は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供又は維持する装置すなわちインプラント又はプロテーゼ100を示す。装置100は、第1の端部分すなわち近位端部分102と、第2の端部分すなわち遠位端部分104と、近位端部分102と遠位端部分104との間の中間部分106とを有する。装置は、装置100を流体が通る内腔すなわち管腔110を有する。装置100、例えば装置100の少なくとも中間部分106は、可撓性ポリマー管108を含む。可撓性ポリマー管は、管腔110を少なくとも部分的に画定することができる。
【0074】
装置100は、メッシュ112及びメッシュ114を含む支持構造体(例えば、少なくとも1つのステント)を有する。いくつかの実施形態において、メッシュ112の少なくとも一部分は、装置100の近位端部分102に近接して管108の外壁内に埋め込まれる。いくつかの実施形態において、メッシュ114、例えばワイヤ又はストラットの、少なくとも一部分は、装置100の遠位端部分104に近接して管108の外壁内に埋め込まれる。メッシュ112、114は、ステンレス鋼等の生体適合性金属及び/又はニチノール若しくはコバルトクロム等の形状記憶材料を含むことができる。
【0075】
ワイヤメッシュ112、114は、端部分102、104をそれぞれ補剛することができる。中間部分106がメッシュを含まないいくつかの実施形態において、中間部分106は、端部分102、104に比べて比較的可撓性とすることができ、及び/又は、端部分102、104は、径方向の剛性が比較的高いものとすることができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、装置100の端部分102、104は直径方向に拡張可能である。例えば、ワイヤメッシュ112、114は形成後すなわち製造後では、装置100が中で展開する通路、例えば血管よりも小さい直径を有し得る。装置100が通路内の所定位置にくると、端部分102、104を拡張させる、すなわち外側に変形させることができ、それにより、端部分102、104のそれぞれの直径が増大して、例えば通路の内側側壁に当接する。端部分102、104は、メッシュ112、114の材料(例えばワイヤ、ストラット)の塑性変形によって、及び/又はメッシュ112、114を拡張位置に機械的にロックするように配置されたロック機構の措置によって、拡張した直径に無期限に維持されるように構成されている。装置100の中間部分106は、例えば管108の塑性変形によって、直径方向に拡張可能とすることができる。
【0077】
図9は、第1の通路116と第2の通路118との間に流体流路を提供するように展開させた、
図8の装置100を示す。通路116、118は、冠血管、例えば冠動脈116及び冠静脈118、又はその逆に冠静脈116及び冠動脈118を含むことができる。通路116、118は、末梢血管(例えば、四肢における血管)、例えば大腿動脈又は他の末梢動脈116及び大腿静脈又は他の末梢静脈118、又はその逆に大腿静脈又は他の末梢静脈116及び大腿動脈又は他の末梢動脈118を含むことができる。装置100の端部分102、104及び中間部分106は、通路116、118の内壁と合流して内壁に押し当たるように拡張している。装置100の遠位端部分104は、第2の通路118内に位置付けられ、装置100の近位端部分102は、第1の通路116内に位置付けられる。中間部分106は、通路116と通路118との間に手術により形成された開口すなわち相互接続通路130を通って延びる。
【0078】
装置100の拡張した端部分102、104は弾性であり、通路116、118の内壁に外向きの径方向力を与える。装置100の端部分102、104の径方向の剛性によって、端部分102、104は、それぞれの通路116、118内の適所に保持されるか又は留置される。それによって、通路116、118内で装置100がずれることが防止されるか又は低減される。このようにして、装置100の端部分102、104は、使用の際、管108(
図8)の管腔110を通る流体の流れを提供又は維持しつつ、装置100を所定位置に留置又は固定することができる。このようにして、装置100は、第1の通路116と第2の通路118との間のシャントとして働くことができる。
【0079】
装置100の中間部分106は可撓性とすることができることで、例えば、中間部分106が、第1の通路116と、第2の通路118と、相互接続通路130(
図9)とを組み合わせることによって形成される「S」字状を形成することを可能にする。可撓性の中間部分106により、装置100の端部分102、104が通路116、118の相対的な動きに応じて互いに対して動くことを可能にすることができる。
【0080】
中間部分106がワイヤメッシュを含まないが管108の可撓性ポリマー材料を含む実施形態において、中間部分106は、例えば、通路116、118の相対的な動きによって与えられる周期的な応力又は他の応力によるメッシュ疲労に起因する損傷を受けにくいものとすることができる。
【0081】
装置100の中間部分106は、相互接続通路130の拡大を維持するのに十分な弾性を有しており、そのため、相互接続通路130は、管108(
図8)の管腔110によって動脈116から静脈118への血流の経路を提供又は維持するように開いたままである。それによって、相互接続通路130による、動脈116から静脈118への血流を、管108の管腔110を通して提供又は維持することができる。装置100は、動脈116、静脈118及び相互接続通路130を少なくとも部分的に支持して、装置100を通る流体連通のための経路を提供する。
【0082】
装置100の近位端部分102及び遠位端部分104は、例えば
図9に示されているように、装置100の遠位端部分104が静脈118内で、かつ、装置100の近位端部分102が動脈116内で展開した場合に、拡張した遠位端部分104の直径が静脈118内で遠位端部分104を保持するのに十分であるように、また、拡張した近位端部分102の直径が動脈116内で近位端部分102を保持するのに十分であるように構成されている。したがって、近位端部分102の直径は遠位端部分104の直径とは異なるものとすることができる。端部分102、104及び中間部分106に適した直径を選択することによって、装置100は、或る特定の解剖学的構造及び/又は個々の患者の解剖学的構造に合うように作製することができる。
【0083】
例えば
図9に示されているように、閉塞した動脈116と静脈118との(例えば、冠動脈116と冠静脈118との、又は末梢動脈116と末梢静脈118との)間にシャントを提供するように
図8の装置100を位置決めして動脈血の逆行性灌流を達成する例示的な処置をここで説明する。
【0084】
カテーテルを、通常は患者の鼠径領域内に切開した小さな孔を介して、患者の動脈系に挿入することができる。カテーテルは動脈116に給送され、例えば、静脈118に近接した、静脈118に対して平行又は実質的に平行な部位における、閉塞部位の上流位置にガイドされる。中空針をカテーテルから展開させて、動脈116の壁に通し、動脈116と静脈118とを隔てている間質組織132に通し、かつ静脈118の壁に通す。針のこの経路により、相互接続通路すなわち開口130がつくり出され、これにより、血液が動脈116と静脈118との間を流れることが可能になる。針の展開は、例えば、本明細書に記載されているように、動脈116内のカテーテルに接続された送信器(例えば、指向性超音波送信器)と、静脈118内のカテーテルに接続された受信器(例えば、無指向性超音波受信器)とによって、又はその逆に静脈116内のカテーテルに接続された受信器と、動脈118内のカテーテルに接続された送信器とによって、また、米国特許出願第11/662128号におけるようにガイドすることができる。開口130を形成する他の方法もまた考えられ得る(例えば、指向性超音波ガイドを用いるかどうかを問わず、静脈から動脈への、本明細書に記載されているような他のタイプのガイドを用いる等)。
【0085】
中空針を通路130から引き抜く前に、ガイドワイヤ(例えば、
図3のガイドワイヤ14に関して説明されているような)が針に挿通され、静脈118に挿入される。次に、ガイドワイヤを動脈116、通路130及び静脈118内の適所に残したまま、針を後退させる。次に、針を担持しているカテーテルを患者の体から引き抜くことができる。ガイドワイヤを用いて、カテーテルを動脈116と静脈118との間の相互接続通路130に更にガイドすることができる。
【0086】
非拡張状態の装置100を担持しているカテーテルは、例えば迅速な交換管腔によって又は管腔110を通して、ガイドワイヤによってガイドされて、相互接続通路130に向かって前進する。カテーテルは例えば、装置100の少なくとも一部分を拡張させるように構成されたバルーンカテーテル、及び/又は、装置100の少なくとも一部分を自己拡張させるように構成されたカテーテルを含むことができる。装置100の遠位端部分104は、相互接続通路130を通過して静脈118内に入り、近位端部分102は動脈116に残ったままである。装置100の中間部分106は、少なくとも部分的に通路130内にあり、少なくとも部分的に動脈116及び静脈118内にある。中間部分106は、該当部位の解剖学的構造に応じて、湾曲構成すなわち「S」字状構成をとるように曲がる。そのような湾曲をとることにより、相互接続通路130を通って任意選択的に通路116、118のうちの少なくとも一方の内部に延びる中間部分106の形状を、少なくとも相互接続通路130の形状に合致させることができる。
【0087】
装置100の遠位端部分104を、例えばバルーン膨張によって又は自己拡張によって、遠位端部分104の直径を増大させるとともに静脈118の内壁に対して遠位端部分104を留置させるように拡張させる。カテーテルを、例えばバルーン膨張によって装置100の中間部分106を拡張させるように適合させることができ、それによって、相互接続通路130を広げる、すなわち拡大させて、動脈116から静脈118への血流(例えば、十分な血流)を得ることができる。装置100の近位端部分102を、例えばバルーンを膨張させることによって又は自己拡張によって、近位端部分102の直径を増大させるとともに動脈116の内壁に対して近位端部分102を留置させるように拡張させる。
【0088】
例えば自己拡張及び/又はバルーン拡張により、装置100の端部分102、104を拡張させた後、展開後の拡張を増大させるか否かにかかわらず、カテーテル及びガイドワイヤを患者の体から引き抜く。このようにして、
図9に示されているように、装置100を静脈118、動脈116及び相互接続通路130内の所定位置に留置又は固定させる。装置100がステントグラフトを含む実施形態において、動脈116と静脈118との間に液密な通路を形成することができるグラフトにより、そのような通路がブロックされるため、静脈118内での血液の順行性の流れを阻止又は防止することができ、グラフトは、静脈118内のブロック材の付加的又は代替的なものとすることができる。
【0089】
カテーテルを、例えば、2つ以上の別個の膨張可能なバルーン又はバルーン部分、装置100の全ての部分を同時に拡張させるように構成された単一バルーン、又は装置100の1つ又は複数の選択された部分を拡張させるように構成された単一バルーンの措置によって、装置100の近位端部分102、遠位端部分104及び/又は中間部分106を個別に又は組み合わせて選択的に拡張させるように適合させることができる。例えば、端部分102、104は自己拡張型とすることができ、中間部分106はバルーンによって拡張させて通路130を拡大させることができる。バルーン拡張を含むいくつかの実施形態において、装置100の全ての部分又は選択された部分を、例えば、装置100の全長にわたるバルーンによって同時に、又は、装置100の選択された部分を選択的に膨張させるように長手方向に離間した複数のバルーンによって、及び/又は、1つのバルーン又は複数のバルーンによって順次に、拡張させることができる。少なくとも部分的な自己拡張を含むいくつかの実施形態において、装置100の全ての部分又は選択された部分を、例えば、装置100を覆っているか又は囲んでいるシースを近位に後退させることによって、拡張させることができ、これにより、シースが近位に後退する際に装置100を遠位から近位にかけて展開させることができる。装置100を近位から遠位にかけて展開させること、及び、装置100を先に中間から展開させて次に両端にかけて展開させることも可能である。いくつかの実施形態、例えば、装置100が少なくとも部分的に円錐状であるか又はテーパーが付けられている実施形態において、円錐状又はテーパー付きのバルーンを用いて、装置100を少なくとも部分的に拡張させることができる。いくつかのそのような実施形態において、バルーンのうち静脈118に近接した部分は、バルーンのうち動脈116に近接した部分よりも直径が大きいものとすることができ、そのため、例えば、装置100は、静脈118内の圧力又は血流のいかなる増大によっても静脈の直径を変えるようになっているものとすることができる。
【0090】
処置には他の工程も含めることができる。例えば、装置100を展開させる前に、バルーンカテーテルを相互接続通路130にガイドし、カテーテルの膨張可能なバルーン部分が相互接続通路130内にくるように位置決めすることができる。バルーンの膨張時、バルーンは相互接続通路130の壁に押し当たって相互接続通路130を広げる、すなわち拡大させることで、装置100のその後の挿入を容易にする。
【0091】
図10は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置134を示す。装置134は、メッシュ136及びポリマー管108を有する。メッシュ136は、ポリマー管108の外側にあるものとして示されているが、本明細書に記載されているように、付加的に又は代替的に、ポリマー管の内側に、及び/又はポリマー管108内にあってもよい。装置100に関して記載したように、装置134は、近位端部分102と、遠位端部分104と、中間部分106とを有する。
図10に示されている実施形態において、メッシュ136は、中間部分106に沿うことを含め、装置134の全長に沿って延びる。
【0092】
いくつかの実施形態において、メッシュ136のフィラメント又はストラットの間隔は、装置134の長さに沿って様々である。例えば、織組フィラメントメッシュ又は層化フィラメントメッシュの巻回密度を様々とすることができ、及び/又はカットメッシュの窓サイズパターンを様々とすることができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、間隔は、近位端部分102及び遠位端部分104において比較的小さいものとすることができ、中間部分106において比較的大きいものとすることができる。換言すれば、メッシュ136の密度又は窓サイズは、中間部分106において比較的小さいものとすることができ、端部分102、104において比較的大きいものとすることができる。いくつかのそのような実施形態において、中間部分106は、端部分102、104に比べて可撓性があるものとすることができる。比較的剛性な端部分102、104は通路と係合して通路内に留置することができる。中間部分106におけるメッシュ136は、使用の際、繰返し応力等の応力を受ける可能性があるが、低い密度又は窓サイズに起因して中間部分106の可撓性が比較的高いことにより、中間部分106が応力に応じて撓むことができることから応力の衝撃が小さいものとなることが可能になる。したがって、装置134、特に、メッシュ136のフィラメント又はストラット138の疲労破損の危険性を、全長に沿って均一な可撓性を有する装置に比べて減らすことができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、間隔は、近位端部分102及び遠位端部分104において比較的大きいものとすることができ、中間部分106において比較的小さいものとすることができる。換言すれば、メッシュ136の密度は、中間部分106において比較的高いものとすることができ(又はメッシュ136の窓サイズは比較的小さいものとすることができ)、端部分102、104において比較的小さいものとすることができる(又はメッシュ136の窓サイズは比較的大きいものとすることができる)。いくつかのそのような実施形態において、中間部分106は、通路130の圧潰を阻止又は防止するのに十分な径方向の剛性を有することができるが、依然として、繰返し応力等の応力に応じて撓むのに十分な可撓性を有することができる。端部分102、104は通路と係合して通路内に留置することができる。
【0095】
図11は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置すなわちインプラント又はプロテーゼ140を示す。装置100に関して記載したように、装置140は、近位端部分102、遠位端部分104及び中間部分106を有する。装置140は、ポリマー管108と、第1のメッシュ142及び第2のメッシュ144を有する支持構造部とを備える。第1のメッシュ142は、近位端部分102から中間部分106に向かって(例えば中間部分106内に)、また、任意選択的に遠位端部分104内に延びる。第2のメッシュ144は、遠位端部分104から中間部分106に向かって(例えば中間部分106内に)、また、任意選択的に近位端部分102内に延びる。それによって、メッシュ142、144は少なくとも中間部分106において互いに重なり合う。メッシュ142、144は双方とも、管108の外側にあるか、管108の内側にあるか、又は管108内に埋め込まれるものとすることができるか、或いは、一方のメッシュが、管108の外側にあるか、管108の内側にあるか、又は管108内に埋め込まれるものとすることができるとともに、他方のメッシュが、一方のメッシュとは異なるように、管108の外側にあるか、管108の内側にあるか、又は管108内に埋め込まれる(例えば、一方のメッシュが管108の内側にあり、他方のメッシュが管108の外側にある)。メッシュ142、144は、例えば、ポリマー管108の周囲又は内側に格子構成でワイヤを編組することによって、ポリマー管108の周囲又は内側にカット管を配置することによって、ポリマー管108内に埋め込まれることによって、それらの組合せによって等、形成することができる。
