(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963432
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】高速中性子原子炉の吸収アセンブリを液圧制動するための装置
(51)【国際特許分類】
G21C 7/20 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
G21C7/20
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-136206(P2017-136206)
(22)【出願日】2017年7月12日
(65)【公開番号】特開2018-31773(P2018-31773A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2020年6月12日
(31)【優先権主張番号】1656683
(32)【優先日】2016年7月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509337414
【氏名又は名称】アレバ・エヌペ
(73)【特許権者】
【識別番号】311015001
【氏名又は名称】コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリク・ラバリエール
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・ペラン
【審査官】
中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭50−095699(JP,A)
【文献】
特開昭60−260886(JP,A)
【文献】
特開昭61−225688(JP,A)
【文献】
特開昭63−265192(JP,A)
【文献】
米国特許第04851186(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)を液圧制動するための装置(400,500)であって、前記吸収アセンブリ(100)は、シース(110)と、中性子吸収材料が含まれるジャケット(210)を備えた可動セット(200)とを含み、前記可動セット(200)は、前記シース(110)内でダウン位置とアップ位置との間を垂直に移動することができ、前記シース(110)では前記冷却液体金属が内部を通過し、
前記液圧制動装置が、
前記可動セット(200)の下部に固定することができる第1の部分(420)であって、前記第1の部分はその下端にピストン(421,521)を含む、第1の部分(420)と、
前記シース(110)の内部に固定され、前記シース(110)の内部に台座を形成して前記第1の部分(420)の前記ピストン(421,521)を受け入れることができる第2の部分(410,510)と、
を含み、
前記第1の部分(420)の前記ピストン(421,521)と前記制動装置(400,500)の第2の部分(410,510)は、前記可動セット(200)がそのダウン位置にあるときに協働して、リーク経路を有する第1の液体金属捕捉チャンバを構成することができ、前記リーク経路は、前記ピストン(421,521)の外面と前記第2の部分(410,510)の内面との間に画定された環状空間によって形成され、
前記制動装置(400,500)は、第1の部分(420)が、その上部部分に可動セット(200)の前記ジャケット(210)に固定することができるグリッド(230a)を含み、前記グリッド(230a)は可動セット(200)のジャケット(210)の内部に液体金属を通過させるための開口を含むことを特徴とし、
前記ピストン(421,521)が、
第1の前部(421a)と、
円錐頂点が前記ピストン(421)の後方に向けられた第2の実質的に円錐形状の部分(421b)と、
前記第2の実質的に円錐形状の部分(421b)と前記グリッド(230a)との間に延在する第3の実質的に円筒形状の部分(421c)と、
を有し、
前記第3の実質的に円筒形状の部分(421c)は、前記第1の前部(421a)および前記第2の実質的に円錐形状の部分(421b)の断面と比較して減少した断面を有する、ことを特徴とする、
冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)を液圧制動するための装置(400,500)。
【請求項2】
ピストン(421,521)およびグリッド(230a)が一体になっていることを特徴とする、請求項1に記載の冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)を液圧制動するための装置(400,500)。
【請求項3】
前記第1の前部(421a)が、その円錐頂点が前記ピストン(421)の前方に向けられた実質的に円錐形状を有するか、平面輪郭または凹輪郭を有することを特徴とする、請求項1に記載の冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)を液圧制動するための装置(400,500)。
【請求項4】
