特許第6963306号(P6963306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963306
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】海苔製造機
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20211025BHJP
【FI】
   A23L17/60 103H
   A23L17/60 103D
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-99877(P2018-99877)
(22)【出願日】2018年5月24日
(65)【公開番号】特開2019-201595(P2019-201595A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2020年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000210241
【氏名又は名称】竹下産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】諌山 光雄
(72)【発明者】
【氏名】平川 式邦
【審査官】 澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−178549(JP,A)
【文献】 特開昭53−091177(JP,A)
【文献】 実公昭47−038621(JP,Y1)
【文献】 特開2008−029263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L17/00−17/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔簀を間欠搬送装置で間欠的に搬送しながら海苔簀に抄製した海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機において、
前記間欠搬送装置に、間欠搬送直後の停止位置で海苔簀の搬送方向への進行を阻止するための海苔簀進行阻止手段を設け
前記間欠搬送装置は、海苔簀を搬送するための無端状の搬送チェーンを駆動軸と従動軸との間に巻回し、前記駆動軸に前記海苔簀進行阻止手段を設け、
前記海苔簀進行阻止手段は、前記間欠搬送装置の前記駆動軸の停止時に駆動軸がさらに正転するのを阻止するために前記駆動軸に設けたラチェット機構であり、更に、前記ラチェット機構と機械的に連動する別のラチェット機構を前記駆動軸に設け、前記別のラチェット機構は、前記間欠搬送装置の前記駆動軸が駆動方向とは反対側に回転するのを阻止するためのものであることを特徴とする海苔製造機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔生地から乾燥海苔を製造するために用いられている海苔製造機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より海苔製造機は、海苔簀に海苔生地を抄製するための抄製装置が設けられた製造機と、海苔簀に抄製された海苔生地を乾燥させて乾燥海苔とするための乾燥機とを有している。
【0003】
製造機には、海苔簀を間欠的に搬送するための間欠搬送装置が設けられており、間欠搬送装置で海苔簀を間欠的に搬送しながら抄製装置で海苔簀に海苔生地を抄製する。また、乾燥機にも、海苔簀を間欠的に搬送するための間欠搬送装置が設けられており、間欠搬送装置で海苔簀を間欠的に搬送しながら海苔生地を乾燥させる。なお、通常、複数枚の海苔簀が一つの簀枠に並べて張設されており、間欠搬送装置で簀枠を間欠的に搬送することで複数枚の海苔簀を同時に間欠的に搬送するようになっている。
【0004】
そして、製造機で海苔生地が抄製された海苔簀は、一旦、製造機から乾燥機に簀枠ごと受け渡され、乾燥機で海苔生地の乾燥を行った後に、再び、乾燥機から製造機に簀枠ごと受け渡され、製造機に設けられた剥離装置で各海苔簀から乾燥した海苔生地(乾燥海苔)を剥ぎ取るようにしている。
【0005】
