(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
三次元造形物が造形されるテーブルと、前記テーブルに向かってインク滴を吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドから吐出されたインクの表面を平坦にするための平坦化ローラと、前記インクジェットヘッドおよび前記平坦化ローラが搭載されるキャリッジと、前記キャリッジに搭載されるとともに前記キャリッジに対して前記平坦化ローラを昇降させるローラ昇降機構とを備え、
前記ローラ昇降機構は、前記平坦化ローラを回転可能に保持するローラ保持部材と、前記平坦化ローラが前記インクの表面に接触可能な接触位置と前記平坦化ローラが前記インクの表面よりも上側へ退避する退避位置との間で前記ローラ保持部材を揺動させる揺動機構とを備えることを特徴とする三次元造形物製造装置。
前記ローラ昇降機構は、前記接触位置で前記ローラ保持部材を位置決めするストッパ部材を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の三次元造形物製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(三次元造形物製造装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる三次元造形物製造装置1の斜視図である。
図2は、
図1に示す三次元造形物製造装置1の概略正面図である。
【0019】
本形態の三次元造形物製造装置1は、三次元造形物を製造するための業務用のインクジェットプリンタである。この三次元造形物製造装置1は、三次元造形物が造形されて載置されるテーブル2を有するステージ3と、テーブル2に向かってインク滴を吐出する後述のインクジェットヘッド51〜58が搭載されるキャリッジ5とを備えている。
【0020】
また、三次元造形物製造装置1は、上下方向に直交する主走査方向への移動が可能となるようにキャリッジ5を保持する懸架フレーム6と、懸架フレーム6に対してキャリッジ5を主走査方向へ移動させるキャリッジ駆動機構7と、主走査方向に直交する副走査方向への移動が可能となるようにステージ3を保持する本体フレーム8と、本体フレーム8に対してステージ3を副走査方向へ移動させるステージ駆動機構9と、副走査方向へステージ3を案内するガイド機構10とを備えている。また、三次元造形物製造装置1は、これらの構成が収容される筐体(図示省略)を備えている。さらに、三次元造形物製造装置1は、三次元造形物製造装置1を制御する制御部17を備えている。
【0021】
以下の説明では、主走査方向(
図1等のX方向)を「左右方向」とし、副走査方向(
図1等のY方向)を「前後方向」とする。また、前後方向の一方側(Y1方向側)を「前」側とし、その反対側(Y2方向側)を「後(後ろ)」側とし、左右方向の一方側(X1方向側)を「右」側とし、その反対側(Y2方向側)を「左」側とする。本形態の右側(X1方向側)は、主走査方向の一方側である第1方向側となっており、左側(X2方向側)は、第1方向側の反対側である第2方向側となっている。
【0022】
本体フレーム8は、底面部材11と、底面部材11の左右の両端から上側に向かって立ち上がる2個の側面部材12とを備えている。懸架フレーム6は、左右方向を長手方向とする細長い直方体状に形成されている。この懸架フレーム6は、側面部材12に固定されている。また、懸架フレーム6は、側面部材12の後端側部分の上側に配置されている。懸架フレーム6に保持されるキャリッジ5は、ステージ3よりも上側に配置されている。すなわち、キャリッジ5は、テーブル2よりも上側に配置されている。
【0023】
懸架フレーム6の前面には、キャリッジ5を左右方向へ案内する2本のガイドレール13が固定されている。ガイドレール13は、ガイドレール13の長手方向と左右方向とが一致するように懸架フレーム6に固定されている。また、2本のガイドレール13は、上下方向に所定の間隔をあけた状態で懸架フレーム6に固定されている。キャリッジ5には、ガイドレール13に係合するガイドブロック(図示省略)が固定されている。
【0024】
キャリッジ駆動機構7は、
図1に示すように、2個のプーリ14と、2個のプーリ14に架け渡されるベルト15と、プーリ14を回転させるモータ16とを備えている。2個のプーリ14は、上下方向を回転の軸方向とする回転が可能となるように懸架フレーム6に保持されている。また、2個のプーリ14のそれぞれは、懸架フレーム6の左右の両端側のそれぞれに配置されている。ベルト15の一部は、キャリッジ5に固定されている。モータ16は、懸架フレーム6の右端側に取り付けられている。このモータ16は、所定の動力伝達機構を介して懸架フレーム6の右端側に取り付けられるプーリ14に連結されている。モータ16が駆動すると、ガイドレール13に沿って、キャリッジ5が左右方向へ移動する。
【0025】
(ステージの構成)
図3は、
図1に示すステージ3の斜視図である。
図4は、
図1に示すステージ3の概略平面図である。
【0026】
ステージ3は、左右方向において2個の側面部材12の間に配置されるとともに、底面部材11よりも上側に配置されている。このステージ3は、テーブル2に加えて、テーブル2の昇降が可能となるようにテーブル2を支持するステージフレーム20と、ステージフレーム20に対してテーブル2を昇降させる2個の昇降機構21、22と、上下方向へテーブル2を案内する2個のガイド機構23、24とを備えている。
