(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置及び前記バッテリは、前記制御装置の接続口及び前記バッテリの充電ジャックが同じ方向を向くように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、脚付き椅子に電気機器を取り付ける場合には、車両内部に電気機器を配設可能な特許文献1に開示されている車両用シートと異なり、バッテリ、ECU(Electrical Control Unit)等の取付スペースを確保することが困難であった。
そして、脚付き椅子に覚醒機器を取り付ける場合には、車両内部に電気機器を配設可能な車両用シートに取り付ける場合と異なり、覚醒機器を構成する制御装置やバッテリを着座者の近傍に配置せざるを得ない。
【0005】
また、覚醒機器を構成する制御装置を取り付ける場合に、制御装置を保護するためにカバーでこれらを覆うことが考えられるが、例えば特許文献2及び3のように制御装置をカバーで覆うようにすると、制御装置から生じた熱がカバー内に篭ってしまい椅子の温度が上昇してしまうことがあった。
このため、制御装置が作動することによって熱を帯びることで温度が高くなった椅子の一部に着座者が触れるときに、着座者に不快感を与えることがあった。
【0006】
また、制御装置やバッテリ等に対する保護及び断熱のためにカバーを取り付けた場合に、カバーの分だけ椅子の外形が大きくなってしまうという問題があった。
また、カバーを取り付けた場合に、カバーに覆われた制御装置やバッテリ等に触れることが困難となり、メンテナンス作業が困難となるという問題があった。
特にカバーがバッテリを覆っている場合に、バッテリの交換のためにカバーを取り外さなくてはならず、バッテリを交換しづらかった。
また、バッテリが充電バッテリである場合に、充電ジャックに接続されてカバーから取り出された充電ケーブルが椅子の周辺を通る者の邪魔になることがあった。
さらに、カバー内にある制御装置又はバッテリに、カバーを挿通してハーネス又はケーブルが挿し込まれている場合に、ハーネス又はケーブルが椅子の周辺を通るものや周辺にある物に引っかかって外れてしまうという問題があった。
また、椅子に何の表示部もなければ、覚醒機器の作動状態、停止状態等の確認ができないため、覚醒装置を使用しづらかった。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、覚醒機器から生じる熱による不快感を着座者に与えることを回避可能な椅子を提供することにある。
他の目的は、覚醒機器を構成する装置の少なくとも一部を覆うカバーのサイズを抑えて、椅子をコンパクトにすることにある。
また、他の目的は、制御装置等に電力を供給するバッテリを覆うカバーを備える場合に、バッテリの出し入れ、又はバッテリへの給電を容易にすることにある。
さらに他の目的は、覚醒装置の作動状態等を確認可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明に係る椅子によれば、座部と、背もたれと、着座者の身体信号を検出するセンサと、前記センサと接続された制御装置とを備える椅子であって、前記座部又は前記背もたれの本体部の裏面側に取り付けられ、前記制御装置を覆うカバーと、を備え、前記制御装置はバッテリと接続されており、前記制御装置と前記バッテリとは重ねて配置されて
おり、前記カバーの内面には複数のリブが形成されており、前記リブは、前記制御装置及び前記バッテリの両側に対向するように配置されていることにより解決される。
【0009】
また、前記制御装置は、前記バッテリよりも着座者側に配置されていると好ましい。
前記制御装置及び前記バッテリは、前記制御装置の接続口及び前記バッテリの充電ジャックが同じ方向を向くように配置されていると好ましい
。
対向する前記リブは、前記リブ間の距離が広い部分と、前記リブ間の距離が狭い部分と、を有するように形成されていると好ましい。
前記制御装置は、前記リブ間の距離が広い部分に配置され、前記バッテリは、前記リブ間の距離が狭い部分に配置されていると好ましい。
前記カバーは、着座者側が開放された形状を有していると好ましい。
【0010】
また、前記カバーの内側にファンが配置されていると好ましい。
上記構成によれば、ファンにより、カバー内からカバー外への排熱性を高めることができる。
【0011】
さらに、前記カバーにおける椅子の前後方向後ろ側に開孔が形成されていると好ましい。
上記構成によれば、カバー内のバッテリ及び制御装置からの排風が、カバーの後ろからカバー外に出ることになるため、椅子の前側にある着座者の脚が排風に曝されて、着座者に不快感を与えることを回避できる。
【0012】
また、前記カバーは、前記刺激装置若しくは前記制御装置に電力を供給するバッテリ又は前記制御装置と対向する位置に凹部を有すると好ましい。
上記構成によれば、カバーが、バッテリ又は制御装置と対向する位置に凹部を有することで、バッテリ及び制御装置を覆うカバーのサイズをコンパクトにすることができる。
【0013】
また、前記カバーの最も深い凹部に対向する位置に、前記バッテリ又は前記制御装置が配置されていると好ましい。
上記構成によれば、バッテリ又は制御装置がカバーの最も深い凹部に対向する位置に配置されていることで、バッテリ又は制御装置を覆うことで最も外側に張り出す部分が薄くなり、椅子の外側へのカバーの張り出し量を効果的に小さくすることができる。
