特許第6963429号(P6963429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6963429-カートン、およびラップフィルム製品 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963429
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】カートン、およびラップフィルム製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20211028BHJP
   B65D 5/72 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   B65D5/42 B
   B65D5/72 A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-129866(P2017-129866)
(22)【出願日】2017年6月30日
(65)【公開番号】特開2019-11117(P2019-11117A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2020年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001100
【氏名又は名称】株式会社クレハ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】関 孝幸
【審査官】 内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−122060(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3167277(JP,U)
【文献】 特開2003−327280(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3184603(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B65D 5/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する、上面が開口した容器本体と、
上記容器本体の開口部を覆う蓋部と、
未開封の状態において上記蓋部に連接し、かつ上記容器本体の前面板に接着しており、開封時に上記蓋部から切り離される、開封片とを備え、
上記開封片は、切り離し方向に沿って列をなして設けられた複数の接着部で、上記前面板と接着しており、
上記開封片には、上記開封片に設けられた切れ目線により上記開封片から切り取り可能な区画が、上記接着部が存在しない部分に設けられており、
上記区画は、上記列の端に位置する接着部よりも中央側に設けられていることを特徴とするカートン。
【請求項2】
上記開封片と上記蓋部との間に切り取り線が設けられており、上記切れ目線は上記切り取り線と交差していることを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【請求項3】
上記開封片の切り離し方向の最も後方に位置する上記接着部と、上記開封片における該切り離し方向後方側端部との距離は、上記開封片の切り離し方向に沿った辺の長さの6%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のカートン。
【請求項4】
上記列の端に位置する上記接着部の面積は、上記列の端に位置する接着部以外の接着部の面積よりも30%以上大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカートン。
【請求項5】
上記物品はラップフィルム巻回体であり、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカートンに上記物品を収容してなる、ラップフィルム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収容するカートン、及び当該カートンを用いたラップフィルム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ラップフィルム、アルミホイル、クッキングシート等の包装物は、通常、ロール状に巻回した状態で直方体のカートンに収容されている。このカートンは、物品が収容される上面が開口した直方体状の容器本体と、容器本体の上面の開口部を覆う蓋部を有している。カートンの開封前、蓋部は、容器本体の上面開口部を塞いだ状態で、容器本体の前面に位置する長手方向に沿った帯状の開封片により封止されている。そして、使用開始時には、開封片を切り取ることによって、カートンが開封される。
【0003】
