特許第6963321号(P6963321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963321
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】ノズル継手アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/14 20060101AFI20211025BHJP
   B05B 1/12 20060101ALI20211025BHJP
   F16L 21/08 20060101ALI20211025BHJP
   F16L 21/035 20060101ALI20211025BHJP
   F16L 19/025 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   B05B1/14 Z
   B05B1/12
   F16L21/08 C
   F16L21/035
   F16L19/025
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-209289(P2019-209289)
(22)【出願日】2019年11月20日
(65)【公開番号】特開2021-79339(P2021-79339A)
(43)【公開日】2021年5月27日
【審査請求日】2021年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】397002360
【氏名又は名称】ヤマホ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】今川 良成
【審査官】 塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−138285(JP,A)
【文献】 特表2002−504213(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0038206(US,A1)
【文献】 特開平09−032984(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/047227(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第108351054(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00−3/18
7/00−9/08
12/16−12/36
14/00−16/80
F16L17/00−21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心部に流体通路(5c)を、一端側にソケット(5b)をそれぞれ有する第1ケーシング(5)と、その第1ケーシング(5)の外周に液密かつ回転可能に外嵌された第2ケーシング(6)と、その第2ケーシング(6)の外周に組付けられた複数個の噴霧ノズル(8)を具備し、前記第1ケーシング(5)上で前記第2ケーシング(6)を回転させて噴管(1)に連通させる噴霧ノズル(8)を交代させる噴霧ノズルユニット(4)を、前記噴管(1)の外周に装着された樹脂製の取付け部材(2)に接続するノズル継手アセンブリであって、
前記取付け部材(2)に一体に設けられた管継手(3)と、その管継手(3)の外周に螺合させるユニオンナット(12)と、外周に備えた鍔(13a)を前記ユニオンナット(12)で押し込むことで前記噴管(1)の内部通路(1a)に連通している前記管継手(3)に後端側が液密に接続され、先端側が前記第1ケーシング(5)のソケット(5b)に液密に圧入される竹の子ニップル(13)とで構成されたノズル継手と、回り止めリング(15)とからなり、
前記回り止めリング(15)は、前記竹の子ニップル(13)の鍔(13a)の外周に複数箇所設けられたスリット(14)に適合して嵌る凸部(15a)を一端面に、前記ユニオンナット(12)が螺合する前記取付け部材(2)の管継手(3)の先端にくい込む楔状の突起(15b)を他端面にそれぞれ有し、
その回り止めリング(15)を前記竹の子ニップル(13)の外周の鍔(13a)と前記取付け部材(2)の管継手(3)との間に挟み込むように構成されたノズル継手アセンブリ。
【請求項2】
前記回り止めリング(15)が、前記取付け部材(2)を構成する樹脂と同等の硬さ若しくはそれに勝る硬さを有する樹脂又は金属で形成された請求項1に記載のノズル継手アセンブリ。
【請求項3】