このように、海苔製造機では、製造機と乾燥機との間で海苔簀を受け渡す必要があるために、乾燥機の間欠搬送装置が停止している間に製造機の間欠搬送装置で海苔簀を搬送することで海苔簀を製造機から乾燥機に受け渡し、また、製造機の間欠搬送装置が停止している間に乾燥機の間欠搬送装置で海苔簀を搬送することで海苔簀を乾燥機から製造機に受け渡すように作動させている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−29263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の海苔製造機では、大量の乾燥海苔を製造できるようにすることが望まれている。そのため、海苔製造機では、一つの簀枠に張設される海苔簀の数を増大させたり、複数の簀枠に張設された海苔簀に同時に海苔生地を抄製するとともに複数の簀枠(多くの海苔簀)を一時期に製造機と乾燥機との間で受け渡すように作動させている。
【0008】
ところが、間欠搬送装置で間欠的に搬送する海苔簀の個数が増大すると、それに伴って間欠搬送装置で間欠的に搬送する重量も増大することになる。
【0009】
そのため、間欠搬送装置が停止動作を行う際に多大な重量による慣性力が作用することになり、間欠搬送装置を所望の状態で停止させることが困難となって所定の停止位置よりも進行方向側(搬送方向側)にずれた位置で停止してしまい、抄製装置による海苔簀への海苔生地の抄製や製造機と乾燥機との間での海苔簀の受け渡しや剥離装置による海苔簀からの乾燥海苔の剥離などに支障を来たし、海苔製造機の動作が不安定なものとなってしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、請求項1に係る本発明では、海苔簀を間欠搬送装置で間欠的に搬送しながら海苔簀に抄製した海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機において、前記間欠搬送装置に、間欠搬送直後の停止位置で海苔簀の搬送方向への進行を阻止するための海苔簀進行阻止手段を設け、前記間欠搬送装置は、海苔簀を搬送するための無端状の搬送チェーンを駆動軸と従動軸との間に巻回し、前記駆動軸に前記海苔簀進行阻止手段を設け、前記海苔簀進行阻止手段は、前記間欠搬送装置の前記駆動軸の停止時に駆動軸がさらに正転するのを阻止するために前記駆動軸に設けたラチェット機構であり、更に、前記ラチェット機構と機械的に連動する別のラチェット機構を前記駆動軸に設け、前記別のラチェット機構は、前記間欠搬送装置の前記駆動軸が駆動方向とは反対側に回転するのを阻止するためのものであることにした。
【発明の効果】
【0013】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0014】
すなわち、本発明では、海苔簀を間欠搬送装置で間欠的に搬送しながら海苔簀に抄製した海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機において、前記間欠搬送装置に、間欠搬送直後の停止位置で海苔簀の搬送方向への進行を阻止するための海苔簀進行阻止手段を設けているために、間欠搬送装置で間欠的に搬送する海苔簀の個数が増大して間欠搬送装置で搬送する重量が増大しても、海苔簀を所定の停止位置で停止させることができるので、抄製装置による海苔簀への海苔生地の抄製や製造機と乾燥機との間での海苔簀の受け渡しや剥離装置による海苔簀からの乾燥海苔の剥離などを円滑に行うことができ、海苔製造機の動作を安定させることができる。
【0015】
特に、海苔簀を搬送するための無端状の搬送チェーンを駆動軸と従動軸との間に巻回し、駆動軸に海苔簀進行阻止手段を設けた場合には、より一層精度良く海苔簀を所定の停止位置で停止させることができる。
【0016】
また、駆動軸を間欠駆動するためのラチェット機構と機械的に連動するラチェット機構を駆動軸に設けた場合には、より一層確実に海苔簀を所定の停止位置で停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る海苔製造機を示す側面模式図。
図2】海苔製造機の駆動系を示すブロック図。
図3】海苔簀進行阻止手段を示す正面説明図(a)及び側面説明図(b)。
図4】海苔簀進行阻止手段を示す動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る海苔製造機の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、海苔製造機1は、製造機2と乾燥機3とを前後に並べて配置している。これら製造機2及び乾燥機3には、複数枚の海苔簀4を左右幅方向に並べて着脱自在に張設した簀枠5を間欠的に搬送するための間欠搬送装置6,7,8が設けられている。
