(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバーコートが、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性ウレタン(TPU)、シリコーン、ブチルゴム(ブチル)、ブチルメタクリレート(buma)からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む材料で作製される、請求項4に記載のピストン。
前記ピストンの少なくとも前記第1の周囲シールが、前記第1の周囲シールと前記壁の前記内表面との間に気密シールを提供するように構成されて位置付けられている、請求項6に記載の容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、当該技術分野において存在する欠点の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。改善されたピストンと、当該ピストンを備える改善された加圧容器とを提供することが更なる目的である。
【0007】
本発明の別の目的は、ほぼ全ての製品を分配し得る加圧容器に使用され得るピストンを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、ピストンと加圧容器との間の封止効果の大部分が、ピストンの封止効果に基づき、内容物の封止効果ではないピストンを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、容器が空になったときに製品がほとんど又は全く保持されない加圧容器に使用することができるピストンを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、本質的に任意の粘度、並びに液体及び粘性製品(例えば泡状及びペースト状製品)を含む本質的に任意の製品形態の製品と共に使用することができるピストンを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、容器がプラスチック製である、加圧容器と共に使用することができるピストンを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、プラスチックエアゾール容器缶の内壁で、エアゾール容器の寿命にわたって封止を維持するピストンを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、加圧容器のピストンと、180psig(1.24MPa)までの過剰圧力で当該ピストンを備える加圧容器と、を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、1センチポアズ(1
*10
−3Pa
*s)〜100000センチポアズ(100Pa
*s)の範囲の粘度の分配可能な製品用のピストン、及び当該ピストンを備える加圧容器を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、製品を充填することができる加圧エアゾール容器を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、まず加圧エアゾール容器を準備し、次いで製品を加圧されたエアゾール容器に充填する、加圧エアゾール容器を製造するためのプロセスを提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、その分配バルブを通して製品を充填することができる、完全に組み立てられ、加圧されたエアゾール容器を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、製品を充填することができる完全に組み立てられ、加圧されたエアゾール容器を提供することであり、分配バルブは、製品を充填した後にエアゾール容器に取り付けられる。
【0019】
本発明の別の目的は、ほとんど全ての製品が分散され得るエアゾール容器から製品を吐出するためのプロセスである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前述の目的のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に満たすことへの寄与は、独立請求項によってなされる。従属請求項は、目的のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に満たすことに寄与する好ましい実施形態を提供する。
【0021】
第1の態様では、本発明は、任意に加圧された容器のためのピストンに関し、ピストンは、側壁と、上側面及び底側面と、少なくとも第1の周囲シールとを有し、ピストンの少なくとも上側面はクロージャによって閉鎖され、上側面は第1の弾性材料で作製され、上側面は、上側面に作用する圧力変化に応じて変形するように構成され、側壁は、第1の弾性材料とは異なる第2の材料で作製され、第1の周囲シールは、その外側表面上の側壁上に位置付けられている。
【0022】
第2の態様では、本発明は、
a.内部を取り囲む壁を有する容器本体であって、
壁は内部に面する内表面を有する、容器本体と、
b.容器本体の壁に配置された第1の孔であって、
この孔は、その内部に取り付けられた第1のバルブを任意に有する、第1の孔と、
c.本発明の第1の態様に記載のピストンであって、容器の内部を2つのチャンバに分割する、ピストンと、を備える任意に加圧された容器に関する。
【0023】
第3の態様では、本発明は、本発明の第2の態様に記載の任意に加圧された容器から製品を吐出するプロセスに関する。
【0024】