【0027】
ステージフレーム20は、ステージフレーム20の左右の側面部を構成する2個の側面部材25を備えている。2個の側面部材25は、図示を省略する連結部材によって連結されている。テーブル2は、左右方向において2個の側面部材25の間に配置されている。このテーブル2は、平板状かつ矩形状に形成される造形台26と、造形台26を保持するとともにステージフレーム20に昇降可能に支持される造形台保持部27とを備えている。造形台26は、造形台保持部27に着脱可能に取り付けられている。造形台保持部27は、テーブル2の左右の両端部を構成する2個の側面部材28と、2個の側面部材28を連結する2個の連結部材29(
図4参照)とを備えている。
【0028】
造形台26の上面は、上下方向に略直交する平面となっており、三次元造形物は、造形台26の上面で造形される。造形台26は、矩形状に形成される造形台26の4つの端面のうちの互いに平行な2個の端面が前後方向と平行になり、残りの2個の端面が左右方向と平行になるように配置されている。また、造形台26は、アルミニウム合金で形成されており、造形台26の上面には、アルマイト処理が施されている。側面部材28の上面には、上下方向に直交する平面状の載置面が形成されている。この載置面には、造形台26の左右の両端側部分が載置されている。
【0029】
載置面に載置された造形台26は、ネジ30(
図3参照)によって造形台保持部27に固定されている。ネジ30は、たとえば、造形台26の前後左右の両端側のそれぞれに配置されている。ネジ30を取り外すと、
図3の二点鎖線で示すように、造形台保持部27の上側へ造形台26を取り外すことが可能になる。造形台26の左右の両端側には、造形台保持部27から取り外される造形台26を掴むための貫通穴26aが形成されている。また、造形台26の上面の左右の両端側には、ネジ30の頭部を配置するための凹部26bが窪むように形成されている。なお、
図4では、ネジ30の図示を省略している。
【0030】
昇降機構21、22は、ステージフレーム20に回転可能に保持されるリードスクリュー33と、リードスクリュー33を回転させるモータ34(
図3参照)と、リードスクリュー33に係合するとともにテーブル2に取り付けられるナット部材35とを備えている。2個の昇降機構21、22のそれぞれは、個別に駆動可能となっている。ガイド機構23、24は、ステージフレーム20に取り付けられるガイドレール36と、ガイドレール36に係合するとともにテーブル2に取り付けられるガイドブロック37とを備えている。本形態のガイド機構23、24は、ガイドブロック37にボールリテーナが内蔵されているLMガイド(登録商標)である。
【0031】
図4に示すように、昇降機構21およびガイド機構23は、テーブル2の右端側に配置されている。また、昇降機構21とガイド機構23とは、前後方向で並ぶように配置されている。また、昇降機構21とガイド機構23とは、前後方向におけるテーブル2の略中心位置で隣接配置されている。本形態では、昇降機構21がガイド機構23よりも後ろ側に配置されている。昇降機構22およびガイド機構24は、テーブル2の左端側に配置されている。また、昇降機構22とガイド機構24とは、前後方向で並ぶように配置されている。また、昇降機構22とガイド機構24とは、前後方向におけるテーブル2の略中心位置で隣接配置されている。本形態では、ガイド機構24が昇降機構22よりも後ろ側に配置されている。
【0032】
前後方向における昇降機構21とガイド機構23との距離と、前後方向における昇降機構22とガイド機構24との距離とは等しくなっている。具体的には、前後方向における昇降機構21のリードスクリュー33の中心とガイド機構23のガイドレール36の中心との距離と、前後方向における昇降機構22のリードスクリュー33の中心とガイド機構24のガイドレール36の中心との距離とが等しくなっている。昇降機構21は、前後方向において、ガイド機構24よりもわずかに後ろ側に配置されている。また、ガイド機構23は、前後方向において、昇降機構22よりもわずかに後ろ側に配置されている。
【0033】
リードスクリュー33は、リードスクリュー33の軸方向と上下方向とが一致するように、2個の側面部材25のそれぞれの左右方向の内側面に回転可能に保持されている。モータ34は、2個の側面部材25のそれぞれの下端側に固定されている。モータ34の出力軸は、リードスクリュー33の下端部分に連結されている。ナット部材35は、2個の側面部材28のそれぞれの左右方向の外側面に取り付けられている。ガイドレール36は、ガイドレール36の長手方向と上下方向とが一致するように、2個の側面部材25のそれぞれの左右方向の内側面に固定されている。ガイドブロック37は、2個の側面部材28のそれぞれの左右方向の外側面に取り付けられている。
【0034】
(ステージ駆動機構およびガイド機構の構成)
ステージ駆動機構9およびガイド機構10は、左右方向におけるステージ3の両側に配置されている。ステージ駆動機構9は、側面部材12に回転可能に保持されるリードスクリュー39と、リードスクリュー39を回転させるモータ40と、リードスクリュー39に係合するとともにステージ3に取り付けられるナット部材41とを備えている。ガイド機構10は、側面部材12に固定されるガイドレール42と、ガイドレール42に係合するとともにステージ3に取り付けられるガイドブロック43とを備えている。