【0096】
いくつかの実施形態において、メッシュ142、144の密度は、そのそれぞれの端部分102、104において比較的高く(すなわち、メッシュ142、144の窓サイズは比較的小さく)、中間部分106に向かって密度が低くなる(すなわち、窓サイズが大きくなる)。総合編組密度(例えば、ともに合わされた双方のメッシュ142、144の編組密度)は、端部分102、104におけるよりも中間部分106において低いものとすることができ、すなわち、総合窓サイズ(例えば、ともに合わされた双方のメッシュ142、144の窓サイズ)は、端部分102、104におけるよりも中間部分106において大きいものとすることができる。いくつかのそのような実施形態において、中間部分106は、端部分102、104に比べて比較的可撓性である。いくつかの実施形態において、メッシュ142、144は中間部分内には延びず、メッシュがないことにより、中間部分106を端部分102、104に比べて比較的可撓性にすることができる。いくつかの実施形態において、窓サイズが(例えば、装置140のテーパー付き部分に沿って長手方向に)増大するにつれて、密度が低くなり、メッシュのカバー範囲が減り、及び/又は孔隙率が増すが、その理由は、ストラット及び/又はフィラメントの幅が、実質的に一定であるか若しくは一定であるか、又は、窓サイズと同じ比率では増大せず、このため、長手方向の長さに沿っての可撓性の変化がもたらされる可能性がある。
【0097】
第1のメッシュ142及び第2のメッシュ144は種々の材料を含むことができ、これにより、装置140の特定用途のために、装置140の各遠位端部分102及び近位端部分104のそれぞれの特性を最適化することを可能にすることができる。例えば、装置140の遠位端部分104における第2のメッシュ144は、2つの血管の間の相互接続通路への挿通を容易にするように比較的可撓性の金属合金を含むことができるのに対し、装置140の近位端部分102における第1のメッシュ142は、装置140を所定位置にしっかりと留置するために近位端部分104に高度の耐性を提供するように比較的非弾性の金属合金を含むことができる。第1のメッシュ142及び第2のメッシュ144は、同じ材料組成(例えば、双方ともニチノールを含む)であるが異なるワイヤ直径(ゲージ)又はストラット厚を有することができる。
【0098】
図12は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置すなわちインプラント又はプロテーゼ150を示す。装置150は、支持構造体(例えば、ステント)152及びグラフト154を有する。装置100に関して説明したように、装置150は、近位端部分102と、遠位端部分104と、中間部分106とを有する。近位端部分102は、円筒形又は実質的に円筒形の部分を有し、遠位端部分104は、円筒形又は実質的に円筒形の部分を有する。近位端部分102の直径は遠位端部分104の直径よりも小さい。いくつかの実施形態において、近位端部分102の直径は遠位端部分104の直径よりも大きい。中間部分106は、近位端部分102と遠位端部分104との間でテーパー付き又は円錐台形の形状を有する。ステント152は、フィラメント(例えば、織組、層化)、カット管若しくはカットシート及び/又はそれらの組合せを含むことができる。
【0099】
ステント152のパラメーターは、一部分及び/又は複数の部分にわたって均一又は実質的に均一であってもよく、又は、一部分内及び/又は複数の部分間で様々であってもよい。例えば、ステント152は近位端部分102においてカット管又はカットシートを含んでもよく、ステント152は遠位端部分102においてカット管又はカットシートを含んでもよく、ステント152は中間部分106においてフィラメント(例えば、織組又は層化)を含んでもよい。いくつかのそのような実施形態は、近位端部分102及び遠位端部分104による優れた留置と、中間部分106の優れたフレキシビリティ(例えば、第3の通路のサイズ及び動的応力への適応性)をもたらすことができる。
【0100】
ステント152は、種々の部分において種々の材料を含むことができる。例えば、ステント152は近位端部分102においてコバルトクロム及び/又はタンタルを含むことができ、ステント152は遠位端部分104においてニチノールを含むことができ、ステント152は中間部分106においてニチノールを含むことができる。いくつかのそのような実施形態は、各展開領域(例えば、動脈の側壁と係合する近位端部分102、静脈の側壁と係合する遠位端部分104、及び、動脈と静脈との間の通路の側壁と係合する中間部分106)において装置150による優れた留置及び/又は壁並置をもたらすことができる。遠位端部分104が自己拡張型であるいくつかの実施形態において、遠位端部分104は、(例えば、圧力又は血流が増大することにより静脈径が増大する場合)例えば更なる自己拡張によって血管径を変えることにより適合させることができる。
【0101】
支持構造体の材料とタイプとの組合せも考えられ得る。例えば、ステント152は近位部分において、コバルトクロム及び/又はタンタルを含むカット管若しくはカットシートを含んでもよく、ステント152は遠位端部分104において、ニチノールを含むカット管若しくはカットシートを含んでもよく、ステント152は中間部分106において、ニチノールを含むフィラメントを含んでもよい。
【0102】
実施形態において、ステント152は、カット管若しくはカットシートを含む少なくとも一部分を有し、カットパターンが同じであってもよい。例えば、カットパターンは、近位端部分102及び遠位端部分104において同じあってもよいが、直径の変化に比例する。いくつかの実施形態において、窓サイズ又はストラット密度は、部分102、104、106の内部で、部分102、104、106のうちの2つ以上の内部で、及び/又はステント152の一端からステント152の他端にかけて、均一又は実質的に均一である。ステント152が、フィラメントを含む少なくとも1つの部分を有する実施形態において、巻回が同じであってもよい。例えば、巻回は近位端部分102及び遠位端部分104において同じであってもよいが、直径の変化により変わる。いくつかの実施形態において、巻回密度又は孔隙率は、部分102、104、106の内部で、部分102、104、106のうちの2つ以上の内部で、及び/又はステント152の一端からステント152の他端にかけて、均一又は実質的に均一である。ステント152が、カット管又はカットシートを含む少なくとも1つの部分と、フィラメントを含む少なくとも1つの部分とを有する実施形態において、カットパターン及び巻回は、均一又は実質的に均一な密度を得るように構成されてもよい。例えば、本明細書に記載されているように、不均一性も考えられ得る。
【0103】
グラフト154は、管108に対して説明したような材料とステント152へのアタッチメントとを含むことができる。グラフト154は概して、装置150の少なくとも一部分の液密の通路を形成する。グラフト154は、中間部分106の回りだけにあるものとして示されているが、装置150の全長に延びていてもよく、又は円筒形の端部分102、104のうちの少なくとも一方の中に部分的に重なっていてもよい。
【0104】
図13は、少なくとも1つの通路を通る流体の流れを提供する別の装置160を示す。装置160は、支持構造体(例えば、ステント)とグラフト164とを有する。装置100に関して説明したように、装置160は、近位端部分102と、遠位端部分104と、中間部分106とを有する。近位端部分102は、テーパー付き又は円錐台形の部分を有し、遠位端部分104は、テーパー付き又は円錐台形の部分を有する。近位端部分102の近位端の直径は、遠位端部分104の遠位端の直径よりも小さい。いくつかの実施形態において、近位端部分102の近位端の直径は、遠位端部分104の遠位端の直径よりも大きい。中間部分106は、近位端部分102と遠位端部分104との間にテーパー付き又は円錐台形の形状を有する。いくつかの実施形態において、部分102、104、106の傾斜角度は、(例えば、
図13に示されているように)同じか又は実質的に同じである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの部分の傾斜角度は、少なくとも1つの他の部分よりも鋭利である、すなわち、少なくとも1つの他の部分よりも狭い。円錐台形の近位端部分102及び遠位端部分104により、体内通路内におけるより優れた留置を可能にすることができ、この理由は例えば、動脈は心臓から離れるにつれてテーパーが付き、静脈は心臓に向かうにつれてテーパーが付き、端部分102、104は、そのような解剖学的テーパーに少なくとも部分的に対応するように構成することができる。
【0105】
図12は、第1の円筒形すなわち直線状の部分と、円錐形すなわちテーパー付きの部分と、第2の円筒形すなわち直線状の部分とを有する装置150を示す。
図13は、1つ又は複数の円錐形すなわちテーパー付きのセクションを有する装置160を示す(例えば、装置160全体が円錐形すなわちテーパー付きであるか、又は、複数の円錐形すなわちテーパー付きのセクションを有する)。いくつかの実施形態において、装置150、160の組合せが考えられ得る。例えば、装置は円筒形すなわち直線状の部分を有してもよく、装置の残りの部分が円錐形すなわちテーパー付きの部分を有してもよい。いくつかのそのような実施形態において、装置は、約1cm〜約10cm(例えば、約5cm)の長さを有することができ、約1mm〜約5mm(例えば、約3mm)の直径及び約0.5cm〜約4cm(例えば、約2cm)の長さを有する円筒形すなわち直線状の部分と、円筒形すなわち直線状の部分の直径から約3mm〜約10mm(例えば、約5mm)の直径まで漸増する直径及び約1cm〜約6cm(例えば、約3cm)の長さを有する円錐形すなわちテーパー付きの部分とを有する。そのような装置は、その後に続く別の円筒形の部分又は円錐形の部分がなくてもよい。
【0106】
支持構造体152に関して上述したように、支持構造体162は、フィラメント(例えば、織組、層化)、カット管又はカットシート、同じ材料、異なる材料及びそれらの組合せを含むことができる。
【0107】
グラフト164は、管108に対して説明したような材料とステント162へのアタッチメントとを含むことができる。グラフト164は概して、装置160の少なくとも一部分の液密の通路を形成する。グラフト164は、中間部分106の回りだけにあるものとして示されているが、装置160の全長に延びていてもよく、又は円錐台形の端部分102、104のうちの少なくとも一方の中に部分的に重なっていてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、装置150と装置160との組合せが考えられ得る。例えば、近位端部分102を(例えば、装置150におけるように)円筒形又は実質的に円筒形とすることができ、遠位端部分104を(例えば、装置160におけるように)テーパー付き又は円錐台形とすることができ、近位端部分102は遠位端部分104の遠位端よりも大きい直径を有する。別の例の場合、近位端部分102を(例えば、装置160におけるように)テーパー付き又は円錐台形とすることができ、遠位端部分104を(例えば、装置150におけるように)円筒形又は実質的に円筒形とすることができ、近位端部分102の近位端は遠位端部分104よりも大きい直径を有する。各例において、中間部分106は、近位端部分102と遠位端部分104との間にテーパー付き又は円錐台形の形状を有することができる。
【0109】
本明細書に記載されている埋め込み型装置の例示的な展開装置が、2009年8月24日に出願された米国特許出願第12/545982号、及び2012年6月1日に出願された米国特許出願第13/486249号に記載されており、それらの米国特許出願のそれぞれの内容全体は、引用することにより本明細書の一部をなす。装置は概して、近位端において、ユーザーが作動させることが可能なトリガーを有するハンドルを有し、遠位端において、装置を解放させるためにトリガーの作動の際に押される及び/又は引かれるように構成された管状部材の組合せを有する。他の送達装置も考えられ得る。送達装置は、ガイドワイヤ(例えば、組織横断針により動脈と静脈との間で操られている)上を摺動可能な部分を有することができ、及び/又はカテーテルの管腔を通して追跡可能とすることができる。
【0110】
いくつかの実施形態及び例を本明細書において詳細に示し又は記載してきたが、それらの実施形態の具体的な特徴及び態様の種々の組合せ、部分的組合せ、変更、変形、置換及び省略が考えることができるが、ここではその一部を単なる例として説明する。
【0111】
装置、例えば、装置のステント、装置のメッシュ、装置の支持構造体等は、自己拡張型とすることができる。例えば、メッシュは、変形を受けた後で予め設定された形状に戻ることが可能である、ニチノール等の形状記憶材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、ステントは、拡張形態において所望される形状に作製してもよく、カテーテルを通じて血管部位に搬送されるよう、スリーブの内側にフィットするように圧縮可能である。ステントを展開及び拡張させるには、スリーブをステントから引っ込めて形状記憶材料が予め設定された形状に戻ることを可能にし、それにより、ステントを通路内に留置することができ、また、ステントが十分に径方向強度を有する場合は通路を拡大させることができる。バルーンカテーテルの使用は、完全自己拡張型のステントを拡張させるには必要とされないが、例えば、展開を高めるか又は最適化させるのに用いることができる。
【0112】
装置は、1つ又は複数の自己拡張部分と、例えばバルーンカテーテルを用いての変形によって拡張可能な1つ又は複数の部分とを有することができる。例えば、
図11に示されている実施形態において、第1のメッシュ142は、バルーンカテーテルによって拡張可能なステンレス鋼を含んでいてもよく、第2のメッシュ144は、拡張時に自己拡張するためにニチノールを含んでいてもよい。
【0113】
本明細書に記載されている実施形態のいずれかに関して、グラフト154、164を有するポリマー管108は、PTFE、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート系の芳香族生体耐久性熱可塑性ポリウレタンエラストマー(例えば、マサチューセッツ州ウィルミントン所在のAdvanSource Biomaterials社から入手可能なChronoFlex C(登録商標)80A及び55D医療グレード)等のポリウレタン、それらの組合せ等のような任意の適したコンプライアント又は可撓性ポリマーを含むことができる。ポリマー管108は、生分解性ポリマー、生体吸収性ポリマー又は生体適合性ポリマー(例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール乳酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、それらの組合せ等)を含むことができる。ポリマーは、支持構造体(例えば、ステント)と相互作用する前に管形態であってもよく、又は、支持構造体(例えば、ステント)の上、内部及び/又は回りに形成されてもよい。例えば、ポリマーは、紡糸繊維、浸漬コーティング、それらの組合せ等を含むことができる。いくつかの実施形態において、例えば装置を単一の血管内で展開させることになる場合、装置には管が省かれてもよい。いくつかのそのような実施形態において、ステントの中間部分は、低い巻回密度又は高い窓サイズを有するメッシュを有してもよく、その一方、ステントの端部分は、より高い巻回密度又はより低い窓サイズを有するメッシュを有し、メッシュは、メッシュの中心を通る流体の流れのための経路を画定するように概ね管状である。いくつかの実施形態において、ポリマー管108は、(例えば、同じ材料又は異なる材料を含む)リップを有し、リップは、ポリマー管108と体内通路との間に液密のシールを形成するのを助けることができる。シールは、例えば体内通路間にポリマー管108の斜めの位置決めのために角度を付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、ポリマー管108は、少なくとも1つの方向において支持構造体を超えて長手方向に延出してもよく、超えて延出する部分は、支持構造体によって支持される。
【0114】
メッシュは、ニッケル、チタン、クロム、コバルト、タンタル、白金、タングステン、鉄、マンガン、モリブデン、それらの組合せ(例えば、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼)等のような任意の適した材料を含むことができる。メッシュは、生分解性ポリマー、生体吸収性ポリマー又は生体適合性ポリマー(例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール乳酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、それらの組合せ等)及び/又はガラスを含むことができ、金属はなくてもよい。例えば