【0014】
また、前記カバーの最も深い凹部に対向する位置に、前記バッテリと前記制御装置とが厚さ方向に重ねられて配置されていてもよい。
上記構成によれば、バッテリと制御装置とが厚さ方向に重ねて配置されていることで、両者を接続するケーブルを短くできるとともに、座部又は背もたれへの組付性を良好にすることができ、さらに、最も深い凹部に対向する位置であることで、椅子の外側へのカバーの張り出し量を効果的に小さくすることができる。
【0015】
さらに、前記座部を下方から支持する支柱を備え、前記カバーの最も深い凹部は、前記支柱よりも前側であって椅子の幅方向の中央部に形成されていると好ましい。
上記構成によれば、支柱よりも前側に、カバーの最も深い凹部が形成されていることで、その位置に対向する位置にバッテリ又は制御装置を配置することができる。
このため、カバーを外して、支柱よりも前側からバッテリ又は制御装置に触れることができ、メンテナンス性が良好となる。
さらに、椅子の幅方向中央部に最も深い凹部が形成されていることで、椅子の幅方向にバランスよく形成されたカバーを採用することができ、意匠性を高めることができる。
【0016】
また、前記カバーは、椅子の幅方向に並んで配置された前記バッテリと前記制御装置とを覆っていてもよい。
上記構成によれば、バッテリと制御装置が椅子の幅方向に並んで配置されていることで、これらが上下方向又は前後方向に並んで配置されているものよりも、上下方向又は前後方向へのカバーの張り出しを抑えることができる。
【0017】
また、前記座部は、座部フレームと、該座部フレーム上に設けられたプレート部材と、を備え、前記座部フレームは、周辺よりも下方に突出して、椅子の幅方向に延在する下側フレーム部を有し、前記刺激装置及び前記制御装置に電力を供給するバッテリと前記制御装置とは、前記プレート部材の下方で前記下側フレーム部の前方にあるスペースに配設されていると好ましい。
上記構成によれば、プレート部材の下方で下側フレーム部の前方にあるスペースをバッテリと制御装置とを配設するスペースとして有効利用することができる。
【0018】
また、前記凹部は、前記バッテリ及び前記制御装置に対向する位置に複数形成されていてもよい。
上記構成によれば、凹部がバッテリ及び制御装置に対向する位置に複数形成されていることで、バッテリ及び制御装置が別々に座部又は背もたれに取り付けられている場合であっても、椅子の外側へのカバーの張り出し量を効果的に小さくすることができる。
【0019】
さらに、前記カバーには、前記刺激装置及び前記制御装置に電力を供給するバッテリを出し入れ可能な開口である入出口が形成されていると好ましい。
上記構成によれば、カバーに入出口が形成されていることで、カバーを本体部に取り付けたままバッテリを出し入れすることが可能となる。
【0020】
また、前記座部を下方から支持する支柱を備え、前記入出口は、前記支柱に対向する位置からずれた位置に形成されていると好ましい。
上記構成によれば、バッテリの出し入れの際に、支柱が邪魔になることを回避することができる。
【0021】
また、前記刺激装置及び前記制御装置に電力を供給するバッテリを備え、該バッテリは、充電ジャックを有する充電式バッテリであり、前記カバーには、前記充電ジャックを露出し、前記充電ジャックに接続される充電ケーブルを通すことができる通し口が形成されていると好ましい。
上記構成によれば、カバーに充電ジャックを通すことができる通し口が形成されていることで、カバーを本体部に取り付けたまま充電ケーブルを充電ジャックに挿し込んでバッテリを容易に充電することができる。
【0022】
また、前記座部を下方から支持する支柱を備え、前記通し口は、前記支柱に対向する位置からずれた位置に形成されていると好ましい。
上記構成によれば、バッテリの充電の際に、支柱が邪魔になることを回避することができる。
【0023】
また、前記座部を下方から支持する支柱と、該支柱に取り付けられた脚部と、前記充電ジャックに一端を接続され、他端に前記充電ケーブルを接続する充電コネクタを有する延長ケーブルと、を備え、前記カバーの前記通し口は、前記支柱に対向する位置に形成されており、前記延長ケーブルは、前記通し口を通って前記支柱に沿って前記脚部まで配設されており、前記充電コネクタは前記脚部に固定されていると好ましい。
上記構成によれば、座部から離間した位置にある脚部に固定された充電コネクタに充電ケーブルを接続してバッテリを充電できるため、充電ケーブルが着座者等の邪魔になることを防止できる。
【0024】
また、前記刺激装置又は前記センサと前記制御装置とはハーネスによって連結されており、前記カバーには、前記ハーネスを通すことができる他の通し口が形成されていると好ましい。
上記構成によれば、カバーにハーネスを通すことができる他の通し口が形成されていることで、カバーの内外にハーネスを通すことができるため、刺激装置、センサ及び制御装置の配置の自由度を高めることができる。
【0025】
また、前記座部を下方から支持する支柱を備え、前記他の通し口は、前記支柱に対向する位置からずれた位置に形成されていると好ましい。
上記構成によれば、カバーの他の通し口を介してのハーネス組み付けの際に、支柱が邪魔になることを回避することができる。
【0026】