前記凸部(15a)と前記突起(15b)が、周方向に定ピッチでそれぞれ複数個設けられた請求項1又は2に記載のノズル継手アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノズル継手アセンブリに関する。詳しくは、噴霧ノズルユニットのケーシングに複数設けられた噴霧ノズルを切替えて(噴霧を行うノズルを交代させて)噴霧形態などを変化させる噴霧システムにおいて、前記ケーシングを回転させて噴霧を行うノズルを交代させるときに、前記噴霧ノズルユニットを噴管側の取付け部材に接続するノズル継手が共回りして接続が緩むことを抑制する機能を付与したノズル継手アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の噴霧システムのひとつに、複数ある噴霧ノズルの位置を切替えて噴霧形態などを変化させるものがある。その噴霧システムの具体例を図5に示す。
【0003】
図5の噴霧システムは、噴管1の途中に樹脂製の取付け部材2が装着され、その取付け部材2に、噴霧ノズルユニット4が、ノズル継手3を介して接続されている。
【0004】
取付け部材2は、2分割され、分割体2a、2bをねじで締結して噴管1の外周に液密に取り付けられている。片方の分割体2aの外周には、雄ねじを加工したねじ込み式の管継手3が設けられている。その管継手3の内端側が噴管1に開けた穴に差し込まれて継手中心の穴が噴管1の内部通路1aに通じている。
【0005】
噴霧ノズルユニット4は、下記特許文献1に開示されたものに似ているユニットであって、第1ケーシング5、第2ケーシング6、流路切り替えバルブ7、噴霧ノズル8、抜け止めピン9、及びシール部材10を組み合わせている。
【0006】
第1ケーシング5は、一端側にフランジ5aとソケット5bを、軸心部に流体通路5cをそれぞれ有する。第2ケーシング6は、一端を前記フランジ5aの端面に突き合わせて第1ケーシング5の外周に液密かつ回転可能に外嵌されている。
【0007】
その第2ケーシング6は、外周に一体に形成された複数個の管継手6aを有しており、各管継手6aに噴霧ノズル8が組付けられている。
【0008】
抜け止めピン9は、第1ケーシング5に外嵌された第2ケーシング6の外れを防止する。
【0009】
流路切り替えバルブ7は、第1ケーシング5の内部の流体通路5cに対する噴霧ノズル8の接続状態を切り替えるものである。例示の噴霧ノズルユニットの場合、第2ケーシング6を図5の位置から180°回転させると、図5において左側にあった噴霧ノズル8が右側に移動して流体通路5cに連通し、図5において右側にあった噴霧ノズル8は左側に移動して流体通路5cとの連通が断たれる。
【0010】
シール部材10は、第1ケーシング5と第2ケーシング6との間及び第1ケーシング5と流路切り替えバルブ7との間を封止する。
【0011】
図示のノズル継手は、取付け部材2に設けられた管継手3と、その管継手3に螺合させるユニオンナット12と、金属(真鍮)製の竹の子ニップル13と、この竹の子ニップル13を差し込む前記第1ケーシング5のソケット5bとで構成されている。
【0012】
竹の子ニップル13は、後端側に偏った位置にある外周の鍔13aをユニオンナット12で引き寄せ、後端側を管継手3の開口部に液密に挿入して取付け部材2に接続されている。そして、この竹の子ニップル13の先端側が前記ソケット5bに液密に圧入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2018−138285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
図5に示した噴霧システムは、第2ケーシング6を第1ケーシング5上で回転させる。その操作によって第2ケーシング6の外周に複数個設けられた噴霧ノズル8のどれか1個若しくは複数個が第1ケーシング5内の流体通路5cに連通する。
【0015】
ところが、図5の構造を有する従来の噴霧システムは、第2ケーシング6を回転させるときに摩擦による力の伝播が生じて第1ケーシング5と竹の子ニップル13が共回りする。そのため、竹の子ニップル13の回転がユニオンナット12に伝わってユニオンナット12の緩みが生じる。
【0016】
第1ケーシング5と竹の子ニップル13の共回りは、ユニオンナット12をきつく締めつければある程度抑えられる。しかしながら、管継手3は樹脂で形成されているので、ユニオンナット12をきつく締めつけると外周のねじが損傷するなどの問題が生じる。
【0017】
そこで、他の手法による緩み防止策として、竹の子ニップル13の鍔13aの外周にスリットを加工し、管継手3と鍔13aの接触部における摩擦抵抗を高める方法を試みたが、これは十分な効果が得られなかった。
【0018】
また、管継手3の先端に接触する竹の子ニップル13の鍔13aの端面に凹凸をつけることも検討した。しかし、鍔13aの端面に対する凹凸の付与は加工不可能であった。