図11を参照しながら前述したように、メッシュのいくつかの部分に又は同じメッシュ内に種々の材料を用いてもよい。例えば、装置100の遠位端部分104におけるメッシュ114及び近位端部分102におけるメッシュ112は、異なる材料を含んでいてもよい。別の例の場合、メッシュ112及び/又はメッシュ114は、種々のタイプの金属合金(例えば、非形状記憶合金と組み合わせた形状記憶合金、第1の形状記憶合金であって、第1の形状記憶合金とは異なる第2の形状記憶合金と組み合わせた第1の形状記憶合金、クラッド材料(例えば、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン等のような放射線不透過性材料を含むコアを含む))と組み合わせた金属合金(例えば、コバルト、クロム、ニッケル、チタン、それらの組合せ等を含む)、及び/又はポリマー(例えば、ポリエステル繊維)等の非金属材料、炭素、及び/又は生体吸収性ガラス繊維を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一方のメッシュ112、114は、ニチノール及びステンレス鋼を含む。ニチノールは、何らかの自己拡張(例えば、部分自己拡張及び/又は完全自己拡張)を可能にすることができ、その場合、メッシュは例えばバルーンを用いて更に拡張させることができる。
【0115】
織組フィラメントメッシュとして
図8、
図10及び
図11に概して示されているが、所望の弾性度を提供することができる任意の他の構造体も用いられ得る。例えば、逆方向に巻回されたフィラメントの層を、拡張可能な構造体を提供するようにフィラメントの両端において溶融することができる。別の例の場合、金属シートをカット(例えば、レーザーカット、化学的エッチング、プラズマカット等)して穿孔を形成し、次に管状形成体内でヒートセットしてもよく、又は、金属管(例えば、ハイポチューブ)をカット(例えば、レーザーカット、化学的エッチング、プラズマカット等)して穿孔を形成してもよい。拡張形態を与えるようにカット管(巻いて管にしたカットシートを含む)をヒートセットすることができる。
【0116】
織組若しくは編組又は層状又は別様に構成することができるフィラメント又はワイヤ又はリボンは概ね細長く、円形、楕円形、正方形、矩形等の横断面を有する。例示的な不織フィラメントは、第1の方向に巻回された第1のフィラメント層と、第2の方向に巻回された第2のフィラメント層とを有することができ、フィラメント端の少なくとも一部は、(例えば、拡張可能なリングに結合することよって)ともに結合される。例示的な編組パターンとして、1本の上下に1本、1本の上下に2本、2本の上下に2本及び/又はそれらの組合せが挙げられるが、他の編組パターンも考えられ得る。フィラメント交点において、フィラメントは、螺旋状に巻き付けることができ、摺動関係で交わることができ、及び/又はそれらの組合せとすることができる。フィラメントは、ばらの状態であってよく(例えば、織組によってともに合わされる)、及び/又は溶接部、スリーブ等の結合要素、及び/又はそれらの組合せとすることができる。フィラメントの両端を反り返らせ、リングに圧着(例えば、放射線不透過性マーカーとしても作用することができる、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン等のような放射線不透過性材料による、端圧着)、撚り、ボール溶接、それらの組合せ等を行うことができる。織端は、フィラメント端及び/又は反り返しフィラメントを含むことができ、連続気泡、固定フィラメント若しくは未固定フィラメント、溶接部、接着剤又は他の溶融手段、放射線不透過性マーカー、それらの組合せ等を有することができる。フィラメントのパラメーターは、一部分及び/又は複数の部分にわたって均一又は実質的に均一であってもよく、一部分内及び/又は複数の部分間で様々であってもよい。例えば、近位端部分102は第1のパラメーターを有してもよく、遠位端部分104は第1の編組パターンとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。別の例の場合、近位端部分102及び遠位端部分104はそれぞれ、第1のパラメーターを有してもよく、中間部分106は第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。更に別の例の場合、近位端部分102、遠位端部分104及び中間部分106のうちの少なくとも1つは、第1のパラメーター、及び第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを双方とも有してもよい。フィラメントパラメーターは例えば、フィラメントタイプ、フィラメント厚さ、フィラメント材料、フィラメントの量、織組パターン、層化、巻回方向、ピッチ、角度、交差タイプ、フィラメント結合又はその欠如、フィラメント端処理、織組端処理、層化端処理、層の量、溶接部の有無、放射線不透過性、編組パターン、密度、孔隙率、フィラメント角度、編組径、巻回径及び形状設定を含み得る。
【0117】
管又はシートは、ストラットパターン又はセルパターンを形成するようにカットすることができ、ストラットは、管又はシートのうちカット後に残された部分であり、セル又は穿孔又は窓は、切り離された部分である。管(例えば、ハイポチューブ)を直接カットしてもよく、又はシートをカットしてから巻いて管にしてもよい。管又はシートはカット前に設定された形状であってもカット後に設定された形状であってもよい。管又はシートは、自身に、別の管又はシートに、フィラメントに、グラフト材等に溶接又は別様に結合させてもよい。カッティングはレーザー、化学エッチング液、プラズマ、それらの組合せ等によってなされてもよい。例示的なカットパターンは、螺旋スパイラル状、織組状、コイル状、個々のリング状、連続リング状、連続気泡状、独立気泡状、それらの組合せ等を含む。連続リングを含む実施形態において、リングは、可撓性コネクタ、非可撓性コネクタ及び/又はそれらの組合せを用いて連結させることができる。連続リングを含む実施形態において、リングのコネクタ(例えば、可撓性、非可撓性及び/又はそれらの組合せ)は、リングの山同士、リングの谷同士、ストラットの中間部分同士及び/又はそれらの組合せ(例えば、山と山、谷と谷、中間と中間、山と谷、山と中間、谷と中間、谷と山、中間と山、中間と谷)とを交差する。その管又はシート又はセクションは、カット前に研削及び/又は研摩されてもカット後に研削及び/又は研摩されてもよい。例えば流体の流れを補助するために、内部リッジを形成してもよい。カット管又はカットシートのパラメーターは、一部分及び/又は複数の部分にわたって均一又は実質的に均一であってもよく、一部分内及び/又は複数の部分間で様々であってもよい。例えば、近位端部分102は第1のパラメーターを有してもよく、遠位端部分104は第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。別の例の場合、近位端部分102及び遠位端部分104はそれぞれ、第1のパラメーターを有してもよく、中間部分106は第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを有してもよい。更に別の例の場合、近位端部分102、遠位端部分104及び中間部分106のうちの少なくとも1つは、第1のパラメーター、及び第1のパラメーターとは異なる第2のパラメーターを双方とも有してもよい。カット管パラメーター又はシートパラメーターは例えば、径方向のストラット厚さ、周方向のストラット幅、ストラット形状、セル形状、カットパターン、カットタイプ、材料、密度、孔隙率、管径及び形状設定を含み得る。
【0118】
いくつかの実施形態において、穿孔により、比較的可撓性の中間部分と比較的剛性の端部分とを有するメッシュをもたらしてもよい。代わりに支持構造体が、管内に配置される連続気泡発泡体であってもよい。
【0119】
ステントのフィラメント、ステントグラフト、若しくはその一部、及び/又はカットステントのストラット、ステントグラフト、若しくはその一部は、例えば、血栓症改質剤、流体流改質剤、抗生物質等のような薬剤を担持するように改質された表面とすることができる。ステントのフィラメント、ステントグラフト、若しくはその一部、及び/又は、カットステントのストラット、ステントグラフト、若しくはその一部は、例えば、ポリマー管108と同じであっても異なっていてもよい1つのポリマー層又は一連のポリマー層に埋め込まれた、血栓症改質剤、流体流改質剤、抗生物質等のような薬剤を含むコーティングによって少なくとも部分的に覆うことができる。
【0120】
ステント、ステントグラフト、若しくはそれらの一部分のフィラメント、及び/又はカットステント、ステントグラフト、若しくはそれらの一部分のストラットの厚さ(例えば、直径)は、約0.0005インチ〜約0.02インチ、約0.0005インチ〜約0.015インチ、約0.0005インチ〜約0.01インチ、約0.0005インチ〜約0.008インチ、約0.0005インチ〜約0.007インチ、約0.0005インチ〜約0.006インチ、約0.0005インチ〜約0.005インチ、約0.0005インチ〜約0.004インチ、約0.0005インチ〜約0.003インチ、約0.0005インチ〜約0.002インチ、約0.0005インチ〜約0.001インチ、約0.001インチ〜約0.02インチ、約0.001インチ〜約0.015インチ、約0.001インチ〜約0.01インチ、約0.001インチ〜約0.008インチ、約0.001インチ〜約0.007インチ、約0.001インチ〜約0.006インチ、約0.001インチ〜約0.005インチ、約0.001インチ〜約0.004インチ、約0.001インチ〜約0.003インチ、約0.001インチ〜約0.002インチ、約0.002インチ〜約0.02インチ、約0.002インチ〜約0.015インチ、約0.002インチ〜約0.01インチ、約0.002インチ〜約0.008インチ、約0.002インチ〜約0.007インチ、約0.002インチ〜約0.006インチ、約0.002インチ〜約0.005インチ、約0.002インチ〜約0.004インチ、約0.002インチ〜約0.003インチ、約0.003インチ〜約0.02インチ、約0.003インチ〜約0.015インチ、約0.003インチ〜約0.01インチ、約0.003インチ〜約0.008インチ、約0.003インチ〜約0.007インチ、約0.003インチ〜約0.006インチ、約0.003インチ〜約0.005インチ、約0.003インチ〜約0.004インチ、約0.004インチ〜約0.02インチ、約0.004インチ〜約0.015インチ、約0.004インチ〜約0.01インチ、約0.004インチ〜約0.008インチ、約0.004インチ〜約0.007インチ、約0.004インチ〜約0.006インチ、約0.004インチ〜約0.005インチ、約0.005インチ〜約0.02インチ、約0.005インチ〜約0.015インチ、約0.005インチ〜約0.01インチ、約0.005インチ〜約0.008インチ、約0.005インチ〜約0.007インチ、約0.005インチ〜約0.006インチ、約0.006インチ〜約0.02インチ、約0.006インチ〜約0.015インチ、約0.006インチ〜約0.01インチ、約0.006インチ〜約0.008インチ、約0.006インチ〜約0.007インチ、約0.007インチ〜約0.02インチ、約0.007インチ〜約0.015インチ、約0.007インチ〜約0.01インチ、約0.007インチ〜約0.008インチ、約0.008インチ〜約0.02インチ、約0.008インチ〜約0.015インチ、約0.008インチ〜約0.01インチ、約0.01インチ〜約0.02インチ、約0.01インチ〜約0.015インチ、又は約0.015インチ〜約0.02インチであり得る。特定された厚さよりも大きいか又は小さい厚さを含め、他の厚さも考えられ得る。いくつかの材料(例えば、生体分解性材料、復元力の小さい材料等)を含むフィラメント及び/又はストラットは、特定された厚さよりも厚くてもよい。
【0121】
フィラメント及び/又はストラットの厚さは、例えば、装置若しくは装置部分サイズ(例えば、直径及び/又は長さ)、孔隙率、径方向強度、材料、フィラメント及び/又はストラットの量、カットパターン、織組パターン、層化パターン等のうちの少なくとも1つに基づくことができる。例えば、冠血管等の大きな血管を処置するのに用いられる大きな装置又は装置部分には、より大きいフィラメント及び/又はストラットの厚さ(例えば、約0.006インチを超える)が有用であり、末梢血管等の中間サイズの血管を処置するのに用いられる中間サイズの装置又は装置部分には、中間サイズのフィラメント及び/又はストラットの厚さ(例えば、約0.003インチ〜約0.006インチ)が有用であり、静脈及び神経血管等の小さい血管を処置するのに用いられる小さい装置又は装置部分には、小さいフィラメント及び/又はストラットの厚さ(例えば、約0.003インチ未満)が有用であり得る。
【0122】
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約1mm〜約12mm、約1mm〜約10mm、約1mm〜約8mm、約1mm〜約6mm、約1mm〜約4mm、約1mm〜約2mm、約2mm〜約12mm、約2mm〜約10mm、約2mm〜約8mm、約2mm〜約6mm、約2mm〜約4mm、約4mm〜約12mm、約4mm〜約10mm、約4mm〜約8mm、約4mm〜約6mm、約6mm〜約12mm、約6mm〜約10mm、約6mm〜約8mm、約8mm〜約12mm、約8mm〜約10mm又は約10mm〜約12mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば冠血管を処置するのに適し得る。ステント、ステントグラフト、又は、ステントの部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約1mm〜約10mm、約1mm〜約8mm、約1mm〜約6mm、約1mm〜約4mm、約1mm〜約2mm、約2mm〜約10mm、約2mm〜約8mm、約2mm〜約6mm、約2mm〜約4mm、約4mm〜約10mm、約4mm〜約8mm、約4mm〜約6mm、約6mm〜約10mm、約6mm〜約8mm又は約8mm〜約10mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば静脈を処置するのに適し得る。ステント、ステントグラフト、又は、ステントの部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約6mm〜約25mm、約6mm〜約20mm、約6mm〜約15mm、約6mm〜約12mm、約6mm〜約9mm、約9mm〜約25mm、約9mm〜約20mm、約9mm〜約15mm、約9mm〜約12mm、約12mm〜約25mm、約12mm〜約20mm、約12mm〜約15mm、約15mm〜約25mm、約15mm〜約20mm又は約20mm〜約25mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば末梢血管を処置するのに適し得る。ステント、ステントグラフト、又は、ステントの部分の内径若しくは外径は、例えばフィラメント又はストラットの厚さを考慮に入れると、約20mm〜約50mm、約20mm〜約40mm、約20mm〜約35mm、約20mm〜約30mm、約30mm〜約50mm、約30mm〜約40mm、約30mm〜約35mm、約35mm〜約50mm、約35mm〜約40mm又は約40mm〜約50mmとすることができる。いくつかのそのような直径は、例えば大動脈を処置するのに適し得る。特定された直径よりも大きいか又は小さい直径を含む他の直径も考えられ得る。装置の直径は、第1の端部分、第2の端部分又は中間部分の直径を示し得り、そのそれぞれは、拡張形態又は非拡張形態であってもよい。装置の直径は、装置の全ての部分が拡張形態又は非拡張形態である場合、装置の平均直径を示し得る。
【0123】
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の長さは、約5mm〜約150mm、約5mm〜約110mm、約5mm〜約70mm、約5mm〜約50mm、約5mm〜約25mm、約5mm〜約20mm、約5mm〜約10mm、約10mm〜約150mm、約10mm〜約110mm、約10mm〜約70mm、約10mm〜約50mm、約10mm〜約25mm、約10mm〜約20mm、約20mm〜約150mm、約20mm〜約110mm、約20mm〜約70mm、約20m〜約50mm、約20mm〜約25mm、約25mm〜約150mm、約25mm〜約110mm、約25mm〜約70mm、約25m〜約50mm、約50mm〜約150mm、約50mm〜約110mm、約50mm〜約70mm、約70mm〜約150mm、約70mm〜約110mm又は約110mm〜約150mmとすることができる。特定された長さよりも長いか又は短い長さを含む他の長さも考えられ得る。
【0124】
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の孔隙率は、約5%〜約95%、約5%〜約50%、約5%〜約25%、約5%〜約10%、約10%〜約50%、約10%〜約25%、約25%〜約50%、約50%〜約95%、約50%〜約75%、約50%〜約60%、約60%〜約95%、約75%〜約90%、約60%〜約75%及びそれらの組合せとすることができる。ステントの密度はステントの孔隙率に反比例し得る。グラフトによって覆われるステントの一部分の孔隙率は約0%とすることができる。孔隙率は、ステントのいくつかの部分の目的によって様々とすることができる。例えば、中間部分は、装置を通る流体の流れを増大させるように低い孔隙率を有してもよく、その一方、端部分は、可撓性及び壁並置を増大させるようにより低い孔隙率を有してもよい。
【0125】
図25Aは、プロテーゼ500の更に別の例示的な実施形態の概略側面立面図である。プロテーゼ又はステント又は装置500は、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメント502を備える、及び/又は本質的にそのような複数のフィラメント502からなる。ステント500は、以下で更に詳細に説明するように、グラフト材がなくてもよい。