上述のカートンは、消費者にわたるまでの物流段階で勝手に開封してしまわないよう、蓋部を封止する開封片が容器本体に十分に接着されている必要がある。一方で、使用開始時には開封片の切り取りを容易にし、それにより容易に開封できることが求められている。このようなカートンとして、例えば、特許文献1には開封片と容器本体を接着する接着部のうち少なくとも一つが後方端に曲線を有するとき、後方端における幅は後方端における曲率円の直径とすることで、物流段階での接着が十分であり、かつ、開封後の糊残りを抑制したカートンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−122060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、開封片は開封時に切り取られることから、応募券およびベルマーク(登録商標)等を設ける部分として適している。応募券およびベルマーク等を開封片に設ける場合には、これらを含む区画を開封片から容易に切り取ることができることが望ましい。一方で、応募券およびベルマーク等を設ける部分を設けた場合であっても、流通段階でのカートンの未開封状態が維持されるよう、開封片の接着安定性を確保する必要がある。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、切り取り可能な区画が設けられた開封片と容器本体との接着性が安定しているカートンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカートンは、上記課題を解決するために、物品を収容する、上面が開口した容器本体と、上記容器本体の開口部を覆う蓋部と、未開封の状態において上記蓋部に連接し、かつ上記容器本体の前面板に接着しており、開封時に上記蓋部から切り離される、開封片とを備え、上記開封片は、切り離し方向に沿って列をなして設けられた複数の接着部で、上記前面板と接着しており、上記開封片には、上記開封片に設けられた切れ目線により上記開封片から切り取り可能な区画が、上記接着部が存在しない部分に設けられており、上記区画は、上記列の端に位置する接着部よりも中央側に設けられている構成を有している。
【0008】
上記構成によれば、使用前においては、蓋部に連接する開封片が容器本体の前面板と接着していることにより、カートンの未開封の状態が維持される。開封片には、切れ目線により切り取り可能な区画が設けられており、開封片から切り取って使用することができる。切り取り可能な区画は、接着部が存在しない部分に設けられている。このため、接着部の存在に起因して生じ得る、開封片切り離し時の途中での切断により、当該区画が内部で切断してしまうことを防ぐことができる。また、当該区画は、列をなして存在する複数の接着部の端に位置する接着部よりも中央側に設けられているため、最も端の接着部を開封片の端部により近づけることができる。これにより、開封片の接着安定性が十分に確保され、意図しないカートンの開封をより確実に防ぐことができる。
【0009】
また、本発明に係るカートンでは、上記開封片と上記蓋部との間に切り取り線が設けられており、上記切れ目線は上記切り取り線と交差していることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、切れ目線の端が、切り離された開封片の端まで延びている。そのため、切り取り可能な区画を、より容易に開封片から切り取ることができる。
【0011】
また、本発明に係るカートンでは、上記開封片の切り離し方向の最も後方に位置する上記接着部と、上記開封片における該切り離し方向後方側端部との距離は、上記開封片の切り離し方向に沿った辺の長さの6%以下であることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、一方の端に位置する接着部が、開封片の端部により近い位置となるため、開封片の接着安定性がより優れたものとなる。
【0013】
また、本発明に係るカートンでは、上記列の端に位置する上記接着部の面積は、上記列の端に位置する接着部以外の接着部の面積よりも30%以上大きいことが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、一方の端に位置する接着部の大きさがより大きくなるため、開封片の接着安定性がより優れたものとなる。
【0015】
上記構成によれば、開封片の接着安定性がより優れたものとなる。
【0016】
また、上記物品がラップフィルム巻回体であり、上述のカートンに上記物品を収容してなる、ラップフィルム製品も、本願発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のカートンによれば、切り取り区画が設けられた開封片であっても、開封片と容器本体の前面板との接着性を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係るカートンの一例を示す斜視図であって、封止状態を示す。
図2】開封片の一例を示す図であり、(a)は切れ目線と、切り取り線とが交差していない形態、(b)は交差している形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしていてもよい。
【0020】
図1は、本実施形態に係るカートンの一態様を示す斜視図であって、封止状態にあるカートンを示している。図1に示すように、本実施形態に係るカートン1は、物品を収容する、上面が開口した容器本体10と、容器本体10の開口した上面を覆う蓋部11と、蓋部の前面板13に連接している開封片14とを備えている。蓋部11の前面板13と開封片14との間には両者を切り離すための切り取り線19が形成されている。開封前において開封片14は、容器本体10の前面板と接着している。開封片14を、容器本体10の前面板から引き剥がすとともに蓋部11から切り離すことによって、カートン1を開封することができる。なお、カートン1の開封前においては、容器本体10の前面板は、蓋部11の前面板13および開封片14に覆われているため、外観には現れない。開封片14には、切り取り区画16が設けられている。
【0021】