【0020】
海苔簀4は、簀枠5ごと製造機2の間欠搬送装置6で製造機2の上部前端から上部後端まで搬送された後に、製造機2の間欠搬送装置6から乾燥機3の上側の間欠搬送装置7に受け渡される。その後、海苔簀4は、簀枠5ごと乾燥機3の上側の間欠搬送装置7で乾燥機3の上部前端から上部後端まで搬送された後に、乾燥機3の上部後端で下方に折り返され、乾燥機3の中途部後端から中途部前端まで搬送され、乾燥機3の中途部前端で乾燥機3の上側の間欠搬送装置7から下側の間欠搬送装置8に受け渡される。その後、海苔簀4は、簀枠5ごと乾燥機3の下側の間欠搬送装置8で乾燥機3の中途部前端から中途部後端まで搬送された後に、乾燥機3の中途部後端で下方に折り返され、乾燥機3の下部後端から下部前端まで搬送され、乾燥機3の下部前端で乾燥機3の下側の間欠搬送装置8から再び製造機2の間欠搬送装置6に受け渡される。その後、海苔簀4は、簀枠5ごと製造機2の間欠搬送装置6で製造機2の下部後端から下部前端まで搬送された後に、製造機2の下部前端で上方に折り返される。これにより、海苔製造機1には、海苔簀4を簀枠5ごと連続して搬送する搬送経路が形成されることになる。
【0021】
搬送経路には、製造機2に設けた抄製装置9、脱水装置10、乾燥機3に設けた乾燥装置11、製造機2に設けた剥離装置12が順に配置されている。海苔製造機1は、間欠搬送装置6,7,8、抄製装置9、脱水装置10、乾燥装置11、剥離装置12を駆動系(図2参照。)によって連動して動作するよう制御している。
【0022】
そして、海苔製造機1は、複数の海苔簀4を簀枠5ごと搬送経路に沿って搬送していき、抄製装置9で各海苔簀4の上面に生海苔と水分とからなる海苔生地を所定形状(たとえば、正方形)に抄製した後に、脱水装置10で海苔生地の脱水を行い、その後、乾燥装置11で海苔生地を熱風によって強制的に乾燥させて乾燥海苔とした後に、剥離装置12で各海苔簀4から乾燥した乾燥海苔を剥離し、その後、再び海苔簀4を簀枠5ごと抄製装置9に搬送する動作を連続して繰り返し行う。これにより、海苔製造機1は、海苔生地から乾燥海苔を連続して、しかも、複数枚の乾燥海苔を同時に製造する。
【0023】
この海苔製造機1において、海苔簀4(簀枠5)の搬送は、搬送と停止を定期的に行うことで間欠的に搬送する間欠搬送装置6,7,8で行われる。そして、製造機2に設けられた間欠搬送装置6で海苔簀4の搬送を停止している間に、抄製装置9と脱水装置10と剥離装置12とを動作させるとともに、乾燥機3に設けられた間欠搬送装置7,8で海苔簀4の搬送を行う。その際に、乾燥機3の下側の間欠搬送装置8から製造機2の間欠搬送装置6に海苔簀4を簀枠5ごと受け渡す。また、乾燥機3に設けられた間欠搬送装置7,8で海苔簀4の搬送を停止している間に、製造機2に設けられた間欠搬送装置6で海苔簀4の搬送を行う。その際に、製造機2の間欠搬送装置6から乾燥機3の上側の間欠搬送装置7に海苔簀4を簀枠5ごと受け渡す。
【0024】
各間欠搬送装置6,7,8は、駆動軸13,14,15と従動軸16,17,18との間に海苔簀4を簀枠5ごと搬送するための無端状の搬送チェーン19,20,21を巻回している。なお、製造機2の搬送チェーン19には、係止爪が設けられており、係止爪で簀枠5の端部を係止して簀枠5を搬送する。また、乾燥機3の搬送チェーン20,21には、支持体が設けられており、支持体で簀枠5の端部を支持して簀枠5を搬送する。
【0025】
これらの間欠搬送装置6,7,8は、図2に示すように、モーター等の駆動源22に歯車等で構成された連動機構23とゼネバ機構等で構成された間欠駆動機構24,25,26とを介して接続されており、駆動源22での連続的な駆動を間欠駆動機構24,25,26で所定のタイミングで所定の停止及び動作(間欠動作)を繰り返し連続して行うように変換し、各間欠駆動機構24,25,26に連動連結した駆動軸13,14,15が各間欠駆動機構24,25,26によって間欠的に駆動される。これにより、各間欠搬送装置6,7,8は、所定のタイミングで搬送及び停止を繰り返し連続して行い、海苔簀4を簀枠5ごと間欠的に搬送する。なお、連動機構23には抄製装置9や脱水装置10や剥離装置12なども連動連結されている。そして、これらの駆動源22や連動機構23や間欠駆動機構24,25,26はコンピューター等で構成された制御手段で制御されている。
【0026】
