特許第6963383号(P6963383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963383
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】流体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20211028BHJP
   A47K 5/12 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   B65D83/00 G
   A47K5/12 A
   B65D83/00 K
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-253611(P2016-253611)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-104048(P2018-104048A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】中居 英俊
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡郎
(72)【発明者】
【氏名】三好 恵太郎
【審査官】 内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−157644(JP,A)
【文献】 特開平09−103387(JP,A)
【文献】 特開平09−154759(JP,A)
【文献】 特開2002−143023(JP,A)
【文献】 特開2009−165762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
A47K 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置台に設置される流体吐出装置であって、流体を貯蔵するためのタンクと、前記タンクの上方に設けられ、前記タンクに貯蔵された流体を吐出ノズルに供給するための供給機構部と、を備え、
前記供給機構部は、前記流体を前記タンクから吸い上げて前記吐出ノズル側に送出するポンプ機構を備えており、
前記流体を前記タンクに補給するための補給経路部をさらに備え、
前記補給経路部は、補給口が形成され、前記供給機構部の上方に配置された第1端部と、前記タンクに連通する第1連通口が形成され、前記供給機構部の下方に配置された第2端部と、前記供給機構部の側面に沿って配置された補給経路本体と、を有し、
前記供給機構部は、前記設置台の上側に設けられるように設計されており、
前記第1端部は、前記供給機構部の上方を覆う覆い壁と、前記覆い壁の縁部から上方に立設した筒状の立壁と、を有し、
前記覆い壁には、前記補給経路本体との連通孔が形成されており、
前記タンク内の空気を抜くためのエア抜き経路部をさらに備え、
前記エア抜き経路部が、前記覆い壁に形成されたエア抜き孔に連通され、前記供給機構部の側面に沿って配置されたエア抜き経路本体と、前記タンクに連通する第2連通口が形成され、前記供給機構部の下方に配置された第3端部と、を有し、
前記覆い壁上に配置され、前記エア抜き孔を囲む囲い壁をさらに備えた
ことを特徴とする流体吐出装置。
【請求項2】
前記補給経路本体と、前記エア抜き経路本体と、が並べられて一体に形成されていることを特徴とする請求項に記載の流体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水石けん液とエアとを混合し、水石けんをムース状にして吐出するとともに、カウンタ部等の設置台Kに固定して使用されるソープディスペンサー101が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたソープディスペンサー101は、図7に示すように、手洗器のカウンタ部の一部である設置台Kに形成された貫通部Hに挿入固定される。ソープディスペンサー101は、貫通部Hに挿入固定された取付管102と、取付管102の下側に接続保持された水石けん液のタンク103と、取付管102とは別体に構成されているとともに、取付管102に脱着可能に設けられた本体部104と、を備えて構成されている。
【0004】
本体部104は、その大部分が、ソープディスペンサー101における設置台Kの上側に位置するとともに、その全体が取付管102から取外し可能とされている。本体部104は、ボディ105と、このボディ105に内蔵されるとともに、水石けん液ポンプ、エアポンプの各機能を有し、水石けん液をポンプ作用で揚液した上、エアーを混合し、ムース状の水石けん液として送出する機構部106と、基端がボディ105に固定された吐出管107と、を備えて構成されている。
【0005】