また、前記座部を下方から支持する支柱を備え、前記他の通し口は、前記支柱に対向する面に形成されていてもよい。
上記構成によれば、カバーにおける着座者の脚から離れた支柱側に対向する面に他の通し口が形成されているので、着座者の脚に触れることによってハーネスが外れることを回避することができる。
【0027】
また、前記カバーには、前記覚醒機器の作動状態を切り替える作動スイッチ部、前記覚醒機器の作動状態を表示する作動表示部、及び前記刺激装置及び前記制御装置に電力を供給するバッテリの残量を示すバッテリ状態表示部の少なくともいずれかが取り付けられていると好ましい。
上記構成によれば、カバーに作動スイッチ部、作動表示部及びバッテリ状態表示部の少なくともいずれかが取り付けられていることにより、カバーを取り付けた状態で、覚醒機器の作動状態を変更することができ、また、作動状態を確認することができる。
【0028】
また、前記作動スイッチ部、前記作動表示部及び前記バッテリ状態表示部の少なくともいずれかは、前記背もたれに取り付けられた前記カバーの上部に取り付けられていると好ましい。
上記構成によれば、背凭れに取り付けられたカバーの上部に作動スイッチ部、作動表示部及びバッテリ状態表示部の少なくともいずれかが取り付けられていることにより、椅子の前に立った状態でも、覚醒機器の作動状態を変更することができ、また、作動状態を確認することができる。
【0029】
また、前記作動スイッチ部、前記作動表示部及び前記バッテリ状態表示部の少なくともいずれかは、前記座部に取り付けられた前記カバーの側部に取り付けられていると好ましい。
上記構成によれば、座部に取り付けられたカバーの側部に作動スイッチ部、作動表示部及びバッテリ状態表示部の少なくともいずれかが取り付けられていることにより、カバー側部には着座者の脚が位置しないため、作動スイッチ部の操作、及び作動表示部又はバッテリ状態表示部の視認が容易となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、覚醒機器を備える椅子が発熱装置により高温となることを回避して、着座者に不快感を与えることを回避できる。
さらに、本発明によれば、カバー内からカバー外への排熱性を高めることができる。
また、着座者の脚が排風に曝されることにより、着座者に不快感を与えることを回避できる。
また、本発明によれば、バッテリ及び制御装置を覆うカバーのサイズをコンパクトにすることができる。
また、本発明によれば、バッテリ又は制御装置のメンテナンス性を良好にすることができる。
また、本発明によれば、上下方向又は前後方向へのカバーの張り出しを抑えることができる。
また、本発明によれば、プレート部材の下方で下側フレーム部の前方にあるスペースをバッテリと制御装置を配設するスペースとして有効利用することができる。
さらに、本発明によれば、カバーを本体部に取り付けたままバッテリを出し入れすることが可能となる。
また、本発明によれば、バッテリの出し入れの際に、支柱が邪魔になることを回避することができる。
また、本発明によれば、カバーを本体部に取り付けたまま充電ケーブルを充電ジャックに挿し込んでバッテリを容易に充電することができる。
さらに、本発明によれば、バッテリの充電の際に、支柱が邪魔になることを回避することができる。
また、本発明によれば、充電ケーブルが着座者等の邪魔になることを防止できる。
また、本発明によれば、刺激装置、センサ及び制御装置の配置の自由度を高めることができる。
また、本発明によれば、カバーの通し孔を介してのハーネス組み付けの際に、支柱が邪魔になることを回避することができる。
また、本発明によれば、着座者の脚に触れることによってハーネスが外れることを回避することができる。
また、本発明によれば、カバーを取り付けた状態で、覚醒機器の作動状態を変更することができ、また、作動状態を確認することができる。
また、本発明によれば、椅子の前に立った状態でも、覚醒機器の作動状態を変更することができ、また、作動状態を確認することができる。
また、本発明によれば、ハーネスを外れにくくすることができる。
また、本発明によれば、作動スイッチ部の操作、及び作動表示部又はバッテリ状態表示部の視認が容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、椅子に関するものであり、特に、覚醒機器(居眠り防止機器)を備える椅子に関するものである。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
以下、本発明の一実施形態に係る脚付き椅子S、並びに脚付き椅子Sに設けられたECU7、バッテリ8及びこれらを保持する保持カバー71並びにこれらを覆う座部カバー51について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下において、前後方向は、椅子の前後方向を示すものとし、左右方向は椅子の左右方向を示すものとし椅子の幅方向ともいう。
【0033】
<全体構成について>
まず、
図1〜
図4を主に参照して、脚付き椅子Sの主な構成について説明する。ここで、
図1は、本発明の実施形態に係る脚付き椅子Sの外観図、
図2は、保持カバー71及び座部カバー51が取り付けられるクッションパンF21の下面を示す下側斜視図、
図3は、
図1のIII-III断面を示す模式的な断面図、
図4は、樹脂プレートF21dを示す平面図である。
