(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のゲームシステム1の全体構成を説明する図である。
図2は、第1実施形態の携帯端末10、ゲーム機20、IDカード30、サーバ50を説明する図である。
なお、
図2は、簡略して、1つゲーム機及びサーバ50が接続された形態を示すが、実際には、複数のゲーム機及びサーバ50が接続されている。
図3は、第1実施形態の店舗情報−ゲーム機情報記憶部56a、プレイ履歴記憶部56bの記憶情報を説明する図である。
図4は、第1実施形態のゲーム機−稼働率記憶部56cの記憶情報を説明する図である。
図5は、第1実施形態の要求履歴記憶部56d、要求履歴集計記憶部56eの記憶情報を説明する図である。
【0010】
ゲームシステム1は、携帯端末10からの要求に応じて、近隣店舗のゲーム機20の稼働率を、利用者に提供するものである。また、ゲームシステム1は、携帯端末10からの要求を、ゲーム機20の数の調整等に利用するものである。
【0011】
ゲームシステム1は、携帯端末10(利用者端末)、ゲーム機20、サーバ50(ゲーサーバ)を備える。
携帯端末10は、プレイヤである利用者が携行する。
ゲーム機20は、アミューズメント施設等の店舗に配置される。
サーバ50は、ゲームシステム1を統括して管理する運営者(ゲームメーカ等)の施設に配置される。
各装置10,20,50は、インターネット通信網等の通信網2を介して通信するための通信装置を備える。携帯端末10及びゲーム機20と、サーバ50との間は、通信網2を介して接続されており、必要に応じて通信できる。
【0012】
なお、実施形態において、コンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、携帯端末10、ゲーム機20、サーバ50は、記憶部16,26,56、制御部17,27,57を備え、コンピュータの概念に含まれる。
記憶部16,26,56は、携帯端末10、ゲーム機20、サーバ50の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
制御部17,27,57は、携帯端末10、ゲーム機20、サーバ50の動作に必要な演算処理をしたり、携帯端末10、ゲーム機20、サーバ50を統括的に制御するための装置である。制御部17,27,57は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部17,27,57は、記憶部16,26,56に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0013】
図1、
図2に示すように、携帯端末10は、例えば多機能型の携帯電話機等である。なお、利用者が所持する端末は、携帯電話機等に限されず、例えば、携行可能なパーソナルコンピュータ等でもよい。
携帯端末10は、タッチパネル14、GPS受信部15、記憶部16、制御部17を備える。
タッチパネル14は、利用者の操作を受け付ける操作部と、利用者に情報を表示する表示部とを兼用する装置である。
GPS受信部15は、グローバルポジショニングシステムの衛星からの電波を受信する装置である。
【0014】
記憶部16は、稼働率情報要求プログラム16aを備える。
稼働率情報要求プログラム16aは、稼働率情報要求処理(
図7参照)をするためのプログラムである。
制御部17は、稼働率情報要求部17aを備える。
稼働率情報要求部17aは、稼働率情報要求処理等をする。
制御部17の処理の詳細は、後述する。
【0015】
図1、
図2に示すように、ゲーム機20は、コイン投入口21(課金部)、カードリーダ22(利用者識別情報取得部)、操作部23、表示部24、記憶部26、制御部27を備える。
コイン投入口21は、利用者がプレイをするためにコインを投入するための投入口である。コイン投入口21の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ等のコイン検出部(図示せず)を備える。コイン検出部は、コインを検出すると、コイン検出信号を制御部27に出力する。