【0035】
リードスクリュー39は、リードスクリュー39の軸方向と前後方向とが一致するように、2個の側面部材12のそれぞれの左右方向の内側面に回転可能に保持されている。モータ40は、2個の側面部材12のそれぞれの左右方向の内側面に固定されている。また、モータ40は、側面部材12の前端側部分に固定されている。モータ40の出力軸は、プーリおよびベルトを介してリードスクリュー39の前端部分に連結されている。ナット部材41は、2個の側面部材25のそれぞれの左右方向の外側面に取り付けられている。すなわち、ナット部材41は、ステージフレーム20に取り付けられており、ステージ駆動機構9は、ステージフレーム20を前後方向へ移動させる。
【0036】
ガイドレール42は、ガイドレール42の長手方向と前後方向とが一致するように側面部材12の上端面に固定されている。ガイドブロック43は、ステージフレーム20の側面部材25の上端側に固定されている。このガイドブロック43は、上側からガイドレール42に係合している。
【0037】
本形態では、
図1に示すように、ステージ3の全体がキャリッジ5よりも前側に配置される位置までステージ3を前方向へ移動させることが可能となっている。すなわち、本形態では、テーブル2がキャリッジ5よりも前側に配置される位置までテーブル2を前方向へ移動させることが可能となっている。ステージ駆動機構9は、三次元造形物の造形時にテーブル2を前後方向へ移動させるとともに、三次元造形物の造形が終了して三次元造形物製造装置1から三次元造形物が取り出されるときには、テーブル2を前端まで移動させる。すなわち、ステージ駆動機構9は、三次元造形物製造装置1から三次元造形物が取り出されるときに、三次元造形物製造装置1の前方にテーブル2がせり出すようにテーブル2を移動させる。なお、三次元造形物製造装置1の筐体には、三次元造形物を取り出すための開口部が形成されている。
【0038】
(キャリッジの構成)
図5は、
図1に示すキャリッジ5に搭載される吐出ユニット48の構成を説明するための底面図である。
図6は、
図5に示す吐出ユニット48の構成を説明するための正面図である。
図7は、
図5に示す平坦化ローラユニット62の一部分の斜視図である。
図8は、
図7に示す平坦化ローラユニット62の構成および動作を説明するための正面図である。
図9は、
図7に示す平坦化ローラ61の支持部およびローラ保持部材73の支持部の構成を説明するための側面図である。
【0039】
キャリッジ5には、三次元造形物を造形するための吐出ユニット48が搭載されている。また、キャリッジ5には、レーザ距離計49(
図2参照)が搭載されている。吐出ユニット48は、テーブル2に向かってインク滴を吐出する複数のインクジェットヘッド51〜58を備えている。本形態の吐出ユニット48は、8個のインクジェッドヘッド51〜58を備えている。インクジェッドヘッド51〜58は、下側に向かってインク滴を吐出するように配置されている。インクジェットヘッド51〜58から吐出されるインクは、紫外線硬化型のインクである。
【0040】
また、吐出ユニット48は、インクジェットヘッド51〜58からテーブル2に向かって吐出された紫外線硬化型のインクに紫外線を照射してインクを硬化させる紫外線照射器60を備えている。本形態の吐出ユニット48は、2個の紫外線照射器60を備えている。さらに、吐出ユニット48は、インクジェットヘッド51〜58からテーブル2に向かって吐出されたインクの表面(上面)を平坦にするための平坦化ローラ61を有する平坦化ローラユニット62と、インクジェットヘッド51〜58からのインクの吐出時に発生するインクミストを吸着するインクミスト吸着機構63とを備えている。
【0041】
すなわち、キャリッジ5には、吐出ユニット48を構成する8個のインクジェッドヘッド51〜58と、2個の紫外線照射器60と、平坦化ローラユニット62と、インクミスト吸着機構63とが搭載されている。また、紫外線照射器60と、平坦化ローラユニット62と、インクジェッドヘッド51と、インクジェッドヘッド52と、インクジェッドヘッド53と、インクジェッドヘッド54と、インクジェッドヘッド55と、インクジェッドヘッド56と、インクジェッドヘッド57と、インクジェッドヘッド58と、紫外線照射器60とが左側から右側に向かってこの順番でキャリッジ5に搭載されている。また、インクミスト吸着機構63は、右端に配置される紫外線照射器60とインクジェッドヘッド58との間および右端に配置される紫外線照射器60の上側に配置されている。
【0042】
インクジェッドヘッド51、58は、三次元造形物を支持するためのサポート用のインク(サポート材)を吐出するサポート材用ヘッドである。インクジェッドヘッド52は、造形用のインク(造形材)を吐出する造形材用ヘッドである。インクジェッドヘッド53は、透明なインク(クリアインク)を吐出するクリアインク用ヘッドである。インクジェッドヘッド54〜57は、色付きのインク(カラーインク)を吐出するカラーインク用ヘッドである。本形態では、インクジェッドヘッド54から吐出されるインクの色はイエローであり、インクジェッドヘッド55から吐出されるインクの色はシアンであり、インクジェッドヘッド56から吐出されるインクの色はマゼンタであり、インクジェッドヘッド56から吐出されるインクの色はブラックである。
【0043】
紫外線照射器60は、UVLED、メタルハライドランプあるいは水銀ランプ等であり、下側に向かって紫外線を照射する。本形態の紫外線照射器60は、UVLEDである。
