(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、
図1乃至
図12を参照しながら、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る通知システム1について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0020】
[リコール情報案内サービスの概要]
まず、
図1を参照しながら、本実施形態に係る通知システム1を介して提供されるリコール情報通知サービスの概要について説明する。
本実施形態においては、通知システム1は、リコールの対象となる車両を所有する所有者に対して、その旨をダイレクトメール等の通知手段により通知するサービスを実行することとする。
なお、以下に説明する例においては、整備工場6の顧客である車両所有者に対し、整備工場6を差出人とするダイレクトメールにより、リコールの通知を行うこととする。
また、以下に説明する実施形態においては車両(自動車)を乗物の一例として説明するが、本発明は車両以外の乗物に対しても適用可能である。
【0021】
まず、本サービスの前提について説明する。
通知システム1の所有者データベースには、整備工場6の顧客である車両の所有者情報、所有者の車両情報、整備工場の情報が管理されている。
通知システム1の所有者データベースには、例えば通知システム1の利用契約を結んだ整備工場6の情報が記憶される。なお、
図1においては、整備工場6が1つだけ表示されているが、整備工場6は1つに限られず、複数あることとしても構わない。
【0022】
ここで、所有者情報には、例えば、所有者の氏名、住所等の情報が含まれる。
また、車両情報には、例えば、車両を識別する識別情報(本実施形態では車台番号)、車両のメーカ、型式、製造年度、ナンバー等の情報が含まれる。
また、整備工場の情報には、例えば、整備工場を識別する整備工場ID、整備工場名、整備工場の住所等の情報が含まれる。
【0023】
また、車両メーカ4は、車両に所定の修理が必要な不具合が発見された場合には、その旨を所定機関2(例えば国土交通省)に届け出(リコール)を行う。この際に、車両メーカ4は、リコールの対象候補となる車両の車台番号の範囲を所定機関2に提供する。そして、所定機関2は、提供された車両の車台番号の範囲を公開し、車両の所有者に対して必要な修理を受けるように促す。
また、車両メーカ4は、製造した車両がリコール対象であるか否か、リコールの回収済みであるか否か等の車両に関するリコールの対処状況を記憶するリコール管理データベース5を有する。
以下、本サービスを実行するための通知システム1の処理の概要について説明する。
【0024】
通知システム1は、所定機関2のウェブサイトにアクセスして(S1)、所定機関2のウェブサイトで公開されているリコール対象の車台番号の範囲を含む公開データ3を取得する(S2)。
なお、上記の公開データ3には、例えば、リコールの届出番号と、その届出番号のリコールの対象候補となる車台番号の範囲が含まれる。
【0025】
通知システム1は、上記取得した公開データ3に基づいて生成された、リコールの届出番号と対象候補となる車台番号のリストを含むリコール対象候補リストを取得し、リコールデータベースに記憶する。
通知システム1は、上記の公開データ3からリコールの届出番号と対象候補となる車台番号の範囲を抽出して上記のリコール対象候補リストを取得してもよい。また、通知システム1は、上記の公開データ3に基づいて、ユーザー等により入力されたデータに基づいて生成された上記のリコール対象候補リストを取得してもよい。
なお、通知システム1は、定期的に上記のリコール対象候補リストの取得を実行し、最新の情報に更新するようにしてもよい。
【0026】
通知システム1は、リコールデータベースと、所有者データベースの情報を照合して、所有者データベースの中からリコールの対象候補となる車台番号を特定する。そして、通知システム1は、上記特定した車台番号について、車両メーカ4のウェブサイトにおいてリコール対象の有無及び実施状況が確認可能な場合には、リコール対象の有無及び実施状況を問い合わせる(S3)。そして、通知システム1は、車両メーカ4への問い合わせの結果得られたリコール対象の有無及び実施状況の情報をリコールデータベースに反映させる(S4)。
【0027】
次に、通知システム1は、整備工場6の端末7から、整備工場6の所有者の車両情報のうち、リコール対象車の車両情報のリストの提供の要求を受けると(S5)、所有者データベースとリコールデータベースを参照して、該当する車両情報のリスト(リコール対象車両リスト)を生成して、整備工場6の端末7に送信する(S6)。