脚付き椅子Sは、主に、脚部材F3と、脚部材F3に取り付けられて着座者の臀部を支持するクッションパンF21と、クッションパンF21に連結された背もたれ部であるバックパンF22と、覚醒機器Uとから構成されている。
【0034】
脚部材F3は、4本に分岐する足部F31と、足部F31に連続的に形成された支柱筒F30とから構成されて、主に樹脂材料から形成されている。
足部F31における4本に分岐したそれぞれの先端には、キャスターF31aが取り付けられている。
また、足部F31は、本実施形態においては4本に分岐する構成となっているが、3本以上に分岐する構成であってもよく、さらに、キャスターF31aを備えなくてもよい。
【0035】
支柱筒F30は、足部F31の中央に固定されて上方に延在している。支柱筒F30の中に、後述する支柱F21aが通されて固定される。
【0036】
クッションパンF21は、本発明に係る座部に相当するものであり、
図2に示すように、金属製の座部フレーム74と、座部フレーム74の上部に取り付けられた樹脂プレートF21dと、樹脂プレートF21dの上部に取り付けられた表皮付きパッド部F21eと、から構成されている。
【0037】
座部フレーム74は、シート幅方向に延在する下側フレーム部F21bと、下側フレーム部F21bよりも上側にあり、下側フレーム部F21bと十字に成すように交差して延在する上側フレーム部F21cと、から構成されている。
【0038】
下側フレーム部F21bは、クッションパンF21の後ろ側においてシート幅方向に延在しており、支柱F21aが通る下側フレーム部F21bの中央には、貫通孔F21fが形成されている。
【0039】
上側フレーム部F21cは、椅子の幅方向中央において椅子の前後方向に延在して、下側フレーム部F21bと溶接によって接合されている。上側フレーム部F21cの中央には、周囲に対して垂直に延在するパイプ状の支柱F21aが溶接等によって接合されている。
上側フレーム部F21cにおける下側フレーム部F21bに重ならない部位に、タッピングネジN1(
図5参照)を通す通し孔F21hが、前後に2つずつ形成されている。
具体的には、この通し孔F21hは、上側フレーム部F21c及び一体的に接合された下側フレーム部F21b、及び後述する保持カバー71を樹脂プレートF21dへ取り付けるタッピングネジN1を通すためのものである。
【0040】
図4に示す樹脂プレートF21dは、本発明に係るプレート部材及び本体部に相当し、着座者の臀部から伝わる熱を放熱するために、上下方向に形成された複数の抜き孔F21jを有する。この抜き孔F21jは、放熱機能を有するとともに、後述するハーネス11を樹脂プレートF21dの上下に挿通させる機能を有する。
樹脂プレートF21dの下面には、2個のファン50が座部フレーム74の前方に取り付けられている。
このように取り付けられたファン50は、座部フレーム74に取り付けられた後述する保持カバー71によって保持されるECU7及びバッテリ8を空冷する機能を有する。
【0041】
表皮付きパッド部F21eは、ウレタン等のクッション材から成るパッド部F21oと、パッド部F21oを覆う表皮44とから構成されており、表皮44とパッド部F21oの間に後述する呼吸センサ9が配設されている。
パッド部F21oには、
図3に示すように、ハーネス11を後述するECU7にガイドするガイド孔F21kが形成されている。
ガイド孔F21kは、パッド部F21oの上面に設けられた呼吸センサ9の前方から、ECU7の近傍へと、前方、且つ、下方に斜め延びるように形成されている。
【0042】
バックパンF22は、クッションパンF21の後部と連結されており、クッションパンF21から略鉛直上方に延在して形成されている。
バックパンF22は、樹脂プレートF22dと、樹脂プレートF22dの前側に取り付けられた表皮付きパッド部F22eと、樹脂プレートF22dの後ろ側に取り付けられた背もたれカバー55とから構成されている。
【0043】
樹脂プレートF22dは、本発明に係るプレート部材及び本体部に相当し、樹脂プレートF22dの裏面の中央には、
図1に示すように振動装置35が取り付けられている。この振動装置35は、詳細については後述するが、覚醒機器Uを構成部品であり、ECU7の制御信号に応じて着座者に振動刺激を付加するものである。
【0044】
表皮付きパッド部F22eは、表皮付きパッド部F21eと同様、ウレタン等のクッション材から成る図示せぬパッド部と、パッド部を覆う図示せぬ表皮とから構成されている。
【0045】
背もたれカバー55は、樹脂プレートF22d及び振動装置35を裏面から覆うものであり、上面に後述する操作スイッチU5、作動表示部U6及び充電状態表示部U7が取り付けられている。
この操作スイッチU5、作動表示部U6及び充電状態表示部U7は、ハーネスU8によってECU7と接続されている。
【0046】
<覚醒機器について>
次いで、覚醒機器Uについて説明する。
本実施形態に係る覚醒機器Uは、ECU7、バッテリ8、呼吸センサ9及び振動装置35から主に構成されている。
【0047】
振動装置35は、公知のアンバランスマスモータから成る所謂「振動モータ」を備える装置である。
【0048】
ECU7は、電気制御を総合的に実行する中枢機能であり、本例においては、呼吸の間隔を示すデジタル信号に変換された電位差信号を基に、振動装置35を駆動制御する機能を有する。
