【実施例1】
【0018】
実施例1に係るオープンショーケースにつき、
図1から
図5を参照して説明する。以下、
図2の紙面左側をオープンショーケースの正面側(前方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0019】
本実施例のオープンショーケース1は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等において食品等の商品を保冷した状態で陳列するために設置される。
図1に示されるように、オープンショーケース1は、上方に設けられ商品(図示略)が冷却・収納されるケース本体21と、該ケース本体21の下方に設けられる基台3と、から主に構成され、後述する冷気循環通路26に収容される後述する蒸発器41及び送風機42(
図2参照)とオープンショーケース1の外部に別途設けられる図示しない冷凍機ユニット(圧縮機、凝縮器、送風機等)とを冷媒配管により接続して構成される冷凍サイクルが行われることにより、ケース本体21内に画成される保冷室2内を冷却可能な別置型のショーケースである。
【0020】
図2に示されるように、オープンショーケース1は、前面側が開放された略コ字形を成す断熱構造の外ケース22と、その内方において同じく前面側が開放された略コ字形の内ケース23と、から構成されるケース本体21を備え、内ケース23の内方の空間に保冷室2が形成されている。内ケース23の背面部23aには、前後に延びるブラケット24,24,24の後端が取付けられ、該ブラケット24,24,24には上方から棚板25,25,25(陳列棚)が取付けられている。これにより、保冷室2において、棚板25,25,25及び内ケース23の底部23bに設けられる底板23cの上面にそれぞれ商品が陳列可能になっている。
【0021】
尚、棚板25,25,25の前端には、左右方向に延びるレール部材29,29,29が設けられており、レール部材29,29,29には、例えば商品名、値段等の商品情報が記載されたプライスカードを任意の位置に取付け可能となっている。また、レール部材29,29,29には、客に対する商品の訴求力を高めるために販売促進用のPOP70,70等が任意の位置に取付け可能となっている。尚、本実施例において、POP70,70は、最上段の棚板25の前端よりも前方側に張り出すように取付けられるものとする。
【0022】
また、ケース本体21の背面側及び底面側には、外ケース22と内ケース23との間に冷気循環通路26が形成され、この冷気循環通路26の下部31には蒸発器41と、該蒸発器41に向けて空気を送る送風機42とが配設されている。尚、蒸発器41は、冷媒を利用した冷凍サイクルにより熱交換を行い、その周囲の空気を冷却できるようになっている。
【0023】
また、冷気循環通路26の下部31の底面を構成する外ケース22の底部22aには、前方の所定位置に排水部31aが設けられている。さらに、排水部31aは、図示しない排水処理部に配水管により連結されている。尚、外ケース22の底部22aは、排水部31aに向けて下方に傾斜した形状を成しており、冷却に伴って蒸発器41に付着する霜を除霜した際等に生じる水が傾斜に沿って排水部31aまで流れやすくなっている。
【0024】
また、ケース本体21の上部21aの前端下縁には、冷気循環通路26に連通する冷気の吹出口27が下向きに形成され、ケース本体21の下部21bの前端上縁には、上方に開口して冷気循環通路26の下部31に連通する冷気の吸込口28が形成されている。尚、吸込口28には、複数のスリットや孔が設けられる吸込口カバー71が取付けられている。
【0025】
オープンショーケース1は、冷気循環通路26内の送風機42を作動させることにより、蒸発器41により冷却された冷気が、上方の吹出口27から下方の吸込口28に向けて吹き出されるようになっている。尚、ケース本体21の下部21bは、ケース本体21の上部21aよりも前方に延びているため、上方の吹出口27から下方の吸込口28に向けて斜め前方に吹き出されるようになっている。
【0026】
これによれば、ケース本体21の前面の開放面に冷気の気流によりエアカーテンが形成されるとともに、その冷気の一部が保冷室2内に流入することにより、保冷室2内が冷却された状態を維持できるようになっている。また、吸込口28から吸い込まれた冷気は、冷気循環通路26内に流入して、送風機42により再び蒸発器41に送られることにより、冷気が効率的に循環するようになっている。
【0027】
尚、ケース本体21の下部21bの前端における前後中央部(吸込口28の前方)の上縁には、左右方向に延びる板部材4が立設されており、この板部材4により吹出口27から吹き出された冷気の一部が吸込口28に案内されるため、ケース本体21の前面からの冷気の流出が抑制されている。さらに尚、ケース本体21の左右側部には側板20,20(