例えば、通知システム1は、所有者データベースのうち、整備工場6の整備工場IDに関連付けて記憶される車両情報であって、リコールデータベースにおいてリコールの対象となっている車両情報を抽出する。そして、通知システム1は、上記抽出した車両情報に基づいて、上記のリコール対象車両リストを生成する。
【0028】
整備工場6の端末7では、通知システム1から受信したリコール対象車両リストを液晶ディスプレイ等の表示装置に表示する。
ここで、
図2には、S7において表示される車両一覧画面50の一例を示した。
図2に示されるように、車両一覧画面50には、リコール対象車両リストに含まれる車両情報ごとに、車両情報表示領域51、リコール対応状況表示領域52、チェックボックス53が表示される。
車両情報表示領域51は、車両のナンバー、車台番号、車両メーカ等の車両情報を表示する領域である。
また、リコール対応状況表示領域52は、車両メーカ4に問い合わせたリコールの対応状況を表示する領域である。なお、リコール未改修フラグ52Aは、リコールの未改修が確認されたことを示す。
また、チェックボックス53は、リコールを案内するダイレクトメールを送る対象とするか否かを選択するための選択欄である。
端末7は、車両一覧画面50の実行ボタン54の選択操作を受け付けると、チェックボックス53にチェックが入れられた車両情報(車台番号)を通知システム1に通知する(S7)。
【0029】
通知システム1は、端末7から通知された車両情報(車台番号)に基づいて、リコール案内のダイレクトメールを送信する対象となる所有者の情報を含む送付先リストを生成し、印刷システム8に送信する(S8)。
印刷システム8は、例えばダイレクトメールが印刷可能なプリンタであり、通知システム1に併設して設けられていてもよいし、整備工場6の内部に設けられていてもよく、設置場所は特に限定されない。
なお、送付先リストには、例えば所有者の氏名、住所、対象のリコール届出番号、整備工場の情報(名称、連絡先)等を含む。
【0030】
印刷システム8は、通知システム1から受信した送付先リストに基づいてダイレクトメール9を印刷する。そして、ダイレクトメール9の送付担当者が、印刷されたダイレクトメール9を対象の所有者に宛てて送付する(S9)。
【0031】
ここで
図3には、ダイレクトメール9の一例を示した。ダイレクトメール9は、整備工場6を差出人として、所有者10に送付されるものである。
図3に示されるように、ダイレクトメール9には、広告表示領域9A、リコール案内表示領域9B及び二次元コード9Cが含まれる。
広告表示領域9Aは、各所有者に対して共通の広告情報が印刷される。
リコール案内表示領域9Bには、所有者の所有する車両が対象となるリコール届出番号、及び整備工場6への問い合わせの案内が印刷される。
また、二次元コード9Cには、整備工場6への入庫予約を行うための予約サイトのURLが符号化され、携帯電話機等により二次元コード9Cを読み取ることにより予約サイトにアクセス可能となっている。
【0032】
所有者10は、ダイレクトメール9に基づいて整備工場6に入庫を予約し、車両11を整備工場6に入庫する(S10)。
そして、整備工場6では、所有者10の車両11が入庫完了後に、端末7から通知システム1にその旨を通知する(S11)。
これにより、通知システム1は、ダイレクトメール9を送付先リストに含まれる各所有者について改修状況を把握することができる。
また、通知システム1は、車両メーカ4に対して、リコール対象の車両11の入庫が行われた旨を通知することとしてもよい。
【0033】
なお、上記の流れは例示であり、これに限定されるものではない。例えば、上記の処理において、S1,S2の処理、又はS3,S4の処理はどちらかを省略してもよい。また、上記の処理において、S5〜S7を省略し、通知システム1は、所有者データベースのうち、リコールデータベースにおいてリコールの対象となっている車両情報の全てを対象として抽出し、ダイレクトメールを送付するようにしてもよい。
以下、上記の処理を実現するために通知システム1に備えられる構成について説明する。
【0034】
[通知システム1と端末7のハードウェア構成]
図4には、通知システム1と端末7のハードウェア構成を示した。
【0035】
まず、通知システム1のハードウェア構成について説明する。
図4に示されるように、通知システム1は、ハードウェアとして、CPU15、記憶装置16、及び通信用インターフェース17を備えるサーバーコンピュータである。