本実施形態に係るECU7は、演算制御用のCPU、ROM、RAM等を備えて構成された、ハード的には汎用のECUである。
ECU7には、コネクタ70が取り付けられおり、コネクタ70の接続口70aに、
図3に示す呼吸センサ9に接続されたハーネス11、並びに後述する操作スイッチU5、作動表示部U6及び充電状態表示部U7に接続された
図1に示すハーネスU8、振動装置35に接続された図示せぬハーネス、並びにバッテリ8に接続された図示せぬケーブルが接続されている。なお、
図3、後述の
図12は、ハーネスU8を省略した図である。
【0049】
なお、呼吸センサ9からハーネス11を介してECU7に入力される信号は、信号処理回路によってデジタル信号に変換された電位差信号であり、出力されるものは、振動装置35を駆動するための電力である。
RAMは、演算制御中の信号及び入出力される信号を含むパラメータを一時記憶するもので、デジタル信号に変換された電位差信号その他の信号を格納する格納部として機能する。
【0050】
ROMは、CPUが実行するプログラム及び所定値のパラメータを記憶するものであり、例えば、所定の基準値を設定する基準値設定部や、基準値に基づき覚醒状態を判定する判定部、振動装置35を駆動する駆動部等がプログラムとして記録されている。
この駆動部は、CPUの指示に応じて電力を供給することにより振動装置35を駆動する機能を有する。
このCPUの指示信号は、呼吸センサ9からの信号を演算することにより形成される。
つまり、呼吸センサ9から送信される信号により、着座者の覚醒状態を判断し、覚醒状態ではないと判断した場合に、振動装置35を駆動するための信号がCPUから発信されるよう構成されている。なお、当該構成は公知の構成が使用されていればよく、呼吸センサ9の代わりに心拍センサを用いるようにしてもよい。
【0051】
覚醒機器Uを構成するECU7は、
図3に示すように、保持カバー71によってクッションパンF21の下面側に取り付けられており、振動装置35は、
図1に示すように、バックパンF22の着座者側を向く面の中央部付近に取り付けられている。
【0052】
バッテリ8は、ECU7及び振動装置35に電力を供給する機能を有し、本実施形態においては板状に形成されている。バッテリ8は、後述する制御装置U1の下方に重ねて取り付けられており、前面に充電ジャック80aが形成されている。バッテリ8は、充電ジャック80aから図示せぬ充電ケーブルが接続されることによって家庭用電源から充電されるものである。そして、バッテリ8は、スマートフォン等の充電用に使用されるバッテリを転用することが可能である。
なお、バッテリ8は、給電式のものに限定されず、着脱式のものであってもよい。
【0053】
<ECU及びバッテリを保持する保持カバーについて>
次いで、
図1〜
図4に加え、
図5〜
図7を参照して、ECU7及びバッテリ8を保持する保持カバー71について説明する。
ここで、
図5は、脚付き椅子Sに取り付けられる制御装置U1、バッテリ8及び保持カバー71等の分解斜視図、
図6は、制御装置U1及びバッテリ8を保持した状態の保持カバー71を示す斜視図、
図7は、制御装置U1及びバッテリ8を保持する保持カバー71がクッションパンF21の下面に取り付けられた状態を示す模式的な正面図である。
【0054】
本実施形態においては、ECU7は、ベース部材72及びカバー部材73によって覆われて支持され、さらにバッテリ8とともに、保持カバー71によって保持されて上側フレーム部F21cに取り付けられる。なお、ECU7とベース部材72とカバー部材73とを組み合わせたユニットを制御装置U1ともいう。
【0055】
図5に示すように、ベース部材72とカバー部材73とは、ECU7を格納した状態で固定ネジN2によって締結され、バッテリ8の上に積層されて、収容凹溝71a内に保持される。
保持カバー71は、本発明に係るカバーの一に相当するものであり、上方が開放されており鉛直断面が略コ字形状である収容凹溝71aを備え、樹脂材料で形成されている。保持カバー71は、
図6に示すように、収容凹溝71a内にバッテリ8と制御装置U1を保持する。
【0056】
また、保持カバー71は、開口71iを前側に有しており、開口71iによって、収容凹溝71a内に保持されたECU7のコネクタ70の接続口70a及びバッテリ8が露出するように形成されている。
このように保持カバー71に開口71iが形成されていることで、保持カバー71によってECU7及びバッテリ8を保持した状態で、各装置の電気的接続が可能となる。
そして、保持カバー71は、開口71iが前方に向くように、上側フレーム部F21cに取り付けられていることで、着座者は、ハーネス11、図示せぬ充電ケーブル等の抜き差しを、保持カバー71の後方にある支柱筒F30が邪魔になることなく、脚付き椅子Sに座った状態で行うことができる。
【0057】
特に、バッテリ8が着脱交換式の場合には、開口71iは、バッテリ8の入出口としても機能することとなる。
一方、バッテリ8が充電式である場合には、開口71iは、バッテリ8の充電ジャック80aを露出させることにより、充電ジャック80aに挿し込まれる図示せぬ充電ケーブルの通し口として機能することとなる。
同様に、開口71iは、コネクタ70の接続口70aを露出させることにより、接続口70aに挿し込まれるハーネス11又は後述するハーネスU8の通し口として機能することとなる。
【0058】