〔開封片〕
開封片14は、カートン1の開封前において蓋部11を固定するために、蓋部11の前面板13に連接されている部分である。蓋部11の前面板13に連接されている開封片14が、容器本体10の前面板と接着していることより、蓋部11が開かないよう固定されている。開封片14の短辺に相当する、開封片14の一方の端部18(b)から他方の端部18(a)に向けて(以下、この方向を切り離し方向という)、開封片14を容器本体10から引き剥がすとともに、蓋部11から切り離すことによって、蓋部11の固定が外れ、カートン1を開封することができる。
【0022】
蓋部11の前面板13と開封片14との間には切り取り線19が形成されている。これにより、開封片14を蓋部11から容易に切り離すことができる。切り取り線19の詳細については後述する。
【0023】
開封片14は、複数の接着部15を介して、容器本体10の前面板と接着している。ここで、開封片14と容器本体10の前面板との接着について説明する。開封片14の、容器本体10の前面板と対向する面(以下、開封片14の裏面ともいう)には、切り離し方向(図1中、矢印Aの方向)に沿って、帯状に接着剤が塗布されている。一方、容器本体10の前面板には、接着部15となる部分を除く領域に、接着防止用の透明な剥離ニスが塗布されている。接着剤の塗布後、開封片14は容器本体10の前面板の所定位置に重ね合わされ、所定の圧力で押しつけられる。これにより、剥離ニスが塗布された部分においては、開封片14と容器本体10の前面板とは接着せず、剥離ニスが塗布されていない部分であった接着部15において、開封片14と容器本体10の前面板とが接着することになる。複数の接着部15は列をなして設けられている。接着部15の詳細については後述する。
【0024】
(切り取り区画)
開封片14には、切り取って使用するための切り取り区画16が設けられている。切り取って使用するとは、切り取った部分を応募券として使用したり、ベルマークとして使用したりすることを意図している。
【0025】
切り取り区画16の切り取りを容易にするために、開封片14における切り取り区画16の、切り離し方向Aと交わる方向の辺となる部分には、切れ目線17が設けられている。換言すれば、2つの切れ目線17により、切り取り区画16が画定されている。本実施形態において切れ目線17は、切り離し方向Aに対して垂直な方向に延びている。
【0026】
切り取り区画16は、接着部15の列の一方の端に位置する接着部15(a)よりも容器本体10の中央側、かつもう一方の端に位置する接着部15(b)よりも容器本体10の中央側に設けられている。切り取り区画16を、列の端にある接着部15(a)および接着部15(b)よりも容器本体10の中央側に設けることにより、切り取り区画16を接着部15(a)または接着部15(b)よりも容器本体10の外側に設ける場合に比べ、接着部15(a)および接着部15(b)を開封片14の端部18(a)または端部18(b)により近い位置に設けることができる。したがって、開封前における開封片14と容器本体10の前面板との接着安定性をより十分に確保することができる。なお、本明細書において接着安定性が確保されている状態とは、容器本体10の前面板と開封片14とを接着した際に、開封片14が、容器本体10の前面板から浮いていない状態、および浮きの程度が非常に小さい状態を意図している。接着安定性が不十分な場合、容器本体10の前面板と開封片14との隙間に、物流時に隣接する他のカートンの一部等が引っかかりやすくなるため、使用開始前の物流段階で意図せず蓋部11が開いてしまう虞がある。接着安定性が十分であれば、引っかかりを防ぐことができ、使用開始前に物流段階で蓋部11が開いてしまうことを防ぐことができる。
【0027】
切り取り区画16は、開封片14において、接着部15が設けられていない場所に設けられている。互いに離れている複数の接着部15によって開封片14が容器本体10に接着されている場合には、切り取り区画16が、接着部15が設けられている場所に存在すると、開封片14を容器本体10の前面板から引き剥がす際に、接着部15が設けられた部分で、開封片14が切断してしまう可能性がある。しかしながら本実施形態においては、接着部15が設けられていない場所に切り取り区画16を設けているため、開封片14における切り取り区画16の裏面には接着部15が存在しない。そのため、開封時に、切り取り区画16の内部において開封片14が途中で切断されてしまうことを防ぐことができる。さらに、切り取った後の切り取り区画16には、開封後の接着部15の一部が残らないため、外観を損なうことがない。
【0028】
切り取り区画16の幅L3は、隣り合う接着部15どうしの距離以下であれば特に制限はないが、例えば、容器本体10の長辺の長さが220〜320mmである場合には、幅L3は10〜30mmであり得、さらには15〜25mmであり得る。なお、切り取り区画16の幅とは、切り離し方向Aに沿った長さを意図している。
【0029】
(切れ目線)
図2は、開封片14および蓋部11の前面板13の一部を示す図であり、開封片14に設けられた切れ目線17と切り取り線19との位置関係を示す図である。図2の(a)は切れ目線17と、切り取り線19とが交差していない形態、図2の(b)は切れ目線17と、切り取り線19とが交差している形態である。ここで、切れ目線17と切り取り線19とが交差している状態とは、切れ目線17が切り取り線19のラインを通り越して蓋部11の前面板13まで延びている状態、または切れ目線17の先端が切り取り線19のラインまで達しているものの蓋部11の前面板13には延びていない状態を指す。また、切り取り線19のラインとは、切れ込みである切り取り線19と、隣り合う切り取り線19どうしの間の部分(切り取り線19のつなぎ部)とを結んだ仮想の線を意図している。したがって、切れ目線17と切り取り線19とが交差している状態とは、図2の(b)に示すような切れ目線17の先端が切り取り線19上にある場合に限らず、切れ目線17の先端が、隣り合う切り取り線19の間の、切り取り線19のつなぎ部にある場合も含まれる。