【0036】
CPU15は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェア(プロセッサ)である。そして、CPU15は、記憶装置16に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行するとともに、通知システム1の各部を制御する。
【0037】
記憶装置16は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶するほか、CPU15のワークメモリとしても機能する。なお、記憶装置16には、フラッシュメモリ、光学ディスク等の情報記憶媒体が含まれていてもよい。
【0038】
通信用インターフェース17は、例えばネットワークインターフェースカードを含み構成され、インターネットやイントラネット等の通信網を経由して、端末7等のコンピュータと通信する。
【0039】
次に、端末7のハードウェア構成について説明する。
図4に示されるように、端末7は、ハードウェアとして、CPU20、記憶装置21、通信用インターフェース22、入力装置23及び表示装置24を備えるコンピュータである。なお、入力装置23及び表示装置24は端末7の外部装置として設けられていてもよい。
【0040】
CPU20は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェア(プロセッサ)である。そして、CPU20は、記憶装置21に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行するとともに、端末7の各部を制御する。
【0041】
記憶装置21は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶するほか、CPU20のワークメモリとしても機能する。なお、記憶装置21には、フラッシュメモリ、光学ディスク等の情報記憶媒体が含まれていてもよい。
【0042】
通信用インターフェース22は、例えばネットワークインターフェースカードを含み構成され、インターネットやイントラネット等の通信網を経由して、通知システム1等のコンピュータと通信する。
【0043】
入力装置23は、例えばタッチパネル、キーボード、マウス等を含み構成され、ユーザーからの入力を受け付ける。
【0044】
表示装置24は、例えば液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置等を含み構成され、CPU20により生成されるグラフィックデータに基づく画面を出力する。
例えば、
図2に示す車両一覧画面50が表示装置24に表示される画面の一例となる。
【0045】
[通知システム1の機能の説明]
図5には、通知システム1に備えられる機能を示した。
図5に示されるように、通知システム1は機能として、所有者情報記憶部30、リスト情報記憶部31、リスト取得部32、問合せ部33、表示制御部34、特定部35及び通知処理部36を備える。
【0046】
通知システム1に備えられる上記の機能は、通知システム1のCPU15が、記憶装置16に記憶されるプログラム(通知プログラム)及びデータに基づいて演算するとともに、通知システム1の各部を制御することにより実現されるものである。なお、通知システム1は、上記の通知プログラムを、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体から読み込むこととしてもよいし、インターネットやイントラネット等の通信網を介して受信してもよい。
以下、通知システム1に備えられる各機能の詳細について説明する。
【0047】
[所有者情報記憶部30の機能の説明]
所有者情報記憶部30は、所有者の宛先(宛名、住所等)を含む所有者情報と、乗物の識別情報を含む乗物管理情報を関連づけて記憶する機能である。
所有者情報記憶部30は、所有者情報と、乗物管理情報と、整備工場の情報を関連づけて記憶するようにしてもよい。
なお、乗物管理情報は、乗物の製造者の情報、乗物の販売者の情報を含むこととしてもよい。
【0048】
所有者情報記憶部30は、主に通知システム1の記憶装置16により実現される。以下、所有者情報記憶部30に記憶されるデータの具体例について説明する。
【0049】
図6には、所有者情報記憶部30に記憶される車両管理テーブル40の一例を示した。
図6に示されるように、車両管理テーブル40には、車両管理情報(車両情報)、所有者情報、整備工場情報が記憶される。