なお、課金部は、利用者から課金でき、課金情報を制御部27に出力できる構成であれば、コイン投入口21に限定されない。課金部は、例えば、プリペイドカード等の情報を読み込むカードリーダ等を備えていてもよい。
【0016】
カードリーダ22は、利用者が所持するIDカード30と通信して、利用者ID36(利用者識別情報)を読み出すことにより、取得する装置である。IDカード30は、RFIDタグ35を内蔵したカードである。カードリーダ22及びIDカード30間は、電磁誘導方式等によって非接触で通信可能である。
操作部23は、利用者が操作する入力装置である。操作部23は、操作ボタン、操作レバー等を備える。
表示部24は、プレイ画面を表示する表示装置である。表示部24は、例えば液晶表示装置等である。
【0017】
記憶部26は、ゲーム機ID記憶部26a、ゲームプログラム26bを備える。
ゲーム機ID記憶部26aは、ゲーム機IDを記憶する領域である。ゲーム機IDは、ゲーム機20の識別情報である。
ゲームプログラム26bは、プレイ実行をするためのプログラムである。
制御部27は、開始終了送信部27a、プレイ進行部27bを備える。
開始終了送信部27aは、ゲーム機20でのプレイ開始の情報、プレイ終了の情報を、サーバ50に送信する。
プレイ進行部27bは、ゲーム機20でのプレイ進行の処理、制御を行う。
制御部27の処理の詳細は、後述する。
【0018】
サーバ50は、操作部53、表示部54、記憶部56、制御部57を備える。
操作部53は、ゲームシステム1の管理者等が操作する入力装置であり、例えばキーボード等を備える。
表示部54は、稼働情報に関する情報等を出力する装置である。表示部54は、例えば液晶表示装置等である。
記憶部56は、店舗情報−ゲーム機情報記憶部56a、プレイ履歴記憶部56b、ゲーム機−稼働率記憶部56c、要求履歴記憶部56d、要求履歴集計記憶部56e、稼働状況処理プログラム56fを備える。
【0019】
図3(A)に示すように、店舗情報−ゲーム機情報記憶部56aは、店舗情報、ゲーム情報をテーブルの形態で記憶する。
店舗情報は、各店舗名の情報と、その店舗の住所(設置場所情報)とが対応付いた情報である。
図3(A)の例では、設置場所情報、つまり店舗の設置場所を特定できる情報は、住所である例を説明するが、これに限定されない。設置場所情報は、例えば地図上等で店舗の設置場所を特定できればよく、緯経度等の情報でもよい。
ゲーム情報は、各ゲーム機20のゲーム機IDと、そのタイトルとが対応付いた情報である。
以上により、店舗情報−ゲーム機情報記憶部56aは、店舗名、設置場所の情報、ゲーム機ID、ゲームタイトルを対応付けて記憶する。
【0020】
図3(B)に示すように、プレイ履歴記憶部56bは、ゲーム機ID、利用者ID、プレイ開始時刻、プレイ終了時刻を対応付けて記憶する。
図4に示すように、ゲーム機−稼働率記憶部56cは、各ゲーム機20の稼働率情報を記憶する。
稼働率情報は、時刻と、各ゲーム機20の稼働率とを対応付けて記憶する。なお、
図4は、稼働率情報をグラフ化したものである。
【0021】
図5(A)に示すように、要求履歴記憶部56dは、携帯端末10からの稼働情報の要求履歴に関する情報を記憶する。
図5(B)に示すように、要求履歴集計記憶部56eは、要求履歴記憶部56dの要求履歴の集計に関する情報を記憶する。
要求履歴記憶部56d、要求履歴集計記憶部56eの情報の詳細は、後述する。
稼働状況処理プログラム56fは、稼働状況に関する各種処理(
図6、
図7、
図9等参照)を実行するためのプログラムである。
【0022】
制御部57は、稼働状況処理部57aを備える。
稼働状況処理部57aは、稼働状況に関する各種処理等を行う。
制御部57の処理の詳細は、後述する。
【0023】
[ゲームシステム1の処理]
ゲームシステム1の処理について説明する。
(プレイ履歴の記憶)
図6は、第1実施形態のプレイ履歴の記憶に関する処理のフローチャートである。
ゲームシステム1は、以下のように、利用者がプレイする毎に、プレイ履歴を記憶する。
ステップS(以下「S」という)1において、利用者がコインをゲーム機20のコイン投入口21に投入すると、コイン検出部がコイン検出信号を制御部27に送信する。
S2において、利用者がIDカード30をゲーム機20のカードリーダ22にかざすと、カードリーダ22がIDカード30の利用者IDを読み取る。
