【実施例1】
【0011】
以下、
図1を参照して実施例1の地図提供システムの概略構成について説明する。
図1に示すように、本実施例の地図提供システム1は、自動車11と、サーバ装置12と、第1無線通信機13と、第2無線通信機14を含む。自動車11は複数台存在するが、
図1には1台のみ図示した。また以下の説明では、自動車11を1台のみ登場させ、この1台のみに注目して説明を進めるが、現実の駐車場内では、同じ動作をする自動車11が複数台存在するものとする。
【0012】
自動車11は自動運転機能を有するものとする。自動車11は第1無線通信機13、第2無線通信機14と無線通信(図の破線は無線通信経路を仮想的に表す)することができるものとする。第1無線通信機13、第2無線通信機14は、サーバ装置12とネットワーク9を介して通信可能な機器であるものとする。上述の無線通信経路およびネットワーク9は、例えば無線LAN、移動体通信網、インターネット回線、車載V2X通信、これらを組み合わせた通信経路などで実現すればよい。
【0013】
サーバ装置12は、たとえば駐車場の管理会社などが管轄する装置であり、前述のネットワーク9、無線通信経路を介して自動車11に駐車場内の地図を配布する装置である。サーバ装置12は、一つの駐車場につき一台設けられていてもよいし、複数の駐車場につき一台設けられていてもよい。
【0014】
第1無線通信機13、第2無線通信機14は、例えば無線アクセスポイントなどでよい。
図4に示すように、第1無線通信機13は駐車場の入口付近に設置されており、第2無線通信機14は後述する待避場所8付近に設置されているものとする。なお、駐車場の入口と待避場所8が十分に近接している場合には、第1無線通信機13と第2無線通信機14の機能を統合して一台の無線通信機とし、本実施例の地図提供システム1を実現してもよい。
【0015】
以下、
図2を参照して本実施例の地図提供システム1に含まれる各装置の構成を説明する。
図2に示すように、本実施例の自動車11は、データ送受信部111と、地図記憶部111Aと、自動運転制御部112を含む。本実施例のサーバ装置12は、データ送受信部121と、地図記憶部121Aと、バージョン確認部122を含む。第1、第2無線通信機13、14はデータの送受信を中継しているだけであるため、機器内部の構成要件については図示を省略した。なお、自動車11、サーバ装置12には
図2に示していない他の構成要件も当然に含まれるが、本実施例の地図提供システム1の動作の説明に必要でないため、すべて図示を省略した。
【0016】
以下、
図3、
図4を参照して、本実施例の地図提供システム1に含まれる各装置の動作を説明する。自動車11は、駐車場の入口付近に一時停車しているものとする(
図4において実線で表した自動車のシンボル参照)。まず、自動車11のデータ送受信部111は、予め地図記憶部111Aに記憶済みの駐車場地図と地図要求をサーバ装置12に送信する(S111A)。典型的には、自動車11は過去に利用した駐車場の駐車場地図をすべて地図記憶部111Aに蓄積しておくものとし、当該駐車場地図のバージョン情報も併せて地図記憶部111Aに蓄積しておくものとする。自動車11は駐車場内に入場する際に、GPS情報その他の情報から入場しようとしている駐車場を特定しているものとし、データ送受信部111は、特定された駐車場について過去に入手した駐車場地図のうち、最もバージョン情報が新しい駐車場地図を地図記憶部111A内から検索し、検索された駐車場地図を地図要求と同時に(第1無線通信機13を経由して)サーバ装置12に送信するものとする。なお、特定された駐車場について地図記憶部111Aを検索した結果、該当する駐車場地図が見つからなかった場合(典型的には、該当の駐車場に自動車11が初めて訪れた場合など)、データ送受信部111は、地図要求のみを(第1無線通信機13を経由して)サーバ装置12に送信する。第1無線通信機13は、駐車場地図と地図要求(あるいは地図要求のみ)を自動車11から受信し、これらの情報をサーバ装置12に送信する(S13A)。
図4に示すように、第1無線通信機13は、駐車場の入口付近に設置されており、自動車11とサーバ装置12の最初の通信を中継する役割を担っている。サーバ装置12のデータ送受信部121は、(第1無線通信機13を経由して)自動車11から駐車場地図と地図要求(あるいは地図要求のみ)を受信する(S121A)
サーバ装置12のバージョン確認部122は、自動車11から駐車場地図と地図要求を受信した場合に、受信した駐車場地図と地図記憶部121Aに予め記憶済みの最新バージョンの駐車場地図(以下、最新地図と呼称する)とを照合し、受信した駐車場地図のバージョンが最新であるか否かを確認する(S122)。例えば、駐車場地図には全て照合用のバージョン情報が紐づけて記憶されているものとし、バージョン確認部122は、最新地図のバージョン情報と受信した駐車場地図のバージョン情報に相違がないかどうか照合確認することにより、受信した駐車場地図のバージョンが最新であるか否かを確認することができる。なお、ステップS121Aにおいて地図要求のみを受信した場合には、バージョン確認部122は、当該要求を受信した駐車場地図のバージョンが最新でない場合と同様に取り扱う。受信した駐車場地図のバージョンが最新であるか否かにより、以下の処理が二つに分岐する。
【0017】
<受信した駐車場地図のバージョンが最新でない場合(あるいは駐車場地図を受信しなかった場合)>
受信した駐車場地図のバージョンが最新でない場合(あるいは駐車場地図を受信しなかった場合)に、サーバ装置12のデータ送受信部121は、(第1、第2無線通信機13、14を経由して)自動車11に退避命令と待避地図と最新地図を送信する(S121B,S121C,S121D)。退避命令とは、自動車11に対して駐車場の奥への入場を禁止し、駐車場内の所定の待避場所8(例えば