【0126】
ワイヤ、リボン、ストランド等と述べることもできるフィラメント502は、織組、編組、層状又は別様に交差方式で構成することができる。フィラメント502は概ね細長く、円形、楕円形、正方形、矩形等の横断面を有する。例示的な不織フィラメントは、第1の方向に巻回された第1のフィラメント層と、第2の方向に巻回された第2のフィラメント層とを有することができ、フィラメント端の少なくとも一部は、(例えば、拡張可能なリングに結合することによって)ともに結合される。例示的な織組パターンとして、1本の上下に1本(例えば
図25Aに示す)、1本の上下に2本、2本の上下に2本及び/又はそれらの組合せが挙げられるが、他の織組パターンも考えられ得る。フィラメント502の交点において、フィラメント502は、螺旋状に巻き付けることができ、摺動関係で交わることができ、及び/又はそれらの組合せとすることができる。フィラメント502は、ばらの状態であってよく(例えば、織組によってともに合わされる)、及び/又は溶接部、スリーブ等の結合要素、及び/又はそれらの組合せを含むことができる。フィラメント502の両端を反り返らせ、リングに圧着(例えば、放射線不透過性マーカーとしても作用することができる、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン等のような放射線不透過性材料による、端圧着)、撚り、ボール溶接、結合、それらの組合せ等を行うことができる。織端は、フィラメント502の端及び/又は反り返しフィラメント502を含むことができ、連続気泡、固定フィラメント若しくは未固定フィラメント502、溶接部、接着剤又は他の溶融手段、放射線不透過性マーカー、それらの組合せ等を有することができる。
【0127】
ステント500は、細孔504又はフィラメント502間の開放した非被覆領域を有する。ステント500の孔隙率は、細孔504の外表面積をステント500の総外表面積で除算したものとして計算することができる。孔隙率は、例えば、フィラメント502の数、編組角度506、フィラメント502のサイズ(例えば直径)及びそれらの組合せ等のパラメーターによって影響を受ける場合がある。
【0128】
ステント500の孔隙率は、約50%未満(例えば開放面積よりも僅かに被覆面積が大きい)、約0%(例えば、開放面積がほとんどない)〜約50%、約0%〜約45%、約0%〜約40%、約0%〜約35%、約0%〜約30%、約0%〜約25%、約0%〜約20%、約0%〜約15%、約0%〜約10%、約0%〜約5%、約5%〜約50%、約5%〜約45%、約5%〜約40%、約5%〜約35%、約5%〜約30%、約5%〜約25%、約5%〜約20%、約5%〜約15%、約5%〜約10%、約10%〜約50%、約10%〜約45%、約10%〜約40%、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%、約10%〜約15%、約15%〜約50%、約15%〜約45%、約15%〜約40%、約15%〜約35%、約15%〜約25%、約15%〜約20%、約20%〜約50%、約20%〜約45%、約20%〜約40%、約20%〜約35%、約20%〜約25%、約25%〜約50%、約25%〜約45%、約25%〜約40%、約25%〜約35%、約30%〜約50%、約30%〜約45%、約30%〜約40%、約30%〜約35%、約35%〜約50%、約35%〜約45%、約35%〜約40%、約40%〜約50%、約40%〜約45%、約45%〜約50%及びそれらの組合せとすることができる。
【0129】
孔隙率が約50%未満であるいくつかの実施形態において、通常の血管圧(例えば、血管にわたる圧力損失、輸入管から輸出管にかけての圧力損失)下で、血液がステント500の側壁を通過して灌流するのを不可能にすることができる。或る特定のそのような実施形態において、ステント500の近位端部に流れ込む血液を、グラフト材を用いずに(例えば実質的に用いずに、グラフト材を備えずに、実質的に備えずに)、しかし依然としてステント500の側壁を通した血液損失又は実質的な血液損失を生じることなく、ステント500の内腔を通過するようステント500の遠位端部に方向付けることができる。対照的に、或る特定のいわゆる「フローダイバーターステント(flow diverting stents)」では、孔隙率は、輸出管への灌流を確実にするために約50%超であるように特に設計される。
【0130】
ステント500の密度は、孔隙率に反比例するもの(例えば、フィラメント502の外表面積をステント500の総外表面積で除算したもの)とすることができる。ステント500の密度は、100%から、上記で示した孔隙率の値を減算したものとすることができる。
【0131】
フィラメント502は、ステント500の長手軸に対して垂直の軸(例えば
図25Aにおいて例示的な破線で示す)に対して或る編組角度506にある。編組角度506は、まさに90度超〜まさに180度未満の範囲とすることができる。編組角度506は、鋭角又は鈍角とすることができる。いくつかの実施形態において、編組角度506は、約90度〜約180度、約120度〜約180度、約150度〜約180度、約160度〜約180度、約170度〜約180度、約160度〜約170度、約165度〜約175度、それらの組合せ等である。いくつかの実施形態において、編組角度506が180度に近いほど、ステント500の径方向強度が大きくなる。径方向強度がより大きい装置500は、瘻孔(例えば本明細書に記載のように形成される)を開放又は開存させて維持することを援助することができる。フィラメント502の直径、フィラメント502の材料、フィラメント502の数等のような他の因子も、径方向強度に影響を与えることができる。
【0132】
フィラメント502の全てが同じであってもよいし、一部のフィラメント502が異なるパラメーター(例えば、材料、寸法、それらの組合せ等)を有してもよい。いくつかの実施形態において、一部のフィラメント502が形状記憶材料を含み(例えばニチノールを含む)、他のフィラメント502が別の材料を含む(例えば、アラミド繊維(例えば、Kevlar(登録商標))、Dacron(登録商標)、生体適合性ポリマー等を含む)。形状記憶材料が機械的構造を提供することができ、他の材料が(例えば側壁の寸法が厚いことにより)低孔隙率を提供することができる。
【0133】
図25Bは、プロテーゼ520のまた更に別の例示的な実施形態の概略側面立面図である。プロテーゼ又はステント又は装置520は、ともに第1の織組構造体に織組された第1の複数のフィラメント522と、ともに第2の織組構造体に織組された第2の複数のフィラメント524とを含む、及び/又は本質的にこれらのフィラメントからなる。ステント520は、本明細書において更に詳細に説明するように、グラフト材がなくてもよい。第1の複数のフィラメント522は、
図25Aに関して記載したステント500のフィラメント502と同様とすることができる。いくつかの実施形態において、フィラメント522は、瘻孔を開放させて維持する及び/又は動脈及び/又は静脈の側壁を並置するのに十分な径方向力を有しない場合がある。或る特定のそのような実施形態において、フィラメント524は、径方向力を提供する補助的な支持構造体として機能することができる。フィラメント524は、フィラメント522の径方向外側にある(例えば
図25Bに示す)、フィラメント522の径方向内側にある及び/又はフィラメント522に一体化する(例えば、それにより第1の織組構造体及び第2の織組構造体が容易に分離可能でないようにする)ことができる。フィラメント524を、フィラメント522と同じ又は異なる材料、フィラメント522と同じ又は異なる厚さ等としてもよく、及び/又は、フィラメント524を、フィラメント522と同じ又はフィラメント524がより大きい径方向力を得るように異なるパラメーター(例えば、編組角度)で編組してもよい。フィラメント524は、フィラメント522に結合してもよいし(例えば、単一の展開型ステント520にする)、別個に展開してもよい。例えば、フィラメント524が展開された後にフィラメント522が展開される場合、フィラメント524は瘻孔を開放させたまま維持し、フィラメント522を、フィラメント524によって形成される内腔内で実質的に反力を受けずに拡張させることができる。別の例では、フィラメント522が展開された後にフィラメント524が展開される場合、フィラメント524は、拡張力が必要とされるフィラメント522の部分に対して拡張力として作用することができる。
【0134】
図25Bでは第2の織組構造体を備えるように示しているが、補助的な支持構造体は、螺旋コイル、カットされたハイポチューブ、それらの組合せ等を追加で又は代替的に備えることができる。プロテーゼ520の孔隙率の決定は、補助的な支持構造体が主に径方向力(例えば、瘻孔を開放又は開存させて維持するのに十分な力)を提供するように設計することができるように、主に第1の織組構造体の孔隙率に基づくことができる。
【0135】
ステント500の長さにわたって均一又は実質的に均一として示しているが、ステント500及びフィラメント502のパラメーターは、ステント500にわたって変化してもよく、これは例えば
図25Cに関して記載される。均一性は、製造費用の減少、正確な配置の必要性の減少及び/又は他の利点を有することができる。非均一性は、様々な長さに沿った特定の性質及び/又は機能のための特殊化又はカスタマイズを可能にすることができ、及び/又は他の利点を有することができる。
【0136】
図25Cは、プロテーゼ540のまた別の例示的な実施形態の概略側面立面図である。プロテーゼ又はステント又は装置540は、ともに織組構造体に織組された複数のフィラメント542を備える、及び/又は本質的にそのような複数のフィラメント542からなる。ステント540は、本明細書において更に詳細に説明するように、グラフト材がなくてもよい。ステント540は、第1の長手方向セクション又はセグメント又は部分544と、第2の長手方向セクション又はセグメント又は部分546とを有する。例えば、孔隙率(例えば
図25Bに示す)、編組角度、編組タイプ、フィラメント542のパラメーター(例えば、直径、材料等)、補助的な支持構造体(例えば、補助的な支持構造体)の存在、ステント直径、ステント形状(例えば、円筒形、円錐台形)、それらの組合せ等のパラメーターは、第1の長手方向セクション544と第2の長手方向セクション546とで異なってもよい。孔隙率は、ステント540の或る特定の部分の目的によって変化してもよい。例えば、第1の長手方向セクション544は、動脈及び瘻孔に配置されるように構成することができ、低孔隙率(例えば、
図25Aのステント500に関して記載したように約50%未満)を有し、ステント500を通る流体の流れを増大させることができる。一方、第2の長手方向セクションは、静脈に配置するように構成することができ、より高い孔隙率を有し、可撓性及び壁の並置を向上させることができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、ステントは、動脈から瘻孔に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備え、及び/又は本質的にそのような織組体からなり、補助的な支持構造体を備えない、第1の長手方向セクションと、血液の流れを瘻孔に通して迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備え、及び/又は本質的にそのような織組体からなり、瘻孔を開放させて維持するように構成された補助的な支持構造体を備える、第2の長手方向セクションと、瘻孔から静脈に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備える、及び/又は本質的にそのような織組体からなる、第3の長手方向セクションとを有する。或る特定のそのような実施形態において、第1の長手方向セクションは、
図25Aのステント500として構成することができ、第3の長手方向セクションは、
図25Aのステント500として又は
図25Cのステント540として構成することができる。
【0138】
第1の長手方向セクション544と第2の長手方向セクション546との間の差異は、製造中に(例えば、編組パラメーター、形状設定等により)及び/又はin situで(例えば、展開中及び/又は展開後(例えばステントパッキングにより))与えることができる。
【0139】
例えば、本明細書に記載の第1の長手方向セクション544と第2の長手方向セクション546との間の他の差異(例えば、レーザーカット部、更なる長手方向セクション等を含む)も考えられ得る。いくつかの実施形態において、ステントは、動脈から瘻孔に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備える、及び/又は本質的にそのような織組体からなる第1の長手方向セクションと、瘻孔に配置され、血液を瘻孔に通して迂回させる及び/又は瘻孔を開放させて維持するように構成された低孔隙率のレーザーカット部を備える、及び/又は本質的にそのようなレーザーカット部からなる、第2の長手方向セクションと、瘻孔から静脈に流れを迂回させるように構成された低孔隙率の織組体を備える、及び/又は本質的にそのような織組体からなる、第3の長手方向セクションとを有する。或る特定のそのような実施形態において、第1の長手方向セクションは、
図25Aのステント500として構成することができ、第3の長手方向セクションは、
図25Aのステント500として又は
図25Cのステント540として構成することができる。
【0140】
図27は、プロテーゼ720の例示的な実施形態を概略的に示す。
図27の解剖学的構造に関して、このプロテーゼ720を以下で更に詳細に説明する。プロテーゼ720は、第1の長手方向セクション722と、第2の長手方向セクション724と、第1の長手方向セクション722と第2の長手方向セクション724との間の第3の長手方向セクション726とを有する。プロテーゼ720の孔隙率は、実質的にグラフト材を欠いている場合であっても、例えば低孔隙率の織組構造体により、流体が、実質的に側壁を通過して灌流することなく実質的にプロテーゼ720の内腔を通過して流れることを可能にすることができる。
【0141】
プロテーゼ720が末梢血管系において用いられる実施形態において、第1の長手方向セクション722は動脈セクションと述べることができ、第2の長手方向セクション724は静脈セクションと述べることができ、第3の長手方向セクション726は遷移セクションと述べることができる。第1の長手方向セクション722は、動脈700又は別の腔の側壁を並置するように構成されている。例えば、いくつかの末梢動脈の場合、第1の長手方向セクション722は、約2mm〜約4mm(例えば約3mm)の拡張直径を有することができる。第2の長手方向セクション724は、静脈702又は別の腔の側壁を並置するように構成されている。例えば、いくつかの末梢静脈の場合、第2の長手方向セクション724は、約5mm〜約7mm(例えば約6mm)の拡張直径を有することができる。いくつかの実施形態において、第2の長手方向セクション724及び第3の長手方向セクション726は、
図27に示すように実質的に円筒形であるのではなく、第1の長手方向セクション722のより小さい直径からより大きい直径までテーパーが付いている円錐台形を含む形状とすることができる。
【0142】
プロテーゼ720の長さは、(例えば、プロテーゼ720の長手方向における移動又は転位を阻止又は防止するのに十分に)動脈700及び/又は静脈702内にプロテーゼ720を留置し、動脈700と静脈702との間の間質組織Tをまたぐ構成又はサイズとすることができる。例えば、いくつかの末梢動脈の場合、拡張又は展開状態における第1の長手方向セクション722の長さは、約20mm〜約40mm(例えば約30mm)とすることができる。別の例では、いくつかの末梢静脈の場合、拡張又は展開状態における第2の長手方向セクション724の長さは、約10mm〜約30mm(例えば約20mm)とすることができる。更に別の例では、いくつかの末梢血管系の場合、拡張又は展開状態における第3の長手方向セクション726の長さは、約5mm〜約15mm(例えば約10mm)とすることができる。拡張又は展開状態におけるプロテーゼ720の全長は、約30mm〜約100mm、約45mm〜約75mm(例えば約60mm)とすることができる。間質組織Tの厚さは約2mmとして示しているが、展開位置の特定の解剖学的構造に応じて他の寸法が考えられ得る。例えば、本明細書に記載のプロテーゼ720、第1の長手方向セクション722及び/又は第2の長手方向セクション724の他の寸法も考えられ得る。
【0143】
第3の長手方向セクション726は、第1の長手方向セクション722のより小さい直径から第2の長手方向セクション724にかけて拡張する円錐台形又はテーパー形状を有する。長手方向セクション722、724、726間の遷移点は、明確に区別されるものでも明確に区別されないものでもよい。例えば、遷移セクションは、第1の長手方向セクション722及び第3の長手方向セクション726の一部を含むと述べることもできるし、第3の長手方向セクション726は、第1の長手方向セクション722と同じ直径を有する円筒形部分を含むと述べることもできる。長手方向セクション722、724、726は、上述した形状及び寸法とは異なってもよい及び/又は他の点(例えば、材料、パターン等)が異なってもよい。例えば、1つ又は複数の部分を、
図12、
図13及び
図27に示し本明細書に記載したような円筒形、円錐台形等としてもよい。
【0144】