車両情報には、例えば車台番号、車両メーカ、車両メーカの問い合わせ先、車両の製造年度、車両の販売者(ディーラー)等の情報が含まれる。例えば、車両メーカの問い合わせ先は、車台番号に基づいて、車両がリコール対象か否か、また改修の実施状況について問い合わせるためのウェブサイトのURLとする。
所有者情報には、例えば車両の所有者名、所有者連絡先等が含まれる。
整備工場情報には、例えば整備工場を識別する整備工場ID、整備工場名、整備工場の住所等が含まれる。
【0050】
[リスト情報記憶部31の機能の説明]
リスト情報記憶部31は、所定情報の通知対象となる乗物の識別情報のリストを記憶する機能である。
また、上記のリストには、例えば所定の修理に該当する可能性がある乗物の識別情報を含む。
そして、上記の所定の修理は、例えばリコールの対象となる改修である。
また、上記のリストは、例えばリコールの該当可能性がある乗物の識別情報のリスト(リコール対象候補リスト)と、リコールに対応する改修が未実施(未改修)の乗物の識別情報のリスト(リコール未改修リスト)の少なくともいずれかを含む。
【0051】
リスト情報記憶部31は、主に通知システム1の記憶装置16により実現される。以下、リスト情報記憶部31に記憶されるデータの一例について説明する。
なお、本実施形態では、リスト情報記憶部31には、リコール対象候補テーブル41、リコール対象車両抽出テーブル42、通知対象者設定テーブル43が記憶される。
【0052】
図7には、リコール対象候補テーブル41の一例を示した。リコール対象候補テーブル41の記憶内容は、後述するリスト取得部32により取得したデータに基づく。
【0053】
図7に示されるように、リコール対象候補テーブル41には、リコール届出番号、車両メーカ、リコール対象車の車台番号の範囲の情報が関連付けて記憶される。
【0054】
図8には、リコール対象車両抽出テーブル42の一例を示した。リコール対象車両抽出テーブル42には、車両管理テーブル40に記憶される車台番号のうち、リコール対象候補テーブル41に記憶されるリコールに該当するものを抽出して記憶している。
【0055】
図8に示されるように、リコール対象車両抽出テーブル42は、車台番号、該当するリコール届出番号、リコールの改修状況、ダイレクトメールの送付対象として選択されたか否かを示す選択フラグが関連付けて記憶される。
なお、リコールの改修状況は、後述する問合せ部33による車両メーカ4への問合せ結果に基づいて設定される。
また、選択フラグは、例えば整備工場6の端末7から受け付けた選択結果(選択(T)/非選択(F))に基づいて設定されることとしてもよいし、初期値として「選択(T)」が設定されていてもよい。
【0056】
図9には、通知対象者設定テーブル43の一例を示した。通知対象者設定テーブル43には、リコール対象車両抽出テーブル42で選択フラグの値が「選択(T)」である車台番号について、車両の所有者に案内する情報及び案内のために用いられる情報を車両管理テーブル40及びリコール対象候補テーブル41(又はリコール対象車両抽出テーブル42)から抽出して設定したものである。
【0057】
図9に示されるように、通知対象者設定テーブル43には、例えば車台番号、リコール届出番号、車両の所有者名、所有者の連絡先、整備工場名が関連付けて記憶される。
【0058】
[リスト取得部32の機能の説明]
リスト取得部32は、所定機関2において公開される所定の修理に該当する可能性がある乗物の識別情報の範囲に基づいて、所定の修理に該当する可能性がある乗物の識別情報のリストを取得する機能である。
例えば、リスト取得部32は、所定機関2のウェブサイトにおいて公開される、リコールに該当する可能性がある車台番号(乗物の識別情報の一例)の範囲を含む公開データ3に基づいて、リコールに該当する可能性がある車台番号のリストであるリコール対象候補リストを取得する。
なお、リスト取得部32は、上記の公開データ3がドキュメントデータである場合には、当該ドキュメントデータから、所定の欄に記憶されたリコール届出番号と、リコール対象候補の車台番号の範囲を抽出して、上記リコール対象候補リストを生成することとしてもよい。
また、リスト取得部32は、上記の公開データ3に基づいて、管理者等のユーザーの入力に基づいて生成された上記リコール対象候補リストを取得することとしてもよい。この際、リスト取得部32は、上記の公開データ3はダウンロードせずに、上記のリコール対象候補リストのみを取得するようにしてもよい。
【0059】
リスト取得部32は、主に通知システム1のCPU15、記憶装置16及び通信用インターフェース17により実現される。