【0019】
この発明は、上記の現状技術に鑑みてなされたものであって、図5に示した噴霧システムにおいて、噴霧ノズルの位置の切り替えがなされるときのノズル継手の共回りに起因した噴霧ノズルユニットの接続の緩みが抑制されるノズル継手アセンブリを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するため、この発明においては、下記のノズル継手アセンブリを提供する。
そのノズル継手アセンブリは、
軸心部に流体通路を、一端側にソケットをそれぞれ有する第1ケーシングと、その第1ケーシングの外周に液密かつ回転可能に外嵌された第2ケーシングと、その第2ケーシングの外周に組付けられた複数個の噴霧ノズルを具備し、前記第1ケーシング上で前記第2ケーシングを回転させて噴管に連通させる噴霧ノズルを交代させる噴霧ノズルユニットを、前記噴管の外周に装着された樹脂製の取付け部材に接続するものであって、
前記取付け部材に一体に設けられた管継手と、その管継手の外周に螺合させるユニオンナットと、外周に備えた鍔を前記ユニオンナットで押し込むことで前記噴管の内部通路に連通している前記管継手に後端側が液密に接続され、先端側が前記第1ケーシングのソケットに液密に圧入される竹の子ニップルとで構成されたノズル継手と、回り止めリングとからなり、
前記回り止めリングは、前記竹の子ニップルの鍔の外周に複数箇所設けられたスリットに適合して嵌る凸部を一端面に、前記ユニオンナットが螺合する前記取付け部材の管継手にくい込む楔状の突起を他端面にそれぞれ有し、
その回り止めリングを前記竹の子ニップルの外周の鍔と前記取付け部材の管継手との間に挟み込むように構成されたものである。
【0021】
前記回り止めリングは、前記取付け部材を構成する樹脂と同等の硬さ若しくはそれに勝る硬さを有する樹脂や、真鍮、ステンレス鋼などの金属で形成するのがよい。
【0022】
また、前記凸部と前記突起は、周方向に定ピッチでそれぞれ複数個、好ましくは、3個以上設けるのがよい。
【発明の効果】
【0023】
この発明のノズル継手アセンブリは、楔状の突起を他端面に備えた回り止めリングを設けており、前記突起が前記取付け部材の管継手にくい込むことで回り止めリングの回転が取付け部材によって抑制される。
【0024】
また、前記回り止めリングの一端面に設けた凸部を竹の子ニップルの鍔の外周に設けられたスリットに係止させるため、竹の子ニップルの回転が回り止めリングによって阻止される。
【0025】
これにより、噴霧ノズルユニットの第1ケーシングの回転が、その第1ケーシングのソケットに圧入された竹の子ニップルによって阻止される。その結果、前記第2ケーシングを回転させたときのノズル継手の共回りが抑制され、その共回りに起因した噴霧ノズルユニットの接続の緩みが起こり難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この発明のノズル継手アセンブリの一形態を、噴霧システムに採用した状態にして示す断面図である。
図2図1のノズル継手アセンブリに採用された回り止めリングの斜視図である。
図3図2の回り止めリングを竹の子ニップルの外周に装着した状態を示す斜視図である。
図4】竹の子ニップルの鍔設置部の断面図である。
図5】噴霧ノズルをノズル継手で噴管の外周の取付け部材に接続した従来の噴霧システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明のノズル継手アセンブリの実施の形態を、添付図面の図1図4に基づいて説明する。
【0028】
この発明のノズル継手アセンブリを使用する噴霧システムの一例を図1に示す。同図の噴霧システムは、噴管1の外周に、内部通路1aを通して供給される噴霧対象の液体を外部に送り出す樹脂製の取付け部材2を装着し、その取付け部材2に、この発明を特徴づけるノズル継手アセンブリ11介して噴霧ノズルユニット4を接続したものになっている。
【0029】
前記取付け部材2は、ねじで締結される2つの分割体2a、2bを組み合わせたものであって、噴管1の外周に液密に取り付けられている。その取付け部材2の片方の分割体2aの外周には雄ねじを加工した管継手3が設けられている。
【0030】
その管継手3の内端側は噴管1の周壁に開けた穴に差し込まれており、継手中心の穴が噴管1の内部通路1aに通じている。
【0031】
噴霧ノズルユニット4は、図5で説明したものであって、フランジ5a、ソケット5b及び流体通路5cを有する第1ケーシング5、管継手6aを複数有する第2ケーシング6、第1ケーシング5と第2ケーシング6間に介在された流路切り替えバルブ7、管継手6aに組付けられた噴霧ノズル8、抜け止めピン9、及びシール部材10を組み合わせている。