第4の態様では、本発明は、加圧容器を製造するプロセスであって、少なくとも以下の
a.)容器の一端にある第1の孔と、開放端部と、を有する容器本体前駆体を提供する工程であって、第1のバルブは、任意選択的に第1の孔に取り付けられ得る、工程と、
b.)本発明の第1の態様に記載のピストンを容器内に配置して、製品を含むように設計された容器本体前駆体内の第1のチャンバを封止する工程と、
c.)容器本体前駆体の開放端部を密閉可能なクロージャで閉鎖して、容器を形成し、第2のチャンバを形成する工程と、
d.)第2のチャンバを噴射剤で加圧し、第2チャンバを噴射剤が漏れないように密封して、加圧容器を形成する工程と、
e.)製品を加圧容器に詰める工程と、を含むプロセスに関する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
定義
材料又は物品の硬度を参照する場合、値に続く文字は、使用される試験方法を示す。文字A及びDは、ASTM D2240タイプA&Dスケールに従って測定されたショア硬度を指し、AはスケールAを指し、DはスケールDを指す。文字Rは、ASTM E18に従って測定されたロックウェル硬度を指す。
【0027】
物品、例えば容器又はピストンの直径は、その物品の断面で測定される。ピストンを収容し得る容器に関し、またそのようなピストンに対して、参照された断面は、ピストンの移動方向に対して垂直に測定される。
【0028】
本発明の第1の態様は、任意に加圧された容器のためのピストンであり、ピストンは、側壁と、上側面及び底側面と、少なくとも第1の周囲シールとを有し、ピストンの少なくとも上側面はクロージャによって閉鎖され、上側面は第1の弾性材料で作製され、上側面は、上側面に作用する圧力変化に応じて変形するように構成され、側壁は、第1の弾性材料とは異なる第2の材料で作製され、第1の周囲シールは、その外側表面上の側壁上に位置付けられている。
【0029】
容器は、ピストン、吐出可能な製品、及び任意選択で噴射剤を受け入れるのに適した任意の形状を有することができる。容器の大部分は、円筒形の形状及び円形の断面を有する。変形例では、容器は、任意の他の形状、又は任意の他の断面を有してもよく、例えば、容器の頂部、又は容器が保持される可能性が高い、特定の部分に首のある円筒形状を有してもよい。この場合、使用されるピストンの形状は、容器の形状に適合する必要があり得る。
【0030】
容器は、ピストンを受け入れるように構成されている内部を取り囲む。容器は、頂部側と底側と、側壁とを有する。容器の側壁の表面は、内部に面する。この表面は、容器の内表面と呼ばれる。容器は、容器本体の壁に配置された第1の孔を有することができる。第1のバルブは、第1の孔に取り付けられてもよい。第1のバルブは、通常、容器の頂部側に位置付けられている。容器の内部とその周囲との間の流体接続を次に開く第1のバルブを操作することができる。製品は、第1のバルブが開放されるように操作するときに吐出され得る。閉鎖位置において、第1のバルブは、容器内の製品を封止する。容器の底側は、閉じている。これは、例えば、緊密なクロージャ、グロメット、又は第2のバルブを含むクロージャによって達成され得る。非常に多くの場合、この種類の容器は、底側にグロメット又は第2のバルブを有する。このようにして、それらの容器は、分配される製品で充填された容器の組み立て後に加圧され得る。
【0031】
容器の頂部側及び底側という用語は、容器の対向する端部を指すためにのみ本文脈で使用される。これらの用語は、保管、輸送、又は動作中の容器の好ましい又は必要な向きに関する何らかの基準を提供することを意図するものではない。換言すれば、容器は、頂部側を上又は頂部側を下にして、操作、保管、及び輸送されてもよい。
【0032】
容器は、意図される使用に好適であるように思われる任意の材料で作製することができる。好ましい容器は、最大15バール(=1,5
*10
6Pa)の圧力、例えば、1〜15バール(=1,0
*10
5〜1,5
*10
6Pa)、又は1〜13バール(=1,0
*10
5〜1,3
*10
6Pa)、又は1〜10バール(=1,0
*10
5〜1,0
*10
6Pa)の範囲の圧力で、充填、貯蔵、輸送、及び使用されるのに適している。
【0033】
上記の圧力要件を満たすために、容器は、ポリエチレンナフタレン(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ウレタン、中密度ポリエチレン(MDPE)、アセタール(POM)、ニトリルゴム(Buna)、ブチルゴム(BR)、シリコーンエラストマーから選択されるポリマーから作製することができる。
【0034】
ピストンは、ピストンが適合することを意図した容器の断面形状と同様の形状を有してもよい。ピストン及び容器の断面形態における一致は、両方の部品の適合を可能にすることができる。そのため、ピストンは、多くの場合、円筒形状、特に容器が有するような円形断面を有する。しかしながら、成形された容器を使用する場合、ピストンの形状は、容器の断面形状の有利になる円形断面と異なり得る。ピストンは、側壁、上側面、底側面、及び少なくとも第1の周囲シールを含む。ピストンは、円筒状又は円盤状の形状を有してもよい。ピストンの上側面は、クロージャによって閉鎖される。クロージャは、平坦であっても、凹設されていても、又は隆起していてもよい。隆起している場合、クロージャの形状は、クロージャが設計されている容器の頂部側の形状に対応し得る。好みにより、ピストンのクロージャは、それ自体として平坦であるが、ピストンのクロージャの両側の間に生じる圧力差により、加圧容器内で操作されるときに変形するであろう。ピストンのクロージャは、気体及び液体に対する障壁である。したがって、クロージャは、気密性及び液密性のある物品である。本文脈において気密性とは、非常に少量のガスしか、経時的にピストンのクロージャに浸透することができないことを意味する。クロージャを通るガスの浸透率が小さいので、詰められた製品を容器から分配するバルブの動作に関して、完全に取り付けられ、製品が詰められ、かつ加圧された容器は、25℃で少なくとも6か月間貯蔵されても依然として機能する。