吐出管107は、その基端の近傍部に、水石けん液とエアーとの混合を促進するためのメッシュ108が固定されている。このようなソープディスペンサー101は、本体部104を取付管102から外し、この状態で取付管102の開口部に水石けん液を注入することで、取付管102を介して水石けん液がタンク103に補給される。また、本体部104とタンク103とはボールチェーン109によって連結され、本体部104の盗難、紛失防止を図っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-165762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来のソープディスペンサー101にあっては、水石けん液をタンク103に補給するときは、本体部104をどこかに置いて作業を行う必要があった。このため、本体部104の置き場所に困ったり、またボールチェーン109などを伝って水石けん液が手洗器に垂れて、汚れてしまう恐れがあり、補給時の作業性が悪かった。
【0008】
本発明の目的は、補給時の作業性の向上を図った流体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様である流体吐出装置は、設置台に設置される流体吐出装置であって、流体を貯蔵するためのタンクと、前記タンクの上方に設けられ、前記タンクに貯蔵された流体を吐出ノズルに供給するための供給機構部と、を備え、前記供給機構部は、前記流体を前記タンクから吸い上げて前記吐出ノズル側に送出するポンプ機構を備えており、前記流体を前記タンクに補給するための補給経路部をさらに備え、前記補給経路部は、補給口が形成され、前記供給機構部の上方に配置された第1端部と、前記タンクに連通する第1連通口が形成され、前記供給機構部の下方に配置された第2端部と、前記供給機構部の側面に沿って配置された補給経路本体と、を有し、前記供給機構部は、前記設置台の上側に設けられるように設計されており、前記第1端部は、前記供給機構部の上方を覆う覆い壁と、前記覆い壁の縁部から上方に立設した筒状の立壁と、を有し、前記覆い壁には、前記補給経路本体との連通孔が形成されており、前記タンク内の空気を抜くためのエア抜き経路部をさらに備え、前記エア抜き経路部が、前記覆い壁に形成されたエア抜き孔に連通され、前記供給機構部の側面に沿って配置されたエア抜き経路本体と、前記タンクに連通する第2連通口が形成され、前記供給機構部の下方に配置された第3端部と、を有し、前記覆い壁上に配置され、前記エア抜き孔を囲む囲い壁をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
の態様の流体吐出装置は、前記補給経路本体と、前記エア抜き経路本体と、が並べられて一体に形成されている。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように第1の態様によれば、供給機構部の上方に補給口が配置されているため、供給機構部を取り外すことなく、流体を補給することができる。このため、補給時の作業性の向上を図ることができる。また、補給口を大きくすることができ、より一層補給時の作業性の向上を図ることができる。また、エア抜き経路部を設けることにより、流体補給時にタンク内の空気がエア抜き経路部から抜けるため、補給経路部から抜けることを防止できる。また、囲い壁により、流体がエア抜き経路部に流れ込むのを防止できる。
【0017】
の態様によれば、部品点数削減となり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態にかかる流体吐出装置としてのソープディスペンサー1の断面図である。
図2図1に示すソープディスペンサー1からカバーを取り外した状態の斜視図である。
図3図2のI−I線概略断面図である。
図4図1に示す補給経路部、エア抜き経路部及び連通経路部の斜視図である。
図5図1のソープディスペンサーから蓋体を取り外した状態の上面図である。
図6図1のII−II線断面図である。
図7】特許文献1に開示された従来のソープディスペンサー1を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係るソープディスペンサー1(流体吐出装置)を、図1図6を参照して説明する。なお、図1及び図3において、供給機構部3の詳細な断面については省略されている。また、図4からは囲い壁10が取り外されている。
【0021】
ソープディスペンサー1は、エアと液状の石鹸液(流体)とを混合して生成されたムース状の石鹸液(以下、「ムース体」と記す場合がある)を供給するための装置である。このソープディスペンサー1は、例えば洗面台等の水栓の近傍部において、ムース体を吐出するための吐出ノズル42が外部に露出するように設置されている。そして、使用者が手洗い等をする際に、ムース体を供給するためのものである。
【0022】