第1の長手方向セクション722及び/又は第3の長手方向セクション726は、比較的高い径方向力、例えば瘻孔を開存させて維持するように構成される力を有することができ、第2の長手方向セクション724は、比較的低い径方向力を有することができる。いくつかの実施形態において、第1の長手方向セクション722及び/又は第3の長手方向セクション726は、バルーン拡張可能なステント、編組角度が高い織組ステント等を備える。いくつかの実施形態において、第2の長手方向セクション724は、自己拡張型ステント、編組角度が低い織組ステント等を備える。レーザーカットステント、織組ステント、異なるカットパターン、異なる織組パターン等の組合せが本明細書において更に詳細に記載される。いくつかの実施形態において、長手方向セクション722、724、726は一体でも別個でもよい。第2の長手方向セクション724は、例えば比較的低い径方向力を有しながら比較的可撓性とすることができ、これにより、血流パルス中に第2の長手方向セクション724が解剖学的構造とともに撓むのを助けることができる。
【0145】
いくつかの実施形態において、第2の長手方向セクション724及び/又は第3の長手方向セクション726は、いくつかのグラフト材(例えばシリコーンを含む)を備えることができる。グラフト材は、プロテーゼ720の側壁を通過する流れを阻止若しくは防止することができ、及び/又は薬剤を担持するのに用いることができる。例えば、グラフト材は、グラフト材の目的に応じて、プロテーゼ720の部分の細孔を閉塞又は実質的に閉塞してもしなくてもよい。
【0146】
プロテーゼ720の近位端部及び/又は遠位端部は、例えば端処理、低い編組角度、小さいフィラメント直径、それらの組合せ等を有することで非外傷性とすることができる。
【0147】
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分の径方向強度又は圧縮抵抗は、約0.1N/mm〜約0.5N/mm、約0.2N/mm〜約0.5N/mm、約0.3N/mm〜約0.5N/mm、約0.1N/mm〜約0.3N/mm、約0.1N/mm〜約0.2N/mm、約0.2N/mm〜約0.5N/mm、約0.2N/mm〜約0.3N/mm又は約0.3N/mm〜約0.5N/mmとすることができる。
【0148】
ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分のいくつかのパラメーターの値同士は連関する(例えば、比例)ことができる。例えば、ストラット又はフィラメントの厚さとストラット又はフィラメントを有する装置部分の直径との比は、約1:10〜約1:250、約1:25〜約1:175又は約1:50〜約1:100とすることができる。別の例の場合、装置又は装置部分の長さと装置又は装置部分の直径との比は、約1:1〜約50:1、約5:1〜約25:1又は約10:1〜約20:1であってもよい。
【0149】
装置の部分は放射線不透過性材料を含むことができる。例えば、ステント、ステントグラフト、又は、ステントの第1の端部分、第2の端部分、中間部分若しくはサブ部分のフィラメント及び/又はストラットは、チタン、タンタル、レニウム、ビスマス、銀、金、白金、イリジウム、タングステン及びそれらの組合せ等を含む(例えば、それらから少なくとも部分的に作製する)ことができる。別の例の場合、ステント、ステントグラフト又はステントの一部分のフィラメント及び/又はストラットは、立方センチメートル当たり約9グラムを超える密度を有する材料を含む(例えば、それらから少なくとも部分的に作製する)ことができる。別個の放射線不透過性マーカーを装置のいくつかの部分に取り付けることができる。例えば、放射線不透過性マーカーは、装置又は装置部分の近位端(例えば、中間部分の近位部、遠位部分の近位部)、装置又は装置部分の遠位端(例えば、中間部分の遠位部、近位部分の遠位部)及び/又は他の部分に付加することができる。装置の端同士の間の放射線不透過性マーカーは、例えば、材料同士、部分同士等の遷移部を区別するのに有用であり得る。放射線不透過性は、装置の長さにわたって様々とすることができる。例えば、近位部分は、第1の放射線不透過性(例えば、遠位部分材料及び/又は別個のマーカーに起因する)を有することができ、遠位部分は、第1の放射線不透過性とは異なる第2の放射線不透過性(例えば、遠位部分材料及び/又は別個のマーカーに起因する)を有することができる。
【0150】
いくつかの実施形態において、装置はポリマー管を有し、支持構造体は設けられない。そのような装置の中間部分は、例えば、中間部分内のポリマー管の肉厚を減らすことによって、端部分よりも比較的可撓性が高いものとすることができる。
【0151】
メッシュ又は他の支持構造体がポリマー管と組み合わせて設けられる場合、支持構造体は、管の外側の回りに位置付けることができるか、管の内腔内に位置付けることができるか、又は管の壁内に埋め込むことができる。2つ以上の支持構造体を設けることができ、その場合、各支持構造体は管に対する位置が異なっていてもよい。
【0152】
装置の端部分のうちの一方又は双方は、血管の内側壁を捕捉又は把持するように構成されたフック、突起又は返し等の留置要素を有することができる。拡張後の端部分の径方向力は、留置要素を用いることなく血管の内側壁を捕捉又は把持するのに十分とすることができる。
【0153】
中間部分と端部分との間に十分に画定された遷移部がある必要はない。例えば、メッシュタイプ、材料、肉厚、可撓性等は、端部分から中間部分に向かって、又は中間部分から端部分に向かって漸次的に変化してもよい。
【0154】
装置の可撓性は、例えば装置134、140に関して記載したように、端部分から中間部分に向かって移動するにつれて漸増してもよい。可撓性の変化は、メッシュ密度(例えば、巻回密度、窓サイズ)、管の厚さ又は他の因子の変化に起因し得る。装置の可撓性は、支持構造体(例えば、ステント)の全長にわたって、又は支持構造体のいくつかの部分にわたって(例えば、端部分全体にわたって、中間部分全体にわたって、一方の端部分及び中間部分にわたって、ただし他方の端部分にはわたらない等)、均一又は実質的に均一とすることができる。
【0155】
本明細書に記載の装置は、経皮手術における経血管シャントとして用いるのに特に適することができ、多くの他の医療用途に用いることができる。例えば、装置は、蛇行状又は屈折した経路を有する閉塞した血管の処置のための、又は血管がステントの位置において若しくはその位置付近で撓み又は変形を受ける可能性がある場合の血管形成術に用いることができる。ステントは、例えば、大動脈グラフト処置において又は経皮処置時の穿孔後に、損傷した血管の修復に用いることもできる。いくつかのそのような場合、装置の中間部分により、装置が血管の形状に合致するとともに血管の動きに応じて変形することを可能にすることができ、端部分によって所定位置に固定又は留置されたまま、疲労破損のリスクが低減する。別の例の場合、装置を用いて、健全な動脈と健全な静脈との間に、透析アクセス、及び/又は薬剤投与(例えば、血管に損傷を与える可能性がある、癌治療の間欠注射)に用いるアクセスのためのシャントを形成することができる。
【0156】
再び
図4及び
図7を参照すると、ブロック材251を用いて動脈血流の逆流を阻止又は防止するのを助けることができる。ここで更に詳細に説明するように、付加的な方法及びシステム又は他の方法及びシステムを用いて、動脈血流の逆流を阻止又は防止する、すなわち、別の言い方をすれば、ここで静脈に流れ込む動脈血の流れが静脈内の血流の通常の処置前方向に流れることを阻止又は防止することができ、それによって、酸素化血液を足等の組織の下流にバイパスさせる。
【0157】
処置がなければ、末梢血管疾患(PVD)は危機的四肢虚血(CLI)に進行する可能性があり、このCLIは深刻な慢性的疼痛及び広範囲の組織欠損を特徴とし、この組織欠損により、血管再生の選択肢が限られ、切断につながることが多い。CLIは、一年当たり100000件につき約50〜100件の発症率を有するものと推定され、発症後6ヶ月で20%もの死亡率が伴う。
【0158】
介入放射線医は、慢性全閉塞(CTO)を完全に開く試みによって、又は、CTOに近接した内膜下空間内にワイヤを通してから閉塞部の遠位の血管に再入させることを試みる、Medtronic Pioneerカテーテルのような製品を用いての内膜下空間内へのCTOのバイパスによって、CLIを処置しようと積極的に試みてきた。ワイヤが適所にくると、ユーザーは任意選択的に、より広いチャネルをつくり出し、次に、閉塞部を通過するバイパス導管をもたらすようにステントを配置することができる。PADを処置するための経皮経管的血管形成術(PTA)、ステント法及び薬剤溶出型バルーン(DEB)のような従来のアプローチは付加的に又は代替的に、ワイヤが閉塞部を横断することができる場合にCLI処置に用いることができる。
【0159】
amputee-coalition.orgのウェブサイトによれば、CLTの問題に関するいくつかの統計は以下の通りである:
米国合衆国における肢喪失者は200万人近くである。
肢喪失者のうち、主な原因は以下である:
血管疾患(54%)(糖尿病及び末梢動脈疾患(PAD))、
外傷(45%)、及び、
癌(2%未満)。
毎年、合衆国において約185000件の切断が行われている。
肢切断に伴う入院費は2007年において総計65億ドルを超えた。
切断後の生存率は多様な要因に基づき様々である。血管疾患(PAD及び糖尿病を含む)に起因する切断を受けた者は、30日での死亡率が9%〜15%と報告されており、長期生存率は1年が60%、3年が42%及び5年が35%〜45%である。
血行障害(dysvascular disease)で肢を喪失した者の半数近くが5年以内に死亡する。これは、結腸直腸癌、乳癌及び前立腺癌を患った者が被る5年死亡率よりも高い。 糖尿病を患った者のうち下肢切断を受けた者は、最大55%まで、2年〜3年以内にもう一本の脚の切断が必要となる。
【0160】
CLIは、1900年代初期から開肢による静脈の動脈化によって外科的に処置されてきた。Lu他著の「Meta-analysis of the clinical effectiveness of venous arterialization for salvage of critically ischemic limbs」と題する2006メタアナリシス論文(European Journal of Vascular and Endovascular Surgery, vol. 31, pp. 493-499)によって概説されているような開肢手術アプローチ等を用いる、少数の一連の臨床試験が長年にわたって公開されてきた。上記論文は以下の結果及び結論に至っている:
結果:
包括的な検討のために総計56の試験が選択された。特定されたランダム化比較試験(RCT)はなかった。228人の患者を含む7つの患者群が選択基準と合致した。1年全体の肢温存は71%(95% CI:64%〜77%)であり、1年の二次開存率は46%(95% CI:39%〜53%)であった。大切断術を回避した患者の大部分は首尾よく創傷治癒し、休息痛が現れず、深刻な合併症がなかった。
結論:
限定された証拠に基づき、静脈の動脈化は、「手術不能な」慢性重症虚血肢を患った患者に大切断術を行う前の実行可能な代案とみなすことができる。
【0161】
本明細書に記載した他の疾患のうち、本明細書に記載した方法及びシステムは、血管内の低襲性アプローチを用いて膝下(BKT)血管系内で動脈と静脈(AV)との間に瘻孔を創出することができる。そのような方法は、(i)Rutherford5又は6(重症虚血潰瘍又は明らかな壊疽)によって定義されるような症候性の重症四肢虚血の臨床診断を有し、(ii)血管外科医及び介入者(interventionist)によって評価され、外科的治療又は血管内治療が可能ではないと判断され、及び/又は(iii)大切断術にはっきりとした特効がある患者に適し得る。
【0162】
いくつかの実施形態において、システム又はキットは任意選択的に、以下の構成部材:第1の超音波カテーテル(例えば、動脈カテーテル、針を有する発射カテーテル等)、第2の超音波カテーテル(例えば、静脈カテーテル、標的カテーテル等)、及びプロテーゼ(例えば、送達システム(例えば、7Fr(およそ2.3mm)送達システム)における被覆ニチノールステントグラフト)のうちの1つ又は複数を含む。システム又はキットは任意選択的に、超音波システム、制御システム(例えば、コンピューター)を更に含む。ユーザーによっては、超音波カテーテル(複数の場合もある)に接続することができる適切な超音波システムを既に有している場合もある。上述したカテーテル及びプロテーゼはシステム又はキットにおいて用いることができ、他の、付加的な、及び/又は改変された、考えられ得る構成部材の詳細は下記で説明する。
【0163】
図14Aは、針172を有する超音波発射カテーテル170(例えば、第1の超音波カテーテル、動脈カテーテル(例えば、動脈から静脈内に針を延出させる場合)、静脈カテーテル(例えば、静脈から動脈内に針を延出させる場合))の例示的な実施形態の概略側面断面図である。カテーテル170は、針172がカテーテル170の管腔内部で後退した状態にある状態で動脈内に配置される。カテーテル170は、ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)のガイドワイヤ)上を追跡し、及び/又は動脈(例えば、大腿動脈)内にシースを通して配置し、動脈(脛骨動脈における)の全閉塞地点まで前進させることができる。カテーテル170は、プッシャリング176を有するハンドル174を有する。プッシャリング176が長手方向又は遠位に前進することにより、本明細書に記載されているように、針172がカテーテル170の管腔から動脈を出て静脈内へと前進することができる。針172の他の前進機構も考えられ得る(例えば、回転式、電動式等)。針を前進させる前、前進させた後及び/又は前進させている間、ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)のガイドワイヤ)を(例えば、
図3のガイドワイヤ14に関して説明したように)針172を通して配置することができ、このガイドワイヤは交差ワイヤと呼ぶことができる。
【0164】
図14Bは、
図14Aの円14B内の超音波発射カテーテル170の遠位部分の拡張した概略側面断面図である。針172は、前進又は発進すると、カテーテル170の管腔173から径方向外側に延出する。いくつかの実施形態において、管腔173は、超音波送信装置178に近接して終端している。針172は、超音波送信装置178によって送信された指向性超音波信号の経路と整合する(例えばその経路に対して平行な)経路に沿って延出することができる。
図14Bは、カテーテル170を所望の位置まで追跡させるガイドワイヤを収容するのに用いることができる管腔175も示す。
【0165】
図15Aは、超音波標的カテーテル180(例えば、第2の超音波カテーテル、動脈カテーテル(例えば、静脈から動脈内に針を延出させる場合)、静脈カテーテル(例えば、動脈から静脈内に針を延出させる場合))の例示的な実施形態の概略側面図である。
図15Bは、
図15Aの円15B内の超音波標的カテーテル180の拡張概略側面断面図である。
図15Cは、
図15Aの円15C内の超音波標的カテーテル180の拡張概略側面断面図である。カテーテル180は、ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(約0.36mm)のガイドワイヤ)上を追跡し、及び/又は静脈(例えば、大腿静脈)内にシースを通して配置し、カテーテル170の遠位端に近接した、及び/又はカテーテル170の遠位端に対して平行な或る地点(例えば、脛骨動脈における)及び/又は動脈内の閉塞部まで前進させることができる。カテーテル180は、カテーテル170の針172を位置合わせさせるように静脈における標的として働くことができる超音波受信トランスデューサー182(例えば、無指向性超音波受信トランスデューサー)を有する。カテーテル180は、適所に残されたままとすることができるか、又は、静止若しくは実質的に静止したままの状態とすることができ、その一方、カテーテル170は、針172がカテーテル180とカテーテル180の方向に位置合わせされていることを示す良好又は最適な超音波信号を得るように回転するとともに長手方向に移動する。
【0166】
カテーテル170、180は、コンピューター実行送受信器ソフトウェアに接続されるとともにコンピューター実行送受信器ソフトウェアによって制御される超音波送受信器に接続されてもよい。本明細書において更に詳細に記載されるように、カテーテル170は、カテーテル170の管腔173からの前進時に小さい角度の広がり又はタイトなビーム(例えば、小さいビーム幅)を有する超音波信号を針172の経路の方向に送信するように構成されたフラット超音波送信器178又は指向性超音波送信器178を有する。カテーテル180は、カテーテル170の指向性送信器178によって送信された超音波信号の標的として働くように構成された無指向性(360度)超音波受信器182を有する。カテーテル170は、(例えば、ハンドル174のリング176を長手方向に前進させることによる)針172の延出時に、針172が、カテーテル170が滞留している動脈から出て、間質組織を通って、カテーテル180が滞留している静脈内へと進むことができるように、針172がカテーテル180と位置合わせしていることを示すピーク超音波信号が表示されるまで回転する。
【0167】
図16は、超音波システムのディスプレイ装置(例えば、ラップトップ、タブレットコンピューター、スマートフォン、それらの組合せ等)上に表示することができるものとしてカテーテルの位置合わせを検出するグラフの例示的な実施形態である。