【0035】
ピストンの上側面に対向する側は、底側面と呼ばれる。ピストンの上側面及び底側面は、側壁によって接続されている。ピストンの側壁は、外側表面が容器の内側に沿って延在するように構成されている物品である。ピストンのクロージャ及びピストンの側壁は、ピストンの容積を包含する。側壁は、断面図で環状であってもよい。第1の変形例では、側壁は一体化され得る。別の変形例では、側壁は、ピストンの容積と容器の側壁との間の流体接続を提供する開口部を有し得る。ピストンの底側面は、開放又は閉鎖、又は半閉鎖であり得る。半閉鎖とは、底側面が部分的に閉じられているが、ピストンによって包含される容積を充填するために、ピストンの底側面の外側から流体が流れることができる開口部を有する底側面の変形例を示す。流体は、噴射剤又は製品のどちらかであり得る。
【0036】
ピストンの上側面及び底側面という用語は、ピストンの対向する端部に名前を付けるためにのみ本文脈で使用される。これらの用語は、保管、輸送、又は動作中のピストンの好ましい又は必要な向きに関する何らかの基準を提供することを意図するものではない。換言すれば、このようなピストンを備える容器は、上側面を上又は上側面を下にして操作されてもよい。更に、これらの用語は、容器内で組み立てられたときのピストンの好ましい又は必要な向きに言及することを意図するものではない。
【0037】
換言すれば、ピストンは、ピストンの上側面が容器の頂部側に面した状態で、第1の構成で容器内に位置付けることができる。次いで、製品は、容器の頂部側、容器の側壁の一部、及びピストンの上側面によって包囲される第1のチャンバ内に配置されてもよく、一方、噴射剤は、容器の底側面、容器の側壁の別の部分、及びピストンの底側面によって包囲される第2のチャンバ内に配置されてもよい。この場合、底側面が半閉鎖にされると、一部の噴射剤はピストンの内部に流れ込むことができる。
【0038】
別の構成では、ピストンは、ピストンの底側面が容器の頂部側に面した状態で、容器内に位置付けることができる。次いで、製品は、容器の頂部側、容器の側壁の一部、及びピストンの底側面によって包囲される第1のチャンバ内に配置されてもよく、一方、噴射剤は、容器の底側面、容器の側壁の別の部分、及びピストンの上側面によって包囲される第2のチャンバ内に配置されてもよい。この場合、底側面が半閉鎖にされると、一部の製品はピストンの内部に流れ込むことができる。
【0039】
ピストンは、少なくとも第1の周囲シールを有する。周囲とは、そのようなシールがピストンの側壁上及びピストンの周囲に延在することを意味する。好ましい変形例では、第1の周囲シールは、ピストンの上側面に近接して側壁上に、例えばピストンの上側面及び側壁によって形成された縁部に位置付けられる。封止部は、ピストンの上側面及び側壁によって形成された縁部から、例えば、縁部から約1、2、3、4又、は5mmの距離に位置付けることができる。
【0040】
任意の方法で、第1の周囲シールは、その外側表面上の側壁上に位置付けられる。このようにして、ピストンが容器内に組み立てられるとき、第1の周囲シールは、容器壁部の内側に面している。第1の周囲シールは、ピストン及び容器の内側を密封するように構成されている。これを達成するために、第1の周囲シールは、好ましくは、荷重下で容器の内側と部分的又は完全に接触する。荷重は、ピストン及び容器の断面寸法の適合、及び封止形成材料の圧縮性によって生成される。
【0041】
ピストンの上側面は、第1の弾性材料によって作製される。第1の弾性材料は、本発明のピストンの上側面を形成するのに適しているように思われる任意の弾性材料であり得る。第1の弾性材料は、30A〜100A、例えば50A〜90A、又は70A〜85Aの範囲のショア硬度を有し得る。より具体的には、第1の弾性材料は、熱可塑性エラストマーであり得る。ピストンの上側面を形成するのに適した材料のいくつかの例は、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性ウレタン(TPU)、シリコーン、ブチルゴム、及びニトリルゴム(buna)である。
【0042】
ピストンの上側面は、上側面に作用する圧力変化に応じて変形するように構成されていてもよい。弾性材料を選択してピストンの上側面を形成することとは別に、上側面の厚さは関連性があり得る。ピストンの上側面の厚さは、0.1〜5.5mmの範囲、例えば、0.25〜3.0mmの範囲、又は0.5〜1.5mmの範囲であり得る。
【0043】
ピストンは、ピストンの最大直径と比較して少なくとも25%以上である高さを有し得る。例えば、ピストンの高さは、ピストンの最大直径の少なくとも30、50、70、80、90、又は100%の値を有し得る。好ましくは、ピストンの高さは、ピストンの最大直径の35〜65%、又は45〜55%の範囲であり得る。ピストンの高さは、ピストンの意図される移動の軸の方向で測定される。ピストンが半球又はでこぼこの、上側面又は底側面を有する場合、ピストンの高さは、ピストンの側壁が平行であり、ピストンが組み立てられる容器の壁に最も近い場所でピストンの高さが決定される。
【0044】