なお、開口71iをバッテリ8の入出口、図示せぬ充電ケーブル又はハーネス11若しくはハーネスU8の通し口として機能させるため、バッテリ8の出し入れ等の障害となる支柱F21aに開口71iが対向しない向きで、保持カバー71が取り付けられていればよい。つまり、開口71iが支柱F21aに対向する向きでなければ、前方だけでなく、側方や後方に開口71iが向くように、保持カバー71が取り付けられてもよい。
【0059】
また、保持カバー71における椅子の幅方向両側の内壁には、下部が椅子の幅方向に長く形成されたL字状のリブ71dが椅子の前後方向に複数並んで形成されている。このリブ71d上に、後述するベース部材72が載置される。椅子の幅方向にある一対のリブ71dの下部は、椅子の幅方向において、バッテリ8が間に収まるようにバッテリ8の長さよりも長い間隔で形成されており、バッテリ8の上下方向の厚さよりも高い高さで形成されている。
さらに、保持カバー71の椅子の前後方向における最前にあるリブ71eは、他のリブ71dよりも上部が椅子の幅方向に張り出して形成されている。より具体的には、椅子の幅方向両側にある一対のリブ71e間の長さは、後述するカバー部材73における椅子の幅方向の長さよりも短く設定されている。
このため、ECU7を覆って保持カバー71に保持されたカバー部材73は、リブ71eによって前方への移動を制限されることとなる。
【0060】
保持カバー71の側面に設けられた前後方向に隣接するリブ71dの間には、上下に延在する方形状のスリット71hが形成されている。なお、保持カバー71の後面にも同様の間隔でスリット71hが形成されている。
このように、スリット71hが形成されていることで、保持カバー71の内部と外部との空気の流通を可能とし、保持カバー71に保持されるECU7及びバッテリ8の放熱性を高めることができる。
特に、保持カバー71の後面に形成されたスリット71hによって、保持カバー71の前方にあるファン50からの送られる風が後方へ流れることとなり、放熱性が高まることとなる。
なお、スリット71hの一部を、開口71iの代わりに、図示せぬ充電ケーブル、又はハーネス11又はハーネスU8の通し口として機能させるようにしてもよい。
【0061】
ベース部材72及びカバー部材73は、鉛直断面が略コ字形状の枠体である。
詳細には、ベース部材72は、略コ字形状の断面を有して、幅方向長さよりも長く前後方向に延在している。ベース部材72の側面には、複数のパンチ孔72aが形成されており、空気を流通可能とすることで、内部に支持するECU7の放熱性が高められている。
一方、カバー部材73は、略コ字形状の断面を有して、前後方向長さよりも長く幅方向に延在している。
特に、カバー部材73の前面には、ECU7のコネクタ70を露出させて、コネクタ70によってECU7と呼吸センサ9又は振動装置35とを接続するため、方形状の切り欠きが形成されている。
これらは、上下に重ね合わせられることで、内部にECU7の格納空間を形成する。
そして、ベース部材72とカバー部材73とは、ECU7を格納した状態で固定ネジN2によって締結され、バッテリ8の上に積層されて、収容凹溝71a内に保持される。
【0062】
なお、ベース部材72が前後に間隔を空けて配置されたリブ71d上に載置されることで、ECU7から生じる熱を帯びた空気は、ベース部材72のパンチ孔72aを介してリブ71dの間を通ることとなる。このため、ECU7の放熱性を良好にすることができる。
さらに、リブ71dの下部がバッテリ8の上下方向の厚さよりも高い高さで形成されていることで、リブ71d上に配置される保持カバー71とバッテリ8とを離間させることができる。
このように、保持カバー71とバッテリ8とが離間して配置されることで、両者の間の熱が直接的に伝わることを防止し、両者相互の温度上昇を抑制することができる。
【0063】
制御装置U1は、バッテリ8とともに保持カバー71の収容凹溝71a内に格納されている。この状態で、保持カバー71は、タッピングネジN1により、クッションパンF21に留め付けられる。
【0064】
特に、保持カバー71は、下側フレーム部F21bの前方であり、樹脂プレートF21dの下方にある上側フレーム部F21cに取り付けられており、下側フレーム部F21bの前にあるスペースが有効活用されている。このように保持カバー71が取り付けられることで、樹脂プレートF21dの下方への張り出しを抑制して、着座者の脚の置き場を狭めることを抑制することができる。
【0065】
<樹脂プレートを覆う座部カバーについて>
上記実施形態においては、制御装置U1及びバッテリ8を保持し、保護するものとして保持カバー71について説明した。さらに保護能力を高めるとともに、美観を良好にするために、保持カバー71をとともに樹脂プレートF21dを覆う座部カバー51を取り付けるようにしてもよい。
【0066】
次に、樹脂プレートF21dを裏面から覆う座部カバー51について、
図3に加えて、
図8〜
図11を参照して説明する。
ここで、
図8は、樹脂プレートF21dの下面に座部カバー51を取り付けた状態を示す模式的な正面図、
図9は、制御装置保持カバー77とバッテリ保持カバー78が樹脂プレートF21dの下面に取り付けられた状態を示す模式的な正面図、
図10は、座部カバー51の上部を示す上側斜視図、
図11は、座部カバー51を側面から示す模式的な側面図である。
【0067】