前記第2の実質的に円錐形状の部分(421b)と前記グリッド(230a)との間に延在する前記第3の実質的に円筒形状の部分(421c)が、前記グリッド(230a)まで延在するフィン(423)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)を液圧制動するための装置(400,500)。
【請求項5】
ピストン(521)が内部チャンバ(522)を含み、前記第2の部分(510)が、第2の部分(510)の内部容積に設けられた突起(511)を含み、前記突起(511)は、前記可動要素(200)がそのダウン位置にあるときに前記内部チャンバ(522)と協働して第2の液体金属チャンバを形成し、そのリーク経路は、前記突起(511)の外面と前記ピストン(521)の前記内部チャンバ(522)の内面との間に画定された環状空間によって形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)を液圧制動するための装置(400,500)。
【請求項6】
前記ピストン(421,521)を受け入れるために前記シース(110)の内部に台座を形成している前記第2部分(410,510)が、液体金属の通過を可能にする複数のポート(412)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)を液圧制動するための装置(400,500)。
【請求項7】
前記冷却液体金属が内部を通過するシース(110)と、
中性子吸収材料が含まれるジャケット(210)を備えた可動セット(200)であって、前記可動セットは、前記シース(110)内でダウン位置とアップ位置との間を垂直に移動する、可動セット(200)と、
前記可動セット(200)を制動するための請求項1〜6のいずれか一項に記載の液圧制動装置と、
を含むことを特徴とする、冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ(100)。
【請求項8】
請求項7に記載の吸収アセンブリ(100)を含む冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウムなどの液体金属によって冷却される高速中性子原子炉(FNR)の吸収アセンブリを液圧制動するための装置の分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、六角形のシース内を移動可能な吸収アセンブリを液圧制動するための装置に関する。本発明は、より正確には、可動セットをシース内に案内するための装置を含まない、すなわち可動セットの落下がシース内で半径方向に完全に自由である、吸収アセンブリを液圧制動するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
高速中性子原子炉では、炉心は、冷却液体、一般に液体ナトリウムで満たされた反応容器内に垂直に配置された異なるプリズム形状のアセンブリからなる。
【0004】
これらのアセンブリの大部分は、炉心における中性子の動きに関わる燃料集合体である。
【0005】
他のアセンブリは、原子炉の運転および/または停止に使用され、中性子吸収材料を含む。これらのアセンブリは、典型的には、吸収アセンブリと呼ばれる。これらの吸収アセンブリは、特に、中性子吸収材料を含む可動セットが垂直に移動するシース(例えば、六角形のもの)によって形成される。
【0006】
原子炉の運転および炉心出力の制御は、吸収材料を含む可動セットを炉心に多かれ少なかれ挿入することによって達成される。原子炉の停止は、吸収アセンブリのセットの可動セットを最大挿入位置に導入することによって達成される。
【0007】
原子炉の緊急停止の場合、可動吸収セットはシース内で非常に迅速に降下しなければならない。一般的に、可動セットは、その重量の影響を受ける。したがって、吸収要素およびその移動機構を含むことができる可動セットは、かなりの重量を有し、ストロークエンドのスピードが重要となり得る。可動セットがその垂直方向の運動機構から偶然解放された場合も同様である。
【0008】
したがって、可動セットは、シースの下部でのその迅速な下方移動の終わりに停止されなければならない。このように、液圧ダッシュポットとも呼ばれる粘性消散器の原理で動作する制動装置すなわち減衰装置が提供され、著しいヘッドロスの発生による可動セットの落下中に運動エネルギーを吸収する可能性がある。
【0009】
文書 FR8306164は、液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリに組み込まれた制動装置の例を記載している。
【0010】