S3において、プレイ進行部27bが操作部23の操作等に応じてプレイを開始する。
S4において、開始終了送信部27aは、プレイ開始(S3)に応じて、ゲーム機ID記憶部26aに記憶されたゲーム機ID、S2で取得した利用者ID、プレイ開始情報を、サーバ50に送信する。プレイ開始情報は、プレイが開始したことを示す情報である。
【0024】
S5において、サーバ50の稼働状況処理部57aは、これらの情報を受信すると、これらの情報と、受信日時とを関連付けて、プレイ履歴記憶部56bに記憶する。
図3(B)に示すように、例えば、行56b−1は、「ID=P001」の利用者が、「ID=G001」のゲーム機20で、「2016/1/1 12:00」にプレイ開始したことを記憶する。
【0025】
S6において、ゲーム機20のプレイ進行部27bは、利用者の残ライフ値がゼロになること等によってプレイを終了する。
S7において、開始終了送信部27aは、プレイ終了(S6)に応じて、ゲーム機ID、プレイ終了情報、S2で取得した利用者IDをサーバ50に送信する。プレイ終了情報は、プレイが終了したことを示す情報である。
S8において、サーバ50の稼働状況処理部57aは、これらの情報を受信すると、これらの情報と、受信日時とを関連付けて、プレイ履歴記憶部56bに記憶する。
図3(B)に示すように、例えば、行56b−1は、前述した「ID=P001」の利用者が、「ID=G001」のゲーム機20で、「2016/1/1 12:50」にプレイ終了したことを記憶する。
【0026】
以上の処理を、ゲームシステム1は、全てのゲーム機20でのプレイ毎に行う。これにより、稼働状況処理部57aは、プレイ履歴として、ゲーム機ID、利用者ID、プレイ開始時刻、プレイ終了時刻の情報を対応付けて、順次、プレイ履歴記憶部56bに記憶する。
【0027】
(稼働率情報の作成)
S9において、サーバ50の稼働状況処理部57aは、プレイ履歴記憶部56bのプレイ履歴を集計することにより、稼働率情報を作成する。集計の処理開始は、プログラムによって、例えば、毎週月曜日の午前0時等と定められている。
稼働状況処理部57aは、プレイ履歴記憶部56bを参照し、各ゲーム機20の各曜日の稼働状況を読み出す。実施形態では、読み出す期間は、一例として、最近の稼働状況を反映するために、過去4週間程度とした。
これにより、稼働状況処理部57aは、全てのゲーム機20の過去4週間のプレイ履歴に基づいて、1週間分の各曜日、各時点における平均稼働率を算出する。なお、
図4は、一例として「ID=G001,G004,G007」の3つのゲーム機20の稼働率情報を説明する。
【0028】
図4(A)の「ID=G001」のゲーム機20の月曜日を例に説明すると、このゲーム機20の稼働率は、以下の通りである。
・10:00〜11:30:稼働率0%
・11:30〜13:30:稼働率25%
・13:30〜17:30:稼働率75%以上
・17:30〜19:00:稼働率50%
・19:00〜21:00:稼働率25%
・21:00〜22:00:稼働率0%
【0029】
(稼働率情報要求処理、稼働率情報提供処理)
図7は、第1実施形態の稼働率情報要求処理、稼働率情報提供処理を説明するフローチャートである。
図8は、第1実施形態の稼働率情報要求処理における入力画面14a、結果表示画面14bを示す図である。
利用者は、例えば、街中においてゲームをしたいと思った任意の時点で、ゲーム機20の稼働率情報を確認できる。利用者は、ゲーム機20の稼働率情報を確認したい場合には、携帯端末10のタッチパネル14を操作する。
これにより、携帯端末10は、サーバ50に対してゲーム機20の過去の稼働率情報を要求する稼働率情報要求処理を行い、また、サーバ50は、携帯端末10に対してゲーム機20の過去の稼働率情報を提供する稼働率情報提供処理を行う。
【0030】
S11において、携帯端末10の稼働率情報要求部17aは、タッチパネル14の操作に応じて、稼働率情報要求アプリケーションを起動する。
S12において、稼働率情報要求部17aは、GPS受信部15の出力に基づいて、携帯端末10の現在位置を取得する。