なお、本実施形態において、ソープディスペンサー1は、水栓が設置された設置台Kを上下に貫通する貫通部Hに固定される。このように本実施形態のソープディスペンサー1は、設置台Kに固定された場合を一例として説明するが、ソープディスペンサー1は、設置台Kに固定されていなくともよい。即ち、ソープディスペンサー1は、いずれの部材にも固定されていないとともに、持ち運び自在であってもよい。
【0023】
図1などに示すように、ソープディスペンサー1は、石鹸液タンク体2と、供給機構部3と、混合物吐出ユニット4と、補給経路部5と、エア抜き経路部6(図4)と、連通経路部7と、ケース8と、を備えている。
【0024】
石鹸液タンク体2は、石鹸液を貯蔵するためのタンクである。供給機構部3は、石鹸液タンク体2の上方に設けられている。供給機構部3は、石鹸液タンク体2に貯蔵された石鹸液及びエアを混合物吐出ユニット4に供給して、吐出ノズル42から吐出させるためものである。混合物吐出ユニット4は、供給機構部3から供給された石鹸液及びエアを混合してムース体を生成するとともに、生成されたムース体を吐出ノズル42から吐出させるためのユニットである。
【0025】
補給経路部5は、石鹸液を石鹸液タンク体2に補給するための経路となる。エア抜き経路部6は、石鹸液補給時に石鹸液タンク体2から押し出される空気を抜くための経路となる。連通経路部7は、上述した供給機構部3、補給経路部5及びエア抜き経路部6と、後述する石鹸液タンク21と、を連通する経路となる。ケース8は、上述した供給機構部3、混合物吐出ユニット4、補給経路部5及び連通経路部7を収容するためのものである。
【0026】
石鹸液タンク体2は、液状の石鹸液を貯蔵するためのタンクとしての石鹸液タンク21と、石鹸液タンク21を設置台Kに取り付けるためのベース体22と、を備えて構成されている。
【0027】
ベース体22は、石鹸液タンク21の開口部に接続された接続部材221と、接続部材221に接続され、設置台Kに支持された支持部材222と、接続部材221及び支持部材222を接続するための連結ナット223と、を備えて構成されている。
【0028】
接続部材221は、石鹸液タンク21の開口部に取り付けられ、石鹸液タンク21に連通する筒状に設けられている。接続部材221は、接続部本体221Aと、接続部本体221Aの上側に連続される上側接続部221Bと、接続部本体221Aの下端に連続される下側接続部221Cと、を有して構成されている。接続部本体221A、上側接続部221B及び下側接続部221Cは、上下に同軸に設けられている。接続部本体221Aは、上下に延在するとともに内径及び外径が略一定の円筒状に設けられている。上側接続部221Bは、内径が接続部本体221Aの内径よりも大きくなるように形成されて、支持部材222の下端を当接させる段部221Dを有している。また、上側接続部221Bは、外径が接続部本体221Aの外径と略等しい寸法を有して構成されているとともに、その外周面が連結ナット223の内周面に螺合するように構成されている。下側接続部221Cは、内径が接続部本体221A及び上側接続部221Bの内径よりも大きくなるように形成されているとともに、石鹸液タンク21の開口部に螺合するように構成されている。
【0029】
支持部材222は、貫通部Hに挿入される支持部本体222Aと、支持部本体222Aの下端に連続されて上側接続部221Bに内挿される内挿部222Bと、支持部本体222Aに外挿されるパッキン222Cと、支持部本体222Aの上端に設けられた受け皿部222Dと、を備えている。支持部本体222Aは、上下に延在するとともに内径及び外径が略一定の円筒状に設けられている。支持部本体222Aは、貫通部Hに挿入可能なように、その外径が貫通部Hの内径よりも小さい寸法となるように形成されている。内挿部222Bは、外径が支持部本体222Aの外径よりもわずかに小さくなるように形成されている。このような支持部材222は、内挿部222Bが上側接続部221Bに内挿された状態で、上側接続部221Bと連結ナット223が螺合することで固定されている。こうして支持部材222と接続部材221とが連結固定される。
【0030】
パッキン222Cは、受け皿部222Dとの間に、設置台Kを挟む位置に設けられている。パッキン222Cが設けられることで、設置台Kの貫通部Hと支持部本体222Aとの隙間が埋められ、支持部本体222Aが設置台Kにがたつくことなく固定される。受け皿部222Dは、図1に示すように、支持部本体222Aの上端に連続されるとともに設置台Kの上面に対向するように支持部本体222Aから径方向外側に延在する鍔状部222D1と、鍔状部222D1の周縁から上方に円筒状に立設される立設壁部222D2と、から構成されている。鍔状部222D1は、略円形に設けられ、その外径が貫通部Hよりも大きくなるように形成されている。受け皿部222Dは、設置台Kの上側に配置され、受け皿部222Dから下垂された支持部本体222Aが貫通部Hを通って設置台Kの下側に突出する。