ピストンの側壁は、ピストンの上側面を形成する第1の弾性材料とは異なる第2の材料で作製される。第2の材料は、本発明の側壁を形成するのに適しているように思われる任意の材料であり得る。第2の材料は、50A〜150Rの範囲、例えば、65A〜100D、又は80A〜70Dの範囲の硬度を有することができる。より具体的には、第2の材料は、金属、合金、セルロースに基づく又は由来する材料、繊維状材料、熱可塑性材料、及びエラストマーからなる群から選択することができる。好適な金属は、例えば、アルミニウム、ブリキ、鋼などである。好適な合金は、例えば、前述の金属のうちの少なくとも1つを含む合金である。第2の材料は、同様にポリマー、特に熱可塑性物質又はエラストマーから作製することができる。選択された、かつ好適なポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレン(PEN)、ウレタン、中密度ポリエチレン(MDPE)、アセタール、ニトリルゴム(Buna)、ブチルゴム、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)及び熱可塑性ウレタン(TPU)である。上記の材料のうちの2つ以上の組み合わせを使用することが更に有益であり得、それにより、その組み合わせは、例えば、熱可塑性材料のブレンド、又は2つの金属の組み合わせなど同一の前述の群に全て属する材料を含むことができる。更に、異なる群の材料の組み合わせは、例えば、繊維状材料と熱可塑性材料との組み合わせに特に適し得る。側壁の硬度は、通常、第1の周囲シールの硬度よりも高い。側壁は、50Aショア〜150ロックウェルの範囲の硬度、例えば、65A〜100D、又は80A〜70Dの範囲のショア硬度を有し得る。側壁の硬度は、通常、第2の材料の硬度に等しい。
【0045】
ピストンの側壁は、例えば、噴射剤によって生じる圧力などの圧力下で変形するように構成することができ、噴射剤は、ピストンの内部に存在し、噴射剤を受け入れる容器のチャンバと流体連結し圧接し得る。別の変形例では、圧力は、製品によって生じてもよく、製品は、ピストンの内部に存在し、製品を受け入れる容器のチャンバと流体連結し圧接し得る。そのような場合、側壁は、容器の壁に向かって変形する。これにより、容器の壁とピストンとの間に封止を形成、強化、又は維持することができる。側壁の変形は可逆的であり得る。これは、側壁が変形前に有した元の形状に戻ることができることを意味する。
【0046】
ピストンの第1の周囲シールは、当該第1の周囲シールを形成するのに適しているように思われる任意の材料で作製することができる。第1の周囲シールは、30A〜85D、例えば、50A〜100A、又は70A〜85Aの範囲のショア硬度を有し得る。より具体的には、第1の周囲シールは、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性ウレタン(TPU)、シリコーン、ブチルゴム(ブチル)、ブチルメタクリレート(buma)、及びウレタン−低密度ポリエチレン共重合体(U/LDPE)からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む材料から作製され得る。第1の周囲シールはまた、その2つ以上の組み合わせから作製され得る。
【0047】
ピストンは、第1の周囲シールについて記載された硬度を有する更なるシールを含むことができる。この場合、更なるシール(単数又は複数)の硬度は、第1の周囲シールの硬度と同じ値であり得るが、上述の範囲内の別の値であってもよい。
【0048】
ピストンは、側壁の外側表面上に位置付けられた第2の周囲シール及び更なる周囲シールを備えることができる。そこで、第2の周囲シールは、第1の周囲シールから側壁の最大直径の少なくとも1/8、1/4、例えば1/3、1/2、1.0、2倍及び最大5倍の距離に位置付けることができる。第2の周囲シール及び必要に応じて更なる周囲シールは、好適であるように思われる任意の材料で作製することができる。第2の周囲シール及び必要に応じて任意の更なる周囲シールは、30A〜150Rの範囲、例えば、50A〜100D、又は70A〜70Dの範囲のショア硬度を有し得る。より具体的には、第2の周囲シール及び必要に応じて任意の更なる周囲シールは、エラストマーから作製され得る。例えば、第2の周囲シール及び必要に応じて任意の更なる周囲シールは、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性ウレタン(TPU)、シリコーン、ブチルゴム及びニトリルゴム(buna)、又はこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるポリマーから作製することができる。第1及び第2の周囲シールは、同じ材料又は異なる材料で作製することができる。
【0049】
ピストンは、第2の周囲シールの代わりに、又はそれに加えて、1つ以上のガイド手段を備え得る。これらのガイド手段は、側壁の外側表面上に位置付けられている。これらのガイド手段は、第1の周囲シールから側壁の最大直径の少なくとも1/4、例えば、1/3、1/2、1.0、2倍、及び最大5倍の距離に位置付けることができる。第1の周囲シールからのガイド手段の距離は、第1の周囲シールと、第1の周囲シールに最も近いガイド手段の一部との間の最短距離として決定される。ガイド手段は、好適であるように思われる任意の材料で作製することができる。ガイド手段は、第2の周囲シールについて記載された硬度を有することができる。ガイド手段は、例えば、第2の周囲シールについて記載されたもののうちの1つである、エラストマーから作製され得る。ガイド手段及び第1の周囲シールは、同じ材料又は異なる材料で作製され得る。
【0050】