具体的には、通知システム1のCPU15は、通信用インターフェース17を介して所定機関2の所定のURLにアクセスし、所定のURLにて公開されている、リコール届出番号と、それに該当する可能性がある車台番号の範囲の情報を含む公開データ3をダウンロードする。
そして、通知システム1のCPU15は、上記の公開データ3の記憶内容に基づいて生成されたリコール対象候補リストを取得する。
ここで、CPU15は、所定のアクセスタイミングが到来するごとに、所定機関2の所定のURLにアクセスし、当該所定のURLにて公開されている公開データ3に基づいて、リコール対象候補リストを更新するようにしてもよい。
例えば、上記の所定のアクセスタイミングとは、前回のアクセスから所定時間が経過したタイミングであってもよいし、予め指定された日時等としてもよい。
【0060】
そして、CPU15は、上記取得したリコール対象候補リストの情報を、記憶装置16に記憶されるリコール対象候補テーブル41に格納する。
【0061】
[問合せ部33の機能の説明]
問合せ部33は、所有者情報記憶部30に記憶される車台番号のうち、リコール対象候補リストに含まれる車台番号について、車両メーカ(乗物の製造者の一例)のウェブサイトを通じてリコールの対象であるか否かを問い合わせる機能である。
なお、問合せ部33は、所有者から予め車台番号を利用した問い合わせの許諾を得ている場合に限り、車台番号を利用した車両メーカへの問い合わせを実行することとしてもよい。
【0062】
問合せ部33は、主に通知システム1のCPU15、記憶装置16及び通信用インターフェース17により実現される。
具体的には、通知システム1のCPU15は、記憶装置16に記憶される車両管理テーブル40のそれぞれの車台番号が、リコール対象候補テーブル41に記憶されるリコールの対象候補となる車台番号の範囲に含まれているか否かを判定する。
その結果、リコールの対象候補と判定された場合には、CPU15は、その車台番号と、リコール届出番号をリコール対象車両抽出テーブル42に格納する。
【0063】
次に、CPU15は、リコール対象車両抽出テーブル42に格納したそれぞれの車台番号について、車両管理テーブル40に記憶される車両メーカの問い合わせ先のウェブサイトに対して、リコール対象の有無及び実施状況を問い合わせる。
CPU15は、通信用インターフェース17を介して、上記の問い合わせを実行し、上記のウェブサイトからその問合せ結果を受信する。
【0064】
そして、CPU15は、上記受信した問合せ結果に基づいて、リコール対象車両抽出テーブル42の情報を更新する。
具体的には、CPU15は、上記受信した問合せ結果が、リコール対象で無ければ、その車台番号のレコードをリコール対象車両抽出テーブル42から削除することとしてもよい。また、CPU15は、上記受信した問合せ結果が、リコール対象である場合に、改修の実施状況(実施済み/未実施(又は不明))を、リコール対象車両抽出テーブル42の「リコールの改修状況」に記憶することとしてもよい。
【0065】
[表示制御部34の機能の説明]
表示制御部34は、リコールの対象である車両の情報を含む一覧画面を表示装置に表示させる機能である。
例えば、表示制御部34は、
図2に示す車両一覧画面50(一覧画面の一例)を、整備工場6の端末7に備えられる表示装置24に表示させる。
【0066】
表示制御部34は、主に通知システム1のCPU15、記憶装置16及び通信用インターフェース17により実現される。
具体的には、CPU15は、整備工場6の端末7から、整備工場6の識別情報(整備工場ID)とともにリコール対象候補の一覧表示要求を受信すると、リコール対象車両抽出テーブル42に記憶される車台番号のうち、車両管理テーブル40において整備工場IDが関連付けて記憶されている車台番号を抽出する。
そして、CPU15は、上記抽出した車台番号について車両管理テーブル40に記憶される車両情報と、当該車台番号についてリコール対象車両抽出テーブル42に記憶されるリコールの実施状況に基づいて、例えば
図2に示す車両一覧画面50の画面データを生成する。
そして、CPU15は、上記生成した画面データを、通信用インターフェース17を介して端末7に送信し、端末7の表示装置24に車両一覧画面50を表示させる。
【0067】
端末7は、入力装置23を介して車両一覧画面50において選択された車両の車台番号を、通知システム1に送信することとする。
【0068】
[特定部35の機能の説明]