図1参照)が設置されており、ケース本体21の左右側部からの冷気の流出が抑制され、保冷室2内の冷却効率が高められている。
【0028】
次いで、オープンショーケース1に設けられるナイトカバー50について説明する。
図1ないし
図4に示されるように、ケース本体21の下部21bの前端上縁における前面側(板部材4の前面側)には、自動巻き取り式のナイトカバー50が設置されている。詳しくは、
図2及び
図3に示されるように、ケース本体21の下部21bの前端における前面側(板部材4の前方)の上縁には、金属板から構成され前方斜め下方に突出した形状を成すフロントカバー21cが左右方向に亘って設けられており、ナイトカバー50は、このフロントカバー21cの上面に固定される保護フェンス57にビス止めされることにより略水平な状態で設置されている。
【0029】
図4(b)に示されるように、保護フェンス57は、金属製の線状部材から成り、フロントカバー21cの上部に対して前面側から左右2箇所において各3箇所でネジ止めされることにより固定されている。また、保護フェンス57は、ナイトカバー50を左右方向に亘って前面側から覆うように上方に立ち上がることにより、保冷室2から出し入れされる商品等がナイトカバー50に対して直接接触し難くなっている。また、保護フェンス57は、背面側が板部材4との間で左右方向に亘って上方に開放しているため、ナイトカバー50を構成するシート部材52の設置・収納の作業を行いやすくなっている(
図2及び
図3参照)。
【0030】
図4(a)及び
図4(c)に示されるように、ナイトカバー50は、ケース本体21の下部21bに沿って左右方向に延びるブラケット54と、ブラケット54に回転可能に軸支される芯材51と、芯材51に一辺が固定された状態で巻き付けられるシート部材52(ナイトカバー)と、から主に構成されている。尚、ブラケット54及び芯材51は、シート部材52を収容する収納部として機能している。また、説明の便宜上、
図4(a)及び
図4(c)におけるナイトカバー50は、保護フェンス57から取外された状態のものを図示している。
【0031】
詳しくは、芯材51は、ブラケット54の左右両端から立設する立上片54a,54a間に回転可能に軸支されており、シート部材52を巻き取る方向に図示しない巻きバネにより付勢されているため、シート部材52が張り渡された状態が保持され、撓みが抑えられている。
【0032】
シート部材52は、例えば、気密性の高い合成樹脂により構成されており、芯材51から上方向に引き出すことが可能となっている。シート部材52の他辺(上端部)は、左右方向に沿って延びる合成樹脂製のフレーム部材53が固定されることで補強されており、シート部材52が張られた状態、つまり面形状が保持された状態で上方向に引き出すことが可能となっている。また、フレーム部材53の左右略中央には正面視略コ字状の把手55の両端が回動可能に軸支されており、該把手55を把持することによりシート部材52の引き出し動作を行いやすくなっている。尚、詳細は後述するが、シート部材52は、後述する係止部材60に係止されることで、シート部材52が上方に引き出された状態を保持できるようになっている。
【0033】
すなわち、ナイトカバー50は、シート部材52がケース本体21の前面を覆わず芯材51に巻き取られた収納状態(
図2参照)と、シート部材52がケース本体21の前面下部を覆う設置状態(
図3参照)と、に変更可能となっている。これによれば、店舗の営業時間には、ナイトカバー50を収納状態とすることでケース本体21の前面から商品の出し入れを阻害することがなく、夜間等の店舗の非営業時間には、ナイトカバー50を設置状態とすることでシート部材52によりケース本体21から冷気(主にケース本体21の下部21bに滞留する冷気)が外部に漏れ出すことを抑えられるため、保冷室2内の冷却効率を向上させることができる。
【0034】
図1に示されるように、係止部材60は、金属製の線状部材を折曲加工することにより構成されており、先端側には正面視上向きコ字状を成す係止部61が溶接固定されている(
図3の拡大部参照)。また、係止部材60は、吸込口28に取付けられる吸込口カバー71の上面の一部に設けられる回動機構80(
図5参照)によりケース本体21の下部21bの前端(板部材4の後面側)に沿って左右方向を向く収納位置(
図5(a)参照)と、ケース本体21の下部21bの前端から略垂直に立設して上下方向を向く立設位置(
図5(c)参照)と、に回動動作可能となっている。尚、