図16におけるグラフは、静脈内の送信カテーテルから発信する信号が静脈内の受信カテーテルによって受信されていることを示す。右側の第2の周波数包絡線は受信信号である。図示の画面の左側から第2の周波数包絡線の前縁までの距離は、カテーテル間の距離を示し得る。操作者は、例えば、第2の包絡線が最大になるまで(これは、カテーテルが正確に配向されていることを示す)、回転方向及び長手方向の双方に動脈内でカテーテルを移動させることができる。
【0168】
図17は、プロテーゼ(例えば、ステント、ステントグラフト)送達システム190の例示的な実施形態の概略側面立面図である。いくつかの実施形態において、送達システム190は7Fr(およそ2.3mm)送達システムである。
図18は、プロテーゼ(例えば、ステント、ステントグラフト)200の例示的な実施形態の概略側面立面図である。
図17において、プロテーゼ(例えば、プロテーゼ200、本明細書に記載の他のプロテーゼ等)が、送達システム190の遠位端192に近接した圧縮状態又は圧着状態にある。いくつかの実施形態において、プロテーゼ200は、例えば上述したようなグラフト材によって覆われた形状記憶ステントを含む。交差ワイヤが動脈から静脈に延出すると、本明細書に記載したように、例えば、針172を通って前進する結果、送達システム190は、交差ワイヤ上を前進することができる。プロテーゼ200は、例えば、送達システム190のトリガーハンドル194を握ることで、外側カバーシースにプロテーゼ200を近位に後退及び/又は遠位に前進させることによって、送達システム190から展開させることができる。プロテーゼ200は、動脈と静脈との間に、間質組織を通る流路をつくり出すことができる。送達システム及びプロテーゼの他のタイプも考えられ得る。
【0169】
再び
図17を参照すると、送達システム190のいくつかの非限定的な例示的な寸法が提示されている。トリガーハンドル194の移動距離196は例えば、約0.4インチ(およそ1cm)〜約12インチ(およそ30cm)、約1インチ(およそ2.5cm)〜約8インチ(およそ20mm)又は約2インチ(およそ5cm)〜約6インチ(およそ15mm)(例えば、約2インチ(およそ5cm))とすることができる。いくつかの実施形態において、トリガーハンドル194の移動距離196は、(例えば、径方向に拡張した状態に)展開されるプロテーゼ200の長さと少なくとも同じ長さである。いくつかの実施形態において、(例えば、径方向に拡張した状態に)展開されるプロテーゼ200の長さ未満にトリガーハンドル194の移動距離196を短縮するのに伝動装置又は他の機構を用いてもよい。距離196は例えば、展開されるプロテーゼ200の長さ、展開されるプロテーゼ200を縮める程度、展開の仕組み(例えば、外側シースを近位に後退させるのか、プロテーゼ200を遠位前方に押すのか、又はそれらの双方を行うのか、送達システム190が伝動機構等を含むのかどうか)、それらの組合せ等のうちの少なくとも1つに基づいて、調整することができる。外側シース又はカテーテル部分の長さ197は例えば、約40インチ(およそ1020mm)〜約50インチ(およそ1270mm)、約46インチ(およそ1170mm)〜約47インチ(およそ1190mm)又は約46.48インチ(およそ1180mm)〜約46.7インチ(およそ1186mm)とすることができる。近位先端から遠位先端にかけての送達システム190の全長198は例えば、約40インチ(およそ1000mm)〜約60インチ(およそ1500mm)とすることができる。長さ197、198は例えば、展開されるプロテーゼ200の長さ、展開されるプロテーゼ200を縮める程度、患者の身長、処置される閉塞部の場所、それらの組合せ等のうちの少なくとも1つに基づいて、調整することができる。いくつかの実施形態において、例えば約10cm〜約30cm(例えば、少なくとも約20cm)だけ、血管アクセス点からトリガーハンドル194を離間させることにより、ユーザーによる取扱い又は管理がより容易となり得ることが有利である。いくつかのそのような実施形態において、長さ197は、約120cm〜約130cm(例えば、順行性アプローチの場合)であっても約150cm〜約180cm(例えば、対側性アプローチの場合)であってもよい。
【0170】
再び
図18を参照すると、少なくとも圧縮状態の情況に応じて、プロテーゼ200のいくつかの非限定的な例示的な寸法が提示されている。構造ストラットの厚さ201は例えば、約0.05mm〜約0.5mm又は約0.1mm〜約0.2mm(例えば、約0.143mm)とすることができる。構造ストラットのストラット間の間隔202は例えば、約0.005mm〜約0.05mm又は約0.01mm〜約0.03mm(例えば、約0.025mm)とすることができる。連結ストラットの厚さ203は例えば、約0.05mm〜約0.5mm又は約0.1mm〜約0.2mm(例えば、約0.133mm)とすることができる。構造構成部材の長手方向長さ204は例えば、約1mm〜約5mm又は約2.5mm〜約3mm(例えば、約2.8mm)とすることができる。構造構成部材間の長手方向長さ205は例えば、約0.25mm〜約1mm又は約0.5mm〜約0.6mm(例えば、約0.565mm)とすることができる。前後に巻回する全ての部分を含む、構造構成部材内のストラットの長さ206は例えば、約25mm〜約100mm又は約65mm〜約70mm(例えば、約67.62mm)とすることができる。プロテーゼ200の長手方向の全長は例えば、約25mm〜約150mm又は約50mm〜約70mm(例えば、約62mm)とすることができる。本明細書に記載されているように、種々の寸法を含む、広く多様なレーザーカットステント、織組ステント及びそれらの組合せも考えられ得る。本明細書に記載されているストラットは、ワイヤ若しくはフィラメント、又はハイポチューブ若しくはシートからカットされない部分を含み得る。
【0171】
プロテーゼ200の近位端及び/又は遠位端は任意選択的には、リング210を有してもよい。リング210は例えば、動脈及び/又は静脈内にプロテーゼ200を留置するのを助けることができる。リング210の周方向幅211は例えば、約0.25mm〜約1mm又は約0.5mm〜約0.75mm(例えば、0.63mm)とすることができる。リング210の長手方向長さ212は例えば、約0.25mm〜約2mm又は約0.5mm〜約1mm(例えば、0.785mm)とすることができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ200の全長とリング210の長手方向長さ212との比は、約50:1〜約100:1(例えば、約79:1)とすることができる。リング210の寸法211、212は例えば、ストラット厚さ、プロテーゼの直径(例えば血管に対する)、プロテーゼの全長、材料、形状設定特性、それらの組合せ等のうちの少なくとも1つに基づいて、調整することができる。
【0172】
図19は、別の例示的な実施形態のプロテーゼ220の概略側面立面図である。プロテーゼ200は、(例えば、送達システム190から展開させると)例えば径方向に拡張した状態のプロテーゼ220の形状を有することができる。
図19は、第1の部分221及び第2の部分225を有するプロテーゼ220の例示的な形状を示す。第1の部分221は、約15mm〜約25mm(例えば、約21mm)の長さ222及び約2.5mm〜約5mm(例えば、約3.5mm)の直径223を有する実質的に円筒形又は円筒形の形状を有する。第2の部分225は、約30mm〜約50mm(例えば、約41mm)の長さ226及び約4mm〜約10mm、約4mm〜約7mm(例えば、約5.5mm)等の最も広い直径227を有する実質的に円錐台形又は円錐台形の形状を有する。第1の部分221から離れる第2の部分225のテーパー角度は、約0.02度〜約0.03度(例えば、約0.024度)とすることができる。
【0173】
本明細書に記載されている方法及びシステムに従って用いることができるプロテーゼに関する更なる詳細は、2013年3月8日に出願された米国特許出願第13/791185号に記載されており、この米国特許出願はその全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0174】
図20A〜
図20Hは概略的に、逆行性灌流を行う方法の例示的な実施形態を示す。この方法は、下肢等の末梢血管系に関して記載されているが、他の体腔(例えば、心臓、他の末梢等)の必要に応じて適合させることもできる。麻酔、特定部位の切開、縫合等のようないくつかの工程は明確であることから省くことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、(例えば、以下に記載の静脈カテーテルによって)静脈から動脈に行うことができる。
【0175】
大腿動脈及び大腿静脈へのアクセスが得られる。例えば、セルディンガー法を用いて、イントロデューサーシース(例えば、7Fr(およそ2.3mm))が大腿動脈に挿入され、イントロデューサーシース(例えば、6Fr(およそ2mm))が大腿静脈に挿入される。ガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)、0.035インチ(およそ0.89mm)、0.038インチ(およそ0.97mm))が大腿動脈内のイントロデューサーシースに挿通され、患部の後脛骨動脈又は前脛骨動脈300の遠位部分内にガイドされる。第2のガイドワイヤ(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm)、0.035インチ(およそ0.89mm)、0.038インチ(およそ0.97mm))又はスネアが大腿動脈内のイントロデューサーシースに挿通される。スネアが用いられる実施形態において、本明細書に記載されている第3のガイドワイヤ、第4のガイドワイヤ等は、番号付けが順次でない場合であっても的確である。
【0176】
静脈アクセス針が、標的静脈、例えば、脛骨静脈(例えば、脛骨近位静脈(PTV))に経皮挿入される。いくつかの実施形態において、静脈アクセス針は超音波下でガイドされてもよい。いくつかの実施形態において、造影剤を足側の伏在静脈内に注入し(逆行性)、次にPTV内に流す。この流路は、超音波ではなく又は超音波に加えて蛍光透視法によって静脈アクセス針をガイドさせることができるように蛍光透視法を用いて捉えることができる。
【0177】
標的静脈は、発射カテーテル310が置かれるべき箇所の下から(例えば数インチ又は数センチメートル)近位及び遠位にアクセスすることができる。いくつかの実施形態において、標的静脈は足首内にあってもよい。静脈アクセス針が静脈内にくると、第3のガイドワイヤ(又は第2のガイドワイヤの代わりにスネアが用いられる場合の「第2の」ガイドワイヤ)を静脈アクセス針に挿入し、標的静脈内で大腿静脈まで順行に前進させる。このアクセス方法は、静脈弁を横切ってワイヤを逆行に前進させることに起因する問題を低減させ得ることが有利であり、このことは以下で詳細に説明される。第3のガイドワイヤを、例えば、蛍光透視法ガイドを用いてスネアリングし、大腿静脈シースに引き通す。標的カテーテル320を、スネアリングした第3のガイドワイヤを通じて大腿静脈シースに挿入する。
図20Aに示されているように、標的カテーテル320が患部の後脛骨動脈又は前脛骨動脈の遠位部分においてガイドワイヤに近接する及び/又はガイドワイヤと平行になる及び/又は閉塞部304に近接するまで、標的カテーテルを、第3のガイドワイヤ上を静脈系内に前進させる。
【0178】
いくつかの実施形態において、第3のガイドワイヤは、発射カテーテル310によって送信された信号の標的を設けるように取り付けられた超音波受信トランスデューサー(例えば無指向性)を有してもよく、又は、第3のガイドワイヤ上を、標的カテーテル320を追跡させることができ、これらのいずれかにより、いくつかの技法(例えば、大腿静脈アクセス、静脈イントロデューサーシースの導入、第2のガイドワイヤの挿入、大腿静脈までの第3のガイドワイヤの順行前進、第3のガイドワイヤのスネアリング、第3のガイドワイヤ上の標的カテーテル320の前進)の省略が可能になり得る。
【0179】
いくつかの実施形態において、例えば、超音波を用いてPTVに直接アクセスしてもよく、これにより、例えば小さなシースを用いて標的カテーテル320をPTVに直接配置することが可能にすることができ、これにより、いくつかの技法(例えば、大腿静脈アクセス、静脈イントロデューサーシースの導入、第2のガイドワイヤの挿入、大腿静脈までの第3のガイドワイヤの順行前進)の省略が可能になり得る。
【0180】
いくつかの実施形態において、カテーテル320は、オーバーザワイヤ式カテーテルではなく、ガイドワイヤ及び超音波受信トランスデューサー(例えば無指向性)を含む。カテーテル320は、上述したように第3のガイドワイヤとして、第2のガイドワイヤとして、又は、PTVに直接アクセスする際に小さなシースを通るガイドワイヤとして挿入することができる。
【0181】
超音波トランスデューサーは概して、セラミックによって離間した表面を有する、振動することができる2つの電極を有する。着信又は受信した超音波信号波形は結合して、
図21に示されているように長さ延長モードになる。
図21は、超音波受信トランスデューサー350の例示的な実施形態の概略斜視図である。トランスデューサー350の近位端すなわち上端352及びトランスデューサーの遠位端すなわち下端354が導電性であり、ワイヤと電気的に接続する場合、トランスデューサーは超音波信号を受信することができる。いくつかの実施形態において、トランスデューサー350は、約0.1mm〜約0.4mm(例えば、約0.25mm)の長さ356を有する。いくつかの実施形態において、トランスデューサー350は、約0.1mm〜約0.3mm(例えば、約0.2mm)の重なる長さ358を有する。いくつかの実施形態において、トランスデューサー350は、トランスデューサー350が取り付けられているガイドワイヤと同様であるか、実質的に同様であるか、又は同じである直径を有する。いくつかの実施形態において、アレイ状又は一連の積層板により、トランスデューサー350の信号受信能力を高めてもよい。
【0182】
いくつかの実施形態において、超音波受信トランスデューサーを有するガイドワイヤは、圧電フィルム(例えば、プラスチックを含む)を有することができ、これにより、トランスデューサーの信号受信能力を高めることができる。
図22は、超音波受信トランスデューサー360の別の例示的な実施形態の概略断面図である。
図22に示されている超音波受信トランスデューサー360は、任意選択の管腔368を有する。超音波受信トランスデューサー360は、一連の層362、364、366を有する。層362は、ポリマー(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))層を含み得る。層364は、無機化合物(例えば、炭化タングステン)層を含み得る。層366は、ポリマー(例えば、ポリイミド)層を含み得る。層366は、約25マイクロメートル(μmすなわちミクロン)〜約250μm(例えば、少なくとも約50μm)の厚さを有し得る。
【0183】
発射カテーテル310は、
図20Bに示されているように、閉塞部304に近接した、閉塞部304の近位の大腿動脈及び脛骨動脈内でガイドワイヤ上を追跡する。カテーテル310は、逆行性灌流プロセスの解剖学的構造のその部分における適合性に応じて、閉塞部304のより近位にあってもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル310は、例えばカテーテル320に近接して、後脛骨動脈又は前脛骨動脈の遠位部分に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル310は、足首の数インチ又は数センチメートル内に位置決めされてもよい。
【0184】
発射カテーテル310は、指向性超音波信号を送信する。
図20Cにおける矢印311、312によって示されているように、発射カテーテル310は、信号が標的カテーテル320によって受信されるまで、回転するとともに長手方向に移動する。信号が受信されると、これにより位置合わせが示され、それによって、発射カテーテル310から針が延出することにより、静脈が首尾よくアクセスされ、
図20Dに示されているように、交差針314がカテーテル310から前進して脛骨動脈300から脛骨静脈302に入る。動脈300と静脈302との間に瘻孔を形成するように交差針314を配置する精度は、例えば造影剤及び蛍光透視法を用いて確認することができる。
【0185】
いくつかの実施形態において、超音波信号は、動脈300と静脈302との間の距離を判定するのに用いることができる。再び
図16を参照すると、図示の画面の左側から第2の周波数包絡線の前縁にかけての距離は、カテーテル間の距離の指標として用いることができる。
【0186】
図16を再び参照すると、ディスプレイ装置が、ユーザーが整合位置を判定することを可能にするように信号整合ピークをグラフで示すことができる。いくつかの実施形態において、信号整合は、閾値を超えるか又は閾値未満の場合、色を例えば赤から緑に変えることができる。いくつかの実施形態において、例えば整合信号が閾値を超えると、可聴信号が送信され、これにより、ユーザーが画面を略連続的にモニタリングするのではなく患者への注視を続けることを可能にすることができる。
【0187】
いくつかの実施形態において、画面上の水平線は、処置中のその地点までに達成された最大信号すなわちピークを示すまで移動することができる。この線は「ピークホールド」と呼ぶことができる。より大きい信号値が達成される場合、水平線はそのより高い値に一致するように移動する。操作により水平線を超えてピークを引き上げることができない場合、それが最大整合を示し得る。信号ピークが水平線よりも或る特定量下がる場合、カテーテルが移動しており、カテーテルをもはや適正に位置合わせさせることができない。水平線によって示される整合レベルが処置時に予め達成されているため、ユーザーは、そのような整合レベルを更なる回転及び/又は長手方向の操作によって達成することができることが分かる。