【0044】
インクミスト吸着機構63は、インクミストを吸引する吸引ファン65と、吸引ファン65によるインクミストの吸引経路に配置される2個のフィルタ66、67とを備えている(
図6参照)。吸引ファン65は、右端に配置される紫外線照射器60の上側に配置されている。フィルタ66は、右端に配置される紫外線照射器60とインクジェッドヘッド58との間に配置され、フィルタ67は、吸引ファン65の左側に配置されている。また、フィルタ66の下側には、インクミストを含む空気の吸入口が形成され、吸引ファン65の右側には、排気口が形成されている。インクミスト吸着機構63では、吸引ファン65が駆動すると、
図6の矢印Vで示すように、フィルタ66の下側の吸入口から吸入されたインクミストを含む空気は、フィルタ66およびフィルタ67を順番に通過して吸引ファン65の右側の排気口から排出される。
【0045】
平坦化ローラユニット62は、キャリッジ5に対して平坦化ローラ61を昇降させるローラ昇降機構69(
図7参照)と、平坦化ローラ61を回転させるモータ70とを備えている。また、平坦化ローラユニット62は、テーブル2に向かって吐出されたインクの表面を平坦にするときに平坦化ローラ61の表面に付着したインクを平坦化ローラ61の表面から除去するブレード71と、ブレード71によって平坦化ローラ61の表面から除去されたインクを回収するためのインク回収部72とを備えている(
図6参照)。
【0046】
ローラ昇降機構69は、キャリッジ5に搭載されている。このローラ昇降機構69は、平坦化ローラ61を回転可能に保持するローラ保持部材73と、ローラ保持部材73を揺動可能に支持する支持軸74と、支持軸74を保持する保持フレーム75と、保持フレーム75に対してローラ保持部材73を揺動させる偏心カム76と、偏心カム76を回転させるモータ77とを備えている。また、ローラ昇降機構69は、偏心カム76が固定される回転軸78(
図8参照)を備えている。保持フレーム75およびモータ77は、キャリッジ5に固定されている。本形態では、偏心カム76とモータ77とによってローラ保持部材73を揺動させる揺動機構が構成されている。
【0047】
回転軸78は、回転軸78の軸方向と前後方向とが一致するように配置されている。回転軸78の一端(前端)は、カップリング79(
図7参照)を介してモータ77の出力軸に連結されている。回転軸78の他端側(後端側)は、支持部材80に回転可能に支持されている。支持部材80は、保持フレーム75に固定されている。偏心カム76は、円板状に形成されている。この偏心カム76は、回転軸78の軸中心と偏心カム76の軸中心とがずれた状態で回転軸78に固定されている。
【0048】
支持軸74は、支持軸74の軸方向と前後方向とが一致するように配置されている。支持軸74は、保持フレーム75に固定されている。支持軸74の両端側のそれぞれは、保持フレーム75よりも前後方向の外側へ突出している。ローラ保持部材73には、
図9に示すように、支持軸74の両端側のそれぞれを支持する2個の軸受81が取り付けられており、保持フレーム75に対して、前後方向を揺動の軸方向とするローラ保持部材73の揺動が可能となっている。軸受81は、転がり軸受である。
【0049】
平坦化ローラ61は、平坦化ローラ61の軸方向と前後方向とが一致するように配置されている。また、平坦化ローラ61は、支持軸74よりも下側に配置されている。また、上述のように、平坦化ローラユニット62は、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60の右側に配置されており、平坦化ローラ61は、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60と左右方向で隣接するように配置されている。すなわち、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60は、平坦化ローラ61と左右方向で隣接するように、キャリッジ5に搭載されている。
【0050】
ローラ保持部材73には、
図9に示すように、平坦化ローラ61の両端側のそれぞれに形成される支持部61aを支持する2個の軸受82が取り付けられており、ローラ保持部材73に対して、前後方向を回転の軸方向とする平坦化ローラ61の回転が可能となっている。軸受82は、転がり軸受である。モータ70、ブレード71およびインク回収部72は、ローラ保持部材73に固定されており、保持フレーム75に対して、平坦化ローラ61およびローラ保持部材73と一緒に揺動する。モータ70の出力軸は、図示を省略する歯車を介して平坦化ローラ61に連結されている。
【0051】
ローラ保持部材73の上端側には、偏心カム76に接触するローラ状のカムフォロア83が回転可能に取り付けられている。カムフォロア83は、前後方向を回転の軸方向とする回転が可能となるように、ローラ保持部材73に取り付けられている。また、カムフォロア83は、支持軸74よりも上側に配置されている。具体的には、カムフォロア83は、支持軸74の略真上に配置されている。さらに、カムフォロア83は、偏心カム76の左斜め下側に配置されており、偏心カム76の左斜め下側部分に接触している。なお、カムフォロア83が偏心カム76に接触するように、ローラ保持部材73は、図示を省略するバネ部材によって、支持軸74を中心に
図8の時計回りの方向(時計方向)に付勢されている。