S13において、稼働率情報要求部17aは、入力画面14aをタッチパネル14に表示することにより、タイトルの選択、時間指定の入力を受け付ける。
【0031】
図8(A)に示すように、入力画面14aは、タイトル選択表示14a−1、時間指定表示14a−2を表示する。
タイトル選択表示14a−1は、ゲームのタイトルを選択するための表示である。タイトル選択表示14a−1は、タイトルA〜Gの7つのボタンを備える。
図8(A)の例は、タイトルAのゲームを選択されたことにより、Aボタンの枠が太く表示されている。
【0032】
時間指定表示14a−2は、稼働率情報を取得する時間を指定するための表示である。実施形態では、現時刻(現時点)から指定した時間後までの稼働率情報を、取得できるようになっている。このため、時間指定表示14a−2は、指定時間を入力するためのアップダウンボタン14a−3を備える。
図8(A)の例は、指定時間として、「現在時刻2016/4/6(水) 15:00」の時点において、60分後の「時刻2016/4/6(水) 16:00」が入力された場面である。
【0033】
S14において、稼働率情報要求部17aは、要求情報として、S12で取得した携帯端末10の現在位置の情報と、S13で受け付けたタイトルの情報、時間指定の情報とを、サーバ50に送信する。
以下、
図8(A)に示すように、要求情報は、携帯端末10(つまり利用者)の現在位置が「○町」内であり、タイトルAが選択され、また、指定時間が「2016/4/6(水)の15:00(現時刻)〜16:00」である例を説明する。
【0034】
S15において、サーバ50の稼働状況処理部57aは、要求情報を受信する。
S16において、稼働状況処理部57aは、要求情報に含まれる携帯端末10の位置情報と、店舗情報−ゲーム機情報記憶部56a(
図3(A)参照)の店舗の住所とに基づいて、携帯端末10の抽出距離内の店舗を抽出する。この抽出処理は、例えば、地図アプリプリケーション等を用いる。
携帯端末10の抽出距離内とは、携帯端末10の近隣のことであり、実施形態では、「携帯端末10を中心とした半径500m以内」と、プログラムによって定められている例を説明する。なお、抽出距離は、プレイヤが、入力画面14aで指定できるようにしてもよい。
その後、稼働状況処理部57aは、抽出した店舗のゲーム機IDを、店舗情報−ゲーム機情報記憶部56aから読み出す。
【0035】
上記要求情報の例では、O町1号店、O町2号店、O町3号店が携帯端末10を中心とした半径500m以内に位置すれば、稼働状況処理部57aは、これら3店舗を抽出する。さらに、稼働状況処理部57aは、上記3店舗のゲーム機20のゲーム機IDである「G001〜G003」、「G004〜G006」、「G007〜G009」を、店舗情報−ゲーム機情報記憶部56a(
図3(A)参照)から読み出す。
【0036】
S17において、稼働状況処理部57aは、店舗情報−ゲーム機情報記憶部56a(
図3(A)参照)から読み出したゲーム機IDに対応したタイトルと、要求情報に含まれるタイトルとが一致するか否かを判定する。そして、両タイトルが一致したゲーム機ID、つまりゲーム機20を特定する(ゲーム機特定処理)。
上記要求情報の例では、O町1号店、O町2号店、O町3号店のうち、要求されたタイトルAに一致するゲーム機20の「ID=G001」、「ID=G004」、「ID=G007」を特定する。
【0037】
S18において、稼働状況処理部57aは、S17で特定したゲーム機IDのゲーム機−稼働率記憶部56cのなかから要求情報に含まれる曜日及び指定時間の部分を抽出する(稼働率抽出処理)。
図4の矢印A,Bに示すように、上記要求情報の例では、稼働状況処理部57aは、要求されたタイトルAに一致するゲーム機IDである「ID=G001」、「ID=G004」、「ID=G007」のゲーム機−稼働率記憶部56cの稼働率情報のなかから要求情報に含まれる指定時間「水曜日 15:00〜16:00」の部分を抽出する。
S19において、稼働状況処理部57aは、携帯端末10からの要求に対する結果情報として、店舗、タイトル、抜き出した稼働率情報を対応付けて、携帯端末10に送信する(結果情報送信処理)。
【0038】
S20において、