更に、カバーコートは、ピストンの側壁の少なくとも一部を覆うことができる。更に、カバーコートはまた、ピストンの上側面にクロージャを形成することができる。更に、カバーコートは、第1の周囲シール並びに必要に応じて第2の周囲シール及び任意の更なる周囲シール並びに/又はガイド手段を形成することができる。好ましい態様では、カバーコートは、ピストンの上側面及び第1の周囲シールの上にクロージャを構成する一体型物品である。必要に応じて、一体型物品は、第2の周囲シール及び任意の更なる周囲シール並びに/又はガイド手段を追加で構成することができる。そのため、カバーコートは、ピストンの側壁及び上側面を完全に覆うことができる。カバーコートは、好適な任意の材料で作製することができる。好みにより、カバーコートは硬度を有し、第1の周囲シールについて上述したような材料から選択することができる。
【0051】
ピストンは、一体型物品として作製することができる。この変形例では、一体型物品は、異なるサブ領域を有することができ、第1のサブ領域がクロージャを構成し、第2のサブ領域が第1のシールを構成し、第3のサブ領域が側壁を構成し、第4のサブ領域が第2のシールを構成する。一体型物品は、単一の材料から、又は2つ以上の材料の組み合わせから作製することができる。一体型物品は、例えば、成形プロセスによって、又は3D印刷技術を使用するなど、多くの方法で製造することができる。
【0052】
ピストンは、シールの最大直径を有することができ、これはピストンの側壁の最大直径よりも最大11%大きい。例えば、シールの最大直径は、ピストンの側壁の最大直径よりも、0〜11%、又は2〜11%、又は2〜9%、又は5〜9%大きい範囲であり得る。シールの最大直径は、%値が「0」に等しいとき、側壁の最大直径と同じである。少なくとも第1の周囲シールは、シールの当該最大直径を有することができる。平面円形領域の最大直径、例えば、ピストンの断面、ピストン、シールの断面、又は容器の最大直径は、端点が円形線上に位置する最長直線セグメントであると定義され、これは、最大直径が指す円形領域を画定する。
【0053】
噴射剤を使用して容器を加圧することができる。当業者に好適であると考えられる、任意の既知の噴射剤を使用することができる。好適な噴射剤は、加圧容器が操作される温度よりも低い沸点を有し得る。標準用途、例えば、15〜40℃の使用時温度で広く用いられている噴射剤のいくつかの例は、空気、窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素、プロパン、ブタン、イソブテン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ハイドロフルオロアルカン、ハイドロフルオロオレフィン、及びクロロフルオロカーボンなどのハロアルカン、又は2つ以上の噴射剤の組み合わせである。
【0054】
本発明の第2の態様は、
a.内部を取り囲む壁を有する容器本体であって、
壁は容器本体の内部に面する内表面を有する、容器本体と、
b.容器本体の壁に配置された第1の孔であって、その内部に取り付けられた第1のバルブを任意に有する、第1の孔と、
c.本発明の第1の態様に記載のピストンであって、容器の内部を2つのチャンバに分割する、ピストンと、を含む容器である。
【0055】
ピストンの少なくとも第1の周囲シールは、第1の周囲シールと容器本体の壁の内面との間に気密性シール及び/又は液密性シールを提供するように構成され、位置付けられ得る。シールは、容器が圧力下に置かれたときに維持され、機能することを意図する。これを達成するために、ピストンの最大直径は、容器の内表面の直径よりも0.0〜5%、例えば0.3〜3.7%、又は0.7〜1.2%大きい範囲であり得る。シールは、上記のように設計及び製造することができる。
【0056】
容器の内表面と第1の周囲シールとの間に接触パッチを形成することができる。接触パッチは、0.0mm〜5.0mm、例えば0.5〜3.2mm、最も好ましくは0.1〜2mmの範囲の幅を有し得る。
【0057】
ピストンは少なくとも1つのガイド手段を更に備え、ピストンを必要に応じて加圧容器内にガイドするように構成されて位置付けられ得る。ガイド手段は、ピストンの傾きを防止することができる。変形例では、ピストンの側壁上に第2の周囲シールを位置付けることができる。このような第2の周囲シールもまた、ピストンの傾きを防止することができる。第3の変形例では、ガイド手段と第2の周囲シールとの組み合わせを使用することができる。ガイド手段の特性に関する更なる実施形態について、本発明の第1の態様のピストンのガイド手段に関する説明を参照する。
【0058】
容器は、ピストンによって分離された2つのチャンバを受け入れることができる。容器の第1の孔と流体連通するチャンバは、任意選択的に、その内部に取り付けられた第1のバルブを有し、好みによって製品を含む。通常、容器の他のチャンバは噴射剤を含む。既知であり、本発明の容器内での保管及び本発明の容器からの適用に適していると思われる任意の製品を選択することができる。好ましい製品は、360°の分配を必要とする製品、ひげ剃りジェル、シャンプー、コンディショナー、日焼け止め剤などの粘度の増加した製品、及び顔用製品からなる群から選択することができる。
【0059】
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様に記載されるように、容器から製品を吐出するプロセスである。容器のバルブの開放が、ピストンの移動のトリガーとなり、この移動が製品を容器から吐出させる。
【0060】
本発明の第4の態様は、加圧容器を製造するプロセスであって、少なくとも以下の工程を含むプロセスである。
a.)容器の一端にある第1の孔と、開放端部と、を有する容器本体前駆体を提供する工程であって、第1のバルブは、任意選択的に第1の孔に取り付けることができ、好適な容器本体前駆体及びバルブは、市場で入手可能である、工程。これらは、詰められる製品に関連して選択することができる。