【0052】
偏心カム76が回転すると、ローラ保持部材73は、平坦化ローラ61がインクの表面(上面)に接触可能な接触位置(
図8(A)に示す位置)73Aと、平坦化ローラ61がインクの表面よりも上側へ退避する退避位置(
図8(B)に示す位置)73Bとの間で、支持軸74を揺動の中心にして揺動する。すなわち、偏心カム76は、接触位置73Aと退避位置73Bとの間でローラ保持部材73を揺動させる。ローラ保持部材73の、接触位置73Aでの停止動作および退避位置73Bでの停止動作は、図示を省略するセンサまたはエンコーダで回転軸78または偏心カム76の回転角度を検知することによって制御される。また、三次元造形物製造装置1の起動時には、揺動動作によってローラ保持部材73が退避位置73Bで停止して、待機状態となる。平坦化ローラ61の昇降量(すなわち、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときの平坦化ローラ61の高さと、ローラ保持部材73が退避位置73Bにあるときの平坦化ローラ61の高さとの差)は、たとえば、0.1mm〜0.3mm程度となっている。ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときには、平坦化ローラ61は、支持軸74の真下に配置されている。
【0053】
本形態では、退避位置73Bにあるローラ保持部材73は、偏心カム76が回転すると、接触位置73Aに向かって左下方へ移動する。また、接触位置73Aにあるローラ保持部材73は、偏心カム76が回転すると、退避位置73Bに向かって右上方へ移動する。また、平坦化ローラ61は、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60の右側に配置されているため、ローラ保持部材73が接触位置73Aから退避位置73Bへ移動すると、平坦化ローラ61は、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60から遠ざかる。すなわち、ローラ保持部材73が退避位置73Bにあるときの平坦化ローラ61は、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときの平坦化ローラ61よりも、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60から離れた位置に配置されている。
【0054】
また、ローラ昇降機構69は、
図8に示すように、接触位置73Aでローラ保持部材73を位置決めするストッパ部材86、87を備えている。ストッパ部材86、87は、支持軸74よりも上側に配置されている。具体的には、ストッパ部材86、87は、支持軸74の右斜め上側に配置されている。また、ストッパ部材86、87は、カムフォロア83よりも下側に配置されている。ストッパ部材86は、ローラ保持部材73に固定され、ストッパ部材87は、保持フレーム75に固定されている。ストッパ部材86は、ストッパ部材87の左側に配置されており、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときには、ストッパ部材86は、左側からストッパ部材87に接触している。本形態のストッパ部材86は、可動側ストッパ部材であり、ストッパ部材87は、固定側ストッパ部材である。
【0055】
レーザ距離計49は、たとえば、左右方向において吐出ユニット48と隣り合う位置に配置されており、下側に向かってレーザ光を射出する。レーザ距離計49は、テーブル2の上面とレーザ距離計49との上下方向の距離を測定する。すなわち、レーザ距離計49は、造形台26の上面とレーザ距離計49との上下方向の距離を測定する。また、レーザ距離計49は、造形中の三次元造形物の上面の複数箇所のそれぞれとレーザ距離計49との上下方向の距離等を測定することで造形中の三次元造形物の形状を検知する。
【0056】
本形態では、三次元造形物の製造前に、キャリッジ5が左右方向へ移動するとともにテーブル2が前後方向へ移動して、テーブル2の上面の複数箇所のそれぞれとレーザ距離計49との上下方向の距離をレーザ距離計49が測定する。たとえば、テーブル2の上面の4箇所のそれぞれとレーザ距離計49との上下方向の距離をレーザ距離計49が測定する。また、昇降機構21、22は、レーザ距離計49での測定結果に基づいてテーブル2を昇降させて、三次元造形物の造形開始時のテーブル2の上面の高さ(すなわち、造形台26の上面の高さ)を設定する。具体的には、昇降機構21、22は、テーブル2の上面の、レーザ距離計49との距離が最も近い箇所(すなわち、テーブル2の上面の最も高い箇所)が、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときの平坦化ローラ61の下端よりもわずかに下側に配置されるように、テーブル2を昇降させて、三次元造形物の造形開始時のテーブル2の上面の高さを設定する。
【0057】
また、本形態では、三次元造形物の造形時に、三次元造形物製造装置1の制御部17は、レーザ距離計49での検知結果に基づいて特定される造形中の三次元造形物の形状と、三次元造形物の設計データとを比較する。また、制御部17は、造形中の三次元造形物が設計データ通りに造形されている場合には、三次元造形物製造装置1を継続的に動作させて三次元造形物の造形を継続させるが、造形中の三次元造形物が設計データ通りに造形されていないと、三次元造形物製造装置1を停止させる。