図4の網掛け部参照)に一時待避することを命令する信号である。待避地図とは、駐車場入口から所定の待避場所8までの断片的な地図であって高精度な三次元地図である。最新地図とは、前述したように最新バージョンの駐車場の高精度な地図であって、運転制御に必要な車路、車室およびその周辺の情報が含まれた地図である。従ってほとんどの場合、最新地図は三つの情報の中で最もデータ容量が大きい情報であり、待避地図は三つの情報の中で二番目にデータ容量が大きい情報であり、退避命令は三つの情報の中で最もデータ容量が小さい情報である。よって、サーバ装置12のデータ送受信部121は、データ容量の小さい退避命令や待避地図を自動車11に優先的に送信し、その後、データ容量の大きい最新地図を送信してもよい。例えばステップS121B、ステップS121Cが実行された後、自動車11が上記二つの情報(退避命令、待避地図)の受信確認通知をサーバ装置12に送信することとし(図示略)、サーバ装置12は、受信確認通知を受信した後、ステップS121Dを実行してもよい。第1無線通信機13は、退避命令、待避地図をサーバ装置12から受信し、これらの情報を自動車11に送信する(S13B,S13C)。自動車11のデータ送受信部111は、(第1無線通信機13を経由して)サーバ装置12から退避命令、待避地図を受信する(S111B,S111C)。自動車11の自動運転制御部112は、サーバ装置12から退避命令を受信した場合に、ステップS111Cで受信した待避地図に従って駐車場内の所定の待避場所8に移動する待避制御を実行する(S112A)。自動車11は、所定の待避場所8において一時停車する(
図4の待避場所8内に入り込む破線矢印、破線で表した待避場所8内の自動車のシンボル参照)。
【0018】
図4に示すように第2無線通信機14は待避場所8に隣接した位置にあるものとする。第2無線通信機14は、最新地図をサーバ装置12から受信し、最新地図を自動車11に送信する(S14D)。自動車11のデータ送受信部111は、(第2無線通信機14を経由して)サーバ装置12から最新地図を受信する(S111D)。最新地図を受信した場合、自動運転制御部112は、受信した最新地図に従って駐車場内への運転制御を開始する(S112B)。なお破線で示したように、第1無線通信機13は、最新地図の一部または全部をサーバ装置12から受信し、自動車11に送信してもよい(S13D)。現実的な実装としては、第1無線通信機13において最新地図の転送が途中まで実行され、自動車11が待避場所8に移動した後は、引き続き第2無線通信機14が最新地図の転送を続行することが考えられる。なお、自動車11が古いバージョンの地図を記憶している場合、サーバ装置12から古いバージョンと最新バージョンの差分のみが最新地図として送信されるようにしてもよい。この場合、自動車11は、当該差分(最新地図)を受信し、古いバージョンの地図と当該差分とを組み合わせて駐車場内の地図を生成してもよい。
【0019】
このように、最新地図を記憶・保持していなかった自動車11は上記ステップS111B〜S112Aを実行して、後続車の場内走行の邪魔にならないように一時待避を実行し、所定の待避場所8において大容量の最新地図を受信するステップS111Dの処理を実行する。最新地図のデータ容量が大容量であっても、その受信処理を所定の待避場所8で実行することにしたため、後続車の場内走行に影響を与えることがない。
【0020】
<受信した駐車場地図のバージョンが最新である場合>
受信した駐車場地図のバージョンが最新である場合に、サーバ装置12のデータ送受信部121は、自動車11に入場命令を送信する(S121E)。第1無線通信機13は、入場命令をサーバ装置12から受信し、入場命令を自動車11に送信する(S13E)。自動車11のデータ送受信部111は、(第1無線通信機13を経由して)サーバ装置12から入場命令を受信する(S111E)。入場命令を受信した場合、自動運転制御部112は、もともと地図記憶部111Aに記憶されていた駐車場地図に従って駐車場内への運転制御を実行する(S112C、
図4において直進走行を表す破線矢印、矢印の先に位置する破線で表した自動車のシンボル参照)。
【0021】
このように、入場時にすでに最新地図を記憶・保持している自動車11は、新たに大容量のデータを受信する必要がなく、入場命令のみを受け取るだけでよい。従って、当該自動車11は速やかに駐車場内への運転制御を開始することができ、後続車の場内走行や待避場所への移動を妨げることがない。
【0022】
なお、待避場所8は、
図5に示すように駐車場のゲートの外に設けてもよい。この場合、第1無線通信機13は、ゲート付近ではなく、待避場所8への分岐路の手前、あるいはその周辺に配置すればよい。
【0023】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD−ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0024】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0025】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0026】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0027】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0028】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0029】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0030】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0031】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。