b.)本発明の第1の態様に関連したピストンを容器本体前駆体内に配置して、製品を含むように設計された容器本体前駆体内の第1のチャンバを封止する工程。
c.)密封可能な底部クロージャを有する容器本体前駆体の開放端部を閉鎖して、第2のチャンバを形成する工程であって、密封可能な底部クロージャは、第2のチャンバを流体で加圧することを受け入れるように構成されている、工程。この目的のために、密封可能な底部クロージャは、第2のバルブ又は第2の孔などの開口部を含むことができ、それを通じて流体が第2のチャンバの中へ移送される。
d.)第2のチャンバを噴射剤で加圧し、第2チャンバを噴射剤が漏れないように密封して、加圧容器を形成する工程。好適な噴射剤aが上述されている。第2のチャンバを封止することは、開口部を好適な方法で閉鎖することによって達成される。例えば、グロメットを開口部に差し込むことができ、又は開口部に取り付けられた第2のバルブを閉じることができる。
e.)第1の孔を通じて製品を加圧容器に詰める工程。
【0061】
上述のように、製品を詰める前に、第1のバルブを第1の孔に取り付けることができる。この場合、加圧容器には、第1のバルブを通じて製品を詰めることができる。代替的に、加圧容器に製品を詰めた後に、第1のバルブを、第1の穴に取り付けることができる。第3の代替では、第1のバルブは、容器本体前駆体に予め組み立てられてもよく、又は製品を詰めた後であるが、第2のチャンバを加圧する前に、第1の孔に取り付けられてもよい。
【0062】
図面の説明
図1はピストン100を示す。ピストン100は、側壁101と、上側面102と、底側面103と、更に第1の周囲シール104と、任意選択的に第2の周囲シール104aとを有する。ピストン102の上側面は、クロージャ105によって閉鎖される。クロージャ105を含むピストン102の上側面は、第1の弾性材料で作製され、上側面102に圧力変化が作用すると変形するように設計されている。側壁101は、第1の弾性材料とは異なる第2の材料で作製される。第1の周囲シールは、側壁101の外側表面106上に位置付けられる。
【0063】
図2は、ピストン200の変形例を示す。この変形例では、ピストン200は、
図1のように構成されるが、第2の周囲シールの代わりに又はこれに加えて(ここでは図示なし)、ガイド手段201を有する。ガイド手段201は、側壁101の外側表面106上に位置付けられる。ピストン200の移動方向に配向することができる。通常、それらは側壁101の外側表面全体にわたって延在しない。
【0064】
図3は、ピストン300の別の変形例を示している。このピストン300は、上側クロージャ105及び2つの周囲シール302、303を形成するカバーコート301を有する。周囲シール302、303は、側壁101の外側表面上に位置付けられる。
【0065】
図4は、ピストン400の別の変形例を示している。このピストン400は、上側クロージャ105及び1つの周囲シール302を形成するカバーコート301を有する。周囲シール302は、側壁101の外側表面上に位置付けられる。
【0066】
図5は、a.0psig(0kPa、CT−Scan)でのピストン500、及びb.140psig(9.65kPa、計算)の圧力で変形されたピストン500aの形状を示す。プラスチック容器のボトルは、図には示されていない。両方のピストンは、関連する方法で変形されない上側面102と、ピストン500及び500aのそれぞれの側壁上の4つの周囲シール104とを有する。ピストン500が円盤状であること、換言すれば、底側面103によって区切られた領域は、上側面102によって区切られた領域と同じ大きさであることが明らかに観察され得る。変形したピストン500aは円錐形状を有し、底側面103によって区切られた領域は、上側面102によって区切られた領域よりも大きい。
【0067】
図6は、上側面601と、底側面602と、容器の内部に面する内表面604を有する壁603と、ピストン605と、を有するエアゾール容器600を示す。容器は、孔606を更に有する。ピストン605は、容器600を第1のチャンバ607及び第2のチャンバ608に分割する。容器はまた、底部クロージャ609を有する。
【0068】
図7は、加圧容器から製品を吐出するプロセス700を示す。第1に、製品を含む加圧容器が提供され(701)、これは次いで、例えば、分配バルブを作動させることによって、容器から吐出される(702)。
【0069】
図8は、次の工程を含む加圧容器を製造するプロセス800を示す。
801:容器の一端にある第1の孔と、開放端部と、を有する容器本体前駆体を提供する工程。
802:容器本体前駆体にピストンを配置する工程。ピストンは、詰められる製品を含むように設計されている、容器本体前駆体内の第1のチャンバを封止する。
803:容器本体前駆体の開放端部を、密封可能な底部クロージャで閉鎖して第2のチャンバを形成する工程。
804:第2のチャンバを噴射剤で加圧し、第2チャンバを噴射剤が漏れないように密封して、加圧容器を形成する工程。
805:加圧容器に製品を詰める工程。
【0070】
図中の参照番号のリスト
100、200、300、 ピストン
400、500
101 側壁
102 ピストンの上側面
103 ピストンの底側面
104 第1の周囲シール
104a 第2の周囲シール
105 クロージャ
106 101の外側表面
201 ガイド手段
301 カバーコート
302、303 周囲シール
500a 変形したピストン
600 容器
601 容器の上側面
602 容器の底側面
603 容器の壁
604 603の内表面
605 ピストン
606 孔
607 第1のチャンバ
608 第2のチャンバ
609 底部クロージャ
700 プロセス
701 工程i.