そして、乾燥機3の上側の間欠搬送装置7には、海苔簀4を簀枠5ごと搬送し停止した時(間欠搬送直後)の所定の停止位置において海苔簀4の搬送方向(進行方向)への進行を機械的に阻止するための海苔簀進行阻止手段27が設けられている。なお、ここでは乾燥機3の上側の間欠搬送装置7にだけ海苔簀進行阻止手段27を設けているが、これに限られず、製造機2の間欠搬送装置6や乾燥機3の下側の間欠搬送装置8に海苔簀進行阻止手段を設けてもよい。
【0027】
この海苔簀進行阻止手段27は、海苔簀4を所定時間だけ搬送した後に停止する時に、海苔簀4や海苔生地や簀枠5などの重量に応じて作用する慣性力に対抗して、所定の停止位置で海苔簀4の搬送方向への進行を機械的に阻止することができる手段であればよく、間欠搬送装置7の搬送チェーン20を強制的に挟持する機構や海苔簀4又は簀枠5を強制的に保持する機構などでもよく、また、間欠搬送装置7の駆動軸14や従動軸17に取付けたディスクブレーキ機構やバンドブレーキ機構やラチェット機構などでもよい。
【0028】
たとえば、間欠搬送装置7の駆動軸14にラチェット機構で構成した海苔簀進行阻止手段27を設ける場合には、駆動軸14の設けられている既存の駆動用のラチェット機構と機械的に連動させた構成とすることができる。
【0029】
図3に示すように、乾燥機3の上側の間欠搬送装置7には、乾燥機3の筐体の前端上部に回動自在に支持された乾燥機3の左右幅方向に水平状に伸延する駆動軸14が設けられている。この駆動軸14には、駆動軸14を間欠的に駆動(回動)させるラチェット機構が設けられている。この駆動用のラチェット機構は、駆動軸14の端部にラチェット歯車28を取付けるとともに、ラチェット歯車28に対して送り爪29と歯止め爪30とを接離(接近・離反)可能に設けている。ラチェット歯車28は、駆動方向(正規の回転方向:図3において反時計回りの方向)に向けて傾斜する歯を形成している。送り爪29は、駆動軸14に対して同軸状に上下に回動(遊動)する支持板31に上下回動自在に取付けられており、支持板31には、間欠駆動機構25に設けられた所定のタイミングで上下に揺動する揺動駆動体32が上下回動自在に接続されている。また、歯止め爪30は、乾燥機3の筐体に対して上下回動自在に取付けられており、下方へ向けて(図3において反時計回りに)付勢されている。これにより、駆動用のラチェット機構は、間欠駆動機構25によって揺動駆動体32を上下に揺動させることで支持板31を介して送り爪29でラチェット歯車28(駆動軸14)を所定角度ずつ間欠的に回転させ、停止時にラチェット歯車28に歯止め爪30が当接してラチェット歯車28(駆動軸14)が反転(図3において時計回りの方向への回転)しないようにしている。ここで、歯止め爪30による駆動軸14の回動阻止は、海苔簀進行阻止手段27とは逆に、駆動軸14が駆動方向とは反対側に回転するのを阻止して、海苔簀4が搬送方向(進行方向)とは反対方向へ向けて逆行するのを阻止する手段(海苔簀逆行阻止手段)として機能している。
【0030】
そして、海苔簀進行阻止手段27は、駆動軸14にラチェット歯車33を取付けるとともに、ラチェット歯車33に対して停止爪34を接離(接近・離反)可能に設けている。ラチェット歯車33は、駆動用のラチェット歯車28とは逆向きに駆動方向とは反対方向(正規の回転方向とは反対方向:図3において時計回りの方向)に向けて傾斜する歯を形成している。また、停止爪34は、乾燥機3の筐体に対して上下回動自在に取付けられており、下方へ向けて(図3において時計回りに)付勢されている。さらに、海苔簀進行阻止手段27は、支持板31に左右幅方向に伸延する棒状の解除体35を取付けている。解除体35は、支持板31の回動に伴って停止爪34と接離(接触・離反)可能となっており、停止爪34と接触しながら停止爪34を上下に回動させることができるようになっている。
【0031】
この海苔簀進行阻止手段27は、間欠駆動機構25によって駆動軸14を所定角度だけ正転させた(海苔簀4を所定時間だけ搬送した)直後の停止状態(図3及び図4(a)に示す状態。)において、ラチェット歯車33に停止爪34が当接して、駆動軸14がさらに正転するのを阻止して、停止状態のまま海苔簀4の搬送方向への進行を強制的に阻止するようにしている。
【0032】