図1に示されるように、回動機構80は、オープンショーケース1の左右略中央に設けられている。また、係止部材60は、ブラケット54に設けられる図示しない係止部材60の前後寸法と略同一寸法に構成される上向きコ字状の保持部材により前後方向への移動を規制された状態で保持されるため、芯材51に巻き取られたシート部材52に干渉しない。
【0035】
次いで、回動機構80の構造について
図5を用いて説明する。尚、
図5(a)〜(c)は、回動機構80の背面側(保冷室2側)から見た背面図であり、
図5(d)は、
図5(c)の状態における回動機構80の側面図である。
【0036】
図5に示されるように、回動機構80は、吸込口28に取付けられる吸込口カバー71の上面の左右略中央部に固定される側面視L字状のブラケット81と、ブラケット81に対して回動可能に取付けられる回動部材82(基部)と、を備えている。ブラケット81の上端縁には、下方に凹む略円弧状の凹部81aが切欠かれて形成されている。回動部材82は、一端に長孔82aが形成されており、他端には係止部材60が固着されている。また、回動部材82の長手方向中央部近傍には、背面側(ブラケット81側)に向けて突出する嵌合部材84が固定されている。詳しくは、嵌合部材84は、樹脂製で円筒状を成し、周面に亘って溝部84c(
図5(d)参照)が形成され、回動部材82に形成される図示しないネジ孔を介して前面側から挿通される固定ボルト84aとナット84bにより回動部材82の背面側に挟み込まれた状態で締め付けられることで固定されている。
【0037】
また、ブラケット81と回動部材82は、回動部材82に形成される長孔82aを介して前面側から挿通される連結ボルト83aがブラケット81の下端部に設けられる図示しないネジ孔を介してブラケット81の背面側でナット83bにより締め付けられて連結されている。尚、連結ボルト83aには、ブラケット81と回動部材82の間、ブラケット81とナット83bの間にそれぞれ樹脂製のワッシャ83,83が挿通された状態で挟み込まれることにより、ブラケット81に対して回動部材82が連結ボルト83aを軸に左右方向に滑らかに回動可能となっている。
【0038】
次いで、係止部材60を収納位置から立設位置に変更する際の操作手順について説明する。尚、ここでは、
図5を用いて回動機構80の背面側(保冷室2側)から見た状態における左右方向を基準に説明する。
【0039】
図5(a)に示されるように、係止部材60が収納位置にあるときには、回動部材82が右側に傾倒している。このように、非使用時において回動部材82を右方向に回動させて係止部材60を横倒しにすることにより、係止部材60を吸込口28の近傍に収納することができる。そのため、保冷室2内の商品の出し入れ時に係止部材60が邪魔になることがないばかりか、係止部材60を収納位置に回動動作させる際に保冷室2内に陳列される商品に接触することがない。
【0040】
係止部材60を収納位置から立設位置に変更する際には、
図5(b)に示されるように係止部材60を左側へ略90度回動させる。このとき、長孔82aの下端に連結ボルト83aが接触するように係止部材60を上方へ引き上げることにより、嵌合部材84をブラケット81に接触させることなく回動させることができる。その後、
図5(c)に示されるように、長孔82aの上端に連結ボルト83aが接触するように係止部材60を下方に押し下げることにより、嵌合部材84の溝部84cをブラケット81の凹部81aに嵌合させる。これにより、係止部材60の左右方向への回動が規制され、係止部材60が立設位置で保持される。
【0041】
図3に示されるように、立設位置の係止部材60の係止部61には、フレーム部材53の左右方向略中央部に固定されたフック部材56が係止される。これにより、シート部材52が上方に引き出された状態(ナイトカバー50の設置状態)が保持される。このように、係止部材60は、略垂直方向を向いた状態(立設位置)でシート部材52を保持できるため、シート部材52の荷重が係止部材60を略延伸方向に圧縮する方向にかかることとなる。そのため、係止部材60に対して剛性を高める特別な加工等を施さなくても、シート部材52の支持強度を高めることができる。また、前述したように、係止部材60は、立設位置において回動部材82に固定される嵌合部材84の溝部84cがブラケット81の凹部81aに嵌合されることにより、回動部材82(係止部材60)の前後方向への揺動が規制されているため、係止部材60はシート部材52を保持した状態で立設位置を安定して維持することができる。
【0042】
図3に示されるように、ケース本体21の上部21aの前面には、保冷室2内を照らすための照明器具等を取付けるためのキャノピ6が設けられている。係止部材60は、ケース本体21の下部21bから略垂直に立設するため、係止部材60の係止部61とキャノピ6の前端とは、距離L1分前後方向に離間している。
【0043】