図8(B)に示すように、携帯端末10の稼働状況処理部57aは、結果情報を受信すると、結果表示画面14bをタッチパネル14に表示する。結果表示画面14bは、結果情報に関する情報を備える。
すなわち、結果表示画面14bは、タイトル名14b−1、店舗名14b−2、指定時間におけるゲーム機20の稼働率14b−3の情報を表示する。
【0039】
利用者は、結果表示画面14bを参照して、近隣のどの店舗に行けば、タイトルAのゲームをプレイできるかを、参考にすることができる。
図8(B)の例では、「O町1号店」の15:30以降であれば、タイトルAのゲーム機20が空いている可能性が高い(矢印14b−4参照)。
【0040】
このように、ゲームシステム1は、利用者からの要求に応じて、利用者の近隣の店舗のゲーム機20の過去の稼働率に関する情報を、利用者に提供する。これにより、利用者は、現在位置から近隣の店舗において、現時点で空いているゲーム機20を予測できる。また、利用者は、仮に他の利用者がゲーム機20でプレイ中の場合であっても(つまりゲーム機20が稼働状態)であっても、どの位の時間待てば、ゲーム機20が空くかを予測できる。
【0041】
さらに、この場合、ゲームシステム1は、要求の都度、ゲーム機20の空状況を確認するのではなく、予め作成したゲーム機−稼働率記憶部56cの情報を利用して、過去の稼働率を提供するので、システムの構成が簡単であり、また、サーバ50の処理の負担が小さい。
すなわち、実施形態とは異なり、現時点でのゲーム機20の実際の稼働状態を、携帯端末10からの要求の都度確認する形態では、システムの構成が複雑となり、また、処理の負担が大きくなる。また、この形態では、現時点後の時刻(例えば現時点から30分後)のゲーム機20の稼働状態の予測は、できない。
【0042】
S21において、
図5(A)に示すように、サーバ50の稼働状況処理部57aは、要求履歴情報を、要求履歴記憶部56dに記憶する(要求履歴記憶処理)。
要求履歴情報は、S14の要求情報に含まれるタイトル、指定時間と、S17で特定したゲーム機IDと、S19の結果情報に含まれる店舗名と、空判定情報とを備える。
空判定情報は、携帯端末10の指定時間内に、要求されたタイトルのゲーム機20が空いているか否かを予測した結果を備える。つまり、稼働状況処理部57aは、指定時間内において、S16で抽出したゲーム機20の稼働率情報内に、稼働率ゼロが存在するか否かを判定し、その判定結果と、店舗名とを対応付けて記憶する。
【0043】
図4(A)に示すように、上記要求情報に対する結果には、ゲーム機IDが「ID=G001」の稼働率情報内には、指定時間「15:00から16:00」内に稼働率ゼロの時間「15:30から16:00」が存在する。このため、要求履歴情報は、「ID=G001」のゲーム機20について、「空有り」と判定した情報を付加する。一方、「ID=G004,G007」の要求履歴情報は、稼働率ゼロが存在しないので「空無し」と判定した情報を備える。
【0044】
上記S11〜S21は、各利用者の携帯端末10の要求の都度行う。
このため、各利用者は、現在位置に近隣の店舗のゲーム機20の稼働率情報を確認できる。また、サーバ50の要求履歴記憶部56dには、要求情報を受信する毎に、これに対応した要求履歴情報が記憶されていく。
【0045】
(要求履歴集計処理)
図9は、第1実施形態の要求履歴集計処理を説明するフローチャートである。
サーバ50の稼働状況処理部57aは、要求履歴記憶部56dの要求履歴情報の集計処理である要求履歴集計処理をすることにより、要求履歴集計情報を作成する。要求履歴集計処理の開始は、プログラムによって、例えば、毎週月曜日の午前0時等と定められている。
S31において、稼働状況処理部57aは、要求履歴記憶部56dから、各ゲーム機20の要求履歴情報を読み出す。
【0046】
S32において、稼働状況処理部57aは、S3で読み出した各ゲーム機20の要求履歴情報に含まれる要求履歴情報の「空有り」の回数(空判定回数)をカウントする。
S33において、稼働状況処理部57aは、各ゲーム機20の空率を算出する(空判定割合算出処理)。要求履歴集計情報は、ゲーム機20からの要求に対する空率を百分率で示す情報であり、「空率%=空回数/要求回数×100」で求めことができる。
【0047】