間欠搬送装置7は、図4(a)に示すように、海苔簀4を搬送後の停止状態では、駆動用のラチェット歯車28に歯止め爪30が当接してラチェット歯車28(駆動軸14)が反転しないようにしている。その後、間欠駆動機構25の揺動駆動体32が上方へ揺動するのに伴って支持板31が駆動軸14を中心に上方へ回動していき、それに伴って、送り爪29が上方へ移動していく。その途中で、図4(b)に示すように、支持板31の上方への回動によって解除体35が停止爪34の中途部に当接する。その後、支持板31がさらに上方へ回動することで解除体35によって停止爪34が付勢力に抗して強制的に上方へ回動されることでラチェット歯車33から離反されて、図4(c)に示すように、海苔簀進行阻止手段27による阻止状態が解除され、また、送り爪29がラチェット歯車28に噛合(係止)した状態となる。その後、図4(d)に示すように、間欠駆動機構25の揺動駆動体32が下方へ揺動するのに伴って支持板31が駆動軸14を中心に下方へ回動していき、それに伴って、送り爪29でラチェット歯車28(駆動軸14)を所定の角度だけ正転させる。その際に、ラチェット歯車28の回転(正転)によって歯止め爪30が付勢力に抗して上方へ移動し、また、支持板31の下方への回動によって解除体35が下方へ移動し、それに伴って、停止爪34が付勢力によって下方へ移動する。そして、間欠搬送装置7は、送り爪29でラチェット歯車28(駆動軸14)を所定の角度だけ正転させることで海苔簀4を搬送した後に、再び図4(a)に示す停止状態となる。間欠搬送装置7は、上記一連の動作を繰り返し連続して行う。
【0033】
海苔製造機1では、間欠搬送装置7によって海苔簀4を所定時間搬送した後の停止状態において、間欠搬送装置7(駆動軸14)の正転及び逆転を停止し、その停止状態が保持される間(図4(a)で示す状態から図4(b)に示す状態になるまでの間)に間欠搬送装置6によって海苔簀4を所定時間搬送することで、海苔簀4を製造機2の間欠搬送装置6から乾燥機3の間欠搬送装置7に受け渡すようにしている。そして、海苔製造機1では、間欠搬送装置6によって海苔簀4を所定時間搬送した後の停止状態において、間欠搬送装置7の歯止め爪30による駆動軸14の逆転阻止や海苔簀進行阻止手段27の停止爪34による駆動軸14の正転阻止を解除するようにしている。
【0034】
以上に説明したように、上記海苔製造機1は、間欠搬送装置7に、間欠搬送直後の停止位置で海苔簀4の搬送方向への進行を阻止するための海苔簀進行阻止手段27を設けた構成となっている。
【0035】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、間欠搬送装置7で間欠的に搬送する海苔簀4の個数が増大して間欠搬送装置7で搬送する重量が増大しても、海苔簀4を所定の停止位置で停止させることができる。これにより、海苔製造機1では、抄製装置9による海苔簀4への海苔生地の抄製や製造機2と乾燥機3との間での海苔簀4の受け渡しや剥離装置12による海苔簀4からの乾燥海苔の剥離などを精度良く円滑に行わせることができ、海苔製造機1の動作を安定させることができる。
【0036】
また、上記海苔製造機1は、海苔簀4を搬送するための無端状の搬送チェーン20を駆動軸14と従動軸17との間に巻回し、駆動軸14に海苔簀進行阻止手段27を設けた構成となっている。
【0037】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、海苔簀4を搬送する搬送チェーン20の駆動軸14を強制的に停止させることができるので、より一層精度良く海苔簀4を所定の停止位置で停止させることができる。
【0038】
また、上記海苔製造機1は、駆動軸14を間欠駆動するためのラチェット機構と機械的に連動するラチェット機構を駆動軸14に設けた構成となっている。
【0039】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、間欠駆動と機械的に連動させて海苔簀4の搬送を停止させることができるので、より一層確実に海苔簀4を所定の停止位置で停止させることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 海苔製造機 2 製造機
3 乾燥機 4 海苔簀
5 簀枠 6,7,8 間欠搬送装置
9 抄製装置 10 脱水装置
11 乾燥装置 12 剥離装置
13,14,15 駆動軸 16,17,18 従動軸
19,20,21 搬送チェーン 22 駆動源
23 連動機構 24,25,26 間欠駆動機構
27 海苔簀進行阻止手段 28 ラチェット歯車
29 送り爪 30 歯止め爪
31 支持板 32 揺動駆動体
33 ラチェット歯車 34 停止爪
35 解除体
図1
図2
図3
図4