【0030】
切れ目線17は、図2の(b)に示されるように、切り取り線19と交差していることが好ましい。切れ目線17が切り取り線19と交差することによって、開封片14から切り取り区画16を切り取る際、切り取り易さが向上する。
【0031】
本実施形態においては、切り取り区画16の領域には接着部15は存在しない。そのため、開封片14を引き剥がさなくとも、切り取り区画16のみを切り取ることが可能である。この点を考慮した場合、切れ目線17と切り取り線19が交差する箇所は、切り取り線19のつなぎ部ではなく、実際に切れ込みが入っている切り取り線19上であることが好ましい。切り取り線19のつなぎ部ではなく切り取り線19上、すなわち切れ込み部分で交差することにより、開封片14を蓋部11から切り離す前であっても切り取り区画16を容易に切り取ることができる。
【0032】
切れ目線17の形状は、開封片14から切り取り区画16を容易に切り取ることができる形態のものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ミシン目、断続した切れ込み等が挙げられる。
【0033】
切れ目線17の端部のうち、切り取り線19と逆に位置する側は、開封片14の長辺に達していてもよいし、達していなくてもよい。しかしながら、より容易に切り取り区画16を切り取ることができるという点では、開封片14の長辺まで達していることが好ましい。
【0034】
(切り取り線)
上述の通り、蓋部11の前面板13と開封片14との間には、開封片14を蓋部11から切り離すための切り取り線19が形成されている。本実施形態における切り取り線19は、開封片14の開封開始側の端部18(b)から開封終了側の端部18(a)にわたり断続的に形成された、複数の切れ込みである。
【0035】
開封の際に、開封片14を切り離し方向Aへ引っ張ることにより、接着部15における剥離とともに、切り取り線19の間のつなぎ部分の破断が生じる。これにより、開封片14による蓋部11の容器本体10への固定が外され、蓋部11が開閉可能となる。
【0036】
切り取り線19の形状は特に限定されるものではないが、例えば、ミシン目、断続した切れ込み等が挙げられる。本実施形態では、一本の直線の切れ込みが断続的に設けられた形態である。また、切り取り線19は、一本の直線の切れ込みのみからなる場合に限らず、これと直交する短い切れ込みを有する略T字形状の切り取り線、または、切れ込みの一部が折れているか、または曲がっている略J字形状の切り取り線であってもよい。
【0037】
(接着部)
上述の通り、開封片14の裏面には、帯状に接着剤が塗布されている。また、容器本体10の前面板は、複数の接着部15を除く領域に接着防止用の透明な剥離ニスが塗布されている。これにより、容器本体10の前面板と開封片14とは、容器本体10の前面板に設けられた複数の接着部15においてのみ接着されている構成となる。接着部15は、開封片14の切り離し方向に沿って列をなして複数設けられている。本実施形態では、複数の接着部15が同一線上に設けられている。
【0038】
接着部15の数は、使用前に開封片14が意図せず開封せず、使用時には容易に開封することができれば特に限定されるものではない。例えば、開封片14の長辺の長さが220〜320mmのとき5〜10個であり得る。
【0039】
接着部15の大きさは、使用前に開封片14が意図せず開封せず、使用時には容易に開封できる大きさであることが好ましい。具体的には、接着部15の直径が、2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましい。また、上限としては10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることが開封しやすさ、および開封跡の美観を保つ点でより好ましい。なお、接着部15の形状が円形以外である場合、最大径が上記の範囲であればよい。複数ある接着部15は、すべて同一の大きさとしてもよいし、互いに異なる大きさとしてもよい。例えば、複数の接着部15のうち、列の最も端に位置する接着部15(a)および接着部15(b)を、その他の接着部15よりも大きくしてもよい。例えば、接着部15(a)および接着部15(b)の面積を、それ以外の接着部15の面積よりも30%以上大きい態様であり得、さらには50%以上大きい態様であり得る。列の最も端にある接着部の大きさを、他の接着部よりも大きくすることにより、接着安定性をより十分に確保することができる。
【0040】
また、開封片14の切り離し方向の最も前方に位置する接着部15(b)は、最も後方に位置する接着部15(a)よりも小さいことが好ましい。これにより、開封片14の切り離しの開始部分の方が、反対側よりも接着が弱くなり、開封片14を引き剥がし易くなる。
【0041】
接着部15の形状は、特に限定されないが、例えば、円形、涙形、長方形および楕円形等が挙げられる。
【0042】