S34において、稼働状況処理部57aは、要求履歴集計情報を出力する。
出力の方法は、限定されない。例えば、ゲームシステム1に管理者が確認する場合には、サーバ50が備える表示部54に出力してもよい。
また、店舗の経営者等に伝える場合には、通信網2を介して、店舗のコンピュータ(図示せず)に出力したり、紙媒体に印刷してもよい。
【0048】
要求履歴集計情報は、例えば、店舗で分類することによって、各店舗のゲーム機20をまとめて出力できる。
図5(B)の例では、O町1号店においては、タイトルB,Cのゲーム機20の空率が小さいのに対して、タイトルAのゲーム機20の空率が大きい。これは、O町1号店では、タイトルB,Cは、需要が大きいのに対して、タイトルAは、需要が小さいことを示す。このため、店舗の経営者は、タイトルAのゲーム機20を、タイトルB,C等に切り替えること等を検討できる。
【0049】
また、要求履歴集計情報は、例えば、地域で分類することによって、地域内の店舗のゲーム機20をまとめて出力できる。
図5(B)の例では、O町において、タイトルDの要求回数は、O町3号店の1回のみであり、かつ、空率100%である。
これに対して、矢印56e−1に示すように、タイトルEの要求回数は、O町2号店、O町3号店でそれぞれ、30回、35回であり、空率7%、6%である。
これらのことは、O町ではタイトルDは、人気がなく需要が小さく、一方、タイトルEは、人気があり需要が大きいことを示す。このため、ゲームシステム1の運営者等は、O町においては、タイトルDのゲーム機20を減らして、タイトルEのゲーム機20を増やすこと等を検討できる。
【0050】
このように、ゲームシステム1は、利用者からの稼働情報の要求を解析することにより、各タイトルのゲーム機20の数量の調整等に利用できる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステム1は、ゲーム機20の稼働履歴を集計して利用者に提供するので、利用者は、現時点以降のゲーム機20の稼働状態を予測できる。
また、ゲームシステム1は、利用者からの稼働情報の要求を集計することにより、ゲーム機20の数量の調整等に利用できる。これにより、利用者からの稼働情報の要求を、店舗運営に利用できる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の名称等を用い、重複する説明を適宜省略する。
図10は、第2実施形態のゲーム機の稼働情報、ゲーム機−稼働率記憶部56、修正稼働率情報を説明する図である。
図10(A)は、O町1号店、タイトルA、ID=G001のゲーム機における3月の毎水曜日の稼働情報を説明する図である。
図10(A)に示すように、3月の過去4週の水曜日であっても、3/26(各稼働日)の稼働情報は、他の3日である3/2、3/9、3/16(各稼働日以外の他の稼働日)とは、大きく異なっている。すなわち、3/26の稼働率は、20%であるのに対して、他の3日の稼働率は、70%、66%、70%であり、他の日よりも著しく低い。
【0053】
これは、例えば、店舗が存在する地域の3/26の天候が、他の水曜日に比べると悪天候であったため等である。
また、これとは反対に、店舗の近隣でのイベント等があった場合には、同じ水曜日であっても、他の水曜日よりも、稼働率が高いときもある(図示は省略する)。
【0054】
過去4日分(つまり過去4週分)の水曜日の稼働率は、このような稼働情報が大きく異なる日を含んだ状態で、4日分を平均化されると、精度が低下する。そこで、サーバの稼働状況処理部(
図2参照)は、この3/26の稼働情報を除外することにより、他の3日分(つまり過去3週分)の稼働情報を用いて、水曜日の稼働率を算出する。
なお、この場合、稼働情報が大きく異なる日を除外する判定基準は、適宜、設定できる。例えば、
図10(A)の例では、3/26の稼働率と、4日分の稼働率の総平均(
図10(A)の例では57%)との差異が、30%以上である場合に、3/26を除外するように設定できる。
これにより、ゲーム機−稼働率記憶部に記憶する3月の水曜日の稼働率の情報(
図2、
図4参照)の精度を、3/26を含んだ場合よりも向上できる。
【0055】