【0031】
供給機構部3は、経路集合部31と、ポンプ機構32と、回転部33と、を備えている。経路集合部31は、石鹸液タンク21に貯蔵された石鹸液に貯蔵された石鹸液を吸入して、混合物吐出ユニット4に供給する石鹸液流路(図示せず)及びエアを吸入して混合物吐出ユニット4に供給するエア流路(図示せず)が形成されている。上記図示しない石鹸液流路の入口には、吸い上げチューブ34の一端が接続されている。吸い上げチューブ34の他端は、石鹸液タンク21の石鹸液中に浸されている。
【0032】
ポンプ機構32は、エア及び石鹸液を経路集合部31内に吸入及び経路集合部31外に送出させるためのものである。回転部33は、上下方向に沿った中心軸Zの軸周りに回転自在にポンプ機構32に対して取り付けられている。回転部33は、図示しないセンサによりユーザが吐出ノズル42に手を近づけたことを検知すると、回転する。そして、ポンプ機構32は、回転部33の回転に連動し、エア及び石鹸液を経路集合部31に通す。ポンプ機構32が駆動すると、吸い上げチューブ34により石鹸液タンク21内の石鹸液が吸い上げられ、石鹸液流路を通って混合物吐出ユニット4に供給される。また、ポンプ機構32が駆動すると、エアがエア流路を通って混合物吐出ユニット4に供給される。
【0033】
経路集合部31は、中実な円柱体において、適宜な位置に貫通孔が形成されることで図示しない石鹸液流路及びエア流路を形成している。ポンプ機構32は、図2に示すように、経路集合部31とほぼ同じ径の略円筒状の収容部321内に収容されている。回転部33は、ポンプ機構32や経路集合部31とほぼ同じ径の略円筒状の収容部331内に収容されている。これら経路集合部31、ポンプ機構32及び回転部33は、下から順に重ねて配置され、全体として略円柱状に形成されている。
【0034】
上記供給機構部3は、図2に示すように、受け皿部222Dの立設壁部222D2の上端から突出された支持突起222D3によりその下端が支持されている。これにより、供給機構部3は、受け皿部222Dの立設壁部222D2よりも上方に支持される。供給機構部3の下面は、受け皿部222Dの鍔状部222D1とほぼ同じ径の略円形に設けられている。
【0035】
回転部33の収容部331について詳細に説明する。収容部331は、図2に示すように、ポンプ機構32や経路集合部31とほぼ同じ径の略円筒状の側壁331Aと、側壁331Aの上端から立設し、上方に向かうに従って径が小さくなるテーパ壁331Bと、テーパ壁331Bの上方開口を覆う上壁331C(図3参照)と、を有している。上壁331Cの径は、側壁331Aの径よりも小さい。
【0036】
混合物吐出ユニット4は、図1に示すように、経路集合部31を通じて供給されたエア及び石鹸液を混合してムース体を生成する混合物生成部41と、混合物生成部41にて生成されたムース体を吐出するための吐出ノズル42と、を有している。混合物生成部41は、受け皿部222Dの鍔状部222D1の上面に支持され、経路集合部31の下方に配置されている。混合物生成部41は、図示しない石鹸液流路及びエア流路の出口に接続される。吐出ノズル42は、一端が受け皿部222D内に支持された混合物生成部41に固定され連通し、他端が受け皿部222D外に突出している。
【0037】
補給経路部5は、石鹸液を石鹸液タンク21に補給するための経路である。補給経路部5は、図2などに示すように、補給口511が形成され、供給機構部3の上方に配置された第1端部51と、石鹸液タンク21に連通する第1連通口521(図3)が形成され、供給機構部3の下方に配置された第2端部52と、供給機構部3の側面に沿って配置された補給経路本体53と、を有している。
【0038】
第1端部51は、図3及び図4に示すように、供給機構部3の上方を覆う覆い壁512と、覆い壁512の縁部から上方に立設した筒状の立壁513と、を有し、上方が開口されて補給口511となる受け皿状に形成されている。覆い壁512は、図5に示すように、供給機構部3の上壁331C全面を覆うように、上壁331よりも大きな径の上面視円状に形成されている。立壁513は、覆い壁512の全周縁から立設されている。
【0039】
覆い壁512には、図3及び図4に示すように、補給経路本体53との連通孔512Aが形成されている。図3に示すように、連通孔512Aは、立壁513の下端に連なる補給経路本体53に連通されている。連通孔513Aは、図3及び図5に示すように、覆い壁512の立壁513との境界であって、供給機構部3のテーパ壁331Bと上下方向に対向する部分に設けられている。連通孔513Aは、覆い壁512の立壁513との境界に設けられている。即ち、連通孔512Aは、立壁513に沿って中心軸Z回りに湾曲して形成されている。
【0040】