【0188】
第4のガイドワイヤ316(例えば、0.014インチ(およそ0.36mm))(又は第2のガイドワイヤの代わりにスネアが用いられる場合の「第3の」ガイドワイヤ)を、
図20Eに示されているように、カテーテル310の交差針314の管腔に通して足側の(静脈302の)逆行方向に脛骨静脈302内に配置する。外側カフ圧を、針交点の上から加え、動脈300内における流れを低減させて血腫の形成を阻止又は防止させる、及び/又は弁の交差を容易にするように静脈を充溢させることができる。ガイドワイヤ316を適所に残したままカテーテル310、320を移動させ、大腿動脈内のイントロデューサーシースから延出させて動脈樹を通して脛骨静脈302内に入れることができる。
【0189】
本明細書に記載されている指向性超音波技法の代わりに又はその指向性超音波技法に加えて、動脈300から静脈302へとガイドワイヤ316を交差させるいくつかの技法を用いてもよい。
【0190】
いくつかの実施形態において、止血帯を脚に適用することができ、これにより、静脈径を増大させることができる。いくつかの実施形態において、ブロック材(例えば、
図4及び
図7に関して説明したように、ブロックバルーン等)を用いて静脈径を増大させてもよい。例えば、静脈流が滞ることで静脈を拡大させることができる。静脈径がより大きいことで交差針314の標的をより大きくすることができ、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。
【0191】
いくつかの実施形態において、PTAバルーンを標的静脈内に用いることができ、針カテーテル(例えば、Cordis社から入手可能なOutback)が、蛍光透視法下でPTAバルーンを標的にすることができる。交差針314はPTAバルーンを穿刺することができ、PTAバルーンの圧力低下により、交差針314の適正な位置合わせを確認することができる。PTAバルーンは、静脈径を増大させることができることで交差針314の標的をより大きくし、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。ガイドワイヤ316は、交差針314を通ってPTAバルーンへと前進することができる。
【0192】
いくつかの実施形態において、PTAバルーンは、例えばバルーンのポリマー内に埋め込まれたメッシュ(例えば織組メッシュ)を有する。そのようなメッシュを有しないバルーンが穿刺されると、バルーン材が破損して塞栓(例えば、バルーンの断片が下流に流される)を引き起こす可能性がある。メッシュにより、バルーン材の引裂きを抑えるのを助けることができ、これにより、バルーン材が塞栓を引き起こすことを阻止又は防止することができる。
【0193】
いくつかの実施形態において、カテーテルの軸に沿って長手方向に離間した2つのPTAバルーンを標的静脈内で用いることができ、針カテーテルがPTAバルーンのうちの1つを標的にすることができる。交差針314によってPTAバルーンのうちの1つを穿刺すると、穿刺されたPTAバルーンはもはや造影剤の堰としての役割を果たさないため、バルーン間のウェル内の造影剤が放出され得る。造影剤の放出は、蛍光透視法を用いてモニタリングすることができる。PTAバルーンは、同じカテーテル側にあることも異なるカテーテル側にあることもできる。
【0194】
いくつかの実施形態において、カテーテルの軸に沿って長手方向に離間した2つのPTAバルーンを標的静脈内で用いることができ、針カテーテルがPTAバルーン間のスペース又はウェルを標的にすることができる。交差針314によってウェルを穿刺すると、ウェル内の造影剤が揺動し(disturbed)得る。造影剤の揺動は、蛍光透視法を用いてモニタリングすることができる。PTAバルーンは、同じカテーテル側にあることも異なるカテーテル側にあることもできる。
【0195】
PTAバルーンが標的静脈内で超音波標的と組み合わせて用いられ得るいくつかの実施形態において、PTAバルーンカテーテルは、PTAバルーン及び超音波受信トランスデューサー(例えば無指向性)を有する。いくつかのそのような実施形態において、発射カテーテル310は、本明細書において説明したように、蛍光透視法下でPTAバルーンを標的にすることができ、及び/又は超音波受信トランスデューサーを標的にすることができる。交差針314はPTAバルーンを穿刺することができ、PTAバルーンの圧力低下により、交差針314の適正な位置合わせを確認することができる。PTAバルーンが静脈径を増大させることができることで交差針314の標的がより大きくなり、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。ガイドワイヤ316は、交差針314を通ってPTAバルーンへと前進することができる。
【0196】
いくつかの実施形態において、LeMaitre装置(例えば、マサチューセッツ州バーリントン所在のLeMaitre Vascular社から入手可能なUnBalloon(商標)Non−Occlusive Modeling Catheter)を標的静脈内で用いることができる。いくつかの実施形態において、LeMaitre装置は静脈径を増大させることができる。静脈径がより大きいことで交差針314の標的をより大きくすることができ、静脈300が交差針314によってアクセスされ易くなる。いくつかの実施形態において、針314は、LeMaitre装置に貫入することができる。いくつかのそのような実施形態において、LeMaitre装置は、交差針314のメッシュ標的(例えば、蛍光透視法下で可視の放射線不透過性材料を含む)としての役割を果たすことができる。LeMaitre装置のメッシュは、メッシュの近位部分を遠位に前進させることによって、及び/又はメッシュの遠位部分を近位に後退させること(例えば、傘のように両端をともに押すこと)によって、及び/又はメッシュを(例えば、メッシュの少なくとも一部分が形状記憶材料を含む実施形態において)自己拡張させることを可能にすることによって、径方向に拡張させることができる。いくつかの実施形態において、LeMaitre装置は、閉じる際、交差ワイヤを標的静脈内に保持するように交差ワイヤを把持することができる。
【0197】
いくつかの実施形態において、発射カテーテル310は、第1の極性を有する第1の磁石を備えることができ、標的カテーテル320は、第2の極性を有する第2の磁石を備えることができる。磁石がカテーテル310、320のうちの一方又は双方を移動させる磁気力に十分に近くにある場合、交差カテーテル314を前進させて動脈300と静脈302との間に瘻孔を創出することができる。いくつかの実施形態において、第1の磁石は、交差針314と周方向に位置合わせすることができ、及び/又は、発射カテーテル310は、回転による位置合わせを行うように磁気遮蔽することができる。いくつかの実施形態において、第2の磁石は、長手方向の位置合わせを行うように長手方向に比較的薄いものとすることができる。いくつかの実施形態において、交差針314及び/又はガイドワイヤ316は、動脈300から静脈302に、又はその逆に静脈302から動脈300に磁気により引くことができる。いくつかのシステムは、超音波ガイド及び磁気ガイドの双方を有することができる。例えば、超音波ガイドは初めの位置合わせに用いることができ、磁気ガイドは精密な位置合わせに用いることができる。
【0198】
再び
図20A〜
図20Hを参照すると、
図20Fに示されているように、プロテーゼ349を保有するプロテーゼ送達システム330が、動脈300と静脈302との間の間隙スペースを通ってガイドワイヤ316上を追跡する。いくつかの実施形態において、プロテーゼ送達システム330を導入する前に、動脈300と静脈302との間の瘻孔を予め拡張させるように、別個のPTAバルーンカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ316上を追跡させることができる。PTAバルーンカテーテルの使用は、例えば、プロテーゼ340の径方向力に応じて決まり得る。
【0199】
プロテーゼ340は、例えば、トリガーハンドル194(
図17)を操作することによって、プロテーゼ送達システム330から展開させる。いくつかの実施形態において、例えばプロテーゼ340が拡張及び/又は前進することができない場合、プロテーゼ送達システム330を抜去し、PTAカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ316上を前進させ、動脈300と静脈302との間の瘻孔を拡大させるか又は更に拡大させるよう試みることができる。その後、プロテーゼ340の展開を(例えば、自己拡張、バルーン拡張等によって)再び試みることができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ340の展開により、血管をリモデリングすることで、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%又はそれ以上、約0%〜約10%、約0%〜約20%、約0%〜約30%又はそれ以上、血管の直径を拡張させることができる。プロテーゼ340が自己拡張型である実施形態において、リモデリングの程度は経時により変わる可能性があり、例えば、プロテーゼ340は、血管が拡張する際に拡張し血管が収縮すると収縮する。
【0200】
図20Gに示されているように、プロテーゼ340が展開すると、瘻孔をPTAカテーテルによって拡大させることができる。PTAカテーテルの直径(例えば、約3mm〜約6mm)は、動脈300の直径、静脈302の直径、間質組織の組成、プロテーゼ340の特性、それらの組合せ等に少なくとも部分的に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ送達システム330は、本明細書に記載されている任意選択のPTAバルーンカテーテル技法のうちの1つ、複数又は全てに有用なPTAバルーンカテーテル(例えば、プロテーゼ340に近位又は遠位である)を備えていてもよい。プロテーゼが円錐部分を有する実施形態において、PTAバルーンは円錐部分を有することができる。プロテーゼ340が適所にくると、
図20Hに示されているように、プロテーゼ送達システム330を抜去することができる。それによって、動脈300と静脈302との間にAV瘻孔が形成される。静脈カテーテル310、320、330及びプロテーゼ340の配置の確認は、造影剤注入を用いての蛍光透視法下での処置の一部又は全体を通じて確認することができる。
【0201】
いくつかの実施形態において、マーカー(例えば、クリップ、ランセット、鋏、ペンシル等)を皮膚に施して(例えば、接着、上に置く等)、プロテーゼ340を展開させる前に、交差針314によって動脈300と静脈302との間に形成された瘻孔の場所を概ねマークすることができる。ユーザーが出血を回避するために瘻孔の上で膨張させる血圧計を用いる実施形態において、血流がないことにより、瘻孔部位の視覚化又は評価さえも困難にさせる可能性があるが、マーカーによりそのような特定を行うことができる。瘻孔形成後に送信カテーテル/受信カテーテルが抜去される実施形態において、交差点は、ユーザーが感覚で捉え難いか又は判断し難い可能性があるが、マーカーによりそのような特定を行うことができる。瘻孔が拡大される場合、(例えば、間質スペース貫通穴を増大又は最大化するために)拡大バルーンの中間点を瘻孔の中間点と位置合わせさせ得ることが好ましい。いくつかの実施形態において、マーカーを蛍光透視法下(例えば、放射線不透過線材料を含む)で可視化して、ユーザーがプロテーゼ340を展開させる前に蛍光透視法下で瘻孔の場所を確かめて覚えておくことを可能にすることができる。
【0202】
プロテーゼ340が適所にくると、静脈302を通って足へと流れる血液の障害物は静脈内の弁である。静脈弁を横切ってガイドワイヤを操ることは、例えば、動脈からの圧力が、静脈を拡張させ弁を無機能化させるには不十分である可能性があるため、困難であり得る。以下で更に詳細に説明するように、PTAカテーテル、ステント(例えば、被覆ステント、ステントグラフト等)及び弁膜切開刀等の多様な技法のうちの1つ又は複数を用いて、AV瘻孔の遠位の静脈弁を無力化又は無機能化させることができることが見出されている。静脈弁を無力化することにより、CLI患者において酸素化血液を足に供給するために、大腿動脈からの逆行性灌流、静脈302内での逆行、並びに細静脈及び毛細血管への静脈内での逆行を介して、足の静脈循環の遠位部に血液を流すことを可能にすることができる。
【0203】
いくつかの実施形態において、高圧PTAバルーンカテーテルを用いて(例えば、約10atm(およそ1013キロパスカル(kPa))を超えるように膨張させた場合)、静脈弁を無機能化させることができる。
【0204】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のステントを1つ又は複数の静脈弁を横切って配置してそれらの弁を無機能化させることができる。例えば、そのようなステントは、弁を開いたままにする十分な径方向力を有するべきである。ステントは、強制的に弁を引き裂くことができる。いくつかの実施形態において、ステントは、被覆材又はグラフトを備える。或る特定のそのような実施形態は、静脈側副血管を覆うことができる。いくつかの実施形態において、ステントは裸である、すなわち被覆材又はグラフトを備えない。或る特定のそのような実施形態は、費用を低減することができる。静脈ステントは、静脈の或る長さ(例えば全長)に沿って延びることができる。例えば、いくつかの実施形態において、PTVの全長が、静脈側副血管を覆い、静脈弁を引き裂く被覆ステントで裏打ちされる。
【0205】
いくつかの実施形態において、静脈ステントは瘻孔プロテーゼと別個である。別個の静脈ステントは、寸法(例えば、長さ、直径)、材料(例えば、被覆材又はグラフトを備えるか又は備えないか)等の特性及び他の特性に関して更なる融通性を可能にすることができる。
図31Aは、静脈ステント342の例示的な実施形態と別個の動静脈瘻孔ステント340の例示的な実施形態を概略的に示す。静脈ステント342は、瘻孔ステント340から離間し(例えば
図31Aに示す)、瘻孔ステント340に当接するか、又は、瘻孔ステント340に対して重なるか、入れ子になるか、若しくは同軸にしてもよい(例えば、瘻孔ステント340の遠位セグメントが少なくとも部分的に静脈ステント342の近位セグメントの内側にある、又は、静脈ステント342の近位セグメントが少なくとも部分的に瘻孔ステント340の遠位セグメントの内側にある)。瘻孔ステント340と静脈ステント342とが重なり合う実施形態では、まず、静脈ステント342の配置により、逆行血流の方向に向く静脈ステント342の近位端部が瘻孔ステント340で覆われ、静脈ステント342の遠位端部のために発生し得る血流の途絶を減少又はなくすことができる。瘻孔ステント340と静脈ステント342とが重なり合う実施形態では、次に、双方のステント340、342が少なくとも1つの展開パラメーターを共有することができるように(例えば、同じガイドワイヤ上のステント展開装置を追跡することで)静脈ステント342を瘻孔ステント340に通して配置することができる。静脈ステント342は、瘻孔ステント340の前又は後に展開させることができる。静脈ステント342は、約2cm〜約30cm(例えば、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、約21cm、約22cm、約23cm、約24cm、約25cm、約26cm、約27cm、約28cm、約29cm、約30cm、このような値間の範囲等)の長さを有することができる。
【0206】
いくつかの実施形態において、静脈ステントは瘻孔プロテーゼと一体である。一体化された静脈ステントは、寸法(例えば、長さ、直径)、材料(例えば被覆材又はグラフトを備えるか又は備えないか)等の特性及び他の特性に関して更なる融通性を可能にすることができる。
図31Bは、静脈ステントが一体化された動静脈瘻孔ステント344の例示的な実施形態を概略的に示す。
図31Cは、静脈ステントが一体化された瘻孔ステント344の例示的な実施形態を概略的に示す。ステント344は、動脈内に留置するように構成された第1の部分346と、静脈の或る長さ内に留置してその長さを裏打ちするように構成された第2の部分350と、長手方向において第1の部分346と第2の部分350との間にある第3の部分348とを有する。第1の部分346と第2の部分350とが異なる直径を有する実施形態(例えば
図31Cに示す)において、第3の部分348はテーパー付きとすることができる。いくつかの実施形態において、第2の部分350の静脈を裏打ちするように構成された部分は、第2の部分350の他の部分とは異なる特性(例えば、直径、材料、径方向の剛性、それらの組合せ等)を有する。第2のセクション350の長さは、第1のセクション346の長さよりも大きくすることができる。例えば、第2のセクション350は、PTV等の血管を裏打ちするように構成された長さを有することができる。第2のセクション350は、約2cm〜約30cm(例えば、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、約21cm、約22cm、約23cm、約24cm、約25cm、約26cm、約27cm、約28cm、約29cm、約30cm、このような値間の範囲等)の長さを有することができる。
【0207】
一部のin situバイパス処置において、伏在静脈を上肢の動脈及び下肢の別の動脈に取り付けることで、動脈内の全ての閉塞部をバイパスする。いくつかのそのような処置において、静脈を患者から剥離し、長手方向に反転し、プロテーゼとして用いるのではなく、血流が(静脈の弁に対して)逆行するように配置したまま残す。標準的な弁膜切開刀は、下から伏在静脈内に配置し、圧潰状態で頂部に前進させ、開放させ、次に開放状態で後方に引き、その行程中で静脈弁を切開することができる。そのような弁膜切開刀の切開面は、これらの処置時に後退する際に切開するように後方に面している。