【0058】
上述のように、キャリッジ5は、ガイドレール13に沿って左右方向へ移動する。本形態では、キャリッジ5がガイドレール13の右端側に配置されているときのキャリッジ5の位置がキャリッジ5のホームポジションとなっている。三次元造形物製造装置1で三次元造形物の造形動作が行われる場合、キャリッジ5がホームポジションから左側へ移動するときに、インクジェッドヘッド51〜58がインク滴を吐出する。このときには、ローラ保持部材73は退避位置73Bに配置されている。
【0059】
また、左端側まで移動したキャリッジ5が右側へ戻るときにローラ保持部材73が接触位置73Aに移動して、平坦化ローラ61がインクの表面を平坦にする。すなわち、キャリッジ5が右側へ移動するときには、ローラ保持部材73は、接触位置73Aに配置されている。平坦化ローラ61がインクの表面を平坦にするときには、平坦化ローラ61は、
図6、
図8の反時計回りの方向(反時計方向)へ回転する。なお、平坦化ローラユニット62は、キャリッジ5がホームポジションにあるときに平坦化ローラ61をロックするロック機構を備えていても良い。
【0060】
(インク循環機構およびインク回収機構の構成)
図10は、
図1に示す三次元造形物製造装置1のインク循環機構95およびインク回収機構96の構成を説明するためのブロック図である。
【0061】
三次元造形物製造装置1は、インクジェットヘッド51〜58のノズルの目詰まりを防止するためのメンテナンスユニット92を備えている。メンテナンスユニット92は、インクジェットヘッド51〜58のノズル面に付着したインクを拭き取るワイパーと、このワイパーで拭き取られたインクを回収するためのインク回収部93と、インクジェットヘッド51〜58のノズル内のインクを吸引する吸引機構を有するキャップ94とを備えている。メンテナンスユニット92は、たとえば、ホームポジションに配置されるキャリッジ5の下側に配置されている。なお、キャップ94は、吸引機構を備えていなくても良い。この場合には、インクジェットヘッド51〜58のメンテナンス時に、インクジェットヘッド51〜58がキャップ94に向かってインク滴を吐出する。
【0062】
また、本形態の三次元造形物製造装置1は、インクジェットヘッド51〜58の内部でインクを循環させるインク循環機構95と、インク回収部72、93で回収されたインクおよびキャップ94で吸引されたインクを回収するためのインク回収機構96とを備えている。
【0063】
インク循環機構95は、インクジェットヘッド51〜58にインクを供給するインク供給部97と、インクを循環させるための空気圧を制御するエア制御部98と、キャリッジ5に搭載されるサブタンク99とを備えている。サブタンク99は、8個のインクジェッドヘッド51〜58のそれぞれに接続されている。すなわち、インク循環機構95は、8個のサブタンク99を備えている。サブタンク99は、上流側の液室99aと、下流側の液室99bとを備えている。液室99aの流出側は、インクジェットヘッド51〜58の流入側に接続され、液室99bの流入側は、インクジェットヘッド51〜58の流出側に接続されている。
【0064】
インク供給部97は、インクタンク100を備えている。インクタンク100は、バルブ101を介してインクポンプ102の吸入側に接続されている。インクポンプ102の吐出側は、フィルタ103を介して液室99aの流入側に接続されている。また、バルブ101には、液室99bの流出側が接続されている。なお、インクジェッドヘッド54〜57用のインクタンク(すなわち、カラーインクのインクタンク)100の容量は、インクジェッド51〜53、58用のインクタンク(すなわち、サポート用インクのインクタンク、造形用インクのインクタンクおよびクリアインク用のインクタンク)100の容量よりも小さくなっている。たとえば、インクジェッドヘッド54〜57用のインクタンク100の容量は、1リットルであり、インクジェッド51〜53、58用のインクタンク100の容量は、3.5リットルである。
【0065】
エア制御部98は、上流側の圧力ポンプ105と、下流側の圧力ポンプ106とを備えている。圧力ポンプ105の吐出側は、エアチャンバ107、バルブ108〜110およびフィルタ111を介して液室99aに接続されている。また、圧力ポンプ105の吐出側は、エアチャンバ107、バルブ112、113およびフィルタ114を介して液室99bに接続されている。圧力ポンプ105の吸入側には、エアチャンバ115が接続されており、エアチャンバ115は、バルブ109に接続されている。また、圧力ポンプ106の吸入側には、エアチャンバ116が接続されており、エアチャンバ116は、バルブ117を介してバルブ112に接続されている。圧力ポンプ105とバルブ108、112との間のエア経路は正圧となっており、圧力ポンプ105とバルブ109との間のエア経路および圧力ポンプ106とバルブ117との間のエア経路は負圧となっている。
【0066】
インク回収機構96は、廃液タンク120と、廃液バッファ121と、送液ポンプ122、123と、真空ポンプ124とを備えている。キャップ94には、送液ポンプ122の吸入側が接続され、送液ポンプ122の吐出側には、廃液タンク120が接続されている。インク回収部72、93には、バルブ125を介して廃液バッファ121が接続されている。廃液バッファ121には、バルブ126を介して送液ポンプ123の吸入側が接続され、送液ポンプ123の吐出側には、廃液タンク120が接続されている。また、廃液バッファ121には、真空ポンプ124が接続されている。