しかしながら、吸収アセンブリのアーキテクチャに組み込まれたこれらの制動装置は、吸収アセンブリの大幅な変更を生成し、製造が比較的複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この背景において、本発明は、高速中性子原子炉の吸収アセンブリを液圧制動するための装置を提供し、そのような装置を含む吸収アセンブリの統合および製造を容易にしながら、そのような装置の製造を簡略化することを可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本発明の1つの目的は、冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリを液圧制動するための装置であり、前記吸収アセンブリは、シースと、中性子吸収材料が含まれるジャケットを備えた可動セットとを含み、前記可動セットは、前記シース内でダウン位置とアップ位置との間を垂直に移動することができ、前記シースでは前記冷却液体金属が内部を通過し、
前記液圧制動装置が、
前記可動セットの下部に固定することができる第1の部分であって、前記第1の部分はその下端にピストンを含む、第1の部分と、
前記シースの内部に固定され、前記シースの内部に台座を形成して前記第1の部分の前記ピストンを受け入れることができる第2の部分と、
を含み、
前記第1の部分の前記ピストンと前記制動装置の第2の部分は、前記可動セットがそのダウン位置にあるときに協働して、リーク経路を有する第1の液体金属捕捉チャンバを構成することができ、前記リーク経路は、前記ピストンの外面と前記第2の部分の内面との間に画定された環状空間によって形成され、
前記制動装置は、第1の部分が、その上部部分に可動セットの前記ジャケットに固定することができるグリッドを含み、前記グリッドは可動セットのジャケットの内部に液体金属を通過させるための開口を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明による冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリを液圧制動するための装置は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を、単独で、または技術的に可能な組合せに従って、有することもできる。
【0014】
ピストンとグリッドが一体になっており、
前記ピストンが、
第1の前部と、
円錐頂点が前記ピストンの後方に向けられた第2の実質的に円錐形状の部分と、
前記第2の部分(421b)と前記グリッドとの間に延在する第3の実質的に円筒形状の部分と、を有し、
前記第1の前部が、その円錐頂点が前記ピストンの前方に向けられた実質的に円錐形状を有するか、平面輪郭または凹輪郭を有し、
前記第2の部分と前記グリッドとの間に延在する前記第3の実質的に円筒形状の部分が、前記グリッドまで延在するフィン(423)を含み、
ピストンが内部チャンバを含み、前記第2の部分が、第2の部分の内部容積に設けられた突起を含み、前記突起は、前記可動要素がそのダウン位置にあるときに前記内部チャンバと協働して第2の液体金属チャンバを形成し、そのリーク経路は、前記突起の外面と前記ピストンの前記内部チャンバの内面との間に画定された環状空間によって形成され、
前記ピストンを受け入れるために前記シースの内部に台座を形成している前記第2部分が、液体金属の通過を可能にする複数のポートを含む。本発明の別の目的は、冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリにおいて、
前記冷却液体金属が内部を通過するシースと、
中性子吸収材料が含まれるジャケットを備えた可動セットであって、前記可動セットは、前記シース内でダウン位置とアップ位置との間を垂直に移動する、可動セットと、
可動セットを制動するための本発明による液圧制動装置と、
を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の別の目的は、本発明による吸収アセンブリを含む冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉である。
【0016】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読むことにより明らかとされよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による制動装置の第1の実施形態を含む高速中性子原子炉の吸収アセンブリの垂直対称面による断面図を示しており、可動セットを炉心から完全に引き出されるアップ位置に示している。
【
図2】
図1に示した本発明による制動装置の円錐台状の台座の断面図である。
【
図3】
図1に示した吸収アセンブリの可動セットを、そのダウン位置に示した部分図である。
【
図4】本発明による制動装置の第2の実施形態を含む高速中性子原子炉の吸収アセンブリの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を通して、他に示さない限り、共通の要素は同じ参照符号を有する。
【0019】
この特許出願で使用されている用語「下(lower)」、「上(upper)」は、吸収アセンブリ内部の冷却流体の流れの方向、すなわち垂直方向に沿って上向きを基準として定義される。
【0020】
図1は、本発明による制動装置400の第1の実施形態を含む高速中性子原子炉の吸収アセンブリ100の垂直対称面による断面図を示している。
【0021】