これによれば、係止部材60の係止部61とキャノピ6の前端とが距離L1分前後方向に離間しており、係止部材60の係止部61に係止されるシート部材52がキャノピ6の前端よりも内側に配置されないため、シート部材52を操作するときに、最上段の棚板25に陳列される商品や最上段の棚板25の前端よりも前方側に張り出すPOP70,70にシート部材52が接触しないように間隔が確保される。そのため、シート部材52との接触を避けるために商品やPOP70,70の配置等を調整する必要がなく、シート部材52の設置・収納の作業性を高めることができる。
【0044】
また、シート部材52がエアカーテンから前後方向に離間することとなるため、シート部材52が保冷室2側に撓んだ場合であっても、エアカーテンの流れに干渉し難くなっている。
【0045】
また、ナイトカバー50は、ケース本体21の下部21bの前端(板部材4の前面側)に配設されているとともに、ケース本体21の下部21bの前端(板部材4の後面側)から略垂直に立設する係止部材60の係止部61に係止されるため、ケース本体21の前面に近い位置でシート部材52を略垂直に上方に引き上げるといった簡便な作業でナイトカバー50を設置状態とすることができる。
【0046】
さらに、シート部材52は、キャノピ6の前端から距離L1分前後方向に離間した位置、つまり、ケース本体21の前面に近い位置でフック部材56を係止部材60の係止部61に係脱させることができる。このように、キャノピ6の前端とシート部材52の上端との間が距離L1分離間することにより形成される空間を利用してシート部材52の係脱作業を行いやすくすることができる。具体的には、シート部材52を操作する際に手がキャノピ6や最上段の棚板25の前端等に接触することがないため、シート部材52の設置・収納の作業性をより高めることができる。
【0047】
尚、キャノピ6の前端から距離L1分前方に離間した位置で引き上げられたシート部材52の上端が保持されるため、ケース本体21の前面上部は、上方に開放されることとなるが、エアカーテンを構成する冷気は主に下方側の吸込口28近傍に滞留するため、ケース本体21の前面上部の開放部分から冷気が流出することはほとんどない。
【0048】
また、オープンショーケース1の奥行きや高さが異なる場合であっても、同一のナイトカバー50を使用することができる。
【0049】
尚、図示しないが、オープンショーケースの左右幅が大きい場合には、ナイトカバー50及び係止部材60を左右方向に複数並設することがある。この場合であっても、前述したようにシート部材52は上方に向けて略垂直に引き上げられた状態となるため、例えば前後に傾斜するように引き上げられるシート部材に比べて隣接するシート部材52,52の側端部同士の位置合わせを行いやすい。言い換えれば、隣接するシート部材52,52間で前後にずれが生じ難いため、隣接するシート部材52,52のずれた部分から冷気の漏れ出しを抑制することができる。
【0050】
また、オープンショーケースの変形例として次のようなものもある。
図6に示されるように、オープンショーケース100は、ケース本体121の前面と左右両側面が開放されており、該ケース本体121の下部121bの前端及び左右両側端にはそれぞれナイトカバー50,50’が設置されている。尚、説明の便宜上、ケース本体121の前面に配置されるナイトカバーをナイトカバー50とし、ケース本体121の右側面に配置されるナイトカバーをナイトカバー50’として説明し、ケース本体121の左側面に配置されるナイトカバーの図示を省略する。
【0051】
前述したように、ナイトカバー50,50’は、シート部材52,52’が上方に向けて略垂直に引き上げられる構成となっているため、ナイトカバー50のシート部材52とナイトカバー50’のシート部材52’との隣接する側端部同士を近接させて配置することができる。
【0052】
具体的には、例えば、ナイトカバー50,50’の設置状態においてナイトカバー50のシート部材52が後方側に傾斜し、ナイトカバー50’のシート部材52’が左方側に傾斜するような場合、シート部材52,52’の引き上げ作業時に隣接する側端部同士が接触しないようにシート部材52,52’同士を所定距離離間させる必要がある。この場合、シート部材52,52’間の隙間が大きくなって、該隙間から冷気が漏れ出す虞があった。
【0053】
しかしながら、本変形例のオープンショーケース100は、シート部材52,52’が上方に向けて略垂直に引き上げられるため、シート部材52,52’の引き上げ作業時に隣接する側端部同士が接触することがなく、シート部材52の設置・収納の作業性が高い。さらに、ナイトカバー50のシート部材52とナイトカバー50’のシート部材52’との隣接する側端部同士を近接させることができ、別途シート部材等を用いることなく、シート部材52,52’間の隙間から冷気が漏れ出し難くすることができる。