補給経路本体53は、回転部33のテーパ壁331B及び側壁331A、ポンプ機構32の収容部321側壁や経路集合部31の側壁(即ち供給機構部3の側壁)の一部に沿って形成されている。即ち、補給経路本体53のテーパ壁331Bに対向する部分は、図2に示すように、テーパ壁331Bと同様に、中心軸Z周りに湾曲して設けられ、上方に向かうに従って湾曲の曲率半径が小さくなるように形成されている。回転部33の収容部331の側壁331A、ポンプ機構32の収容部側壁や経路集合部31の側壁に対向する部分は、図2に示すように、これらと同様に、中心軸Z周りに湾曲して設けられ、上から下まで曲率半径が同じに設けられる。
【0041】
補給経路本体53について詳しく説明する。図4及び図6に示すように、上記補給経路本体53は、供給機構部3の径方向に沿って対向する一対の側壁531と、一対の側壁531の軸周り方向両端を連結する一対の連結壁532と、を有して、筒状に形成されている。また、補給経路本体53は、筒状の下側開口を塞ぐ底壁533(図4)を有している。上記一対の側壁531が、供給機構部3の中心軸回りに湾曲して設けられている。
【0042】
第2端部52は、図4に示すように、補給経路本体53内側の側壁531下端から中心軸に向かって突出する第1経路部522と、第1経路部522の中心軸側の端部から下垂する第2経路部523と、が形成されている。図3に示すように、第2経路部523の端部には、第1連通口521が設けられ、後述する連通経路部7の補給経路接続部72に内挿されている。第1経路部522及び第2経路部523は、円筒状に形成されている。補給経路本体53の下端には、図2に示すように、半円状の突出部534が設けられている。第1経路路522の下半分は、この突出部534から突出されている。
【0043】
エア抜き経路部6は、図4に示すように、覆い壁512を貫通するエア抜き孔61に連通され、供給機構部3の側面に沿って配置されたエア抜き経路本体62と、石鹸液タンク21に連通する第2連通口(図示せず)が形成され、供給機構部3の下方に配置された第3端部63と、を有する。エア抜き孔61は、立壁513の下端に連なるエア抜き経路本体62に連通されている。エア抜き孔61は、覆い壁512の立壁513との境界であって、テーパ壁331Bと対向する部分に設けられている。エア抜き孔61は、覆い壁512の立壁513との境界に設けられている。即ち、エア抜き孔61は、立壁513に沿って中心軸Z回りに湾曲して形成されている。本実施形態では、エア抜き孔61の軸周りの長さは、連通孔513Aの軸周りの長さよりも短く設けられている。
【0044】
エア抜き経路本体62は、回転部33の収容部331のテーパ壁331B、ポンプ機構32の収容部321側壁や経路集合部31の側壁(即ち供給機構部3の側壁)の一部に沿って形成されている。詳しく説明すると、エア抜き経路本体62のテーパ壁331Bに対向する部分は、テーパ壁331Bと同様に、中心軸Z周りに湾曲して設けられ、上方に向かうに従って湾曲の曲率半径が小さくなるように形成されている。回転部33の収容部331の側壁331A、ポンプ機構32の収容部321側壁や経路集合部31の側壁に対向する部分は、中心軸Z周りに湾曲して設けられ、上から下まで曲率半径が同じに設けられる。
【0045】
詳しく説明すると、エア抜き経路本体62は、図4及び図6に示すように、供給機構部3の径方向に沿って対向する一対の側壁621と、一対の側壁621の軸周り方向両端を連結する一対の連結壁622と、を有して、筒状に形成されている。また、エア抜き経路本体62は、筒状の下側開口を塞ぐ底壁623を有している。そして、上記一対の側壁621が、供給機構部3の中心軸Z回りに湾曲して設けられている。
【0046】
第3端部63は、補給経路本体53内側の側壁621下端から中心軸に向かって突出する第3経路部632と、第3経路部632の中心軸側の端部から下垂する第4経路部633と、が形成されている。第4経路部633の端部には、石鹸液タンク21に連通する第2連通口(図示せず)が設けられ、後述する連通経路部7のエア抜き経路接続部73に内挿されている。第3経路部632及び第4経路部633は、円筒状に形成されている。
【0047】
上述した補給経路本体53及びエア抜き経路本体62は、図4及び図6に示すように、中心軸Z周りに沿って並べられて設けられ連結壁9によって連結されている。連結壁9は、図4に示すように、補給経路本体53及びエア抜き経路本体62の上側部分を連結し、下側部分は連結していない。
【0048】
また、上記覆い壁512上には、図2に示すように、エア抜き孔61を囲む囲い壁10が設けられている。囲い壁10は、例えば立壁513に係止されている。例えば本実施形態では、囲い壁10は、覆い壁512とは別体に設けられているが、覆い壁512と一体に形成してもよい。
【0049】