【0032】
噴霧ノズル8は、第2ケーシング6の外周に形成された管継手6aの各々に噴霧形態の異なるものがユニオンナット8aを用いて組付けられている。
【0033】
流路切り替えバルブ7は、噴霧位置に移動した噴霧ノズル8を第1ケーシング5の内部の流体通路5cに連通させ、噴霧位置外に退避した噴霧ノズル8は、流体通路5cから切り離すものが設けられている。
【0034】
流体通路5cに対する噴霧ノズルの接続状態の切り替えは、第2ケーシング6を第1ケーシング5上で回転させて噴霧位置にある噴霧ノズル8と噴霧位置外にある噴霧ノズル8を交代させることによってなされる。
【0035】
シール部材10は、Oリングが用いられている。
【0036】
ノズル継手アセンブリ11は、取付け部材2の管継手3と、その管継手3に螺合させるユニオンナット12と、竹の子ニップル13と、この竹の子ニップル13を圧入する前記第1ケーシング5のソケット5bと、竹の子ニップル13の外周に嵌める回り止めリング15とで構成されている。
【0037】
竹の子ニップル13は、後端側に偏った位置の外周に設けられている鍔13aを、取付け部材2の管継手3に螺合させるユニオンナット12で引き寄せて管継手3に液密に接続される。
【0038】
この竹の子ニップル13の鍔13aには、図4に示すように、周方向に定ピッチで計4個のスリット14が設けられている。そのスリット14の数は4個に限定されない。
【0039】
回り止めリング15は、竹の子ニップル13の鍔13aに設けられたスリット14に適合して嵌る凸部15a(図2参照)を一端面に有する。また、他端面に、取付け部材2の管継手3の先端にくい込む楔状の突起15bを有する。
【0040】
前記凸部15aは計4個あるが、スリット14の数に合わせて増減させることができる。突起15bは、周方向に定ピッチで計6個設けられているが、この突起15bの数も任意に増減できる。
【0041】
例示の回り止めリング15は、取付け部材2と同じ材料、例えば、弾力性のあるポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ガラス入りポリアセタール樹脂などで形成されたものが製造し易くてコストも抑えられるが、取付け部材2の材料よりも硬い樹脂や、真鍮、ステンレス鋼などの金属で形成されたものであってもよい。
【0042】
この回り止めリング15は、図1及び図3に示すように、凸部15aをスリット14に嵌めて竹の子ニップル13の外周に装着される。
【0043】
竹の子ニップル13は、外周にユニオンナット12を嵌め、この状態で噴霧ノズルユニット4の第1ケーシング5に設けられているソケット5bに圧入する。
【0044】
そして、その竹の子ニップル13の後端側を取付け部材2の管継手3に差し込み、ユニオンナット12を管継手3の外周に螺合させて締め込む。その締め込により回り止めリング15の突起15bが管継手3の先端面にくい込む。
【0045】
取付け部材2に対する噴霧ノズルユニット4の接続は、ユニオンナット12を使って竹の子ニップル13を取付け部材2に接続し、その後に、竹の子ニップル13の先端側を噴霧ノズルユニット4の第1ケーシング5に形成されたソケット5bに圧入する方法で行うこともできる。この方法でも、回り止めリング15の突起15bを管継手3にくい込ませることができる。
【0046】
このようにして竹の子ニップル13の鍔13aと噴霧ノズルユニット4の第1ケーシング5との間に挟み込まれた回り止めリング15は、スリット14に対する凸部15aの嵌め込みにより竹の子ニップル13に対して機械的に係合しており、竹の子ニップル13との相対回転が生じない。
【0047】
その回り止めリング15は、突起15bが管継手3にくい込むことで、取付け部材2によって回り止めされ、これにより、竹の子ニップル13を圧入した噴霧ノズルユニット4の第1ケーシング5が、第2ケーシング6に引きずられて共回りすることが抑制される。
【0048】
そのために、第2ケーシング6を回転させて噴霧位置と噴霧位置外の噴霧ノズル8の位置を入れ替える際に従来生じていた噴霧ノズルユニット4の接続の緩みが起こり難くなる。
【符号の説明】
【0049】
1 噴管
1a 内部通路
2 取付け部材
2a、2b 分割体
3 管継手
4 噴霧ノズルユニット
5 第1ケーシング
5a フランジ
5b ソケット
5c 流体通路
6 第2ケーシング
6a 管継手
7 流路切り替えバルブ
8 噴霧ノズル
8a ユニオンナット
9 抜け止めピン
10 シール部材
11 ノズル継手アセンブリ
12 ユニオンナット
13 竹の子ニップル
13a 鍔
14 スリット
15 回り止めリング
15a 凸部
15b 突起
図1
図2
図3
図4
図5