本実施形態において、接着部15(a)と開封片14の切り離し方向後方側の端部18(a)との距離L1は、開封片14の切り離し方向に沿った辺の長さの6%以下であり得、さらには5%以下であり得る。ここで、距離L1は開封片14の切り離し終了側の端部18(a)から、接着部15(a)における当該端部18(a)に最も近い境界部分までの距離である。距離L1が小さいほど、開封片14と容器本体10の前面板との間にうきが生じにくいため接着安定性を確保することができる。
【0043】
本実施形態において、接着部15(b)と端部18(b)との距離L2は、距離L1と同じ距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。使用時により容易に開封することができる点から、距離L2は距離L1よりも長いことが好ましい。距離L2の長さとしては、開封片14の切り離し方向に沿った辺の長さの6%〜12%であり得、さらには7%〜10%であり得る。距離L2を当該範囲とすることで、開封時に指を掛ける部分をより十分に確保でき、容易にカートンを開封することができる。なお、距離L2は開封片14の切り離し開始側の端部18(b)から、接着部15(b)における当該端部18(b)に最も近い境界部分までの距離である。
【0044】
〔カートン〕
本実施形態におけるカートン1は、図1に示すように横長の略直方体状の箱型である。しかしながらカートン1の形状は、これに限定されるものではない。カートン1の材質は、例えば、ボール紙、板紙、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。カートン1を形成する板材の厚さは、一般に加工容易性の観点から0.35〜0.80mmであることが好ましい。また、板材表面には、エンボス加工、印刷加工およびポリエチレン等を用いたラミネート加工が施されていてもよい。
【0045】
容器本体10は、箱型であり、内部に物品(不図示)を収容することができる。収容される物品は、特に制限はないが、例えば、アルミニウム箔、コーティング層を備えるアルミニウム箔、ポリ塩化ビニリデンフィルムおよびポリエチレンフィルムなどのラップフィルムならびに加熱調理用の紙シートなどが挙げられる。したがって、カートン1を用いた製品としては、ラップフィルム巻回体がカートン1に収容されてなるラップフィルム製品が挙げられる。
【0046】
蓋部11は、図1に示すように、容器本体10の後面から前面に延び、容器本体10の開口部を覆っている。蓋部11には、容器本体10の前面板の一部を覆っている、蓋部11の前面板13が設けられている。蓋部11は、開封片14を切り離した後に、開閉可能となる。
【0047】
カートン1には、収容する物品を切断する切断手段を設けていてもよい(不図示)。切断手段は、例えば鋸歯状の切断刃であり、蓋部11の前面板13の裏面に、蓋部11の前面板13の下端辺から刃先を突出させて配置される。切断手段の形状は特に限定されないが、例えば、V字形状、直線形状および略U字形状等が挙げられる。切断手段の材質は特に限定されないが、例えば、厚紙、プラスチックおよび金属等である。
【実施例】
【0048】
(実施例1)
カートンは、厚紙(UFコート、王子製紙社製)で形成し、幅315mm、奥行き44mmおよび高さ44mmの略直方体とした。本カートンにおける開封片は、開封片の切り離し方向に沿って設けられた8個の接着部によってカートン本体に接着されている。また、開封片の切り離し方向の後方から2番目の接着部と3番目の接着部との間に切り取り区画が配置されるよう、当該2つの接着部の間に2つの切れ目線を形成した。切れ目線は、蓋部の前面板と開封片とを切り離す切り取り線と交差させた。より具体的には、切り取り線上、すなわち切り取り線のつなぎ部ではない部分と交差させた。
【0049】
(実施例2)
切れ目線と切り取り線とを交差させなかった以外は、実施例1と同様とした。
【0050】
(比較例1)
開封片の切り離し方向の後端に位置する接着部よりも外側に、開封片の切り離し方向に垂直な切れ目線1本、およびこれに直交する方向の切れ目線1本を設け、これらにより、開封片の切り離し方向の後端に位置する接着部よりも外側に切り取り区画を形成した以外は、実施例1と同様とした。
【0051】
(切り取り試験)
ラップを使用している20〜60代の主婦100人に実施例1〜2および比較例1の切り取り区画を切り取ってもらい、5段階の絶対評価で評点をつけてもらった。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
(接着安定性評価試験)
開封片の切り離し方向の後端にセロハンテープを接着し、セロハンテープの端部をテンシロン(エー・アンド・デイ株式会社 RTG−1210製)によりHS500mm/minで、容器本体の前面板に対して垂直方向で前面板から離れる方向に引っ張った。容器本体の前面板と、開封片の端切り離し方向の後端との間が5mmとなった時点において引張強度が高いほど、接着安定性は高い。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、物品を収容するカートンにおいて、使用開始前の開封片14の封止性を十分に確保する際に有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 カートン
10 容器本体
11 蓋部
13 蓋部の前面板
14 開封片
15、15(a)、15(b) 接着部
16 切り取り区画
17 切れ目線
18(a)、18(b) 端部
19 切り取り線
L1、L2 距離
L3 幅
図1
図2