連通経路部7は、図4に示すように、経路本体71と、補給経路接続部72と、エア抜き経路接続部73と、供給経路接続部74と、を有している。経路本体71は、断面略半円状の筒状に形成され、図1に示すように、支持部材222内に挿入されている。経路本体71の下端は、開口され、石鹸液タンク21の上方開口に対向して配置される。また、経路本体71の上端部は、図4に示すように、3つに分岐され、補給経路接続部72、エア抜き経路接続部73及び供給経路接続部74が形成される。
【0050】
補給経路接続部72は、上述した補給経路部5の第2端部52が内挿されるように、略円筒状に形成されている。エア抜き経路接続部73は、上述したエア抜き経路部6の第3端部63が内挿されるように、略円筒状に形成されている。供給経路接続部74は、上方が開口された筒状に形成され、その開口から吸い上げチューブ34が挿入される。吸い上げチューブは、供給経路接続部74、経路本体71を通って石鹸タンク21内の石鹸液に浸される。
【0051】
上記補給経路接続部72及びエア抜き経路接続部73は、経路本体71の直径方向両側からそれぞれ突設されている。この補給経路接続部72及びエア抜き経路接続部73の間に供給経路接続部74が形成される。
【0052】
ケース8は、ケース本体81と、蓋部82と、を有している。ケース本体81は、図1に示すように、内径が受け皿部222Dや供給機構部3の外径よりも大きい略筒状に形成されていて、受け皿部222D、供給機構部3、補給経路部5、エア抜き経路部6を収容する。蓋部82は、ケース本体81の上側開口を塞ぐようにケース本体81に着脱自在に取付られる。
【0053】
次に、上述したソープディスペンサー1の石鹸液の補給手順について説明する。まず、作業者は、蓋部82を取り外して、補給口511を露出させる。そして、この上方に開口する補給口511から石鹸液を流し込むと、受け皿状の第1端部51に石鹸液が溜まる。第1端部51に溜まった石鹸液は、連通孔512Aを通って補給経路本体53に供給される。なお、囲い壁10により、第1端部51に溜まった石鹸液は、エア抜き孔61に流れ込むことはない。石鹸液は、補給経路本体53を通ると第2端部52から連通経路部7の補給経路接続部72に供給される。その後、石鹸液は、経路本体71を通って石鹸液タンク21に供給される。
【0054】
石鹸液タンク21に石鹸液が供給されると、供給された分、石鹸液タンク21内の空気が外部に押し出される。押し出される空気は、経路本体71、エア抜き経路接続部73、第3端部63、エア抜き経路本体62を通ってエア抜き孔61から外部にでる。
【0055】
上述した実施形態によれば、供給機構部3の上方に補給口511が配置されているため、供給機構部3を取り外すことなく、石鹸液を補給することができる。このため、補給時の作業性の向上を図ることができる。
【0056】
また、上述した実施形態によれば、第1端部51は、供給機構部3の上方を覆う覆い壁512と、覆い壁512の縁部から上方に立設した筒状の立壁513と、を有し、覆い壁512には、補給経路本体53との連通孔512Aが形成されている。これにより、補給口511を大きくすることができ、より一層補給時の作業性の向上を図ることができる。
【0057】
また、上述した実施形態によれば、エア抜き経路部6を設けることにより、石鹸液補給時に石鹸タンク21内の空気がエア抜き経路部6から抜けるため、補給経路部5から抜けることを防止できる。
【0058】
また、上述した実施形態によれば、補給経路本体53と、エア抜き経路本体62と、が並べられて一体に形成されている。これにより、部品点数削減となり、コストダウンを図ることができる。
【0059】
また、上述した実施形態によれば、囲い壁10により、石鹸液がエア抜き経路部62に流れ込むのを防止できる。
【0060】
なお、上述した実施形態によれば、エア抜き経路部6を設けていたが、これに限ったものではない。エア抜き経路部6についてはなくてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態によれば、補給経路本体53と、エア抜き経路本体62と、連結壁9により連結され、並べられて一体に形成されていたが、これに限ったものではない。補給経路本体53とエア抜き経路本体62とを別々の部品で設けてもよい。
【0062】
また、上述した実施形態によれば、囲い壁10を設けていたが、囲い壁10についてはなくてもよい。
【0063】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ソープディスペンサー(流体吐出装置)
2 石鹸液タンク体(タンク)
3 供給機構部
5 補給経路部
6 エア抜き経路部
10 囲い壁
42 吐出ノズル
51 第1端部
52 第2端部
53 補給経路本体
61 エア抜き孔
62 エア抜き経路本体
63 第3端部
511 補給口
512 覆い壁
512A 連通孔
513 立壁
521 第1連通口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7