座部カバー51は、樹脂材料から成り椀形状を有する。座部カバー51は、前面上部にスリット51a、前面の下部にバッテリ8を露出させる長孔状の開孔51c、後面には排気口51b(
図3参照)を有する。
【0068】
スリット51aは、制御装置U1及びバッテリ8を空冷するために、外気を座部カバー51内に導入するためのものであり、椅子の幅方向に延在して上下に二本形成されている。
そして、
図3に示すように、スリット51aに対向する位置にファン50が配設されていることで、より外気の取り込みが促進されることとなる。
【0069】
開孔51cは、バッテリ8を露出させて、バッテリ8の出し入れ、又は図示せぬ充電ケーブルと充電ジャック80aとの接続を、座部カバー51で保持カバー71を覆った状態で可能とするものである。開孔51cは、前後方向に貫通してスリット51aの下方に椅子の幅方向に延在している。なお、開孔51cは、スリット51aとともに外気の取り込み口としても機能する。
さらに、スリット51a又は開孔51cを、図示せぬ充電ケーブル、ハーネス11又はハーネスU8の通し口として機能させるようにしてもよい。
なお、座部カバー51は、バッテリ8の出し入れ等の障害となる支柱F21aに開孔51cが対向しない向きで樹脂プレートF21dに取り付けられていればよい。つまり、開孔51cが支柱F21aに対向する向きでなければ、前方だけでなく、側方や後方に開孔51cが向くように、座部カバー51が取り付けられてもよい。
【0070】
排気口51bは、スリット51a又は開孔51cから取り込まれた空気を座部カバー51の外部へ排気するためものである。
このように、スリット51a又は開孔51cから取り込まれ、ECU7又はバッテリ8を通って熱を帯びた空気を座部カバー51の外部へ排気することにより、ECU7及びバッテリ8の熱を放散させることが可能となる。
【0071】
また、上記実施形態に係る保持カバー71においては、上下に制御装置U1とバッテリ8とをまとめて保持する構成であったが、別々に保持するカバーを採用してもよい。
例えば、
図9に示すように、制御装置U1を保持する制御装置保持カバー77と、バッテリ8を保持するバッテリ保持カバー78とが、椅子の幅方向に並んで取り付けられていてもよい。
このように制御装置保持カバー77及びバッテリ保持カバー78が取り付けられていることで、上下に制御装置U1とバッテリ8とを重ねて保持する保持カバー71よりも、樹脂プレートF21dの下方への両カバーの張り出しを抑制することができる。これに伴って、これらを覆う座部カバー53の下方への張り出しも抑制することができる。
【0072】
そして、座部カバー51及び座部カバー53には、保持カバー71又は制御装置保持カバー77及びバッテリ保持カバー78に対向する部分に凹部が形成されている。
例えば、座部カバー53における凹部として、
図10に示すように、制御装置保持カバー77に対向する部位に制御装置収容部53a、バッテリ保持カバー78に対向する部位にバッテリ収容部53bが形成されており、それ以外の部位に、複数のリブ53cが形成されている。座部カバー53は、リブ53cが複数形成されていることにより、軽量、且つ、高い剛性を有する。
【0073】
制御装置収容部53aは、制御装置保持カバー77に、バッテリ収容部53bは、バッテリ保持カバー78に応じた形状を有している。
具体的には、本実施形態にように、制御装置保持カバー77の下面が、バッテリ保持カバー78の下面よりも低い位置にある場合には、制御装置収容部53aが、バッテリ収容部53bよりも深く形成されている。
そして、制御装置収容部53aは、座部カバー53が樹脂プレートF21dに取り付けられた状態において、制御装置収容部53aの底面が制御装置保持カバー77の下面よりも若干低い位置に位置するように形成されている。
同様に、バッテリ収容部53bは、座部カバー53が樹脂プレートF21dに取り付けられた状態において、バッテリ収容部53bの底面がバッテリ保持カバー78の下面よりも若干低い位置に位置するように形成されている。
【0074】
このように制御装置収容部53a及びバッテリ収容部53bが形成されていることで、樹脂プレートF21dに制御装置保持カバー77及びバッテリ保持カバー78が取り付けられた状態で、これらに阻害されずに樹脂プレートF21dに座部カバー53を取り付けることが可能となる。
この場合に、制御装置収容部53aが他の部位よりも最も深く形成されていることで、座部カバー53の下方への張り出し量を最も小さくすることができ、座部カバー53の下方にある着座者の脚の置き場を広くすることができる。
【0075】
上記の制御装置保持カバー77を収容する制御装置収容部53a、及びバッテリ保持カバー78を収容するバッテリ収容部53bを有し、リブ53cを備える座部カバー53と同様に、座部カバー51にも保持カバー71を覆う図示せぬ凹部、及びリブを形成するようにできる。
この場合には、保持カバー71、換言すると図示せぬ凹部は、椅子の幅方向中央に配置されていると好ましい。このような構成によれば、椅子の幅方向についての重量のバランスがとれることとなる。
【0076】
さらに、バックパンF22側に、制御装置U1又はバッテリ8が取り付けられる場合には、上記の座部カバー51,53同様の構成を背もたれカバー55に適用することが可能である。
【0077】
(座部カバーに設けられた表示部について)