吸収アセンブリ100は、特に、吸収材料を含む可動セット200が移動する炉心内で垂直に延びる六角形のシース110を含み、シース110内の可動セット200の位置は、炉心の所望の中性子の動きの関数として決定される。実際、原子炉の運転および炉心出力の制御は、吸収材料を含む可動セット200を炉心に多かれ少なかれ挿入することによって達成される。
【0022】
シース110の下端(図示せず)は、炉心燃料集合体のための支持体として作用するボルスタの内部に従来方式で係合している。このシース110の下端は、循環ポンプから出て、シース110の内部容積の内側に導入されるボルスタの中心領域を循環する冷却液体ナトリウム流を可能にする開口を含む。
【0023】
吸収アセンブリ100の可動セット200は、
図1の中間位置、すなわちそのダウン位置とそのアップ位置との間の位置に示されている。可動セット200は、吸収材料の複数のニードル220を含むジャケット管210を含んでいる。ニードル220およびジャケット管210は、下側グリッド230aおよび上側グリッド230bによって両側が取り囲まれており、グリッド230a,230bは、ニードルの端部が導入され、ニードル220がジャケット管210内の所定の位置に保持されることを可能にする複数の孔すなわち座ぐり穴を、ジャケット管210の内側に面するそれらの面に有している。下側グリッド230aおよび上側グリッド230bはまた、液体ナトリウムの循環のための複数の通路を形成する貫通開口を有し、したがって、
図1の矢印によって示されるようにジャケット管210の内部で液体ナトリウムの供給を可能にする。
【0024】
可動セット200の上側グリッド230bが掛止片240と協働することで、そのアップ位置(コアから完全に引き出される)とそのダウン位置(コアに完全に挿入される)との間で可動セット200を垂直方向に沿って移動させるための機構(図示せず)を介して、可動セット200をシース110内で引っ掛けて移動させることができる。
【0025】
偶発的な掛止解除中または原子炉の緊急停止を引き起こしている間でさえ、掛止片240と可動セット200を移動させる機構との間の接続は中断され、可動セット200は、そのダウン位置でのその自重作用によりシース110内で落下する。
【0026】
本発明による液圧制動装置400は、落下中の可動要素の運動エネルギーを吸収することを可能にする。制動装置400は、著しいヘッドロスを生じさせることによってその下向き運動の終わりに可動セット200の落下を減衰させて制動する液圧ダッシュポットとも呼ばれる粘性消散器である。
【0027】
液圧制動装置400は、シース110の下部領域110aに配置され、ボルスタに係合された端部よりも垂直方向上方に位置する第1の部分410と、可動セット200と一体の第2の部分420とによって形成され、両方の部分410,420が協働して、可動セットがそのダウン位置に到着したときに著しいヘッドロスを生じさせる。
【0028】
図1〜
図3に示す第1の実施形態では、シース110の内部容積に配置された制動装置400の第1の部分410が液圧制動装置400の雌部分を形成している。この第1の部分は、そのために設けられた手段によってシース110内に軸線方向に同心円状に固定された実質的に円錐台状の台座を形成する中空体によって形成されている。
【0029】
円錐台状の台座410すなわち液圧制動装置400の雌部分は、シースの内側六角形壁と協働してシース110内で垂直に上昇する液体ナトリウム流偏向器を形成する六角形断面の上部部分411を有する。台座410の上部部分におよび六角形断面の部分411のわずかに下に、台座410は、台座410の周縁部に分布するポート412を含んでいる。ポート412は、特に可動セット200が移動するその上部領域110bにおいて、シース110の液体ナトリウム供給の連続性を、確実にすることを可能にする。
【0030】
図3に示すように、可動セット200のダウン位置すなわち落下位置では、下側グリッド230aは、その六角形の上部部分411で円錐台状の台座410に当接し、局所的なシールを形成し、液体ナトリウム流が、
図3の矢印によって示されているように、下側グリッド230aの孔を通ってジャケット管210に直接方向転換される。この特に好適な構成は、可動セット200がシース110内のダウン位置にあるときに、ジャケット管210内で連続的なナトリウム流の循環を確保することを可能にする。
【0031】
可動セット200と一体化された制動装置400の第2の部分420は、制動装置の雄部分を形成し、前述の円錐台状の台座410と協働するのに適した輪郭を有する。
【0032】
制動装置400の第2の部分420は、その下端に弾丸形状または魚雷形状のピストン421を有し、前述の下側グリッド230aを一体化している。
【0033】
ピストン421は、第1の部分421aに対して逆円錐形状を有する第2の部分421bと協働する実質的に円錐形状の前面として作用する第1の部分421aを(シース110内の垂直方向の液体金属の循環を考慮して上向きに)有する。したがって、ピストン421は、これら両方の円錐形部分421a,421bの間の接合部に最大直径を有する。
【0034】