【0067】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、偏心カム76によって、平坦化ローラ61がインクの表面に接触可能な接触位置73Aと平坦化ローラ61がインクの表面よりも上側へ退避する退避位置73Bとの間でローラ保持部材73を揺動させることで平坦化ローラ61を昇降させている。そのため、本形態では、ソレノイドやリードスクリュー等を用いて、平坦化ローラ61を鉛直方向へ直線的に移動させることで平坦化ローラ61を昇降させる場合と比較して、平坦化ローラ61を円滑に昇降させることが可能になる。また、本形態では、偏心カム76によってローラ保持部材73を揺動させることで平坦化ローラ61を昇降させているため、平坦化ローラ61の昇降速度を速くしても平坦化ローラ61を円滑に昇降させることが可能になる。すなわち、本形態では、平坦化ローラ61を円滑にかつ高速で昇降させることが可能になる。
【0068】
本形態では、ローラ保持部材73に、平坦化ローラ61の両端側のそれぞれを支持する軸受82が取り付けられている。そのため、本形態では、ローラ保持部材73に対する平坦化ローラ61のがたつきを抑制することが可能になる。したがって、本形態では、インクの表面を平坦化する際のローラ保持部材73に対する平坦化ローラ61の振動を抑制することが可能になる。また、本形態では、ローラ保持部材73に対する平坦化ローラ61のがたつきを抑制することが可能になるとともに、ストッパ部材86、87によってローラ保持部材73が接触位置73Aで位置決めされるため、平坦化ローラ61の下降位置の繰り返し精度を高めることが可能になる。
【0069】
このように本形態では、インクの表面を平坦化する際のローラ保持部材73に対する平坦化ローラ61の振動を抑制することが可能になるとともに、平坦化ローラ61の下降位置の繰り返し精度を高めることが可能になるため、平坦化ローラ61によってインクの表面を精度良く平坦化することが可能になる。
【0070】
本形態では、平坦化ローラ61は、支持軸74よりも下側に配置され、ストッパ部材86、87は、支持軸74よりも上側に配置されている。また、本形態では、キャリッジ5がホームポジションから左側へ移動するときに、ローラ保持部材73は退避位置73Bに配置され、キャリッジ5が右側へ移動するときに、ローラ保持部材73は接触位置73Aに配置されている。さらに、本形態では、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときに、ストッパ部材86は、左側からストッパ部材87に接触している。そのため、本形態では、キャリッジ5が右側へ移動して平坦化ローラ61がインクの表面を平坦化するときに平坦化ローラ61に対して左側に作用する反力を、ストッパ部材86、87によって受けることが可能になる。したがって、本形態では、インクの表面を平坦化する際の平坦化ローラ61の左右方向のずれを抑制することが可能になり、その結果、平坦化ローラ61によってインクの表面を精度良く平坦化することが可能になる。
【0071】
本形態では、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときに、平坦化ローラ61は、支持軸74の真下に配置されている。そのため、本形態では、インクの表面を平坦化する平坦化ローラ61に上方向の反力が作用したときに、ローラ保持部材73は、支持軸74を揺動の中心として揺動しにくくなる。また、仮に、ストッパ部材86、87が摩耗して、インクの表面を平坦化する際に、ローラ保持部材73が接触位置73Aから若干ずれたとしても、平坦化ローラ61の上下方向の位置の変動量を低減することが可能になる。また、本形態では、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときに、平坦化ローラ61が支持軸74の真下に配置されているため、平坦化ローラ61の昇降量に対して平坦化ローラ61の揺動量(すなわち、ローラ保持部材73の揺動量)を大きくすることが可能になる。
【0072】
本形態では、ローラ保持部材73が接触位置73Aから退避位置73Bへ移動すると、平坦化ローラ61は、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60から遠ざかる。そのため、本形態では、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60と平坦化ローラ61とが左右方向で隣接するように配置されていても、ローラ保持部材73が退避位置73Bにあるときに、テーブル2の上面のインクに向かって紫外線照射器60から紫外線を照射することで、紫外線照射器60から照射される紫外線が平坦化ローラ61によって遮られるのを抑制することが可能になる。
【0073】
(他の実施の形態)
上述した形態では、偏心カム76とモータ77とによってローラ保持部材73を揺動させる揺動機構が構成されているが、ローラ保持部材73を揺動させる揺動機構は、ソレノイドであっても良いし、クランク機構等であっても良い。
【0074】
上述した形態において、造形台26の下面(裏面)に、