特定部35は、リスト取得部32により取得されるリストに基づいて、所有者情報記憶部30に記憶される車台番号から通知対象の車台番号を特定する機能である。
また、特定部35は、問合せ部33の問合せ結果が未改修の車台番号を、上記の通知対象の車台番号として特定してもよい。
【0069】
特定部35は、主に通知システム1のCPU15、記憶装置16及び通信用インターフェース17により実現される。
例えば、CPU15は、上記の車両一覧画面50において選択された車両の車台番号を、通信用インターフェース17を介して受信すると、受信した車台番号を、上記の通知対象の車台番号として特定する。
この場合には、CPU15は、上記受信した車台番号についてリコール対象車両抽出テーブル42に記憶される選択フラグを「選択(T)」に更新する。
【0070】
なお、特定部35による通知対象の特定は、上記の例に限られない。
例えば、CPU15は、リコール対象車両抽出テーブル42に記憶される全ての車台番号を、通知対象の車台番号として特定してもよい。
また例えば、CPU15は、リコール対象車両抽出テーブル42に記憶される車台番号のうち所定の条件を満足する車台番号を、通知対象の車台番号として特定してもよい。
ここで、上記の所定の条件とは、リコールの改修状況が「未改修」であるもの、所定の車両メーカに関するもの、所定のリコール届出番号に関するもの等の条件としてもよい。
【0071】
[通知処理部36の機能の説明]
通知処理部36は、特定部35により特定した通知対象の乗物の識別情報に関連づけて所有者情報記憶部30に記憶される所有者情報に基づいて、所定情報を通知するための処理を実行する機能である。
例えば、通知処理部36は、通知対象の車台番号に関連づけて所有者情報記憶部30に記憶される所有者の宛先に対し、リコール改修(所定の修理の一例)を案内するための処理を実行する。
また例えば、通知処理部36は、所有者に対して、リコール改修の案内とともに、リコール改修の問い合わせ先の情報を案内することとしてもよい。ここで、リコール改修の問い合わせ先は、所有者の識別情報に関連付けて所有者情報記憶部30に記憶される整備工場の情報としてもよい。また、リコール改修の問い合わせ先は、所有者の識別情報に関連付けて所有者情報記憶部30に記憶される車両管理情報に含まれる車両販売店(ディーラー)や認定整備工場の情報としてもよい。
また例えば、通知処理部36は、整備工場6の端末7で表示された車両一覧画面50(一覧画面の一例)を介して選択された車両の所有者に対してリコールの改修を案内するための処理を実行してもよい。
【0072】
ここで、「所定情報を通知するための処理」とは、所有者の連絡先に対して所定の修理の案内状を送付、又は案内情報を送信するために実行される処理であり、各種の態様を含む。
例えば、「所定情報を通知するための処理」には、所定の修理を案内する案内状(例えばダイレクトメール9)を印刷するための印刷システム8への出力要求を含む。ここで、上記の出力要求には、例えば送付先と送付内容のリストを、印刷システム8に送信する処理が含まれる。
また、「所定情報を通知するための処理」には、所定の修理を案内する電子情報(例えば電子メール)を、所有者のアドレスに送信する処理を含む。
【0073】
通知処理部36は、主に通知システム1のCPU15、記憶装置16及び通信用インターフェース17により実現される。
具体的には、CPU15は、記憶装置16に記憶されるリコール対象車両抽出テーブル42において、選択フラグの値が「選択(T)」である車台番号について、該当するリコール届出番号、車両管理テーブル40に記憶される車両の所有者名、所有者の連絡先、整備工場名の情報を、通知対象者設定テーブル43に格納する。
そして、CPU15は、通信用インターフェース17を介して、通知対象者設定テーブル43の情報を、印刷システム8の所定のアドレスに対して送信する。
【0074】
印刷システム8は、通知システム1から通知対象者設定テーブル43の情報を受信すると、受信した情報に基づいてダイレクトメール9を印刷する。そして、印刷されたダイレクトメール9は、指定の宛先に送付される。
【0075】
[通知システム1により実行される処理の説明]
次に、
図10乃至
図12を参照しながら、通知システム1により実行される処理について説明する。以下に説明する処理は、通知システム1のCPU15が、記憶装置16に記憶されるプログラムに基づいて処理を実行することにより実現されるものである。
【0076】
[リコール対象候補の車両情報を取得する処理の説明]
図10を参照しながら、通知システム1が所定機関2のウェブサイトで公開されるリコール対象候補の車両情報を取得する処理について説明する。