【実施例2】
【0054】
次に、実施例2に係るオープンショーケースにつき、
図7から
図10を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
【0055】
図7に示されるように、実施例2におけるオープンショーケース200は、係止部材260がナイトカバー50のフレーム部材53の左右略中央部に対して上端部が回動可能に軸支されている。
【0056】
詳しくは、
図8及び
図9(a)に示されるように、係止部材260は、金属製の線状部材を折曲加工することにより構成されており、立設位置における上端側には、ナイトカバー50のフレーム部材53に対して回動可能に取付けられる板状の回動部材282が溶接固定され、下端側(先端側)には正面視下向き略コ字状を成す係止部261が溶接固定されている(
図9(b)参照)。また、係止部材260の下端側には、背面側に磁石263が取付けられる板状のマグネットキャッチ262が所定位置に溶接固定されている。尚、ここでいう所定位置とは、係止部材260の立設位置において、板部材4の上端部に左右方向に亘って設けられる断面視下向きコ字状の金属製のカバー部材5(
図8参照)と磁石263とが前後方向に重畳する位置のことである。
【0057】
また、係止部材260の上端側に固定される回動部材282には、筒状の固定部材281(
図9(b)参照)が挿通されており、図示しないネジによりナイトカバー50のフレーム部材53に対して背面側(保冷室2側)から回動部材282と一体に軸支されている。尚、固定部材281は、前後方向に厚みを有しており、シート部材52及びフレーム部材53に対して係止部材260を前後方向に離間させた状態で軸支することができるため、シート部材52及びフレーム部材53に係止部材260が接触し難くなり、係止部材260の回動操作を行いやすくなっている。
【0058】
また、係止部材260の非使用時、すなわちナイトカバー50の収納状態においては、回動部材282を回動させて係止部材260をフレーム部材53に沿って配置させた状態(
図10(a)参照)で、ナイトカバー50のブラケット54上に収納できるようになっている。このとき、係止部材260は、ブラケット54に設けられる図示しない係止部材260の前後寸法と略同一寸法に構成される上向きコ字状の保持部材により前後方向への移動を規制された状態で保持されるため、芯材51に巻き取られたシート部材52に干渉しない。
【0059】
次いで、係止部材260を収納位置から立設位置に変更する際の操作手順について説明する。尚、ここでは、
図10を用いて、係止部材260を正面側から見た状態における左右方向を基準に説明する。
【0060】
先ず、
図10(a)に示されるように、収納状態のナイトカバー50からシート部材52を上方へ引き上げる。このとき、係止部材260が回動して係止部261がナイトカバー50のブラケット54等に接触しないように、係止部材260をナイトカバー50のフレーム部材53に沿って配置させた状態を保持して同時に上方へ引き上げることが好ましい。
【0061】
次に、
図10(b)に示されるように係止部材260を右側へ略90度回動させる。このとき、係止部261がブラケット54に接触しないように上下方向に離間する高さ位置まで係止部材260を上方へ引き上げることが好ましい。その後、
図10(c)に示されるように、係止部材260を下方に押し下げることにより、ブラケット54に設けられる係止孔54b,54bに係止部261の先端を挿入することにより係止させる。これにより、係止部材260の左右方向への回動が規制され、係止部材260が立設位置で保持される。さらに、係止部材260の下端部に設けられるマグネットキャッチ262の磁石263を板部材4の上端に設けられるカバー部材5に磁気吸着させることにより、係止部材260の前後方向への移動が規制され、係止部材260が立設位置でより安定して保持される。
【0062】
これによれば、ナイトカバー50を収納状態から設置状態に変更するための操作と、係止部材260を収納位置から立設位置に変更するための操作とを一括で行うことができるため、作業性を高めることができる。
【0063】
また、係止部材260の立設位置にあっては、係止部材260の上端部とキャノピ6の前端とが距離L201分前後方向に離間している。これによれば、シート部材52を操作するときに、最上段の棚板25に陳列される商品や最上段の棚板25の前端よりも前方側に張り出すPOP70,70にシート部材52が接触しないように間隔が確保されるため、シート部材52との接触を避けるために商品やPOP70,70の配置等を調整する必要がなく、シート部材52の設置・収納の作業性を高めることができる。