702 工程ii.
800 プロセス
801 工程a.)
802 工程b.)
803 工程c.)
804 工程d.)
805 工程e.)
【0071】
以下の条項により本発明が更に説明される。以下の条項は、本発明による一実施形態に到達するために、本発明の異なる特徴を組み合わせる可能性を示すのに役立つ。
【0072】
条項:
1.容器のためのピストンであって、
ピストンは、側壁、上側面、底側面、及び少なくとも第1の周囲シールを有し、
ピストンの少なくとも上側面は、クロージャによって閉鎖されており、
上側面は、第1の弾性材料で作製され、
上側面は、上側面に作用する圧力変化に応じて変形するように構成されており、
側壁は、第1の弾性材料とは異なる第2の材料で作製され、
第1の周囲シールは、外側表面上の側壁上に位置付けられている、ピストン。
【0073】
2.次の:
a.側壁は、50Aショア〜150ロックウェルの範囲の硬度を有する、
b.第1の周囲シールは、30A〜85Dの範囲のショア硬度を有する、のうちの少なくとも1つが適用される、実施形態1に記載のピストン。
【0074】
3.ピストンが、側壁の最大直径よりも0〜11%大きい最大シール径を有する、実施形態1〜2のいずれか一形態に記載のピストン。
【0075】
4.ピストンの側壁が、圧力下で変形するように構成されている、実施形態1〜3のいずれか一形態に記載のピストン。
【0076】
5.第1の周囲シールが、ピストンの上側面に近接して側壁上に位置付けられる、実施形態1〜4のいずれか一形態に記載のピストン。
【0077】
6.第2の周囲シール又はガイド手段が、第1の周囲シールから側壁の最大直径の少なくとも1/8の距離で側壁の外側表面上に位置付けられている、実施形態1〜5のいずれか一形態に記載のピストン。
【0078】
7.第2の周囲シール又はガイド手段が、30A〜150ロックウェルの範囲の硬度を有する、実施形態5又は6に記載のピストン。
【0079】
8.ピストンが、ピストンの最大直径の25%以上の範囲にある高さを有し、高さはピストンの移動の軸の方向に決定される、実施形態1〜7のいずれか一形態に記載のピストン。
【0080】
9.第2の材料が、金属、合金、セルロースに基づく又はセルロースに由来する材料、繊維状材料、熱可塑性材料、及びエラストマーからなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む、実施形態1〜8のいずれか一形態に記載のピストン。
【0081】
10.第1の周囲シールが、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性ウレタン(TPU)、シリコーン、ブチルゴム(ブチル)、ブチルメタクリレート(buma)、及びウレタン−低密度ポリエチレン共重合体(ULDPE)からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む材料から作製される、実施形態1〜9のいずれか一形態に記載のピストン。
【0082】
11.側壁が、上側クロージャ及び少なくとも第1の周囲シールを形成するカバーコートによって少なくとも部分的に覆われている、実施形態1〜10のいずれか一形態に記載のピストン。
【0083】
12.カバーコートが、エラストマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性ウレタン(TPU)、シリコーン、ブチルゴム(ブチル)、ブチルメタクリレート(buma)からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む材料で作製される、実施形態11に記載のピストン。
【0084】
13.容器であって、
a.内部を取り囲む壁を有する容器本体であって、
壁は内部に面する内表面を有する、容器本体と、
b.容器本体の壁に配置された第1の孔と、
c.実施形態1〜18のいずれか一形態に記載のピストンであって、容器の内部を2つのチャンバに分割する、ピストンと、を備える容器。
【0085】
14.ピストンの少なくとも第1の周囲シールが、第1の周囲シールと壁の内表面との間に気密シールを提供するように構成されて位置付けられている、実施形態13に記載の容器。
【0086】
15.ピストンの最大直径が、容器の内表面の直径よりも0.0〜5%大きい範囲にある、実施形態13又は14のいずれか一形態に記載の容器。
【0087】
16.接触パッチが、内表面と第1の周囲シールとの間に形成され、接触パッチは、1mm〜5.1mmの範囲の幅を有する、実施形態13〜15のいずれか一形態に記載の容器。
【0088】
17.ピストンが少なくとも1つのガイド手段を更に備え、これがピストンの傾きを防止するためにピストンを容器内にガイドするように構成されて位置付けられている、実施形態13〜16のいずれか一形態に記載の容器。
【0089】
18.容器が、最大15バールの圧力を保持するように構成されている、実施形態13〜17のいずれか一形態に記載の容器。
【0090】