図10(B)は、稼働状況処理部がこのようにして求めた3月の水曜日のゲーム機−稼働率記憶部(
図2、
図4参照)の情報である。
稼働状況処理部は、その後の処理においては、3月の水曜日に関する処理(
図7に示すS18等)を、
図10(B)に示すゲーム機−稼働率記憶部の情報を用いる。
【0056】
これにより、本実施形態のゲームシステムは、利用者から要求情報があった場合に(
図7のS14,S15参照)、ゲーム機のより正確な稼働率を、提供できる(
図7のS19,S20参照)。また、ゲーム機の空き否かの判定の精度も向上できる(
図7のS21参照)。
【0057】
図10(C)は、稼働状況処理部が、上記のように他の日よりも著しく低い3/26の稼働情報を除外後、さらに、他の3日分の稼働情報に基づいて、3/26の稼働情報(修正稼働率情報)を補完した例である。
図10(C)の例は、他の3日の各時間帯の平均稼働率が66%以上であれば、つまり3日のうち2以上が稼働状態であれば、3/26の各時間帯も稼働状態であるという規則に従った。このような規則にした理由は、他の3日分の各時間帯において2日以上が稼働状態であれば、3/26の各時間帯も、通常であれば稼働状態である可能性が大きいからである。
なお、実施形態では、稼働情報の補正の概念は、このように精度の高い稼働情報を補完することを含む。また、稼働情報を補正する規則は、これ限定されず、適宜設定できる。
【0058】
詳細な説明は省略するが、サーバの稼働状況処理部(
図2参照)は、この補完した3/26を含む4日分の稼働情報を用いて、3月の水曜日の稼働率を算出する。そして、稼働状況処理部は、その後の処理においては、3月の水曜日に関する処理(
図7に示すS18等)を、
図10(B)に示すゲーム機−稼働率記憶部の情報を用いる。
この場合にも、本実施形態のゲームシステムは、利用者から要求情報があった場合にゲーム機のより正確な稼働率を提供でき、また、ゲーム機の空き否かの判定の精度も向上できる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0060】
(変形形態)
(1)実施形態において、利用者に稼働率を提供する処理(
図7参照)では、携帯端末の近隣の店舗のゲーム機を抽出する例を示したが、これに限定されない。例えば、利用者が指定した店舗のゲーム機を抽出してもよい。
この場合には、サーバは、利用者の登録の要求に応じて利用者IDと、店舗とを対応付いた情報を予め記憶しておき、また、携帯端末からの要求情報に利用者IDを含めるようにすればよい。これにより、サーバは、要求情報の利用者IDに基づいて、利用者が登録した店舗を特定できる。
この場合には、利用者は、普段利用する店舗を登録できるので、便利である。
【0061】
(2)実施形態において、サーバは、ゲーム機の過去の稼働率をそのまま平均して、利用者に提供する例を示したが、これに限定されない。
例えば、サーバは、特定の時間帯において、稼働率を増加又は減算して、補正処理した状態で利用者に提供してもよい。この場合には、サーバは、その操作部から特定の時間帯を指定して、増加又は減算する入力を受け付ければよい。これにより、利用者に提供する稼働率の精度を向上できる。
また、例えば、サーバは、ゲームのタイトルを更新(バージョンのアップグレード)後、又はゲームのタイトルを新タイトルに変更後には、例えば、変更後数週間程度の間、稼働率を増加するように、補正してもよい。この場合には、サーバの制御部は、これらのゲームプログラムをゲーム機に配信したことに応じて、稼働率を増加した状態で利用者に提供すればよい。これにより、ゲームのタイトルを更新に応じて、一般にはゲーム機の稼働率が向上する場合でも、利用者に提供する稼働率の精度を向上できる。
なお、これらのように、利用者に提供する稼働率を補正する場合には、結果表示画面に稼働率を、補正処理したことを示す情報(テキスト情報等)を表示してもよい。
【0062】
(3)実施形態において、空判定処理(S21)は、ゲーム機が指定時間内に空状態があるか否かを判定したが、これに限定されない。例えば、空判定処理は、ゲーム機が稼働状態であるか否かを判定してもよい。この場合でも、ゲーム機が稼働状態でなければ、空状態となるので、ゲーム機が空きであるか否かに関する判定をすることができる。