【0077】
図10に示されるように、通知システム1のCPU15は、所定機関2のウェブサイトにアクセスするタイミングが到来していない場合には(S101:No)、待機し、上記タイミングが到来した場合には(S101:Yes)、通信用インターフェース17を介して所定機関2のウェブサイトにアクセスする(S102)。
【0078】
次に、CPU15は、所定機関2のウェブサイトを通じて公開されている、リコール届出番号と、そのリコールの対象候補の車台番号の範囲の情報を含む公開データ3を、通信用インターフェース17を介してダウンロードする(S103)。
【0079】
そして、CPU15は、上記ダウンロードした公開データ3に基づいて生成されたリコール対象候補の車台番号のリストを、記憶装置16のリコール対象候補テーブル41に記憶する(S104)。
【0080】
通知システム1は、上記の処理を定期的に実行し、リコール対象候補テーブル41の情報を、所定機関2のウェブサイトで公開されるリコールに関する公開データ3に合わせて更新する。
【0081】
[リコール対象車両抽出テーブル42を生成する処理の説明]
次に、
図11を参照しながら、通知システム1がリコール対象車両抽出テーブル42を生成する処理について説明する。なお、以下においては、車両管理テーブル40に記憶される車台番号の数がN(Nは1以上の整数)あるとし、各々の車両をV
1〜V
Nと表す。
【0082】
図11に示されるように、通知システム1のCPU15は、リコール対象車両抽出テーブル42の更新タイミングが到来していない場合には(S111:No)、待機し、リコール対象車両抽出テーブル42の更新タイミングが到来した場合には(S111:Yes)、変数iを1に初期化する(S112)。
【0083】
そして、CPU15は、車両Viの車台番号を読み込み(S113)、リコール対象候補テーブル41を参照して、その車台番号がリコール候補か否かを判定する(S114)。具体的には、CPU15は、車両Viの車台番号が、リコール対象候補テーブル41のリコール対象車の車台番号の範囲に含まれるか否かを判定し、含まれる場合には、そのリコール届出番号を特定する。
【0084】
車両Viの車台番号がリコール候補でない場合には(S114:No)、CPU15は、変数iに1加算して(S115)、S113に戻る。
一方で車両Viの車台番号がリコール候補である場合には(S114:Yes)、CPU15は、リコール対象車両抽出テーブル42に車両Viの車台番号のレコードを追加する(S116)。
【0085】
S116の後に、CPU15は、車両管理テーブル40から車両メーカの問い合わせ先を取得する(S117)。
【0086】
S117で問い合わせ先がなかった場合には(S118:No)、CPU15は、変数iに1加算して(S115)、S113に戻る。
【0087】
S117で問い合わせ先があった場合には(S118:Yes)、CPU15は通信用インターフェース17を介して、問い合わせ先に車両Viの車台番号を送信し、問い合わせを実行する(S119)。
【0088】
CPU15は、問い合わせにより得た、車両Viのリコール改修の要否と、改修状況の情報に基づいて、車両Viのリコール対象車両抽出テーブル42のレコードを更新する(S120)。
【0089】
そして、変数iがNに達していない場合には(S121:No)、CPU15は、変数iに1加算して(S115)、S113に戻る。
また、変数iがNに達した場合には(S121:Yes)、処理を終了する。
【0090】
通知システム1は上記の処理を定期的に実行してもよいし、ダイレクトメールを送付するタイミングに合わせて実行してもよい。
【0091】
[リコールを案内する処理の説明]
次に、
図12を参照しながら、整備工場6の所有者にリコールを案内する処理について説明する。
【0092】
図12に示されるように、端末7のCPU20は、通信用インターフェース22を介して、整備工場6のID(整備工場ID)を通知システム1に送信する(S201)。
【0093】
通知システム1のCPU15は、通信用インターフェース17を介して整備工場IDを受信する(S131)。
そして、通知システム1のCPU15は、受信した整備工場IDが関連付けられている車台番号のうち、リコール対象車両抽出テーブル42に格納されている車台番号を抽出する(S132)。なお、上記抽出した車台番号は、リコールの対象可能性がある車両の車台番号である。
【0094】