19.容器が、金属、合金、及びポリマーからなる群のうちの少なくとも1つの要素を含む材料から作製される、実施形態13〜18のいずれか一形態に記載の容器。
【0091】
20.第1のバルブが、容器の第1の孔に取り付けられている、実施形態13〜19のいずれか一形態に記載の容器。
【0092】
21.第1の孔を有するチャンバが、製品を含む、実施形態13〜20に記載の容器。
【0093】
22.360°の分配を必要とする任意の製品、シェービングジェル、シャンプー、コンディショナー、日焼け止め剤などの粘度の増加した製品、及び顔用製品からなる群から選択される製品が、内部に含まれる、実施形態13〜21のいずれか一形態に記載の容器。
【0094】
23.容器が、噴射剤を含む、実施形態13〜22のいずれか一形態に記載の容器。
【0095】
24.実施形態13〜23のいずれか一形態に記載の容器から製品を吐出するプロセス。
【0096】
25.第1のバルブの開放がピストンの移動のトリガーとなり、その移動が製品を容器から吐出させる、実施形態24に記載のプロセス。
【0097】
26.加圧容器を製造するプロセスであって、少なくとも以下の
a.)容器の一端にある第1の孔と、開放端部と、を有する容器本体前駆体を提供する工程と、
b.)実施形態1〜12のいずれか一形態に記載のピストンを容器本体前駆体内に配置して、製品を含むように設計された容器本体前駆体内の第1のチャンバを封止する工程と、
c.)密封可能な底部クロージャで容器本体前駆体の開放端部を閉鎖して、第2のチャンバを形成する工程と、
d.)第2のチャンバを噴射剤で加圧し、第2チャンバを噴射剤が漏れないように密封して、加圧容器を形成する工程と、
e.)製品を加圧容器に詰める工程と、を含むプロセス。
【0098】
27.工程e.)の後に、
f.)第1の孔にバルブが取り付けられる工程、が続く、実施形態26に記載のプロセス。
【0099】
28.工程a.)の第1の孔が、その内部に取り付けられたバルブを有する、実施形態26に記載のプロセス。
【実施例】
【0100】
実施例として、以下に本発明が更に説明される。本発明は、任意の方法で実施例に、又は実施例により限定されるものではない。
【0101】
異なる記載がない場合、標準的な円筒形エアゾールボトルを使用してピストンの設計を評価した。ボトルの初期直径(噴射剤で加圧する前)は、2.040インチ(5.18cm)であった。このようなボトルは、140psig(965kPa)で加圧されると、直径が0.031インチ(0.079cm)まで拡大する。
【0102】
全てのピストンは、3DプリンタLulzbot Taz−5上で、FlexyDually Printheadを用いて印刷したか、又は手での注入によって、長さ調整ポリプロピレン管材(cut to length polypropylene tubing)を含有するシリコーンソフトツールにオーバーモールドした。実施例で調製したピストンは、以下の表で特徴付けられる。各ピストンは環状側壁を有しており、この環状側壁は、上側面と称される一方の側で、閉鎖されていた。側壁の縁部及びピストンの上側面において、第1のシールが側壁の外側に位置付けられ、これはエアゾールボトルに面して接触し得る。シールは、上述のような形状を有し、環状領域が指定された幅を有する側壁上の環状領域を覆った。クロージャに圧力差が作用したとき、クロージャは弾性的に屈曲し、その結果、クロージャの中心が変位した。ピストンは、側壁上の第1のシールから指定距離に位置付けられている第2を有した。ピストン3は、第2のシールの代わりに側壁上にガイド手段を有していた。これらのガイド手段を説明するパラメータは、備考に記載されている。
【0103】
【表1】
n.a.=該当せず、PP=ポリプロピレン、PET=ポリエチレンテレフタレート。
【0104】
試験
ピストンを、直径2.040インチ(5.18cm)のAir−O−Packエアゾールボトル(Airolux,AG,8865 Bilten,Switzerlandから入手可能)で試験した。ボトルに試料製品として水を充填し、空気で加圧した。
【0105】
a.シール
以下の表は、ピストン直径がエアゾールボトル内に首尾よく挿入されたピストン、及び漏れが観察されたかどうかを要約する。ピストンの下のガスがピストンの上で泡立って観察されたときに漏れが観察された。
【0106】
【表2】
【0107】
観察:0.015〜0.025インチの範囲において、ピストンの直径と容器の内径との干渉は、有利である。ピストンを容器に挿入し、ピストンと容器の内表面との間に密封シールを形成することができる。
【0108】
b.使い捨てエアゾール容器内の残留生成物
ピストンがバルブの近くで容器の上側面に前進するまで、ピストン番号1の上述のエアゾール容器を操作した。次いで、容器をX線で検査して、ピストンのクロージャの形状を測定し、エアゾール容器内の残留生成物の量を特定した。
【0109】
観察:少量の残留生成物が、ピストン番号1のエアゾール容器内に残った。
【0110】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。