図23Aは、そのような処置とともに用いることができる、近位に面するブレード402を有する弁膜切開刀400の例示的な実施形態の概略斜視図である。
【0208】
本明細書に記載されている方法のいくつかの実施形態において、静脈弁の遠位のアクセスは利用することができず、そのため、弁膜切開刀を後方に引くことが不可能であるが、本明細書に記載されているように逆行の弁膜切開刀を前方に押すことが可能である。
図23Bは、そのような処置とともに用いることができる弁膜切開刀410の例示的な実施形態の概略斜視図である。逆行の弁膜切開刀410は、逆行の弁膜切開刀410が遠位に前進するにつれて弁を切開することができるように前方すなわち遠位に面する1つ又は複数のブレード412(例えば、2つ〜5つのブレード(例えば3つのブレード))を有する。少なくとも、無力化される静脈への逆行アクセスはこれまで問題として認識されてこなかったため、弁膜切開刀のブレードの方向を逆にして、本明細書に記載されているような逆行の弁膜切開刀410をつくり出すという動機は従来存在していなかった。逆行の弁膜切開刀410は、ガイドワイヤ414上を追跡することができ、これにより、静脈弁を無機能化するために静脈内に進むことができる。本明細書に記載されたように動脈と静脈との間に瘻孔を形成した後、静脈内での流体の流れは、静脈内での流体の流れの元の方向すなわち通常の方向すなわち処置前の方向とは逆の方向にあり、そのため、逆行の弁膜切開刀410を押すことは、元の流体の流れとは逆の方向であるが、瘻孔形成後の流体の流れの方向である。
【0209】
静脈内の弁を無機能化させる他のシステム及び方法(例えば、カッティングバルーン、アテレクトミー、レーザー切除、超音波切除、加熱、高周波(RF)切除、外傷性すなわち非外傷性でない先端(例えばイントロデューサーシース)が前進及び/又は後退するカテーテル、それらの組合せ等)も考えられ得る。
【0210】
静脈内の弁を無機能化させる前にそのような弁を逆行式に交差させることもまた、困難であり得る。
図24は、静脈、したがってその弁を径方向に拡張させるのに用いることができるLeMaitre装置420の例示的な実施形態の概略斜視図である。LeMaitre装置420は、例えば自己拡張型ニチノールメッシュである、拡張型の楕円又は長円の葉形422を有する。いくつかの実施形態において、PTAバルーンカテーテルを用いて、静脈、したがってその弁を径方向に拡張させることができる。いくつかの実施形態において、脚に止血帯を適用することにより、静脈、したがってその弁を径方向に拡張させることができる。径方向の拡張時、ガイドワイヤを伸縮弁(複数の場合もある)を介して(例えば、LeMaitre装置等の拡張装置を介して)前進させることができ、カテーテル(例えば、PTA、ステント送達、アテレクトミー等)又は他のオーバーザワイヤ装置を、ガイドワイヤ上を前進させることができる。
【0211】
図26A及び
図26Bは、逆行性灌流を行う方法の別の例示的な実施形態を概略的に示す。再び
図20Eを参照すると、本明細書に記載の1つ又は複数の技法及び/又は他の技法を用いて、ガイドワイヤ606を挿通することにより、閉塞部604を含む動脈600と静脈602との間に瘻孔を形成することができる。
図26Aに示されているように、プロテーゼ620を保有するプロテーゼ送達システムが、動脈600と静脈602との間の間隙スペースを通ってガイドワイヤ606上を追跡する。いくつかの実施形態において、プロテーゼ送達システムを導入する前に、動脈600と静脈602との間の瘻孔を予め拡張させるように、別個のPTAバルーンカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ606上を追跡させることができる。PTAバルーンカテーテルの使用は、例えば、プロテーゼ620の径方向力に応じて決まり得る。プロテーゼ620は、血液の流れを迂回させるように構成された、被覆していない低孔隙率の織組フィラメントを含む、
図25A〜
図25Cのステント500、520、540又はそれらの変形(例えば
図25Cに関して記載)とすることができる。
【0212】
被覆していない織組フィラメントの流れ迂回特性は、血管腔の或る特定の血液動態特性によって決まり得る。例えば、閉塞部604が完全なものではなく、プロテーゼ620の内腔と、動脈600の閉塞部604とプロテーゼ620との間の部分との間でいくらかの圧力損失が生じ得るようになっている場合、血液は、瘻孔ではなくプロテーゼ620の側壁を通過して流れる可能性があり得る。再び
図4及びブロック材251の説明を参照すると、動脈600を更に閉塞するように、ブロック材608を任意選択的に動脈600に設けることができ、これにより、プロテーゼ620の側壁を通過する血液の流れを引き起こす及び/又は可能にし得る血液動態学的作用を阻止することができる。別の例では、動脈600と静脈602との間での圧力損失が、逆行性灌流を行うようにプロテーゼの内腔を通過するのではなく、静脈の通常の血流方向にプロテーゼの側壁を通過する血液の流れを引き起こす及び/又は可能にし得る。再び
図4及びブロック材251の説明を参照すると、通常の静脈の流れ下にある静脈602の瘻孔の下流の部分を閉塞するように、ブロック材610を任意選択的に静脈602内に設けることができ、これにより、プロテーゼ620の側壁を通過する血液の流れを引き起こす及び/又は可能にし得る血液動態学的作用を阻止することができる。
【0213】
プロテーゼ620は、例えば、トリガーハンドル194(
図17)を操作することによって、プロテーゼ送達システムから展開させる。いくつかの実施形態において、例えばプロテーゼ620が拡張及び/又は前進することができない場合、プロテーゼ送達システムを抜去し、PTAカテーテル(例えば、約2mm)を、ガイドワイヤ620上を前進させ、動脈600と静脈602との間の瘻孔を拡大させるか又は更に拡大させるよう試みることができる。その後、プロテーゼ620の展開を(例えば、自己拡張、バルーン拡張等によって)再び試みることができる。プロテーゼ620が自己拡張型である実施形態において、リモデリングの程度は経時により変わる可能性があり、例えば、プロテーゼ620は、血管が拡張する際に拡張するか又は血管が収縮すると収縮する。プロテーゼ620は、プロテーゼ620が展開される解剖学的構造に相似し得る。例えば、テーブル上又はベンチトップでの拡張状態において、プロテーゼ620は実質的に円筒形とすることができるが、プロテーゼ620は、血管の直径及びプロテーゼ620が展開される瘻孔の直径に適合することができ、プロテーゼは、異なる長手方向セグメント、テーパー部、非円筒形状部、それらの組合せ等において、異なる直径を有することができるようになっている。
【0214】
プロテーゼ620が補助的な支持構造体を備えるいくつかの実施形態(例えば
図25Bに関して記載)において、プロテーゼの展開は、第1の織組構造体を展開させることと、第1の織組構造体を展開させる前、展開させている間及び/又は展開させた後に、補助的な支持構造体を展開させることとを含むことができる。
【0215】
任意選択的に、プロテーゼ620を展開させる前、展開させている間及び/又は展開させた後、瘻孔をPTAカテーテルによって拡大させることができる。PTAカテーテルの直径(例えば、約3mm〜約6mm)は、動脈600の直径、静脈602の直径、間質組織の組成、プロテーゼ620の特性、それらの組合せ等に少なくとも部分的に基づいて選択することができる。
【0216】
プロテーゼ620が適所にくると、
図26Bに示されているように、プロテーゼ送達システムを抜去することができる。それによって、動脈600と静脈602との間にAV瘻孔が形成される。プロテーゼがグラフト材を欠いているか又は備えない場合であっても、低孔隙率(例えば、約50%未満の孔隙率又は本明細書に記載の他の値)の血液動態学的作用により、血液はプロテーゼ620の内腔を通過して流れる。
図26Bは、ブロック材608、610を使用しない実施態様を示す。プロテーゼ620が適所にくると、例えば本明細書に記載されているように、静脈内の弁を無機能化することができる。
【0217】
プロテーゼ620が(例えば
図25Bの或る特定の実施形態に関して記載したように)別個に展開させることができる2つの複数のフィラメントを含む実施形態では、複数のフィラメントを、少なくとも部分的に同時に展開させるか、介入ステップを伴わずに順次展開させるか、又は本明細書に記載のPTAステップ等の介入ステップを伴って順次展開させることができる。
【0218】
図27は、プロテーゼ720の別の例示的な実施形態及び逆行性灌流を行う方法を概略的に示す。いくつかの寸法及び更には「10mm」という例示的な縮尺が与えられているが、
図27に示す特徴部の形状、寸法、位置関係等は変更することができる。プロテーゼ720は、閉塞部704を含む動脈700と静脈702との間の間質組織Tをまたいで、動脈700、静脈702内に配置される。プロテーゼ720は、例えば本明細書に記載されているように及び/又は他の方法を用いて配置することができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ720は、5Fr(1.67mm)の内径を有する送達システムを通して、2Fr(0.67mm)の外径を有するガイドワイヤ上で送達される。
【0219】
いくつかの実施形態において、第1の長手方向セクション722、第2の長手方向セクション724及び/又は第3の長手方向セクション726、又はそれらの1つ若しくは複数の部分の孔隙率は、例えば本明細書に記載されているように、約0%〜約50%とすることができ、その間の範囲で様々である。動脈700からの血液の流れは、例えば動脈700と静脈702との間の圧力差等の血液動態的な力により、プロテーゼ720を通過して静脈702内に迂回させることができる。プロテーゼ720の低孔隙率により、流体が、実質的にプロテーゼ720の側壁を通過して灌流することなく実質的にプロテーゼ720の内腔を通過して流れることを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、プロテーゼ720の端部の方の、例えば孔隙率がより低い近位部分及び/又は遠位部分は、血液がこれらの部分を通過して流れにくいため、血管の側壁を並置するように構成することができる。
【0220】
本明細書に記載の技法は、心臓付近、末梢部、又は更には足底弓等の下肢における2つの体腔の間に瘻孔を形成するのに有用とすることができる。
図28A及び
図28Bは、足の動脈及び静脈をそれぞれ概略的に示す。足の2つの血管の間に瘻孔又は吻合部を形成することができる。1つの例において、中外側足底(mid-lateral plantar)の外側足底動脈から外側足底静脈にかけて、動脈から静脈への通路が形成される。
【0221】
足に血液を供給する動脈が閉塞され、内膜下の空間が石灰化(calcific)していた。ワイヤを遠位から推進し、隣接する静脈内に横断させた。動脈と静脈との間の穴は、例えば、小さい動静脈瘻孔がその位置においてかつその位置内で患者に(損傷を与えたとしても)大きな損傷を与えるべきではないので、1.5mmバルーンを用いて拡大させた。拡大後、血液は漏出することなく動脈から静脈に流れ始めた。そのような流れが確認された後、より高圧(例えば、20atm〜30atm)のより大きいバルーン(2.0mm、2.5mm、3.0mm)を用いて、空間の更なる拡大を行った。驚くべきことに、ステント、グラフト、スキャフォールド又は他のタイプの装置を配置しなくても、漏出は最小限であるか又は存在しなかった。プロテーゼを含まない手技は、費用、製造時間、複雑性、それらの組合せ等を低減することができる。外側足底静脈は、前足部の静脈弓に直接通じているので、足のその部分に血液を供給するための非常に良い候補である。患者は、この手技の前は足にかなりの疼痛があったが、この手技の後は足の疼痛がなくなった。これは、本明細書に記載されているように、静脈逆行によって血液を供給することが可能になったことを示す。末端又は下肢動脈及び静脈が周囲組織に「くっついている(glued)」(例えば、中外側足底動脈及び静脈)と述べられ得る場合の血液透析等、或る特定の状況に関して、瘻孔又は吻合部維持装置は任意選択的に省いてもよい。
【0222】
いくつかの状況において、瘻孔又は吻合部維持装置を任意選択的に使用することができる。複数の瘻孔維持装置を本明細書に記載する。
図29は、吻合装置800の例示的な実施形態を概略的に示す。吻合装置は、第1のセクション802と、第2のセクション804と、任意選択的に、長手方向において第1のセクション802と第2のセクション804との間にある第3のセクション806とを有する。第1のセクション802は、第1の体腔(例えば、動脈又は静脈等の血管)内に留置するように構成することができる。第1のセクション802は、拡張可能な部材、返し等を有することができる。第2のセクション804は、第2の体腔(例えば、第1の体腔とは反対のタイプであり得る、動脈又は静脈等の血管)内に留置するように構成することができる。第3のセクション806は、第1の体腔及び第2の体腔の内腔の間をまたぐように構成することができる。いくつかの実施形態において、第1の体腔及び第2の体腔の内腔の間の空間が一般に血管壁を含み、第3のセクション806の寸法を小さくするか又は更には第3のセクション806を省くことができるようになっている。
【0223】
より大きい血管において穴を処置するためのいくつかの吻合装置が入手可能である、及び/又は開発されている(例えば、MedtronicのSpyder、Johnson and JohnsonのCorLink、St. Jude MedicalのSymmetry、CardicaのPAS−Port及びROX MedicalのROX Coupler)。このような装置は、例えばリサイズ及び/又は再構成される場合、末梢部又は下肢における使用に適し得る。他の装置も考えられ得る。
【0224】
図30は、血管902、904の壁をまたぐ吻合装置800によってともに結合される2つの血管902及び904の例示的な実施形態を概略的に示す。血管902は、厚い壁を有することによって概略的に示すように動脈であり、血管904は静脈である。血管及び他の体腔の他の組合せも考えられ得る。第1の血管902と第2の血管904との間に通路906が形成された後、例えば本明細書に記載されているように(例えば、ワイヤ、展開型の針、1つ又は複数のバルーン等を用いて)吻合装置800が展開される。例えば、吻合装置800展開システムの遠位端部は、第1の血管902内に滞留し、部分的に通路906に挿通することができる。吻合装置800の第1のセクション802は、通路906に通して第2の血管904内に展開させることができる。展開時、第1のセクション802は、例えば第2の血管904の壁を並置するように自己拡張することができる。吻合装置800の第3のセクション806は、通路906に通して展開させることができる。展開時、第3のセクション806は、例えば、通路906の周囲の組織を並置するとともに通路906を通して開存性を維持するように自己拡張することができる。吻合装置800の第2のセクション804は、第1の血管902内に展開させることができる。展開時、第2のセクション804は、例えば第1の血管902の壁を並置するように自己拡張することができる。第1のセクション802、第2のセクション804及び第3のセクション806のうちの1つ又は複数は、バルーンを用いて拡張させることができる。吻合装置800の異なるセクション802、804、806について、異なるバルーン又は一連のバルーンを用いることができる。
【0225】
いくつかの例示的な実施形態を本明細書において詳細に開示してきたが、これは、例として単なる例示の目的からなされている。上記の実施形態は、以下の添付の特許請求の範囲の範囲に関して限定されることを意図されない。特許請求の範囲によって規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の置換、代替及び変更を本発明に対し行うことができることが本発明者らによって意図される。
【0226】
本明細書に記載されている装置は、装置を通って流れる流体が血液等の液体である用途において用いることができるが、付加的に又は代替的に、流体が空気等の気体である気管手術又は気管支手術等の用途に用いることができる。いくつかの実施形態において、流体は、固体物質、例えば塞栓物を含んでもよく、又は、胃の手術において、流体は食品片を含む。
【0227】
本発明は種々の変更及び代替形態を可能にすることができるが、本発明は特定の例を図面において示し、本明細書において詳細に説明を行ってきた。しかしながら、本発明は、開示されている特定の形態又は方法に限定されることを意図されず、逆に、記載されている種々の実施形態及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内にある全ての変更物、均等物及び代替物を包含するものである。本明細書に開示されている方法はいずれも、記載順で行われる必要はない。本明細書に開示されている方法は、実施者がとるいくつかの措置を含むが、明確に又は示唆的に、それらの措置の第3者の指示をいずれも含むこともできる。例えば、「第1の血管内の弁を無機能化する」ような措置は、「第1の血管内の弁を無機能化することを指示すること」を含む。本明細書において開示された範囲は、全ての包含、サブ範囲及びそれらの組合せも包含する。「まで」、「少なくとも」、「を超える」、「未満」、「の間」等のような語は記載の数字を含む。「約」又は「およそ」等の用語が先行する数字は、記載の数字を含む。例えば、「約10mm」は「10mm」を含む。「実質的に」のような語が先行する用語又は句は、記載の用語又は句を含む。例えば、「実質的に平行な」は「平行」を含む。