図11に示すように、格子状またはハニカム状に形成される補強用のリブ26cが形成されていても良い。この場合には、造形台26の、リブ26cが形成されていない部分の厚さを薄くしても、造形台26の強度を確保することが可能になるため、造形台26の強度を確保しつつ、造形台26の重量を軽減することが可能になる。したがって、造形台保持部27から造形台26を取り外しやすくなる。また、上述した形態では、造形台26は、造形台保持部27に着脱可能に取り付けられているが、造形台26は、造形台保持部27と一体で形成されていても良いし、溶接等によって造形台保持部27に固定されていても良い。
【0075】
また、上述した形態では、造形台26は、ネジ30によって造形台保持部27に固定されているが、造形台26は、造形台保持部27に固定されていなくても良い。この場合には、たとえば、側面部材28の載置面に上側へ突出する複数の位置決め用ピンが形成または固定されるとともに、造形台26に、位置決め用ピンが挿通される貫通穴が形成されており、造形台26は、貫通穴に位置決め用ピンが挿通された状態で載置面に載置されている。なお、この場合には、三次元造形物の造形が終了して三次元造形物製造装置1から三次元造形物を取り出すときに、前端まで移動しているテーブル2の造形台保持部27からロボットによって造形台26を取り外すことで、造形台26ごと三次元造形物を取り出しても良い。この場合、ロボットは、たとえば、造形台保持部27から取り外した造形台26(すなわち、三次元造形物が載置されている造形台26)を所定の棚まで搬送するとともに、何も載置されていない造形台26を所定の棚から造形台保持部27まで搬送して造形台保持部27に取り付ける。
【0076】
上述した形態において、インク回収機構96は、複数の廃液タンク120を備えていても良い。たとえば、インク回収機構96は、
図12に示すように、2個の廃液タンク120を備えていても良い。この場合には、2個の廃液タンク120のそれぞれに、廃液タンク120内のインクの量を検知するレベル計等のインク量検知機構127が取り付けられている。また、この場合には、2個の廃液タンク120と送液ポンプ122、123との間に切替弁128が配置されている。切替弁128は、電磁弁である。切替弁128には、配管を介して2個の廃液タンク120のそれぞれが接続されている。
【0077】
この場合には、2個の廃液タンク120のうちの一方の廃液タンク120にインクが回収されるように、切替弁128を介して、送液ポンプ122、123と一方の廃液タンク120とが接続されている。また、一方の廃液タンク120のインク量検知機構127によって、一方の廃液タンク120内のインクの量が所定量となっていることが検知されると、他方の廃液タンク120にインクが回収されるように、切替弁128がインクの回収経路を切り替える。すなわち、送液ポンプ122、123と他方の廃液タンク120とが接続されるように、切替弁128がインクの回収経路を切り替える。
【0078】
このように、インク回収機構96が2個の廃液タンク120を備えている場合には、切替弁128は、インク量検知機構127での検知結果に基づいて、2個の廃液タンク120のうちの1個の廃液タンク120にインクが回収されるようにインクの回収経路を切り替える。なお、インク回収機構96が3個以上の廃液タンク120を備えている場合には、切替弁128は、インク量検知機構127での検知結果に基づいて、3個以上の廃液タンク120のうちの1個の廃液タンク120にインクが回収されるようにインクの回収経路を切り替える。
【0079】
上述した形態では、軸受82は、転がり軸受であるが、軸受82は、すべり軸受であっても良い。また、上述した形態では、平坦化ローラ61の両端側は、軸受82を介してローラ保持部材73に回転可能に保持されているが、平坦化ローラ61の両端側は、ローラ保持部材73に直接、回転可能に保持されていても良い。また、上述した形態では、ローラ保持部材73と別体で形成されたストッパ部材86がローラ保持部材73に固定されているが、ストッパ部材86はローラ保持部材73と一体で形成されていても良い。同様に、上述した形態では、保持フレーム75と別体で形成されたストッパ部材87が保持フレーム75に固定されているが、ストッパ部材87は保持フレーム75と一体で形成されていても良い。
【0080】
上述した形態では、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときに、平坦化ローラ61は、支持軸74の真下に配置されているが、ローラ保持部材73が接触位置73Aにあるときに、平坦化ローラ61は、支持軸74の真下からずれた位置に配置されていても良い。また、上述した形態では、ローラ保持部材73が接触位置73Aから退避位置73Bへ移動すると、平坦化ローラ61は、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60から遠ざかるが、ローラ保持部材73が接触位置73Aから退避位置73Bへ移動したときに、平坦化ローラ61は、吐出ユニット48の左端に配置される紫外線照射器60に近づいても良い。
【0081】
上述した形態において、ステージ3は、テーブル2を昇降させる3個以上の昇降機構を備えていても良い。この場合には、三次元造形物の製造前に、テーブル2の上面の複数箇所のそれぞれとレーザ距離計49との上下方向の距離をレーザ距離計49が測定するとともに、レーザ距離計49での測定結果に基づいて3個以上の昇降機構のそれぞれが個別にテーブル2を昇降させることで、テーブル2の上面(すなわち、造形台26の上面)の水平面に対する傾きを調整しても良い。