図11に示す座部カバー51の側面には、操作スイッチU5、作動表示部U6及び充電状態表示部U7が取り付けられている。
【0078】
操作スイッチU5は、覚醒機器Uを作動又は停止させるための押しボタン式の操作スイッチであり、座部カバー51の不図示の嵌合穴に嵌め込まれて取り付けられている。
【0079】
作動表示部U6は、覚醒機器Uが作動又は停止していることを表示する表示ランプであって、正常に作動している場合には青色を表示し、作動しているが何らかの不具合が生じている場合には黄色を表示し、停止している場合には消灯するように構成されている。
【0080】
充電状態表示部U7は、バッテリ8の充電状態を表示する表示ランプであって、バッテリ8が十分に充電されている場合には青色を表示し、充電残量が所定値以下となった場合には赤色を表示し、充電残量がなくなった場合には消灯するように構成されている。
作動表示部U6及び充電状態表示部U7は、
図11に示すように、座部カバー51の側面に取り付けられており、操作スイッチU5を挟む位置に配置されている。
【0081】
このように、操作スイッチU5が取り付けられていることで、覚醒機能のオンオフを座った状態で着座者が操作可能となり、操作性が向上する。
また、作動表示部U6及び充電状態表示部U7が設けられていることで、覚醒機能の作動状態、バッテリ8の充電状態を確認することができるため使用しやすくなる。
【0082】
なお、操作スイッチU5、作動表示部U6及び充電状態表示部U7は、
図1に示すように、背もたれカバー55の上端部分に設けられた不図示の嵌合穴に嵌め込まれて取り付けられていてもよく、双方のカバーに取り付けられてもよい。
【0083】
<変形例>
最後に、
図12を参照して、変形例に係る座部カバー54について説明する。
ここで、
図12は、変形例に係る座部カバー54を示す
図1のIII-III断面を示す模式的な断面図である。
【0084】
変形例に係る座部カバー54は、樹脂プレートF21dの下面における支柱F21aの前側のみを覆うように形成され、取り付けられている。
座部カバー54の後面における支柱F21aに対向する位置に、
図5に示すバッテリ8の充電ジャック80aを露出させる通し口54aが形成されている。
そして、バッテリ8は、充電ジャック80aが支柱F21aに対向する後方に向くように保持カバー71に保持されており、保持カバー71には、後方に、充電ジャック80aを露出させる通し口75aが形成されている。
【0085】
また、支柱F21aにおける座部カバー54に対向する前側には、外部と内部空間とに連通する貫通孔F21nが形成されている。
つまり、座部カバー54が保持カバー71を覆っている状態において、通し口54aと通し口75aと貫通孔F21nが対向しており、これらを通って延長ケーブル66が支柱F21aの内部に通されている。
【0086】
図1に示すように、脚部材F3におけるキャスターF31aの上方にある足部F31の先端に充電コネクタ65が配設されている。
延長ケーブル66が、充電ジャック80aと充電コネクタ65とに接続されている。
このような構成により、床に近い足部F31先にある充電コネクタ65に充電ケーブルを挿し込むようにして、バッテリ8への充電が可能となるため、充電ケーブルが周辺を通る者の邪魔にならずに使いやすいものとなる。
また、着座者は、クッションパンF21の下面近傍よりも足部F31の先端の方が容易に目視でき、図示せぬ充電ケーブルを充電コネクタ65に容易に接続することができる。
【0087】
なお、延長ケーブル66を通すための通し口75aと同様に、座部カバー54の後面であって支柱F21aに対向する部位に、ハーネス11や振動装置35に繋がる図示せぬハーネスを座部カバー54の後方へと通すための通し口を形成するようにしてもよい。
このように、支柱F21aに対向する位置に通し口が形成されていることで、メンテナンス以外で触れる機会の少ないハーネスの接続部を、着座者に触れづらくすることが可能となる。
また、この変形例においても、座部カバー54は任意の構成要素であることは当然である。
【0088】
なお、スリット51a又は開孔51cをバッテリ8の入出口、図示せぬ充電ケーブル又はハーネス11若しくはハーネスU8の通し口として機能させるため、バッテリ8の出し入れ等の障害となる支柱F21aにスリット51a又は開孔51cが対向しない向きで、座部カバー51,53,54が取り付けられていればよい。つまり、スリット51a又は開孔51cが支柱F21aに対向する向きでなければ、前方だけでなく、側方や後方にスリット51a又は開孔51cが向くように、座部カバー51,53,54が取り付けられてもよい。
【0089】
なお、上記実施形態においては、樹脂プレートF21dの下面にファン50が取り付けられるものとして説明したが、ECU7又はバッテリ8を冷却できれば、この構成に限定されない。
例えば、座部カバー51にファン50を取り付けるようにしてもよい。座部カバー51にファン50を取り付けるようにすると、樹脂プレートF21dが金属製でありタッピングが困難である等によりファン50を取り付けできない場合に有効である。
また、保持カバー71のスペースを設け、そのスペースにファン50を取り付けるようにしてもよい。保持カバー71にファン50を取り付けるようにすると、ファン50に接続するECU7の近くに配置されることとなるため、配線をコンパクトにまとめることが可能となる。