次に、通知システム1のCPU15は、上記抽出した車台番号に関連付けられる車両情報を含む車両リストデータを生成し(S133)、生成した車両リストデータを、通信用インターフェース17を介して端末7に送信する(S134)。
【0095】
端末7のCPU20は、通信用インターフェース22を介して車両リストデータを受信すると(S202)、受信した車両リストデータに基づいて、車両リストを表示装置24に表示する(S203)。例えば、車両一覧画面50がS203において表示装置24に表示される車両リストの一例に相当する。
【0096】
端末7のCPU20は、入力装置23を介してダイレクトメールの送付先の選択を受け付けると(S204)、その選択結果を、通信用インターフェース22を介して通知システム1に送信する(S205)。
【0097】
通知システム1のCPU15は、通信用インターフェース17を介して端末7からダイレクトメールの送付先の選択結果を受信する(S135)。
そして、通知システム1のCPU15は、上記受信した選択結果に基づいて、印刷リストを生成する(S136)。なお、通知対象者設定テーブル43が上記の印刷リストの一例に相当する。
【0098】
そして、通知システム1のCPU15は、通信用インターフェース17を介して上記生成した印刷リストを、印刷システム8の所定のアドレスに宛てて送信する(S137)。
【0099】
なお、印刷システム8は、通知システム1から受信した印刷リストに基づいてダイレクトメール9を印刷し、所有者に送付する。ここで、ダイレクトメール9の差出人は、例えば整備工場6とする。
【0100】
[通知システム1により奏される効果]
以上説明した通知システム1によれば、所有者10の所有する車両11がリコールの対象となっている場合に、その旨を所有者10に対しダイレクトに通知することができる。これにより、所有者10がリコールの改修を受けずに放置してしまう可能性を低減できる。すなわち、通知システム1によれば、リコール改修率を向上させることができる。
また、所有者10にとっては、所有する通知システム1についての有益な情報を得ることができるため、所有者満足度を向上できる。
【0101】
また、通知システム1では、所有者10に整備工場6の情報を案内することで、所有者10の所有する車両11がリコールの対象となっている場合に、所有者10に整備工場6への連絡を促すことができる。
このように、整備工場6にとっては、所有者10との連絡機会が増えるため、売上機会を向上できる。
【0102】
また、通知システム1では、リコールに該当する可能性がある車台番号の範囲を記憶する所定機関2の公開データ3から取得した情報を利用することで、所有者10の所有する車両11がリコールの対象となっているか否かを精度良く判定できる。
【0103】
また、通知システム1では、車両メーカ4のウェブサイトを通じてリコールの実施状況を問い合わせた結果が未改修の車台番号を通知対象に含めるようにしたことで、リコールの改修が行われていない車両の所有者に対して、リコールの改修を案内することができる。これにより、リコールの改修を効果的に案内できる。
【0104】
また、通知システム1では、リコールの対象である車台番号を含む一覧画面を介して選択された車台番号に関連づけて記憶される所有者の宛先に対し、リコールの改修を案内することで、リコールの改修を案内する所有者を選択しやすくなる。
【0105】
[その他の実施形態]
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、通知システム1は複数のコンピュータから構成されてもよく、この場合に通知システム1に備えられる機能は、複数のコンピュータに分散していてもよい。
【0106】
通知システム1は、整備工場6の端末7からの要求に応じてリコール対象の車両情報を提供する例に限らず、リスト取得部32で取得されるリストに更新があった場合に、整備工場6の端末7に対してリコール対象の車両情報を提供するようにしてもよい。
【0107】
また、通知システム1は、ダイレクトメールを送付するための印刷リストを整備工場6の端末7に提供し、整備工場6の端末7からの要求に基づいて印刷システム8によりダイレクトメールを印刷させてもよい。
また、上記のダイレクトメールを送付するための印刷リスト(送付先リスト)を、ダイレクトメールの作成代行業者に送付して、ダイレクトメールの印刷及び送付を行わせてもよい。
【0108】
また、通知システム1は、リコール対象の車両の所有者にリコール対象である旨を通知する場合に限らず、その他の条件(点検時期が近い等)に合致する車両の所有者に対して所定の情報を通知するようにしてもよい。