ピストン421は、第3の実質的に円筒形状の部分421cを有し、これは第1の部分421aおよび第2の部分421bの断面積に対して減少した断面積を有する。この第3の部分421cにおいて、ピストン421はまた、下側グリッド230aの開口を介してジャケット管210に入るまで、ピストン421の周りに最大の層状液体ナトリウム流を維持するように、下側グリッド230aまで延在するフィン423を含んでいる。
【0035】
好適には、フィン423を含む第3の円筒形状の部分421cは、固体から機械加工された単一部品を構成するように下側グリッド230aと一体になっており、これは、可動セット200と制動装置400のピストン421の下部との間のさらなる接続部の製造を行わないという利点を有する。したがって、製造プロセス中に、これらの要素の溶接および制御作業を省くことができるので、取り付け作業が容易になる。
【0036】
このように、ピストン421の輪郭は、以下の機能、すなわち、
特に、ピストン421が台座410に入るときに可動セット200をシース110内にリセンタリング(recentring)し、吸収アセンブリ100は、可動セット200がその落下の間に案内されることを可能にするガイド手段を有していない。
このリセンタリングは、特に、ピストン421の前面421aの円錐形状によって可能にされること、
特に、第1の部分421aと第2の部分421bとの間で、ピストン421の急峻な断面変化によってなされる制動段階(可動セット200が落下するとき)で著しいハンドロスを生じさせること、
液体ナトリウム流の下での振動を最小限にし、これは、可動セット200の下端の乱流を制限し、したがって流動下の振動励振可能性を制限するために、ピストン421が流体力学的形状を有することを必要とする、このために、ピストンの前部形状は、輪郭を付けられた円錐形状であるが、後部形状は、フィン423の存在によっても輪郭を付けられること、
ニードルビーム220の適切な供給、これは、ピストン421の第3の部分421cにおける、すなわち、最大直径を有する断面と下側グリッド230aとの間の、ピストン421の断面積の減少によって可能になること、
を満たすように画定される。
【0037】
したがって、可動セット200の落下中に、特にピストン421が円錐台状の台座410の内部に到着すると、円錐台状の台座410の底部とピストン421との間のナトリウム容積が捕捉され、これは、その最大直径において円錐台状の台座410とピストン421の外部表面との間にある、較正されたリーク経路を形成する環状空間を通ってのみ逃げることができる。可動セット200がそのダウン位置に到着すると、可動セット200の落下を減衰させて制動するダッシュポット効果が生じる。
【0038】
円錐台状の台座410の底部は、円錐台状の台座410の底部での液体ナトリウムの停滞を防ぐ排出口413を有することが好適である。
【0039】
代替的な実施形態によれば、ピストンの前面または上流側の面は、平坦な輪郭または凹輪郭を有することができる。そのような代替物を、円錐台状の台座410の底部で捕捉されたナトリウム容積を増加させることによって、円錐台状の台座410への落下の終わりに可動セット200の制動をさらに改善するために使用することができる。
【0040】
図4に示す第2の実施形態によれば、円錐台状ベース510の底部は、台座410の底部を中心とする実質的に円錐台形状の突起511を有する。突起511は、円錐台状の台座510の内径よりも小さい外径を有し、突起511と円錐台状の台座510の内壁との間に環状空間512を形成している。ピストン521は、ピストン521の内部に設けられかつその前面521aから出ている内部チャンバ522を含んでいる。内部チャンバ522の形状は、円錐台状の台座510の突起511と協働するのに適している。本発明のこの第2の実施形態では、ダッシュポット効果が高められる。実際、突起511は、第1の液体ナトリウム容積がピストン521の内部チャンバ522に捕捉されることを可能にし、そのリーク経路は、突起511の外面と内部チャンバ522の内面との間の残留空間によって較正される。このため、突起511の周りの環状空間512における第2の液体ナトリウム容積がさらに捕捉されて、
図1〜
図3を参照して前述の第1の実施形態と同様に、そのリーク経路は、円錐台状の台座510の内面とピストン521の外面との間の空間によって較正される。
【符号の説明】
【0041】
100 吸収アセンブリ
110 シース
110a 下部領域
110b 上部領域
200 可動セット
210 ジャケット管、ジャケット
220 ニードル、ニードルビーム
230a 下側グリッド
230b 上側グリッド
240 掛止片
400、500 制動装置、冷却液体金属によって冷却される高速中性子原子炉の吸収アセンブリ100を液圧制動するための装置
410 第1の部分、第2の部分、台座
411 上部部分
412 ポート
420 第1の部分、第2の部分
421、521 ピストン
421a 第1の部分、前部
421b 第2の部分、円錐形状の部分
421c 第3の部分、円筒形状の部分
423 フィン
510 第2の部分、台座、ベース
511 突起
521a 前面
522 内部チャンバ